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【発明の名称】 電話システム
【発明者】 【氏名】関 秀行

【要約】 【課題】セキュリティ機能を有する電話システムにおいて、配線などのコストを抑える。

【構成】内線電話機10A〜10Nの少なくとも1台に、異常を検知するセンサを接続する。主装置20に、通報先メモリ27と、音声蓄積回路28とを設ける。センサが異常を検知したとき、この検知したセンサを有する内線電話機から自機を示すデータを主装置20に送る。主装置20は、異常を検知した内線電話機からデータが送られてきたとき、通報先メモリ27を参照して異常に対応した通報先の電話番号を取り出し、その電話番号の通報先に発呼を行う。通報先が応答したとき、音声蓄積回路28から、異常を検知したセンサを有する内線電話機、あるいはその内線電話機の設置場所を示す音声データと、異常の内容を示す音声データとを取り出して通報先に送り出す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の内線電話機と、その主装置とから構成され、
上記複数の内線電話機の少なくとも1台は、異常を検知するセンサが接続され、
上記主装置は、
上記センサが検知した異常の通報先の電話番号を有する通報先メモリと、
上記センサが検知した異常の内容を示す音声データを有する音声蓄積回路と
を備え、
上記センサが上記異常を検知したとき、この検知したセンサを有する内線電話機から自機を示すデータを上記主装置に送り、
上記主装置は、上記異常を検知したセンサを有する内線電話機から上記データが送られてきたとき、この送られてきたデータにより上記通報先メモリを参照して上記異常に対応した通報先の電話番号を取り出し、
この取り出した電話番号の通報先に発呼を行うとともに、
上記通報先が応答したとき、上記送られてきたデータにより上記音声蓄積回路から、上記異常を検知したセンサを有する内線電話機、あるいはその内線電話機の設置場所を示す音声データと、上記異常の内容を示す音声データとを取り出し、
この取り出した音声データを上記通報先に送り出す
ようにした電話システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、セキュリティ機能を有する電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般のセキュリティシステムにおいては、侵入者や出火などの異常事態を検出したとき、これを電話回線を通じてあらかじめ設定されている警察や消防署などに通報するようにされている。
【0003】
図5は、通報装置を構内電話システムに組み合わせることにより、そのようなセキュリティシステムを構築した場合の一例を示す。すなわち、図5において、符号10A〜10Nは複数N台の内線ボタン電話機、符号20はその主装置、符号30は通報装置を示す。
【0004】
この例においては、主装置20は、電話回線として3回線のISDN回線41〜43を扱う場合であり、N台分の内線インターフェイス21A〜21Nと、交換スイッチ22と、3回線分の回線インターフェイス231〜233とを有する。そして、ボタン電話機10A〜10Nは、内線インターフェイス21A〜21Nを通じて交換スイッチ22に接続され、この交換スイッチ22は回線インターフェイス231〜233を通じて電話回線41〜43に接続されている。
【0005】
さらに、主装置20は、マイクロコンピュータなどにより構成された制御回路24を有し、この制御回路24により内線インターフェイス21A〜21N、交換スイッチ22および回線インターフェイス231〜233が制御されて発信や着信などが実現される。また、主装置20は、その動作電源として、商用交流電圧を入力とする電源回路25と、停電時のバックアップ用の充電式電池26とを有する。
【0006】
一方、通報装置30には、センサ31A〜31Nが接続されている。このセンサ31A〜31Nは、構内への侵入者を検知する人感センサや構内での出火を検知する火災センサなどであり、構内の異常を検知するべき場所にそれぞれ設置される。
【0007】
そして、通報装置30は、回線インターフェイス33および制御回路34に加えて、通報先メモリ37と、音声蓄積回路38と、リレー39とが設けられる。この場合、制御回路34は、マイクロコンピュータなどを有して構成され、この制御回路34により音声蓄積回路38および回線インターフェイス33が制御される。
【0008】
また、通報先メモリ37には、侵入者や出火などの異常事態を検出したとき、その通報先となる警察、消防署、警備会社などの電話番号のデータが用意され、音声蓄積回路38には、通報を音声で告げるための音声データが通報内容ごとに用意されている。
【0009】
さらに、リレー39は制御回路34に接続され、そのリレー接点39Sのうち、常閉接点NCが主装置20の回線インターフェイス233に接続され、共通接点が電話回線43に接続され、常開接点NOが回線インターフェイス33に接続されている。また、通報装置30は、その動作電源として、商用交流電圧を入力とする電源回路35と、停電時のバックアップ用の充電式電池36とを有する。
【0010】
したがって、平常時には、回線インターフェイス233は、リレー接点39Sのうちの常閉接点NCおよび共通接点を通じて電話回線43に接続されているので、ボタン電話機10A〜10Nは主装置20を通じて電話回線41〜43に接続されていることになる。したがって、平常時は、交換スイッチ22によりボタン電話機10A〜10Nが選択的に電話回線41〜43に接続され、発信や着信を行うことができる。
【0011】
しかし、構内に侵入者や火災などの異常が発生すると、これがセンサ31A〜31Nのどれかによって検知され、制御回路34に通知される。すると、制御回路34によりリレー39がドライブされ、通報装置30の回線インターフェイス33が、リレー接点39Sのうちの常開接点NOおよび共通接点を通じて電話回線43に接続される。さらに、制御回路34は、異常を通知してきたセンサに対応する通報先の電話番号のデータを通報先メモリ37から読み出し、この電話番号のデータにより対応する通報先に電話をかける。
【0012】
そして、通報先が応答すると、異常を通知してきたセンサに対応する音声データを音声蓄積回路38から取り出し、この音声データを回線インターフェイス33を通じて電話回線43に送り出す。したがって、センサの検知した異常が音声により警察や消防署などに通報されたことになる。こうして、図5に示すシステムによれば、構内に侵入者や火災などの異常が発生したとき、これを警察や消防署などの適切な相手に通報することができる。
【0013】
なお、上記の技術に関連する資料として、例えば下記の文献がある。
【特許文献1】特公昭63−37549号公報
【特許文献2】特開平11−112694号公報
【特許文献3】特開2000−341441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところが、図5に示すシステムにおいては、構内電話システムの主装置20に通報装置30を組み合わせてセキュリティシステムを構築しているので、ボタン電話機10A〜10Nと主装置20との間の配線に加えて、センサ31A〜31Nと通報装置30との間の配線、および主装置20と通報装置30との間の配線が必要となり、配線の工事費用が高額になってしまう。
【0015】
また、平常時には使用しない回線インターフェイス33を必要とするとともに、電源回路25および充電式電池26と、電源回路35および充電式電池36とを重複して必要とし、この点からシステムが高額になってしまう。
【0016】
この発明は、このような問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明においては、
複数の内線電話機と、その主装置とから構成され、
上記複数の内線電話機の少なくとも1台は、異常を検知するセンサが接続され、
上記主装置は、
上記センサが検知した異常の通報先の電話番号を有する通報先メモリと、
上記センサが検知した異常の内容を示す音声データを有する音声蓄積回路と
を備え、
上記センサが上記異常を検知したとき、この検知したセンサを有する内線電話機から自機を示すデータを上記主装置に送り、
上記主装置は、上記異常を検知したセンサを有する内線電話機から上記データが送られてきたとき、この送られてきたデータにより上記通報先メモリを参照して上記異常に対応した通報先の電話番号を取り出し、
この取り出した電話番号の通報先に発呼を行うとともに、
上記通報先が応答したとき、上記送られてきたデータにより上記音声蓄積回路から、上記異常を検知したセンサを有する内線電話機、あるいはその内線電話機の設置場所を示す音声データと、上記異常の内容を示す音声データとを取り出し、
この取り出した音声データを上記通報先に送り出す
ようにした電話システム
とするものである。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、異常を検知するセンサの検知出力を、ボタン電話機を通じて主装置に送るようにしているので、各機器の間の配線がセキュリティ機能がない電話システムの場合と同じになり、配線の工事費用を抑えることができる。また、電源回路や停電時のバックアップ回路を重複する必要もないので、この点からもシステムのコストを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、この発明による電話システムの一例を、ボタン電話機を中心にして示し、図2は主装置を中心にして示す。そして、これらの図において、符号10A〜10Nは複数N台の内線ボタン電話機、符号20はその主装置である。
【0020】
この場合、ボタン電話機10Aは、ハンドセット11と、ハンズフリーで通話を行うためのマイクロフォン12およびスピーカ13とを有し、これらがコーデック14を通じて内線インターフェイス15に接続され、この内線インターフェイス15が主装置20に接続されている。
【0021】
さらに、ボタン電話機10Aは、マイクロコンピュータなどにより構成された制御回路16を有し、この制御回路16は、コーデック14および内線インターフェイス15に接続されている。また、制御回路16には、ダイヤルキーおよび機能キーなどの各種のキー17が接続されるとともに、着信番号などを表示するためのディスプレイとしてLCD18が接続されている。
【0022】
また、ボタン電話機10Aはセンサ19を内蔵している。このセンサ19は、構内での出火を熱や煙により検知する火災センサや構内への侵入者を検知する人感センサなどであり、そのセンサ出力は制御回路16に供給される。さらに、説明および図示は省略するが、他のボタン電話機10B〜10Nもボタン電話機10Aと同様に構成されている。
【0023】
一方、主装置20は、この例においては、電話回線として3回線のISDN回線41〜43を扱う場合であり、N台分の内線インターフェイス21A〜21Nと、交換スイッチ22と、3回線分の回線インターフェイス231〜233とを有する。そして、ボタン電話機10A〜10Nは、内線インターフェイス21A〜21Nを通じて交換スイッチ22に接続されるとともに、この交換スイッチ22は回線インターフェイス231〜233を通じて電話回線41〜43に接続されている。
【0024】
また、主装置20は、マイクロコンピュータなどにより構成された制御回路24を有する。そして、この制御回路24により、内線インターフェイス21A〜21Nおよび回線インターフェイス231〜233の状態が検出されるとともに、内線インターフェイス21A〜21N、交換スイッチ22および回線インターフェイス231〜233が制御され、発信や着信など実現される。また、制御回路24には、異常時にマイクロコンピュータが実行する警報プログラムとして例えば図3に示すルーチンが用意される。
【0025】
さらに、主装置20は、通報先メモリ27と、音声蓄積回路28とを有する。この場合、通報先メモリ27には、侵入者や出火などの異常事態を検出したとき、その通報先となる警察、消防署、警備会社などの電話番号のデータが用意されるとともに、ボタン電話機10A〜10Nと、その設置場所との対応テーブルが用意されている。また、音声蓄積回路28には、通報を音声で告げるための音声データが通報内容ごとに用意されている。
【0026】
なお、主装置20は、その動作電源が、商用交流電圧を入力とする電源回路25と、停電時のバックアップ用の充電式電池26とから構成される。
【0027】
このような構成において、平常時には、ボタン電話機10A〜10Nおよび主装置20は、通常のボタン電話機および主装置と同様に処理を実行する。例えば、ボタン電話機10Aからの発呼時には、ボタン電話機10Aが交換スイッチ22を通じて電話回線41〜43のうちの空いている電話回線に接続され、以後、発信や通話などが実現される。
【0028】
一方、侵入者や火災などの異常が発生すると、その異常が図3に示すルーチンにより通報される。すなわち、例えばボタン電話機10Aのセンサ19により異常が検知されたとすると、センサ19の出力が制御回路16により自機を示す識別コード、今の場合は、ボタン電話機10Aを示す識別コードに変換され、この識別コードと、異常の種類(侵入者や出火など)を示すデータとが内線インターフェイス15を通じて主装置20へと送られる。
【0029】
すると、主装置20においては、ボタン電話機10Aから送られてきた異常の種類を示すデータに基づいて通報先メモリ27から該当する通報先の電話番号のデータが取り出され、この取り出された電話番号のデータにより該当する通報先へと発呼が行われる。なお、この発呼は、制御回路24が交換スイッチ22を制御することにより、電話回線41〜43のうちの空いている電話回線を通じて行われる。
【0030】
そして、相手が応答すると、音声蓄積回路28から音声データが取り出され、この音声データが通報先へと送り出される。この場合、音声蓄積回路28から取り出される音声データは、ボタン電話機10Aから送られてきた異常の種類を示すデータと、識別コードとに基づいた内容の音声データとされるもので、例えば、「内線234番付近で火災が発生しました」の音声データとされる。
【0031】
あるいはボタン電話機10A〜10Nと、その設置場所との対応テーブルを参照することにより、異常を通知してきたボタン電話機の設置場所を示す音声データも取り出され、「345号室に侵入者です。」のような音声データとされる。つまり、音声蓄積回路28からは、異常の種類を告げるとともに、その異常の発生したボタン電話機の設置場所を示す内容の音声データが取り出される。
【0032】
さらに、すべてのボタン電話機10A〜10Nはオンフックのままで各スピーカ13が有効とされるとともに、通報先に送り出された音声データと同じ音声データが供給され、したがって、ボタン電話機10A〜10Nの各スピーカ13からは、例えば「345号室に侵入者です。」のような音声が一斉に出力される。したがって、以後、通報先は、その通報内容に対応した行動を取ることができ、構内の警備員などもその異常に対処することことができる。
【0033】
こうして、図1および図2に示す電話システムによれば、異常が発生したとき、その異常に対処することができるが、その場合、ボタン電話機10A〜10Nに異常を検知する各センサ19を内蔵させ、その検知出力を、ボタン電話機10A〜10Nと、主装置20との間のケーブル、すなわち、通話に使用するケーブルを通じて主装置20に送るようにしている。したがって、図5に示す電話システムにおけるセンサ31A〜31Nと通報装置30との間の配線や主装置20と通報装置30との間の配線が不要となり、配線の工事費用を抑えることができる。
【0034】
また、図5の電話システムにおいては、平常時には使用しない回線インターフェイス33を必要とするとともに、電源回路25および充電式電池26と、電源回路35および充電式電池36とを重複して必要とするが、図1および図2の電話システムによれば、そのような必要がなく、この点からもシステムのコストを抑えることができる。
【0035】
さらに、各ボタン電話機10A〜10Nの各スピーカ13からも一斉に警報の音声が出力されるので、侵入者を威嚇することもできるとともに、警備員が構内をパトロール中であっても警備員に通報することができる。さらに、異常が発生したとき、回線41〜43のいずれかが空いていれば、その空いている回線を使用することにより、空いている回線がなければ、いずれかの回線をいったん強制切断してから使用することにより、異常を通報することができる。また、必要ならば、同時に2か所以上に通報することもできる。
【0036】
図4に示す電話システムにおいては、主装置20の交換スイッチ22にネットワークインターフェイス234が接続され、このネットワークインターフェイス234がケーブル44を通じてWAN50に接続されている場合である。したがって、この場合には、WAN50との間でも、警報に関する情報をやりとりすることができる。
【0037】
なお、上述においては、すべてのボタン電話機10A〜10Nに各センサ19を設けた場合であるが、一部のボタン電話機だけにセンサ19を設けることもでき、あるいは1台のボタン電話機に検知対象の異なる複数のセンサを設けることもできる。また、センサ19をボタン電話機に内蔵させないで、外付けとすることもできる。
【0038】
さらに、警備の開始や解除は主装置20のボタン操作で行うようにすることもできるが、ボタン電話機10A〜10Nのいずれかのキー17に対して所定のキー操作したとき、警備の開始や解除が実行されるようにすることもできる。その場合、例えば、警備の開始のキー操作をしてから1分後に警備が開始され、センサ19が人を検知してから1分後に通報を行うようにすれば、それらのキー操作を行っている人が侵入者として通報されることがない。
【0039】
また、警備の開始や解除は、ボタン電話機10A〜10Nをグループ分けしておき、そのグループ単位で行うこともできる。さらに、通報時、音声蓄積回路38に代えてモデムを接続し、音声データの代わりに異常を告げるデータを送出することもできる。また、ボタン電話機および主装置に代えてIP電話機および呼制御サーバとすることもできる。
【0040】
〔略語の一覧〕
ISDN:Integrated Service Digital Network
LCD :Liquid Crystal Display
WAN :Wide Area Network
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の一形態を示す系統図である。
【図2】この発明の一形態を示す系統図である。
【図3】この発明の一形態を示すフローチャートである。
【図4】この発明の他の形態を示す系統図である。
【図5】この発明を説明するための系統図である。
【符号の説明】
【0042】
10A〜10N…ボタン電話機、11…ハンドセット、14…コーデック、15…内線インターフェイス、16…制御回路、19…センサ、20…主装置、21A〜21N…内線インターフェイス、22…交換スイッチ、24…制御回路、27…通話先メモリ、28…音声蓄積回路、41〜43…電話回線、231〜233…回線インターフェイス
【出願人】 【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
【出願日】 平成19年9月28日(2007.9.28)
【代理人】 【識別番号】100091546
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 正美


【公開番号】 特開2008−11580(P2008−11580A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2007−253554(P2007−253554)