トップ :: H 電気 :: H04 電気通信技術




【発明の名称】 移動端末を遠隔制御する方法、無線通信システム、移動端末及びプログラム
【発明者】 【氏名】安食 陽一

【氏名】小林 和明

【氏名】松本 正史

【氏名】尾石 博文

【氏名】西條 祐史

【要約】 【課題】移動端末のリモートロック等の遠隔制御を行う方法、無線通信システム、遠隔制御可能な移動端末及びそのような移動端末において使用されるプログラムを提供する。

【構成】移動端末は中央局の所定の発信番号と予め生成した固有パスワードとを記憶しており、中央局は、移動端末に行わせるべき動作を示す情報と移動端末に関するユーザ情報とを含むメッセージをユーザ端末から受信し、メッセージ内のユーザ情報が、中央局が記憶しているユーザ情報と一致する場合に固有パスワードを生成して、所定の発信番号、コマンド及び当該固有パスワードを含むメッセージを移動端末に送信し、移動端末は、受信されたメッセージ内の発信番号及び固有パスワードが自身の記憶する発信番号及び固有パスワードと一致する場合に、当該コマンドにより指示される動作を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央局、無線基地局及び移動端末からなる無線通信システムにおいて、移動端末を遠隔制御する方法であって、前記中央局と前記移動端末は共通の固有パスワードを生成し、前記移動端末は前記中央局の所定の発信番号を予め記憶しており、
(A)前記中央局において、前記移動端末に行わせるべき動作を示す情報と前記移動端末に関するユーザ情報とを含むメッセージを、前記移動端末とは異なるユーザ端末から受信するステップと、
(B)前記メッセージ内の前記ユーザ情報が、前記中央局において記憶されている前記移動端末に関するユーザ情報と一致する場合に、前記中央局において固有パスワードを生成するステップと、
(C)前記無線基地局を介して、前記中央局から前記移動端末へ、前記中央局の所定の発信番号、前記動作を指示するコマンド及び前記中央局において生成された固有パスワードを含むメッセージを送信するステップと、
(D)前記移動端末において受信されたメッセージに含まれる前記発信番号及び前記固有パスワードが、前記移動端末に記憶されている前記発信番号及び前記移動端末が生成した固有パスワードとそれぞれ一致する場合に、前記移動端末が、前記コマンドにより指示される前記動作を行うステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記動作は前記移動端末のロック又はロック解除である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記固有パスワードは、少なくとも前記移動端末の識別番号を含む前記中央局と前記移動体端末に共通の情報を用いて、前記中央局及び前記移動端末において同一の方法によりそれぞれ独立に生成される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記中央局及び前記移動端末は前記移動端末に関する動的な情報を共有しており、前記固有パスワードは、少なくとも前記移動端末の識別番号及び/または前記動的な情報を用いて、前記中央局及び前記移動端末において同一の方法によりそれぞれ独立に生成される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記移動端末は、本体装置と、前記本体装置に着脱可能に挿入され、インターフェース手段を介して前記本体装置との間で信号の送受信を行う無線通信モジュールとからなり、前記固有パスワードは前記無線通信モジュールにおいて生成され、前記中央局の所定の発信番号が前記無線通信モジュールに記憶されている請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記動作は前記無線通信モジュールのロックであり、
(E)前記無線通信モジュールから前記本体装置へ、ロックが完了した旨及び前記無線通信モジュールの識別番号を示す信号を送信するステップと、
(F)前記本体装置において、前記無線通信モジュールの前記識別番号を記憶するステップと、
(G)前記本体装置をロックするステップと
をさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記動作は前記無線通信モジュールのロック解除であり、前記本体装置は、前記本体装置がロックされた際に前記本体装置に挿入されていた無線通信モジュールの識別番号を記憶しており、
(H)前記無線通信モジュールから前記本体装置へ、前記無線通信モジュールのロックが解除された旨及び前記無線通信モジュールの識別番号を示す信号を送信するステップと、
(I)前記本体装置において、受信した前記識別番号と前記記憶している識別番号とを比較するステップと、
(J)比較の結果が一致を示す場合に、本体装置のロックを解除するステップと
からなる請求項5に記載の方法。
【請求項8】
中央局、無線基地局及び移動端末からなり、前記移動端末を遠隔制御する無線通信システムであって、
前記移動端末と異なるユーザ端末が、前記移動端末に行わせるべき動作を示す情報と前記移動端末に関するユーザ情報とを含むメッセージを送信し、
前記中央局は、前記ユーザ端末から送信された前記メッセージを受信し、前記メッセージ内の前記ユーザ情報が前記中央局において記憶されている前記移動端末に関するユーザ情報と一致する場合に、固有パスワードを生成し、前記中央局の所定の発信番号、前記動作を指示するコマンド及び前記固有パスワードを含むメッセージを前記無線基地局を介して前記移動端末へ送信し、
前記移動端末は、前記中央局の所定の発信番号を記憶しており、受信された前記メッセージに含まれる前記発信番号及び前記固有パスワードが、前記移動端末に記憶されている前記発信番号及び前記移動端末が生成した固有パスワードとそれぞれ一致する場合に、前記コマンドにより指示される前記動作を行う、
無線通信システム。
【請求項9】
前記動作は前記移動端末のロック又はロック解除である請求項8に記載の無線通信システム。
【請求項10】
前記固有パスワードは、少なくとも前記移動端末の識別番号を用いて、前記中央局及び前記移動端末において同一の方法によりそれぞれ独立に生成される請求項8に記載の無線通信システム。
【請求項11】
前記中央局及び前記移動端末は前記移動端末に関する動的な情報を共有しており、前記固有パスワードは、少なくとも前記移動端末の識別番号及び/または前記動的な情報を用いて、前記中央局及び前記移動端末において同一の方法によりそれぞれ独立に生成される請求項8に記載の無線通信システム。
【請求項12】
前記移動端末は、本体装置と、前記本体装置に着脱可能に挿入され、インターフェース手段を介して前記本体装置との間で信号の送受信を行う無線通信モジュールとからなり、前記固有パスワードは前記無線通信モジュールにおいて生成され、前記中央局の所定の発信番号が前記無線通信モジュールに記憶されている請求項8に記載の無線通信システム。
【請求項13】
前記動作は前記無線通信モジュールのロックであり、
前記無線通信モジュールは、前記無線通信モジュールがロックされた後、ロックが完了した旨及び前記無線通信モジュールの識別番号を示す信号を前記本体装置へ送信し、
前記本体装置は、前記無線通信モジュールの前記識別番号を記憶し、自身をロックする請求項12に記載の無線通信システム。
【請求項14】
前記動作は前記無線通信モジュールのロック解除であり、前記本体装置は、前記本体装置がロックされた際に前記本体装置に挿入されていた無線通信モジュールの識別番号を記憶しており、
前記無線通信モジュールは、前記無線通信モジュールのロックが解除された後、ロックが解除された旨及び前記無線通信モジュールの識別番号を示す信号を前記本体装置へ送信し、
前記本体装置は、受信した前記識別番号と前記記憶している識別番号とを比較し、比較の結果が一致を示す場合に、自身のロックを解除する請求項12に記載の無線通信システム。
【請求項15】
無線通信システムにおいて遠隔制御される移動端末であって、前記無線通信システムは、中央局、無線基地局及び前記移動端末からなり、前記移動端末は、
(A)前記中央局から前記無線基地局を介してメッセージを受信する手段と、
(B)前記中央局の発信番号を予め記憶する手段と、
(C)前記メッセージに含まれる前記中央局の発信番号及び固有パスワードと、前記移動端末に記憶されている発信番号及び前記移動体端末が独自に生成した固有パスワードとをそれぞれ比較する手段とからなり、
比較の結果が共に一致を示す場合に、前記メッセージに含まれるコマンドにより指示される動作を行う移動端末。
【請求項16】
前記動作は前記移動端末のロック又はロック解除である請求項15に記載の移動端末。
【請求項17】
前記固有パスワードは、少なくとも前記移動端末の識別番号を用いて、前記中央局及び前記移動端末において同一の方法によりそれぞれ独立に生成される、請求項15に記載の移動端末。
【請求項18】
前記中央局及び前記移動端末は前記移動端末に関する動的な情報を共有しており、前記固有パスワードは、少なくとも前記移動端末の識別番号及び/または前記動的な情報を用いて、前記中央局及び前記移動端末において同一の方法によりそれぞれ独立に生成される、請求項15に記載の移動端末。
【請求項19】
前記移動端末は、本体装置と、前記本体装置に着脱可能に挿入され、インターフェース手段を介して前記本体装置との間で信号の送受信を行う無線通信モジュールとからなり、前記無線通信モジュールは前記手段(A)、(B)及び(C)を具備し、前記固有パスワードは前記無線通信モジュールにおいて独立に生成される請求項15に記載の移動端末。
【請求項20】
前記動作は前記無線通信モジュールのロックであり、
前記無線通信モジュールは、前記無線通信モジュールがロックされた後、ロックが完了した旨及び前記無線通信モジュールの識別番号を示す信号を前記本体装置へ送信し、
前記本体装置は、前記無線通信モジュールの前記識別番号を記憶し、自身をロックする請求項19に記載の移動端末。
【請求項21】
前記動作は前記無線通信モジュールのロック解除であり、前記本体装置は、前記本体装置がロックされた際に前記本体装置に挿入されていた無線通信モジュールの識別番号を記憶しており、
前記無線通信モジュールは、前記無線通信モジュールのロックが解除された後、ロックが解除された旨及び前記無線通信モジュールの識別番号を示す信号を前記本体装置へ送信し、
前記本体装置は、受信した前記識別番号と前記記憶している識別番号とを比較し、比較の結果が一致を示す場合に、自身のロックを解除する請求項19に記載の移動端末。
【請求項22】
無線通信システムにおいて移動端末を遠隔制御するために使用されるプログラムであって、前記無線通信システムは、中央局、無線基地局及び移動端末からなり、前記移動端末は、前記中央局の所定の発信番号を記憶しており、前記無線基地局を介して前記中央局からメッセージを受信し、
(A)固有パスワードを生成するステップと、
(B)前記メッセージに含まれる前記発信番号及び前記固有パスワードと前記移動端末に記憶されている前記発信番号及び前記移動端末が生成した前記固有パスワードとをそれぞれ比較するステップと、
(C)比較の結果が共に一致を示す場合に、前記メッセージに含まれるコマンドにより指示される動作を行うステップと
を前記移動端末に実行させるためのプログラム。
【請求項23】
前記動作は前記移動端末のロック又はロック解除である請求項22に記載のプログラム。
【請求項24】
前記固有パスワードは、少なくとも前記移動端末の識別番号を用いて、前記中央局及び前記移動端末において同一の方法によりそれぞれ独立に生成されることを特徴とする請求項22に記載のプログラム。
【請求項25】
前記中央局及び前記移動端末は前記移動端末に関する動的な情報を共有しており、前記固有パスワードは、少なくとも前記移動端末の識別番号及/またはび前記動的な情報を用いて、前記中央局及び前記移動端末において同一の方法によりそれぞれ独立に生成されることを特徴とする請求項22に記載のプログラム。
【請求項26】
前記移動端末は、本体装置と、前記本体装置に着脱可能に挿入され、インターフェース手段を介して前記本体装置との間で信号の送受信を行う無線通信モジュールとからなり、前記ステップ(A)、(B)及び(C)を前記無線通信モジュールに実行させることを特徴とする請求項22に記載のプログラム。
【請求項27】
前記動作は前記無線通信モジュールのロックであり、
(D)前記無線通信モジュールがロックされた後、ロックが完了した旨及び前記無線通信モジュールの識別番号を示す信号を前記本体装置へ送信するステップ
を前記無線通信モジュールに実行させ、
(E)受信した前記無線通信モジュールの前記識別番号を記憶し、前記本体装置をロックするステップ
を前記本体装置に実行させる請求項26に記載のプログラム。
【請求項28】
前記動作は前記無線通信モジュールのロック解除であり、前記本体装置は、前記本体装置がロックされた際に前記本体装置に挿入されていた無線通信モジュールの識別番号を記憶しており、
(F)前記無線通信モジュールのロックが解除された後、ロックが解除された旨及び前記無線通信モジュールの識別番号を示す信号を前記本体装置へ送信するステップ
を前記無線通信モジュールに実行させ、
(G)受信した前記識別番号と前記記憶している識別番号とを比較し、比較の結果が一致を示す場合に、前記本体装置のロックを解除するステップ
を前記本体装置に実行させる請求項26に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信に関し、より詳細には、移動端末のリモートロック等の遠隔制御を行うための方法、無線通信システム、遠隔制御可能な移動端末及びそのような移動端末において使用されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
PHS端末、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ノート型パソコン(PC)などの移動端末は持ち運びが容易であるという特徴を有することから、緊急時にこれらの移動端末の動作を遠隔的に制御する必要が生じる場合がある。例えば、これらの移動端末には、通常、電話帳や住所録などの個人情報や、ユーザが勤務する会社の内部情報など、機密性の高いデータが格納されていることが多い。このため、ユーザが移動端末を紛失し、あるいは盗難された場合には、当該移動端末を拾得もしくは盗難した第三者によるこれらのデータの閲覧や端末の不正使用などを防止するため、当該移動端末を早急にロックすることが要求される。ここで、移動端末のロックとは、例えば、発呼動作や着呼動作を禁止したり、移動端末内のメモリに記憶されたデータの読み出しを禁止したり、移動端末が備える各種操作ボタンの操作を禁止したりすること等を含め、移動端末の入出力機能の全部もしくは一部の利用を禁止することをいう。また、リモートロックとは、移動端末に対する入出力機能の全部もしくは一部の利用を禁止することなどを、遠隔制御により行うことをいう。
【0003】
このような要求に応える解決策として様々な技術の提案がなされている。例えば、移動通信端末に挿入される情報記録媒体に遠隔ロック操作(遠隔制御による発呼、着呼動作の禁止やデータの読み出しの禁止などの操作)のためのロックコードと当該情報記録媒体自身のIDとを記録しておき、他の通信端末からそのロックコードやIDを受信した場合に移動通信端末の操作や情報記録媒体へのアクセスを禁止する技術(例えば、特許文献1)や、無線呼出受信装置が受信データから固有IDコードと付加アドレスを抽出し、固有IDコードが自身の記憶している登録IDコードと一致し、且つ付加アドレスが自身の記憶している登録パスワードと一致する場合に、呼出信号中のメッセージの受信機能や受信済メッセージの表示機能を停止させる技術(例えば、特許文献2)が提案されている。
【0004】
また、紛失した携帯電話機に対してロック操作のためのパスワードが送信されると当該電話機がロック状態となり、電話機を拾った第三者により任意の操作キーが押された場合に、電話機内に予め登録されている持ち主の連絡先電話番号に自動的に発信する技術が提案されている(例えば、特許文献3)。
【0005】
さらに、呼び出し回数が一定回数に達し、回線を通じて入力される暗証番号が予め設定されたものと一致した場合に、自身を受信専用とする携帯電話機も提案されている(例えば、特許文献4)。
【0006】
その他、他の通信装置から入力される暗証番号と予め定められている暗証番号との一致を確認した後、リモート操作信号によって、以後の発信先電話番号を任意の番号に固定し、また自己のメモリの読み出しを禁止する移動無線通信装置に関する提案(例えば、特許文献5)や、予めロック処理用電話番号として登録された電話番号と着信信号に含まれる発呼者電話番号とが一致する場合にロック処理を行う提案(例えば、特許文献6)がなされている。
【特許文献1】特許第3631706号
【特許文献2】特開平9−205662号公報
【特許文献3】特開2005−333501号公報
【特許文献4】特開平9−312687号公報
【特許文献5】特開平10−126495号公報
【特許文献6】特開2000−151798号公報
【特許文献7】特願2005−303392
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述のような従来技術を利用すると、緊急時に要求される移動端末の制御を適切に行う上で支障が生じる場合がある。例えば、特許文献1に記載された技術を実現するためには、ユーザは紛失した移動通信端末以外の他の携帯電話機等を利用できる状況になければならない。しかし、ユーザが二台以上の移動通信端末を所有しているとは限らず、したがって、移動端末を紛失した際に当該端末を早急にロックすることが困難となる場合が多々生じると考えられる。また、情報記録媒体のIDを送信することによりロックをするためには、ユーザ自身が当該IDを覚えておくなど、常に参照できるようにしておく必要があり、必ずしもユーザにとって利便性の高い技術とはいえない。
【0008】
特許文献2の技術については、上記の問題に加えて、ユーザ自身が予め無線呼出受信装置内のパスワード登録部に任意のパスワードを設定しておかなければならず、この設定をすることなく当該装置を紛失し、或いは盗難された場合には当該装置をリモートロックすることができないという不都合が生じうる。特許文献3乃至5においても、携帯電話機へのパスワードもしくは暗証番号の事前の登録が要求されることから、同様の問題がある。
【0009】
一方、特許文献6に開示されるような技術を使用する場合には、端末へのパスワード設定は不要である。しかし、同一の電話番号からの呼出により実行可能な遠隔制御は移動端末のリモートロックに限定されてしまう。したがって、移動端末を単にリモートロックするだけでなく、移動端末内の記憶媒体に記憶されたデータを消去したい場合や、移動端末の現在位置に関する情報を取得したい場合、あるいは移動端末の設定の一部を変更したい場合などにおいて、ユーザの様々な要求を満たすことは困難である。
【0010】
さらに、端末紛失・盗難時に限らず、ユーザのみが移動端末を遠隔的に制御することを可能とすることにより、例えば、ユーザから離れた位置にある移動端末の具備するカメラを遠隔的に操作して移動端末の周囲の状況の画像や動画を送信させるなど、高度な遠隔制御サービスの提供が可能となる。本発明の目的は、このような要求を満たし、且つ上述の従来技術の問題点を解決しうるような無線通信方法及び無線通信システムを実現し、より充実した無線通信サービスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の特徴は、中央局、無線基地局及び移動端末からなる無線通信システムにおいて移動端末を遠隔制御する方法であって、当該移動端末は、前記中央局の所定の発信番号と予め生成した固有パスワードとを記憶しており、中央局において、移動端末に行わせるべき動作を示す情報と移動端末に関するユーザ情報とを含むメッセージを、移動端末とは異なるユーザ端末から受信するステップと、当該メッセージ内のユーザ情報が、中央局において記憶されている移動端末に関するユーザ情報と一致する場合に、中央局において固有パスワードを生成するステップと、無線基地局を介して、中央局から移動端末へ、中央局の所定の発信番号、動作を指示するコマンド及び中央局において生成された固有パスワードを含むメッセージを送信するステップと、移動端末において受信されたメッセージに含まれる発信番号及び固有パスワードが移動端末に記憶されている発信番号及び固有パスワードと一致する場合に、移動端末が、コマンドにより指示される動作を行うステップとを含むように構成される。
【0012】
本発明の第2の特徴は、中央局、無線基地局及び移動端末からなり、移動端末を遠隔制御する無線通信システムであって、当該移動端末と異なるユーザ端末が、移動端末に行わせるべき動作を示す情報と移動端末に関するユーザ情報とを含むメッセージを送信し、中央局は、ユーザ端末から送信されたメッセージを受信し、メッセージ内のユーザ情報が中央局において記憶されている移動端末に関するユーザ情報と一致する場合に、固有パスワードを生成し、さらに、中央局の所定の発信番号、動作を指示するコマンド及び固有パスワードを含むメッセージを無線基地局を介して移動端末へ送信し、移動端末は、中央局の所定の発信番号と移動端末において予め生成した固有パスワードとを記憶しており、受信されたメッセージに含まれる発信番号及び固有パスワードが移動端末に記憶されている発信番号及び固有パスワードと一致する場合に、コマンドにより指示される動作を行うように構成される。
【0013】
また、本発明の第3の特徴は、無線通信システムにおいて遠隔制御される移動端末であって、当該無線通信システムは中央局と無線基地局と移動端末とからなり、中央局から前記無線基地局を介してメッセージを受信する手段と、中央局の発信番号と移動端末自身により予め生成された固有パスワードとを記憶する手段と、当該メッセージに含まれる中央局の発信番号及び固有パスワードと移動端末に記憶されている発信番号及び固有パスワードとを比較する手段とからなり、比較の結果が一致を示す場合に、メッセージに含まれるコマンドにより指示される動作を行う移動端末である。
【0014】
さらに、本発明の第4の特徴は、無線通信システムにおいて移動端末を遠隔制御するために使用されるプログラムである。当該無線通信システムは中央局と無線基地局と移動端末とからなり、移動端末は中央局の所定の発信番号を記憶しており、無線基地局を介して前記中央局からメッセージを受信する。本発明のプログラムは、固有パスワードを予め生成し記憶するステップと、上記のメッセージに含まれる発信番号及び固有パスワードと移動端末に記憶されている発信番号及び固有パスワードとを比較するステップと、比較の結果が一致を示す場合にメッセージに含まれるコマンドにより指示される動作を行うステップとを移動端末に実行させるように構成される。
【0015】
本発明は、上記第1から第4の特徴において、上述の動作として移動端末のロック又はロック解除を行うように構成してもよい。
【0016】
また、上記の固有パスワードは、中央局の所定の発信番号及び移動端末の識別番号を用いて、中央局及び移動端末において同一の方法により生成することができる。さらに、中央局及び移動端末が移動端末に関する動的な情報(例えば、移動端末が最後に位置登録されたときの日付及び時刻に関する情報や、直近の所定期間内での移動端末への着呼回数など)を有するように構成され、固有パスワードが、中央局の所定の発信番号、移動端末の識別番号、及びそのような動的な情報を用いて、中央局及び移動端末において同一の方法により生成されてもよい。
【0017】
本発明の上記第1から第4の特徴において、移動端末は、本体装置と、当該本体装置に着脱可能に挿入され、インターフェース手段を介して本体装置との間で信号の送受信を行う無線通信モジュールとからなる構成とすることも可能である。無線通信モジュールが固有パスワードを予め生成し、中央局の所定の発信番号とともに無線通信モジュール内に記憶してもよい。この場合、移動端末に行わせるべき動作は、例えば、当該無線通信モジュールのロックであり、無線通信モジュールをロックした後、無線通信モジュールが、ロックが完了した旨及び無線通信モジュールの識別番号を示す信号を本体装置へ送信し、本体装置が、無線通信モジュールの識別番号を記憶し、本体装置自身をロックするようにしてもよい。また、ロックされていた無線通信モジュールを遠隔制御によりロック解除した後、無線通信モジュールが、無線通信モジュールのロックが解除された旨及び無線通信モジュールの識別番号を示す信号を本体装置へ送信し、本体装置が、受信した識別番号と記憶している識別番号とを比較し、比較の結果が一致を示す場合に、本体装置自身のロックを解除するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザは二台以上の移動通信端末を所有していなくても、公衆電話やPC等を使用して、紛失した移動端末のロック等の遠隔制御を中央局に要求することが可能となる。また、移動端末自身が遠隔制御用の固有パスワードを予めその内部で生成して記憶しているので、ユーザは固有パスワードを記憶しておく必要がなく、移動端末に対して予め遠隔制御のための設定を施しておく必要もない。さらに、移動端末を単にリモートロックするだけでなく、移動端末内の記憶媒体に記憶されたデータを消去したい場合や、移動端末の現在位置に関する情報を取得したい場合、あるいは移動端末の設定の一部を変更したい場合など、様々な目的に応じて移動端末を容易に遠隔制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の無線通信システム100の構成図を図1に示す。以下、本実施例において、図1のシステムは、特に、紛失した移動端末200のロック及びロック解除を行うシステムとして説明する。しかし、本発明のシステムはこのような用途に限定されるものではなく、後述するように移動端末を様々な目的で遠隔制御するために利用することができる。
【0020】
図1に示す本実施例のシステムは、電話機102、リモートロックのサービスを提供する中央局104、通信ネットワーク122、無線通信基地局124、移動端末200からなり、中央局104は、中央局のオペレータが使用する電話機106、オペレータが操作する端末108、入力データ記憶部110、制御部112、顧客データベース114、比較回路116、記憶部118及び送信部120から構成される。顧客データベース114や送信部120は中央局104の外部にあってもよく、そのような場合には中央局104と通信可能に接続される。
【0021】
本実施例において移動端末200は携帯電話であるが、PHS端末やPDA等、他の移動通信端末であってもよい。尚、上述の通り、本実施例のシステムは移動端末200のリモートロック及びロック解除を行うシステムであるため、移動端末200は紛失した状態にあるものとする。
【0022】
本実施例におけるシステム100の動作は以下のようになる。移動端末200を紛失したことに気付いたユーザは、第三者が移動端末200を操作したり、移動端末200内のデータを閲覧したりすることを防止するため、自宅の電話機、公衆電話、もしくは移動端末200とは別の携帯電話等の電話機102から中央局のオペレータに電話をかけ、自己の氏名、移動端末200の電話番号、機種コード及び機種名を告げるとともに、移動端末200を紛失したことを申告して、移動端末200のリモートロックを依頼する。
【0023】
依頼を受けたオペレータは、端末108を操作して、ユーザから告げられた顧客情報を入力データ記憶部110に入力する。入力データ記憶部110は、入力された顧客情報を記憶したうえで、当該顧客情報の一部(例えばユーザの氏名)を制御部112に送信する。顧客データベース114は、各顧客ごとに、移動端末200の電話番号、機種コード、機種名、移動端末固有の識別番号(PSID)などの情報を関連付けて記憶している。制御部112はこの顧客データベース114にアクセスし、入力データ記憶部110から受信したユーザの氏名と関連付けて記憶されている移動端末200の電話番号、機種コード及び機種名の情報を得る。入力データ記憶部110は自身が記憶しているユーザ情報(例えば、移動端末200の電話番号、機種名、機種コード)を比較回路116に送信し、一方、制御部112は、顧客データベース114から得たユーザ情報を比較回路116に送信する。比較回路116はこれらのユーザ情報を比較し、一致しているか否かを制御部112に伝える。尚、ここでは比較回路116は制御部112とは別個に構成されているが、比較回路の機能を制御部112が有していてもよい。その他、入力データ記憶部110や後述の記憶部118の機能を制御部112が有するように構成することも可能である。
【0024】
比較回路116から伝えられた比較結果が一致を示している場合、制御部112は、オペレータに電話してきた者が移動端末200のユーザ本人であること、すなわちユーザ認証が成功したことを認識し、移動端末200に固有のパスワードを生成する。当該固有パスワードは、例えば移動端末200の電話番号及びPSIDを予め定められた方法で加工し演算することにより生成される。本発明において、固有パスワードの生成方法は特定のものに限定されず、当業者によって知られる様々な生成方法を適用することが可能である。また、移動端末200の電話番号やPSIDのみならず、移動端末200と中央局104が相互に共有する別の情報を用いて固有パスワードを生成してもよい。例えば、移動端末200が最後に位置登録されたときの日付及び時刻に関する情報や、直近の所定期間内での移動端末200への着呼回数などの動的な情報を、顧客データベース114において上述のユーザ情報と関連付けて記憶しておき、制御部112が、これらの動的情報をも使用して固有パスワードを生成してもよい。このようにすれば、より秘匿性の高い固有パスワードが生成可能である。
【0025】
固有パスワードを生成した後、制御部112は、リモートロック用の所定のロックコマンド、生成された固有パスワード及び送信部120からの送信の際に使用される発信番号からなる遠隔制御データを記憶部118に記憶させ、オペレータ端末108に対し、送信準備が完了した旨を通知する。オペレータは、記憶部118に取り込まれた遠隔制御データをオペレータ端末108を介して確認した後、送信部120を介してこれらの遠隔制御データを移動端末200へ送信する。この際、上記発信番号を発信元として、移動端末200をロックするための所定のロックコマンドと上述の生成された固有パスワードとを含む電子メールを移動端末200へ送信する。また、所定のロックコマンド及び固有パスワードをサブアドレスとして付加した電話番号を用いて送信部120から移動端末200へ電話をかけることにより、移動端末200をロックするようにしてもよい。
一方、比較回路116から制御部112に伝えられた比較回路が不一致を示している場合には、制御部112はその旨をオペレータ端末108に通知する。オペレータは、これを受けて、電話機106を介して発呼者と会話し、例えば、ユーザ認証のためにさらに必要な情報(例えば、生年月日や予め登録されたパスワードなど)につき再度発呼者に尋ねる。
【0026】
上述の動作においては、移動端末200を紛失したユーザは中央局のオペレータに電話をかけることにより移動端末200のリモートロックを依頼しているが、これとは別のシステム構成として、ユーザからの依頼をインターネットなどのウェブ上で受け付けるようにすることも可能である。例えば、図1のオペレータ電話機106及びオペレータ端末108の代わりに、中央局104は、リモートロックのサービスを提供するためのサーバ(図示せず)を具備し、オペレータの介入なしに、ユーザからの申告を自動的に処理するように構成する。サーバは、図1の入力データ記憶部110、制御部112、顧客データベース114、比較回路116、記憶部118、送信部120のうち一部又は全部に相当する機能を有してもよい。ユーザはパソコン(PC)等のインターネット接続可能な端末を操作してサーバにアクセスし、移動端末200を紛失した旨、自己の氏名、移動端末200の電話番号、機種コード及び機種名を、例えば、サーバが提供するウェブサイト上でサーバの指示に従って入力する。この際、ユーザ認証の信頼性を高めるため、ユーザとサーバとの間で予め定められている認証用パスワードの入力をユーザに要求してもよい。また、ウェブサイト上での情報入力に代えて、ユーザがサーバに対してリモートロックを依頼するための電子メールを送信するようなシステム構成とすることも可能である。この場合、ユーザは、例えば、移動端末200のリモートロックをしたい旨及び必要な顧客情報を含む電子メールを送信する。
【0027】
サーバは、ウェブサイト上でユーザによって入力された情報もしくは電子メールによってユーザから受信された情報に基づき、上述の図1の場合と同様にしてユーザ認証を行う。認証が成功した場合には、所定の発信番号を送信元アドレスとして、本文に所定のロックコマンド及び固有パスワードを含む電子メールを移動端末200へ送信する。
【0028】
上記の構成のほかにも、ユーザからの依頼を自動的に受け付ける、いわゆる電話応答装置のような機器を使用する構成も採用可能である。そのような実施例においては、ユーザが中央局104に電話をかけると、電話応答装置がこれに対応し、予め設定されたプログラムに従って、電話機102を介してユーザが必要な情報を入力する。
【0029】
以下、ユーザ認証が成功し、所定のロックコマンド及び固有パスワードが電子メールにより移動端末200に送信された場合について説明を続ける。中央局104の送信部120から送信された、リモートロック用の所定のロックコマンド及び固有パスワードを含む電子メールは、ネットワーク122及び基地局124を介して移動端末200により受信される。移動端末200の構成例を図2に示す。アンテナ202、送受信部204、RAM206、不揮発メモリ208、比較回路211、表示部212、ファームウェア(以下、「本発明のプログラム」)を記憶する記憶部(図示せず)からなる。
【0030】
当該電子メールはアンテナ202を介して送受信部204にて受信される。本発明のプログラムは、電子メールに含まれるコマンドを分析し、当該コマンドが端末のロック用の所定のロックコマンドであることを認識したら、直ちに当該電子メールに関するあらゆる情報が使用者に知られないように移動端末200を制御する。例えば、本発明のプログラムは、当該電子メールの受信時に移動端末200が鳴動しないように、また、当該電子メールが受信されたことを着信履歴に記録しないように、さらには、当該電子メールの内容を表示部210が表示しないように、移動端末200を制御する。
【0031】
その上で、本発明のプログラムは、電子メールに含まれる中央局104の送信部120の発信番号及び固有パスワードをRAM206に記憶する。一方、不揮発メモリ208の内部にはユーザからアクセス不能の領域として、中央局104の送信部120の発信番号が予めユーザに対して秘密として発信番号記憶装置210に格納されている。この発信番号は、予め定められた固定の番号であり、単一でも複数でもよい。また、不揮発メモリ208は同様に、固有パスワードを予め少なくともユーザに対して秘密に生成し、パスワード生成記憶装置209に記憶している。本実施例において、当該固有パスワードはユーザによって、移動端末200の所定の記憶領域に記憶させたり、あるいは表示部に表示させたり、さらには固有パスワードの内容を変更したりするものではなく、移動端末200自身が予め生成して自律的に記憶しているものである。ここで言う自律的とは、本発明のプログラムによって例えば、移動端末が最後に位置登録されたときの日付及び時刻に関する情報や、直近の所定期間内での移動端末への着呼回数など、少なくともユーザの知りえない時に秘密的な状態で起動するという意味である。
【0032】
なお、本発明における固有のパスワードは、少なくともユーザに対して秘密的で生成されるものであるが、秘密的な状態はユーザだけでなく、中央局のオペレータはもちろん、その他ユーザ、オペレータ以外の不特定多数の第3者に対しても秘密的な状態で生成されるものである。そして、この固有パスワードの生成は、中央局104において使用される固有パスワード生成方法と同一の方法を用いて本発明のプログラムにより生成され、不揮発メモリ208に自動的に記憶されている。また、既に述べたように固有パスワードが動的な情報をも用いて生成される場合には、本発明のプログラムは、新たな固有パスワードを生成するたびに不揮発メモリ208内のパスワード生成記憶装置209に固有パスワードを自動更新する。このように移動端末200自身が、中央局104において予め定められた方法と同じ方法と相互に共有する情報とを用い、移動端末200に固有のパスワードを生成して秘密に保持する機能を有していることは本発明の重要な特徴である。これにより、ユーザは移動端末200に対してリモートロックに関する設定を予め施しておく必要はなく、リモートロックするためのパスワードを記憶する必要がない。従って、移動端末を紛失した場合であっても、本実施例の移動端末は、上述のようにして予め自律的に固有パスワードを生成して保持しているので、中央局から所定のコマンド及び固有パスワードを送信することにより強制的にロックすることが可能となっている。
【0033】
本発明のプログラムは、受信された電子メールに含まれる発信番号及び固有パスワードが不揮発メモリ208に記憶されている発信番号及び固有パスワードと一致することを確認すると、電子メールに含まれていた所定のロックコマンドに従い、移動端末200をロックする。これにより、移動端末200を拾得した第三者による操作を防止することができ、移動端末200内のデータの漏洩等も防止できる。
【0034】
本発明のシステムの上述の一連の動作をシーケンス図として図3に示す。ユーザから移動端末200をリモートロックしたい旨の依頼を受けて(302)、中央局104はユーザ認証を行う(304)。ユーザから告げられた移動端末200の電話番号等が誤っていたなどのためにユーザ認証が失敗に終わった場合には、中央局からユーザに対しその旨が通知される(306)。一方、ユーザ認証が成功した場合には、中央局において固有パスワードが生成され(308)、当該固有パスワードとリモートロック用の所定のロックコマンドを含む電子メールが移動端末200へと送信される(310)。移動端末200は、当該電子メールを受信し、これに含まれるコマンドがリモートロックを目的とするものであることを確認すると、電子メールに含まれる発信番号を移動端末200において予め記憶されている発信番号と照合する(312)。一致する場合、移動端末200は、当該電子メールが中央局104から正常に送信されたものであると判断し、電子メールに含まれる固有パスワードを、予め移動端末200自身が自律的に生成し記憶しているものと照合する(314)。そして、これらの固有パスワードが一致した場合、移動端末200は、所定のロックコマンドを含む電子メールを正常に受信した旨を示す電子メールを中央局104に送信したうえで(316)、自身をロックする(318)。すなわち、例えば、移動端末200の送信機能を停止し、移動端末200内に格納されているデータの読み出し、データの変更、追加、削除等を禁止する。なお、所定の時間が経過しても当該電子メールが受信されない場合、中央局104は、移動端末200によって正常に受信されるまで、電子メールの送信を繰り返してもよい。また、中央局104は、移動端末200の最新の位置登録情報を有するように構成されてもよく、この場合には、当該位置登録情報が更新されて、移動端末200の現在位置が明らかとなった場合に、以前に送受信できなかった電子メールを再度送信するようにしてもよい。さらに、中央局104は、ユーザからの要求に応じて送達結果をユーザに通知するように構成されてもよい(320)。
【0035】
一方、発信番号照合ステップ(312)もしくは固有パスワード照合ステップ(314)において一致がみられなかった場合、移動端末200は、当該電子メールの受信のみを行ったうえで、自身をロックすることなく通常の動作を続ける。
【0036】
既にロックされている移動端末200のロックを解除する場合のシステム動作も同様である。ユーザからロック解除の依頼を受けると(322)、ユーザ認証ステップ(324)、固有パスワード生成ステップ(328)を経て、所定のロック解除用のコマンドと固有パスワードを含む電子メールが移動端末200に送信される(330)。上記と同様にして、発信番号照合ステップ(332)、固有パスワード照合ステップ(334)を経て、移動端末200のロックが解除され、当該端末は自由に使用できるようになる。
【0037】
上述の実施例においては、本発明のシステムを利用して紛失した移動端末のリモートロックをする場合について説明したが、本発明は、リモートロックに限らず、移動端末を様々な目的で遠隔制御するために利用することができる。
【0038】
例えば、紛失した移動端末内の記憶装置(実施例においては不揮発メモリ)に格納された記憶データを消去したい場合には、上述の所定のロックコマンドに代えて、データ消去コマンドを含む電子メールを移動端末に送信すればよい。移動端末は当該電子メールを受信し、これに含まれるコマンドが記憶データの消去を目的とするものであることを確認すると、電子メールに含まれる発信番号及び固有パスワードを予め記憶されている発信番号及び予め生成され記憶されている固有パスワードと照合する。これらが一致する場合、移動端末はデータ消去を実行する。移動端末のロックとデータ消去を同時に要求する場合には、これらの動作に対応する複数のコマンドを含む電子メールを移動端末に対して送信すればよい。
【0039】
さらに、所在不明の移動端末の現在位置を確認したい場合には、位置情報確認用のコマンドを含む電子メールを移動端末に送信する。これを受信した移動端末は、照合ステップを経た後、当該コマンドに従って近隣の基地局との間で通信を行い、位置情報を取得する。取得された位置情報は移動端末から中央局へ送信される。
【0040】
この他にも、移動端末が有する機能についての遠隔操作用の種々のコマンドを予め用意しておけば、本発明により、各機能を遠隔的に実行することが可能である。例えば、移動端末の具備するカメラで移動端末の周囲を撮影し、画像や動画を離れた位置にあるユーザが使用する別の端末に送信することや、移動端末の留守番電話機能をONにすることなども可能である。
【0041】
本発明の対象となる移動端末は、通常の携帯電話、PHS端末等のような一体型の移動通信端末に限定されない。従来の移動通信端末内に組み込まれていた無線通信部分を別個の小型モジュールとして独立させた無線通信モジュールを、そのようなモジュールに対応した端末に挿入することにより、全体として移動通信端末として使用するような、新しい形態の端末(例えば、特許文献7参照)に対しても使用することが可能である。PHS向けのこのような無線通信モジュールの構成例を図4に示す。図4の無線通信モジュール400は、アンテナ402、アンテナ・スイッチ404、送信部406及び受信部408、変調部410及び復調部412、時分割多元接続(TDMA)符号化部414及びTDMA復号化部416、ADPCMトランスコーダ418、制御部420、フラッシュメモリ422、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)424、電源426、インターフェース部428からなる。図4の無線通信モジュール400は、通常のPHS通信端末における無線通信部の各構成要素を含んでおり、また、例えばフラッシュメモリ422に電話帳等のデータを格納することができるなど、汎用性のある多機能通信モジュールである。
【0042】
図4の無線通信モジュール400は、通常の移動通信端末から無線通信部分を取り除いた、無線通信モジュール400に対応した端末(以下、「ジャケット」又は「ベースユニット」と呼ぶ)が具備するスロットに挿入して使用される。無線通信モジュール400がジャケット500に挿入された際のモジュールとジャケットとの接続状態の例を図5に示す。無線通信モジュール400とジャケット500とがインターフェース428を介して接続される。
【0043】
無線通信モジュール400が挿入されたジャケット500が音声通信及びデータ通信の両方を行う通常のPHS端末のようにして使用される場合には、ユーザの音声はマイク504を介してPCMコーデック502へ入力され、パルス符号変調されてデジタルデータに変換される。PCMコーデック502において符号化された音声データはインターフェース428を介して無線通信モジュール400内のADPCMトランスコーダ418へ入力され、ADPCM変調されたデータへと変換される。ADPCMトランスコーダ418の出力信号はTDMA符号化部414において時分割多元接続(TDMA)用ベースバンド信号に符号変換され、さらに変調部410、送信部406、アンテナ・スイッチ404及びアンテナ402を介して無線伝送される。一方、ユーザによりジャケット500のキーボード510等の入力装置から入力されたデータはジャケット制御部508へと入力され、さらにインターフェース428のUARTシリアルインターフェース用のピンを介して無線通信モジュール400側の制御部420に入力される。当該データ信号はTDMA符号化部414に入力され、以降は音声信号と同様にして無線伝送される。
【0044】
一方、アンテナ402において受信された信号は、アンテナ・スイッチ404により受信部408へ入力される。この受信信号(例えば、1.9GHz帯)は、受信部408において増幅、周波数変換され、ついで復調部412でTDMAベースバンド信号に復調された後、TDMA復号化部416によりADPCM音声信号もしくはデータ信号が得られる。ADPCM音声信号はADPCMトランスコーダ418へ入力されてPCM音声信号へ変換される。PCM音声信号は、さらにインターフェース428の音声信号用のピンを介してジャケット500側のPCMコーデック502に入力され、アナログ信号に変換されてスピーカ506を介して出力される。一方、TDMA復号化部416から制御部420へと入力されたデータ信号は、インターフェース428のUART用のピンを介してジャケット500の制御部508へ入力され、ユーザの要求に応じてジャケット500が具備するディスプレイ512を介して表示される。なお、514は電源であり、この電源514からの電力はジャケット制御部508を介して各部に電力供給される。
【0045】
このような端末に対して本実施例を適用した場合のシステム構成を図7に示す。遠隔制御の対象となる端末が図5に示すような無線通信モジュール400とジャケット500との組み合わせであることを除き、図1と同じシステム構成である。
【0046】
図6のシステムにおいて紛失した移動端末をリモートロックする際のシーケンス図を図7に示す。図7は、無線通信モジュール400とジャケット500の両方がリモートロックに対応している場合について示したものである。中央局104から紛失した端末に向けて電子メールを送信する(710)ステップまでは図3と同様である。当該電子メールは、無線通信機能を有する無線通信モジュール400により受信される。モジュール400においては、例えばフラッシュメモリ422等に本発明のプログラムが格納されている。本発明のプログラムは、当該電子メールに含まれる所定のロックコマンドがリモートロックを目的とするものであることを確認すると、電子メールに含まれる発信番号をモジュール400がフラッシュメモリ422等に予め記憶している発信番号と照合し(712)、さらに、電子メールに含まれる固有パスワードを、本発明のプログラムが予め生成しフラッシュメモリ422等に記憶している自律的に生成された固有パスワードと照合する(714)。これらが一致した場合、モジュール400は中央局104に向けて電子メールが正常に受信された旨を示す電子メールを送信し(716)、自身をロック状態とする(718)。その後、モジュール400は、自身がロックされた旨及び自身のPSIDを示す信号をジャケット500に送信する(722)。ジャケット500においても本発明のためのプログラムが格納されており、当該プログラムは、ロックされたモジュール400のPSIDを記憶したうえで、自らもロック状態となる。
【0047】
図7においてはモジュール400の電源426とジャケット500の電源514の双方の電源がON状態にあるが、ジャケット500の電源514がOFF状態である場合にはジャケット500の電源514が投入された際にジャケット500のロックが実行される。すなわち、ジャケット500の電源514が投入された際に、ジャケット制御部508に格納されたプログラムに従い、ジャケット500にモジュール400が挿入されているか否かを確認し、挿入されている場合にはモジュール400の状態を確認し、モジュール400がロック状態にあることを確認するとジャケット500自身をロックする。
【0048】
図7の動作によりリモートロックされたモジュール400及びジャケット500のロックを解除する際のシーケンス図を図8に示す。モジュール400は、中央局104から送信されたロック解除メールを受信し(810)、図3の場合と同様の手順により自身のロックを解除する(818)。モジュール400は、さらに、ロックの解除が完了したこと及び自身のPSIDを示す信号をジャケット500に送信する(822)。ジャケット500は、モジュールから受信したPSIDがジャケット500に記憶されているPSIDと一致することを確認する(824)。すなわち、ロック解除されたモジュール400が、ジャケット500がロックされた際にジャケット500に挿入されていたモジュール400と同一であることを確認する。そして、両者の一致が確認された場合に、ジャケット400は自らのロックを解除する(826)。
【0049】
図8と異なり、モジュール400のロックが解除された際にジャケット500の電源514がOFF状態である場合には、その後ジャケット500に初めて電源514の電力が投入された際にジャケット500のロックが解除される。すなわち、電力投入後、ジャケット500は、自身にモジュール400が挿入されているか否かを確認し、挿入されている場合には当該モジュール400のPSIDを確認し、さらにモジュール400の状態をチェックする。ジャケット500に挿入されているモジュール400が、ジャケット500がロックされた際に挿入されていたモジュール400と同一であること、及びそのモジュール400が既にロック解除されていることを確認すると、ジャケット500は自らのロックを直ちに解除する。
【0050】
一方、図7及び8の場合と異なり、モジュール400のみがリモートロックに対応しておりジャケット500が対応していない場合には、図7のステップ722、724及び726及び図8のステップ822、824及び826は実行されない。
【0051】
上述のような無線通信モジュール400とジャケット500からなる移動端末に対しても、本発明を用いて、既に述べたようなリモートロック以外の様々な遠隔制御を同様に実行することが可能である。加えて、モジュール400のみの電源がON状態である場合に遠隔制御によりジャケットの電源を立ち上げることもできる。この場合にも、ジャケットの電源立ち上げ用のコマンド及び固有パスワードを含む電子メールをモジュール400に向けて送信すればよい。
【0052】
本実施例は、特に図5に示すような構成の移動端末に対して本発明を適用する場合に付き詳細に説明された。しかし、一般的なノートPCやPDAなど、無線通信モジュールを挿入することにより移動端末として機能するその他の構成の端末に対しても本発明を同様に適用しうることは、当業者にとって明らかであろう。また、本発明の各実施例においては、移動端末200或いは無線通信モジュール400と中央局104とが相互に共有する情報を用い、所定の方法でそれぞれ固有パスワードを生成し、予め不揮発メモリに記憶する構成について説明したが、必ずしも固有パスワードを予めメモリに記憶しておく必要はなく、必要に応じてその都度生成しても本発明の目的を十分に達成しうることも、当業者には同様に自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の無線通信システム100の構成図である。
【図2】本発明の移動端末200の構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の無線通信システムの一連の動作を示すシーケンス図である。
【図4】従来の移動通信端末の無線通信部分を別個の小型モジュールとして独立させた無線通信モジュールの構成を示す図である。
【図5】無線通信モジュールとジャケットとの接続状態を示す図である。
【図6】モジュール400及びジャケット500からなる移動端末に対して本発明を適用した場合のシステム構成を示す図である。
【図7】図6のシステムにおいて移動端末をリモートロックする際のシーケンス図である。
【図8】モジュール400及びジャケット500のロックを遠隔的に解除する際のシーケンス図である。
【出願人】 【識別番号】304058826
【氏名又は名称】株式会社ウィルコム
【出願日】 平成18年8月15日(2006.8.15)
【代理人】 【識別番号】100064447
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 正夫

【識別番号】100085176
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 伸晃

【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓

【識別番号】100096943
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 伸一

【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫

【識別番号】100096688
【弁理士】
【氏名又は名称】本宮 照久

【識別番号】100104352
【弁理士】
【氏名又は名称】朝日 伸光

【識別番号】100128657
【弁理士】
【氏名又は名称】三山 勝巳


【公開番号】 特開2008−48129(P2008−48129A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−221571(P2006−221571)