トップ :: H 電気 :: H04 電気通信技術




【発明の名称】 無線通信システム、無線基地局、通信制御方法、および通信制御プログラム
【発明者】 【氏名】黒川 英貴

【要約】 【課題】システム管理が一元化された無線ネットワークで、制御パケットや中継用パケットヘッダといったバックホール無線回線でのトラフィック量を減らすことにより、バックホール無線回線を有効に活用することができるようにする。

【構成】バックホールに有線回線を用いた場合に動作する第1の制御モードでは、無線基地局が以下のように動作する。(1)自身の管理用制御パケットを自身で処理する。(2)自身に接続したクライアントからのユーザトラフィックに制御装置または制御サーバで処理するための情報要素を付加したパケットの送受信を行う。(3)自身の無線側に接続する無線AP3の管理用制御パケットの代理処理を行う。(4)システム制御装置1から、自身の無線側に接続する無線AP3へ送信される管理用制御パケットを圧縮し、フレーム変換を施して無線側へ送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックボーン回線に有線で接続された第1の無線基地局と、バックボーン回線に無線通信を用いて接続される第2の無線基地局と、各無線基地局の動作を制御するシステム制御装置と、を備えた無線通信システムであって、
前記第1の無線基地局は、前記システム制御装置からの制御パケットの内、予め定められた種類の制御パケットを前記第2の無線基地局に送信せず、他の種類のパケットを該第2の無線基地局に送信する送信切り分け手段を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記第2の無線基地局は、当該第2の無線基地局に帰属する無線通信端末からのパケットを前記第1の無線基地局に送信する転送手段を備え、
前記第1の無線基地局は、前記第2の無線基地局から受信した該パケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項3】
バックボーン回線に有線で接続された第1の無線基地局と、バックボーン回線に無線通信を用いて接続される第2の無線基地局と、を備えた無線通信システムであって、
前記第2の無線基地局は、当該第2の無線基地局に帰属する無線通信端末からのパケットを前記第1の無線基地局に送信する転送手段を備え、
前記第1の無線基地局は、前記第2の無線基地局から受信した該パケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加手段を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
前記無線通信システムは、各無線基地局の動作を制御するシステム制御装置をさらに備え、
前記第1の無線基地局は、前記システム制御装置からの制御パケットの内、予め定められた種類の制御パケットを前記第2の無線基地局に送信せず、他の種類のパケットを該第2の無線基地局に送信する送信切り分け手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記第1の無線基地局は、前記第2の無線基地局に送信するパケットを受信した際、当該パケットに付随ヘッダ情報が付加されていれば、当該パケットから該付随ヘッダ情報を削除する付随ヘッダ情報削除手段と、
前記付随ヘッダ情報削除手段により該付随ヘッダ情報が削除されたパケットを前記第2の無線基地局に送信する送信手段とを備えたことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記第1の無線基地局は、前記第2の無線基地局への制御パケットを圧縮して送信する圧縮送信手段を備えたことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の無線通信システム。
【請求項7】
無線基地局の動作を制御するシステム制御装置と、バックボーン回線に無線通信を用いて接続される第2の無線基地局とに接続されて用いられる無線基地局であって、
前記システム制御装置からの制御パケットの内、予め定められた種類の制御パケットを前記第2の無線基地局に送信せず、他の種類のパケットを該第2の無線基地局に送信する送信切り分け手段を備えたことを特徴とする無線基地局。
【請求項8】
前記第2の無線基地局から受信したパケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加手段を備えたことを特徴とする請求項7記載の無線基地局。
【請求項9】
バックボーン回線に無線通信を用いて接続される第2の無線基地局に無線回線で接続されて用いられる無線基地局であって、
前記第2の無線基地局から受信したパケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加手段を備えたことを特徴とする無線基地局。
【請求項10】
前記無線基地局は、各無線基地局の動作を制御するシステム制御装置に接続されて用いられ、
前記システム制御装置からの制御パケットの内、予め定められた種類の制御パケットを前記第2の無線基地局に送信せず、他の種類のパケットを該第2の無線基地局に送信する送信切り分け手段を備えたことを特徴とする請求項9記載の無線基地局。
【請求項11】
前記第2の無線基地局に送信するパケットを受信した際、当該パケットに付随ヘッダ情報が付加されていれば、当該パケットから該付随ヘッダ情報を削除する付随ヘッダ情報削除手段と、
前記付随ヘッダ情報削除手段により該付随ヘッダ情報が削除されたパケットを前記第2の無線基地局に送信する送信手段とを備えたことを特徴とする請求項7から10の何れか1項に記載の無線基地局。
【請求項12】
前記第2の無線基地局への制御パケットを圧縮して送信する圧縮送信手段を備えたことを特徴とする請求項7から11の何れか1項に記載の無線基地局。
【請求項13】
バックボーン回線に有線で接続された第1の無線基地局に無線回線で接続されて用いられる無線基地局であって、
当該無線基地局に帰属する無線通信端末からのパケットを前記第1の無線基地局に送信する転送手段を備え、
前記第1の無線基地局は、受信した該パケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加手段を備えたことを特徴とする無線基地局。
【請求項14】
バックボーン回線に有線で接続された第1の無線基地局と、バックボーン回線に無線通信を用いて接続される第2の無線基地局と、各無線基地局の動作を制御するシステム制御装置と、を備えた無線通信システムにおける通信制御方法であって、
前記第1の無線基地局が前記システム制御装置から制御パケットを受信する制御パケット受信工程と、
前記制御パケット受信工程で受信された制御パケットの内、予め定められた種類の制御パケットを前記第2の無線基地局に送信せず、他の種類のパケットを該第2の無線基地局に送信する送信切り分け工程とを備えたことを特徴とする通信制御方法。
【請求項15】
前記第2の無線基地局が当該第2の無線基地局に帰属する無線通信端末からのパケットを前記第1の無線基地局に送信する転送工程と、
前記第1の無線基地局が前記第2の無線基地局から受信した該パケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加工程とを備えたことを特徴とする請求項14記載の通信制御方法。
【請求項16】
バックボーン回線に有線で接続された第1の無線基地局と、バックボーン回線に無線通信を用いて接続される第2の無線基地局と、を備えた無線通信システムにおける通信制御方法であって、
前記第2の無線基地局が当該第2の無線基地局に帰属する無線通信端末からのパケットを前記第1の無線基地局に送信する転送工程と、
前記第1の無線基地局が前記第2の無線基地局から受信した該パケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加工程とを備えたことを特徴とする通信制御方法。
【請求項17】
前記無線通信システムは、各無線基地局の動作を制御するシステム制御装置をさらに備え、
前記第1の無線基地局が前記システム制御装置から制御パケットを受信する制御パケット受信工程と、
前記制御パケット受信工程で受信された制御パケットの内、予め定められた種類の制御パケットを前記第2の無線基地局に送信せず、他の種類のパケットを該第2の無線基地局に送信する送信切り分け工程とを備えたことを特徴とする請求項16記載の通信制御方法。
【請求項18】
前記送信切り分け工程では、前記第1の無線基地局が前記第2の無線基地局への制御パケットを圧縮して送信することを特徴とする請求項14、15または17記載の通信制御方法。
【請求項19】
前記第1の無線基地局が前記第2の無線基地局に送信するパケットを受信する通信パケット受信工程と、
前記通信パケット受信工程で受信したパケットに付随ヘッダ情報が付加されていれば当該パケットから該付随ヘッダ情報を削除する付随ヘッダ情報削除工程と、
前記付随ヘッダ情報削除工程により該付随ヘッダ情報が削除されたパケットを前記第2の無線基地局に送信する送信工程とを備えたことを特徴とする請求項14から18の何れか1項に記載の通信制御方法。
【請求項20】
バックボーン回線に有線で接続された第1の無線基地局と、バックボーン回線に無線通信を用いて接続される第2の無線基地局と、各無線基地局の動作を制御するシステム制御装置と、を備えた無線通信システムにおける通信制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記第1の無線基地局が前記システム制御装置から制御パケットを受信する制御パケット受信処理と、
前記制御パケット受信処理で受信された制御パケットの内、予め定められた種類の制御パケットを前記第2の無線基地局に送信せず、他の種類のパケットを該第2の無線基地局に送信する送信切り分け処理とを実行させることを特徴とする通信制御プログラム。
【請求項21】
コンピュータに、
前記第2の無線基地局が当該第2の無線基地局に帰属する無線通信端末からのパケットを前記第1の無線基地局に送信する転送処理と、
前記第1の無線基地局が前記第2の無線基地局から受信した該パケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加処理とを実行させることを特徴とする請求項20記載の通信制御プログラム。
【請求項22】
バックボーン回線に有線で接続された第1の無線基地局と、バックボーン回線に無線通信を用いて接続される第2の無線基地局と、を備えた無線通信システムにおける通信制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記第2の無線基地局が当該第2の無線基地局に帰属する無線通信端末からのパケットを前記第1の無線基地局に送信する転送処理と、
前記第1の無線基地局が前記第2の無線基地局から受信した該パケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加処理とを実行させることを特徴とする通信制御プログラム。
【請求項23】
前記無線通信システムは、各無線基地局の動作を制御するシステム制御装置をさらに備え、
コンピュータに、
前記第1の無線基地局が前記システム制御装置から制御パケットを受信する制御パケット受信処理と、
前記制御パケット受信処理で受信された制御パケットの内、予め定められた種類の制御パケットを前記第2の無線基地局に送信せず、他の種類のパケットを該第2の無線基地局に送信する送信切り分け処理とを実行させることを特徴とする請求項22記載の通信制御プログラム。
【請求項24】
前記送信切り分け処理では、前記第1の無線基地局が前記第2の無線基地局への制御パケットを圧縮して送信することを特徴とする請求項20、21または23記載の通信制御プログラム。
【請求項25】
コンピュータに、
前記第1の無線基地局が前記第2の無線基地局に送信するパケットを受信する通信パケット受信処理と、
前記通信パケット受信処理で受信したパケットに付随ヘッダ情報が付加されていれば当該パケットから該付随ヘッダ情報を削除する付随ヘッダ情報削除処理と、
前記付随ヘッダ情報削除処理により該付随ヘッダ情報が削除されたパケットを前記第2の無線基地局に送信する送信処理とを実行させることを特徴とする請求項20から24の何れか1項に記載の通信制御プログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、バックボーン回線への接続に、有線のみを用いる無線基地局と無線を用いる無線基地局とが混在する無線通信システム、無線基地局、通信制御方法、および通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線基地局の設定や運用中の管理、無線通信端末の接続情報やセッション管理を一元管理し、管理を簡素化するために、無線基地局や無線ネットワークを管理するためのシステム制御装置(基地局制御装置や制御サーバなど)を用いた無線ネットワークが一般となっている。
【0003】
この一元管理による簡素化された無線ネットワークでは、無線基地局の機能として、接続されている無線通信端末からのユーザデータの配送に加え、無線通信端末からのユーザデータトラフィックにシステム制御装置などで処理するための中継用パケットヘッダ(付随ヘッダ情報)を付加して送出するカプセル化が行われている。
【0004】
また、このユーザデータトラフィック以外にも、無線基地局の設定パラメータや運用中の変更パラメータ、無線基地局の状態情報や、無線通信端末の接続情報、暗号化鍵の配送や鍵ライフタイムの満了による鍵の変更処理指示など、多岐に渡り、ネットワーク全体を管理するための制御パケットがシステム制御装置と無線基地局との間で送受信されている。
【0005】
また、従来の無線通信システムとして、IP適応層(IPAL)を用い、IPAL情報パケットの中にデータパケットを連結して入れ込むことで、比較的小さいデータパケットのヘッダを取り去って通信を行い、バックホールのトラフィック低減を図るものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特表2004−512787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような、システム制御装置を用いて一元管理された無線ネットワークで、無線基地局から有線LAN(Local Area Network)などのバックボーンネットワークまで接続させるためのバックホール回線に無線回線を用いたメッシュネットワークとする場合、以下のような課題がある。
(課題1)上述したカプセル化によりユーザトラフィックに付加された付随ヘッダ情報により、無線基地局間のバックホール無線回線の帯域を消費してしまう。
(課題2)管理のための各種制御パケットのために、無線基地局間のバックホール無線回線の帯域を消費してしまう。
【0007】
また、上述した特許文献1のものは、パケットヘッダのデータ量低減を図るものであり、制御パケットのトラフィック量を低減させることや、カプセル化による付随ヘッダ情報を付加しないようにすることについてまで考慮されたものではなかった。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、システム管理が一元化された無線ネットワークで、制御パケットや付随ヘッダ情報といったバックホール無線回線でのトラフィック量を減らすことにより、バックホール無線回線を有効に活用することができる無線通信システム、無線基地局、通信制御方法、および通信制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために、本発明の第1の態様としての無線通信システムは、バックボーン回線に有線で接続された第1の無線基地局と、バックボーン回線に無線通信を用いて接続される第2の無線基地局と、各無線基地局の動作を制御するシステム制御装置と、を備えた無線通信システムであって、上記第1の無線基地局は、上記システム制御装置からの制御パケットの内、予め定められた種類の制御パケットを上記第2の無線基地局に送信せず、他の種類のパケットを該第2の無線基地局に送信する送信切り分け手段を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【0010】
上記第2の無線基地局は、当該第2の無線基地局に帰属する無線通信端末からのパケットを上記第1の無線基地局に送信する転送手段を備え、上記第1の無線基地局は、上記第2の無線基地局から受信した該パケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加手段を備えたことが好ましい。
【0011】
また、本発明の第2の態様としてのは、バックボーン回線に有線で接続された第1の無線基地局と、バックボーン回線に無線通信を用いて接続される第2の無線基地局と、を備えた無線通信システムであって、上記第2の無線基地局は、当該第2の無線基地局に帰属する無線通信端末からのパケットを上記第1の無線基地局に送信する転送手段を備える。
上記第1の無線基地局は、上記第2の無線基地局から受信した該パケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加手段を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【0012】
上記無線通信システムは、各無線基地局の動作を制御するシステム制御装置をさらに備える。
上記第1の無線基地局は、上記システム制御装置からの制御パケットの内、予め定められた種類の制御パケットを上記第2の無線基地局に送信せず、他の種類のパケットを該第2の無線基地局に送信する送信切り分け手段を備えたことが好ましい。
【0013】
上記第1の無線基地局は、上記第2の無線基地局に送信するパケットを受信した際、当該パケットに付随ヘッダ情報が付加されていれば、当該パケットから該付随ヘッダ情報を削除する付随ヘッダ情報削除手段と、上記付随ヘッダ情報削除手段により該付随ヘッダ情報が削除されたパケットを上記第2の無線基地局に送信する送信手段とを備えたことが好ましい。
【0014】
上記第1の無線基地局は、上記第2の無線基地局への制御パケットを圧縮して送信する圧縮送信手段を備えたことが好ましい。
【0015】
また、本発明の第3の態様としての無線基地局は、無線基地局の動作を制御するシステム制御装置と、バックボーン回線に無線通信を用いて接続される第2の無線基地局とに接続されて用いられる無線基地局であって、上記システム制御装置からの制御パケットの内、予め定められた種類の制御パケットを上記第2の無線基地局に送信せず、他の種類のパケットを該第2の無線基地局に送信する送信切り分け手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
上記第2の無線基地局から受信したパケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加手段を備えたことが好ましい。
【0017】
また、本発明の第4の態様としての無線基地局は、バックボーン回線に無線通信を用いて接続される第2の無線基地局に無線回線で接続されて用いられる無線基地局であって、上記第2の無線基地局から受信したパケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
上記無線基地局は、各無線基地局の動作を制御するシステム制御装置に接続されて用いられ、上記システム制御装置からの制御パケットの内、予め定められた種類の制御パケットを上記第2の無線基地局に送信せず、他の種類のパケットを該第2の無線基地局に送信する送信切り分け手段を備えたことが好ましい。
【0019】
上記第2の無線基地局に送信するパケットを受信した際、当該パケットに付随ヘッダ情報が付加されていれば、当該パケットから該付随ヘッダ情報を削除する付随ヘッダ情報削除手段と、上記付随ヘッダ情報削除手段により該付随ヘッダ情報が削除されたパケットを上記第2の無線基地局に送信する送信手段とを備えたことが好ましい。
【0020】
上記第2の無線基地局への制御パケットを圧縮して送信する圧縮送信手段を備えたことが好ましい。
【0021】
また、本発明の第5の態様としての無線基地局は、バックボーン回線に有線で接続された第1の無線基地局に無線回線で接続されて用いられる無線基地局であって、当該無線基地局に帰属する無線通信端末からのパケットを上記第1の無線基地局に送信する転送手段を備え、上記第1の無線基地局は、受信した該パケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加手段を備えたことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の第6の態様としての通信制御方法は、バックボーン回線に有線で接続された第1の無線基地局と、バックボーン回線に無線通信を用いて接続される第2の無線基地局と、各無線基地局の動作を制御するシステム制御装置と、を備えた無線通信システムにおける通信制御方法であって、上記第1の無線基地局が上記システム制御装置から制御パケットを受信する制御パケット受信工程と、上記制御パケット受信工程で受信された制御パケットの内、予め定められた種類の制御パケットを上記第2の無線基地局に送信せず、他の種類のパケットを該第2の無線基地局に送信する送信切り分け工程とを備えたことを特徴とする。
【0023】
上記第2の無線基地局が当該第2の無線基地局に帰属する無線通信端末からのパケットを上記第1の無線基地局に送信する転送工程と、上記第1の無線基地局が上記第2の無線基地局から受信した該パケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加工程とを備えたことが好ましい。
【0024】
また、本発明の第7の態様としての通信制御方法は、バックボーン回線に有線で接続された第1の無線基地局と、バックボーン回線に無線通信を用いて接続される第2の無線基地局と、を備えた無線通信システムにおける通信制御方法であって、上記第2の無線基地局が当該第2の無線基地局に帰属する無線通信端末からのパケットを上記第1の無線基地局に送信する転送工程と、上記第1の無線基地局が上記第2の無線基地局から受信した該パケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加工程とを備えたことを特徴とする。
【0025】
上記無線通信システムは、各無線基地局の動作を制御するシステム制御装置をさらに備え、上記第1の無線基地局が上記システム制御装置から制御パケットを受信する制御パケット受信工程と、上記制御パケット受信工程で受信された制御パケットの内、予め定められた種類の制御パケットを上記第2の無線基地局に送信せず、他の種類のパケットを該第2の無線基地局に送信する送信切り分け工程とを備えたことが好ましい。
【0026】
上記送信切り分け工程では、上記第1の無線基地局が上記第2の無線基地局への制御パケットを圧縮して送信することが好ましい。
【0027】
上記第1の無線基地局が上記第2の無線基地局に送信するパケットを受信する通信パケット受信工程と、上記通信パケット受信工程で受信したパケットに付随ヘッダ情報が付加されていれば当該パケットから該付随ヘッダ情報を削除する付随ヘッダ情報削除工程と、上記付随ヘッダ情報削除工程により該付随ヘッダ情報が削除されたパケットを上記第2の無線基地局に送信する送信工程とを備えたことが好ましい。
【0028】
また、本発明の第8の態様としての通信制御プログラムは、バックボーン回線に有線で接続された第1の無線基地局と、バックボーン回線に無線通信を用いて接続される第2の無線基地局と、各無線基地局の動作を制御するシステム制御装置と、を備えた無線通信システムにおける通信制御プログラムであって、コンピュータに、上記第1の無線基地局が上記システム制御装置から制御パケットを受信する制御パケット受信処理と、上記制御パケット受信処理で受信された制御パケットの内、予め定められた種類の制御パケットを上記第2の無線基地局に送信せず、他の種類のパケットを該第2の無線基地局に送信する送信切り分け処理とを実行させることを特徴とする。
【0029】
コンピュータに、上記第2の無線基地局が当該第2の無線基地局に帰属する無線通信端末からのパケットを上記第1の無線基地局に送信する転送処理と、上記第1の無線基地局が上記第2の無線基地局から受信した該パケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加処理とを実行させることが好ましい。
【0030】
また、本発明の第9の態様としての通信制御プログラムは、バックボーン回線に有線で接続された第1の無線基地局と、バックボーン回線に無線通信を用いて接続される第2の無線基地局と、を備えた無線通信システムにおける通信制御プログラムであって、コンピュータに、上記第2の無線基地局が当該第2の無線基地局に帰属する無線通信端末からのパケットを上記第1の無線基地局に送信する転送処理と、上記第1の無線基地局が上記第2の無線基地局から受信した該パケットに付随ヘッダ情報を付加する付随ヘッダ情報付加処理とを実行させることを特徴とする。
【0031】
上記無線通信システムは、各無線基地局の動作を制御するシステム制御装置をさらに備え、コンピュータに、上記第1の無線基地局が上記システム制御装置から制御パケットを受信する制御パケット受信処理と、上記制御パケット受信処理で受信された制御パケットの内、予め定められた種類の制御パケットを上記第2の無線基地局に送信せず、他の種類のパケットを該第2の無線基地局に送信する送信切り分け処理とを実行させることが好ましい。
【0032】
上記送信切り分け処理では、上記第1の無線基地局が上記第2の無線基地局への制御パケットを圧縮して送信することが好ましい。
【0033】
コンピュータに、上記第1の無線基地局が上記第2の無線基地局に送信するパケットを受信する通信パケット受信処理と、上記通信パケット受信処理で受信したパケットに付随ヘッダ情報が付加されていれば当該パケットから該付随ヘッダ情報を削除する付随ヘッダ情報削除処理と、上記付随ヘッダ情報削除処理により該付随ヘッダ情報が削除されたパケットを上記第2の無線基地局に送信する送信処理とを実行させることが好ましい。
【発明の効果】
【0034】
以上のように、本発明によれば、システム管理が一元化された無線ネットワークで、制御パケットや付随ヘッダ情報といったバックホール無線回線でのトラフィック量を減らすことにより、バックホール無線回線を有効に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
次に、本発明に係る無線通信システム、無線基地局、通信制御方法、および通信制御プログラムを適用した一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0036】
本実施形態は、アクセスポイント(無線基地局)や無線クライアント(無線通信端末)の管理機能を有するシステム制御装置を備えて構成され、アクセスポイント間通信及び、有線LANとの接続点までの経路に無線回線を用いた無線メッシュネットワークである。
【0037】
本実施形態としての無線通信システムは、図1に示すように、システム制御装置1と、有線LANなどのバックボーン回線に有線のみで接続されるアクセスポイント(以下、有線AP)2と、バックボーン回線に無線通信を用いて接続されるアクセスポイント(以下、無線AP)3とを備えて構成される。無線通信端末4は、有線AP2または無線AP3に帰属することで、他の無線通信端末など他装置と無線通信可能になっている。
【0038】
システム制御装置1と有線AP2との間は、有線LANなどの有線ネットワーク5を介して接続される。また、この有線ネットワーク5は、ルータ(ネットワーク間接続装置)6を介することにより、ネットワークアドレスやネットマスクの異なる複数のネットワークが接続されて構成され、ネットワーク間での通信が行われている。
【0039】
システム制御装置1は、有線AP2や無線AP3など他の装置と通信を行う通信部11と、本システム制御装置1の動作全体を制御する制御部12と、各有線AP2や無線AP3を管理するための情報などを格納する記憶部13とを備える。
【0040】
上述した有線AP2と無線AP3とは、ハードウェアとしては同じ装置であり、接続されている回線が無線回線であるか有線回線であるかによって動作モードが異なるため、便宜上、別名称としている。
この無線基地局(有線AP2、無線AP3)は、図3に示すように、無線通信端末4など他の装置と無線通信を行う無線通信部21と、システム制御装置1などネットワークを構成する他の装置と有線での通信を行う有線通信部22と、本無線基地局の動作全体を制御する制御部23と、記憶部24とを備える。
【0041】
記憶部24は、システム制御装置1からのパケットの送信要否を切り分けるための送信要否切り分けテーブル24aを格納する。
送信要否切り分けテーブル24aは、図4に示すように、無線基地局が有線AP2として用いられる第1の制御モードである場合に、無線基地局間の無線通信により無線AP3まで送信するパケットとそれ以外のパケットとの種類を示すものである。
【0042】
図4の例では、無線AP3まで送信するパケットの種類として、APの設定変更に関する制御パケットと、APの状態監視に関する制御パケットとが挙げられている。また、無線AP3まで送信しない、すなわち有線APまでで配送を止めるパケットの種類として、クライアント(無線通信端末4)の移動制御に関する制御パケットが挙げられている。
【0043】
このように、アクセスポイントの設定や運用中の管理、クライアントの接続情報やセッション管理をシステム制御装置1により一元管理して管理を簡素化した無線ネットワークにおける動作として、本実施形態における無線基地局は、有線AP2としても、無線AP3としても動作しうるように、2つの制御モードを切り換える機能を備える。
【0044】
第1の制御モードは、バックホールに有線回線で接続されている場合(アンカーアクセスポイントモード)に、無線側に接続されるアクセスポイントの管理パケットの代理処理及び、無線側に接続されるアクセスポイントの配下に接続されるクライアントからの送信パケットに対して、管理に必要な情報要素を付随し、接続されている有線LANを介して、システム制御装置1と情報を送受信して制御を行う制御モードである。
【0045】
第2の制御モードは、バックホールに無線LANを用いて(ワイヤレスバックホールモード)、配下のクライアントのパケットをアンカーアクセスポイントモードで動作する有線AP2へ配送する制御モードである。
【0046】
まず、バックホールに有線回線を用いた場合に動作する第1の制御モードでは、以下のように動作する。
(1) 自身の管理用制御パケットを自身で処理する。
(2) 自身に接続したクライアントからのユーザトラフィックに制御装置または制御サーバで処理するための情報要素を付加したパケットの送受信を行う。
(3) 自身の無線側に接続する無線AP3の管理用制御パケットの代理処理を行う。
(4) システム制御装置1から、自身の無線側に接続する無線AP3へ送信される管理用制御パケットを圧縮し、フレーム変換を施して無線側へ送信する。
【0047】
また、バックホールに無線LANを用いた場合に動作する第2の制御モードでは、以下のように動作する。
(1) 自身に接続したクライアントからのユーザトラフィックに制御装置または制御サーバで処理するための情報要素を付加しないでパケットを送受信する。
(2) 自身に接続したクライアントの管理情報や自身を制御するために必要な制御パケットを圧縮し、無線基地局間の無線通信といったバックホール無線回線へと送信する。
【0048】
次に、本実施形態の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、無線基地局が本実施形態としての無線通信システムとして組み込まれ、無線AP3として機能していく動作における制御パケットの送信処理手順について、図5のシーケンス図を参照して説明する。
【0049】
無線基地局の電源がONにされると、無線基地局は、有線通信部22に有線接続のためのコネクタ(不図示)が接続されているかどうかを確認する(ステップS1)。ここでコネクタの接続が確認され、他の装置と有線で接続されている場合、その無線基地局は第1の制御モードとして起動し、有線AP2として動作する(ステップS2)。
【0050】
有線接続のためのコネクタの接続が確認されない場合(ステップS1;No)、無線基地局は無線通信部21により、周辺に無線通信可能な無線基地局が存在するかどうかを検索する(ステップS3)。
検索された無線基地局に接続要求を送信し(ステップS4)、その接続要求に接続応答が返信されてくると(ステップS5)、検索された無線基地局に無線通信で接続される無線AP3として、第2の制御モードでの動作がスタートする(ステップS6)。
図5では、検索された無線基地局が有線AP2である場合の例を示している。
【0051】
無線AP3としての動作を開始すると、まず、この無線AP3は、無線基地局間の通信としてのパケットヘッダにより、有線AP2に設定データ要求を送信する(ステップS7)。
【0052】
この設定データ要求のパケットは、無線基地局間の通信としてのパケットヘッダによるものであり、無線基地局間の無線LANとしてのプライベートアドレスを含んで構成されているため、そのままではルータ6を経由してシステム制御装置1に送信できない。
このため、有線AP2は、無線AP3についての設定データ要求を代理でシステム制御装置1に送信する(ステップS8)。
【0053】
無線AP3についての設定データがシステム制御装置1から送信されてくると(ステップS9)、有線AP2は、その設定データを圧縮データに変換し、無線基地局間の無線通信により無線AP3に送信する(ステップS10)。
これ以降、システム制御装置1から無線AP3用の設定データが送信されてくる度に(ステップS11)、有線AP2は、その設定データを圧縮データに変換し、無線基地局間の無線通信により無線AP3に送信する(ステップS12)。
【0054】
このように、有線AP2は、無線AP3に送信する各種の制御パケットを、制御部23により圧縮した後、無線基地局間の無線通信で無線AP3に送信する。
【0055】
なお、有線AP2は、こうしたシステム制御装置1からの制御パケットの内、上述したAPの設定データなど、送信要否切り分けテーブル24aにより無線AP3まで送信することとされた種類の制御パケットについて、上述のようにして圧縮データとして無線AP3に送信する動作を行う。
すなわち、上述したAPの設定データなど、システム制御装置1から無線AP3を送信先とする制御パケットを受信すると、送信要否切り分けテーブル24aを参照して制御パケットの種類を確認し、無線AP3まで送信することとされた種類の制御パケットについて、上述のようにして圧縮データとして無線AP3に送信する。
【0056】
逆に、有線AP2は、送信要否切り分けテーブル24aにより、無線AP3まで送信しない、すなわち有線AP2までで配送を止める種類の制御パケットとされているものについては、上述した動作のように無線AP3に送信せず、有線AP2までで配送を停止させる。
送信要否切り分けテーブル24aで切り分けられない種類の制御パケットについては、上述のようにして圧縮データとして無線AP3に送信することとしてよい。
【0057】
次に、無線基地局が本実施形態としての無線通信システムとして組み込まれて無線AP3として動作し、無線通信端末4によるユーザデータパケットを送受信する処理手順について、図6のシーケンス図を参照して説明する。
【0058】
無線基地局の電源がONにされると、無線基地局は、図5により上述した動作と同様に有線通信部22に有線接続のためのコネクタ(不図示)が接続されているかどうかを確認する(ステップS21)。コネクタの接続が確認され、他の装置と有線で接続されている場合、その無線基地局は第1の制御モードとして起動し、有線AP2として動作する(ステップS22)。
【0059】
有線接続のためのコネクタの接続が確認されない場合(ステップS21;No)、図5により上述した動作と同様に、無線基地局は無線通信部21により、周辺に無線通信可能な無線基地局が存在するかどうかを検索する(ステップS23)。
検索された無線基地局に接続要求を送信し(ステップS24)、その接続要求に接続応答が返信されてくると(ステップS25)、検索された無線基地局に無線通信で接続される無線AP3として、第2の制御モードでの動作がスタートする(ステップS26)。
図6では、検索された無線基地局が有線AP2である場合の例を示している。
【0060】
ここで無線通信端末4が無線AP3に帰属し、IEEE802.11の規格に定められるデータフレームを無線により送信すると(ステップS27)、無線AP3は、無線通信端末4から受信したIEEE802.11のデータフレームをそのまま有線AP2に送信する(ステップS28)。
【0061】
有線AP2は、無線AP3からのIEEE802.11のデータフレームを、無線AP3の代理としてカプセル化し、システム制御装置1に送信する(ステップS29)。すなわち、無線AP3からのIEEE802.11のデータフレームに付随ヘッダ情報(中継用パケットヘッダ)を付加してカプセル化し、いわゆるトンネルを張った状態にしてから、ルータ6を介してシステム制御装置1に送信する。
【0062】
システム制御装置1からの返送データを受信すると(ステップS30)、有線AP2は、そのシステム制御装置1からのデータがカプセル化されたデータであるため、付加されている付随ヘッダ情報を削除してカプセル化を解除し、IEEE802.11のデータフレームにしてから無線AP3に無線通信で送信する(ステップS31)。
【0063】
無線AP3は、IEEE802.11のデータフレームによりシステム制御装置1からの返送データを受信すると、そのまま無線通信端末4に送信する(ステップS32)。
【0064】
次に、本実施形態としての無線通信システムで、無線通信端末4が移動していく場合のユーザデータパケットの送受信処理手順について、図7のシーケンス図を参照して説明する。
【0065】
無線通信端末4が有線AP2による通信エリア内にいる場合、無線通信端末4は、有線AP2に帰属要求を発信する(ステップS41)。この帰属要求に対し、有線AP2から帰属応答が発信されて帰属処理が正常に行われると(ステップS42)、無線通信端末4はデータ通信を行う際に、有線AP2に対して、IEEE802.11のデータフレームによりデータを送信する(ステップS43)。
【0066】
有線AP2は、無線通信端末4からのIEEE802.11データフレームに付随ヘッダ情報を付加してカプセル化し、いわゆるトンネルを張った状態にしてから、ルータ6を介してシステム制御装置1に送信する(ステップS44)。
【0067】
システム制御装置1からからの返送データを受信すると(ステップS45)、有線AP2は、そのシステム制御装置1からのデータがカプセル化されたデータであるため、付加されている付随ヘッダ情報を削除してカプセル化を解除し、IEEE802.11のデータフレームにしてから無線通信端末4に無線通信で送信する(ステップS46)。
【0068】
こうして無線通信を行いながら、無線通信端末4が有線AP2による通信エリア内から無線AP3による通信エリア内に移動を始めた場合、無線通信端末4は受信電波状態の変化を検知してハンドオーバ処理を開始し、無線AP3に帰属要求を発信する(ステップS47)。
【0069】
この帰属要求に対し、無線AP3から帰属応答が発信されて帰属処理が正常に行われると(ステップS48)、ハンドオーバ処理が正常に完了となる。このため、無線通信端末4はデータ通信を行う際に、無線AP3に対して、IEEE802.11のデータフレームによりデータを送信する(ステップS49)。
無線AP3は、無線通信端末4から受信したIEEE802.11のデータフレームをそのまま有線AP2に送信する(ステップS50)。
【0070】
有線AP2は、無線AP3からのIEEE802.11のデータフレームを、無線AP3の代理としてカプセル化し、システム制御装置1に送信する(ステップS51)。すなわち、無線AP3からのIEEE802.11のデータフレームに付随ヘッダ情報を付加してカプセル化し、いわゆるトンネルを張った状態にしてから、ルータ6を介してシステム制御装置1に送信する。
【0071】
システム制御装置1からの返送データを受信すると(ステップS52)、有線AP2は、そのシステム制御装置1からのデータがカプセル化されたデータであるため、付加されている付随ヘッダ情報を削除してカプセル化を解除し、IEEE802.11のデータフレームにしてから無線AP3に無線通信で送信する(ステップS53)。
【0072】
無線AP3は、IEEE802.11のデータフレームによりシステム制御装置1からの返送データを受信すると、そのまま無線通信端末4に送信する(ステップS54)。
【0073】
このように、本実施形態としての無線通信システムは、アクセスポイントの設定や運用中の管理、クライアントの接続情報やセッション管理を一元管理し、管理を簡素化するために、アクセスポイントや無線ネットワークを管理するための、基地局制御装置や制御サーバといったシステム制御装置1を用い、アクセスポイント間通信や、有線LANとの接続点までのバックホール回線に無線回線を用いたメッシュネットワークとなっている。
この無線通信システムで、本実施形態におけるアクセスポイントは、バックホールに有線回線を用いた場合に動作する第1の制御モードと、バックホールに無線LANを用いた場合に動作する第2の制御モードとを動的に切り換える機能を有する。
【0074】
このため、上述した実施形態によれば、カプセル化のためにユーザトラフィックに付加された付随ヘッダ情報(中継用パケットヘッダ)により、バックホール無線回線帯域が余分に消費されることを防止し、限りあるバックホール無線回線帯域を有効活用することができる。
【0075】
すなわち、無線通信端末4からのユーザパケット配送機能について、従来であれば無線AP3がカプセル化して有線AP2に送信していたのを、本実施形態では、無線AP3がカプセル化せずに802.11のデータフレームをそのまま有線AP2に送信し、有線AP2がそのパケットに付随ヘッダ情報を付加してカプセル化を行う。
また、システム制御装置1などから有線AP2が受信し、無線AP3に送信するパケットについても、そのパケットがカプセル化されている場合には、有線AP2が付随ヘッダ情報を削除してカプセル化を解除し、その後に無線AP3に送信する。
【0076】
このことにより、無線AP3と有線AP2との間での無線基地局間通信によるバックホール無線回線のトラフィック量を、カプセル化に伴う付随ヘッダ情報の分、削減することができる。このため、バックホール無線回線のトラフィック量を減らし、限られた帯域幅を有効に活用することができる。
【0077】
また、システム制御装置1から送信されたアクセスポイント管理のための制御パケットを、送信要否切り分けテーブル24aに基づいて、無線AP3に必要なものだけ抜粋して無線基地局間の無線通信で送信するため、無線AP3にとって不要な制御パケットの送信によりバックホール無線回線帯域が余分に消費されることを防止し、限りあるバックホール無線回線帯域を有効活用することができる。
【0078】
なお、上述した各実施形態は本発明の好適な実施形態であり、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々変形して実施することが可能である。
例えば、上述した実施形態では、有線AP2が2台、無線AP3が1台として説明したが、バックボーン回線に無線通信を用いて接続される無線基地局と、バックボーン回線に有線のみで接続される無線基地局とが混在して無線メッシュネットワークを構成していれば台数はこのものに限定されず、任意の台数であってよい。
【0079】
また、上述した各実施形態としての無線通信システムを実現するための処理手順をプログラムとして記録媒体に記録することにより、本発明の各実施形態による上述した各機能を、その記録媒体から供給されるプログラムによって、システムを構成するコンピュータのCPUに処理を行わせて実現させることができる。
この場合、上記の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
すなわち、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体および該記録媒体から読み出された信号は本発明を構成することになる。
この記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM等を用いてよい。
【0080】
この本発明に係るプログラムによれば、当該プログラムによって制御される無線通信システムに、上述した本発明に係る各実施形態としての無線通信システムにおける各機能を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施形態としての無線通信システムを示すブロック図である。
【図2】システム制御装置1の構成例を示すブロック図である。
【図3】無線基地局(有線AP2、無線AP3)の構成例を示すブロック図である。
【図4】送信要否切り分けテーブル24aの構成例を示すブロック図である。
【図5】本実施形態における制御パケットの送信処理手順を示すシーケンス図である。
【図6】本実施形態におけるユーザデータパケットを送受信する処理手順を示すシーケンス図である。
【図7】無線通信端末4が移動していく場合のユーザデータパケットの送受信処理手順を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0082】
1 システム制御装置
2(1a,1b) 有線AP(第1の無線基地局の一例)
21 無線通信部
22 有線通信部
23 制御部
24 記憶部
24a 送信要否切り分けテーブル
3 無線AP(第2の無線基地局の一例)
4 無線通信端末
5 有線ネットワーク
6 ルータ(ネットワーク間接続装置の一例)
【出願人】 【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【出願日】 平成18年7月10日(2006.7.10)
【代理人】 【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫


【公開番号】 特開2008−17428(P2008−17428A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−189393(P2006−189393)