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【発明の名称】 コネクティビティ木を生成する方法
【発明者】 【氏名】ハートセン,ヤコブス,コーネリス

【要約】 【課題】音声およびデータの両方をサポートでき、限定された無線スペクトルを効率的に使用でき、コスト効果のある無線ネットワークを提供する。

【構成】マスターおよびスレーブを含む無線ネットワーク。マスターはマスターのアドレスおよびクロックをスレーブに送信する。通信は仮想周波数ホッピングチャネルによって行われ、ホッピングシーケンスはマスターアドレスに応じて決定され、位相はマスタークロックに応じて決定される。送信された照会メッセージはスレーブからスレーブアドレスおよびトポロジー情報を要求し、これらの情報はマスターとスレーブ間の接続経路を決定するための構成木を生成するのに使用される。スレーブアドレスおよびトポロジー情報は、各スレーブのアドレスと各スレーブの1次だけのアドレスリストを含んでいる。構成木の生成は、1次アドレスリストからのコネクティビティリングの階層的生成を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線ユニットといくつかの他の無線ユニットのいずれかとの接続経路を決定するのに使用するコネクティビティ木を生成する方法であって、
前記第1の無線ユニットにおいて、他の無線ユニットの各々から、1つ以上の他のユニット各々からの自身のアドレスと1つ以上の他のユニット各々からの1次だけのアドレスリストとを含むアドレスおよびトポロジー情報を受信する工程と、
前記第1の無線ユニットにおいて、nは正の整数であり、大きな番号のコネクティビティリングに小さな番号のコネクティビティリングのノードで既に表わされたユニットを表わすノードを含めることができないという規則に従って、n個のコネクティビティリングの各々を生成する工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
第1の無線ユニットといくつかの他の無線ユニットのいずれかとの接続経路を決定するのに使用するコネクティビティ木を生成する方法であって、
第1の無線ユニットにおいて、他の無線ユニットの各々から、1つ以上の他のユニット各々からの自身のアドレスと1つ以上の他のユニット各々からの1次だけのアドレスリストとを含むアドレスおよびトポロジー情報を受信する工程と、
第1の無線ユニットにおいて、nは正の整数であり、親のノードを有する現在の番号のコネクティビティリングを考慮し、次に大きな番号のコネクティビティリングに親のノードの子を表わすノード全てを含め、
親の子孫は前記親によって表わされるのと同じユニットを表わせない、
前記親の子の子孫は前記親の子のいずれかが表わすのと同じユニットを表わせない、
いずれの親の子も前記いずれの親の他の子のいずれかと同じ名前とできない、
という規則を満たすようにn個のコネクティビティリング各々を生成する工程とを備えていることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は非調整マルチユーザ無線システムに関し、より詳細には、非調整マルチユーザ無線システムにおける自己組織化されたコネクティビティあるいは接続性(connectivity)に関する。
【背景技術】
【0002】
無線ローカルエリアネットワーク(LAN)は通常、コンピュータ産業と無線通信産業とを合わせた範囲をカバーする。従来のコンピュータネットワークは、通常パケット交換されるデータ転送を目的とした有線LANに依存している。対称的に、無線ネットワーク、特にセルラネットワークは、通常回線交換される音声転送を目的としたワイドエリアネットワーク(WAN)に依存している。無線LANの設計における多くの労力により、有線LANで使用された原理が再利用されている。しかしながら、有線媒体の環境と無線媒体の環境とは重要な点で異なっているので、このやり方は疑問である。更に、マルチメディア通信では、データ、音声および映像によって課せられる特別なトラフィック特性による付加的特徴が要求される。最後に、システムの設計に決定的ともなり得る居住環境(residential environment)による要件がある。 現在のコンピュータネットワークは、ほとんど100%が有線インフラストラクチャを使用している。有線媒体は、単純なツイストペア線から光ファイバまである。そのシールドされ制御の容易な環境から、有線媒体は、低い干渉レベルおよび安定的伝搬状態によって特徴付けられる。その結果、有線媒体はデータレートを非常に高くできる可能性がある。このため、有線LANに関連するものは通常この媒体のみを共用する。この媒体は所与の時点で異なったいくつかのユーザの1つのみに使用される単一のチャネルを構成する。異なったユーザが異なった時点でそのチャネルにアクセスできるように、時分割多重化(TDM)が使用される。
【0003】
有線媒体にアクセスするためのプロトコルは、IEEEの802番台で規格化されてきた。一般に、媒体へアクセスするためには、キャリアセンシング(例えば、イーサネット(登録商標)、802.3 キャリアセンス多重アクセス/衝突検出(CSMA/CD))またはトークン(802.4 トークンバス、または802.5 トークンリング)などの多重アクセスを確保する技術が使用される。これらのプロトコルは、チャネルを占有しているユーザが現在の伝送またはそのトークンによって媒体を確保するという点で分散したものにも使用できる。これらの方法では、あらゆるユーザは全てのトラフィックを聴取することができる。すなわち、単一のLANにおいては、全てのユーザはチャネルだけでなく、そのチャネルで搬送される全ての情報も同様に共有する。関与するユーザが増えると、チャネルが独立的に動作するより小さなLANまたはセグメントにLANが分割される。LANは異なったローカルネットワーク間のインタフェースを形成するブリッジまたはルータを介して相互に接続され得る。この構成はより複雑なネットワークとなる。例えば、ロンドンのPrentice-Hallから1992年に発行された、D.Bertsekas およびR.Callagerの「データネットワーク(Data Networks)」第2版を参照せよ。住居のLANの検討に対しては、単一のLANを考慮すれば十分である。このLANは通常は非接続の(connectionless)パケット交換サービスを提供する。各ユーザが通過するパケットが自分宛であるかどうかを確認できるように、各パケットは宛先アドレスを(および通常は発信元アドレスも同様に)有している。
【0004】
単一のLANにおけるユーザ毎のネットのスループットは、チャネル上でのデータレートのピーク値とそのチャネルを共用するユーザの数とで決定されると理解されたい。有線媒体の広いバンド幅によってデータレートのピーク値が非常に高い場合にも、チャネルを多くのユーザ間で共用しなければならないときには有効なユーザスループットは低くなり得る。
【0005】
現在の有線LAN上で生じる通信のタイプは非同期で非接続であるので、音声などの遅延が決定的なサービスをサポートするのには不適切である。音声サービスは、非音声のユーザに先立って音声をユーザにもたらすために、メディアアクセスコントロール(MAC)プロトコルにおける優先的技術を必要とする、同期または等時性の接続を要求する。既存のデータネットワークでの様々な研究で、これが簡単な課題でないことが解った。
【0006】
ここ数年間で、米国および欧州の規格化団体は無線LAN(WLANs)について活動した。これにより米国においては、IEEE 802.11規格(11994年12月、IEEE 802.11、P802.11規格の草案)、欧州においてはETSI HIPERLAN規格(ETSI、RES10/96/etr、「無線機器およびシステム(RES);高性能無線LAN(HIPERLAN)」1996年6月)が作成された。
【0007】
最初にIEEE 802.11規格を参照すると、名前が示すように、これは802LAN規格の拡張である。無線接続は、無線リンクまたは赤外線リンクのいずれかである。無線媒体は2.4GHzの産業科学医療用(ISM)バンドである。しかしながら、単一の無線LANに対しては、あらゆる所与の時点で1〜2Mb/sのチャネルしか使用できない。この比較的狭いチャネルを、無線ネットワークに関与する全てのユーザ間で共用しなければならない。有線インフラストラクチャに基づいた構成、および特別な(ad-hoc)構成に基づいた構成の両方が定義されている。有線インフラストラクチャでは、無線LANは単に有線LANとユーザ端末との間の線の無い拡張部分を提供する。固定のアクセスポイントが有線領域と無線領域との間に介在する。特別なネットワークでは、無線ユニットがそれ自身の無線ネットワークを生成する。有線のバックボーンは全く含まれない。いくつかのアプリケーションで、有線LANよりも重要な利益を与えるWLANを無線通信にもたらすのは特別な特性である。
【0008】
2.4GHzのISMバンドで他のネットワークまたは他のアプリケーションとのインタフェースをなくすために、直接拡散または低速の周波数ホッピングが使用される。チャネルへのアクセスは、非接続サービスを提供するキャリアセンス多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)の特別な形態で実現される。有線インフラストラクチャに基づいたアーキテクチャでは、固定部分が全てのトラフィックをスケジュールする中央制御部として働く。特別なアーキテクチャでは、分散されたCSMA/CAプロトコルがチャネルへの多重アクセスを提供する。
【0009】
要するに、IEEE 802.11規格は有線イーサネットの規格と非常に似ているが、線が1Mb/sの無線チャネルに置き換えられている。関与するユーザの数が増加すると有効なユーザスループットが急速に減少することが解るであろう。更に、直接スペクトル拡散(DSSS)の拡散率が11だけであり、周波数ホッピングスペクトル拡散(FHSS)のホップレートが10〜20ホップ/s程度であるので、ISMバンドにおける干渉に対してわずかな耐性しか得られない。同じ領域内に異なったネットワークが理論的には共存できるが(異なったネットワークは、7つが定義されたうちの異なったDSSSキャリア周波数または異なったFHSSホップシーケンスを使用する)、これによりスループットの総量が増大する。実際に、1996年9月のMicrowaves & RF の109〜114頁のA.Kamermanの「WLAN性能を上げるスペクトル拡散技法(Spread-Spectrum Techniques Drive WLAN Performance)」には、ユーザ毎のスループットを一緒に配置されたユーザの数(同じネットワークに関与する必要はない)で乗じたものと定義されるスループットの総量が、いずれの技術によっても決して4〜6Mb/sを越えないと断言されている。IEEE 802.11規格の基でいっ一緒に配置された異なったネットワークでは、ネットワークは有線インフラストラクチャに基づく、すなわち、一緒に配置された限定された数の固定アクセスポイントがそれら自身のネットワークを生成するのが好ましい。そして有線ネットワークを介した一定量の調整が可能である。しかしながら、特別な構成に基づくネットワークでは、MACプロトコル自身はこの生成に関与しないので、IEEE 802.11規格の基ではより一層困難である。その代わり、特別なネットワークに加入するユニットが既存のネットワークに接合され、それ自身のネットワークを生成しない。
【0010】
HIPERLANは、IEEE 802.11と同様な方向をたどっている。このシステムは5.2GHzのバンド(米国では利用できない)で動作する。この規格はまだ制定中であり、HIPERLAN 1〜4のファミリからなる。最も基本的な部分である、HIPERLAN 1(ETSI,ETS 300652、「無線機器およびシステム(RES);高性能無線LAN(HIPERLAN)タイプ1;基本的仕様」1996年6月)は、IEEE 802.11と類似している。ここでも単一のチャネルが使用されるが、データレートのピーク値は23.5Mb/sと高い。チャネルを確保する前にいくつかの競合に基づく位相(contention-based phases)を提供する、除去産出型非先制優先多重アクセス(EY−NPMA;Elimination-Yield Non-Preemptive Priority Multiple Access)と呼ばれる、専用のCSMA/CA方式が使用される。5.2GHzバンドは欧州においては認可されていないが、HIPERLANタイプのアプリケーションのみが許可されている。従って、未知の妨害に対する特別な測定は実施されていない。異なった23MHz幅のチャネルを使用すれば、異なったネットワークが同じ領域内に共存できる。5.2GHzからそのようなチャネルが5つ定義される。
【0011】
HIPERLAN領域における他の興味深い働きの一つは、無線の非同期転送モード(ATM)に絞ったHIPERLAN 2の規格化である。おそらくこの無線ネットワークも5.2GHzバンドを使用し、40Mb/s程度のデータレートのピーク値をサポートし、ある種の要求割り当てMAC方式を用いる集中的アクセス方式を使用するであろう。
【0012】
既存のWLANシステムでは有線LANと同じく、ローカルネットワークに関与する全てのユーザ間で単一のチャネルを共用する。全てのユーザは、媒体自身とこの媒体で搬送される全ての情報との両方を共有する。有線LANにおいては、このチャネルは媒体全体を包含することができる。しかしながら、無線LANにおいてはそうではない。無線LANにおいては、無線媒体は一般に80〜100MHzのバンド幅を有している。実施の限定および無線トランシーバのコスト、およびFCCやETSIなどの調整団体によって設けられた規制のため、無線LANの無線チャネルを無線媒体と同じバンド幅に定義することは事実上不可能である。従って、単一のLANにおいては無線媒体の一部のみが使用される。その結果、チャネル上でのデータレートのピーク値が減少する。しかしもっと重要なことは、現在では媒体よりずっと狭いチャネルを関与する全てのユーザが共用するので、有効なユーザスループットが減少することである。媒体は異なったチャネルに分割されるが、各々のチャネルは異なった無線LANを設定するのに使用され、実際には、特に特別なネットワークに関連するときには、ある一定の領域がただ一つのネットワークでカバーされる。有線インフラストラクチャに基づいた無線LANでは、異なったチャネルはセルを生成するのに使用され得、各セルは隣接するセルに妨害されないそれ自身のネットワークを有する。これはチャネルの割り当ての設計の労力によって得られる。このようにして、セルラ移動体システムのと同様なセルラ構造が生成される。しかしながら、同じセル内での異なった特別な無線ネットワークの使用は禁じられ、そのため達成可能な単位領域当たりのスループットの総量が限定される。
【0013】
ここでデータリンクによる音声の伝送を検討すると、無線LAN規格が有線LAN規格と同様に多重アクセス方式を使用するので、従来のシステムでは依然問題がある。1995年トロントのPIMRC '95の予稿集、648〜652頁、M.A.Visserらの「802.11の無線ネットワーク上での音声およびデータ伝送(Voice and Data Transmission over 802.11 Wireless Network)」に示されているように、音声の伝送にこれらMACプロトコルを使用するのはいずれも適切でない。
【0014】
従って、音声およびデータの両方をサポートでき、限定された無線スペクトルの効率的な使用のために自己組織化されたローカルネットワークを、コスト効果のある無線で置き換えたものが必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、装置を無線で接続し、割り当てられたスペクトルの最適な使用を可能とする方法および装置を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、複数のユニットが、同じ領域および同じスペクトルを共用する他のユニット間のポイントツーポイント接続によって邪魔されずに、ポイントツーポイント接続を独立して設定できる接続性構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のある態様では、第1の無線ユニットといくつかの他の無線ユニットのいずれかとの接続経路を決定するのに使用するコネクティビティ木を生成する方法は、第1の無線ユニットにおいて、他の無線ユニットの各々から、1つ以上の他のユニット各々からの自身のアドレスと1つ以上の他のユニット各々からの1次だけのアドレスリストとを含むアドレスおよびトポロジー情報を受信する工程と、第1の無線ユニットにおいて、nは正の整数であり、大きな番号のコネクティビティリングに小さな番号のコネクティビティリングのノードで既に表わされたユニットを表わすノードを含めることができないという規則に従って、n個のコネクティビティリングの各々を生成する工程とを備える。
【0018】
本発明の別の態様は、第1の無線ユニットといくつかの他の無線ユニットのいずれかとの接続経路を決定するのに使用するコネクティビティ木を生成する方法に関する。この方法は、第1の無線ユニットにおいて、他の無線ユニットの各々から、1つ以上の他のユニット各々からの自身のアドレスと1つ以上の他のユニット各々からの1次だけのアドレスリストとを含むアドレスおよびトポロジー情報を受信する工程と、第1の無線ユニットにおいて、nは正の整数であり、親のノードを有する現在の番号のコネクティビティリングを考慮し、次に大きな番号のコネクティビティリングに親のノードの子を表わすノード全てを含め、親の子孫はその親によって表わされるのと同じユニットを表わせない、親の子の子孫はその親の子のいずれかが表わすのと同じユニットを表わせない、いずれの親の子も前記いずれの親の他の子のいずれかと同じ名前とできない、という規則を満たすようにn個のコネクティビティリング各々を生成する工程とを備えている。
【0019】
本発明の目的および利点は、添付図面を参照しながら以下の本発明の実施形態の記載を読むことにより理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の様々な特徴を、同様な部分を同じ参照符号で示した添付図面を参照して説明する。
【0021】
上記背景の記載で述べたように、LANに対する従来の単一チャネル手法は、全てのユニットがそのチャネルにで転送される全ての情報を受信できるという点で特徴付けられる。このため、ネットワークのトポロジー(topology)は、図1に示したスター型、図2に示したリング型、図3に示したメッシュ型のいずれかとなる。スター型トポロジーでは、全ての通信をスケジュールするマスターコントローラは中央に配置され得る。リング型およびメッシュ型トポロジーでは、より分散された制御が適用される。有線LANに対しては、ケーブル配線の総計が最小となるので、スター型およびリング型トポロジーが最も適切である。しかしながら、無線LANでは全方向無線伝搬により、メッシュ型トポロジー(すなわち、1つのユニットが他の多くのユニットに直接接続できるトポロジー)が自動的に得られる。図1、2および3に示された従来のトポロジーでは、全てのユニットはネットワークにある他のユニットとそれぞれ接続される。各ユニットは定期的にマスターを聴取(listen)、またはチャネル上のトラフィックを聴取する。これはブロードキャストやマルチキャストなどのアプリケーションでは有益である。ただし、ポイントツーポイントやポイントツーマルチポイントと呼ばれるほとんどのアプリケーションは、ネットワークに接続された2つまたは限定された数のユニット間で行われる。これらのアプリケーションに対しては、単一チャネル手法では性能が制限される。
【0022】
このため、本発明の一つの態様では、通信を所望するユニットがチャネル上の空いているスポットを待つ必要がなく、代わりにそれらが直接使用できる空いているチャネルを探す、マルチチャネル手法が適用される。この手法では、平均によって割り当てられたスペクトル内の全てのチャネルを全てのユーザで共用するが、小数のユーザだけが特定の時点で特定のチャネルを使用する。この方法では、互いの干渉なしに同時通信リンクが確立できる。このマルチチャネル手法はまた、チャネルの再利用を可能とする。すなわち、複数の接続が地理的に十分離れていれば、それらは互いに妨害なしに同じチャネルを使用できる。
【0023】
このようなネットワークでは、互いに通信するユニットだけが接続される。「全体の」ネットワークは、分散された接続または分散されたサブネット(ピコネット)からなり、このため本明細書では分散トポロジーを有すると称する。この構成は、全てのユーザ間で媒体(例えば、2.4GHzでの83.5MHzの無線スペクトル)が共用されているが、媒体で転送さrフェ他情報が全てのユーザに共有されていない点で、従来の有線LANおよび無線LANと異なる。代わりに、多数のチャネルが生成され、各チャネルは対象となるユーザのみ、主に、情報を共有する必要のある対象者のみに共有される。各ユニットは範囲内にある他のユニットそれぞれと接続することができるが、ある瞬間においては範囲内の全てのユニットと同時に接続することはない。それぞれが独立して動作する、多数の特別な接続が確立される。
【0024】
図4に本発明による分散ネットワーク401の例を示す。この図では、403−1,…,403−4の4つのサブネットが形成されている。各サブネット403−xには、実際に情報の交換を望むユニットだけが関与している。各サブネット403−xは、それ自身の仮想チャネルと、対応するチャネルに係わるピコネットに関与するユーザとを有している。サブネット403−xは、互いに独立して機能する。情報交換する必要のないユニット(図4のユニット8など)は接続されていない。しかしながら、これらのユニットは、別のユニットがそれらと接続を望んでいるかどうかを参照するために、ページメッセージ用のスペクトルを定期的にスキャンする。
【0025】
異なった接続およびサブネット403−x間の干渉をなくすために、適応チャネル割り当ての手法または拡散化の手法のいずれかが適用される。適応チャネル割り当てが適用されるときには、接続を望むユニットは、異なったチャネルに関する測定を行い、最適なチャネル(すなわち、最も干渉の少ないチャネル)を選択する。しかしながら、この適応方式は、次に述べる拡散技法ト比べていくつかの欠点がある。第1に、データトラフィックの突発的性質により、チャネルに関する信頼できる測定値を得るのが困難である。第2に、通信を望むユニットが実際に同じ(最も干渉のない)最適なチャネルを選択する(これは容易な課題ではない)ように機構を含めなければならない。中央コントローラをなくすことはできない。拡散化の代わりに、連邦通信委員会(FCC)に要求されているように、ISM 2.4GHz等の認可されていないバンドも、より魅力的な方法である。
【0026】
拡散化を利用する場合には、干渉を拡散するために、直接拡散または周波数ホップ(FH)拡散が適用できる。低速FHを適用した安定なエアインタフェースが、本願と出願人が共通であり、1996年7月23日に出願された、W.DENTおよびJacobus C.HAARTSENによる「近距離無線通信システムおよび使用方法(Short-Range Radio Communications System and Method of Use)」という題名の米国特許出願番号 08/685,069号(代理人文書番号 27951/00059 EUS00390-RCUR)明細書に記載されており、この明細書を参照により本明細書に組み込む。この明細書には、周波数ホッピングおよび高速パケット再転送方式により、共ユーザ干渉(co-user intereference)および他の妨害に対する耐性を得るエアインタフェースが記載されている。
【0027】
周波数ホッピングは、直接拡散に関していくつかの理由で好ましい。第1に、一緒に配置されているが調整されていない特別な接続を多重化できるので望ましい。このような状況では、直接拡散は遠近問題を引き起こす。送信器が調整されていないので、パワーコントロール機構を実施することはできない。未知の妨害が存在することによっても、かなり高い処理利得および大きな送信(TX)パワーが必要となる。高い処理利得を得るために必要となる高い拡散率により、トランシーバーの価格が高価になる。大きなTXパワーについては、バッテリー駆動のユーザ機器に関しては魅力がない。最後に、最良な干渉の耐性は使用可能なスペクトル全体、すなわち2.4GHzでの83.5MHzを使用することによって得られる。トランシーバのバンド幅の限定により、直接拡散はスペクトルの一部しか使用できない。代わりに、周波数ホッピングシステムは、スペクトル全体を平均してホップすることができるが、瞬間的には依然として適当なバンド幅を有している。IEEE 802.11規格と同様に、本発明は1MHzの79のホップを定義する。79のホップ全体を平均的にホップする擬似ランダムホップシーケンスとして、仮想チャネルが定義される。異なった仮想チャネルを適用することにより、異なった接続が同時に確立される。時折、異なった仮想チャネルで同じホップを使用することがあり、そこでは衝突が生じる。障害を取り除くためにエラー回復および冗長性が使用される。
【0028】
本発明による媒体の共用と他のシステムとの比較を、図5A、5Bおよび5Cによって更に説明する。図5Aは従来の単一チャネル手法を示しており、1つのチャネル503だけが存在し、このチャネル503は媒体501と同一であり、一般的には有線LAN内に設けられている。全てのユーザがチャネル503を競合して使用し、各ユーザに伝送容量の一部を付与するべくTDMAが利用される。チャネル503へのアクセスは、集中的または分散的方法で制御される。図5Bには、例えば周波数分割多重化(FDM)を適用することにより、媒体501をいくつかのサブチャネル505−xに分割した従来のシステムが示されている。範囲内のユーザはこれらサブチャネル505−xの1つを使用して、ネットワークを確立する。サブチャネル505−xは、固定(HIPERLANでのように)でも媒体全体に渡り低速でホップしても(IEEE 802.11 FHSSのように)よい。すなわち、異なった時点では、異なったサブチャネル505−xが選択される。しかしながら、あらゆる時点で、全てのユーザが同じサブチャネルへアクセスするために競合する。例えば、図5Bでは、ある時点でユーザ1〜9の各ユーザがサブチャネル505−3へアクセスするために競合する。
【0029】
図5Cには、本発明のマルチチャネル手法が示されている。媒体501はここでもサブチャネルに分割されている。しかしながら、接続されたユーザのグループ507−xは、比較的高いレートで全てのサブチャネル509−xを介して多重化(すなわち、周波数ホッピング)されている。パケットは、異なったサブチャネル509−x間でホップレートで多重化される。ホッピングパターンは仮想チャネルを表わす。図5Cでは、ユーザ2、3および4で示されるユーザを含む第1グループ507−1、ユーザ5および8で示されるユーザを含む第2グループ507−2、およびユーザ6、7および9で示されるユーザを含む第3グループ507−3の3つのユーザグループ507−xを想定している。本発明によれば、これらのグループ507−xの各々はピコネットを構成する。この例では、追加のユーザであるユーザ1は、ユーザグループ507−xのいずれにも属さず、3つのピコネットのいずれにも接続されていない。
【0030】
無線トランシーバの限定や規定により媒体を複数のより小さなサブチャネルに分割する必要があるとき、図5Cのマルチチャネル手法は図5Bの単一チャネル手法よりも全体のスループットがかなり高くなることが解るであろう。本発明では、各ピコネットはサブチャネルを介した多重化(ホップ)に特定のシーケンスを使用し、パケットを識別する特定のリンクアドレスを使用する仮想チャネルに対応している。異なったピコネットは、各チャネルが全てのピコネットで平均して使用されるように、全てのチャネルをランダムに再使用する。サブチャネルの共有は、データアプリケーションで見られるような突発的トラフィック状態の基で効率を上げる、ピコネット間の統計的多重化となる。高速ホップレート(ホップ毎に1パケット)により、統計的多重化は、単一のチャネルでの休止時間がかなり長くなるFHSS 802.11に基づく一緒に位置するWLANよりもかなり効率が良い。
【0031】
マルチチャネル手法で得られるサービスのタイプは、純粋な回線交換サービスと純粋なパケット交換サービスとの間に位置する。接続本位(connection-oriented)のパケット交換ネットワークのチャネルと同様に、仮想チャネルが定義される。しかしながら、各仮想チャネルは、2つ以上のユーザと独自に接続され、回線交換ネットワークのチャネルと同様に同期して動作する。更に、接続されたユーザに独占的に使用される回線交換ネットワークの(サブ)チャネルや回線とは異なり、ピコネットの回線は全てのユーザ間で平均的に共有される。従来の回線交換ネットワークではなし得ない統計的パケット多重化により、突発的データアプリケーションに対して高いスループットおよびより良い使用法が提供される。
【0032】
ここで、ユニットで上記で述べた特別なピコネット接続を確立するための代表的技法について検討する。ここで述べるシステムは、制限された領域内に分散された任意の無線ユニット間の特別な接続を早急に確立し、かつ終わらせるのに最適化されている。ポイントツーポイントおよびポイントツーマルチポイントの両方の接続が確立可能である。全てのユニットは、それぞれ同等な無線トランシーバ機器を使用するピアユニットである。本発明の一つの態様では、接続が開始される際には常に、1つのユニットに一時的にマスターの役割が割り当てられる。この割り当てはその接続期間だけ続く。再定義されない限り、マスターユニットはその接続を開始したユニットである。各ユニットは独自のアドレスまたはアクセスコードを有しており、これにより識別される。代表的実施形態では、アドレスは64ビット長であるが、もちろん全ての実施形態でそうである必要はない。ユニットがマスターであるときに、そのアドレスによりユニットが使用する擬似ランダムホップシーケンスまたは仮想チャネルが決定される。従って、マスターは全てのユニットが同じ仮想ホッピングチャネルを使用するように、自身のアドレスを各スレーブに分配しなければならない。接続されている間、79個のありえるホップが等しい確率で現れる非常に長いホップシーケンスが使用される。ホップシーケンスの位相は、マスターとなるトランシーバユニットのシステムクロックにより決定される。
【0033】
スタンバイモードのユニットは、そのアドレスからなるページメッセージを聴取するために、各T秒(1.28秒など)毎の、定期的時間間隔で起動される。このページメッセージは、64チップの直接拡散コードと同様に考慮される。すなわち、受信器はこのコードに対して相互に関連し、相互関連の結果がある閾値を越えた場合にのみトランシーバの残りの部分を動作させる。新たな起動の各瞬間に、ユニットは32のホップ起動シーケンスに応じた新たなホップで起動される。32の起動ホップは全て特有であり、2.4GHzのISMバンドに等しく広がっている。起動ホップおよび擬似ランダム起動ホップシーケンスの両方は、スタンバイユニットのアドレスで決定される。シーケンスにおける位相は、スタンバイユニットのシステムクロックで決定される。ユニットは(「ページングユニット」への)接続を試み、(受け取りアドレスを表わす拡散コードである)ページメッセージを、異なったホップの高い反復率で再送信する。ここでは起動ホップおよび受信側の起動ホップシーケンスが使用され、起動ホップシーケンスにある異なったホップをできるだけ使用してページメッセージを送信することにより、受信側への到達を試みる。受信側システムクロックを推定することにより、受信側がいつどのホップで起動するのかを知ることができるので、ページングユニットは迅速な取得ができる。受信側のクロックに関する知識があれば、取得の遅延は最悪でTである(スタンバイユニットが各T秒毎に起動することによる)。受信側にクロックに関する知識がなければ、取得の遅延量は最悪で2Tである。これらの遅延は誤差のない環境におけるものである。誤差が生じると、取得時間は増大する。スタンバイモードにあるユニットにアクセスする上記の技術は、「チャネルホッピング通信システムのアクセス技術(Access Technique of Channel Hopping Communications System)」という題名でHaartsenらによって1996年12月23日に出願された、米国特許出願番号08/771,692号明細書により詳細に記載されている。この米国特許出願番号08/771,692号明細書を参照により本明細書に組み込む。
【0034】
接続が一旦確立されると、マスターユニットとして指定されたページングユニットは、自身のアドレスおよびシステムクロックを受信側に伝達する。そしてマスターコードおよびクロックは、仮想FHチャネルを定義するのに使用される。このマスターコードは仮想チャネル上のパケットを識別するのにも使用される。すなわち、仮想チャネル上の各パケットに対して、仮想チャネルのどのユーザから送信されたかにかかわらず、リンクアドレスとして働くマスターアドレスが先行する。同じ領域内にある異なったユーザが別々の接続を確立したとき、各々のユーザは接続を開始したユニット(すなわち、マスターユニット)のパラメータによって定義される、異なった仮想チャネルおよび異なったリンクアドレスを使用する。
【0035】
ピコネットに2つより多いユーザが関与できるように、マスターに指定されたユーザが複数のスレーブに接続できる代表的実施形態では、ポイントツーマルチポイントの可能性が限定されて定義されている。マスターが中央にあるスター型トポロジーとなる。スレーブ同士は互いに直接通信できず、間に介在するマスターを使用する必要がある。ポーリング方式が利用され、異なったスレーブの送信がスケジュールされる。全てのスレーブは時間で同期がとられる。すなわち同時にマスターを聴取する。スレーブ受信(RX)スロットにおいてアドレス指定(読み取りポーリング)されたスレーブだけが、続くスレーブTXスロットでの応答を許可される。マスターおよびスレーブの全てのユニットは、リンクコード(マスターアドレスである)によって仮想チャネル上のパケットを認識する。ピコネット内の特定のスレーブは、メンバーアドレスによって識別される。代表的実施形態では、メンバーアドレスはパケットヘッダないの3ビットアドレスである。アドレスが3ビットなので、ピコネット内での関与するユニット数は8までに制限される。パケットヘッダを長くしてアドレスフィールドを大きくできない特定の実施形態では、パケットの負荷内で更なるアドレス方式を組み込めば、関与するユニット数が増えても対応できる。
【0036】
ユニット間のリンクには、無線トランシーバが交互に送受信を行う、時分割二重(TDD)方式を使用する。TDDフレームは、送信スロットおよび受信スロットからなる。送信すべきメッセージはパケットに分割される。TXおよびRXスロットそれぞれは、TXパケットおよびRXパケットを最大で1つだけ含むことができる。仮想チャネルで定義されたように、連続したスロットは異なったホップを使用する。仮想チャネルは同期リンク、すなわち、同期して同じ仮想チャネルホップを共用し、TDDタイミングに正確に追随する複数のユニット、を提供する。しかしながら、スロットは必ずしも占有されなくてもよい。送信するデータがなければ、接続された2つのユニットはパケットを交換することなく同期してホップしてもよい。このリンクで提供されるサービスはその性質上接続本位となるが、各パケットは仮想チャネルに対応するリンクアドレスを含んでいる。チャネルは競争とは無縁ではない。むしろ、異なった仮想チャネルが時折同じホップを使用することもある。このため、受信側では受信したパケットが実際にそれ自身へのものか、あるいはパケットが受信側の仮想チャネルと同じ受信ホップで別の仮想チャネルに関連したものであるのかを識別するために、受信したリンクアドレスを検査する必要がある。突発的トラフィックにより、他のリンクによって偶然充填されるかもしれない空のスロットが生成され、干渉パケットが意図されたパケットを完全に消し去る遠近状態が発生し得るので、リンクアドレスの使用法は極めて重要である。
【0037】
同期リンクが提供されるので、このシステムでは音声の伝送は問題とならない。音声が情報ストリームの一部であれば、音声パケットはTDDフレーム毎に送信される。時折生じる衝突は、受信側の回復技術によって解決され、そうでなければ無視される。後者の場合、頑健な音声符号化技術が要求され、CVS(Continuous Variable Slope Delta)変調などが適用される。
【0038】
TDDフレーム内のパケットの成功または失敗を連続するTDDフレームに直接通知する、ARQ(Automatic Retransmission Query)方式が適用される。このように、ARQプロトコルでは、浪費されるスペクトルが最小となる。すなわち失敗したパケットだけが再送信される。加えて、レイテンシおよびオーバーヘッドの両方が最小となる(代表的実施形態では、ARQ方式はパケットヘッダに2ビットしか必要としない)。ARQ方式はハードウェアによって直接実現され、好ましくは通信プロトコルの物理層の極めて近くに配置される。
【0039】
スター型トポロジーおよびポーリングアクセス方式は、ピコネットの定義および仮想チャネルの厳格なタイミング同期によってもたらされた。2つのスレーブが互いに直接通信する必要があれば、元のマスターに直接制御されない付加的ピコネットが生成される。スレーブの一方はそのTDDフレームをフレームの半分だけシフトする。このスレーブはもはやマスターを聴取できず(新たなピコネットでマスターのように働く)、元のマスターもそのスレーブを聴取することはできない。ピコネットにとっては単一の(仮想)チャネル手法が適用されるが、厳格なタイミング同期が適用されるので、分散制御を行うことはできない。
【0040】
ユニットを接続可能とするためには、そのアドレスを知ることが重要である。従来のLAN(従来の無線LANを含む)では、これらのアドレスはLANに関与する全てのユニットに知られていた。全てのユニットが既に互いに接続されているので、ユニットがメッセージを送信する際に適切なアドレスを使用するだけでリンクが確立される。確立する接続は皆無である。自身のアドレスを認識するユニットは、単にメッセージを受信し、他のユニットはメッセージを廃棄する。
【0041】
特例として分散ネットワークが確立されるので、ユニットは隣接するユニット全てのアドレスを事前には知らない。この問題を解決するため、本発明の別の態様では、ユニットが近くのユニットのアドレスを教わることを可能とする照会手順が設けられている。照会手順はページ手順と非常に似ている。ページメッセージの代わりに、照会メッセージが異なったホップを用いて高い反復率で送信される。代表的実施形態では、照会メッセージは受信ユニットにそのユニットパラメータを知らせることを命ずる64ビットのコードである。アドレスと同様に、照会コードにより、例えば32の照会ホップおよび照会ホップシーケンスが決定される。照会メッセージを受信したユニットは、受信側のアドレス、受信側のシステムクロック、およびそのサービスの種類(例えば、ユニットがプリンタ、ラップトップコンピュータ、基地局であるかなど)を含む単一のパケットで返答する。ユニットは衝突を避けるべく、返信のホップを照会ホップシーケンスからランダムに選択してよい。照会をしたユニットは全ての返信を集め、範囲内にあるユニットのコードおよびクロックのオフセットのリストを作成する。この情報は接続が所望されたときに後で使用できる。ユニットは移動するので、必要なときにリストが更新されているように、照会手順は定期的に繰り返されるのがよい。
【0042】
上記の処理により、ユニットは範囲内にあるユニットとピコネットを確立するのに必要な情報全てを収集することができる。しかしながら、ある場合にはユニットは範囲外(すなわち、ユニット間での直接の無線通信には遠すぎる)のユニットと接続を望むであろう。本発明の別の態様によれば、この問題は発信元ユニットと宛先ユニットとの両方の範囲内にある中間ユニットを利用することにより解決される。ある実施形態では、中間ユニットはポイントツーマルチポイント構成におけるマスターのように働き、直接接続できない2つにユニット間の情報を中継する。この実施形態は図6Aに示されており、ここでは2つのユニットAおよびBは範囲外にある。第3のユニットであるユニットCは、2つのユニットAおよびBの範囲内にあり、マスターとして使用される。ユニットAおよびBはこの単一のピコネット601においてはスレーブである。
【0043】
図6Bに示される代替的実施形態では、2つの別のユニットの範囲内にある中間ユニットは、発信元および宛先ユニットの間のブリッジとして働く。ブリッジのユニットは、2つのピコネットを接続できるより複雑なユニットである。図6Bに示されるように、ユニットAおよびBは互いの範囲外にあり、異なったピコネット603および605に関与している。ブリッジユニットCは、これらのピコネット603および605それぞれに関与している。2つのピコネット603および605調整されていないので、ブリッジユニットCは、各々がピコネット603および605の一方に関与する、2つのトランシーバユニットを本質的に含んでいる。ブリッジユニットCの内部で、情報は2つのトランシーバ間でやり取りされる。ブリッジCが1つではなく2つの仮想チャネル(2つのピコネット)を使用するので、図6Aのポイントツーマルチポイント構成よりもユニットAおよびBの間でのスループットが高くなる。
【0044】
システムにおいてブリッジ構成の確立を可能とするために、各ユニットが範囲内にあるユニットのアドレスだけでなく、範囲外にありブリッジがアクセス可能な範囲にあるユニットのアドレスも知ることができる、より拡張された照会処理が必要となる。このより拡張された照会処理を以下でより詳細に説明する。範囲外にあるユニットとの接続が必要となったある瞬間に、発信元ユニットは第1に該発信元ユニットの範囲内にあるマスターまたはブリッジとの接続を確立する。接続が確立されると、発信元ユニットはマスターまたはブリッジに次のブリッジあるいは最終的な宛先との更なる接続を指示する。マスターまたはブリッジは2つを接続すると、入ってくるユーザ情報を単純に中継する。しかしながら、制御情報は分離して処理される。
【0045】
接続を確立する中間ユニットの使用は、もちろん、地理的距離および単一のユニットの範囲に左右される。ユニットの無線範囲は、実施のコスト効果および消費電力の低減によって限定される。パワーレベルを上げると範囲が広がり、単純に無線LANのコネクティビティが上昇する。しかしながら、パワーレベルは、システムの容量全体に影響するということに着目する必要がある。低いパワーレベルが使用されると、範囲が限定され、これにより十分な地理的距離をおいて分離されたピコネットは互いに全く干渉されなくなる。これは、干渉パワーが受信器の感度レベルよりも低くなるからである。
【0046】
ユニットが通信可能な他のユニットのアドレスを知るための照会処理について再度検討すると、ブリッジユニットがサポートされるとき、 1) 宛先が範囲外にあるとき、発信元ユニットはどうやってその存在を知るのか?
2) 発信元ユニットの照会処理で直接知ることができないとき、どうやって宛先ユニットのアドレスを得るのか?
の2つの問題が提起される。
【0047】
両方の問題を解決するため、上記で記載したものよりも照会で交換される情報量が増大する。すなわち、照会メッセージを受信したユニットは、ユニット自身のアドレスおよびサービスのクラスに加えて、照会されたユニットが達することのできるユニット全てのアドレスおよびサービスのクラスを照会ユニットに提供する。この情報は、照会されたユニットで実行された前回の照会処理で照会されたユニットに収集される。このようにして、照会を行うユニットの範囲内のユニットだけでなく、照会されたユニットの範囲内のユニットが求められる。そして発信元ユニットは、そのアドレスが求められる中間ブリッジユニットを介して、範囲外にある宛先ユニットと接続することができる。この手順が繰り返され、照会されたユニットはそれ自身のアドレスリストだけでなく、自身の照会で他のユニットから得たアドレスリストも提供する。これにより、ユニットは、直接または非直接(例えば、ブリッジユニットを介して)で互いに接続できる可能性のある範囲にある全てのユニットを識別するリストを収集できる。このリストから、発信元ユニットは「コネクティビティ」リングに従ってユニットをクラス分けできる。第1のコネクティビティリングに属するユニットは、発信元ユニットから直接到達できる。第2のコネクティビティリングに属するユニットは、検討中のユニットから第1のコネクティビティリングにあるブリッジ(または他の中間)ユニットを介してのみ到達できる。第3のコネクティビティリングに属するユニットには、第1のコネクティビティリングにある1つと、第2のコネクティビティリング(第1のブリッジユニットの第1のコネクティビティリング)にある1つの2つのブリッジユニットを用いてのみ到達できる。
【0048】
宛先ユニットと接続するため、発信元ユニットはアドレスリストをコネクティビティリングで調べ、どのユニットをブリッジユニットとして用いるかを決定するために、木追跡アルゴリズムを使用する。そして、発信元ユニットから第1のブリッジユニット、第1のブリッジユニットから第2のブリッジユニット、のように最後のブリッジユニットから宛先ユニットまでを順に接続することにより、宛先との接続が確立される。
【0049】
ここで、図7に示した代表的構成に関して、照会手順を説明する。ピアユニット1,…,10が特定領域に示されている。各ユニットはノードおよび数字によって示されている。いくつかのユニット間では、破線で示されるように可能性のある接続が確立され得る。この例では、図示されるように全てのユニットが互いに直接到達できるものではない。例えば、ユニット9はユニット2、8および10のカバーエリア内にあり、従ってこれらと接続可能であるが、他のユニット1、3、4、5、6およびへは到達できない。これは付加的伝搬損失(無線シャドウイング)や可能な無線接続を妨害する他の状態によって引き起こされる。
【0050】
照会をブロードキャストすると、ユニット9はユニット2、8、および10からそれらのアドレスおよびサービスのクラスを明らかにする応答を得る。従って、ユニット9の「1次」のアドレスリストは、{2,8,10}である。これらはユニット9の第1のコネクティビティリング内のユニットのアドレスである。(もちろん、ユニット9は、近くにあるユニットに関して、サービスのクラスなどの他の情報のリストも保持する。単純化するために、今後はこの情報全てを単にアドレスと称する。)各ユニット2、8、および10は、それら自身のアドレスに加え、それぞれの1次アドレスリストを提供する。ユニット9がこれら他のユニットからの照会の受信および返答ができる距離の特定領域内にあれば、これらのリストにはもちろん、ユニット9のアドレスも含まれている。例えば、ユニット9はユニット1、3、6、7および9を含む1次アドレスリストを提供する。ユニット2、8、および10から受信したアドレスリストにより、ユニット9は他のユニットの1次アドレスリストにあり、ユニット9の1次アドレスリストでカバーされておらず、ユニット9自身を除く、全てのユニットを含む2次アドレスリストを生成することができる。
【0051】
ユニット2の1次アドレスリスト{1,3,6,7,9}およびユニット9の1次アドレスリスト{2,8,10}との比較から、ユニット9の2次アドレスリストは少なくともユニット1、3、6および7を含むであろう。ユニット8および10の1次アドレスリストも同様に使用すると、ユニット9の2次アドレスリストは最終的に、{1,3,6,7}となる。この処理をより離れたユニットにも拡張することができることが理解されよう。すなわち、ユニットは味アドレスリストを生成する際の基として使用できる、それらの2次アドレスリストも提供することなどができる。
【0052】
この拡張された照会処理が図8に示されており、ここでは任意のユニットjのi次のアドレスリストを、L(i,j)で示している。図8では、ユニット9に必要なアドレスリストのみを考慮している。ユニット9は、1次アドレスリストL(1,9)={2,8,10}を有している。ユニット2、8、および10自身は、図示されているように、1次アドレスリストL(1,2)、L(1,8)およびL(1,10)を有している。ユニット9の照会に応じて、各ユニット2、8および10からリストL(1,2)、L(1,8)およびL(1,10)がそれぞれ供給される。これらのリストから、ユニット9自身で、リストL(1,2)、L(1,8)およびL(1,10)を結合し、自身の番号並びに1次アドレスリストL(1,9)に既に含まれる参照番号を除去して、2次アドレスリストL(2,9)を形成する。この例では結果として2次アドレスリストL(2,9)={1,3,6,7}が得られる。このリストに示されたユニットにはユニット9は直接到達できないが、ブリッジユニット1つだけを使用して到達できる。このように、L(2,9)にリストアップされたユニットは、ユニット9から見た2次コネクティビティリングを形成する。
【0053】
ユニット2、8および10はそれら自身の2次リスト(それぞれL(2,2)、L(2,8)、L(2,10))も求めることができ、これらリストをユニット9に提供できるので、上記の処理は更に拡張することができる。これらのリストを結合しフィルタリングして、ユニット9は3次のリストL(3,9)={4,5}を求めることができる。図8に示したリストにより、可能性のある接続を含んだコネクティビティ木が生成できる。例示したユニット9に対するコネクティビティ木901が図9に示されている。コネクティビティ木901の各ノードはユニット1,…,10の特定の1つを表わし、ブランチは可能な接続を表わしている。コネクティビティ木901の頂上は考慮するユニットであり、この例ではユニット9である。
【0054】
コネクティビティ木は、全てのユニットの1次アドレスリストの全てだけに注目し、ループを避けるために、大きな数のコネクティビティリングには小さな数のコネクティビティリングで既に現れたユニットを含めることができないという規則に従っても生成できる。
【0055】
上記の拡張された照会技法および図9に例示として示したようなコネクティビティ木によって、各ソースユニットは宛先ユニットまでの最短経路(最少数のブリッジユニットを使用する)を見つけることができる。しかしながら、この技法は、あるユニットがブリッジとして動作可能ではないこと、あるいは現在ビジーであり他のユニット間の情報を中継するのに必要な無線リソースが残っていないことがあることを考慮していない。バッタリーのパワーで動作するので、ポータブル装置はブリッジ装置として使用しないのが好ましい。従って、発信元ユニットは最短経路を使用しないか知れない。この場合、上記の技法でもたらされる情報では少なすぎる。
【0056】
この問題に対処するため、別の構造の木を使用する代替的実施形態について説明する。図10を参照すると、ユニット9は第2のコネクティビティ木1001を生成するのに1次アドレスリストのみを使用できる。コネクティビティ木901と同様に、ユニット9はコネクティビティ木1001の頂上にある。ユニット9に直接接続できるユニットは3つ、すなわち、ユニット2、8および10である。これらのユニット2、8および10は、第1のコネクティビティリング1003を構成する。ここでの検討においては、ユニットとそのユニットが直接接続できる他のユニットとの間の関係を、親子関係と称する。従って、例えば、ユニット9は、ユニット2、8および10の子を持つ親である。これらの子は、自身を親として考えると、同様にそれぞれ子を有している。
【0057】
各親は1次アドレスリストにより自身の子を知ることができる。第2のコネクティビティ木1001のようなコネクティビティ木を構成するのに、1次アドレスリストを知ることのみが必要である。必要でないノードおよびブランチを削除して、木のサイズを小さくすることが望ましい。この削減を達成するため、 1) ある親の子孫(例えば、子、孫、曽孫など)はその親と同じ名前(すなわち、ユニットアドレス)を有することはできない、 2) ある親の子の子孫はその親のあらゆる子と同じ名前を有することはできない、 3) ある親のあらゆる子はその親の他の子と同じ名前を有することができない、という3つの規則が適用される。
【0058】
第2のコネクティビティ木1001は、図7に示した代表的ユニットに対してこの規則を適用した結果である。例えば、第3のコネクティビティリング1007におけるいずれかのユニット5の出現を考える。図7から解るように、ユニット5の1次コネクティビティリストは、L(1,5)={4,6}である。しかしながら、ユニット5がユニット4の子を第4のコネクティビティリング1009に持つことを認めると、ユニット6の子であるユニット5はユニット4で表わされる兄弟(すなわち、ユニット6の別の子)も有しているので、これは第2の規則を犯すこととなる。
【0059】
また、ユニット5がユニット6の子を第4のコネクティビティリング1009に持つことを認めると、子のユニット6が同じユニット6で表わされる祖父母を持つこととなるので、これは第1の規則を犯すこととなる。
【0060】
このように、この木は第3のコネクティビティリング1007のユニット5からはいずれのノードにも広げられない。しかしながら、それらの位置がイオズレの規則も犯していないので、ユニット5で表わされるノードは第4のコネクティビティリング1009にも存在する。
【0061】
木は1次コネクティビティリストから組み立てられ、新たなノードが加えられなくなるまで、上記に規定した規則に従って小さくされる。こうして木は完成し、考慮されたユニットにおける利用可能な全てのコネクティビティ情報が表わされる。
【0062】
図10に示したような第2のコネクティビティ木1001は、考慮されたユニット(例えばユニット9)において、ユニットが全ての1次アドレスリストを受信するとすぐに生成されると理解されたい。この情報の収集を容易にするために、照会を受信するユニットは、自身の1次アドレスリストだけでなく知っている他のあらゆるノードの1次アドレスリストも返信するのが好ましい。また、各ユニットは、自身のユニットアドレスを頂上に有する同様な木を生成することができるものと理解されたい。
【0063】
第1のコネクティビティ木901(図9)の第1、第2および第3のコネクティビティリング903、905および907は、第2のコネクティビティ木1001(図10)の第1、第2および第3のコネクティビティリング1002、1005および1007と同じであることが解るであろう。しかしながら、第2のコネクティビティ木1001は、追加のコネクティビティリング、すなわち第4のコネクティビティリング1009を有する点で第1のコネクティビティ木901と異なっている。第2のコネクティビティ木1001に第4のコネクティビティリング1009が存在する理由(およびなぜ第2のコネクティビティ木1001が第1のコネクティビティ木901よりも多くの情報を含んでいるのか)は、第2のコネクティビティ木1001に適用される縮小基準がコネクティビティリングの数を最小とするためのものではないからである。
【0064】
ユニット内でコネクティビティ木が求められるとすぐに、アドレスが解りそこへの経路が解るので、木のユニット各々にコネクティビティが知られる。更に、各ユニットのサービスのクラスが解るので、全てのユニットの能力が完全に解る。
【0065】
木にあるユニットと接続するために、頂上のユニット(発信元として働く)は宛先ユニットへ接続するための下への経路を選択する。様々な経路が存在し得る。例えば、例えば、図7の例でユニット9がユニット6への接続を望む場合を考える。図11を参照すると、第2のコネクティビティ木1001から、第1の経路1101、第2の経路1103および第3の経路1105の、3つの異なった経路があることが解る。経路選択手順は、以下の要因のあらゆる組合わせに基づくことができる。すなわち、 − 回路1101、1103および1105の各々で使用しなければならないブリッジユニットの数、 − 可能な経路1101、1103および1105の各々について、中間ノードがブリッジユニットとして機能する能力があるかどうか(すなわち、中間ノードが交換すべき情報をやり取りする中継能力があり、そのために十分な電源ががあるかどうか)、 − 可能な経路1101、1103および1105の各々について、経路内のブリッジユニット全てが発信元と宛先との間の接続で所望されるデータレートを提供できるかどうか、 − 可能な経路1101、1103および1105の各々について、各ブリッジユニットが中継機能をサポートするのに使用できる無線リソースを現在持っているかどうか、 − 可能な経路1101、1103および1105の各々について、ブリッジユニットから生じるブランチの数、である。ブリッジユニットからのブランチの数が増えると、ブリッジユニットから他のユニットへの干渉が増大する。逆に言うと、ブリッジユニットからのブランチの数が少なければ、受ける干渉が少なくなり他のユニットへの干渉も少なくなるので好ましい。
【0066】
第1の条件(すなわち、所与の経路内のブリッジユニットの数の考慮)は、3つの経路1101、1103および1105を比較するとき図で説明できる。第1の経路1101(すなわち、9−2−6)および第2の経路1103(すなわち、9−8−6)はそれぞれ1つのブリッジユニットを必要とするが、第3の経路1105(すなわち、9−10−1−4−6)は3つのブリッジユニットを必要とする。この例の各ブリッジユニットが適切な特性を有するブリッジユニットとして使用できると仮定すると、第1および第2の経路1101および1103は、必要なブリッジノードの数が少ないので好ましい。しかしながら、更にブリッジユニットで使用しないブランチの数が重要であると、ブリッジユニット8はブリッジユニット2よりも干渉が少ないので、第2の経路1103が第1の経路1101よりも好ましい。(この結論は、ブリッジユニット2から4つのブランチが生じるのに比べて、ブリッジユニット8からは2つのブランチだけが生じることを考慮して得られる。)
しかしながら、ユニット2および8が、ポータブルであったり、ビジーであったり、情報の中継ができなければ、残された1つの経路は経路31105である。この最少数のブリッジという基準では除かれた代替的経路は、第1のコネクティビティ木901には存在しないことに留意されたい。
【0067】
第2の経路1103が選択されたと仮定すると、最初にユニット9はユニット8に接続して、ユニット8にブリッジユニットとして働き、ユニット6へのブリッジ接続を確立するよう要求することによって確立される。そしてユニット8はユニット6への接続を確立し、ユニット6およびユニット9への2つのをリンクして第2の経路1103(すなわち、9−8−6)を提供する。
【0068】
以上で自己組織化された無線LAN(WLAN)技術について説明した。標準的WLANを用いるとき、本発明の自己組織化されたWLANシステムは、個々の無線ユニットが無線拡張部を形成する有線LANで使用することができる。この手法で望ましいことは特定のアプリケーションに依存する。まだLANが存在しない低価格のアプリケーション(例えば、住居用アプリケーション)では、自己組織化されたWLANのプラグアンドプレイを可能とする完全な無線でのコネクティビティは、有線バックボーンでの中継よりもより有利であろう。範囲および容量両方の拡張は、単に多くのブリッジユニットを効果的な位置に配置することで得られる。無線ユニットの目標価格を低くするとき、有線バックボーンを使用するよりもより安価な手法となる。有線バックボーンは、プロトコルおよびハードウェア全てを有する完全なLANを余分に必要とする。電源ラインやTVケーブルのような低価格の媒体を用いても、この媒体を通して情報を流すためのインフラストラクチャが依然として必要となる。有線LANと無線LAN分野との間をブリッジする変換ユニットに対する要求が常に存在する。この変換ブリッジユニットは、2つの無線トランシーバによって提供される純粋な無線ブリッジよりも、おそらく安価にはならない。
【0069】
別の成果は、既存の有線LANに対する無線拡張部である。1つまたはいくつかの無線ユニットがWLAN内で固定部分のように動作する。固定された無線ユニットの各々は、ピコネットの設定ができ、マスターとして動作できる。(いくつかの無線ユニットが同じ固定部分に一緒に位置できることに留意されたい。)無線ユニット用のプロトコルは、低レベルの通信に対してのみ有効である。ポータブルユニットに拡張できるあらゆる有線LANプロトコルを、より高いレベルで扱うべきである。すなわち、このLANの無線部分を、それらに対してトランスペアレントとすべきである。固定点への接続に加え、範囲内にあるポータブル無線ユニットは、それらの間に特別なピコネットを常に確立することができる。これは、接続が直接確立されるならば中継(すなわち、固定部分)が不要となるので、有線LANの負荷をなくし容量を増大させる。
【0070】
本発明の様々な特徴を実行する代表的システムについて、図12を参照して説明する。マスターユニット1201として示されている第1のユニットと、スレーブユニット1203として示されている第2のユニットとの、2つの無線ユニットが示されている。これらユニットの各々は、「マスター」および「スレーブ」のそれぞれの役割に関連して示された機能を実行する手段のみを含むように示されている。しかしながら、ここでのマスター専用およびスレーブ専用とした役割の割り当ては、本発明に関する検討を容易とするためであり、マスターおよびスレーブ両方として動作するために必要な部品全てを含むユニットも本発明に含まれる。また、本発明に直接関係する部品のみが示されていることにも留意されたい。しかしながら、マスターおよびスレーブユニット1201および1203の各々に、周知であり本発明の無線通信を実行するのに必要なトランシーバなどの追加の部品が含まれることは、当業者は解るであろう。
【0071】
マスターユニット1201に関連してマスターアドレス1205があり、これはシステムにおいてこのユニットをユニークに識別するコードである。マスターユニット1201はまた、マスタークロック1207を含んでいる。
【0072】
接続の確立を行うためには、マスターユニット1201が接続を確立すべき他のユニットのアドレスを知ることが必要である。この機能を行うために、マスターユニット1201は、上記で説明した照会メッセージを送信する手段として働く照会手段1209を含んでいる。照会手段1209はまた、応答(アドレスおよびトポロジー情報1211)を収集し、それを上記で説明したコネクティビティ木技法に従って組織化する。
【0073】
スレーブユニット1203も同様な関連したスレーブアドレス1213を有し、同様なスレーブクロック1215を含んでいる。このスレーブクロックはマスターユニット1201と同期されている必要はない。マスターユニット1201からの照会に応答できるようにするために、スレーブユニットは、受信した照会を認識し、マスターユニット1201に返す適切な応答を生成して送信する仕事を行う照会応答手段1217を含んでいる。既に示したように、応答にはスレーブアドレス1213だけでなく、スレーブのサービスのクラスおよびスレーブの現在のクロックの読み取り値などの他の情報も含まれている。
【0074】
マスターユニット1201がスレーブユニット1203との接続を確立できるようにするために、上記で説明したページメッセージを送信するページング手段1219も更に設けられている。ページメッセージは、照会手段1209から得られた情報であるスレーブアドレスを含んでいる。(もちろん、トポロジーによってブリッジノード(不図示)を介して接続を確立することが要求されるときには、ページメッセージはブリッジノードのアドレスも含む。1つの実施形態では、ページメッセージはスレーブユニット1203との接続を確立する要求を含んでいてもよい。代替的実施形態では、ページメッセージはブリッジノードとの接続を確立する働きだけをする。ブリッジノードの接続が確立された後、マスターユニット1201はブリッジにスレーブユニット1203との接続を確立するよう要求を発行する。)
使用していないとき、スレーブユニット1203はスタンバイモードであることが好ましい。従って、起動手段1221がスレーブユニット1203に設けられている。起動手段1221は、受信したページメッセージがこのスレーブユニット1203へのものかどうかを判定するために、スレーブユニット1203を定期的に起動させるタイマー1223を含んでいる。アドレス比較ユニット1225がこのために設けられている。スレーブアドレス1213が受信したページアドレスと一致したら、起動手段1221内の応答手段1227は、マスターユニット1201に返す適切な応答を生成し送信する。
【0075】
本発明の一つの態様では、マスターユニット1201とスレーブユニット1203との両方が周波数ホッピング通信システムを利用する。この結果、スレーブユニット1203はいくつかの所定のページングホップ周波数のいずれか1つで起動する。マスターユニット1201はスレーブユニット1203が起動されるホップ周波数を正確には知らないので、異なったホップで高い反復率でページメッセージを再送信する。ここでは受信側の起動ホップおよび起動ホップシーケンスを使用し、ページメッセージをできるだけ多くの異なったホップで送信して受信側への到達を試みる。起動ホップのシーケンスは、ページング手段1219内のページングチャネル生成器1229で生成される。スタンバイモードのユニットにアクセスするのに好適な技術は、「チャネルホッピング通信システムのアクセス技術(Access Technique of Channel Hopping Communications System)」という題名でHaartsenらによって1996年12月23日に出願された、上記の米国特許出願番号08/771,692号明細書により詳細に記載されている。
【0076】
接続が一旦確立されると、マスターユニット1201は、自身のマスターアドレス1205およびマスタークロック1207をスレーブユニット1203へ伝達する。そしてマスターアドレス1205およびマスタークロック1207は、マスターユニット1201およびスレーブユニット1203間の通信に使用される仮想周波数ホッピングチャネルを定義するために使用される。マスターユニット1201内のマスター通信手段は、マスターアドレス1205(ホップシーケンスを決定する)およびマスタークロック1207(ホップシーケンス内の位相を決定する)に基づいて、適切な時間にホップ周波数を生成するチャネル選択ユニット1231を含んでいる。
【0077】
スレーブユニット1203は、スレーブ通信手段1233内に、マスターアドレス(ホップシーケンスを決定する)およびマスタークロック1207に基づいて、適切な時間にホップ周波数を生成するためにチャネル選択ユニット1235を同様に含んでいる。好適な実施形態では、スレーブユニット1203が自身のスレーブクロック1215をマスターユニット1201のクロックに一致させるためにリセットする必要はない、代わりに、マスタークロック1207がスレーブユニット1203に最初に受信されたとき、マスタークロック1207とスレーブクロック1215との差が測定され記憶される。そして、スレーブユニット1203で現在のマスタークロックの値が必要となったときには常に、記憶された差と現在のスレーブクロック1215に基づいてその値が計算される。
【0078】
1つ以上のスレーブユニット1203を同じマスターユニット1201に接続できる可能性を提供するために、スレーブユニット1203は、第2のアドレス比較ユニット1237を更に含んでいる。既に述べたように、ピコネット内のそれぞれの通信は、対象とする受信側のアドレスを含んでいる。従って、第2のアドレス比較ユニット1237は、該スレーブユニットが受信した通信の目的とする受信側であるかどうかを判定するために、受信した宛先アドレスをスレーブユニット自身のスレーブアドレス1213と比較するためのものである。
【0079】
以上で特定の実施形態について本発明を説明した。しかしながら、上記の好適な実施形態以外の特定の形態で本発明を実施することが可能であることは、当業者には容易に理解されよう。これは本発明の主旨を逸脱することなく行われるのがよい。上記実施形態は単に例示のためであり、いかなる場合にも限定的に見なされるべきではない。本発明の範囲は、上記の説明ではなく、特許請求の範囲によってのみ定義され、特許請求の範囲に含まれる全ての変形や等価物も本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】スター型トポロジーを有するネットワークのブロック図である。
【図2】リング型トポロジーを有するネットワークのブロック図である。
【図3】メッシュ型トポロジーを有するネットワークのブロック図である。
【図4】本発明の一つの態様による、分散トポロジーを有する無線LANを示す図である。
【図5A】媒体と等しい単一のチャネルを利用する従来のLANを示す図である。
【図5B】媒体がいくつかのサブチャネルに分割された従来のLANを示す図である。
【図5C】本発明の一つの態様による、マルチチャネル手法を利用するLANを示す図である。
【図6A】互いの通信範囲内にない2つの無線ユニットと、各一方の範囲内にありピコネットのマスターとして動作する中間無線ユニットとによる、本発明の一つの態様によるピコネットを示す図である。
【図6B】互いの通信範囲内にない2つの無線ユニットと、各一方の範囲内にあり2つのピコネットのブリッジとして動作する中間無線ユニットとによる、本発明の代替実施形態を示す図である。
【図7】本発明の一つの態様による照会手順の代表的形態を示す図である。
【図8】本発明の別の態様による拡張した照会方法を示す図である。
【図9】本発明のある態様による第1のタイプのコネクティビティ木の代表例を示す図である。
【図10】本発明の別の態様による第2のタイプのコネクティビティ木の代表例を示す図である。
【図11】本発明の一つの態様による、接続を行うために可能な経路を決定するためのコネクティビティ木の利用を示す図である。
【図12】本発明の様々な新規な機能を実行する代表的システムのブロック図である。
【出願人】 【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル)
【出願日】 平成19年9月12日(2007.9.12)
【代理人】 【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳

【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎

【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘

【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二

【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治


【公開番号】 特開2008−61256(P2008−61256A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2007−237169(P2007−237169)