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【発明の名称】 移動通信端末
【発明者】 【氏名】栗山 一成

【氏名】谷口 貴也

【氏名】谷 則行

【要約】 【課題】空間を有効に活用した高密度実装を実現することができる移動通信端末を得ることを目的とする。

【構成】上部筐体1に形成されているレール3の端部に係合部4を形成するとともに、そのレール3とスライド自在に連結されるスライド片5を下部筐体2に取り付け、上部筐体1と下部筐体2が閉じている位置関係にあるとき、その係合部4と嵌合して上部筐体1のスライドを規制するロック機構6を下部筐体2に設ける。これにより、上部筐体1に形成されているレール3が、スライド片5を案内するガイド部と係合部4を収納する収納部を兼ねるようになるため、係合部4を収納する爪収納用の溝を上部筐体1に別途確保する必要がなくなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体と第2の筐体をスライド自在に連結するスライド機構を備えている移動通信端末において、上記スライド機構が上記第1の筐体に形成されているレールと、上記レールの端部に形成されている係合部と、上記第2の筐体に取り付けられ、上記レールとスライド自在に連結されるスライド片と、上記第2の筐体に設けられ、上記第1の筐体と上記第2の筐体が閉じている位置関係にあるとき、上記係合部と嵌合して上記第1の筐体のスライドを規制するロック機構とから構成されていることを特徴とする移動通信端末。
【請求項2】
スライド機構は、係合部とロック機構の嵌合が解除されると、第1の筐体に推力を与える弾性部材を備えていることを特徴とする請求項1記載の移動通信端末。
【請求項3】
スライド機構は、係合部とロック機構の嵌合を解除するロック解除ボタンを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の移動通信端末。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、上部筐体と下部筐体をスライド自在に連結するスライド機構を備えている例えば携帯電話機などの移動通信端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のスライド型の移動通信端末は、上部筐体と下部筐体をスライド自在に連結するスライド機構を備えている。
移動通信端末のスライド機構は、上部筐体に形成されている溝形状のレールと、下部筐体に設けられているスライド片とから構成されており、そのスライド片がレールとスライド自在に連結されることにより、上部筐体と下部筐体のスライドを実現している。
また、移動通信端末は、上部筐体と下部筐体がスライドしていない閉状態(上部筐体と下部筐体が閉じている状態)を保持するロック機構を備えている。
【0003】
移動通信端末のロック機構は、上部筐体に形成されている爪(以下、「上部爪」という)と、下部筐体に形成されている爪(以下、「下部爪」という)とから構成されており、上部爪と下部爪が引っ掛かることにより、閉状態を保持するようにしている。
また、ロック機構は、バネ機構を備えており、上部爪と下部爪の引っ掛かりが外されると、バネ機構に蓄えられている推力が上部筐体に与えられて、上部筐体がポップアップするようにしている。
なお、従来の移動通信端末においては、上部爪が上部筐体に形成されている溝形状のレール内には形成されておらず、別途、上部筐体に設けられている爪収納用の溝内に形成されている。
したがって、溝形状のレールの他に、爪収納用の溝を上部筐体の空間内に確保する必要がある。
【0004】
上記の移動通信端末の他に、次のようなロック機構を備えている移動通信端末が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
即ち、ガイドとなるシャーシと、そのシャーシ上を自由に移動するスライド片からなるロック機構が開発されている。
このロック機構では、スライド片の端部に爪形状の凸部が設けられ、その凸部に対応するシャーシ側には、スライド片が端部まで移動したときに凸部と嵌合する凹状のバネ機構が設けられている。
これにより、スライド片が端部まで移動すると、ロック機構が上部筐体と下部筐体をロックして閉じた状態を保持する。
【0005】
なお、ロック機構に作用する力として、ロックするバネの荷重(保持力)と、スライド片をスライドする荷重(操作荷重)がある。また、操作荷重には、ロックを着脱する2方向の力がある。
通常、保持力は高く、操作荷重は低く設定したいという要求があるが、これは保持力と操作荷重(特に脱荷重方向の荷重)に関して相反する要求であり、高い保持力と低い操作荷重の両立は困難であるため、上記の特許文献1に開示されている移動通信端末に、上部筐体がポップアップする機構を実現することは困難である。
【0006】
【特許文献1】特開2004−349906号公報(段落番号[0012]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の移動通信端末は以上のように構成されているので、ロック機構に備えられているバネ機構が、上部爪と下部爪の引っ掛かりが外されると、上部筐体に推力を与えるようにすれば、上部筐体がポップアップする機構を構築することができる。しかし、溝形状のレールの他に、爪収納用の溝を上部筐体の空間内に確保する必要があるため、その分だけ、上部筐体における部品収納領域が圧迫されて、空間を有効に活用した高密度実装の妨げになるなどの課題があった。
【0008】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、空間を有効に活用した高密度実装を実現することができる移動通信端末を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る移動通信端末は、第1の筐体に形成されているレールの端部に係合部を形成するとともに、そのレールとスライド自在に連結されるスライド片を第2の筐体に取り付け、第1の筐体と第2の筐体が閉じている位置関係にあるとき、その係合部と嵌合して第1の筐体のスライドを規制するロック機構を第2の筐体に設けるようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、第1の筐体に形成されているレールの端部に係合部を形成するとともに、そのレールとスライド自在に連結されるスライド片を第2の筐体に取り付け、第1の筐体と第2の筐体が閉じている位置関係にあるとき、その係合部と嵌合して第1の筐体のスライドを規制するロック機構を第2の筐体に設けるように構成したので、第1の筐体に形成されているレールが、スライド片を案内するガイド部と係合部を収納する収納部を兼ねるようになり、その結果、係合部を収納する爪収納用の溝を第1の筐体に別途確保する必要がなくなるため、空間を有効に活用した高密度実装を実現することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による移動通信端末を示す側面図であり、特に、図1(a)は上部筐体と下部筐体が閉じている状態を示し、図1(b)は上部筐体と下部筐体が開いている状態を示している。
図2はこの発明の実施の形態1による移動通信端末を示す斜視図であり、特に、図2(a)は上部筐体と下部筐体が閉じている状態を示し、図2(b)は上部筐体と下部筐体が開いている状態を示している。
図3はこの発明の実施の形態1による移動通信端末の上部筐体の裏面を示す斜視図であり、特に、図3(a)は上部筐体と下部筐体が閉じている状態を示し、図3(b)は上部筐体と下部筐体が開いている状態を示している。
ただし、図3には、上部筐体に取り付けられる部品だけでなく、下部筐体に取り付けられる部品の一部(例えば、後述するスライド片5、ロック機構6)も表している。
【0012】
図において、上部筐体1は例えば移動通信端末(例えば、携帯電話機、PDAなど)の回路基板など、移動通信端末の各種部品を実装するとともに、表面に液晶ディスプレイなどを実装しているケースである。なお、上部筐体1は第1の筐体を構成している。
下部筐体2は例えば移動通信端末の回路基板など、移動通信端末の各種部品を実装するとともに、表面に入力キーなどを実装しているケースである。なお、下部筐体2は第2の筐体を構成している。
図1では、上部筐体1が第1の筐体を構成し、下部筐体2が第2の筐体を構成している例を示しているが、上部筐体1が第2の筐体を構成し、下部筐体2が第1の筐体を構成するようにしてもよい。
【0013】
溝形状のレール3は上部筐体1の裏面に形成されており、レール3はスライド片5の移動を案内するガイド部としての機能と、係合部4を収納する収納部としての機能を有している。
係合部4はレール3の端部に形成されており、上部筐体1と下部筐体2が閉じている位置関係にあるとき、ロック機構6の爪6aと嵌合する爪状の部材である。
スライド片5は下部筐体2に取り付けられており、レール3とスライド自在に連結されている。
【0014】
ロック機構6は下部筐体2に設けられており、上部筐体1と下部筐体2が閉じている位置関係にあるとき、係合部4と嵌合して上部筐体1のスライドを規制する。また、ロック機構6は上部筐体1のポップアップを実現する機構として推力バネ7を備えている。
弾性部材である推力バネ7は係合部4とロック機構6の嵌合が解除されると、上部筐体1に推力を与えることにより、スライド片5がレール3の端部(係合部4が形成されていない側の端部)に突き当たるまで上部筐体1をスライドさせるポップアップ機能を備えている。
なお、レール3、係合部4、スライド片5及びロック機構6からスライド機構が構成されている。
【0015】
図4はこの発明の実施の形態1による移動通信端末を示す分解斜視図であり、図において、上側ケース1−1は上部筐体1の上側のケースであり、下側ケース1−2は上部筐体1の下側のケースである。
上側ケース2−1は下部筐体2の上側のケースであり、下側ケース2−2は下部筐体2の下側のケースである。
ネジ11は上部筐体1の下側ケース1−2と下部筐体2の上側ケース2−1を締結する締結部材である。
【0016】
図5は上部筐体1の下側ケース1−2と下部筐体2の上側ケース2−1を示す表面視図であり、特に、図5(a)は上部筐体1と下部筐体2が閉じている状態を示し、図5(b)は上部筐体1と下部筐体2が開いている状態を示している。
図6は上部筐体1の下側ケース1−2と下部筐体2の上側ケース2−1を示す裏面視図であり、特に、図6(a)は上部筐体1と下部筐体2が閉じている状態を示し、図6(b)は上部筐体1と下部筐体2が開いている状態を示している。
図において、ロック解除ボタン8は係合部4とロック機構6の嵌合を解除する操作ボタンである。
【0017】
図7は下部筐体2の上側ケース2−1を示す斜視図であり、特に、図7(a)はロック解除ボタン8が押下されておらず、ロック機構6の爪6aが、係合部4が形成されている位置(高さ)まで上方向に付勢されている様子を示しており、図7(b)はロック解除ボタン8が押下されて、ロック機構6の爪6aが、係合部4が形成されている位置より下方向に下げられている様子を示している。
図8はこの発明の実施の形態1による移動通信端末を示す断面図であり、特に、図8(a)は図5のX−X断面図であり、図8(b)は図5のY−Y断面図である。
図9はスライド片5及び推力バネ7を示す斜視図であり、特に、図9(a)は上部筐体1と下部筐体2が閉じている状態を示し、図9(b)は上部筐体1と下部筐体2が開いている状態を示している。
【0018】
次に動作について説明する。
図4に示すように、上部筐体1は、上側ケース1−1と下側ケース1−2から構成されており、下部筐体2は、上側ケース2−1と下側ケース2−2から構成されている。
上部筐体1の下側ケース1−2と下部筐体2の上側ケース2−1は、図4に示すように、スライド片5とネジ11が結合されることによって締結されている。
【0019】
ロック機構6の爪6aは、ロック解除ボタン8が押下されていない状況下では、係合部4が形成されている位置(高さ)まで上方向に付勢されている(図1(a)、図7(a)を参照)。
このため、上部筐体1と下部筐体2が閉じている位置関係にあるときは、図1(a)に示すように、レール3の端部に形成されて係合部4がロック機構6の爪6aと嵌合する。
これにより、ロック機構6の保持力によって、上部筐体1と下部筐体2の閉状態が保持される。
ロック機構6により上部筐体1と下部筐体2の閉状態が保持されている状況下では、図3(a)、図6(a)及び図9(a)に示すように、弾性部材である推力バネ7が収縮され、推力バネ7は伸び方向の反発力を蓄積する。
【0020】
一方、ロック解除ボタン8が押下されると、ロック機構6の爪6aが、図7(b)に示すように、係合部4が形成されている位置より下方向に下げられる。
これにより、ロック機構6の爪6aと係合部4の引っ掛かりが外れて、係合部4とロック機構6の嵌合が解除される。
このように、係合部4とロック機構6の嵌合が解除されると、ロック機構6の保持力が無くなるため、推力バネ7による伸び方向の反発力が、上部筐体1に対する推力として与えられる。
これにより、下部筐体2に取り付けられているスライド片5がレール3の端部(係合部4が形成されていない側の端部)に突き当たるまでスライドする(図1(b)、図2(b)、図3(b)、図5(b)、図6(b)、図9(b)を参照)。
【0021】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、上部筐体1に形成されているレール3の端部に係合部4を形成するとともに、そのレール3とスライド自在に連結されるスライド片5を下部筐体2に取り付け、上部筐体1と下部筐体2が閉じている位置関係にあるとき、その係合部4と嵌合して上部筐体1のスライドを規制するロック機構6を下部筐体2に設けるように構成したので、上部筐体1に形成されているレール3が、スライド片5を案内するガイド部と係合部4を収納する収納部を兼ねるようになり、その結果、係合部4を収納する爪収納用の溝を上部筐体1に別途確保する必要がなくなるため、空間を有効に活用した高密度実装を実現することができる効果を奏する。
【0022】
また、この実施の形態1によれば、スライド機構が係合部4とロック機構6の嵌合を解除するロック解除ボタン8を備えるように構成したので、簡単な操作で上部筐体1と下部筐体2が閉じている状態を解除することができる効果を奏する
【0023】
さらに、この実施の形態1によれば、ロック解除ボタン8が押下されて係合部4とロック機構6の嵌合が解除されると、上部筐体1に推力を与える推力バネ7を備えるように構成したので、ロック解除ボタン8を押下するだけで、上部筐体1のスライドを実現することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の実施の形態1による移動通信端末を示す側面図である。
【図2】この発明の実施の形態1による移動通信端末を示す斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1による移動通信端末の上部筐体の裏面を示す斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態1による移動通信端末を示す分解斜視図である。
【図5】上部筐体の下側ケースと下部筐体の上側ケースを示す表面斜図である。
【図6】上部筐体の下側ケースと下部筐体の上側ケースを示す裏面斜図である。
【図7】下部筐体の上側ケースを示す斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態1による移動通信端末を示す断面図である。
【図9】スライド片及び推力バネを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
1 上部筐体(第1の筐体)、1−1 上部筐体の上側ケース、1−2 上部筐体の下側ケース、2 下部筐体(第2の筐体)、2−1 下部筐体の上側ケース、2−2 下部筐体の下側ケース、3 レール(スライド機構)、4 係合部(スライド機構)、5 スライド片(スライド機構)、6 ロック機構(スライド機構)、6a 爪、7 推力バネ(弾性部材)、8 ロック解除ボタン、11 ネジ。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭

【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延

【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音


【公開番号】 特開2008−11214(P2008−11214A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−179936(P2006−179936)