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【発明の名称】 多地点通話システム、及び多地点通話方法
【発明者】 【氏名】八木 雅浩

【要約】 【課題】多地点通話にかかる処理の軽減を実現する。

【構成】複数の移動局装置20間で行われる多地点通話を中継する多地点通話中継装置10を含む移動体通信システム1において、多地点通話中継装置10は、複数の移動局装置20のうち、注目移動局装置20以外の各移動局装置20がそれぞれ送信した音声データを受信する受信部11と、受信される各音声データから、有限の時間分の音声を示す部分音声データを順に取得し、取得される各部分音声データを、注目移動局装置20に対し、送信元電話機が切り替わるよう、順に送信する回線制御部14と、を含み、注目移動局装置20は、多地点通話中継装置10から、各部分音声データを順に受信する受信部23と、受信された各部分音声データを、少なくとも送信元移動局装置20ごとに順に出力する出力部24と、を含む、ことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電話機間で行われる多地点通話を中継する多地点通話中継装置を含む多地点通話システムであって、
前記多地点通話中継装置は、
前記複数の電話機のうち、注目電話機以外の各電話機がそれぞれ送信した音声データを受信する中継装置受信部と、
前記中継装置受信部により受信される各音声データから、有限の時間分の音声を示す部分音声データを順に取得する取得部と、
前記取得部により取得される各部分音声データを、前記注目電話機に対し、送信元電話機が切り替わるよう、順に送信する中継装置送信部と、
を含み、
前記注目電話機は、
前記多地点通話中継装置から、前記各部分音声データを順に受信する電話機受信部と、
前記電話機受信部により受信された前記各部分音声データを、少なくとも送信元電話機ごとに順に出力する出力部と、
を含む、
ことを特徴とする多地点通話システム。
【請求項2】
請求項1に記載の多地点通話システムにおいて、
前記出力部は複数のスピーカを含み、前記電話機受信部により受信された前記各部分音声データを、その送信元電話機ごとに互いに異なるスピーカから出力する、
ことを特徴とする多地点通話システム。
【請求項3】
請求項1に記載の多地点通話システムにおいて、
前記出力部は、前記電話機受信部により受信された前記各部分音声データを、その受信順に出力する、
ことを特徴とする多地点通話システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多地点通話システムにおいて、
前記有限の時間は、1タイムスロット分に相当する時間である、
ことを特徴とする多地点通話システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の多地点通話システムにおいて、
前記多地点通話中継装置は、
前記注目電話機が、他の前記各電話機との多地点通話を許容するか否かを判定する判定部、
をさらに含み、
前記中継装置送信部は、前記判定部の判定結果に応じて、送信を開始する、
ことを特徴とする多地点通話システム。
【請求項6】
複数の電話機間で多地点通話を行う多地点通話方法であって、
多地点通話中継装置において、
前記複数の電話機のうち、注目電話機以外の各電話機がそれぞれ送信した音声データを受信する中継装置受信ステップと、
前記中継装置受信ステップにおいて受信される各音声データから、有限の時間分の音声を示す部分音声データを順に取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得される各部分音声データを、前記注目電話機に対し、送信元電話機が切り替わるよう、順に送信する中継装置送信ステップと、
を実行し、
前記注目電話機において、
前記多地点通話中継装置から、前記各部分音声データを順に受信する電話機受信ステップと、
前記電話機受信ステップにおいて受信された前記各部分音声データを、少なくとも送信元電話機ごとに順に出力する出力ステップと、
を実行する、
ことを特徴とする多地点通話方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は多地点通話システム、及び多地点通話方法に関し、特に、多地点通話にかかる処理を軽減するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電話システムにおいては、多地点通話が行われることがある(例えば、特許文献1乃至3参照。)。従来の電話システムで多地点通話を実現する場合、各電話機が送信する音声データを合成するための音声合成システムを、電話機や、電話機間で送受信される音声データを中継する多地点通話中継装置などに備えておく必要がある。
【特許文献1】特開2003−298751号公報
【特許文献2】特開2004−336676号公報
【特許文献3】特開2005−117372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、音声合成にかかる処理は非常に重く、処理の軽減が望まれている。
【0004】
従って、本発明の課題の一つは、多地点通話にかかる処理の軽減を実現する多地点通話システム、及び多地点通話方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明にかかる多地点通話システムは、複数の電話機間で行われる多地点通話を中継する多地点通話中継装置を含む多地点通話システムであって、前記多地点通話中継装置は、前記複数の電話機のうち、注目電話機以外の各電話機がそれぞれ送信した音声データを受信する中継装置受信部と、前記中継装置受信部により受信される各音声データから、有限の時間分の音声を示す部分音声データを順に取得する取得部と、前記取得部により取得される各部分音声データを、前記注目電話機に対し、送信元電話機が切り替わるよう、順に送信する中継装置送信部と、を含み、前記注目電話機は、前記多地点通話中継装置から、前記各部分音声データを順に受信する電話機受信部と、前記電話機受信部により受信された前記各部分音声データを、少なくとも送信元電話機ごとに順に出力する出力部と、を含む、ことを特徴とする。
【0006】
これによれば、送信元電話機を切り替えつつ部分音声データを送信することにより多地点通話を実現できるので、電話機や多地点通話中継装置で音声合成を行わなくとも、多地点通話を実現できる。その結果、多地点通話にかかる処理の軽減が実現される。
【0007】
また、上記多地点通話システムにおいて、前記出力部は複数のスピーカを含み、前記電話機受信部により受信された前記各部分音声データを、その送信元電話機ごとに互いに異なるスピーカから出力する、こととしてもよい。
【0008】
これによれば、注目電話機内での音声合成が不要になる。
【0009】
また、上記多地点通話システムにおいて、前記出力部は、前記電話機受信部により受信された前記各部分音声データを、その受信順に出力する、こととしてもよい。
【0010】
このようにしても、注目電話機内での音声合成が不要になる。
【0011】
また、上記各多地点通話システムにおいて、前記有限の時間は、1タイムスロット分に相当する時間である、こととしてもよい。
【0012】
これによれば、タイムスロットごとに送信元電話機を切り替えることにより、多地点通話を実現できる。
【0013】
また、上記各多地点通話システムにおいて、前記多地点通話中継装置は、前記注目電話機が、他の前記各電話機との多地点通話を許容するか否かを判定する判定部、をさらに含み、前記中継装置送信部は、前記判定部の判定結果に応じて、送信を開始する、こととしてもよい。
【0014】
これによれば、多地点通話中継装置は、注目電話機が他の各電話機との多地点通話を許容する場合のみ、多地点通話を実施することができる。
【0015】
また、本発明にかかる多地点通話方法は、複数の電話機間で多地点通話を行う多地点通話方法であって、多地点通話中継装置において、前記複数の電話機のうち、注目電話機以外の各電話機がそれぞれ送信した音声データを受信する中継装置受信ステップと、前記中継装置受信ステップにおいて受信される各音声データから、有限の時間分の音声を示す部分音声データを順に取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得される各部分音声データを、前記注目電話機に対し、送信元電話機が切り替わるよう、順に送信する中継装置送信ステップと、を実行し、前記注目電話機において、前記多地点通話中継装置から、前記各部分音声データを順に受信する電話機受信ステップと、前記電話機受信ステップにおいて受信された前記各部分音声データを、少なくとも送信元電話機ごとに順に出力する出力ステップと、を実行する、ことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態にかかる移動体通信システム1のシステム構成を示す図である。同図に示すように、移動体通信システム1は、多地点通話中継装置10と、複数の移動局装置20と、を含んで構成される。
【0018】
多地点通話中継装置10は、さらに基地局装置30と交換機40を含んで構成される。
【0019】
移動局装置20、基地局装置30、交換機40は、いずれもCPU及びメモリを備えるコンピュータである。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行するための処理ユニットであり、各装置の各部を制御する処理を行うとともに、後述する各機能部を実現する。メモリは本実施の形態を実施するためのプログラムやデータを記憶している。また、CPUのワークメモリとしても動作する。
【0020】
各移動局装置20は電話機として機能し、1対1で相互通話を行う他、多地点間での相互通話も行う。本実施の形態では、移動局装置20が行う通信は時分割多重及び時分割複信により多重化されている。
【0021】
時分割多重及び時分割複信では、4つの上りタイムスロットが連続して送信され、その後4つの下りタイムスロットが連続して送信される。以降、同様に上りタイムスロットと下りタイムスロットとが4つずつ繰り返し送信される。4つの上りタイムスロットと、続く4つの下りタイムスロットと、は1フレームを構成する。
【0022】
移動局装置20は、フルレート通信、ハーフレート通信、クォーターレート通信のいずれかにより、通信を行う。これらは、上記タイムスロットの使用態様により区分される。フルレート通信では、移動局装置20は、連続するフレーム全てを使用し、各フレーム内では、上りタイムスロットのn番目と、下りタイムスロットのn番目と、を使用する。ハーフレート通信では、移動局装置20は、連続するフレームを1つおきに使用し、使用フレーム内では、上りタイムスロットのn番目と、下りタイムスロットのn番目と、を使用する。クォーターレート通信では、移動局装置20は、連続するフレームを3つおきに使用し、使用フレーム内では、上りタイムスロットのn番目と、下りタイムスロットのn番目と、を使用する。
【0023】
本実施の形態では、1対1の相互通話はフルレート通信で行われる。一方、多地点間の相互通話では、ハーフレート通信、クォーターレート通信が適宜使用される。以下の説明では、簡単のため、ハーフレート通信を使用する場合を取り上げて説明する。
【0024】
多地点通話中継装置10は、移動局装置20間で行われる通話を中継するとともに、多地点通話の開始を管理する。
【0025】
図2は、多地点通話中継装置10及び移動局装置20の機能ブロックを示す図である。同図に示すように、多地点通話中継装置10は機能的に、受信部11、通話管理部12、送信部13、回線制御部14を含んで構成される。また、移動局装置20は機能的に、入力部21、送信部22、受信部23、出力部24、通話管理部25を含んで構成される。以下では、まず多地点通話の開始の管理にかかる構成について説明し、その後多地点通話実施中の回線制御にかかる構成について説明し、最後に移動局装置20における音声出力にかかる構成について説明する。
【0026】
まず、多地点通話の開始の管理にかかる構成について説明する。
【0027】
以下では、移動局装置20(移動局装置20Aとする。)が、他の移動局装置20(移動局装置20Bとする。)との間で1対1の通信を行っている状態を初期状態とする。この状態において、さらに他の移動局装置20(移動局装置20Cとする。)が、移動局装置20Aとの間で通話を開始しようとする場合を例にとって説明する。
【0028】
移動局装置20Cの入力部21は、ユーザから、移動局装置20Aとの通話開始の要求を受け付ける。具体的には、移動局装置20Aの電話番号の入力を受け付ける。
【0029】
通話管理部25は、入力部21が通話開始の要求を受け付けると、通話開始要求信号を生成し、送信部22に出力する。送信部22は、通話開始要求信号を、多地点通話中継装置10に対して無線送信する。
【0030】
多地点通話中継装置10は、受信部11において通話開始要求信号を受信する。受信部11は、受信した通話開始要求信号を通話管理部12に出力する。
【0031】
通話管理部12は、移動局装置20Aが通話中であるか否かを判定する。通話中でなければ、移動局装置20Cと移動局装置20Aの間での1対1通話の開始処理を行う。通話中であれば、移動局装置20Aが他の各移動局装置20との多地点通話を許容するか否かを判定する。より具体的には、移動局装置20Aが所定条件を満たしているか否かを判定する。
【0032】
上記所定条件について説明する。上記所定条件には、移動局装置20Aがハーフレート通信/クォーターレート通信を許容していること(条件1)、多地点通話を許容していること(条件2)、現在行っている通話が他の4つの移動局装置20との多地点通話でないこと(条件3)、が含まれる。
【0033】
条件1及び条件2に関しては、通話管理部12は、移動局装置20ごとに、ハーフレート通信/クォーターレート通信を許容しているか否か、及び多地点通話を許容しているか否か、を示す情報を記憶している。これらは、ユーザにより設定される情報であるとすることが好適である。通話管理部12は、これらの情報に基づき、移動局装置20Aが条件1及び条件2を満たしているか否かを判定する。
【0034】
条件3に関しては、通話管理部12は、各移動局装置20の通話相手数を管理しており、管理している情報から移動局装置20Aの通話相手数を取得することにより、移動局装置20Aが条件3を満たしているか否かを判定する。
【0035】
図3は、通話管理部12により記憶乃至管理される上記各情報の例を示す図である。同図に示すように、通話管理部12は、移動局装置20ごとに、1バイトの情報(多地点通話情報)により、上記各情報を記憶乃至管理する。同図に示す「レート操作可能フラグ」は、1ビットのデータであり、ハーフレート通信/クォーターレート通信を許容しているか否かを示す情報である。また、「多地点通話許可フラグ」は、1ビットのデータであり、多地点通話を許容しているか否かを示す情報である。さらに、「使用レート情報」は、2ビットのデータであり、通話相手数を示している。
【0036】
通話管理部12は、移動局装置20Aについて上記所定条件が満たされる場合に、次に移動局装置20Aの通話相手である1又は複数の移動局装置20(ここでは移動局装置20B)についても、同様にして、上記所定条件が満たされるか否かを判定する。その結果、満たされている場合に、移動局装置20A及び移動局装置20Bに対し、移動局装置20Cとの多地点通話を許可するか否かを問い合わせる。具体的には、問い合わせ信号を生成し、送信部13を介して移動局装置20A及び移動局装置20Bに対して送信する。
【0037】
移動局装置20A及び移動局装置20Bにおいては、それぞれ以下の処理が行われる。すなわち、受信部23は、問い合わせ信号を受信すると、通話管理部25に出力する。通話管理部25は、出力部24を介し、移動局装置20Cとの多地点通話を許可するか否かを問い合わせる所定の画面を表示する。ユーザは、この画面に従って許可/不許可のいずれかを指示する。入力部21はこの指示を受け付けると、通話管理部25に出力する。通話管理部25は、この指示を示す指示信号を生成し、送信部22を介して、多地点通話中継装置10に対して送信する。
【0038】
受信部11は、指示信号を受信し、通話管理部12に出力する。通話管理部12は、指示信号の入力を受け、各移動局装置20のユーザがいずれも多地点通話を許可しているか否かを判定する。いずれのユーザも多地点通話を許可している場合には、移動局装置20Cを含む各移動局装置20間で多地点通話を開始するよう、回線制御部14に指示する。
【0039】
なお、通話管理部12は、移動局装置20A及び移動局装置20Bのいずれかが上記所定条件を満たしていない場合、及びいずれかのユーザが多地点通話を許可していない場合には、多地点通話を開始しない。
【0040】
以上の処理を、多地点通話中継装置10の処理フローを参照しながら、より詳細に説明する。
【0041】
図4及び図5は、多地点通話の開始の管理にかかる処理の処理フローを示す図である。図4に示すように、初期状態において、移動局装置20Aと移動局装置20Bとが通話中であるとする(S1)。この状態で、移動局装置20Cが、移動局装置20Aに対して発呼する(S2)。
【0042】
移動局装置20Cの発呼を受け、多地点通話中継装置10は、移動局装置20AについてS4乃至S6の処理を行う。
【0043】
S4では、多地点通話中継装置10はレート操作可能フラグを確認する。レート操作可能フラグがOFF状態(ハーフレート通信/クォーターレート通信非許容)である場合、多地点通話中継装置10は、移動局装置20Cに対して「話中」を返信する。レート操作可能フラグがON状態(ハーフレート通信/クォーターレート通信許容)である場合には、多地点通話中継装置10は、次に多地点通話許可フラグを確認する(S5)。多地点通話許可フラグがOFF状態(多地点通話非許容)である場合、多地点通話中継装置10は、移動局装置20Cに対して「話中」を返信する。多地点通話許可フラグがON状態(多地点通話許容)である場合には、多地点通話中継装置10は、次に使用レート情報を確認する(S6)。使用レート情報により通話相手数が4であることが示される場合、多地点通話中継装置10は、移動局装置20Cに対して「話中」を返信する。使用レート情報により通話相手数が4より少ないことが示される場合、多地点通話中継装置10は、移動局装置20BについてS4乃至S6の処理を行う(S3乃至S7のループ処理)。
【0044】
移動局装置20Cに対して「話中」を返信することなくS3乃至S7のループ処理を抜けると、多地点通話中継装置10は、次に、移動局装置20A及び移動局装置20Bに対し、多地点通話を許可するか否かを問い合わせる。そして、その回答に基づき、以下の処理を行う。
【0045】
図5に示すように、多地点通話中継装置10は、まず、移動局装置20Aが多地点通話を許可したか否かを判定する(S10)。多地点通話を許可していた場合、次に、移動局装置20Bが多地点通話を許可したか否かを判定する(S11)。その結果、移動局装置20Bも多地点通話を許可していた場合、多地点通話中継装置10は、移動局装置20A、移動局装置20B、及び移動局装置20Cの間で多地点通話を開始する(S14)。
【0046】
S10において多地点通話を許可していないと判定した場合、多地点通話中継装置10は、移動局装置20Aがキャッチホンを許容しているか否かを判定する(S12)。許容している場合、多地点通話中継装置10は、移動局装置20Aに対し、移動局装置20Cからの着信を通知する(S16)。一方、許容していない場合、多地点通話中継装置10は、移動局装置20Cに対し、話中を通知する(S17)。
【0047】
S11において多地点通話を許可していないと判定した場合、多地点通話中継装置10は、移動局装置20Aがキャッチホン又は2対1通話のいずれかを許容しているか否かを判定する(S13)。2対1通話とは、ある移動局装置20と、他の2つの移動局装置20と、がそれぞれ互いに通話する一方、該他の2つの移動局装置20同士の間では通話がなされないという通信形態である。移動局装置20Aがキャッチホンを許容している場合、多地点通話中継装置10は、移動局装置20Aに対し、移動局装置20Cからの着信を通知する(S16)。一方、移動局装置20Aが2対1通話を許容している場合、多地点通話中継装置10は、移動局装置20Aと移動局装置20Cとの間での通話を開始し、もって2対1通話を開始する(S15)。
【0048】
次に、多地点通話実施中の回線制御にかかる構成について説明する。以下では、3つの移動局装置20(移動局装置20A,移動局装置20B,及び移動局装置20C)間での多地点通話を例にとって説明する。
【0049】
各移動局装置20の入力部21は、ユーザの音声を順次取得し、音声データとして送信部22に順次出力する。送信部22は、入力された各音声データを、フルレートで、多地点通話中継装置10に順次出力する。
【0050】
受信部11は、各移動局装置20がそれぞれ送信した一連の音声データを受信し、回線制御部14に出力する。回線制御部14は、フルレートで受信された上記各一連の音声データから、有限の時間分の音声を示す部分音声データを順に取得する。そして、取得した各部分音声データを、送信元の移動局装置20以外の移動局装置20に対し、送信元の移動局装置20が切り替わるよう、順に送信する。
【0051】
具体的な例では、回線制御部14は、移動局装置20B及び移動局装置20Cが送信した一連の音声データを、それぞれ隔フレームで交互に取得することによって一連の部分音声データを得る。そして、移動局装置20Aに対して、順に送信する。この結果、回線制御部14は、移動局装置20B及び移動局装置20Cがフルレートで送信した一連の音声データを、それぞれハーフレートで送信することとなる。移動局装置20B及び移動局装置20Cに対して送信する一連の音声データについても同様である。
【0052】
図6及び図7は、以上のような音声データの受信及び送信について説明するための図である。各図に示すように、各移動局装置20は、一定の間隔で順に送信される一連のタイムスロットを用いて一連の音声データを送信する。より具体的には、連続するフレーム全てを使用し、各フレーム内では、上りタイムスロットのn番目(図6及び図7ではn=1)に部分音声データを含めて送信する。
【0053】
また、各移動局装置20は、一定の間隔で順に送信される一連のタイムスロットを用いて一連の音声データの受信を行う。より具体的には、連続するフレーム全てを使用し、各フレーム内では、下りタイムスロットのn番目(図6及び図7ではn=1)を受信する。多地点通話中継装置10は、ある移動局装置20の通信相手である他の2つの移動局装置20が送信した一連の音声データを、フレーム1つおきに1タイムスロット分ずつ順に取得して部分音声データとし、該移動局装置20に対して送信する一連の下りタイムスロットに、送信元の移動局装置20が切り替わるよう、交互に含める。その結果、各移動局装置20は、他の2つの移動局装置20がフルレートで送信した一連の音声データを、それぞれハーフレートで受信する。
【0054】
より具体的な例で説明する。以下の説明では、移動局装置20Aが多地点通話中継装置10に対して送信するタイムスロットを、通信開始時に送信されるものから順にAS1,AS2,・・・と名付け、移動局装置20Bが多地点通話中継装置10に対して送信するタイムスロットを、通信開始時に送信されるものから順にBS1,BS2,・・・と名付け、移動局装置20Cが多地点通話中継装置10に対して送信するタイムスロットを、通信開始時に送信されるものから順にCS1,CS2,・・・と名付け、多地点通話中継装置10が移動局装置20Aに対して送信するタイムスロットを、通信開始時に送信されるものから順にAR1,AR2,・・・と名付け、多地点通話中継装置10が移動局装置20Bに対して送信するタイムスロットを、通信開始時に送信されるものから順にBR1,BR2,・・・と名付け、多地点通話中継装置10が移動局装置20Cに対して送信するタイムスロットを、通信開始時に送信されるものから順にCR1,CR2,・・・と名付けることにする。上記各タイムスロットのうち、添え字が同一のものは、略同一タイミングで送信されるものとする。
【0055】
多地点通話中継装置10は、移動局装置20Aが送信するタイムスロットのうち、A,AS3,・・・(奇数番目)のものに含まれる音声データを、移動局装置20Bが受信するタイムスロットBR1,BR3,・・・(奇数番目)に、含めて送信する。また、移動局装置20Aが送信するタイムスロットのうち、AS2,AS4,・・・(偶数番目)のものに含まれる部分音声データを、移動局装置20Cが受信するタイムスロットC,CR4,・・・(偶数番目)に、含めて送信する。他の移動局装置20が送信するタイムスロットに含まれる部分音声データについても同様に、多地点通話中継装置10は、各移動局装置20が受信するタイムスロットに含めて送信する。
【0056】
次に、移動局装置20における音声出力にかかる構成について説明する。
【0057】
受信部23は、一連のタイムスロットにそれぞれ含まれる各部分音声データを順に受信し、出力部24に出力する。
【0058】
出力部24は、受信部23から入力された各部分音声データを、少なくとも送信元の移動局装置20ごとに順に出力する。
【0059】
具体的な例では、出力部24は、スピーカを複数備えている。図8は、2つのスピーカを備える出力部24を有している移動局装置20の外観図である。
【0060】
出力部24は、順次入力される各部分音声データを、その送信元の移動局装置20ごとに異なるスピーカから出力する。図9は、このような音声データの出力態様を説明するための説明図である。同図の例では、一連の下りタイムスロットに、交互に移動局装置20Bが送信した一連の音声データに対応する部分音声データと、移動局装置20Cが送信した一連の音声データに対応する部分音声データと、が含まれる。出力部24は、移動局装置20Bとスピーカa、移動局装置20Cとスピーカb、とを対応付ける。そして、移動局装置20Bが送信した一連の音声データに対応する部分音声データをスピーカaから、移動局装置20Cが送信した一連の音声データに対応する部分音声データをスピーカbから、それぞれ出力する。
【0061】
なお、この場合において、出力部24は、例えば移動局装置20Bが送信した一連の音声データに対応する部分音声データの出力タイミングを遅延させ、移動局装置20Cが送信した一連の音声データに対応する部分音声データの出力タイミングと合わせるようにしてもよい。こうすれば、より自然な音声出力が得られる。
【0062】
また、出力部24は、スピーカを1つのみ備えることとしてもよい。この場合、出力部24は、順次入力される各部分音声データを、その受信順に、1つのスピーカから出力するようにすることが好適である。
【0063】
以上説明したように、移動体通信システム1によれば、送信元移動局装置20を切り替えつつ、部分音声データを送信する(一連のタイムスロットに交互に部分音声データを含める)ことにより多地点通話を実現できるので、各移動局装置20や多地点通話中継装置10で音声合成を行わなくとも、多地点通話を実現できる。その結果、多地点通話にかかる処理の軽減が実現される。
【0064】
また、各移動局装置20はフルレートで一連の音声データを送受信しながら、各移動局装置20相互間ではハーフレートで一連の音声データを送受信している、という通信状態を作り出すことができる。すなわち、一旦多地点通話が開始された後は、移動局装置20は、複数のスピーカに部分音声データを振り分ける処理以外、多地点通話のための特段の処理をせずとも、多地点通話を実施することができる。
【0065】
さらに、多地点通話中継装置10は、各移動局装置20が他の各移動局装置20との多地点通話を許容する場合のみ、多地点通話を実施することができる。
【0066】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態では、移動体通信システムに本発明を適用した例について説明したが、複数の電話機間で行われる多地点通話を中継する多地点通話中継装置を含む多地点通話システムであれば、例えば加入者電話によるものや、IP電話によるものなど、種々のものに本発明を適用することが可能である。
【0067】
また、上記実施の形態では3つの電話機間での多地点通話を例にとって説明したが、より多くの電話機間での多地点通話にも本発明を適用することができる。例えば5つの電話機間での多地点通話では、各送信電話機が送信した一連の音声データを、タイムスロット3つおきに一連のタイムスロットに含めることにより、送信元電話機が切り替わるようにすることができる。この場合、各送信元電話機が送信した一連の音声データは、クォーターレートで受信されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態にかかる移動体通信システムのシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる多地点通話中継装置及び移動局装置の機能ブロックを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる通話管理部により記憶乃至管理される多地点通話情報を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる多地点通話中継装置において実行される、多地点通話の開始の管理にかかる処理の処理フローを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかる多地点通話中継装置において実行される、多地点通話の開始の管理にかかる処理の処理フローを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかる音声データの受信及び送信について説明するための説明図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかる音声データの受信及び送信について説明するための説明図である。
【図8】本発明の実施の形態にかかる、2つのスピーカを備える出力部を有している移動局装置の外観図である。
【図9】本発明の実施の形態にかかる出力部が、順次入力される各音声データを、該各音声データを送信した移動局装置ごとに異なるスピーカから出力する場合の、音声データの出力態様を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0069】
1 移動体通信システム、10 多地点通話中継装置、11 受信部、12 通話管理部、13 送信部、14 回線制御部、20 移動局装置、21 入力部、22 送信部、23 受信部、24 出力部、25 通話管理部、30 基地局装置、40 交換機。
【出願人】 【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
【出願日】 平成18年6月28日(2006.6.28)
【代理人】 【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所


【公開番号】 特開2008−11108(P2008−11108A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−178609(P2006−178609)