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【発明の名称】 デジタルカメラ
【発明者】 【氏名】渡辺 洋二

【要約】 【課題】撮影光路内にミラーを配置したデジタルカメラにおいて、ミラーが損傷し難いデジタルカメラを提供することを目的とする。

【構成】撮影レンズ101a、101bを通過した被写体光束を撮像して被写体像信号を出力するCCD221と、このCCD221の光路内に進退可能な可動反射ミラー201と、この可動反射ミラー201に静電力を作用させて駆動する反射ミラー駆動回路215と、可動反射ミラー201によって反射された被写体光束を受光して撮影レンズの焦点状態を検出する測距センサ217と、可動反射ミラー201が光路外にあるときに被写体像信号に基づいて被写体の動画像をスルー画表示する背面液晶モニタ26を具備し、背面液晶モニタ26は可動反射ミラー201が光路内にあるときは動画像に代えて静止画像を表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズを通過した被写体光束を撮像して被写体像信号を出力する撮像手段と、
この撮像手段の光路内に進退可能な反射ミラーと、
この反射ミラーに静電力を作用させて駆動する駆動手段と、
上記反射ミラーによって反射された被写体光束を受光して撮影レンズの焦点状態を検出する測距手段と、
上記反射ミラーが上記光路外にあるときに上記被写体像信号に基づいて被写体の動画像を表示装置に表示するスルー画表示手段と、
を具備し、
上記スルー画表示手段は上記反射ミラーが上記光路内にあるときは上記動画像に代えて静止画像を表示することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
上記静止画像は、上記反射ミラーが上記撮像光路内に進出する以前の被写体像信号に基づくものであることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
上記反射ミラーは、上記測距手段による測距動作の終了後、上記光路外へ退避することを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
上記反射ミラーが上記光路内に進出し、再び退避するまでの時間は、上記撮像手段の1撮像周期よりも短いことを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
上記測距手段は、被写体が低輝度の場合に上記測距動作を複数に分割して実行することを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
上記反射ミラーは複数のエレクトレット化部位を有するエレクレットミラーであり、上記駆動手段は複数のエレクトレット化部位に静電力を作用させるための複数の駆動電極と、この複数の駆動電極に周期的な電圧信号を印加する駆動回路とを含んでいることを特徴とする請求項1乃至5に記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
撮影レンズを通過した被写体光束を撮像して被写体像信号を出力する撮像手段と、
上記撮像手段の光路内に進退可能であって、静電力によって駆動されるエレクトレットミラーと、
このエレクトレットミラーに静電力を作用させて撮影光路に対して進退させる駆動手段と、
上記エレクトレットミラーが上記撮影光路内にあるときに上記エレクトレットミラーによって反射された被写体光束を受光して撮影レンズの焦点状態を検出する測距手段と、
を具備しており、
上記エレクトレットミラーが上記光路内に進出し、再び退避するまでの時間は、上記撮像手段の1撮像周期よりも短いことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項8】
上記反射ミラーは複数のエレクトレット化部位を有し、上記駆動手段は上記複数のエレクトレット化部位に静電力を作用させるための複数の駆動電極と、この複数の駆動電極に周期的な電圧信号を印加する駆動回路とを含んでいることを特徴とする請求項7に記載のデジタルカメラ。
【請求項9】
上記駆動手段は、上記測距手段の測距動作の直前に上記反射ミラーを撮影光路内に進出させることを特徴とする請求項7に記載のデジタルカメラ。
【請求項10】
上記駆動手段は、上記測距動作の終了に連動して上記反射ミラーを撮影光路外に退避させることを特徴とする請求項7に記載のデジタルカメラ。
【請求項11】
撮影レンズを通過した被写体光束を撮像して被写体像信号を出力する撮像手段と、
上記撮像手段の光路内に進退可能な可動ミラーと、
この可動ミラーを撮影光路に対して進退させる駆動手段と、
上記可動ミラーが上記撮影光路の外にあるときに上記被写体像信号に基づいて被写体の動画像を表示装置に表示するスルー画表示手段と、
を具備し、
上記可動ミラーが上記撮影光路内に進出し、再び退避するまでの時間は、上記撮像手段の1撮像周期よりも短いことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項12】
上記可動ミラーが上記撮影光路内にあるときには、上記スルー画表示手段は、上記動画像を固定することを特徴とする請求項11に記載のデジタルカメラ。
【請求項13】
さらに、上記可動ミラーが上記撮影光路内にあるときに上記可動ミラーによって反射された被写体光束を受光して撮影レンズの焦点状態を検出する測距手段を具備したことを特徴とする請求項11に記載のデジタルカメラ。
【請求項14】
上記測距手段の測距センサは、被写体輝度が低い場合には、上記可動ミラーが撮影光路内にあるときは積分を中断し、上記可動ミラーが撮影光路外にあるときは積分を行い、積分が適正レベルになるまでこれらの動作を繰り返し行うことを特徴とする請求項13に記載のデジタルカメラ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、スルー画表示機能を有するデジタルカメラに関し、詳しくは、撮像素子で取得した画像を動画像として表示装置に表示する所謂スルー画表示機能(ライブビュー表示機能、電子ファインダ機能とも言う)を有するデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデジタルカメラにおいては、被写体像の観察は、光学式ファインダにより行っていたが、最近は、光学式ファインダをなくし、代わりに被写体画像データの記録用に設けられている撮像素子の出力を表示にも利用している。即ち、撮像素子で取得した画像を、被写体像観察用に液晶モニタ等の表示装置によって表示するスルー画像表示機能を有しているものが多くなってきている。
【0003】
このようなスルー画表示機能を有するデジタルカメラとして、例えば、特許文献1には、可動ミラーを撮影光路から退避させるとともにフォーカルプレーンシャッタを全開状態にして被写体像を撮像素子に導き、それによって得られた被写体像を連続的に液晶モニタに表示するようにしたレンズ交換式カメラが開示されている。ただし、この特許文献1では、スルー画表示中に可動ミラーを撮影光路外に退避させるために、従来のカメラで一般的に採用されているTTL(Trough The Lens)位相差AF(Auto Focus)を行うことができないという問題がある。
【特許文献1】特開2002−369042号公報
【0004】
そこで、特許文献2には、可動ミラーをハーフミラーで構成し、撮影光学系を通過した被写体光束を撮像素子と位相差AFセンサの両方に導くようにしたデジタルカメラが提案されている。この構成によれば、スルー画表示を行いながら位相差AFも可能となり、前述の問題を解決することができる。
【特許文献2】特開2002−6208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2のように撮影光路内にハーフミラーを配置する構成をデジタルカメラに適用した場合には、ハーフミラーは非常に薄いので、撮影時に撮影光路から退避させる際に、衝撃で破損してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、撮影光路内にミラーを配置したデジタルカメラにおいて、ミラーが損傷し難いデジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため第1の発明に係わるデジタルカメラは、撮影レンズを通過した被写体光束を撮像して被写体像信号を出力する撮像手段と、この撮像手段の光路内に進退可能な反射ミラーと、この反射ミラーに静電力を作用させて駆動する駆動手段と、上記反射ミラーによって反射された被写体光束を受光して撮影レンズの焦点状態を検出する測距手段と、上記反射ミラーが上記光路外にあるときに上記被写体像信号に基づいて被写体の動画像を表示装置に表示するスルー画表示手段を具備し、上記スルー画表示手段は上記反射ミラーが上記光路内にあるときは上記動画像に代えて静止画像を表示する。
【0008】
第2の発明に係わるデジタルカメラは、上記第1の発明において、上記静止画像は、上記反射ミラーが上記撮像光路内に進出する以前の被写体像信号に基づくものである。
また、第3の発明に係わるデジタルカメラは、上記第1の発明において、上記反射ミラーは、上記測距手段による測距動作の終了後、上記光路外へ退避する。
さらに、第4の発明に係わるデジタルカメラは、上記第1の発明において、上記反射ミラーが上記光路内に進出し、再び退避するまでの時間は、上記撮像手段の1撮像周期よりも短い。
さらに、第5の発明に係わるデジタルカメラは、上記第1の発明において、上記測距手段は、被写体が低輝度の場合に上記測距動作を複数に分割して実行する。
さらに、第6の発明に係わるデジタルカメラは、上記第1乃至第5の発明において、上記反射ミラーは複数のエレクトレット化部位を有するエレクレットミラーであり、上記駆動手段は複数のエレクトレット化部位に静電力を作用させるための複数の駆動電極と、この複数の駆動電極に周期的な電圧信号を印加する駆動回路とを含んでいる。
【0009】
上記目的を達成するため第7の発明に係わるデジタルカメラは、撮影レンズを通過した被写体光束を撮像して被写体像信号を出力する撮像手段と、上記撮像手段の光路内に進退可能であって、静電力によって駆動されるエレクトレットミラーと、このエレクトレットミラーに静電力を作用させて撮影光路に対して進退させる駆動手段と、上記エレクトレットミラーが上記撮影光路内にあるときに上記エレクトレットミラーによって反射された被写体光束を受光して撮影レンズの焦点状態を検出する測距手段を具備しており、上記エレクトレットミラーが上記光路内に進出し、再び退避するまでの時間は、上記撮像手段の1撮像周期よりも短い。
【0010】
第8の発明に係わるデジタルカメラは、上記第7の発明において、上記反射ミラーは複数のエレクトレット化部位を有し、上記駆動手段は上記複数のエレクトレット化部位に静電力を作用させるための複数の駆動電極と、この複数の駆動電極に周期的な電圧信号を印加する駆動回路とを含んでいる。
また、第9の発明に係わるデジタルカメラは、上記第7の発明において、上記駆動手段は、上記測距手段の測距動作の直前に上記反射ミラーを撮影光路内に進出させる。
さらに、第10の発明に係わるデジタルカメラは、上記第7の発明において、上記駆動手段は、上記測距動作の終了に連動して上記反射ミラーを撮影光路外に退避させる。
【0011】
第11の発明に係わるデジタルカメラは、撮影レンズを通過した被写体光束を撮像して被写体像信号を出力する撮像手段と、上記撮像手段の光路内に進退可能な可動ミラーと、この可動ミラーを撮影光路に対して進退させる駆動手段と、上記可動ミラーが上記撮影光路の外にあるときに上記被写体像信号に基づいて被写体の動画像を表示装置に表示するスルー画表示手段を具備し、上記可動ミラーが上記撮影光路内に進出し、再び退避するまでの時間は、上記撮像手段の1撮像周期よりも短い。
【0012】
第12の発明に係わるデジタルカメラは、上記第11の発明において、上記可動ミラーが上記撮影光路内にあるときには、上記スルー画表示手段は、上記動画像を固定する。
第13の発明に係わるデジタルカメラは、上記第11の発明において、上記可動ミラーが上記撮影光路内にあるときに上記可動ミラーによって反射された被写体光束を受光して撮影レンズの焦点状態を検出する測距手段を具備する。
第14の発明に係わるデジタルカメラは、上記第13の発明において、上記測距手段の測距センサは、被写体輝度が低い場合には、上記可動ミラーが撮影光路内にあるときは積分を中断し、上記可動ミラーが撮影光路外にあるときは積分を行い、積分が適正レベルになるまでこれらの動作を繰り返し行う。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、撮像手段の光路内に進退可能な反射ミラーと、この反射ミラーに静電力を作用させて駆動する駆動手段を具備するようにしたので、ミラーが損傷し難いデジタルカメラを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に従って本発明を適用したデジタルカメラを用いて好ましい一実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラの電気系を主とするブロック図である。レンズ鏡筒10はカメラ本体20の前面のマウント開口部(不図示)に着脱自在となっている。マウント開口部を介してレンズ鏡筒10内のレンズ101a、101b等からなる撮影レンズによる被写体光束がカメラ本体20内に導かれる。本実施形態では、レンズ鏡筒10とカメラ本体20は別体で構成され、通信接点300を介して電気的に接続されている。また、カメラ本体20に設けた着脱検知スイッチ259によって着脱状態を検出可能となっている。
【0015】
レンズ鏡筒10の内部には、焦点調節および焦点距離調節用のレンズ101a、101bと、開口量を調節するための絞り103が配置されている。レンズ101aおよびレンズ101bは光学系駆動機構107によって駆動され、絞り103は絞り駆動機構109によって駆動されるよう接続されている。光学系駆動機構107、絞り駆動機構109はそれぞれレンズCPU111に接続されており、このレンズCPU111は通信接点300を介してカメラ本体20に接続されている。レンズCPU111はレンズ鏡筒10内の制御を行うものであり、光学系駆動機構107を制御してピント合わせや、ズーム駆動を行うとともに、絞り駆動機構109を制御して絞り値制御を行う。
【0016】
カメラ本体20内のミラーボックス内には、可動反射ミラー201が配置されている。この可動反射ミラー201は、レンズ101a、101bの光路上に進出する位置と退避する位置とに移動可能であり、退避した位置ではレンズ101a、101bからの被写体光束をCCD(Charge Coupled Devices)221の方向に通過させ、反射する位置では被写体光束を測距センサ217に反射する。また、この可動反射ミラー201はレンズ101a、101bの光路に対して45度傾いて配置されており、可動反射ミラー201の内部には紙面に対して垂直方向に静電力によって摺動する可動ミラー部材401(図2参照)が設けられている。この可動反射ミラー201の詳しい構成と作用は図2乃至図5を用いて後述する。なお、本実施形態においては、被写体光束は上側に反射するように可動反射ミラー201は配置されているが、これに限らず、下側に反射するように配置しても良く、またカメラ本体20の左側や右側に反射するように配置しても勿論構わない。
【0017】
前述の測距センサ217は、カメラ本体20内のミラーボックスの上部であって、可動ハーフミラー201によって反射された光束が導かれる位置に配置されており、TTL位相差法によって測距するためのセンサである。測距センサ217の出力は測距処理回路219に送られる。測距処理回路219は、測距センサの出力に基づいて、レンズ101、101bによって結像される被写体像の焦点ズレ量を測定する。
【0018】
可動反射ミラー201の後方、かつレンズ101a、101bの光軸上であって、撮影光路上には、露光時間制御およびCCD221の遮光用のフォーカルプレーンタイプのシャッタ203が配置されており、このシャッタ203はシャッタ駆動機構213によって駆動制御される。シャッタ203の後方には防塵フィルタ205が配置されており、これは、カメラ本体20のマウント開口部や本体内部で発生した塵埃がCCD221や光学素子に付着して塵埃の影が被写体像に写しこまれ、見苦しくなることを防止するためのフィルタである。防塵フィルタ205の周縁部の全周または一部に圧電素子207が固着され、この圧電素子207は防塵フィルタ駆動回路211に接続され、この回路によって駆動される。圧電素子207は防塵フィルタ駆動回路211によって、防塵フィルタ205が所定の超音波で振動するよう駆動され、その振動を利用して防塵フィルタ205の前面に付着した塵埃を除去する。なお、CCD等の撮像素子自体もしくは撮像素子の前面側に配設された光学素子に付着した塵埃を除去できるものであれば、本実施形態のような超音波振動を利用したものに限らず、空気ポンプ等を利用して空気流によって吹き飛ばすものや、静電気を利用して塵埃を集塵して除去するもの等、種々の方法に適宜、置き換えても勿論構わない。
【0019】
防塵フィルタ205の後方には、被写体光束から赤外光成分をカットするための赤外カットフィルタ209が配置され、その後方には被写体光束から高周波成分を取り除くための光学的ローバスフィルタ210が配置されている。そして、光学的ローパスフィルタ210の後方には、撮像素子としてのCCD221が配置されており、レンズ101a、101bによって結像される被写体像を電気信号に光電変換する。これらの防塵フィルタ205、赤外カットフィルタ209、光学的ローパスフィルタ210およびCCD211は、図示しない密封されたパッケージに一体に収納されており、塵埃がこのパッケージ内に侵入しないように構成されている。なお、本実施形態では撮像素子としてCCDを用いているが、これに限らずCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の二次元撮像素子を使用できることはいうまでもない。
【0020】
CCD221は撮像素子駆動回路223に接続され、入出力回路239からの制御信号によって駆動制御される。撮像素子駆動回路223によって、CCD221から出力された光電アナログ信号が増幅され、アナログデジタル変換(AD変換)される。撮像素子駆動回路223はASIC(Application Specific Integrated Circuit 特定用途向け集積回路)262内の画像処理回路227に接続され、この画像処理回路227によってデジタル画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、白黒・カラーモード処理、スルー画像処理といった各種の画像処理がなされる。画像処理回路227は、データバス261に接続されている。このデータバス261には、画像処理回路227の他、後述するシーケンスコントローラ(以下、「ボディCPU」と称す)229、圧縮伸張回路231、ビデオ信号出力回路233、SDRAM制御回路237、入出力回路239、通信回路241、記録媒体制御回路243、フラッシュメモリ制御回路247、スイッチ検出回路253が接続されている。
【0021】
データバス261に接続されているボディCPU229は、このデジタルカメラの動作を制御するものである。またデータバス261に接続されている圧縮伸張回路231はSDRAM238に記憶された画像データをJPEGやTIFFで圧縮するための回路である。なお、画像圧縮はJPEGやTIFFに限らず、他の圧縮方法も適用できる。データバス261に接続されたビデオ信号出力回路233は液晶モニタ駆動回路235を介して背面液晶モニタ26とファインダ内液晶モニタ29(図中F内液晶モニタと略記)に接続される。ビデオ信号出力回路233は、SDRAM238、または記録媒体245に記憶された画像データを、背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶モニタ29に表示するためのビデオ信号に変換するための回路である。背面液晶モニタ26はカメラ本体20の背面に配置されるが、撮影者が観察できる位置であれば、背面に限らないし、また液晶に限らず他の表示装置でも構わない。ファインダ内液晶モニタ29は、ファインダ接眼部を介して撮影者によって観察できる位置に配置されており、背面液晶モニタ26と同様、液晶に限らず他の表示装置でも構わない。なお、被写体像の観察として背面液晶モニタ26のみとし、ファインダ接眼部およびファインダ内液晶モニタ29を省略することも可能である。
【0022】
SDRAM238は、SDRAM制御回路237を介してデータバス261に接続されており、このSDRAM238は、画像処理回路227によって画像処理された画像データまたは圧縮伸張回路231によって圧縮された画像データを一時的に記憶するためのバッファメモリである。上述の防塵フィルタ駆動回路211、シャッタ駆動機構213、反射ミラー駆動回路215、測距処理回路219、撮像素子駆動回路223に接続される入出力回路239は、データバス261を介してボディCPU229等の各回路とデータの入出力を制御する。レンズCPU111と通信接点300を介して接続された通信回路241は、データバス261に接続され、ボディCPU229等とのデータのやりとりや制御命令の通信を行う。
【0023】
データバス261に接続された記録媒体制御回路243は、記録媒体245に接続され、この記録媒体245への画像データ等の記録の制御を行う。記録媒体245は、xDピクチャーカード(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)またはメモリスティック(登録商標)等の書換え可能な記録媒体のいずれかが装填可能となるように構成され、カメラ本体20に対して着脱自在となっている。その他、マイクロドライブ(登録商標)などの様なハードディスクユニットや無線通信ユニットを接続可能に構成してもよい。
【0024】
データバス261に接続されているフラッシュメモリ制御回路247は、フラッシュメモリ(Flash Memory)249に接続され、このフラッシュメモリ249は、カメラのフローを制御するためのプログラムが記憶されており、ボディCPU229はこのフラッシュメモリ249に記憶されたプログラムに従ってデジタルカメラの制御を行う。なお、フラッシュメモリ249は、電気的に書換可能な不揮発性メモリである。
【0025】
カメラ本体20やレンズ鏡筒10のパワー供給の制御を行うためのパワースイッチレバーに連動してオン・オフするパワースイッチ257と、シャッタレリーズ釦に連動するスイッチ、再生モードを指示する再生釦に連動するスイッチ、背面液晶モニタ26の画面でカーソルの動きを指示する十字釦に連動するスイッチ、撮影モードを指示するモードダイヤルに連動するスイッチ、選択された各モード等を決定するOK釦に連動するOKスイッチ、着脱検知スイッチ259等の各種スイッチ255は、スイッチ検出回路253を介してデータバス261に接続されている。なお、レリーズ釦は、撮影者が半押しするとオンする第1レリーズスイッチと、全押しするとオンする第2レリーズスイッチを有している。この第1レリーズスイッチ(以下、1Rと称する)のオンによりカメラは焦点検出、撮影レンズのピントあわせ、被写体輝度の測光等の撮影準備動作を行い、第2レリーズスイッチ(以下、2Rと称する)のオンにより撮像素子としてのCCD221の出力に基づいて被写体像の画像データの取り込みを行う撮影動作を実行する。
【0026】
次に、可動反射ミラー201の構成について、図2乃至図4を用いて説明する。図2(A)は可動反射ミラー201の外観斜視図であり、図2(B)は可動反射ミラー201の長手方向の断面図であり、図2(C)は可動ミラー部材401の長手方向断面図である。ガラス基板403と保護ガラス405は、スペーサー407を挟んで一体化されており、スペーサー407によって形成される空間に、可動ミラー部材401は摺動自在に載置されている。可動ミラー401の基材401aはポリイミド樹脂等で構成され、その一側はアルミ蒸着401bが施され、全反射面となっている。また、基材401bの他側はフッ素樹脂等により形成されるエレクトレットフィルム401cとなっている。
【0027】
エレクレットフィルム401cは、例えばフッ素樹脂のフィルムを形成した後、エッチングにより一部を削除することにより図2(C)に示すように所定間隔(間隔α:図5(A)参照)ごとにフィルム部分が残され、この状態で高電界コロナ放電処理を施すことにより、そのフィルム部分のみがエレクトレット化される。すなわち、フィルム部分がプラスとマイナスに帯電した状態となる。またガラス基板403で、可動ミラー部材401と対向する面には、走査電極403aが設けられている。この走査電極403aは図3に示すようにガラス基板403の短辺方向に延びる互いに平行な複数の電極(間隔ピッチd:図5(A)参照)から構成される。ガラス基板403と保護ガラス405の対向する部分には、被写体光束を通過または可動ミラー部材401によって反射させるための開口部201aが形成されている。
【0028】
図3は可動反射ミラー201の動作状態を示す平面図であり、(A)は可動ミラー部材401がガラス基板403の右側に移動し、開口部201aから退避した状態である。また、(B)は可動ミラー部材401がガラス基板403の左側に移動し、開口部201aを覆う反射位置に移動した状態である。図3(A)の状態では、開口部201aが開放された状態であることから、被写体光束は可動反射ミラー201を通過できる状態であり、また(B)の状態では、開口部201aは可動ミラー部材401によって覆われ、アルミ蒸着面401bが露出することから、被写体光束は可動反射ミラー201によって反射される状態である。
【0029】
図4は反射ミラー駆動回路215の構成を示す。反射ミラー駆動回路215はパルス発生回路501、移相器503および昇圧回路505から構成される。電源電池とアース間に接続されたパルス発生回路501は、制御信号を受けるとパルスを発生し、出力する回路である。このパルス発生回路501の出力端に接続された移相器503は、入力パルスの位相を90度移相し出力する。昇圧回路505は、内部に2つの昇圧器を含み、各昇圧器は2つの出力端子を有し、ガラス基板403上に形成された走査電極403aの各電極A、B、C、Dに接続されている。
【0030】
また、走査電極403aと対向する位置には、回動ミラー部材401上に形成されたエレクトレットフィルム401cが設けられている。なお、図4ではエレクトレットフィルム401cと走査電極403aの一部のみが模式的に描かれている。そして昇圧回路505は、パルス発生回路501および移相器503の出力をそれぞれ入力し、パルス発生回路501の出力パルスに対して、0度、90度、180度、270度だけ位相のずれたパルスを出力する。
【0031】
図5を用いて可動ミラー部材401の駆動原理について説明する。走査電極403aの各電極A、B、C、Dには、図5(B)に示されるようなパルス電圧が印加される。エレクトレットフィルム401cのプラス(+)に帯電したフィルムは走査電極403aの電極A、Bに対向しており、エレクトレットフィルム401cのマイナス(−)に帯電したフィルムは走査電極403aの電極C、Dに対向しているとする。時刻t1では、電極BおよびCはマイナス(−)であり、これと対向するエレクトレットフィルム401cはプラス(+)であり、電極DおよびAはプラス(+)であり、これと対向するエレクトレットフィルム401cはマイナス(−)となっている。
【0032】
この状態から時刻t2になると、電極CおよびDはマイナス(−)となることから、エレクトレットフィルム401cでプラス(+)に帯電しているフィルム部分が引き合い、電極AおよびBはプラス(+)となることから、エレクトレットフィルム401cでマイナス(−)に帯電している部分が引き合い、図5(A)のt2のように、可動ミラー部材401は図面上1ピッチ(d)分、右に移動する。さらに、時刻t3になると、電極A、B、C、Dの印加電圧がシフトし、図5(A)の時刻t3のように、可動ミラー部材401は右に1ピッチ(d)分移動する。
【0033】
ここで、上述の可動反射ミラー201の構成の一例として、
可動ミラー部材401の退避量D D=25mm
電極ピッチd d=0.05mm
ステップ数S S=D/d=500
駆動信号周波数f f=20KHz
駆動信号周期T T=0.05mS
1周期の駆動量K K=4ピッチ
とすると、駆動時間は
駆動時間J J=T・S/K=0.05mS・500/4
≒6mS
となる。
【0034】
次に、本発明の一実施形態におけるデジタルカメラの動作について図6乃至図8に示すフローチャートを用いて説明する。図6に示すパワーオンリセットのフローに入ると、カメラ本体20のパワースイッチ257がオンとなったかを判定する(S1)。判定の結果、パワースイッチ257がオフの場合には、ステップS3に進み、低消費電力の状態であるスリープ状態となる。このスリープ状態ではパワースイッチ257がオンとなった場合のみに割り込み処理を行い、ステップS5以下においてパワースイッチオンのための処理を行う。パワースイッチがオンとなるまでは、パワースイッチ割り込み処理以外の動作を停止し、電源電池の消耗を防止する。
【0035】
ステップS1において、パワースイッチ257がオンであった場合には、ステップS2に進み、着脱スイッチ259がオフか否かを判定する。前述したように着脱検知スイッチ259は、レンズ鏡筒10がカメラ本体20から外されると、オフとなるスイッチである。オフであった場合、すなわちレンズ鏡筒10が離脱していた場合には、後述するステップS51に進む。これは、レンズ鏡筒10が離脱している状態でカメラ本体20のパワースイッチレバーが操作され、パワーオンとなった場合に、レンズ離脱時と同様な処理をするためである。ステップS2において、着脱スイッチ259がオンであった場合には、ステップS7以下に進み、パワースイッチオンのための処理を行う。
【0036】
ステップS7では、防塵フィルタ205における塵埃除去動作を行う。これは防塵フィルタ205に固着された圧電素子207に防塵フィルタ駆動回路211から駆動電圧を印加し、前述したように超音波によって塵埃等を除去する動作である。続いて、シャッタ駆動回路213によってシャッタ203の開放動作を行う(S9)。可動反射ミラー201の可動ミラー部材401は、初期状態では開口部201aから退避した位置にあるので、開口部201aを通過した被写体光束は、シャッタ203によって遮られないので、CCD221上に被写体像が結像される。このCCD221によって撮像された画像データを用いて背面液晶モニタ26に被写体像を動画表示するスルー画表示の開始を指示する(S11)。なお、スルー画表示動作の制御はこの開始指示を受けて画像処理回路227にて行われる。
【0037】
次に、図示しないモードダイヤル等によって設定された撮影モードや、ISO感度、マニュアル設定されたシャッタ速度や絞り値等の情報があればそれらの撮影条件の読み込みを行う(S13)。そして、CCD221の出力に基づいて被写体輝度を求め、露光量を演算し、この露光量を用いて撮影モード・撮影条件に従ってシャッタ速度や絞り値等の露光制御値の演算を行う(S15)。また、被写体輝度や露光量等を用い、スルー画表示設定を行う(S17)。このステップでは、CCD221の駆動にあたっての電子シャッタスピードと感度の条件設定を行うために、ステップS15で求めた露光量の演算結果、もしくは前回の表示画像を用いて、背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶29に適切な明るさ(明度)の像を表示するための演算と設定を行う。また、スルー画表示を行う際のフレームレートの設定(本実施形態では30fps)も行う。ここで、設定されたフレームレートに従って背面液晶モニタ26等に表示されるように、CCD221での読み出しや画像処理回路227・ビデオ信号出力回路233・液晶モニタ駆動回路235等の処理がなされる。
【0038】
次に、ステップS19に進み、再生モードか否かの判定を行う。この再生モードは、再生釦が操作された際に、記録媒体245に記録された静止画データを読み出して背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶29に表示するモードである。判定の結果、再生モードが設定された場合には、ステップS31に進み、画像処理回路227に対してスルー画表示を停止するよう指示する。そのあと、シャッタ203の閉じ動作を行ってから(S33)、記録媒体245に記録されている静止画データを読出し、圧縮伸張回路231にて画像データを伸張し、ビデオ信号出力回路233および液晶モニタ駆動回路235を介して、背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶29に静止画を再生表示する(S35)。再生動作中にレリーズ釦の半押し等、他の手動操作がなされた場合には、再生動作を終了してステップS7に戻り、前述の動作を繰り返す。
【0039】
ステップS19に戻り、再生モードが設定されていなかった場合には、ステップS21に進み、メニューモードが設定されているか否かを判定する。これは、メニュー釦が操作され、メニューモードが設定されているか否かを判定する。判定の結果、メニューモードが設定されていた場合には、再生モードが設定されていた場合と同様に、スルー画停止指示が出力され(S37)、シャッタ203に閉じ指令を出力する(S39)。この後、メニュー設定動作を行う(S41)。メニュー設定動作によって、ホワイトバランス、ISO感度設定、ドライブモードの設定等、各種の設定動作を行うことができる。メニュー設定動作が終了すると、ステップS7に戻り、前述の動作を繰り返す。
【0040】
ステップS21に戻り、判定の結果、メニューモードが設定されていなかった場合には、ステップS23に進み、レリーズ釦が半押しされたか、すなわち1Rスイッチがオンか否かの判定を行う。判定の結果、1Rがオンであった場合には、ステップS43に進み、撮影準備と撮影を行う撮影動作のサブルーチンを実行する。このサブルーチンの詳細は図7を用いて後述する。撮影動作のサブルーチンが終了すると、ステップS7に戻り、前述のステップを繰り返す。
【0041】
ステップS23に戻り、判定の結果、1Rスイッチがオフであった場合には、ステップS25に進み、ステップS2と同様に、着脱検知スイッチ259がオフか否かを判定する。レンズ鏡筒10が離脱されると、再生モードにおけるステップS31およびS33と同様に、スルー画停止指示を出力し(S45)、シャッタ203の閉じ動作を行う(S47)。
【0042】
シャッタ203の閉じ動作が終わると、またはステップS2で着脱検知スイッチ259がオフであると判定された場合(すなわち、レンズ鏡筒10が離脱している場合)には、ステップS51に進み、着脱検知スイッチ259がオンか否かを判定する。ステップS25において、レンズ鏡筒10が離脱されたことを検出した後、レンズ鏡筒10が再び装着されたか否かを判定するものである。判定の結果、装着されていた場合には、ステップS7に戻り、前述のステップを繰り返す。
【0043】
ステップS51に戻り、着脱検知スイッチ259がオフであった場合には、ステップS53に進み、パワースイッチ257がオンか否かを判定する。レンズ鏡筒10が離脱され、パワースイッチ257がオンの場合には、各種操作釦が操作されても、マウント開口部が開放のままなので、誤動作防止の観点から、カメラ動作を行わないようにしている。そのため、ステップS51にてレンズ鏡筒10の装着状態と、ステップS53においてパワースイッチレバーの操作状態の判定を繰り返し行う待機状態となる。ステップS53において、パワースイッチ257がオフと判定されると、ステップS3に戻り、スリープ状態になる。なお、ステップS51において、レンズ鏡筒10が離脱されたままであることを検出した場合に、ステップS53の判定を省略して、ステップS3に進みスリープ状態としてもよく、また、ステップS13に進み、各種操作釦による操作に基づく動作を行う等の変形は可能である。
【0044】
ステップS25に戻り、判定の結果、着脱検知スイッチ259がオン、すなわちレンズ鏡筒10がカメラ本体に装着されていた場合には、ステップS27に進み、パワースイッチ257がオンか否かを判定する。判定の結果、オンであった場合には、ステップS13に戻り、前述のステップを繰り返す。ステップS11において、スルー画表示が開始された後、ステップS19以降において各種操作釦等が操作されない限り、可動反射ミラー201の開口部201aを通過した被写体光束は、シャッタ203によって妨げられないので、CCD221上に被写体像が結像し、このCCD221によって撮像された画像データが背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶29に動画像としてスルー画表示される。ステップS27において、パワースイッチ257がオフと判定された場合には、ステップS31、S33と同様に、画像処理回路227に対してスルー画表示を停止するよう指示し(S28)、シャッタ203の閉じ動作を行う(S29)。この後、ステップS3に戻りスリープ状態となる。
【0045】
次に、ステップS43の撮影動作のサブルーチンについて図7を用いて説明する。このサブルーチンは前述したように、レリーズ釦の半押しがなされると実行される。まず、測距センサ217の内の測距センサにおける測距のための積分動作を行う(S71)。測距にあたっては、可動反射ミラー201の可動ミラー部材401が開口部201aに進出し、被写体光束を測距センサに反射する。なお、この測距積分のサブルーチンについては、図8を用いて後述する。測距積分が終わると、続いて測距演算・自動焦点調節を行う(S72)。これは、被写体光束を受光した測距センサの出力を用いて測距処理回路219やボディCPU229等はTTL位相差法によってレンズ101a、101bの焦点ズレ量を検出し、この検出された焦点ズレ量に基づいて、レンズCPU111を介して、光学系駆動機構107によってピント位置にレンズ101a、101bを駆動する。
【0046】
次に、露光量演算を行う(S73)。これはステップS71で行った測距積分を用いて、ボディCPU229は、被写体輝度BVを求める。この被写体輝度BVを用いて露光量EVを求め、さらに撮影モード等に従ってシャッタ速度や絞り等の露出条件を求める。
【0047】
次に、レリーズ釦の全押し操作がなされているか、すなわち2Rがオンか否かについて判定する(S75)。判定の結果、オフであった場合には、ステップS77に進み、1Rがオンか否かの判定を行う。レリーズ釦の半押し動作で、この撮影動作のサブルーチンにジャンプしてきて、レリーズ釦が半押しのままの場合には、ステップS74〜S77で繰り返し判定を行う待機状態となる。レリーズ釦から手が離れ、1Rがオフとなると、パワーオンリセットのステップS7に戻る。
【0048】
ステップS75に戻り、判定の結果、2Rスイッチがオンであった場合、すなわちレリーズ釦が全押しされた場合には、静止画像取得のための撮像動作に移る。まず、ステップS79において、画像処理回路227に対してスルー画停止の指示を出力する。これは静止画像取得にあたって、可動反射ミラー201の退避位置への移動動作、シャッタ203の開閉動作等により、CCD221に入射する被写体像に乱れが生じ、背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶29においてスルー画像が見苦しくなることを防止するためである。
【0049】
続いて、設定絞り値またはS73で演算された絞り値まで絞り103の絞込み動作を、レンズCPU111を介し絞り駆動機構109によって行う(S83)。絞込み動作が終わると、次にCCD221による露光動作を行う(S85)。すなわち、可動反射ミラー201の可動ミラー部材401は、ステップS71の測距積分のサブルーチン中で、開口部201aから退避位置に移動していることから、レンズ101a、101bを通過した被写体光束の全部が、CCD221上で結像している。この状態でCCD221の電子シャッタのリセットを解除し、被写体像の光電変換電流の電荷蓄積を開始する。予め手動設定若しくはステップS73で設定された露光時間が経過すると、CCD221の電子シャッタは光電変換信号の電荷蓄積を停止する。なお、ステップS85の露光動作において、CCD221の電子シャッタによって露光時間を制御していたが、これに限らず、シャッタ203によっても露光時間を制御することができる。この場合には、露光動作の開始前に、一旦、シャッタ203の先幕・後幕を初期位置に移動させることが必要となる。
【0050】
続いて、シャッタ203の閉じ動作を行い、(S87)、絞り103の開放動作の指示をレンズCPU111に出力する(S89)。また、CCD221で電荷蓄積された画像信号の読み出しを行い(S91)、画像処理回路227等にて画像処理を行う(S93)。圧縮伸張回路231において信号圧縮等の処理を行った後、記録媒体245に画像データの記録を行う(S95)。画像データの記録が終わると、ステップS97において、1Rスイッチがオンであるか、すなわちレリーズ釦が半押し状態であるか否かを判定する。1Rスイッチがオフとなると、パワーオンリセットのルーチンに戻る。
【0051】
本実施形態の撮影動作のサブルーチンにおいては、静止画像を取得する撮像動作の際に可動反射ミラー201の可動ミラー部材401を開口部201aから退避させている。このため可動反射ミラー201におおいて被写体光量が減衰することがなく、静止画像取得にあたって被写体光量を増加させることができ、高速シャッタ速度での撮影が可能となる。
【0052】
次に、ステップS71の測距積分のサブルーチンについて図8を用いて説明する。まず、スルー画の更新禁止の指示を画像処理回路227等に出力する(S101)。これは、測距を行うにあたって、可動反射ミラー201の可動ミラー部材401が開口部201aに進出するため、測距のための積分動作を行っている間、CCD221に被写体光束が到達せず、背面液晶モニタ26等でのスルー画表示が乱れて見苦しくなることを防止するためである。この間、スルー画が更新されないことから、直前のスルー画に固定され表示されることになる。
【0053】
続いて、可動反射ミラー201の可動ミラー部材401が開口部201aに進出する(S103)。これは前述したようにパルス発生回路501に対して進出動作用の制御信号を出力しパルスを発生させ、90度移相の異なるパルスを走査電極403aに印加させることにより、開口部201aを覆う位置まで可動ミラー部材401を進出させる。可動反射ミラー201の進出動作が完了すると、測距センサ217の測距センサ上に、可動反射ミラー201によって反射された被写体光束が到達するので、測距積分の開始指示を出力する(S105)。これは、入出力回路239を介して測距処理回路219に対して行う。
【0054】
次に、測距を行うに充分な積分レベルに達したかを検出する(S107)。充分なレベルに達した場合には、測距終了と判断して可動反射ミラー201の退避動作を行う(S109)。これは、パルス発生回路501に対して退避動作用の制御信号を出力しパルスを発生させ、進出時とは逆移相で90度移相の異なるパルスを走査電極403aに印加させることにより、開口部201aから退避する位置まで可動ミラー部材401を移動させる。可動反射ミラー201の退避が完了すると、再び、CCD221上に被写体像が結像し、スルー画表示が可能となるので、スルー画更新許可指示を出力する(S111)。
【0055】
ステップS107に戻り、検出の結果、測距を行うに充分な積分レベルに達していなかった場合には、ステップS113に進み、測距積分を開始してから20mSが経過したかを判定する。充分な積分レベルに達するか20mSが経過するまでは、ステップS107とS113の判定を繰り返し行う待機状態となる。被写体輝度が暗い場合には、充分な積分レベルに到達する前に20mSが経過してしまうことが多いので、その場合はステップS115に進み、測距積分中断指示を測距処理回路219に出力する。
【0056】
測距積分の中断指示を出力後、可動反射ミラー201の退避動作を、ステップS109と同様に行う(S117)。可動反射ミラー201が退避すると再びCCD221上には被写体像が結像するので、スルー画表示が可能となることから、画像処理回路227等にスルー画更新許可指示を出力する(S119)。この状態で、スルー画の1フレーム分に相当する1/30秒の間、待機する。
【0057】
ステップS121での待機時間が経過すると、ステップS101に戻り、スルー画更新禁止の指示を出力する。そして、可動反射ミラー201の進出動作を行い(S103)、20mS測定用のタイマをリセットすると共に、測距積分を再開する(S105)。すなわち、ステップS115における積分動作の中断では積分値はリセットされておらず、ステップS105において積分動作の再開を行っている。このようにして、1/30秒間の待機時間間隔で積分を繰り返しており、充分な積分レベルとなると、ステップS107からステップS109、S111を経て撮影動作のルーチンに戻る。
【0058】
なお、本実施形態においては、充分な積分レベルに達するまで、上述のループを繰りかえてしているが、ループ数をカウントし、所定回数に達した場合には、強制的に測距積分を終了するようにしても勿論構わない。また、ステップS113において、20mS経過したかを判定していたが、この時間は、1フレーム分の時間より短い時間であれば、適宜、変更することができる。
【0059】
以上の一連の動作を図10のタイムチャートを用いて説明すると、CCD221による撮像は1/30秒間隔で行われ、取得された画像データは続いてスルー画表示される。スルー画表示中に測距を行うために、可動反射ミラー201が反射位置となると、CCD221に被写体光束が到達せず、撮像できない(図10の符号601のタイミング)。この間、符号605のタイミングで測距動作が開始し(積分開始)、符号607のタイミングで測距動作が終了する(積分終了)。そして符号601のタイミングでは撮像ができないので、符号603のタイミングでは画像データが更新されず、スルー画が固定されたままとなる。
【0060】
被写体輝度が低輝度の場合には、複数回、可動反射ミラー201を反射位置に移動させ(図10において、符号609、611、613、615のタイミング)、測距のための積分動作を繰り返す。この間、撮像できないタイミングが生ずるが(図10において、符号621、623、625、627)、この間のスルー画は固定され(図10において、符号631、633、635、637)、画面がちらついたり乱れたりすることはない。また、スルー画が固定されるのは、1フレーム分と短時間であることから、ユーザからみて違和感を与えることも殆どない。
【0061】
従来の可動反射ハーフミラーを用いた場合と本実施形態における可動反射ミラー201を用いた場合を比較してみると次のようになる。
まず、位相差AFセンサによる一般的な測距積分時間は、
100%ミラー(本実施形態) : 3mS程度
30%ミラー(従来のハーフミラー) :10mS程度
この測距時間の相違は、ハーフミラーの場合には、被写体光量が充分にとることができず、測距積分に時間を要するためである。
【0062】
次に、従来の一眼レフカメラのクイックリターンミラー機構を採用した場合のスルー画不能時間を求める。
駆動時間 光路外→光路内: 50mS
光路内→光路外: 50mS
往復 :100mS
そうすると、撮像不能時間は、クリックリターンミラー機構の往復時間に30%ハーフミラー時の測距積分時間(10mS)を加味すればよいので、
撮像不能時間 :110mS
スルー画不能時間は、30fpsとすると、
スルー画不能時間 :133mS (4フレーム分)
となる。
【0063】
それに対して、本実施形態のように、エレクトレットミラーをクイックリターンミラーの代わりに用いると、
駆動時間 光路外→光路内: 6mS
光路内→光路外: 6mS
往復 : 12mS
撮像不能時間は、可動反射ミラー機構の往復時間に測距積分時間(3mS)を加味すればよいので、
撮像不能時間 : 15mS
スルー画不能時間は、30fpsとすると、
スルー画不能時間 : 33mS (1フレーム分)
となる。
【0064】
このように、本実施形態においては、エレクトレットミラーを可動反射ミラー201に採用することにより、高速で可動ミラー部材401を移動させることができ、このため撮像不能時間やスルー画不能時間を最小限にすることができる。また、可動反射ミラー201を反射位置におくことにより、測距を行うことができ、充分な被写体光束で、測距を行うことができる。また、測距が終了すると直ちに可動反射ミラー201は退避位置に移動し、スルー画表示を行うことができる。さらに、このスルー画不能時間の間は、前回、撮像した画像データを固定しておくので、ユーザに違和感を与えることがない。
【0065】
また、被写体が低輝度の場合には、1フレーム分より短時間の測距積分とスルー画像取得のための撮像を繰り返すようにしたので、ユーザに違和感を与えることなく、積分動作を繰り返すことができ、低輝度の場合でも測距を行うことができる。さらに、本実施形態においては、CCD221に被写体光束を導くにあたって、開口部201aを通過するだけであるので、ハーフミラーを傾けて配置した場合に、ハーフミラーでの屈折により像位置がシフトしたり、収差によるスルー画像の歪曲やボケが発生することがない。
【0066】
次に、測距積分の変形例について図9を用いて説明する。本発明の一実施形態においては可動ミラー部材401をアルミ蒸着により全反射面としていたが、この変形例は可動ミラー部材401をハーフミラーで構成し、他の構成は一実施形態と同様である。可動ミラー部材401をハーフミラーで構成することから、測距動作のために可動ミラー部材401を反射位置に進出させた際でも、ハーフミラーを透過した被写体光がCCD221に到達する。このため、測距動作中もスルー画表示のために撮像データの更新は可能であるが、ハーフミラーを透過する分、光量が減少する。この変形例では、スルー画表示を測距動作中も継続して行うが、光量不足に対して被写体像信号の増幅器のゲインをコントロールし、表示装置の明度を一定に保つようにしている。
【0067】
測距積分のサブルーチンに入ると、まず、ステップS131において、スルー画ゲインアップの指示を、撮像素子駆動回路223や画像処理回路227等に出力する。この場合のゲインアップは、可動ミラー部材401のハーフミラーの透過率に応じた値とする。続いて、可動反射ミラー201の可動ミラー部材401を開口部201aに進出させる。この駆動方法は、一実施形態と同様である。可動ミラー部材401が開口部201aに進出すると、被写体光束の一部が反射され、測距センサ217に到達するので、ボディCPU229は測距積分開始の指示を出力する(S135)。
【0068】
測距積分の積分値が所定値に達したかを判定し(S137)、達すると測距を終了し、可動ミラー部材401を開口部201aから退避させる(S139)。この退避動作が終了すると、CCD221に到達する被写体光量が元のレベルに戻るので、スルー画ゲインダウンの指示を、撮像素子駆動回路223や画像処理回路227等に出力する。この指示の出力の後、撮影動作のルーチンに戻る。
【0069】
このように、本発明の変形例においては、可動反射ミラー201にハーフミラーを用いているので、撮影レンズの光路中に可動反射ミラー201が進出した際にも、スルー画表示のための撮像動作を続行することができる。このとき、スルー画表示のためのゲインを調整し、表示装置において一定の明度を保つようにしたので、ユーザに違和感を与えることがない。
【0070】
以上、説明したように本発明の実施形態においては、CCD221への光路内に静電力を利用して進退可能な可動反射ミラー201と、この可動反射ミラー201が光路内に進出した際に、被写体光束が反射される位置に配置された測距センサ216と、可動反射ミラー201が退避している際にCCD221から出力される被写体像信号に基づいてスルー画表示する背面液晶モニタ26等の表示装置を設けたので、スルー画表示を行うと共に、必要なときには可動反射ミラー201を光路内に進出させることにより測距を行うことができる。
【0071】
また、本発明の実施形態においては、可動反射ミラー201は、静電力を用いて可動ミラー部材401を駆動するようにしたので、小型化できると共に高速に駆動することができる。このため、反射位置と退避位置の切換を短時間で行うことができ、スルー画更新禁止の時間を短くすることができる。また、スルー画の動画像が殆ど途切れることがなく、違和感のないスルー画表示とすることができる。
【0072】
さらに、本発明の実施形態においては、可動ミラー部材401が開口部201aを覆って撮像ができない期間は、直前に撮像した画像データを表示するようにしたので、画像の乱れが生ずることがなく、違和感のないスルー画表示とすることができる。
【0073】
さらに、本発明の実施形態においては、可動反射ミラー201が光路内に進出し、再び退避するまでの時間は、CCD221の1撮像周期よりも短く設定している。このため、スルー画表示のための撮像不能期間は1フレームであり、非常に短時間であり、スルー画として画像が固定された期間が殆ど目立つことがない。
【0074】
さらに、本発明の実施形態においては、被写体が低輝度の場合に測距動作を複数に分割して実行している。このため、適正レベルの測距値を得ることができると共に、途中で測距を中断しながら、スルー画表示のための撮像を行っているので、殆ど途切れることのないスルー画表示を行うことができる。
【0075】
上述の本発明の実施形態においては、可動反射ミラー201として、エレクレットフィルムを備えたエレクトレットミラーを利用していたが、これに限らず、静電力を利用し、すなわちプラスとマイナスの引き合う力を利用するようにしても構わない。
【0076】
本実施形態においては、本発明を一般的なデジタルカメラに適用したものであったが、これに限らず、携帯等の各種装置内のデジタルカメラでもよく、また顕微鏡、双眼鏡等の各種装置に取り付けられる専用デジタルカメラにも適用できることは勿論である。撮影対象をモニタ装置にスルー画表示するデジタルカメラであれば、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明を適用した一実施形態におけるデジタルカメラの電気系の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した一実施形態における可動反射ミラーの構造を示す図であって、(A)は可動反射ミラーの外観斜視図、(B)は可動反射ミラーの断面図、(C)は可動ミラー部材の断面図である。
【図3】本発明を適用した一実施形態における可動反射ミラーの動作状態を示す透視平面図であり、(A)は可動ミラー部材が開口部から退避した状態、(B)は可動ミラー部材が開口部を覆う反射位置に移動した状態を示す透視平面図である。
【図4】本発明を適用した一実施形態における反射ミラー駆動回路の構成を示す回路図である。
【図5】本発明を適用した一実施形態における可動反射ミラーの動作を示す図であり、(A)は駆動状況を示す断面図であり、(B)は各走査電極に印加される駆動信号を示すタイムチャートである。
【図6】本発明の一実施形態におけるパワーオンリセットの動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態における撮影動作のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態における測距積分のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態における測距積分の変形例のフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態における撮像動作、スルー画表示と可動反射ミラーの動作関係を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0078】
10 レンズ鏡筒
20 カメラ本体
26 背面液晶モニタ
29 ファインダ内液晶モニタ
101a、101b レンズ
111 レンズCPU
201 可動反射ミラー
201a 開口部
203 シャッタ
213 シャッタ駆動機構
215 反射ミラー駆動回路
217 測距センサ
219 測距処理回路
221 CCD
223 撮像素子駆動回路
227 画像処理回路
229 ボディCPU
257 パワースイッチ
401 可動ミラー部材
401a 基材
401b アルミ蒸着
401c エレクトレットフィルム
403 ガラス基板
403a 走査電極
405 保護ガラス
407 スペーサー
【出願人】 【識別番号】504371974
【氏名又は名称】オリンパスイメージング株式会社
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100109209
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 一任


【公開番号】 特開2008−10907(P2008−10907A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−176115(P2006−176115)