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【発明の名称】 原稿読取装置
【発明者】 【氏名】加藤 竹博

【要約】 【課題】シェーディング補正板の汚損を防止し、精度の高いシェーディング補正を読取速度の低下を招くことなく可能とする原稿読取装置を提供すること。

【構成】原稿読取装置は、原稿を搬送路中に設けられた読取部へ搬送する給紙部と、搬送されてきた原稿の画像を読取部で読み取る画像読取部と、読み取られる画像の基準濃度情報を予め画像読取部に読み取らせるためのシェーディング補正板と、シェーディング補正板を読取部に対して進退可能に駆動する補正板駆動部と、給紙部、画像読取部および補正板駆動部を制御する制御部とを備え、補正板駆動部は制御部の制御の下にシェーディング補正板を読取部に進退させ、制御部はシェーディング補正板によって得られた基準濃度情報に基づいてシェーディング補正を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を搬送路中に設けられた読取部へ搬送する給紙部と、搬送されてきた原稿の画像を読取部で読み取る画像読取部と、読み取られる画像の基準濃度情報を予め画像読取部に読み取らせるためのシェーディング補正板と、シェーディング補正板を読取部に対して進退可能に駆動する補正板駆動部と、給紙部、画像読取部および補正板駆動部を制御する制御部とを備え、補正板駆動部は制御部の制御の下にシェーディング補正板を読取部に進退させ、制御部はシェーディング補正板によって得られた基準濃度情報に基づいてシェーディング補正を行うことを特徴とする原稿読取装置。
【請求項2】
シェーディング補正板は、基準濃度情報を画像読取部に読み取らせるために少なくとも白レベル検出部を有することを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。
【請求項3】
補正板駆動部は、原稿が読取部を通過するタイミングに応じて、シェーディング補正板を読取部で画像読取部に読み取らせる読取位置と、原稿の通過を妨げない退避位置とに移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の原稿読取装置。
【請求項4】
給紙部は、原稿を所定のタイミングで読取部へ搬送するためのレジストローラを搬送路中に備え、補正板駆動部は原稿の先端がレジストローラに到達するまでにシェーディング補正板を退避位置へ移動させることを特徴とする請求項3に記載の原稿読取装置。
【請求項5】
給紙部は、原稿を所定のタイミングで読取部へ搬送するためのレジストローラを搬送路中に備え、補正板駆動部はレジストローラによる原稿の搬送が開始されるまでにシェーディング補正板を退避位置へ移動させることを特徴とする請求項3に記載の原稿読取装置。
【請求項6】
給紙部は、搬送路の上流に配置され原稿を搬送路へ送り出すための給紙ローラを備え、補正板駆動部は原稿が給紙ローラを通過するタイミングでシェーディング補正板を読取位置へ移動させ、制御部がシェーディング補正を実行することを特徴とする請求項3に記載の原稿読取装置。
【請求項7】
給紙部は、読取部で読み取られた原稿を搬送路の下流へ搬送するための搬送ローラを備え、補正板駆動部は原稿の後端が前記搬送ローラを通過したタイミングでシェーディング補正板を読取位置へ移動させ、制御部がシェーディング補正を実行することを特徴とする請求項3に記載の原稿読取装置。
【請求項8】
給紙部は複数の原稿を1枚ずつ搬送路に給紙できるように構成され、補正板駆動部は、1枚目の原稿が搬送路へ給紙された際、所定枚数の原稿が読み取られた際、および原稿読取装置に電力が供給開始された際のいずれかにシェーディング補正板を読取部に進退させ、制御部がシェーディング補正を実行することを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。
【請求項9】
原稿を搬送路中に設けられた読取部へ搬送する給紙部と、搬送されてきた原稿の画像を読取部で読み取る画像読取部と、読み取られる画像の基準濃度情報を予め画像読取部に読み取らせるために読取部の近傍に配置されるシェーディング補正板と、給紙部および画像読取部を制御する制御部とを備え、シェーディング補正板は読取部から原稿の搬送方向の上流側または下流側に離間した原稿と非接触となる位置に固定され、制御部はシェーディング補正板によって得られた基準濃度情報に基づいてシェーディング補正を行うことを特徴とする原稿読取装置。
【請求項10】
シェーディング補正板は、基準濃度情報を画像読取部に読み取らせるために少なくとも白レベル検出部を有することを特徴とする請求項9に記載の原稿読取装置。
【請求項11】
画像読取部は、原稿およびシェーディング補正板に光を照射する光源、原稿およびシェーディング補正板から反射してきた光の光路を変更するミラーおよび光路変更された光を受光して電気信号に変換する受光素子とからなり、シェーディング補正板は、シェーディング補正板から反射しミラーを介して受光素子に至る光路長が、原稿から反射しミラーを介して受光素子に至る光路長と略等しくなるような位置に配置されることを特徴とする請求項9又は10に記載の原稿読取装置。
【請求項12】
光源から照射された光を所定の方向に集光するリフレクターと、制御部の制御の下に駆動されミラーの角度を変更するミラー駆動部を更に備え、制御部がシェーディング補正を行う際、ミラー駆動部はシェーディング補正板から反射しミラーを介して受光素子に至る光路長が、原稿から反射しミラーを介して受光素子に至る光路長と略等しくなるようにミラーの角度を変更することを特徴とする請求項11に記載の原稿読取装置。
【請求項13】
制御部の制御の下で駆動されリフレクターの角度を変更するリフレクター駆動部を更に備え、リフレクター駆動部はシェーディング補正の要否に応じて読取部とシェーディング補正板が選択的に照射されるようにリフレクターの角度を変更することを特徴とする請求項12に記載の原稿読取装置。
【請求項14】
給紙部は複数の原稿を1枚ずつ搬送路へ給紙できるように構成され、制御部は、1枚目の原稿が搬送路へ給紙された際、所定枚数の原稿が読み取られた際、および原稿読取装置に電力が供給開始された際のいずれかにシェーディング補正を実行することを特徴とする請求項9に記載の原稿読取装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、原稿読取装置に関し、より詳しくは、読み取った画像の濃度のムラを補正するシェーディング補正の精度向上を図るための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この発明に関連する従来技術としては、プラテン上に載置された原稿に対して光源およびミラーを含む読取ユニットを副走査方向に移動させながら原稿の画像を読み取る原稿固定方式の読取方法において、シェーディング補正板を読取ユニットに対して移動可能に装着し、制御部が光源と原稿との間の光路位置に前記シェーディング板を必要に応じて移動させることにより、シェーディング補正のための基準濃度情報取得の迅速化を図った原稿読取装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平4−72862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、原稿の画像を読み取って電子化する原稿読取装置は、原稿に光を照射する光源、原稿から反射されてきた光の光路を変更するミラー、光路変更された光を受光して電気信号に変換するCCD等の受光素子を備えている。
光源としては主走査方向に延びる蛍光灯などが使用されるが、主走査方向における輝度が一定でないことに起因して、読み取られた原稿の画像に濃度のムラが発生することがある。
このような濃度のムラを補正するために、シェーディング補正と呼ばれる補正が行われている。
シェーディング補正とは、読み取られた画像に濃度のムラが発生しないように予め濃度調整を行っておく処理のことで、例えば、白板からなるシェーディング補正板に光源から光を照射して得られた基準濃度情報に基づいて、受光素子を構成する複数の画素の出力値(受光感度)が均一の値となるように予め各画素の出力値を調整しておくことにより、読み取られた画像の濃度が均一になるようにしている。
シェーディング補正は、画像品位を最優先するのであれば、原稿を読み取る前にその都度行うことが望ましいが、原稿を1枚読み取る毎にシェーディング補正板を照射して基準濃度情報を得ようとすれば、原稿読取速度の低下を招くため、実際には原稿読取装置の起動時、印字要求がなされた時の1枚目、所定枚数の読み取り毎に行われている。
【0004】
ところで、原稿の画像を読み取るにあたっては原稿固定方式と原稿移動方式がある。原稿固定方式とはガラス板等からなる透明なプラテン上に原稿を載置し、光源およびミラーを原稿に対して副走査方向に移動させながら原稿の画像を読み取る方式である。
一方、原稿移動方式とは、光源およびミラーを搬送路中に開口された読取部の近傍に静止させた状態で、原稿を副走査方向に搬送しながら原稿の画像を読み取る方式であり、自動原稿送り装置(Auto Document Feeder)(ADF)を備えた複写機等に多く採用されている。
【0005】
原稿固定方式および原稿移動方式のいずれにしても、信頼性の高い基準濃度情報を得るためにはシェーディング補正板から受光素子に至る光路長と、原稿から受光素子に至る光路長がなるべく等しいことが望ましい。
原稿固定方式では、原稿が載置されるプラテンの領域外にシェーディング補正板を配置できるので、シェーディング補正板から受光素子に至る光路長と、原稿から受光素子に至る光路長を、比較的容易に略等しく設定することができる。
また、ユーザー自らがプラテン上に原稿を1枚ずつ載置し、原稿読取装置に対して読取要求をなすので、光源がシェーディング補正板を照射すべくシェーディング補正板が配置された位置へ移動することに起因して生ずる読取速度の低下は、それほどユーザーにとって不都合をきたすものではない。
【0006】
しかしながら、原稿移動方式ではユーザーが原稿載置台に複数の原稿が重ねられた原稿束を載置し、搬送路中に設けられた読取部に原稿を連続的に通過させて原稿の画像を読み取るので、ユーザーは複数の原稿を高速で読み取ることを意図していることが多く、シェーディング補正の度に光源をプラテンの領域外に配置されたシェーディング補正板へ移動させれば、ユーザーの意図に反して読取速度の大幅な低下を招くこととなる。
そのため、原稿移動方式では搬送路中に開口された読取部に搬送路の一部を構成するようにシェーディング補正板を配置し、原稿読取開始前、もしくは先の原稿が通過してから次の原稿が通過するまでの間にシェーディング補正板を照射するように構成されていることが多い。
また、上述のように、原稿から反射し受光素子に至るまでの光路長と、シェーディング補正板から反射し受光素子に至るまでの光路長は、なるべく等しく設定されることが望ましいため、シェーディング補正板は原稿を読取部に付勢するように読取部を通過する原稿に対して極力近接させて配置されることが多い。
【0007】
しかしながら、原稿の中にはボールペンなどの完全に乾燥しきっていないインクによって画像が描かれたものもあり、この場合、シェーディング補正板がインクで汚損されることもある。また、インク以外にも、連続的に高速で搬送される原稿から生じる紙粉等の堆積によりシェーディング補正板が汚損されることもある。
シェーディング補正板が汚損されると、シェーディング補正を行うための正確な基準濃度情報が得られなくなり、シェーディング補正そのものが適切になされなくなる。
【0008】
この発明は以上のような事情を考慮してなされたものであり、シェーディング補正板の汚損を防止し、精度の高いシェーディング補正を読取速度の低下を招くことなく可能とする原稿読取装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、原稿を搬送路中に設けられた読取部へ搬送する給紙部と、搬送されてきた原稿の画像を読取部で読み取る画像読取部と、読み取られる画像の基準濃度情報を予め画像読取部に読み取らせるためのシェーディング補正板と、シェーディング補正板を読取部に対して進退可能に駆動する補正板駆動部と、給紙部、画像読取部および補正板駆動部を制御する制御部とを備え、補正板駆動部は制御部の制御の下にシェーディング補正板を読取部に進退させ、制御部はシェーディング補正板によって得られた基準濃度情報に基づいてシェーディング補正を行うことを特徴とする第1の原稿読取装置を提供するものである。
【0010】
また、この発明は、原稿を搬送路中に設けられた読取部へ搬送する給紙部と、搬送されてきた原稿の画像を読取部で読み取る画像読取部と、読み取られる画像の基準濃度情報を予め画像読取部に読み取らせるために読取部の近傍に配置されるシェーディング補正板と、給紙部および画像読取部を制御する制御部とを備え、シェーディング補正板は読取部から原稿の搬送方向の上流側または下流側に離間した原稿と非接触となる位置に固定され、制御部はシェーディング補正板によって得られた基準濃度情報に基づいてシェーディング補正を行うことを特徴とする第2の原稿読取装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明による第1の原稿読取装置によれば、制御部の制御の下に駆動される補正板駆動部によってシェーディング補正板が搬送路中に設けられた読取部に進退させられるので、シェーディング補正板の汚損を確実に防止でき、精度の高いシェーディング補正を読取速度の低下を招くことなく行うことができる。
【0012】
また、この発明による第2の原稿読取装置によれば、読取部の近傍に配置されるシェーディング補正板が読取部から原稿の搬送方向の上流側または下流側に離間した原稿と非接触となる位置に固定されるので、シェーディング補正板の汚損を確実に防止でき、精度の高いシェーディング補正を読取速度の低下を招くことなく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
この発明による第1の原稿読取装置は、原稿を搬送路中に設けられた読取部へ搬送する給紙部と、搬送されてきた原稿の画像を読取部で読み取る画像読取部と、読み取られる画像の基準濃度情報を予め画像読取部に読み取らせるためのシェーディング補正板と、シェーディング補正板を読取部に対して進退可能に駆動する補正板駆動部と、給紙部、画像読取部および補正板駆動部を制御する制御部とを備え、補正板駆動部は制御部の制御の下にシェーディング補正板を読取部に進退させ、制御部はシェーディング補正板によって得られた基準濃度情報に基づいてシェーディング補正を行うことを特徴とする。
【0014】
この発明による第2の原稿読取装置は、原稿を搬送路中に設けられた読取部へ搬送する給紙部と、搬送されてきた原稿の画像を読取部で読み取る画像読取部と、読み取られる画像の基準濃度情報を予め画像読取部に読み取らせるために読取部の近傍に配置されるシェーディング補正板と、給紙部および画像読取部を制御する制御部とを備え、シェーディング補正板は読取部から原稿の搬送方向の上流側または下流側に離間した原稿と非接触となる位置に固定され、制御部はシェーディング補正板によって得られた基準濃度情報に基づいてシェーディング補正を行うことを特徴とする。
【0015】
この発明による第1および第2の原稿読取装置において、給紙部とは、原稿を搬送路中に設けられた読取部へ搬送するための各種搬送手段を意味し、例えば、原稿トレイから原稿を搬送路中へ送り出す給紙ローラ、原稿を搬送路に沿って搬送する搬送ローラ、搬送されてきた原稿を一旦チャックし、所定のタイミングで読取部へ搬送するレジストローラ等が挙げられる。
【0016】
また、画像読取部とは、原稿の画像を読み取って電子的な画像データを生成するための各種読取手段を意味し、例えば、原稿に対して光を照射する光源、原稿から反射してきた光の光路を変更するミラー、光路変更された光を受光して電気信号に変換するCCD等から構成されたものが挙げられる。
【0017】
また、シェーディング補正板とは、読み取られる画像の基準濃度情報、すなわちシェーディング補正を行ううえで基準とすべき濃度のレベルを画像読取部に予め読み取らせるための手段を意味し、例えば、白レベル検出部を有する白板、又は、白レベル検出部と黒レベル検出部を有する白/黒板などが挙げられる。
【0018】
第1の原稿読取装置において、補正板駆動部とは、シェーディング補正板を読取部に対して進退させるための駆動手段を意味し、例えば、シェーディング補正板に連結され、制御部の制御の下で駆動される電磁ソレノイド、正逆回転可能なパルスモータなどが挙げられる。
【0019】
また、制御部とは、第1の原稿読取装置においては、上述の給紙部、画像読取部および補正板駆動部を所定のプログラムに従って制御し作動させるマイクロコンピュータを意味し、第2の原稿読取装置においては、給紙部および画像読取部を所定のプログラムに従って制御し作動させるマイクロコンピュータを意味する。
制御部は、例えば、CPU,ROM,RAM,各種センサと接続され信号の入出力を行うI/Oポート、各種駆動部を作動させるドライバ回路等から構成される。
【0020】
また、「シェーディング補正を行う」とは、読み取られた画像に濃度のムラが発生しないようにシェーディング補正板によって得られた基準濃度情報に基づいて予め濃度調整を行っておく処理を意味する。
【0021】
この発明による第1および第2の原稿読取装置において、シェーディング補正板は、基準濃度情報を画像読取部に読み取らせるために少なくとも白レベル検出部を有することが好ましい。
このような構成によれば、最も明るい白色のレベルを基準濃度情報として得ることができ、シェーディング補正を効率的かつ的確に行うことができる。
【0022】
この発明による第1の原稿読取装置において、補正板駆動部は、原稿が読取部を通過するタイミングに応じて、シェーディング補正板を読取部で画像読取部に読み取らせる読取位置と、原稿の通過を妨げない退避位置とに移動させることが好ましい。
このような構成によれば、シェーディング補正を行う必要がある時のみシェーディング補正板が読取部に進出し、シェーディング補正を行う必要がない時には原稿の通過を妨げない退避位置に移動させられるので、シェーディング補正板の汚損を確実に防止でき、読取速度の低下を招くことなく精度よくシェーディング補正を行うことができる。
【0023】
また、原稿が読取部を通過するタイミングに応じてシェーディング補正板が読取位置と退避位置に移動させられる上記構成において、給紙部は、原稿を所定のタイミングで読取部に搬送するためのレジストローラを搬送路中に備え、補正板駆動部は原稿の先端がレジストローラに到達するまでにシェーディング補正板を退避位置へ移動させてもよい。
【0024】
また、原稿が読取部を通過するタイミングに応じてシェーディング補正板が読取位置と退避位置に移動させられる上記構成において、給紙部は、原稿を所定のタイミングで読取部へ搬送するためのレジストローラを搬送路中に備え、補正板駆動部はレジストローラによる原稿の搬送が開始されるまでにシェーディング補正板を退避位置へ移動させてもよい。
【0025】
これらの構成によれば、いずれの構成においてもシェーディング補正板を退避位置へ移動させるタイミングを図るものとして、搬送路中に設けられ原稿を所定のタイミングで読取部へ原稿を搬送するレジストローラが利用されるので、原稿の位置を測定するセンサ等を別途設けることなく、原稿が読取部を通過するまでに確実にシェーディング補正板を退避位置へ移動させることができる。
【0026】
また、原稿読取部を通過するタイミングに応じてシェーディング補正板が読取位置と退避位置に移動させられる上記構成において、給紙部は、搬送路の上流に配置され原稿を搬送路へ送り出すための給紙ローラを備え、補正板駆動部は原稿が給紙ローラを通過するタイミングでシェーディング補正板を読取位置に移動させ、制御部がシェーディング補正を実行してもよい。
このような構成によれば、原稿が搬送路の上流に配された給紙ローラを通過するタイミングでシェーディング補正板が読取位置へ移動させられ、シェーディング補正が行われるので、原稿の読み取りを開始する前にシェーディング補正を行うことができる。
【0027】
また、原稿が読取部を通過するタイミングに応じてシェーディング補正板が読取位置と退避位置に移動させられる上記構成において、給紙部は、読取部で読み取られた原稿を搬送路の下流へ搬送するための搬送ローラを備え、補正板駆動部は原稿の後端が前記搬送ローラを通過したタイミングでシェーディング補正板を読取位置へ移動させ、制御部がシェーディング補正を実行してもよい。
このような構成によれば、読取部で読み取られた原稿を搬送路の下流へ搬送するための搬送ローラを原稿の後端が通過したタイミングで、シェーディング補正板が読取位置へ移動させられシェーディング補正が行われるので、複数の原稿を連続的に読み取る場合に、先の原稿が読取部を通過してから次の原稿が読取部に到達するまでの間にシェーディング補正を行うことができる。
【0028】
この発明による第1の原稿読取装置において、給紙部は複数の原稿を1枚ずつ搬送路に給紙できるように構成され、補正板駆動部は、1枚目の原稿が搬送路へ給紙された際、所定枚数の原稿が読み取られた際、および原稿読取装置に電力が供給開始された際のいずれかにシェーディング補正板を読取部に進退させ、制御部がシェーディング補正を実行してもよい。
このような構成によれば、原稿読取装置の起動時、原稿読取の1枚目または所定枚数の原稿読取毎にシェーディング補正が行われるので、画像品位と原稿読取速度の両立を図ることができる。
【0029】
この発明による第2の原稿読取装置において画像読取部は、原稿およびシェーディング補正板に光を照射する光源、原稿およびシェーディング補正板から反射してきた光の光路を変更するミラーおよび光路変更された光を受光して電気信号に変換する受光素子とからなり、シェーディング補正板は、シェーディング補正板から反射しミラーを介して受光素子に至る光路長が、原稿から反射しミラーを介して受光素子に至る光路長と略等しくなるような位置に配置されてもよい。
このような構成によれば、シェーディング補正板からミラーを介して受光素子に至る光路長と原稿からミラーを介して受光素子に至る光路長が略等しくなるため、基準濃度情報の信頼性が向上し、結果としてシェーディング補正の精度がより一層向上する。
【0030】
また、上記構成において第2の原稿読取装置は、光源から照射された光を所定の方向に集光するリフレクターと、制御部の制御の下に駆動されミラーの角度を変更するミラー駆動部を更に備え、制御部がシェーディング補正を行う際、ミラー駆動部はシェーディング補正板から反射しミラーを介して受光素子に至る光路長が、原稿から反射しミラーを介して受光素子に至る光路長と略等しくなるようにミラーの角度を変更してもよい。
このような構成によれば、シェーディング補正が行われる際に、シェーディング補正板から反射しミラーを介して受光素子に至る光路長が、原稿から反射しミラーを介して受光素子に至る光路長と等しくなるようにミラーの角度が変更されるので、シェーディング補正板から反射した光をより的確に受光素子に導いて基準濃度情報の信頼性を向上させることができ、結果としてシェーディング補正の精度がより一層向上する。
【0031】
また、ミラーの角度が変更される上記構成において、第2の原稿読取装置は、制御部の制御の下で駆動されたリフレクターの角度を変更するリフレクター駆動部を更に備え、リフレクター駆動部はシェーディング補正の要否に応じて読取部とシェーディング補正板が選択的に照射されるようにリフレクターの角度を変更してもよい。
このような構成によれば、シェーディング補正の要否に応じてリフレクターの角度が変更されるので、シェーディング補正板を原稿と同条件で照射して基準濃度情報の信頼性を向上させることができ、結果としてシェーディング補正の精度がより一層向上する。
【0032】
この発明による第2の原稿読取装置において、給紙部は複数の原稿を1枚ずつ搬送路へ給紙できるように構成され、制御部は、1枚目の原稿が搬送路へ給紙された際、所定枚数の原稿が読み取られた際、および原稿読取装置に電力が供給開始された際のいずれかにシェーディング補正を実行してもよい。
このような構成によれば、原稿読取装置の起動時、原稿読取の1枚目または所定枚数の原稿読取毎にシェーディング補正が行われるので、画像品位と原稿読取速度の両立を図ることができる。
【0033】
以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0034】
図1〜14に基づいて、この発明の実施例による原稿読取装置(自動原稿送り装置)(以下、「ADF」と略称する)が搭載された画像形成装置について説明する。図1は、実施例による画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【0035】
画像形成装置の全体構成とその動作
図1に示されるように、この発明の実施例によるADF(用紙搬送装置)1が搭載された画像形成装置100は、ADF1によって搬送された原稿をスキャンして得られた画像データ、或いは、外部から伝達された画像データに応じて、所定の記録用紙(シート)に対してモノクロ画像を形成するものである。
画像形成装置100は、主に第1読取ユニット32、自動原稿搬送ユニット33および第2読取ユニット52からなるADF1、光書込ユニット3、現像器4、感光体5、帯電器6、クリーナユニット7、転写ユニット8、定着ユニット9、用紙搬送路10、給紙トレイ11および排紙トレイ12とから主に構成されている。
【0036】
ADF1の第1読取ユニット32は、主に、第1光源ユニット34、ミラーユニット35およびCCD37とから構成されている。
ADF1から送られてくる原稿を原稿移動方式で読み取る場合、第1光源ユニット34およびミラーユニット35は静止した状態で、原稿の画像を走査して読み取る。
ADF1から原稿が搬送されてくると、第1光源ユニット34の光源から原稿に光が照射され、原稿から反射された光がミラーユニット35を介して光路変更されCCD37に結像され、電子的な画像データに変換される。
なお、ADF1の具体的な構造と動作については後の項で詳述する。
【0037】
帯電器6は、感光体5の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、実施例の画像形成装置100では、チャージャー型の帯電器6を用いているが、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器を用いることもできる。
また、この実施例では光書込ユニット3として、レーザ照射部16a,16bおよびミラー群17a,17bを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)を用いているが、発光素子をアレイ状に並べたEL書き込みヘッドやLED書き込みヘッドを用いることもできる。
【0038】
光書込ユニット3は、高速印字処理に対応するために、2つのレーザ照射部16a,16bを備えた2ビーム方式を採用しており、照射タイミングの高速化に伴う負担が軽減されている。
そして、入力された画像データに応じてレーザ照射部16a,16bからレーザ光を照射し、ミラー群17a,17bを介して、帯電器6によって均一に帯電された感光体5を露光することにより、感光体5の表面に画像データに応じた静電潜像が形成される。
【0039】
感光体5の近傍に配された現像器4は、感光体5の表面に形成された静電潜像を黒トナーで顕像化するものである。
また、感光体5の周囲に配されたクリーナユニット7は、現像・画像転写後に感光体5の表面に残留したトナーを除去・回収するものである。
【0040】
画像形成装置100は、全体を統合制御する図示しない制御部を備えている。
制御部は、CPU、CPUが実行する制御プログラムを格納するROM、CPUにワークエリアを提供するRAM、制御データを保持する不揮発性メモリ、画像形成装置100の各部検知手段からの信号が入力される入力回路、画像形成装置100の各部駆動機構を作動させるアクチュエータやモータを駆動させるドライバ回路、レーザ照射部16a,16bを駆動する出力回路などから構成される。
【0041】
上述のように、感光体5の表面に顕像化された静電像は、搬送されてくる用紙に対して転写ユニット8から静電像が有する電荷と逆極性の電界が印加されることにより記録用紙上に転写される。
例えば、静電像が(−)極性の電荷を有している場合、転写ユニット8の印加極性は(+)極性となる。
転写ユニット8の転写ベルト19は、駆動ローラ20、従動ローラ21および他のローラで張架され、所定の抵抗値(例えば、1×109〜1×1013Ω・cmの範囲)を有している。
感光体5と転写ベルト19との接触部には導電性を有し転写電界を印加することが可能な弾性導電性ローラ22が配置されている。
【0042】
転写ユニット8で記録用紙上に転写された静電像(未定着トナー)は、定着ユニット9に搬送されることにより、未定着トナーが溶融し記録用紙上に定着する。
定着ユニット9は、加熱ローラ23,加圧ローラ24を備えており、加熱ローラ23の内周部には加熱ローラ23の表面を所定温度(定着温度:概ね160〜200℃)とする熱源が内蔵されている。
他方、加圧ローラ24は、加熱ローラ23に対して所定圧で圧接するようにその両端に図示しない加圧部材が配置されている。
これにより加熱ローラ23と加圧ローラ24との圧接部(定着ニップ部と呼ばれる)において、搬送されてくる記録用紙上の未定着トナーを加熱ローラ23で加熱して溶融させ、圧接部でトナーを記録用紙に押して記録用紙上に定着させる。
【0043】
複数の給紙トレイ11は、画像形成に使用する記録用紙を蓄積しておくためのトレイであり、実施例の画像形成装置100では、装置の下方に設けられている。
実施例の画像形成装置100は高速印字処理を目的としているため、各給紙トレイ11には定型サイズの記録用紙を500〜1500枚収納可能な容積が確保されている。
また、画像形成装置100の側面には複数種の記録用紙を多量に収納可能な大容量給紙カセット(LCC)25と、主として不定型サイズの印字等に用いる手差しトレイ26が設けられている。
【0044】
排紙トレイ12は、手差しトレイ26とは反対側の側面に配置されているが、排紙トレイ12に代えて、排紙用紙の後処理装置(ステープル、パンチ処理等々)や、複数段排紙トレイをオプションとして配置することも可能な構成となっている。
【0045】
ADFの構成と動作
上述の画像形成装置100に搭載されたADF1について図2〜8に基づいて説明する。図2はADFの外観を示す斜視図、図3は図2に示されるADFの概略的な構成を示す断面図、図4は図3の要部拡大説明図、図5は制御部とADFの各部との関係を示すブロック図、図68はADFの制御フローを示すフローチャート図である。
【0046】
図2及び図3に示されるように、ADF1は、原稿固定方式で原稿が読み取られるときに原稿が載置されるプラテンガラス31を備えた第1読取ユニット32と、第1読取ユニット32に対して開閉可能に装着された自動原稿搬送ユニット33とから主に構成されている。
第1読取ユニット32は、プラテンガラス31、匡体46、匡体46内に収容された第1光源ユニット34、ミラーユニット35、結像レンズ36およびCCD(受光素子)37とから主に構成されている。
【0047】
第1光源ユニット34は、光を照射する光源38、光源38から発せられた光を所定の方向に集光するリフレクター(図示せず)、原稿からの反射光のみを通過させるスリット(図示せず)およびスリットを通過した反射光の光路を90度変更する第1ミラー40aとから主に構成され、ミラーユニット35は第1ミラー40aから反射してきた反射光をさらに180度変更する第2ミラー40bおよび第3ミラー40cとから構成されている。
【0048】
ユーザーによって自動原稿搬送ユニット33が開閉され、プラテンガラス31上に被読取面がプラテンガラス31と対向するように原稿が載置されると、光源ユニット34およびミラーユニット35は、原稿固定方式で原稿を読み取る際のホームポジションにそれぞれ移動し、その後ユーザーから印字要求がなされると、光源ユニット34は副走査方向に所定の速度Vで移動し、これと同時にミラーユニット35は副走査方向にV/2の速度で移動し、原稿の全面においてCCD37に至る光路長を常に一定に維持しつつ原稿からの反射光をCCD37へ導く。
【0049】
自動原稿搬送ユニット33は、原稿束が載置される原稿トレイ41と、原稿束から原稿を原稿搬送路S1へ送り出すピックアップローラ42と、原稿搬送路S1へ送り出された原稿を1枚ずつ分離させながら原稿搬送路S1の下流側へ搬送する給紙ローラ43およびさばきローラ44と、原稿を原稿搬送路S1に沿って搬送するための駆動ローラおよび従動ローラからなる複数対の搬送ローラ45と、原稿の表面側の画像を読み取るために原稿搬送路S1中に設けられた第1読取部47と、原稿の裏面側の画像を読み取るために原稿搬送路S1中に設けられた第2読取部48と、第1読取部47および第2読取部48に所定のタイミングで原稿を送り出すレジストローラ49と、画像の読取を終えた原稿を排紙トレイ50へ排出する排紙ローラ51とから主に構成される。
【0050】
原稿トレイ41は上下方向に移動でき、原稿束が載置されると図示しないセンサがそれを検知し、ユーザーから印字要求がなされると、原稿トレイ41が上方へ移動し、原稿束のうち最も上に位置する原稿からピックアップローラ42によって原稿搬送路S1へ送り出され、給紙ローラ43およびさばきローラ44、並びに搬送ローラ45を経てレジストローラ49に至る。
原稿はレジストローラ49に突き当たることにより斜行が矯正された後、再びレジストローラ49によって所定のタイミングで第1読取部47へ搬送される。
【0051】
この際、第1光源ユニット34およびミラーユニット35は、図3に示す原稿移動方式のホームポジションに移動し、このホームポジションに静止したまま第1光源ユニット34から第1読取部47を通過する原稿に光を照射し、原稿の画像を読み取る。
画像が読み取られた原稿は排紙ローラ51を経て排止トレイ50へ排出されるが、両面読取の要求がユーザーからなされている場合には第2読取部48で原稿の裏面側の画像がさらに読み取られる。
【0052】
自動原稿搬送ユニット33は、第2読取部48で原稿移動方式により原稿の裏面の画像を読み取るために第2読取ユニット52を備えている。
第2読取ユニット52は、光源53およびリフレクター54を有する第2光源ユニット55、第1ミラー56a、第2ミラー56b、第3ミラー56c、第4ミラー56d、結像レンズ57および受光素子としてのCCD58とを備えており、匡体59によってユニット化されている。
【0053】
ユーザーによって両面読取の要求が成されている場合、第2光源ユニット55から第2読取部48を通過する原稿に対して光が照射され、原稿の裏面から反射した反射光は、第1ミラー56a、第2ミラー56b、第3ミラー56c、第4ミラー56dおよび結像レンズ57を経てCCD58に導かれる。
【0054】
ADF1は、ADF1の起動時、原稿の読み取り開始前、所定毎数の原稿読取毎にシェーディング補正を行って画像の濃度ムラをなくすために第1シェーディング補正板60、第2シェーディング補正板61および第3シェーディング補正板62を備えている。
第1シェーディング補正板60は上述の原稿固定方式で原稿を読み取る場合に利用されるものであり、第2シェーディング補正板61は原稿移動方式で原稿の表面側の画像を読み取る場合に利用されるものであり、第3シェーディング補正板62は原稿移動方式で原稿の裏面側の画像を読み取る場合に利用されるものである。
【0055】
図示しないが、原稿固定方式で原稿の読み取りが行われる場合、第1光源ユニット34およびミラーユニット35のホームポジションは第1シェーディング補正板60の下方に設定され、この位置で原稿読取前に第1シェーディング補正板60から基準濃度情報が取得されシェーディング補正が実行される。
一方、原稿移動方式で原稿の表面側の画像の読取が行われる場合、第1光源ユニット34およびミラーユニット35のホームポジションは図3に示されるように第2シェーディング補正板61の下方に設定され、この位置で、ADF1の起動時、原稿の読み取り開始前、所定枚数の原稿読取毎に第2シェーディング補正板61から基準濃度情報が取得されシェーディング補正が実行される。
【0056】
原稿の裏面側の画像を第2読取ユニット52で読み取る場合に利用される第3シェーディング補正板62は、図4に示されるように、電磁ソレノイド(補正板駆動部)63のプランジャに連結され、電磁ソレノイド63は、後述するよ制御部64による制御の下で、原稿が第2読取部48を通過するタイミングに応じて、第3シェーディング補正板62を第2読取部48で第2読取ユニット52に読み取らせる読取位置と、原稿の通過を妨げない退避位置とに移動させ、ADF1の起動時、原稿の読み取り開始前、所定枚数の原稿読取毎に第3シェーディング補正板62から基準濃度情報が取得されシェーディング補正が実行される。
【0057】
ここで図5に基づいて制御部の構成について説明する。
図5に示されるように、制御部64は、演算処理を行うCPU65、制御プログラムを格納したROM66、各種設定条件を格納するRAM67、ADF1の各種センサと信号の入出力を行うI/Oポート68および上述の電磁ソレノイド63を含むADF1の各種駆動部を駆動するドライバ回路69とから構成されている。
【0058】
以下、制御部64が第2読取ユニット52のシェーディング補正を行う制御フローについて図6〜8に基づいて説明する。
ADFの起動時
図6に示されるように、ステップ1において、ADF1の主電源がOFFからONへ切り換えられ、ADF1が起動すると、ADF1の初期化工程に進み(ステップ2)、さらにステップ3へ進んで第2読取ユニット52の光源53の光量が所定の原稿読取光量に達したか否かが判断される。
ステップ3において、光源53の光量が所定の原稿読取光量に達したと判断されると、ステップ4に進み、電磁ソレノイド63を駆動させて第3シェーディング補正板62を第2読取部48で第2読取ユニット52に読み取らせる読取位置へ移動させる。
【0059】
ステップ4で第3シェーディング補正板62が読取位置に移動させられると、ステップ5に進み、第3シェーディング補正板62からの反射光を読み取ることにより、得られた白レベルの基準濃度情報に基づいて第2読取ユニット52のシェーディング補正を実行する。
ステップ5で第2読取ユニット52のシェーディング補正が実行されると、ステップ6に進み、読み取った白レベルの基準濃度情報に基づいて照射光量および濃度決定値を記憶する。
【0060】
ステップ6で照射光量および濃度決定値が記憶されるとステップ7に進み、シェーディング補正処理を含むADF1の初期化工程が完了したか否かが判断され、完了していないと判断された場合はステップ2へ戻り、完了したと判断された場合は待機状態へ移行し、一連のフローを終了する。
【0061】
原稿読取開始時(両面読取設定時)
図7に示されるように、ステップ1においてユーザーから印字要求がなされるとステップ2へ進み、光源53への通電を開始し、ステップ3の初期化工程へ移行する。
ステップ3で初期化工程へ移行すると、ステップ4に進み、光源53の光量が所定の原稿読取光量に達したか否かが判断される。
【0062】
ステップ4で光源53の光量が所定の原稿読取光量に達したと判断されるとステップ5に進み、第3シェーディング補正板62が読取位置にあるか否かが判断され、第3シェーディング補正板62が読取位置にないと判断された場合は、電磁ソレノイド63を駆動させて第3シェーディング補正板62を第2読取部48で第2読取ユニット52に読み取らせる読取位置へ移動させる(ステップ6)。
ステップ5で第3シェーディング補正板62が読取位置にあると判断されるか或いは、ステップで第3シェーディング補正板62が読取位置に移動させられると、ステップ7に進み、第3シェーディング補正板62からの反射光を読み取ることにより得られた白レベルの基準濃度情報に基づいて第2読取ユニット52のシェーディング補正を実行する。
【0063】
ステップ7で第2読取ユニット52のシェーディング補正が実行されると、ステップ8に進み、読み取った白レベルの基準濃度情報に基づいて照射光量および濃度決定値を記憶する。
ステップ8で照射光量および濃度決定値が記憶されるとステップ9に進み、シェーディング補正を含むADF1の初期化工程が完了したか否かが判断され、完了していないと判断された場合はステップ3へ戻り、完了したと判断された場合は、図8に示されるようにステップ10に進み、ピックアップローラ42を駆動して原稿トレイ41に載置された原稿束のうち最も上の原稿から1枚ずつ原稿搬送路S1へ送り出させる。
【0064】
ステップ10で原稿が原稿搬送路S1へ送り出されると、ステップ11に進み、原稿がレジストローラ49に到達したか否かが判断され、レジストローラ49に原稿が到達したと判断されるとステップ12に進んで第3シェーディング補正板62が読取位置にあるか否かが判断される。ステップ12で第3シェーディング補正板62が読取位置にあると判断されるとステップ13に進んで電磁ソレノイド63を駆動させ、第3シェーディング補正板62を原稿通過の邪魔にならない退避位置へ移動させる。
ステップ12で第3シェーディング補正板62が読取位置にないと判断されるか、或いは、ステップ13で第3シェーディング補正板62が退避位置へ移動させられるとステップ14に進んでレジストローラ49による原稿の搬送を開始し、第1読取部47で原稿の表面側の画像を読み取り(ステップ15)、その後、さらに第2読取部48で原稿の裏面側の画像を読み取る(ステップ16)。
【0065】
ステップ16で原稿の裏面側の画像が読み取られるとステップ17に進み、次に読み取るべき原稿があるか否かが判断され、次の原稿がないと判断された場合はステップ18に進んで待機状態に戻り、一連のフローを終了する。
一方、ステップ17で次に読み取るべき原稿があると判断された場合はステップ19に進んで読み取った原稿の枚数をカウントし、ステップ19でカウントされた枚数が所定の読取枚数に達したか否かが判断される(ステップ20)。
【0066】
ステップ20で所定の読取枚数に達していないと判断された場合は、ステップ10へ戻って次の原稿の搬送を開始する。
一方、ステップ20で所定の読取枚数に達していると判断された場合は、ステップ5へ戻って再びシェーディング補正が行われる。
【0067】
以上のように、この実施例によるADF1によれば、シェーディング補正の要否に応じてシェーディング補正板62が読取位置と退避位置に移動させられるので、シェーディング補正板62が原稿のインクや紙粉等によって汚損されることを確実に防止でき、読取速度の低下を招くことなく精度よくシェーディング補正を行うことが可能となる。
【0068】
ADFの変形例
次にこの発明の変形例に係るADF200について図9〜14に基づいて説明する。図9は変形例に係るADFの概略的な構成を示す断面図、図10は図9の要部拡大図、図11は制御部とADFの各部との関係を示すブロック図、図12〜14はADFの制御フローを示すフローチャート図である。
【0069】
図9および図10に示されるように変形例に係るADF200は、第3シェーディング補正板262が、第2読取部248から原稿の搬送方向の下流側に離間した原稿と非接触となる位置に固定されている。
第2光源ユニット255のリフレクター254はシェーディング補正の要否に応じて第2読取部248と第3シェーディング補正板262を選択的に照射できるように可動式とされ、図示しないリフレクタ駆動用パルスモータ(リフレクター駆動部)に接続されている。
また、第1ミラー256aは、第3シェーディング補正板262から反射し、CCD258に至る光路長と、原稿から反射しCCD258に至る光路長が略等しくなるように可動式とされ、図示しないミラー駆動用パルスモータ(ミラー駆動部)に接続されている。
【0070】
変形例に係るADF200の制御部の構成について図11に基づいて説明する。
図11に示されるように、変形例に係るADF200の制御部264は、演算処理を行うCPU265、制御プログラムを格納したROM266、各種設定条件を格納するRAM、ADF200の各種センサと信号の入出力を行うI/Oポート268、リフレクタ駆動用パルスモータおよびミラー駆動用パルスモータを含む各種駆動部を駆動するドライバ回路269とから主に構成されている。
【0071】
以下、制御部264が第2読取ユニット252のシェーディング補正を行う制御フローについて図12〜14に基づいて説明する。
ADFの起動時
図12に示されるように、ステップ1においてADF200の主電源がOFFからONへ切り換えられ、ADF200が起動すると、ADF200の初期化工程に進み(ステップ2)、さらにステップ3に進んで第2読取ユニット252の光源253の光量が所定の原稿読取光量に達したか否かが判断される。
【0072】
ステップ3において光源253の光量が所定の原稿読取光量に達したと判断されるとステップ4に進み、ミラー駆動用パルスモータおよびリフレクタ駆動用パルスモータをそれぞれ駆動させて第1ミラー256aとリフレクター254をそれぞれ回転させ、シェーディング補正用の光路を設定する。
ステップ4でシェーディング補正用の光路が設定されるとステップ5に進み、第3シェーディング補正板262からの反射光を読み取ることにより得られた白レベルの基準濃度情報に基づいて第2読取ユニット252のシェーディング補正を実行する。
【0073】
ステップ5で第2読取ユニット252のシェーディング補正が実行されるとステップ6に進み、読み取った白レベルの基準濃度情報に基づいて照射光量および濃度決定値を記憶する。
ステップ6で照射光量および濃度決定値が記憶されるとステップ7に進み、シェーディング補正処理を含むADF200の初期化工程が完了したか否かが判断され、完了していないと判断された場合はステップ2へ戻り、完了したと判断された場合は待機状態に移行し、一連のフローを終了する。
【0074】
原稿読取開始時(画面読取設定時)
図13に示されるように、ステップ1においてユーザーから印字要求がなされるとステップ2へ進み、光源253への通電を開始し、ステップ3の初期化工程へ移行する。
ステップ3で初期化工程へ移行すると、ステップ4に進み、光源253の光量が所定の原稿読取光量に達したか否かが判断される。
【0075】
ステップ4で光源253の光量が所定の原稿読取光量に達したと判断されるとステップ5に進み、第1ミラー256aとリフレクター254がシェーディング補正用の角度に設定され、シェーディング補正用の光路が設定されているか否かが判断され、シェーディング補正用の光路が設定されていないと判断された場合は、ミラー用パルスモータとリフレクタ用パルスモータをそれぞれ駆動させて、第1ミラー256aとリフレクター254をシェーディング補正用の角度に設定し、シェーディング補正用の光路を設定する(ステップ6)。
【0076】
ステップ5でシェーディング補正用の光路が設定されていると判断されるか、或いは、ステップ6で第1ミラー256aとリフレクター254がシェーディング補正用の角度に設定されることによりシェーディング補正用の光路が設定されるとステップ7に進み、第3シェーディング補正板262からの反射光を読み取ることにより得られた白レベルの基準濃度情報に基づいて第2読取ユニット252のシェーディング補正を実行する。
【0077】
ステップ7で第2読取ユニット252のシェーディング補正が実行されるとステップ8に進み、読み取った白レベルの基準濃度情報に基づいて照射光量および濃度決定値を記憶する。
ステップ8で照射光量および濃度決定値が記憶されるとステップ9に進み、シェーディング補正を含むADF200の初期化工程が完了したか否かが判断され、完了していないと判断された場合はステップ3へ戻り、完了したと判断された場合は図14に示されるようにステップ10に進み、ピックアップローラ242を駆動して原稿トレイ241に載置された原稿束のうち最も上の原稿から1枚ずつ原稿搬送路S1へ送り出させる。
【0078】
ステップ10で原稿が原稿搬送路S1へ送り出されるとステップ11に進み原稿がレジストローラ249に到達したか否かが判断され、レジストローラ249に原稿が到達したと判断されるステップ12に進んで第1ミラー256aとリフレクター254がシェーディング補正用の角度に設定され、シェーディング補正用の光路が設定されているか否かが判断される。
ステップ12で第1ミラー256aとリフレクター254がシェーディング補正用の角度に設定され、シェーディング補正用の光路が設定されていると判断されると、ステップ13に進んでミラー用パルスモータをそれぞれ駆動させて第1ミラー256aとリフレクター254を原稿読取用の角度に設定し、原稿読取用の光路を設定する。
【0079】
ステップ12でシェーディング補正用の光路が設定されていないと判断されるか、或いはステップ13で第1ミラー256aとリフレクター254が原稿読取用の角度に設定されることにより原稿読取用の光路が設定されると、ステップ14に進んでレジストローラ249による原稿の搬送を開始し、第1読取部247で原稿の表面側の画像を読み取り(ステップ15)、その後、さらに第2読取部248で原稿の裏面側の画像を読み取る(ステップ16)。
【0080】
ステップ16で原稿の裏面側の画像が読み取られるとステップ17に進み、次に読み取るべき原稿があるか否かが判断され、次の原稿がないと判断された場合はステップ18に進んで待機状態に戻り、一連のフローを終了する。
一方、ステップ18で次に読み取るべき原稿があると判断された場合は、ステップ19に進んで読み取った原稿の枚数をカウントし、ステップ19でカウントされた枚数が所定の読取枚数に達したか否かが判断される(ステップ20)。
【0081】
ステップ20で所定の読取枚数に達していないと判断された場合はステップ10へ戻って次の原稿の搬送を開始する。
一方、ステップ20で所定の読取枚数に達していると判断された場合は、ステップ5へ戻って再びシェーディング補正が実行される。
【0082】
以上のように、変形例に係るADF200によれば、第3シェーディング補正板262が、第2読取部248から原稿の搬送方向の下流側に離間した原稿と非接触となる位置に固定され、第1ミラー256aとリフレクター254がシェーディング補正に適したシェーディング補正用の光路を形成するように必要に応じて駆動されるので、第3シェーディング補正板262の汚損を確実に防止しつつ、精度のよいシェーディング補正を読取速度の低下を招くことなく行うことができる。
【0083】
なお、上述の実施例およびその変形例に係るADF1,200では、第2読取ユニット52,252の第2読取部48,248についてのみ、本発明に係るシェーディング補正板の構成を適用したが、当然のことながら、第1読取ユニット32の第1読取部47についても同様の手法により、第2シェーディング補正板61を第1読取部47に対して進退可能に設けたり、第2シェーディング補正板62を第1読取部47から原稿の搬送方向の上流側または下流側に離間した原稿と非接触となる位置に設けたりすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】この発明の実施例によるADF(原稿読取装置)を搭載した画像形成装置の全体的な構成を示す概略図である。
【図2】この発明の実施例によるADFの外観を示す斜視図である。
【図3】図2に示されるADFの概略的な構成を示す断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】制御部とADFの各部との関係を示すブロック図である。
【図6】ADFの制御フローを示すフローチャート図である。
【図7】ADFの制御フローを示すフローチャート図である。
【図8】ADFの制御フローを示すフローチャート図である。
【図9】この発明の変形例に係るADFの概略的な構成を示す断面図である。
【図10】図9の要部拡大図である。
【図11】制御部とADFの各部との関係を示すブロック図である。
【図12】ADFの制御フローを示すフローチャート図である。
【図13】ADFの制御フローを示すフローチャート図である。
【図14】ADFの制御フローを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0085】
1,200・・・ADF(原稿読取装置)
3・・・光書込ユニット
4・・・現像器
5・・・感光体
6・・・帯電器
7・・・クリーナユニット
8・・・転写ユニット
9・・・定着ユニット
10・・・用紙搬送路
11・・・給紙トレイ
12,50・・・排紙トレイ
17a,17b・・・ミラー群
19・・・転写ベルト
20・・・駆動ローラ
21・・・従動ローラ
22・・・弾性導電性ローラ
23・・・加熱ローラ
24・・・加圧ローラ
25・・・大容量給紙カセット
26・・・手差しトレイ
32・・・第1読取ユニット
33・・・自動原稿搬送ユニット
34・・・第1光源ユニット
35・・・ミラーユニット
36,57・・・結像レンズ
37,58・・・CCD
38,53・・・光源
40a,56a・・・第1ミラー
40b,56b・・・第2ミラー
40c,56c・・・第3ミラー
41・・・原稿トレイ
42・・・ピックアップローラ
43・・・給紙ローラ
44・・・さばきローラ
45・・・搬送ローラ
46,59・・・筐体
47・・・第1読取部
48・・・第2読取部
49・・・レジストローラ
51・・・排紙ローラ
52・・・第2読取ユニット
54・・・リフレクター
55・・・第2光源ユニット
56d・・・第4ミラー
60・・・第1シェーディング補正板
61・・・第2シェーディング補正板
62・・・第3シェーディング補正板
63・・・ソレノイド
64・・・制御部
65・・・CPU
66・・・ROM
67・・・RAM
68・・・I/Oポート
69・・・ドライバ回路
100・・・画像形成装置
S1・・・原稿搬送路
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎


【公開番号】 特開2008−10960(P2008−10960A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−176806(P2006−176806)