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【発明の名称】 動画像復号装置
【発明者】 【氏名】川上 智之

【要約】 【課題】エンコーダ側/デコーダ側間で、クロック情報を送受し、デコーダをエンコーダにロックする必要があり、装置が複雑になる。

【構成】MPEG規格で圧縮されたデジタルデータストリームをネットワーク経由で受信するネットワークIF部と、前記ネットワークIF部からのデジタルデータを格納するストリームバッファと、前記ストリームバッファからのデジタルデータをデコードするデコーダ部と、前記デコーダ部からの表示タイミング最大遅延量から前記ストリームバッファの出力タイミングを制御するストリームバッファ出力制御部と、前記でコーダ部からの映像を表示する映像表示部とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MPEG規格で圧縮されたデジタルデータストリームをネットワーク経由で受信するネットワークIF部と
前記ネットワークIF部からのデジタルデータを格納するストリームバッファと
前記ストリームバッファからのデジタルデータをデコードするデコーダ部と
前記デコーダ部からの表示タイミング最大遅延量から前記ストリームバッファの出力タイミングを制御するストリームバッファ出力制御部と
前記でコーダ部からの映像を表示する映像表示部と
を備えた動画像復号装置において,
ストリームに含まれる時間情報と前記デコーダ部とで管理している時間情報のずれを補正してなめらかに映像表示することを特徴とする動画像復号装置。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は,MPEGデータの受信装置に関し,特にネットワーク経由でMPEGデータを受信する受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の動画像復号装置としては,エンコーダ側とデコード側で同期をロックするために,受信ストリームに含まれるクロック情報,及びデコーダ内のバッファデータ量によりクロックを補正してデコーダをエンコーダに同期させているものがある。(例えば,特許文献1参照)。
【0003】
図4は,前記特許文献1に記載された従来の動画像復号装置を示すものである。
【0004】
図5は,前記特許文献1に記載された従来の動画像復号装置のPLLの概略構成を示すものである。
【0005】
従来の動画像復号装置としては,デジタル衛星放送に用いられている受信機について図4を参照して説明する。
【0006】
図4はデジタル衛星放送に用いられている受信機を示しており,受信機は大別して,チューナ・モジュール40,デスクランブラ41,MPEGトランスポートデコーダ42,MPEG2ビデオデコーダ43,MPEG1オーディオデコーダ45,NTSCエンコーダ44,D/Aコンバータ46,制御用CPU47から構成される。
【0007】
ここで,MPEGトランネポートデコーダ42は,システムデコーダあるいはトランスポートデマルチプレクサ(DMUX)などとも呼ばれる。受信機における信号処理を説明すると,まず衛星放送受信アンテナで受信した衛星波が,チューナ・モジュール40に入力される。
【0008】
チューナ・モジュール40は,受信トランスポンダの切換え,復調,誤り訂正の復号などを行い,個別のデータ列(ストリーム)が多重化されたMPEG2トランスポート・ストリームを抽出する。このトランスポート・ストリーム(Transport Stream:以下,TSと記す)は,デスクランブラ41に入力されて,図示を省略したICカード等から供給されるデスクランブル用の鍵データを用いてデスクランブル(暗号解除)され,MPEGトランスポートデコーダ42に転送される。
【0009】
MPEGトランスポートデコーダ42は,視聴者の選局操作に基づくプログラム仕様情報(Program Specific Information:以下,PSIと記す)を受信し,TSから必要な映像データと音声データを抽出し,MPEG2ビデオデコーダ43及びMPEG1オーディオデコーダ45に送出する。
【0010】
MPEG2ビデオデコーダ43は,映像データの圧縮を解除し,NTSCエンコーダ44によりNTSC信号に変換してテレビ受像機へ出力する。
【0011】
MPEG1オーディオデコーダ45は,音声データの圧縮を解除し,D/Aコンバータ46によりアナログ信号に変換してテレビ受像機へ出力する。制御用CPU47は,これら一連の処理を制御する。MPEGトランスポートデコーダ42は,MPEGトランスポートデコーダ42,MPEG2ビデオデコーダ43,MPEG1オーディオデコーダe,
NTSCエンコーダ44で使用するクロック信号の再生処理を行う機能も有している。
【0012】
このクロック信号の再生処理とは,放送事業者側で衛星波等の放送波を符号化して圧縮するMPEGエンコーダ(符号化装置)と,視聴者側で映像データや音声データの圧縮を解除するMPEGデコーダ(復号化装置)との間で共通の時間管理,すなわち同期をとる処理である。次に,クロック信号の再生処理について,図5を参照して説明する。
【0013】
図5は,クロック信号の再生処理に用いられる位相ロックループ(Phase Locked Loop:以下,PLLと記す)の概略構成を示すブロック図である。図5に示すように,PLLは,引き算部(位相比較部)50,クロック調整部51,デジタル/アナログ変換部(以下,D/A変換部と記す)52,ローパスフィルタ(以下,LPFと記す)53,電圧制御発振部(Voltage Control Oscillator:以下,VCOと記す)54,カウンタ部55からなる帰還閉回路により構成される。引き算部50は,特定のストリームから抽出したプログラム時刻基準参照値(Program Clock Reference:以下,PCRと記す)情報からのカウンタ値と,カウンタ部からのカウンタ値を比較し,クロック調整部51は,その比較結果とバッファメモリ内のデータ量を元にその差分をD/A変換部52,ローパスフィルタ53を介して電圧信号に変換してVCO54に印加する。この電圧信号によりクロック信号CLKの位相を補正して出力するとともに,カウンタ部に書き込みを行う。
【特許文献1】特開平11−112982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら,前記従来の構成では,エンコーダ側・デコーダ側間でクロック情報を送受し,PLLを用いてデコーダをエンコーダにロックする必要があり,装置が複雑になるという課題を有していた。一方,受信信号がネットワークで接続されている場合は,そのネットワークのトラフィックの影響により,転送タイミングが大きく変動するケースがあるが,前記従来の構成では特に考慮されていなかった。
【0015】
本発明は,前記従来の課題を解決するもので,ネットワーク接続された受信信号に転送ジッタがある場合でもスムーズな再生が可能で,かつPLL機能を不要にすることで低コスト化を可能とした,動画像復号装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記従来の課題を解決するために,本発明の動画像復号装置は,MPEG規格で圧縮されたデジタルデータストリームをネットワーク経由で受信するネットワークIF部と,前記ネットワークIF部からのデジタルデータを格納するストリームバッファと,前記ストリームバッファからのデジタルデータをデコードするデコーダ部と,前記デコーダ部からの表示タイミング最大遅延量から前記ストリームバッファの出力タイミングを制御するストリームバッファ出力制御部と,前記でコーダ部からの映像を表示する映像表示部とを備えている。
【0017】
本構成によって,ストロームに含まれる時間情報と前記デコーダ部で管理している時間情報のずれの最大値を記録して,それ以降のストリームに対しても同時間のずれを持って出力タイミングを制御する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の動画像復号装置によれば,ネットワーク部での転送ジッタがある場合でもなめらかに映像表示することができる。また,PLL機能が不要になるので,低コスト化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下,本発明を実施するための最良の形態について,図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
【0020】
図1は,本発明の第1実施形態における動画像受信装置のブロック図ある。図2は,本発明の第1実施形態における改善前の処理タイミング図である。図3は,本発明の第1実施形態における改善後の処理タイミング図である。図3において,図2と同じ構成要素については同じ符号を用い,説明を省略する。
【0021】
図1において,動画像受信装置はネットワークIF10,ストリームバッファ11,デコード部12,ストリームバッファ出力制御部13,映像表示部14とから構成されている。
【0022】
このような構成によれば,デコード部12はストリームに含まれる時刻情報とデコーダ部12内部でカウントする時刻のずれの最大値を記録し,ストリームバッファ出力タイミング制御部13は,そのずれの最大値を維持するようにストリームバッファからの出力タイミングを制御することで,なめらかな映像表示が可能となる。
【0023】
図2において,F1〜F17は,奇数フレームのデータストリームを表している。T1〜T17は,デコーダの表示タイミングを表している。
【0024】
バッファへの入力タイミングaは,ネットワークIFからストリームバッファ間のデータタイミングであり,ネットワーク部の影響により各フレーム間のタイミングが異なっている様子を表している。このとき,F3−F5間が最大遅延であり,デコーダの表示タイミングと比較して3フレーム遅れている。
【0025】
バッファへの入力タイミングbは,ストリームバッファ11からデコード部間のデータタイミングであり,バッファへの入力タイミングcは,デコード部から映像表示部間のデータタイミングである。
【0026】
図2のように,ネットワークIFより転送ジッタのある状態で映像表示がされているため違和感のある映像となる。図3は,バッファへの入力タイミングbにおいてF7のタイミングから,デコーダの表示タイミングとの最大遅延である3フレームを維持してストリームバッファからの出力タイミングを制御している。このため,バッファへの入力タイミングcでの映像表示タイミングにおいて各フレーム間のタイミングが均一になり,なめらかな表示が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明にかかる動画像復号装置は,ネットワークの転送ジッタがある場合でもなめらかな映像表示が可能になるので,ネットワーク経由でMPEGデータを受信する受信装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態1における動画像受信装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における改善前の処理タイミング図
【図3】本発明の実施の形態1における改善後の処理タイミング図
【図4】従来の動画像受信装置のブロック図
【図5】従来の動画像復号装置のPLLの概略ブロック図
【符号の説明】
【0029】
10 ネットワークIF
11 ストリームバッファ部
12 デコード部
13 ストリームバッファ出力制御部
14 映像表示部
40 チューナ・モジュール
41 デスクランブラ
42 MPEGトランスポートデコーダ
43 MPEG2ビデオデコーダ43
44 NTSCエンコーダ
45 MPEG1オーディオデコーダ
46 D/Aコンバータ
47 制御用CPU
50 引き算部
51 クロック調整部
52 デジタルアナログ変換部
53 ローパスフィルタ
54 電圧制御発信部
55 カウンタ部
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【識別番号】100109151
【弁理士】
【氏名又は名称】永野 大介


【公開番号】 特開2008−10912(P2008−10912A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−176205(P2006−176205)