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【発明の名称】 携帯端末装置
【発明者】 【氏名】池田 昌央

【要約】 【課題】無線通信機能とカメラの機能とを同時に使用することが可能で、しかもカメラの電気回路から発生する高周波の輻射ノイズが無線通信機能に及ぼす影響を抑制可能な携帯端末装置を提供する。

【構成】無線通信機能とカメラとを備えた携帯端末装置に、前記カメラから出力されるパラレル形式の画像データを同一符号の連続出力を抑制するように符号化する符号化手段109と、符号化手段109から出力される符号化されたパラレル形式の画像データをシリアルデータに変換するパラレル/シリアル変換手段110と、パラレル/シリアル変換手段110から出力されるシリアルデータを受信し、前記画像データを復元する復号処理手段111と、受信したシリアルデータをパラレル形式のデータに変換するシリアル/パラレル変換手段112とを設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を利用して通信する無線通信機能と、任意の被写体を撮影可能なカメラとを備えた携帯端末装置であって、
前記カメラからNビット毎に並列に出力されるパラレル形式の画像データを、同一符号の連続出力を抑制するように符号化する符号化手段と、
前記符号化手段から出力される符号化されたパラレル形式の画像データをシリアルデータに変換するパラレル/シリアル変換手段と、
前記パラレル/シリアル変換手段から出力されるシリアルデータを受信し、復号処理して前記画像データを復元する復号処理手段と、
前記パラレル/シリアル変換手段から出力されるシリアルデータを受信してパラレル形式のデータに変換するシリアル/パラレル変換手段と、
を設けたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置において、前記符号化手段は、Nビット毎に入力されるパラレル形式の画像データの途中もしくは前後に、少なくとも1ビットの冗長ビットを付加してNビットよりもビット数の多いMビットの符号化されたパラレルデータを生成することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯端末装置において、前記符号化手段は、付加する冗長ビットの値として、入力されたNビットデータの中の少なくとも1ビットの値を反転した結果を出力することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
請求項1に記載の携帯端末装置において、前記パラレル/シリアル変換手段が出力するシリアルデータのビットレートを決定する周波数が可変のクロック信号を生成する可変クロック生成手段を更に設けたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯端末装置において、前記可変クロック生成手段は、前記符号化手段の符号化率に応じて出力するクロック信号の周波数を決定することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
請求項1に記載の携帯端末装置において、前記シリアル/パラレル変換手段から出力されるパラレル形式のデータに同期したクロック信号を、入力されるシリアルデータから生成するクロック再生手段を更に設けたことを特徴とする携帯端末装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電波を利用して通信する無線通信機能と、任意の被写体を撮影可能なカメラとを備えた携帯端末装置に関し、特にカメラ動作時の輻射ノイズの低減に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話端末のような携帯端末装置においては、任意の被写体を撮影可能なカメラを搭載したものが増えている。この種のカメラは、一般的にCCDイメージセンサのような個体撮像デバイスを利用しており、数十MHz程度の周波数のクロック信号に同期して動作するようになっている。
【0003】
このため、携帯端末装置に搭載されたカメラを利用する際には、前記クロック信号の高調波成分、すなわちクロック信号の基本周波数の整数倍の周波数成分が、例えば回路基板上の導電体パターンや配線などから輻射する。ところが、携帯電話端末のような携帯端末装置においては、カメラだけでなく、電波を利用して通信する無線通信機能も搭載しており、しかもカメラの回路と無線通信機能を実現する回路とが互いに接近した位置関係で配置されている。従って、カメラの動作によって発生する高周波の輻射ノイズが、無線通信機能に悪影響を及ぼす。具体的には、輻射ノイズによって無線通信機能の受信感度が劣化する。
【0004】
そこで、例えば特許文献1に開示された従来技術においては、携帯電話端末が、基地局からの制御信号を間欠受信する待ち受け受信中に、制御信号の受信期間においてクロック信号の供給を停止することを提案している。つまり、通信中はカメラの動作を一時的に停止する。
【0005】
また、特許文献2に開示された従来技術においては、カメラの動作を一時的に停止した場合に、停止する前に撮影された画像を表示し、表示内容に違和感が生じないように制御することを提案している。
【特許文献1】特開2002−261880号公報
【特許文献2】特開2005−45563号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えばテレビ電話の機能を実現しようとする場合には、通信中であってもカメラの動作を停止することができないので、特許文献1に開示されているような従来技術を採用することはできず、カメラからの輻射ノイズによって受信感度が低下するのは避けられない。
【0007】
特に、カメラの信号を処理する回路にはYUVデータバスを採用している場合が多く、このYUVデータバス上には複数ビットで構成される同符号が連続的にもしくは周期的に現れる可能性が高いので、ランダム信号と同様に、様々な周波数成分を含む高調波が発生する。例えば、クロック信号の基本周波数をNとする場合、同じ値が2ビット連続する符号ではN/2倍の周波数、同じ値が3ビット連続する符号ではN/3倍の周波数になるので、基本周波数の高調波だけでなく、基本周波数のN/2倍の周波数の高調波や、基本周波数のN/3倍の周波数の高調波もYUVデータバスから発生することになり、無線通信に使用する周波数帯を含む様々な周波数帯に対して輻射ノイズが悪影響を及ばすことになる。このため、仮にクロック信号の周波数を工夫したとしても、カメラを使用する場合には、輻射ノイズの影響で無線回路の受信感度が低下するのは避けられなかった。
【0008】
なお、YUVデータバスは、輝度信号(Y)と、輝度信号と青色成分との差(U)と、輝度信号と赤色成分との差(V)との3つの情報で色を表すYUVデータを扱うバス(信号線の集まり)である。
【0009】
本発明は、無線通信機能とカメラの機能とを同時に使用することが可能で、しかもカメラの電気回路から発生する高周波の輻射ノイズが無線通信機能に及ぼす影響を抑制することが可能な携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1番目の発明(請求項1)は、電波を利用して通信する無線通信機能と、任意の被写体を撮影可能なカメラとを備えた携帯端末装置であって、前記カメラからNビット毎に並列に出力されるパラレル形式の画像データを、同一符号の連続出力を抑制するように符号化する符号化手段と、前記符号化手段から出力される符号化されたパラレル形式の画像データをシリアルデータに変換するパラレル/シリアル変換手段と、前記パラレル/シリアル変換手段から出力されるシリアルデータを受信し、復号処理して前記画像データを復元する復号処理手段と、前記パラレル/シリアル変換手段から出力されるシリアルデータを受信してパラレル形式のデータに変換するシリアル/パラレル変換手段とを設けたことを特徴とする。
【0011】
1番目の発明では、パラレル形式の画像データをシリアルデータに変換する前に、符号化手段を用いて同一符号の連続出力を抑制している。同一符号が連続的に現れるのを防止することにより、クロック信号の基本周波数に比べて周波数の低い信号成分がカメラの信号データを転送する信号線上に現れるのを抑制できる。これにより、輻射ノイズの周波数スペクトラムにおける各周波数成分の周波数間隔が広がることになり、輻射ノイズの影響を受けない周波数帯が形成される。従って、輻射ノイズの影響を受けない周波数帯が無線通信で利用する周波数帯と一致するように、あるいは輻射ノイズに含まれる各周波数成分の周波数と無線通信で利用する周波数帯とが重ならないように、事前に調整しておくことにより、輻射ノイズの影響を大幅に軽減できる。
【0012】
2番目の発明(請求項2)は、1番目の発明において、前記符号化手段は、Nビット毎に入力されるパラレル形式の画像データの途中もしくは前後に、少なくとも1ビットの冗長ビットを付加してNビットよりもビット数の多いMビットの符号化されたパラレルデータを生成することを特徴とする。
【0013】
2番目の発明では、冗長ビットを付加することにより、符号化されたパラレルデータを生成することができる。また、付加する冗長ビットの値を工夫することで、複数ビットの同一符号が連続的に現れるのを抑制できる。
【0014】
3番目の発明(請求項3)は、2番目の発明において、前記符号化手段は、付加する冗長ビットの値として、入力されたNビットデータの中の少なくとも1ビットの値を反転した結果を出力することを特徴とする。
【0015】
3番目の発明では、入力されたNビットデータの中の少なくとも1ビットの値を反転した結果を付加する冗長ビットの値として利用するので、例えば隣接するビット同士の値が異なるように制御することができ、複数ビットの同一符号が連続的に現れるのを抑制できる。
【0016】
4番目の発明(請求項4)は、1番目の発明において、前記パラレル/シリアル変換手段が出力するシリアルデータのビットレートを決定する周波数が可変のクロック信号を生成する可変クロック生成手段を更に設けたことを特徴とする。
【0017】
4番目の発明では、可変クロック生成手段を調整することにより、前記パラレル/シリアル変換手段が出力するシリアルデータのビットレートを変えることができるので、前記輻射ノイズに含まれる各周波数成分の周波数を適宜変更することができ、輻射ノイズの影響を受けない周波数帯が無線通信で利用する周波数帯と一致するように、あるいは輻射ノイズに含まれる各周波数成分の周波数と無線通信で利用する周波数帯とが重ならないように調整できる。
【0018】
5番目の発明(請求項5)は、4番目の発明において、前記可変クロック生成手段は、前記符号化手段の符号化率に応じて出力するクロック信号の周波数を決定することを特徴とする。
【0019】
前記符号化手段の符号化率(符号化前ビット数/符号化後ビット数)に応じて、符号化後に連続的に現れる符号のビット数が変わり、輻射ノイズに含まれる周波数成分が変わる。5番目の発明では、符号化率に応じて出力するクロック信号の周波数を決定するので、符号化率を変更した場合であっても、輻射ノイズの影響を受けない周波数帯が無線通信で利用する周波数帯と一致するように、あるいは輻射ノイズに含まれる各周波数成分の周波数と無線通信で利用する周波数帯とが重ならないように調整できる。
【0020】
6番目の発明(請求項6)は、1番目の発明において、前記シリアル/パラレル変換手段から出力されるパラレル形式のデータに同期したクロック信号を、入力されるシリアルデータから生成するクロック再生手段を更に設けたことを特徴とする。
【0021】
6番目の発明では、前記シリアルデータを受信する受信側に設けたクロック再生手段が、入力されるシリアルデータからクロック信号を生成するので、前記シリアルデータの送信側と受信側との間で、前記シリアルデータと共にクロック信号を伝送する必要がなくなる。これにより、伝送路上にクロック信号が現れなくなり、前記輻射ノイズに含まれる高周波の周波数成分を更に低減することが可能になり、輻射ノイズの悪影響が抑制される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、輻射ノイズの周波数スペクトラムにおける各周波数成分の周波数間隔が広がり、輻射ノイズの影響を受けない周波数帯が形成される。従って、輻射ノイズの影響を受けない周波数帯が無線通信で利用する周波数帯と一致するように、あるいは輻射ノイズに含まれる各周波数成分の周波数と無線通信で利用する周波数帯とが重ならないように、事前に調整しておくことにより、輻射ノイズの影響を大幅に軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の携帯端末装置に関する1つの実施の形態について、図1〜図6を参照しながら以下に説明する。
【0024】
図1は実施の形態における携帯端末装置の主要部の構成を示すブロック図である。図2は図1に示す携帯端末装置の一部分の詳細な構成を示す電気回路図である。図3は図1に示す携帯端末装置の一部分の詳細な構成を示す電気回路図である。図4〜図6は、それぞれ図1に示す携帯端末装置の内部で符号化されたシリアルデータの電気信号によって発生する高調波の周波数スペクトラムの具体例を示すグラフである。
【0025】
この形態では、例えば携帯電話端末のように、無線通信機能と撮影のためのカメラとを備えた携帯端末100に本発明を適用する場合を想定している。図1を参照すると、この携帯端末100には、無線部101と、音声処理部102と、画像表示部103と、端末操作部104と、主制御部105と、電源生成部106と、電池107と、カメラ108と、符号部109と、パラレルシリアル変換部110と、復号部111と、シリアルパラレル変換部112とが備わっている。
【0026】
無線部101は、図示しない変調器、復調器、信号増幅器、アンテナなどで構成されており、所定の無線基地局との間で電波を利用して無線通信を行い、音声通信やデータ通信に必要な通信回線を確保する。
【0027】
音声処理部102は、図示しないレシーバ、スピーカ、マイク、音声増幅器などで構成されており、音声入力や、音声出力や、リンガなどによる通知を行う機能を有している。
【0028】
画像表示部103は、液晶などを利用した平面状の表示部を備えており、画像などの情報を可視情報として画面上に表示することができる。
【0029】
端末操作部104は、利用者からの入力操作を受け付けるためのキーパットなどで構成されており、利用者が外部と通信するための操作や、音声入出力のための操作や、画像データの取り込みのための操作や、画像表示を行うための操作などに関する利用者からの指示を受け付ける。
【0030】
電源生成部106は、DC/DCコンバータを内蔵しており、電池107から供給される電力に基づいて、携帯端末100に備わっている各回路が必要とする電源電圧を生成する。
【0031】
カメラ108は、例えば二次元CCDイメージセンサのように、必要に応じて任意の被写体の像を撮影し、二次元カラー画像のデジタルデータを出力する機能を有している。具体的には、カメラ108は主制御部105から出力される制御信号に従って動作し、ピクセルクロック信号SG1と、YUVデータ信号SG2と、水平同期信号HSYNCと、垂直同期信号VSYNCとを出力する。この例では、YUVデータ信号SG2は8ビットのパラレルデータとして出力される。カメラ108が出力するピクセルクロック信号及びYUVデータ信号は符号部109に入力され、カメラ108が出力する水平同期信号及び垂直同期信号は主制御部105に入力される。
【0032】
符号部109は、カメラ108から8ビットのパラレルデータとして順次に入力されるYUVデータ信号SG2を、ピクセルクロック信号SG1に同期して符号化する。具体的には、冗長ビットを付加することにより、入力されるパラレルデータとはビット数の異なる符号化されたデータを生成する。この符号化は、複数ビットで構成される特定の符号が連続的に出現するのを防止するために行っている。
【0033】
パラレルシリアル変換部110は、符号部109から出力される符号化されたYUVのパラレルデータSG3をシリアルデータSG4に変換する。シリアルデータSG4のビットレートを決定するクロック信号の周波数は可変になっており、主制御部105によって適切な周波数に自動的に制御される。
【0034】
復号部111は、パラレルシリアル変換部110から出力される符号化されたYUVのシリアルデータSG4を受け取って、復号処理する。すなわち、符号部109で付加された冗長ビットを取り去って符号化前のデータを復元する。
【0035】
シリアルパラレル変換部112は、復号部111から出力される復号処理後のシリアルデータSG5を入力してシリアル/パラレル変換を実施し、8ビットパラレルデータとしてYUVデータ信号SG6を出力する。
【0036】
携帯端末100の回路基板上などで画像データの信号を比較的長い距離(例えば数センチメートル程度)に渡って転送する場合には、パラレルシリアル変換部110と復号部111との間に現れるYUVのシリアルデータSG4を用いて信号の転送を行う。これにより、信号線の数が減るだけでなく、輻射ノイズの影響を低減できる。すなわち、YUVデータが符号化されているため、複数ビットで構成される同じ符号が連続的に現れにくくなり、後述するように輻射ノイズの影響を受けない周波数帯が形成される。輻射ノイズの影響を受けない周波数帯が無線通信で使用する周波数帯と一致するように調整することにより、輻射ノイズが無線通信に及ぼす影響を抑制できる。
【0037】
主制御部105は、図示しない演算処理装置(CPU)や、記憶装置などで構成されており、端末操作部104から入力された指示に従って、この主制御部105に接続されている各回路を制御する。特に、無線部101の動作とカメラ108の動作とを同時に実施するような場合には、主制御部105は無線部101が無線通信に利用する周波数帯に応じて、パラレルシリアル変換部110から出力されるシリアルデータSG4のビットレート(伝送速度)を制御する。これにより、カメラ108から出力される信号の輻射ノイズの影響が無線通信に利用する周波数帯に現れるのを防止できる。
【0038】
前述の符号部109及びパラレルシリアル変換部110に関する具体的な構成が図2に示されている。図2に示すように、この例では符号部109はマスタスレーブ形の12個のD型フリップフロップ(D−FF)201〜212を用いて構成してある。また、パラレルシリアル変換部110は、マスタスレーブ形の12個のD型フリップフロップ(D−FF)213〜224と、D−FF213〜223の各々の入力に設けられた11個のスイッチ230と、クロック逓倍回路225と、スイッチ切り替え回路226とで構成されている。
【0039】
まず、符号部109について説明する。カメラ108から出力されるYUVデータ信号SG2は、8ビットのパラレルデータであり、YUVデータ信号SG2の各ビットの信号線が図2中ではYUV0、YUV1、YUV2、YUV3、YUV4、YUV5、YUV6、YUV7で表されている。
【0040】
YUVデータ信号SG2の各ビットの信号線YUV0、YUV1、YUV2、YUV3、YUV4、YUV5、YUV6、YUV7は、それぞれD−FF201、D−FF202、D−FF203、D−FF204、D−FF206、D−FF207、D−FF208、D−FF209のデータ入力端子と接続されている。また、信号線YUV3はD−FF205の反転側のデータ入力端子(図中の丸印の付いた入力端子)とも接続されている。更に、信号線YUV7は、D−FF210の反転側のデータ入力端子、D−FF211のデータ入力端子、D−FF212の反転側のデータ入力端子とも接続されている。
【0041】
各D−FF201〜212は、それぞれのデータ入力端子又は反転側のデータ入力端子に入力されたデータを、ピクセルクロック信号SG1のレベルの立ち下がりに同期したタイミングで出力する。また、反転側のデータ入力端子に入力されたデータについては、0/1の論理を反転した状態で出力される。
【0042】
従って、例えばYUVデータ信号SG2に8ビットパラレルデータとして「1、1、1、1、1、1、1、1」のデータが現れた場合には、D−FF201〜212から出力される12ビットのパラレルデータは「1、1、1、1、0、1、1、1、1、0、1、0」になる。つまり、冗長ビットが付加されて、8ビットパラレルデータが12ビットの符号化されたパラレルデータに変換されている。D−FF201〜212から出力される12ビットパラレルデータの中で、下から5番目のビットと、10番目のビットと、11番目のビットと、12番目のビットとがそれぞれ付加された冗長ビットである。なお、付加する冗長ビットの数については、必要に応じて増減することができる。
【0043】
このような冗長ビットを付加することにより、同じ符号が連続的に現れるのを防止できる。すなわち、前述のようにYUVデータ信号SG2に8ビットパラレルデータとして同じ値「1」が連続する「1、1、1、1、1、1、1、1」のデータが現れた場合であっても、D−FF201〜212から出力される12ビットのパラレルデータ(SG3)は「1、1、1、1、0、1、1、1、1、0、1、0」になるので、「1」又は「0」の同じ値のビットが隣接する位置に連続的に現れるのは最大で4ビットまでに抑制される。
【0044】
符号部109のD−FF201から出力される信号(SG3の最下位ビット)はスイッチ230を介してD−FF213のデータ入力端子に印加され、同様に、D−FF202から出力される信号はスイッチ230を介してD−FF214のデータ入力端子に印加され、D−FF203から出力される信号はスイッチ230を介してD−FF215のデータ入力端子に印加され、D−FF204から出力される信号はスイッチ230を介してD−FF216のデータ入力端子に印加され、D−FF205から出力される信号はスイッチ230を介してD−FF217のデータ入力端子に印加され、D−FF206から出力される信号はスイッチ230を介してD−FF218のデータ入力端子に印加され、D−FF207から出力される信号はスイッチ230を介してD−FF219のデータ入力端子に印加され、D−FF208から出力される信号はスイッチ230を介してD−FF220のデータ入力端子に印加され、D−FF209から出力される信号はスイッチ230を介してD−FF221のデータ入力端子に印加され、D−FF210から出力される信号はスイッチ230を介してD−FF222のデータ入力端子に印加され、D−FF211から出力される信号はスイッチ230を介してD−FF223のデータ入力端子に印加され、D−FF212から出力される信号はそのままD−FF224のデータ入力端子に印加される。
【0045】
D−FF213〜223の各入力に設けられたスイッチ230は、スイッチ切り替え回路226から出力される制御信号に従って、それぞれ2つの入力端子のいずれか一方を選択して後方のD−FF(213〜223)のデータ入力端子と接続する。各スイッチ230に設けられた2つの入力端子の一方は、前段のD−FF(214〜224)の出力端子と接続され、符号部109のD−FF(201〜211)の出力(SG3)と接続されている。
【0046】
クロック逓倍回路225は、ピクセルクロック信号SG1を入力し、この信号の周波数を逓倍することにより、シリアルデータクロック信号SCLKを生成する。クロック逓倍回路225における逓倍の倍率は、主制御部105から出力される制御信号により定まる。シリアルデータクロック信号SCLKの周波数は、シリアルデータSG4の伝送速度(ビットレート)を決定する。主制御部105は、シリアルデータSG4の伝送速度を適切に制御するために必要な制御信号の値を、事前に計算により求め内部メモリ上に保存してあるので、内部メモリから読み出した値を適切な制御信号としてクロック逓倍回路225に与える。
【0047】
D−FF213〜224は、それぞれのデータ入力端子に印加される信号を、シリアルデータクロック信号SCLKのレベルの立ち上がりのタイミングで取り込み、シリアルデータクロック信号SCLKのレベルの立ち下がりのタイミングで出力する。
【0048】
スイッチ切り替え回路226は、主制御部105から出力される制御信号に従って、各スイッチ230を切り替えるためのタイミング信号を生成する。各スイッチ230は、初期状態では符号部109から出力されるパラレルデータ(SG3)を選択している。その状態で、D−FF213〜224は、シリアルデータクロック信号SCLKのレベルの立ち上がりのタイミングでパラレルデータ(SG3)を取り込み、シリアルデータクロック信号SCLKのレベルの立ち下がりのタイミングで出力する。
【0049】
次に、スイッチ切り替え回路226が出力する信号に従って各スイッチ230は選択状態を切り替える。これにより、各スイッチ230の前方のD−FF(214〜224)の出力端子と後方のD−FF(213〜223)のデータ入力端子とが接続される。その状態で、D−FF213〜223は、シリアルデータクロック信号SCLKのレベルの立ち上がりのタイミングで前段のD−FF(214〜224)から出力されるデータを取り込み、シリアルデータクロック信号SCLKのレベルの立ち下がりのタイミングで出力する。このような動作を繰り返すことにより、D−FF213の出力端子には、12ビットのパラレルデータ(SG3)に対応するビット毎の時系列データ、すなわちシリアルデータSG4が現れる。
【0050】
パラレルシリアル変換部110は、符号部109から出力される12ビットのパラレルデータの一部分だけをパラレルシリアル変換し、シリアルデータSG4として出力することもできる。すなわち、符号部109によって付加された4つの冗長ビットの一部分だけを利用しても符号化されたシリアルデータを出力することができる。実際には、必要とする符号化率(符号化後ビット数/符号化前ビット数)に応じて、主制御部105がスイッチ切り替え回路226に所定の制御信号を与えることにより、スイッチ切り替え回路226が切り替えるスイッチ230を選別し、不要な冗長ビットに関するパラレルシリアル変換の処理を省略する。
【0051】
前述のように、符号部109が符号化を行ってからパラレルシリアル変換を実施するので、シリアルデータSG4は符号化されており、シリアルデータSG4上で同じ値のビットが5ビット以上連続的に現れることはない。これにより、シリアルデータSG4によって発生する輻射ノイズの周波数特性を制御することができる。詳細については後で説明する。
【0052】
一方、前述の復号部111及びシリアルパラレル変換部112に関する具体的な構成が図3に示されている。図3に示すように、この例では復号部111はマスタスレーブ形の12個のD型フリップフロップ(D−FF)301〜312と、クロック抽出回路321と、クロック同期回路322とを用いて構成してある。また、シリアルパラレル変換部112は、マスタスレーブ形の8個のD型フリップフロップ(D−FF)313〜320を用いて構成してある。
【0053】
まず復号部111について説明する。復号部111は、前述の符号部109によって符号化されたデータを符号化前のデータに復元するための処理を実施する。従って、復号部111は符号部109における符号化率(符号化後ビット数/符号化前ビット数)に応じた処理を行う必要がある。例えば、4ビットの冗長ビットが付加されて12ビットに符号化されたデータがシリアルデータSG4として入力される場合には、4ビットの冗長ビットを取り去って、符号化前の8ビットデータを抽出することになる。
【0054】
クロック抽出回路321は、入力されるシリアルデータSG4のレベルの立ち上がり及び立ち下がりを検出することにより、シリアルデータSG4の受信に必要なシリアルデータクロック信号SG8を生成する。12個のD−FF301〜312は、それぞれクロック抽出回路321から出力されるシリアルデータクロック信号SG8のタイミングに同期して動作する。
【0055】
すなわち、最初のD−FF312は、シリアルデータクロック信号SG8の立ち上がりのタイミングでシリアルデータSG4を取り込み、取り込んだデータをシリアルデータクロック信号SG8の立ち下がりのタイミングで出力する。D−FF312の出力端子と接続されているD−FF311は、D−FF312が出力するデータを、シリアルデータクロック信号SG8の立ち上がりのタイミングで取り込み、立ち下がりのタイミングで出力する。
【0056】
同様に、D−FF310は、D−FF311が出力するデータを、シリアルデータクロック信号SG8の立ち上がりのタイミングで取り込み、立ち下がりのタイミングで出力する。D−FF309は、D−FF310が出力するデータを、シリアルデータクロック信号SG8の立ち上がりのタイミングで取り込み、立ち下がりのタイミングで出力する。D−FF308は、D−FF309が出力するデータを、シリアルデータクロック信号SG8の立ち上がりのタイミングで取り込み、立ち下がりのタイミングで出力する。D−FF307は、D−FF308が出力するデータを、シリアルデータクロック信号SG8の立ち上がりのタイミングで取り込み、立ち下がりのタイミングで出力する。D−FF306は、D−FF307が出力するデータを、シリアルデータクロック信号SG8の立ち上がりのタイミングで取り込み、立ち下がりのタイミングで出力する。D−FF305は、D−FF306が出力するデータを、シリアルデータクロック信号SG8の立ち上がりのタイミングで取り込み、立ち下がりのタイミングで出力する。D−FF304は、D−FF305が出力するデータを、シリアルデータクロック信号SG8の立ち上がりのタイミングで取り込み、立ち下がりのタイミングで出力する。D−FF303は、D−FF304が出力するデータを、シリアルデータクロック信号SG8の立ち上がりのタイミングで取り込み、立ち下がりのタイミングで出力する。D−FF302は、D−FF303が出力するデータを、シリアルデータクロック信号SG8の立ち上がりのタイミングで取り込み、立ち下がりのタイミングで出力する。D−FF301は、D−FF302が出力するデータを、シリアルデータクロック信号SG8の立ち上がりのタイミングで取り込み、立ち下がりのタイミングで出力する。
【0057】
クロック同期回路322は、クロック抽出回路321から出力されるシリアルデータクロック信号SG8を入力し、必要な分周比で周波数の分周を行い、ピクセルクロック信号SG7を生成する。クロック同期回路322の分周比は主制御部105が出力する制御信号によって決定される。このピクセルクロック信号SG7は、パラレルシリアル変換部110のクロック逓倍回路225が逓倍によって生成した前述のシリアルデータクロック信号SCLKと周波数及びタイミングが同等の信号である。
【0058】
また、クロック同期回路322は、主制御部105が出力する制御信号に従って、D−FF304の出力とD−FF305の出力の反転信号及びD−FF309の出力とD−FF310の出力の反転信号が一致するタイミングを検出し、このタイミングに同期してピクセルクロック信号SG7を出力する。
【0059】
送信されたシリアルデータSG4を受信して元のデータを復元するためには、シリアルデータの各ビットのタイミングを把握する必要があるが、図3に示した復号部111においては、クロック抽出回路321が受信したシリアルデータSG4から各ビットのタイミングを表すシリアルデータクロック信号SG8を生成し、クロック同期回路322がパラレルデータの1バイト毎のタイミングを表すピクセルクロック信号SG7を生成するので、送信側から受信側に対してシリアルデータSG4と共にタイミング信号を伝送する必要はない。
【0060】
図1に示した主制御部105は、利用者の入力操作によって端末操作部104からカメラ起動の指示が入力されると、次のように制御する。すなわち、主制御部105は無線部101における受信周波数(通信に使用する周波数)を確認し、前記シリアルデータSG4の高調波成分の周波数が無線部101の受信周波数と重ならないように、シリアルデータSG4の伝送速度及び符号化率を決定し、その結果に従って符号部109、パラレルシリアル変換部110、復号部111及びシリアルパラレル変換部112を制御する。
【0061】
受信周波数と適切な伝送速度及び符号化率との関係については、計算等により知ることができるので、事前に計算を行った結果を主制御部105の内部で記憶しておく。そして、受信周波数をパラメータとして記憶されているデータを読み出し、適切な伝送速度及び符号化率を決定する。
【0062】
受信周波数と適切な伝送速度及び符号化率との関係に関する具体例について、以下に説明する。なお、図4〜図6に示す各例では、パラレルデータの1バイト毎のタイミングを表すピクセルクロックの周波数が24MHzの場合を想定している。図4においては、符号化率が10/8、シリアルデータの伝送速度が240MHzの場合のシリアルデータに含まれる各高調波成分の周波数領域での分布状況を表している。また、図5においては符号化率が11/8、シリアルデータの伝送速度が264MHzの場合のシリアルデータに含まれる各高調波成分の周波数領域での分布状況を表し、図6においては符号化率が12/8、シリアルデータの伝送速度が288MHzの場合のシリアルデータに含まれる各高調波成分の周波数領域での分布状況を表している。
【0063】
なお、図4〜図6に示すような各高調波成分については、シリアルデータ上で、1ビット毎に値が変化する符号、隣接する2ビットが連続して同じ値である符号、隣接する3ビットが連続して同じ値である符号、隣接する4ビットが連続して同じ値である符号、隣接する5ビットが連続して同じ値である符号、によってそれぞれ発生する様々な基本周波数の高調波を、図4、図5および図6の(a)から(e)に表している。なお、図4、図5および図6において、(a)は1ビット毎に値が変化する符号によって発生する基本周波数の高調波を、(b)は隣接する2ビットが連続して同じ値である符号によって発生する基本周波数の高調波を、(c)は隣接する3ビットが連続して同じ値である符号によって発生する基本周波数の高調波を、(d)は隣接する4ビットが連続して同じ値である符号によって発生する基本周波数の高調波を、(e)は隣接する5ビットが連続して同じ値である符号によって発生する基本周波数の高調波を、それぞれ示している。
【0064】
例えば受信周波数が1680MHzの場合、図4のグラフでは、同じ周波数に高調波成分が現れているので、符号化率が10/8、シリアルデータの伝送速度が240MHzの制御条件を適用すると、シリアルデータの高調波の輻射ノイズの影響が通信周波数に現れることになる。従って、このような場合は、受信周波数とシリアルデータの輻射ノイズの高調波の周波数とが重ならないように、他の制御条件を適用することになる。例えば、符号化率が11/8、シリアルデータの伝送速度が264MHzの制御条件を適用する場合には、図5に示すように、各高調波成分が現れる周波数が受信周波数である1680MHzからずれているので、カメラ108を使用している場合であっても、輻射ノイズの影響を受けることなく通信を行うことができる。同様に、符号化率が12/8、シリアルデータの伝送速度が288MHzの制御条件を適用する場合にも、図6に示すように、各高調波成分が現れる周波数が受信周波数である1680MHzからずれているので、カメラ108を使用している場合であっても、輻射ノイズの影響を受けることなく通信を行うことができる。
【0065】
なお、符号化を行わずにシリアルデータを伝送する場合には、様々なビット長の符号が連続的にシリアルデータ上に現れる可能性が高いので、ランダムな信号に含まれる周波数成分と同様に、シリアルデータが様々な周波数の高調波成分を含むことになり、隣接する各高調波成分の周波数の間隔が狭くなる。従って、シリアルデータの伝送速度を変更しても、輻射ノイズの周波数と受信周波数とをずらすことはできない。
【0066】
なお、この形態では主制御部105が受信周波数に合わせて符号化率及びシリアルデータの伝送速度を自動的に調整する場合を想定しているが、利用者からの入力操作に従って、符号化率及びシリアルデータの伝送速度を手動で変更できるように構成しても良い。
【0067】
なお、パラレルシリアル変換部110と復号部111との間を伝送するシリアルデータSG4については、差動回路と対の信号線とを用いて、平衡信号として伝送するのが望ましい。平衡信号として伝送することにより、低電力での伝送が可能になり、更にシリアルデータSG4の定在波及び高調波によって生じる輻射ノイズが線路間で相殺されて低減されるため、無線通信の特性の劣化を防止するのにも役立つ。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上のように、本発明を適用することにより、カメラから出力される信号によって発生する輻射ノイズの周波数と無線通信に使用する周波数とが重なるのを防止できる。従って、カメラ付き携帯電話端末や、カメラと無線通信機能とを備えた携帯型情報端末などに本発明を適用することにより、カメラを使用するときであっても無線通信性能の劣化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】実施の形態における携帯端末装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す携帯端末装置の一部分の詳細な構成を示す電気回路図である。
【図3】図1に示す携帯端末装置の一部分の詳細な構成を示す電気回路図である。
【図4】図1に示す携帯端末装置の内部で符号化されたシリアルデータの電気信号によって発生する高調波の周波数スペクトラムの具体例を示すグラフである。
【図5】図1に示す携帯端末装置の内部で符号化されたシリアルデータの電気信号によって発生する高調波の周波数スペクトラムの具体例を示すグラフである。
【図6】図1に示す携帯端末装置の内部で符号化されたシリアルデータの電気信号によって発生する高調波の周波数スペクトラムの具体例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0070】
100 携帯端末
101 無線部
102 音声処理部
103 画像表示部
104 端末操作部
105 主制御部
106 電源生成部
107 電池
108 カメラ
109 符号部
110 パラレルシリアル変換部
111 復号部
112 シリアルパラレル変換部
201〜212 D型フリップフロップ(D−FF)
213〜224 D型フリップフロップ(D−FF)
225 クロック逓倍回路
226 スイッチ切り替え回路
230 スイッチ
301〜312 D型フリップフロップ(D−FF)
313〜320 D型フリップフロップ(D−FF)
321 クロック抽出回路
322 クロック同期回路
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成18年7月4日(2006.7.4)
【代理人】 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平

【識別番号】100115107
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 猛

【識別番号】100108589
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 利光

【識別番号】100119552
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 公秀


【公開番号】 特開2008−17030(P2008−17030A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−184607(P2006−184607)