| 【発明の名称】 |
集合住宅用インターホンシステム |
| 【発明者】 |
【氏名】梅田 直樹
【氏名】古屋 智英
【氏名】矢野 洋子
【氏名】五所野尾 一彦
【氏名】谷川 嘉浩
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| 【要約】 |
【課題】リレーの接点異常を検出するための手段を備えた集合住宅用インターホンシステムを提供する。
【構成】通話装置1は、所望の住戸機Aとの間で音声信号を伝送可能とするように制御線Lcを通る制御信号により住戸機Aに分岐器B内の分岐リレーの接点を切り替えさせるとともに、当該住戸機Aに向けて信号線Ldを通して所定の試験信号を送出する試験手段35を有する。住戸機Aは、試験手段35が試験信号を送出した後、予め設定されている試験時間に試験信号を受信したか否かを検出し、試験信号を受信しなかった場合には、通話装置1との間の伝送線路を構成するリレーの接点に異常があることを通知する検出手段としての機能をCPU21に有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 音声の入出力が可能な通話装置と、通話装置に対してそれぞれ伝送線路を介して接続される複数台の住戸機とを備え、伝送線路は、通話装置に接続された幹線と、各住戸機にそれぞれ接続された住戸別線と、幹線と各住戸別線との接続部位にそれぞれ介装された複数台の分岐器とを有し、幹線および住戸別線は、通話装置と1台の住戸機との間で通話可能とする際に当該住戸機を指定する制御信号を伝送する制御線と、音声信号を伝送する信号線とで構成され、各分岐器は、信号線について通話装置側の幹線を送り側の幹線に接続する状態と通話装置側の幹線を住戸別線に接続する状態とを切り替える接点を備えたリレーをそれぞれ有し、通話装置は、所望の住戸機との間で音声信号を伝送可能とするように制御信号により住戸機に前記リレーの接点を切り替えさせ、且つ当該所望の住戸機に向けて信号線を通して所定の試験信号を送出する試験手段を有し、試験手段が試験信号を送出した後であって予め設定されている試験時間に当該所望の住戸機が試験信号を受信したか否かを検出し、試験信号を受信しなかった場合には当該所望の住戸機と通話装置との間の伝送線路を構成するリレーの接点に異常があることを通知する検出手段が設けられていることを特徴とする集合住宅用インターホンシステム。 【請求項2】 前記幹線は複数系統設けられており、前記伝送線路は、当該複数系統の幹線と前記通話装置との間に、通話装置に接続する幹線を選択する経路切替器を有し、経路切替器は、各幹線の信号線について通話装置を接続する状態と接続しない状態とを切り替える接点を備えたリレーを有し、前記試験手段は、経路切替器のリレーについても、所望の前記住戸機との間で音声信号を伝送可能とするように住戸機に接点を切り替えさせ、前記検出手段は、試験手段が前記試験信号を送出した後であって予め設定されている試験時間に当該所望の住戸機が試験信号を受信したか否かを検出し、試験信号を受信しなかった場合には当該所望の住戸機と通話装置との間の伝送線路を構成する前記分岐器および経路切替器の少なくとも一方のリレーの接点に異常があることを通知することを特徴とする請求項1記載の集合住宅用インターホンシステム。 【請求項3】 音声の入出力が可能な通話装置と、通話装置に対してそれぞれ伝送線路を介して接続される複数台の住戸機とを備え、伝送線路は、通話装置に接続された幹線と、各住戸機にそれぞれ接続された住戸別線と、幹線と各住戸別線との接続部位にそれぞれ介装された複数台の分岐器とを有し、幹線および住戸別線は、通話装置と1台の住戸機との間で通話可能とする際に当該住戸機を指定する制御信号を伝送する制御線と、音声信号を伝送する信号線とで構成され、各分岐器は、信号線について通話装置側の幹線を送り側の幹線に接続する状態と通話装置側の幹線を住戸別線に接続する状態とを切り替える接点を備えたリレーをそれぞれ有し、通話装置は、所望の住戸機との間で音声信号を伝送可能とするように制御信号により前記リレーの接点を切り替え、且つ当該所望の住戸機に向けて信号線を通して所定の試験信号を送出する試験手段を有し、試験手段が試験信号を送出した後であって予め設定されている試験時間に当該所望の住戸機が試験信号を受信したか否かを検出し、試験信号を受信しなかった場合には当該所望の住戸機と通話装置との間の伝送線路を構成するリレーの接点に異常があることを通知する検出手段が設けられていることを特徴とする集合住宅用インターホンシステム。 【請求項4】 前記幹線は複数系統設けられており、前記伝送線路は、当該複数系統の幹線と前記通話装置との間に、通話装置に接続する幹線を選択する経路切替器を有し、経路切替器は、各幹線の信号線について通話装置を接続する状態と接続しない状態とを切り替える接点を備えたリレーを有し、前記試験手段は、経路切替器のリレーについても、所望の前記住戸機との間で音声信号を伝送可能とするように制御信号により接点を切り替え、前記検出手段は、試験手段が前記試験信号を送出した後であって予め設定されている試験時間に当該所望の住戸機が試験信号を受信したか否かを検出し、試験信号を受信しなかった場合には当該所望の住戸機と通話装置との間の伝送線路を構成する前記分岐器および経路切替器の少なくとも一方のリレーの接点に異常があることを通知することを特徴とする請求項3記載の集合住宅用インターホンシステム。 【請求項5】 前記住戸機は、少なくとも前記試験信号を受信した際に試験信号を受信したことを示す結果信号を前記通話装置に返信する結果返信手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の集合住宅用インターホンシステム。 【請求項6】 前記結果返信手段は、前記結果信号として前記信号線を伝送される音声信号を用いることを特徴とする請求項5記載の集合住宅用インターホンシステム。 【請求項7】 前記結果返信手段は、前記結果信号を前記住戸機ごとに予め割り当てられた周波数とし、前記通話装置は、受信した結果信号の周波数に基づいて当該結果信号を返信した住戸機を識別する返信元識別手段を有することを特徴とする請求項6記載の集合住宅用インターホンシステム。 【請求項8】 前記結果返信手段は、前記制御線を通して前記結果信号を返信することを特徴とする請求項5記載の集合住宅用インターホンシステム。 【請求項9】 前記通話装置は、受信した前記結果信号の内容を記憶する結果保持手段を有することを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の集合住宅用インターホンシステム。 【請求項10】 前記分岐器は、前記通話装置側の前記幹線と前記住戸別線との間に、前記リレーの前記接点と並列に接続され音声信号を通過させるバイパス手段を有し、前記試験手段は、音声信号を前記試験信号とすることによりバイパス手段を通して複数台の前記住戸機に試験信号を一斉送信する一斉試験モードと、バイパス手段を通過しない信号を試験信号とすることにより各住戸機に対して個別に試験信号を送信する個別試験モードとの2種類の試験モードを有し、前記通話装置は、一斉試験モードに関して受信した前記結果信号と、個別試験モードに関して受信した結果信号とを組み合わせて異常のあるリレーの範囲を絞り込む結果解析手段を有することを特徴とする請求項5ないし請求項9のいずれか1項に記載の集合住宅用インターホンシステム。 【請求項11】 前記通話装置は、前記住戸機との間で通話する際にカメラで撮像された映像の映像信号を当該住戸機に前記信号線を通して送信する映像信号出力手段を有し、前記試験手段は、信号線を伝送される映像信号と音声信号との少なくとも一方を前記試験信号として用いることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の集合住宅用インターホンシステム。 【請求項12】 前記分岐器は、前記通話装置側の前記幹線と前記住戸別線との間に、前記リレーの前記接点と並列に接続され音声信号を通過させるバイパス手段を有し、前記試験手段は、音声信号を前記試験信号とすることによりバイパス手段を通して複数台の前記住戸機に試験信号を一斉送信することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の集合住宅用インターホンシステム。 【請求項13】 前記試験手段は、前記試験信号として前記信号線を伝送される音声信号を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の集合住宅用インターホンシステム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、マンションなどの集合住宅において、共用玄関や管理人室等に設置された通話装置と、各住戸にそれぞれ設置された複数台の住戸機との間で通話を可能とした集合住宅用インターホンシステムに関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来から、この種の集合住宅用インターホンシステム(以下、インターホンシステムと略称する)として、共用玄関に設置された通話装置(管理室インターホン、ロビーインターホンを含む)と、当該通話装置で呼び出された所望の住戸機との間で通話が可能となるものが提供されている。 【0003】 このインターホンシステムでは、通話装置と各住戸機との間を接続する伝送線路が、通話装置に接続された幹線と、各住戸機にそれぞれ接続された住戸別線と、幹線と住戸別線との各接続部位に介装された複数台の分岐器とを有している。各分岐器は、それぞれ入力端子と出力端子と分岐端子との3系統の端子を備えており、入力端子に通話装置側の幹線が接続され且つ出力端子に送り側の幹線を介して他の分岐器の入力端子が接続されて、複数台の分岐器が多段接続されている。分岐端子には住戸別線を介して住戸機が接続される。 【0004】 ここにおいて、各分岐器は、信号線について通話装置側の幹線を送り側の幹線に接続する状態と、通話装置側の幹線を住戸別線に接続する状態とで択一的に切り替えられる接点を備えたリレーを有している。しかして、通話装置で所望の住戸機が呼び出された際には、通話装置からの制御信号に応じて、当該所望の住戸機に住戸別線で接続された分岐器の接点が通話装置側の幹線と住戸別線とを接続する状態に切り替わる(たとえば特許文献1参照)。 【特許文献1】特許第2655728号公報(第3頁) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 ところで、特許文献1に記載のインターホンシステムにおいては、分岐器は通話装置と住戸機との間に多段接続されているので、分岐器に含まれているリレーが過負荷や短絡電流などにより接点溶着してしまった場合、当該分岐器に直接接続されている住戸機のみならず、当該分岐器の後段に接続されている住戸機の全てにおいて、通話装置との通話が成立しないおそれがある。管理人室に通話装置(のうち管理室インターホン)を備えるインターホンシステムにおいても同様の問題がある。そのため、リレーの接点に溶着等の異常が生じた場合には、該当するリレーを早期に交換・修理することにより、インターホンシステムを復旧させることが望まれる。 【0006】 しかし、従来のインターホンシステムでは、リレーの接点異常を検出するための手段が備わっておらず、通話装置と住戸機との通話が成立しないことを使用者が認識して初めてリレーの接点異常が発覚するから、インターホンシステムの復旧が遅れることがある。 【0007】 本発明は上記事由に鑑みて為されたものであって、リレーの接点異常を検出するための手段を備えた集合住宅用インターホンシステムを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 請求項1の発明では、音声の入出力が可能な通話装置と、通話装置に対してそれぞれ伝送線路を介して接続される複数台の住戸機とを備え、伝送線路は、通話装置に接続された幹線と、各住戸機にそれぞれ接続された住戸別線と、幹線と各住戸別線との接続部位にそれぞれ介装された複数台の分岐器とを有し、幹線および住戸別線は、通話装置と1台の住戸機との間で通話可能とする際に当該住戸機を指定する制御信号を伝送する制御線と、音声信号を伝送する信号線とで構成され、各分岐器は、信号線について通話装置側の幹線を送り側の幹線に接続する状態と通話装置側の幹線を住戸別線に接続する状態とを切り替える接点を備えたリレーをそれぞれ有し、通話装置は、所望の住戸機との間で音声信号を伝送可能とするように制御信号により住戸機に前記リレーの接点を切り替えさせ、且つ当該所望の住戸機に向けて信号線を通して所定の試験信号を送出する試験手段を有し、試験手段が試験信号を送出した後であって予め設定されている試験時間に当該所望の住戸機が試験信号を受信したか否かを検出し、試験信号を受信しなかった場合には当該所望の住戸機と通話装置との間の伝送線路を構成するリレーの接点に異常があることを通知する検出手段が設けられていることを特徴とする。 【0009】 この構成によれば、通話装置は、所望の住戸機との間で音声信号を伝送可能とするように制御信号により住戸機に前記リレーの接点を切り替えさせ、且つ当該所望の住戸機に向けて信号線を通して所定の試験信号を送出する試験手段を有し、試験手段が試験信号を送出した後であって予め設定されている試験時間に当該所望の住戸機が試験信号を受信したか否かを検出し、試験信号を受信しなかった場合には当該所望の住戸機と通話装置との間の伝送線路を構成するリレーの接点に異常があることを通知する検出手段が設けられているので、リレーの接点に異常があることを検出できることとなる。しかも、接点異常があるリレーの範囲は、試験信号を受信できなかった住戸機と通話装置との間の伝送線路を構成するリレーに絞られるから、全てのリレーを確認することなく異常のあるリレーを特定することができる。したがって、リレーの接点に異常が発生した際には、インターホンシステムを早急に復旧させることが可能である。 【0010】 請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記幹線が複数系統設けられており、前記伝送線路が、当該複数系統の幹線と前記通話装置との間に、通話装置に接続する幹線を選択する経路切替器を有し、経路切替器が、各幹線の信号線について通話装置を接続する状態と接続しない状態とを切り替える接点を備えたリレーを有し、前記試験手段が、経路切替器のリレーについても、所望の前記住戸機との間で音声信号を伝送可能とするように住戸機に接点を切り替えさせ、前記検出手段が、試験手段が前記試験信号を送出した後であって予め設定されている試験時間に当該所望の住戸機が試験信号を受信したか否かを検出し、試験信号を受信しなかった場合には当該所望の住戸機と通話装置との間の伝送線路を構成する前記分岐器および経路切替器の少なくとも一方のリレーの接点に異常があることを通知することを特徴とする。 【0011】 この構成によれば、分岐器のリレーだけでなく経路切替器のリレーについても、接点に異常があることを検出できることとなる。したがって、分岐器だけでなく経路切替器も含めてリレーの接点に異常が発生した際には、インターホンシステムを早急に復旧させることが可能である。 【0012】 請求項3の発明では、音声の入出力が可能な通話装置と、通話装置に対してそれぞれ伝送線路を介して接続される複数台の住戸機とを備え、伝送線路は、通話装置に接続された幹線と、各住戸機にそれぞれ接続された住戸別線と、幹線と各住戸別線との接続部位にそれぞれ介装された複数台の分岐器とを有し、幹線および住戸別線は、通話装置と1台の住戸機との間で通話可能とする際に当該住戸機を指定する制御信号を伝送する制御線と、音声信号を伝送する信号線とで構成され、各分岐器は、信号線について通話装置側の幹線を送り側の幹線に接続する状態と通話装置側の幹線を住戸別線に接続する状態とを切り替える接点を備えたリレーをそれぞれ有し、通話装置は、所望の住戸機との間で音声信号を伝送可能とするように制御信号により前記リレーの接点を切り替え、且つ当該所望の住戸機に向けて信号線を通して所定の試験信号を送出する試験手段を有し、試験手段が試験信号を送出した後であって予め設定されている試験時間に当該所望の住戸機が試験信号を受信したか否かを検出し、試験信号を受信しなかった場合には当該所望の住戸機と通話装置との間の伝送線路を構成するリレーの接点に異常があることを通知する検出手段が設けられていることを特徴とする。 【0013】 この構成によれば、通話装置は、所望の住戸機との間で音声信号を伝送可能とするように制御信号により前記リレーの接点を切り替え、且つ当該所望の住戸機に向けて信号線を通して所定の試験信号を送出する試験手段を有し、試験手段が試験信号を送出した後であって予め設定されている試験時間に当該所望の住戸機が試験信号を受信したか否かを検出し、試験信号を受信しなかった場合には当該所望の住戸機と通話装置との間の伝送線路を構成するリレーの接点に異常があることを通知する検出手段が設けられているので、リレーの接点に異常があることを検出できることとなる。しかも、接点異常があるリレーの範囲は、試験信号を受信できなかった住戸機と通話装置との間の伝送線路を構成するリレーに絞られるから、全てのリレーを確認することなく異常のあるリレーを特定することができる。したがって、リレーの接点に異常が発生した際には、インターホンシステムを早急に復旧させることが可能である。 【0014】 請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記幹線が複数系統設けられており、前記伝送線路が、当該複数系統の幹線と前記通話装置との間に、通話装置に接続する幹線を選択する経路切替器を有し、経路切替器が、各幹線の信号線について通話装置を接続する状態と接続しない状態とを切り替える接点を備えたリレーを有し、前記試験手段が、経路切替器のリレーについても、所望の前記住戸機との間で音声信号を伝送可能とするように制御信号により接点を切り替え、前記検出手段が、試験手段が前記試験信号を送出した後であって予め設定されている試験時間に当該所望の住戸機が試験信号を受信したか否かを検出し、試験信号を受信しなかった場合には当該所望の住戸機と通話装置との間の伝送線路を構成する前記分岐器および経路切替器の少なくとも一方のリレーの接点に異常があることを通知することを特徴とする。 【0015】 この構成によれば、分岐器のリレーだけでなく経路切替器のリレーについても、接点に異常があることを検出できることとなる。したがって、分岐器だけでなく経路切替器も含めてリレーの接点に異常が発生した際には、インターホンシステムを早急に復旧させることが可能である。 【0016】 請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明において、前記住戸機は、少なくとも前記試験信号を受信した際に試験信号を受信したことを示す結果信号を前記通話装置に返信する結果返信手段を有することを特徴とする。 【0017】 この構成によれば、住戸機が試験信号を受信したか否かを通話装置において検出できるので、通話装置が複数台の住戸機に対して試験信号を送信した場合に、これら複数台の住戸機について、それぞれが試験信号を受信したか否かを通話装置で一括して収集することができる。 【0018】 請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記結果返信手段は、前記結果信号として前記信号線を伝送される音声信号を用いることを特徴とする。 【0019】 この構成によれば、通話時に用いられる音声信号を結果信号として用いるので、結果信号を生成する専用の装置を用いることなく、簡単な変更だけで結果返信手段としての機能を住戸機に付加することができる。 【0020】 請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記結果返信手段は、前記結果信号を前記住戸機ごとに予め割り当てられた周波数とし、前記通話装置は、受信した結果信号の周波数に基づいて当該結果信号を返信した住戸機を識別する返信元識別手段を有することを特徴とする。 【0021】 この構成によれば、通話装置が周波数に基づいて結果信号を返信した住戸機を識別する返信元識別手段を有するので、複数台の住戸機から結果信号が一斉に返信されても、通話装置では、結果信号を周波数成分に分解することにより結果信号を返信した住戸機を識別することができる。このように通話装置が複数台の住戸機から結果信号を一斉に受けることにより、結果信号の送受信に要する時間を短縮することができる。 【0022】 請求項8の発明は、請求項5の発明において、前記結果返信手段は、前記制御線を通して前記結果信号を返信することを特徴とする。 【0023】 この構成によれば、結果信号の返信が制御線を通して行われるので、試験信号を受信できなかった住戸機からも結果信号の返信を行うことができ、通話装置では、受信した結果信号の内容に基づいてリレーの異常を検出することができる。したがって、住戸機が試験信号を受信したにもかかわらず通信エラーにより結果信号が返信されない場合には、再度結果信号を返信させることにより、誤ってリレーの異常と判断されることを回避できる。また、結果信号は信号線を通さないので結果信号について特別なプロトコルを用意する必要がないという利点もある。 【0024】 請求項9の発明は、請求項5ないし請求項8のいずれかの発明において、前記通話装置は、受信した前記結果信号の内容を記憶する結果保持手段を有することを特徴とする。 【0025】 この構成によれば、通話装置が結果信号の内容を記憶する結果保持手段を有するので、試験手段が複数台の住戸機に対して試験信号を送出した場合に、これら複数台の住戸機から返信された結果信号の内容を結果保持手段に記憶することにより、複数台の住戸機からの各々についての結果信号の内容をまとめて確認することができる。そして、複数台の住戸機の各々についての結果信号の内容を組み合わせれば、異常のあるリレーの範囲を絞り込むことができ、リレーの接点に異常が発生した際には、インターホンシステムをより早急に復旧させることが可能である。また、結果保持手段を用いれば結果信号が返信された後すぐに結果信号の内容を確認する必要はなく、たとえばインターホンシステムの稼働率の低い深夜に住戸機に対して試験信号を送出し、翌朝以降に結果信号の内容を確認することが可能となる。 【0026】 請求項10の発明は、請求項5ないし請求項9のいずれかの発明において、前記分岐器は、前記通話装置側の前記幹線と前記住戸別線との間に、前記リレーの前記接点と並列に接続され音声信号を通過させるバイパス手段を有し、前記試験手段は、音声信号を前記試験信号とすることによりバイパス手段を通して複数台の前記住戸機に試験信号を一斉送信する一斉試験モードと、バイパス手段を通過しない信号を試験信号とすることにより各住戸機に対して個別に試験信号を送信する個別試験モードとの2種類の試験モードを有し、前記通話装置は、一斉試験モードに関して受信した前記結果信号と、個別試験モードに関して受信した結果信号とを組み合わせて異常のあるリレーの範囲を絞り込む結果解析手段を有することを特徴とする。 【0027】 この構成によれば、一斉試験モードにおいては、バイパス手段を通して複数台の住戸機に試験信号を一斉送信するので、試験信号の送受信に要する時間を短縮することができる。また、通話装置は、一斉試験モードに関して受信した結果信号と、個別試験モードに関して受信した結果信号とを組み合わせて異常のあるリレーの範囲を絞り込む結果解析手段を有するので、異常のあるリレーの範囲を絞り込むことができ、リレーの接点に異常が発生した際には、インターホンシステムをより早急に復旧させることが可能である。 【0028】 請求項11の発明は、請求項1ないし請求項10のいずれかの発明において、前記通話装置は、前記住戸機との間で通話する際にカメラで撮像された映像の映像信号を当該住戸機に前記信号線を通して送信する映像信号出力手段を有し、前記試験手段は、信号線を伝送される映像信号と音声信号との少なくとも一方を前記試験信号として用いることを特徴とする。 【0029】 この構成によれば、通話時に用いられる映像信号と音声信号との少なくとも一方を試験信号として用いるので、試験信号を生成する専用の装置を用いることなく、簡単な変更だけで試験手段としての機能を通話装置に付加することができる。 【0030】 請求項12の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれかの発明において、前記分岐器は、前記通話装置側の前記幹線と前記住戸別線との間に、前記リレーの前記接点と並列に接続され音声信号を通過させるバイパス手段を有し、前記試験手段は、音声信号を前記試験信号とすることによりバイパス手段を通して複数台の前記住戸機に試験信号を一斉送信することを特徴とする。 【0031】 この構成によれば、バイパス手段を通して複数台の住戸機に試験信号を一斉送信するので、試験信号の送受信に要する時間を短縮することができる。 【0032】 請求項13の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれかの発明において、前記試験手段は、前記試験信号として前記信号線を伝送される音声信号を用いることを特徴とする。 【0033】 この構成によれば、通話時に用いられる音声信号を試験信号として用いるので、試験信号を生成する専用の装置を用いることなく、簡単な変更だけで試験手段としての機能を通話装置に付加することができる。 【発明の効果】 【0034】 本発明は、通話装置が、所望の住戸機との間で音声信号を伝送可能とするように制御信号により住戸機に前記リレーの接点を切り替えさせ、且つ当該所望の住戸機に向けて信号線を通して所定の試験信号を送出する試験手段を有し、試験手段が試験信号を送出した後であって予め設定されている試験時間に当該所望の住戸機が試験信号を受信したか否かを検出し、試験信号を受信しなかった場合には当該所望の住戸機と通話装置との間の伝送線路を構成するリレーの接点に異常があることを通知する検出手段が設けられているので、リレーの接点に異常があることを検出できることとなる。しかも、接点異常があるリレーの範囲は、試験信号を受信できなかった住戸機と通話装置との間の伝送線路を構成するリレーに絞られるから、全てのリレーを確認することなく異常のあるリレーを特定することができる。したがって、リレーの接点に異常が発生した際には、インターホンシステムを早急に復旧させることが可能であるという利点がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0035】 (実施形態1) 本実施形態の集合住宅用インターホンシステム(以下、インターホンシステムと略称する)は、マンションなどの集合住宅において、共用玄関や管理人室等に設置される通話装置と、各住戸にそれぞれ設置される複数台の住戸機を備え、両者間で通話可能に構成される。 【0036】 通話装置1と各住戸機Aとの間の伝送線路は、図1に示すように、通話装置1に接続された幹線Lと、各住戸機Aにそれぞれ接続された住戸別線Lmと、幹線Lと住戸別線Lmとの各接続部位に介装された複数台の分岐器Bとを有している。各分岐器Bは、図2に示すように、それぞれ入力端子T1と出力端子T2と分岐端子T3との3系統の端子を備えており、入力端子T1に通話装置1側の幹線Lが接続され且つ出力端子T2に送り側の幹線Lを介して他の分岐器Bの入力端子T1が接続されて、複数台の分岐器Bが多段接続されている。分岐端子T3には住戸別線Lmを介して住戸機Aが接続される。ここで、通話装置1との間に他の分岐器Bが介在しない分岐器Bを最前段とし、最後段の分岐器Bの出力端子T2には送り側の幹線Lを介して終端手段としての終端インピーダンスあるいは住戸機Aが接続される。さらに本実施形態では、通話装置1に接続される幹線Lを複数系統(ここでは、第1の幹線L1と第2の幹線L2との2系統)設け、伝送線路は、これら複数系統の幹線L1、L2と通話装置1との間に、通話装置1を接続する幹線L1、L2を選択する経路切替器Sを有している。 【0037】 以下では、第1の幹線L1上に設けられた分岐器Bを前段側から分岐器B11,B12,…と表記し、第2の幹線L2上に設けられた分岐器Bを前段側から分岐器B21,B22,…と表記し、各分岐器B11,B12,…、B21,B22,…に住戸別線Lmを介して接続される住戸機Aをそれぞれ住戸機A11,A12,…、A21,A22,…と表記する。また、第1の幹線L1と第2の幹線L1とを区別しない場合は幹線Lと表記し、分岐器B11,B12,…、B21,B22,…を区別しない場合は分岐器Bと表記し、住戸機A11,A12,…、A21,A22,…を区別しない場合は住戸機Aと表記する。 【0038】 通話装置1は、管理人室に設置される管理室インターホン2と、共用玄関に設置されるロビーインターホン3と、経路切替器Sに接続される幹線制御装置4とを有している。管理室インターホン2は、音声を入出力する手段として図示しないマイクロホンおよびスピーカを備え、幹線制御装置4に対して、音声信号を伝送する音声線La、および通話対象となる住戸機Aを指定するための制御信号を伝送する制御線Lcにより接続されている。ロビーインターホン3は、音声を入出力する手段としての図示しないマイクロホンおよびスピーカと、来訪者を撮像するカメラ40とを備え、管理室インターホン2を経由して音声線Laおよび制御線Lcにより幹線制御装置4に接続されている。さらに、ロビーインターホン3は、カメラ40から出力される映像信号を周波数変調して出力する映像信号出力手段41を有しており、周波数変調後の映像信号(FM映像信号)を伝送する映像線Lbによって幹線制御装置4に直接接続される。 【0039】 ここで、ロビーインターホン3から出力する映像信号は音声信号に比べて十分に高い周波数帯域を使用しており、幹線制御装置4は、ロビーインターホン3から音声線Laを通して管理室インターホン2を経由し伝送される音声信号と、ロビーインターホン3から映像線Lbを通して伝送される映像信号とを多重化する機能を有する。さらに、ここでは図示しないが、通話装置1に接続される伝送線路は複数系統設けられている。なお、幹線制御装置4は、接続対象となる伝送線路に応じて、1乃至複数台の経路切替器S(図1では1台のみ図示)のうち1台を択一的に選択し切り替える機能を有する。 【0040】 詳しくは後述するが、本実施形態のインターホンシステムでは、ロビーインターホン3とロビーインターホン3で選択された1台の住戸機Aとの間での通話のほか、管理室インターホン2から全ての住戸機Aに対して非難誘導などの音声を一斉に放送することが可能である。 【0041】 幹線Lおよび住戸別線Lmは、制御信号を伝送する制御線Lcと、音声信号を伝送する信号線Ldとを含み、分岐器Bおよび経路切替器Sは信号線Ldについてのみ開閉可能に介装されている。ロビーインターホン3と住戸機Aとの間で通話する際には、信号線Ldは多重化された音声信号と映像信号とを伝送する。しかして、ロビーインターホン3と住戸機Aとの間での通話時には、幹線制御装置4と住戸機Aとの間で信号線Ldを通して多重化された音声信号および映像信号が伝送されることとなり、管理室インターホン2と住戸機Aとの間での通話時には、幹線制御装置4と住戸機Aとの間で信号線Ldを通して音声信号のみが伝送されることとなる。 【0042】 以下に各住戸機Aの構成について図1を参照して説明する。なお、複数台の住戸機Aは全て同じ構成を採用しているので、以下では1台の住戸機A12について説明する。 【0043】 住戸機Aは、音声を入出力する手段としてマイクロホン5およびスピーカ6がそれぞれ増幅器7,8を介して接続された音声回路9を備えている。音声回路9は、2線の信号線Ldからの音声信号と2個の増幅器7,8の入力線および出力線とを2線4線変換する機能を備え、信号線Ldからの音声信号をスピーカ6側の増幅器8に出力し、マイクロホン5側の増幅器7からの音声信号を信号線Ldに送出する。 【0044】 ここで、信号線Ldには上述のように音声信号と映像信号とが多重化されて伝送されるから、住戸機Aには、音声回路9と信号線Ldとの間に挿入されるローパスフィルタ10と、後述のモニタ14と信号線Ldとの間に挿入されるハイパスフィルタ12とで構成される多重分離回路13が設けられる。本実施形態では、ローパスフィルタ10には、音声信号に対して低インピーダンスであって映像信号に対して高インピーダンスのインダクタを用い、ハイパスフィルタ11には音声信号に対して高インピーダンスであって映像信号に対して低インピーダンスのコンデンサを用いている。なお、同様の多重分離回路13は幹線制御装置4にも設けられる。 【0045】 住戸機Aは、信号線Ldに対して多重分離回路13と平衡−不平衡変換のための結合トランス11と増幅器14と映像信号を周波数復調するFM復調部15とを介して接続されるモニタ16を有している。これにより、ロビーインターホン3で撮像された映像を、住戸機Aのモニタ16に表示することができる。 【0046】 ローパスフィルタ10と音声回路9との間においては、信号線Ldの線間に直流電圧を印加可能な幹線電源重畳回路17が設けられており、この直流電圧が音声回路9に印加されないように、幹線電源重畳回路17と音声回路9との間に、直流電圧をカットする一対のコンデンサ18および音声信号を通過させる結合トランス19が挿入されている。幹線電源重畳回路17は、後述するリレーの接点を切り替える際に直流電圧を出力するものである。 【0047】 また、インタフェースとしての制御信号送受信回路20を介して制御線Lcに接続されるCPU21が設けられており、住戸機Aの内部回路はこのCPU21によって制御される。制御信号送受信回路20は、CPU21からの制御信号を制御線Lcに送出するとともに、制御線Lcを通して受信した制御信号をCPU21に出力する機能を有する。CPU21を含む住戸機Aの内部回路の電源は、商用電源に接続された電源回路22から供給される。 【0048】 さらにまた、本実施形態のインターホンシステムでは、個々の住戸の玄関扉前にそれぞれ設置された複数台のドアホン子器Cが設けられている。そして、住戸機Aは、ドアホン子器Cに接続された子器接続線Leに対し、子器インタフェース回路23を介して音声回路9が接続され、ドアホン子器Cとの間でも通話可能に構成される。ここで、住戸機Aには子器接続線Leに対し子器電源重畳回路24を介して接続された子器電源部25が設けられており、ドアホン子器Cの電源は子器電源部25から子器接続線Leを介して提供される。なお、ドアホン子器Cには図示しない呼出釦が設けられており、子器インタフェース回路23は、ドアホン子器Cで呼出釦が押操作されたときに、呼出音を音声回路9に入力してスピーカ6から呼出音を出力させる機能を有する。 【0049】 ところで、制御線Lcに関しては、分岐器B内で幹線Lと住戸別線Lmとが直結され、且つ経路切替器S内で通話装置1(幹線制御装置4)と全ての幹線L1,L2とが直結されている。そのため、管理室インターホン2から幹線制御装置4に送出される制御信号は、全ての住戸機Aに伝送されることとなる。ここにおいて、ロビーインターホン3には、住戸機Aを識別する識別子(たとえばこの住戸機Aが設置される住戸の住戸番号)を入力するための番号キーと呼出釦とを備えた操作手段33が設けられており、番号キーで識別子を入力した後に呼出釦を押操作すると、当該識別子に対応する住戸機Aが選択されたこととなる。管理室インターホン2は、操作手段33で選択された識別子が制御線Lcを通して伝送されると、当該識別子に対応する住戸機Aに固有のアドレス(たとえば住戸番号)を含む制御信号を生成し、幹線制御装置4を通して伝送線路の制御線Lcに当該制御信号を送出するように構成される。 【0050】 自己のアドレスを含む制御信号を受信した住戸機AのCPU21は、信号線Ldと多重分離回路13との間に挿入されている住戸機リレーの接点26を閉成することにより音声回路9と信号線Ldとの間の通信路を確立するとともに、FM復調部15やモニタ16を起動することによりロビーインターホン3のカメラ40で撮像された映像を表示可能とし、且つ音声回路9に対して呼出音を伝送することによりスピーカ6から呼出音を出力させる。さらに、上述の幹線電源重畳回路17を駆動することにより、住戸別線Lmの信号線Ld間に直流電圧を印加する。 【0051】 一方、経路切替器Sは、信号線Ldについて通話装置1と各幹線L1,L2との間に挿入され、各幹線L1,L2の信号線Ldに通話装置1を接続する状態と接続しない状態とで択一的に切り替えられる接点27A,27Bをそれぞれ備えた2個のリレー(以下、「経路切替リレー」という)を有する。経路切替リレーは、通話装置1に接続された共通接点27aを、一方の幹線L1,L2に接続された常開接点27cと、常開接点27cとは異なる幹線L1,L2に直流カット用のコンデンサ28を介して接続された常閉接点27bとのいずれかに接続するものであって、後述の駆動部29A,29Bに直流電圧が印加されていない状態では共通接点27aと常閉接点27bとを接続し、駆動部29A,29Bに直流電圧が印加されている状態では共通接点27aと常開接点27cとを接続する。この構成により、経路切替リレーの駆動部29A,29Bに直流電圧を印加するか否かによって、通話装置1を各幹線L1,L2に接続するか否かを切り替えることができる。なお、コンデンサ28は音声信号に対しては低インピーダンスとなるように設計されている。 【0052】 ここで、いずれの経路切替リレーの駆動部29A,29Bにも直流電圧が印加されていないときには、通話装置1に対して、第1の幹線L1がコンデンサ28および経路切替リレーの接点27Bを介して接続されるとともに、第2の幹線L2がコンデンサ28および経路切替リレーの接点27Aを介して接続される。また、一方の経路切替リレーの駆動部29Aにのみ直流電圧が印加されているときには、通話装置1に対して第1の幹線L1が経路切替リレーの接点27Aを介して接続され、第2の幹線L2は通話装置1から切り離される。他方の経路切替リレーの駆動部29Bにのみ直流電圧が印加されているときには、通話装置1に対して第2の幹線L2が経路切替リレーの接点27Bを介して接続され、第1の幹線L1は通話装置1から切り離される。 【0053】 なお、経路切替リレーの駆動部29A,29Bは、映像信号の通過を阻止する一対のインダクタ29aと、交流入力端がインダクタ29aを介して幹線Lの信号線Ldに接続されたダイオードブリッジ29bと、音声信号に対して高インピーダンスであってダイオードブリッジ29bの直流出力端間に接続され直流電圧を定電圧化し、図示しない経路切替リレーの励磁コイルに印加して励磁電流を流す駆動回路29cとを備えている。 【0054】 一方、分岐器Bは、図2に示すように、信号線Ldについて各幹線L1,L2と各住戸別線Lmとの分岐点にそれぞれ挿入され、通話装置1側の幹線Lの信号線Ldを送り側の幹線Lの信号線Ldに接続する状態と、通話装置1側の幹線Lの信号線Ldを住戸別線Lmの信号線Ldに接続する状態とで択一的に切り替えられる接点30を備えたリレー(以下、「分岐リレー」という)を有する。ここで、複数台の分岐器Bは多段接続されているので、通話装置1側の幹線Lとは前段側の分岐器B(最前段の分岐器Bにおいては経路切替器S)に接続された幹線Lを意味し、送り側の幹線Lとは後段側の分岐器B(最後段の分岐器Bにおいては終端設備)に接続された幹線Lを意味する。分岐リレーは、通話装置1側の幹線Lに接続された共通接点30a(入力端子T1に対応)を、送り側の幹線Lに接続された常閉接点30b(出力端子T2に対応)と、住戸別線Tmに接続された常開接点30c(分岐端子T3に対応)とのいずれかに接続するものであって、後述する駆動部31に直流電圧が印加されていない状態では共通接点30aと常閉接点30bとを接続し、駆動部31に直流電圧が印加されている状態では共通接点30aと常開接点30cとを接続する。この構成により、分岐リレーの駆動部31に直流電圧を印加するか否かによって、住戸別線Lmを通話装置1側の幹線Lに接続するか否かを切り替えることができる。 【0055】 また、本実施形態の分岐器Bは、一対の共通接点30aと一対の常閉接点30bとの間を接点30とは別に音声信号についてのみ常時接続するバイパス回路32(バイパス手段)を有している。バイパス回路32は、音声信号に対して低インピーダンスであって映像信号に対して高インピーダンスである一対のインダクタ32aと、音声信号に対して低インピーダンスであって直流をカットする一対のコンデンサ32bとの直列回路からなる。 【0056】 なお、分岐リレーの駆動部31は、映像信号に対して高インピーダンスである一対のインダクタ31aと、交流入力端がインダクタ31aを介して住戸別線Lmの信号線Ldに接続されたダイオードブリッジ31bと、音声信号に対して高インピーダンスであってダイオードブリッジ31bの直流出力端間に接続され直流電圧を定電圧化し、図示しない分岐リレーの励磁コイルに印加して励磁電流を流す駆動回路31cとを備えている。 【0057】 次に、上述した構成のインターホンシステムにおいて、ロビーインターホン3とロビーインターホン3で選択された1台の住戸機Aとの間で通話する個別通話の際の正常な動作について説明する。 【0058】 ロビーインターホン3で1台の住戸機Aが選択されると、当該住戸機Aのアドレスを含む制御信号が幹線制御装置4から制御線Lcに送出される。該当する住戸機AのCPU21が制御信号を受けることにより、上述のように住戸機リレーの接点26が閉成されるとともに、幹線電源重畳回路17によって住戸別線Lmの信号線Ldに直流電圧が印加される。この住戸機Aに接続されている分岐器Bにおいては、信号線Ldに印加された直流電圧を受けて分岐リレーの接点30が切り替わり、通話装置1側の幹線Lと住戸別線Lmとを接続する。通話装置1側の幹線Lと住戸別線Lmとが接続されると、住戸別線Lmの信号線Lmに印加された前記直流電圧が幹線Lの信号線Ldに印加されることになるので、経路切替器Sにおいては、信号線Ldに印加された直流電圧を受けて経路切替リレーの接点27A,27Bが切り替わり、前記住戸機A側の幹線Lと通話装置1とを接続する。これにより、ロビーインターホン3と前記住戸機Aとの間の伝送線路(信号線Ld)が確立され、住戸機Aのモニタ16にロビーインターホン3のカメラ40で撮像された画像が表示される。さらに、住戸機Aに設けられた通話釦(図示せず)が住戸機Aの呼出音に応じて押操作されると、住戸機Aの音声回路9が動作しロビーインターホン3と住戸機Aとの間で通話可能な状態となる。 【0059】 このときロビーインターホン3で選択されなかった住戸機Aでは、住戸機リレーの接点26が閉成されておらず、また幹線電源重畳回路17も動作しないから、これらの住戸機Aに住戸別線Lmで接続された分岐器Bにおいては共通接点30aと常閉接点30bとが接続された状態にある。さらに、ロビーインターホン3で選択されなかった住戸機Aのみが接続されている幹線Lには直流電圧が印加されないから、経路切替器Sにおいては、共通接点27aと常閉接点27bとが接続された状態にある。 【0060】 なお、住戸機AのCPU21は、制御信号を受信後、予め設定されている通話時間が経過するか、もしくは通話可能な状態で住戸機Aの通話釦が再度押操作されると、住戸機リレーの接点26を開放するとともに音声回路9を停止させ、且つ幹線電源重畳回路17を停止させることによって個別通話を終了するように構成されている。 【0061】 次に、上述した構成のインターホンシステムにおいて、管理室インターホン2から全ての住戸機Aに対して音声を一斉に放送する一斉放送の際の正常な動作について説明する。なお、本実施形態では全ての住戸機Aを一斉放送の対象としているが、一斉放送の対象とする住戸機Aを限定してもよい。 【0062】 管理室インターホン2に設けられた操作手段34で特定の操作がなされると、管理室インターホン2からは一斉放送を開始する旨の制御信号(一斉放送開始コマンド)が制御線Lcに送出される。これにより、全ての住戸機Aが通話の対象として指定されたこととなる。住戸機AのCPU21が、一斉放送開始コマンドとしての制御信号を受けると、住戸機リレーの接点26を閉成することにより、音声回路9を住戸別線Lmの信号線Ldに接続する。さらに、CPU21は通話釦の押操作を待つことなく音声回路を動作させる。 【0063】 ただし、このときCPU21が幹線電源重畳回路17を動作させることはない。そのため、全ての分岐器Bにおいて共通接点30aと常閉接点30bとが接続された状態にあり、さらに経路切替器Sにおいても共通接点27aと常閉接点27bとが接続された状態にある。これにより、管理室インターホン2と全ての住戸機Aは、分岐器B内のバイパス回路32と経路切替器S内のコンデンサ28とを介して、音声信号についてのみ接続された状態となり、管理室インターホン2から全ての住戸機Aに対して音声信号を伝送可能な状態となる。 【0064】 なお、一斉放送を終了するときには、管理室インターホン2の操作手段34を操作し、管理室インターホン2から一斉放送を終了する旨の制御信号(一斉放送終了コマンド)を全ての住戸機Aに伝送する。この制御信号を受けた住戸機AのCPU21は、住戸機リレーの接点26を開放するとともに、音声回路9を停止させる。 【0065】 ところで、上述した個別通話や一斉放送の動作は、インターホンシステムが正常な場合の動作であるが、過負荷や短絡電流などにより、分岐器B内の分岐リレーの接点30や経路切替器S内の経路切替リレーの接点27A,27Bに接点溶着等の異常が生じた場合には、個別通話や一斉放送に以下のような異常が発生する。 【0066】 すなわち、1台の分岐器Bの分岐リレーの接点30が共通接点30aを常閉接点30bに接続した状態で溶着している場合には、この分岐器Bに住戸別線Lmにより接続された住戸機Aを対象とする個別通話を行うことができない。また、1台の分岐器Bの分岐リレーの接点30が共通接点30aを常開接点30cに接続した状態で溶着している場合には、この分岐器Bよりも後段の分岐器Bに住戸別線Lmにより接続された住戸機Aのいずれに対しても、個別通話を行うことができず且つ一斉放送を行うこともできない。 【0067】 経路切替器Sの経路切替リレーの接点27A,27Bが共通接点27aを常閉接点27bに接続した状態で溶着している場合には、常開接点27c側の幹線Lに接続された住戸機Aのいずれにおいても個別通話時に音声信号のみしか伝送できないこととなる。また、経路切替器Sの経路切替リレー27A,27Bが共通接点27aを常開接点27cに接続した状態で溶着している場合には、常閉接点27b側の幹線Lに接続された住戸機Aのいずれに対しても、個別通話を行うことができず且つ一斉放送を行うこともできない。 【0068】 そのため、分岐器Bや経路切替器Sのリレーの接点に溶着等の異常が生じた場合には、早期に当該異常を検出し、該当するリレーを交換・修理することにより、インターホンシステムを復旧させることが望ましい。そこで、本実施形態では、以下に説明するようにリレーの異常を検出するための試験を行う構成を採用している。 【0069】 すなわち、通話装置1を構成するロビーインターホン3は、操作手段33において特定の操作(たとえば特定のコマンド入力)が行われると、所望の住戸機Aとの間で音声信号を伝送可能とするために試験開始を知らせる制御信号(試験開始コマンド)を管理室インターホン2から当該所望の住戸機Aに制御線Lcを通して伝送させ、且つ当該所望の住戸機Aに向けて信号線Ldを介して所定の試験信号を送出する機能を試験手段35として有している。 【0070】 本実施形態のインターホンシステムでは、ロビーインターホン3は、個別通話時と同じ経路を利用して各住戸機Aに対して個別に試験信号を送信する個別試験モードで試験を行う。ここで、試験開始コマンドとしての制御信号を受信した住戸機AのCPU21は、住戸機リレーの接点26を閉成するとともに、幹線電源重畳回路17によって住戸別線Lmの信号線Ldに直流電圧を印加する。したがって、分岐器Bおよび経路切替器Sが全て正常であれば、上述したようにこの住戸機Aとロビーインターホン3との間で信号線Lcによる通話路が確立することとなる。ただし、本実施形態では、分岐器B内のバイパス回路32および経路切替器S内のコンデンサ28を通して試験信号が伝送されてしまうことがないように、試験信号としては映像信号を採用する。 【0071】 また、本実施形態の住戸機AのCPU21は、試験開始コマンドとしての制御信号を受信後、予め設定されている試験時間が経過すると、住戸機リレーの接点26を開放するとともに幹線電源重畳回路17の動作を停止させることにより、個別試験モードの動作を終了するように構成されている。ただし、試験終了を知らせる制御信号(試験終了コマンド)が管理室インターホン2から住戸機Aに伝送されると、試験を終了する構成であってもよい。 【0072】 なお、ここでは、住戸機Aは試験開始コマンドとしての制御信号を受信しても、個別通話時のようにFM復調部15やモニタ16を起動させることはなく、且つスピーカ6から呼出音を出力させることもない構成とする。 【0073】 次に、本実施形態のインターホンシステムにおいて、1台の住戸機A12に対して個別試験モードで試験を行い、分岐リレーや経路切替リレーの接点の異常を検出する例を説明する。 【0074】 ロビーインターホン3の操作手段33で特定の操作を行うと、管理室インターホン2は、住戸機A12に対して試験開始コマンドとなる制御信号を送信する。住戸機A12はこの制御信号を受信することで、これから試験が開始されることを認識する。その後、ロビーインターホン3は住戸機A12に対し、個別試験モードにて、試験信号としての映像信号を信号線Ldを通して伝送する。 【0075】 ここで、過負荷や短絡電流などにより、分岐器B12の分岐リレーの接点30が共通接点30aを常閉接点30bに接続した状態で溶着している場合には、分岐器B12の分岐端子T3側に試験信号は伝送されないため、試験信号は住戸機A12に伝送されない。 【0076】 また、分岐器B11の分岐リレーの接点30が共通接点30aを常開接点30cに接続した状態で溶着している場合にも、分岐器B11の出力端子T2側には試験信号が伝送されないので、試験信号は住戸機A12に伝送されない。 【0077】 さらにまた、経路切替器Sの経路切替リレーの接点27Aが第2の幹線L2側で溶着している場合にも、試験信号は住戸機A12に伝送されない。 【0078】 以上のことから、住戸機A12が試験開始コマンドとしての制御信号を受信後に試験信号を受信しなかった場合には、ロビーインターホン3と住戸機A12との間のリレー接点(分岐器B11,B12の分岐リレーの接点30、経路切替器Sの経路切替リレーの接点27A,27B)の少なくとも1つに異常が発生しているものと判断できる。 【0079】 このように住戸機Aが試験信号を受信したか否かを検出し、受信しなかった場合にリレーの接点に異常がある旨を通知する検出手段としての機能は、本実施形態では各住戸機Aにそれぞれ設けられている。 【0080】 すなわち、住戸機AのCPU21は、試験開始コマンドとしての制御信号を受信してから上記試験時間内に試験信号を受信するか否かを検出し、試験信号を受信すれば正常、試験信号を受信しなければ異常とするように、試験結果(正常・異常)をモニタ16に表示させる機能が付与されている。スピーカ6からの音で試験結果を通知する構成であってもよい。また、試験結果を記憶する記憶手段を住戸機Aに設け、任意のタイミングで試験結果をモニタ16の表示や音で確認できるようにしてもよい。 【0081】 なお、住戸機Aは、試験結果が異常であった場合にのみ試験結果を通知する構成であってもよく、さらにまた、公衆回線等を介してマンションの管理会社など所定の連絡先に、リレーに異常がある旨を自動的に通報する通報機能を有した構成としてもよい。 【0082】 本実施形態では、ロビーインターホン3の操作手段33で特定の操作を行うことによって、試験を開始する構成を採用しているが、管理室インターホン2に設けた操作手段34で特定の操作を行うことによって、試験を開始する構成を採用してもよい。また、試験開始コマンドとしての制御信号や試験信号を送出する機能は、通話装置1のいずれの構成要素(ロビーインターホン3、管理室インターホン2、幹線制御装置4)に備えていてもよい。 【0083】 なお、本実施形態では、住戸機Aから信号線Ldに印加される直流電圧によってリレーの接点が切り替わる分岐器Bおよび経路切替器Sを採用し、各リレーの接点を住戸機Aに切り替えさせる例を示したが、制御信号を解読可能なマイコン(マイクロコンピュータ)を分岐器Bおよび経路切替器Sにそれぞれ付加し、当該マイコンが通話装置1からの制御信号を受けて各リレーの接点を切り替える構成としてもよい。 【0084】 (実施形態2) 本実施形態のインターホンシステムは、住戸機Aが試験信号を受信したか否かを検出し、受信しなかった場合にはリレーの接点に異常がある旨を通知する検出手段36としての機能が、図1のように管理室インターホン2に設けられている点で実施形態1のインターホンシステムと相違する。 【0085】 本実施形態では、住戸機AのCPU21に、上述の試験結果を示す制御信号(結果信号)を通話装置1に返信する結果返信手段としての機能を付与し、管理室インターホン2が受信した試験結果に基づいて異常の有無を通知する構成とする。ここにおいて、住戸機Aが、試験信号を受信した場合のみ制御信号を返信するように構成されていてもよく、この場合には管理室インターホン2が、試験開始コマンドとしての制御信号の送出後に結果信号としての制御信号を受信するか否かによって、試験結果(正常・異常)を判断して通知する。 【0086】 すなわち、管理室インターホン2は、住戸機Aで試験信号が受信されれば正常、試験信号が受信されなければ異常とするように、試験結果(正常・異常)をモニタ(不図示)に表示させる機能が付与されている。試験結果を音でスピーカから通知する構成であってもよい。また、管理室インターホン2は、試験結果が異常であった場合にのみ試験結果を通知する構成であってもよく、さらにまた、公衆回線等を介してマンションの管理会社など所定の連絡先に、リレーに異常がある旨を自動的に通報する通報機能を有した構成としてもよい。 【0087】 ところで、複数台の住戸機Aについて個別試験モードでの試験を行えば、異常が発生しているリレーの候補を絞り込むことができる。そこで、本実施形態では、管理室インターホン2に、図3〜5に示すように複数台の住戸機Aの各々についての試験結果の内容を記憶する結果保持手段37を設け、複数台の住戸機Aについての試験結果をまとめて確認できるようにしてある。また、結果保持手段37を用いれば試験後すぐに試験結果を確認する必要はなく、たとえばインターホンシステムの稼働率の低い深夜に住戸機Aに対して試験信号を送出し、翌朝以降に試験結果を確認するなど、効率的に試験を行うことができる。 【0088】 以下に、個別試験モードで試験を行った際に、複数台の住戸機Aについての試験結果から異常が発生しているリレーの候補を絞り込む例を、図3〜5を参照して説明する。ここでは、全ての住戸機Aについて個別試験モードでの試験を行い、全ての住戸機Aについての試験結果が得られているものとする。 【0089】 得られた試験結果が、図3に示すように、住戸機A14〜A16についてのみ異常(図中「×」で表す)となった場合には、リレーの異常の可能性として以下の2候補に絞られる。すなわち、分岐器B13の分岐リレーの接点30が共通接点30aを常開接点30cに接続した状態で溶着しているか、あるいは分岐器B14〜B16の全ての分岐リレーの接点30が共通接点30aを常閉接点30bに接続した状態で溶着しているかのいずれかである。 【0090】 一方、得られた試験結果が、図4に示すように、住戸機A14についてのみ異常(図中「×」で表す)となった場合には、分岐器B14の分岐リレーの接点30が共通接点30aを常閉接点30bに接続した状態で溶着しているものと判断できる。 【0091】 また、得られた試験結果が、図5に示すように、第1の幹線L1側の全ての住戸機A11〜A16について異常(図中「×」で表す)となった場合には、リレーの異常の可能性として以下の2候補に絞られる。すなわち、経路切替器Sの経路切替リレーの接点27Aが共通接点27aを常閉接点27bに接続した状態で溶着しているか、あるいは分岐器B11〜B16の全ての分岐リレーの接点30が共通接点30aを常閉接点30bに接続した状態で溶着しているかのいずれかである。 【0092】 上述したように、管理室インターホン2で一元管理される試験結果を組み合わせることにより、異常が発生しているリレーの候補の絞り込みが可能となる。 【0093】 なお、本実施形態では検出手段36や結果保持手段37が管理室インターホン2に設けられている例を示したが、これらはロビーインターホン3に設けられていてもよく、この場合にはロビーインターホン3に設けたモニタに試験結果を表示したり、ロビーインターホン3のスピーカから試験結果を音で通知したりすることが考えられる。その他の構成および機能は実施形態1と同様である。 【0094】 (実施形態3) 本実施形態のインターホンシステムは、一斉放送時と同じ経路を利用して(つまり分岐器B内のバイパス回路32および経路切替器S内のコンデンサ28を通して)全ての住戸機Aに試験信号を一斉送信する一斉試験モードで試験を行う点が、実施形態2のインターホンシステムとは相違する。一斉試験モードでは一斉放送の場合と同様に、対象とする住戸機Aを限定してもよい。 【0095】 本実施形態では、試験開始コマンドとしての制御信号を受信した住戸機AのCPU21は、住戸機リレーの接点26を閉成する。したがって、分岐器Bおよび経路切替器Sが全て正常であれば、上述したようにこれら全ての住戸機Aとロビーインターホン3とは、分岐器B内のバイパス回路32および経路切替器S内のコンデンサ28を介して、音声信号についてのみ接続された状態となり、ロビーインターホン3から全ての住戸機Aに対して音声信号を伝送可能な状態となる。ここにおいて、分岐器B内のバイパス回路32および経路切替器S内のコンデンサ28を通して試験信号が伝送されるように、試験信号としては音声信号を採用する。 【0096】 なお、ここでは、住戸機Aは試験開始コマンドとしての制御信号を受信しても、一斉通話時のように音声回路9を起動させることはない構成とする。 【0097】 また、一斉試験モードでは、全ての住戸機Aからの結果信号が一斉に返信されることになるので、管理室インターホン2において、受信した結果信号の送信元である住戸機Aを識別できるように、住戸機Aは、アドレスごとに異なる周波数が割り当てられた音声信号を結果信号として管理室インターホン2に返信するように構成される。住戸機Aは、試験信号を受信した場合には前記結果信号を返信し、試験信号を受信しなかった場合には結果信号の返信を行わない構成とする。つまり、管理室インターホン2では、受信した結果信号をフーリエ変換等を用いて周波数成分に分解し、結果信号の返信があった住戸機Aを判別する返信元識別手段38により試験信号を受信した住戸機Aの判別を行い、試験結果を得る。 【0098】 本実施形態の住戸機AのCPU21は、試験開始コマンドとしての制御信号を受信後、予め設定されている試験時間が経過すると、住戸機リレーの接点26を開放することにより、一斉試験モードの動作を終了するように構成されている。ただし、試験終了を知らせる制御信号(試験終了コマンド)が管理室インターホン2から住戸機Aに伝送されると、試験を終了する構成であってもよい。 【0099】 次に、本実施形態のインターホンシステムにおいて分岐リレーや経路切替リレーの接点の異常を検出する例を説明する。 【0100】 ロビーインターホン3の操作手段33で特定の操作を行うと、管理室インターホン2は、全ての住戸機Aに対して試験開始コマンドとなる制御信号を一斉に送信する。各住戸機Aはこの制御信号を受信することで、これから試験が開始されることを認識する。その後、ロビーインターホン3は全ての住戸機Aに対し、一斉試験モードにて、試験信号としての音声信号を信号線Ldを通して伝送する。 【0101】 ここで、住戸機Aが信号線Ldに直流電圧を印加することはなく、そのため分岐器Bの分岐リレーの接点30および経路切替器Sの経路切替リレーの接点27A,27Bの切替は行われないものの、分岐器B内のバイパス回路32および経路切替器S内のコンデンサ28を通して音声信号の伝送は可能であるから、全ての分岐リレーおよび経路切替リレーの接点が正常であれば、試験信号は全ての住戸機Aに伝送される。 【0102】 一方、過負荷や短絡電流などにより、分岐器Bの分岐リレーの接点30が共通接点30aを常開接点30cに接続した状態で溶着している場合や、経路切替器Sの片方の経路切替リレーの接点27A,27Bが共通接点27aを常開接点27cに接続した状態で溶着している場合には、一部の住戸機Aに試験信号が伝送されないことがある。 【0103】 そして、管理室インターホン2は、試験信号が伝送された住戸機Aからのみ返信される結果信号を受けて、試験結果情報を収集する。 【0104】 以下に、一斉試験モードで試験を行った際に、全ての住戸機Aについての試験結果から異常が発生しているリレーの候補を絞り込む例を、図3、5を参照して説明する。 【0105】 得られた試験結果が、図3に示すように、住戸機A14〜A16についてのみ異常(図中「×」で表す)となった場合には、分岐器B13の分岐リレーの接点30が共通接点30aを常開接点30cに接続した状態で溶着しているものと判断できる。 【0106】 一方、得られた試験結果が、図5に示すように、第1の幹線L1側の全ての住戸機A11〜A16について異常(図中「×」で表す)となった場合には、経路切替器Sの片方の経路切替リレーの接点27Bが共通接点27aを常開接点27cに接続した状態で溶着しているものと判断できる。 【0107】 上述したように、一斉試験モードで試験を行うことにより、異常が発生しているリレーの候補の絞り込みが可能となる。 【0108】 その他の構成および機能は実施形態2と同様である。 【0109】 (実施形態4) 本実施形態のインターホンシステムは、実施形態2で説明したように個別通話時と同じ経路を利用して各住戸機Aに対して個別に試験信号を送信する個別試験モードと、実施形態3で説明したように一斉放送時と同じ経路を利用して全ての住戸機Aに試験信号を一斉送信する一斉試験モードとの2種類の試験モードで試験を行う構成を採用している点が実施形態2,3のインターホンシステムとは相違する。 【0110】 管理室インターホン2から送出される試験開始コマンドとしての制御信号には、これら2種類の試験モードのいずれかを示す識別子が含まれており、住戸機AのCPU21は受信した制御信号によっていずれの試験モードであるかを識別する。なお、個別試験モードでは試験信号に映像信号を用い、一斉試験モードでは試験信号に音声信号を用いる。 【0111】 ところで、個別試験モードでの試験の試験結果だけでは、実施形態2で説明したように、得られた試験結果が図3に示すパターンとなった場合には、リレーの異常の可能性として、分岐器B13の分岐リレーの接点30の異常と、分岐器B14〜B16の全ての分岐リレーの接点30の異常との2候補が考えられる。したがって、異常があるリレーを特定することはできない。 【0112】 ここにおいて、個別試験モードだけでなく一斉試験モードでも試験を行うようにすれば、個別試験モードでのみ試験を行う場合よりも、異常のあるリレーの絞込みをさらに厳密に行うことが可能である。特に、多数の住戸機Aを有する大規模のインターホンシステムでは、分岐器Bの台数も多くなり、異常のあるリレーを特定することは一層困難であるから、このように異常のあるリレーの範囲を絞り込むことによる効果は大きい。 【0113】 そこで、本実施形態では、個別試験モードでの試験の試験結果と一斉試験モードでの試験の試験結果とを組み合わせることにより異常のあるリレーの範囲を絞り込む結果解析手段39としての機能を、管理室インターホン2に設けてある。 【0114】 すなわち、管理室インターホン2は、個別試験モードでの試験で図3に示す試験結果が得られた場合に、一斉試験モードでの試験でも図3の試験結果が得られれば、分岐器B13の分岐リレーの接点30が共通接点30aを常開接点30cに接続した状態で溶着していると判断し、一方、一斉試験モードでの試験で図3の試験結果が得られなければ、分岐器B14〜B16の全ての分岐リレーの接点30が共通接点30aを常閉接点30bに接続した状態で溶着していると判断する。 【0115】 なお、リレーの接点異常には、上述した接点溶着以外にたとえば励磁コイルの断線等による不動作や接点の接触不良などもあり、本発明のインターホンシステムではこのようなリレーの接点異常(不動作、接触不良)も検出することができる。すなわち、不動作時には、接点が共通接点を常閉接点に接続した状態で溶着している場合と同様の試験結果となり、常閉接点側での接触不良時には、接点が共通接点を常開接点に接続した状態で溶着している場合と同様の試験結果となり、常開接点側での接触不良時には、接点が共通接点を常閉接点側に接続した状態で溶着している場合と同様の試験結果となる。 【図面の簡単な説明】 【0116】 【図1】本発明の実施形態1のインターホンシステムを示すブロック図である。 【図2】同上の分岐器の構成を示す回路図である。 【図3】本発明の実施形態2のインターホンシステムにおいて複数台の住戸機についての試験結果を示す説明図である。 【図4】同上の他の試験結果を示す説明図である。 【図5】同上のさらに他の試験結果を示す説明図である。 【符号の説明】 【0117】 1 通話装置 21 CPU(結果返信手段) 30 分岐リレーの接点 32 バイパス回路(バイパス手段) 35 試験手段 36 検出手段 37 結果保持手段 38 返信元識別手段 39 結果解析手段 40 カメラ 41 映像信号出力手段 27A,27B 経路切替リレーの接点 A11,A12,A21 住戸機 B11,B12,B21 分岐器 L1,L2 幹線 Lc 制御線 Ld 信号線 Lm 住戸別線 S 経路切替器
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005832 【氏名又は名称】松下電工株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月10日(2006.8.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087767 【弁理士】 【氏名又は名称】西川 惠清
【識別番号】100085604 【弁理士】 【氏名又は名称】森 厚夫
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| 【公開番号】 |
特開2008−47974(P2008−47974A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−218864(P2006−218864) |
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