トップ :: H 電気 :: H04 電気通信技術




【発明の名称】 映像処理回路
【発明者】 【氏名】稲村 浩平

【氏名】安藤 宗棋

【要約】 【課題】ブロックノイズの発生している画素ブロック境界を効果的に検出する。

【構成】ブロック境界を2画素目と3画素目の間に挟む連続した4画素についてそれぞれ隣接する画素についての差分の絶対値をとる。この差分絶対値の2次微分が閾値以上であり、1画素目と2画素目の差分絶対値と3画素目と4画素目の差分絶対値の差が閾値以下であるという条件である時に、画素ブロック境界においてブロック歪が生じていると判定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック単位に符号化され、複号化された映像信号のブロック歪を検出する
映像処理回路であって、
画素ブロックの境界に垂直な1つの列上に隣接して配列される4画素であって、第二の画素と第三の画素の間に前記画素ブロックの境界が存在する4画素に対して、
第一と第二の画素の差分の絶対値を求める第一の差分絶対値回路と、
第二と第三の画素の差分の絶対値を求める第二の差分絶対値回路と、
第三と第四の画素の差分の絶対値を求める第三の差分絶対値回路と、
前記三つの差分絶対値の2次微分を求める2次微分回路と、
前記第一の差分絶対値回路の出力と前記第三の差分絶対値回路の出力の差分の絶対値をとる第四の差分絶対値回路からなり、
前記2次微分回路の出力が第一の閾値以上であり、前記第四の差分絶対値回路の出力が第二の閾値以下である時に、前記画素ブロック境界においてブロック歪が生じていると判定する映像処理回路。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、映像処理回路におけるブロック歪除去回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像信号の伝送のために画像データを所定の大きさにブロック化し、そのブロックを処理単位としてデータ圧縮するブロック符号化を用いた圧縮符号化方式が広く用いられている。(特許文献1)
【特許文献1】特公平07-014211号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ブロック符号化方式を用いた場合、画像をブロック単位で処理しているため、復号後の画像において、ブロックの境界にあたる部分に階調差が生じ、境界が格子のように見える妨害、いわゆるブロックノイズが発生することがある。
【0004】
これを除去するための方法として、画像全体を平滑化する、あるいはブロック境界が既知である場合には、ブロック境界のみ平滑化するという方法がある。
【0005】
しかしながら、上記のような画像全体あるいはブロック境界を一律に平滑化してしまった場合、本来平滑化する必要の無かった部分にまで平滑化が行われてしまい、画像がぼけて画質が落ちるという問題がある。このため、ブロックノイズの発生している境界のみを検出して平滑化することが望まれている。
【0006】
本発明は、ブロックノイズの発生しているブロック境界を効果的に検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述課題を解決するため、本発明は、
ブロック単位に符号化され、複号化された映像信号のブロック歪を検出する
映像処理回路であって
画素ブロックの境界に垂直な1つの列上に隣接して配列される4画素であって、第二の画素と第三の画素の間に前記画素ブロックの境界が存在する4画素に対して、
第一と第二の画素の差分の絶対値を求める第一の差分絶対値回路と、
第二と第三の画素の差分の絶対値を求める第二の差分絶対値回路と、
第三と第四の画素の差分の絶対値を求める第三の差分絶対値回路と、
前記三つの差分絶対値の2次微分を求める2次微分回路と、
前記第一の差分絶対値回路の出力と前記第三の差分絶対値回路の出力の差分の絶対値をとる第四の差分絶対値回路からなり、
前記2次微分回路の出力が第一の閾値以上であり、前記第四の差分絶対値回路の出力が第二の閾値以下である時に、前記画素ブロック境界においてブロック歪が生じていると判定する映像処理回路を構成する。
【発明の効果】
【0008】
ブロックノイズの発生している境界のみを検出できる効果がある。
【0009】
その理由としては、ブロック境界を2画素目と3画素目の間に挟む連続した4画素についてそれぞれ隣接する画素についての差分の絶対値をとる。この差分絶対値の2次微分が閾値以上であり、1画素目と2画素目の差分絶対値と3画素目と4画素目の差分絶対値の差が閾値以下であるという条件で判定することにより、ブロック境界に大きな段差があり、ブロック内では段差が小さいというブロックノイズの発生要件を検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【0011】
図1に本発明のブロックノイズ検出回路のブロック図を示す。1〜3は、映像信号遅延部、4〜7は差分絶対値回路、8は2次微分回路9はブロックノイズ判定回路である。
【0012】
映像入力信号として、図2に示すようなブロック境界を挟む連続した4画素が入力される。本発明のブロックノイズ検出回路においては、ブロック境界は既知であるとし、図2の例では8×8画素をブロックの単位とする例を示している。本発明で処理する連続した4画素はP1〜P4のように水平方向に並んでいる場合とP5〜P8のように垂直方向に並んでいる場合があるがどちらの場合においても2画素目と3画素目の間にブロック境界がある。
【0013】
以下の説明ではP1〜P4を処理する場合を説明する。
【0014】
まず、映像信号遅延部1〜3で一画素ごとに遅延することにより映像信号からP1〜P4が並列して取り出される。
【0015】
次に、差分絶対値回路6により、差分絶対値D1が次式のように求められる。
【0016】
D1=|P1-P2|
また、差分絶対値回路5により差分絶対値D2が次式のように求められる。
【0017】
D2=|P2-P3|
また、差分絶対値回路4により差分絶対値D3が次式のように求められる。
【0018】
D3=|P3-P4|
次に2次微分回路8において差分絶対値D1〜D3の2次微分が計算される。
【0019】
図3に2次微分回路8の詳細を示す。10〜12は乗算器、13は加算器である。乗算器10〜12によってD1〜D3に係数を乗算し、加算器13で足し合わせることにより差分絶対値D1〜D3に対する2次微分Lが次式のように求められる。
【0020】
L = −D1+2*D2−D3
一方、差分絶対値回路7ではD1とD3の差分絶対値Adifが次式のように求められる。
【0021】
Adif = |D1−D3|
ブロックノイズ判定回路9はLとAdifを入力としそれぞれ閾値Th1及びTh2と比較し、L > Th1 かつ Adif < Th2 が成立する場合に、ブロックノイズありとして出力する。
【0022】
ブロックノイズは、同一ブロック内での変化は小さくブロック境界での変化が大きいという特徴がある。このため本発明では、このような場合を検出してブロックノイズが発生していると判定している。この判定方法について以下でさらに説明する。
【0023】
図4にブロック境界を挟む4画素のいくつかのパターンについて差分絶対値D1〜D3及びその2次微分Lを計算した例を示す。差分絶対値の2次微分Lは図4(a)のように、ブロック境界に段差がありブロック内では段差が小さい場合に大きな値をとる。図4(b), 図4(d)のようにブロック境界にほとんど段差が無くブロック内に段差がある場合には負の値をとる。また、図4(c)のように一様に変化している場合は0に近い値になる。従って差分絶対値の2次微分Lが正の大きな値であれば、ブロック内の段差が小さくブロック内の境界部の段差がある可能性が高くなる。
【0024】
ただし、図4(e)のような場合にも差分絶対値の2次微分Lは正の値をとるため、差分絶対値の2次微分Lの大小だけでは誤判定する可能性がある。
【0025】
そこで、本発明では、P1とP2の差分絶対値D1とP3とP4の差分絶対値D3の差分絶対値Adifを計算し、これを閾値Th2と比較する。ブロックノイズのようにブロック内での段差が小さい場合にはAdifは小さな値をとるはずである。
【0026】
図4の例でも(a)のパターンではAdifは0となるが、(e)のパターンではdとなっているため閾値Th2がdよりも小さければ(e)のパターンが除外できる。
【0027】
従って、Adifが閾値Th2よりも小さいという判定条件を追加することにより同一ブロック内での変化は小さくブロック境界での変化が大きいというブロックノイズ特有のパターンを検出してブロックノイズの有無を判定できる。
【0028】
以上の説明では、図2におけるP1〜P4の例で説明したが、図2のP5〜P8のように垂直方向に並んでいる場合も同様に処理できる。この場合、画像信号遅延部1〜3が1画素分ずつではなく1ライン分ずつ信号を遅延させる点が異なるだけで他の部分の動作についてはP1〜P4を処理する場合と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】処理対象画素の位置関係を説明する図である。
【図3】2次微分回路の詳細構成を示すブロック図である。
【図4】本発明のノイズ判定方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0030】
1〜3 映像信号遅延部
4〜7 差分絶対値回路
8 2次微分回路
9 ブロックノイズ判定回路
10〜12 乗算器
13 加算器
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100090538
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 恵三

【識別番号】100096965
【弁理士】
【氏名又は名称】内尾 裕一


【公開番号】 特開2008−10953(P2008−10953A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−176759(P2006−176759)