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【発明の名称】 受信装置、伝送システム、および受信方法
【発明者】 【氏名】佐藤 正啓

【要約】 【課題】振幅方向の多値変調通信において、高速なデータ伝送速度であっても、ジッタの少ないクロック再生を簡単な回路構成で実現することが可能な受信装置、伝送システム、および受信方法を提供する。

【構成】受信装置3は、受信信号の最小値から最大値までの間に、2−1個のしきい値を設定し、設定したしきい値と受信信号とを比較器によりそれぞれ比較して2−1個の比較器出力を得、2−1個の比較器出力のうち、受信信号の最小値に近い第1のしきい値が第1レベルLから第2レベルHに変化するタイミングと、受信信号の最大値に近い第2のしきい値による比較出力が第2レベルから第1レベルに変化するタイミングの、二つのタイミングからクロックを再生し、この再生クロックを位相調整したクロックCLK2に同期して2−1個の比較出力をラッチする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振幅方向に多値変調されたnビットの多値信号を受信する受信装置であって、
受信信号の最小値から最大値までの間に、2−1個のしきい値が設定され、当該しきい値と受信信号とを比較する2−1個の比較器を含む比較部と、
上記比較部の2−1個の比較器出力のうち、上記受信信号の最小値に近い第1のしきい値による比較器出力が第1レベルから第2レベルに変化するタイミングと、上記受信信号の最大値に近い第2のしきい値による比較器出力が第2レベルから第1レベルに変化するタイミングの、二つのタイミングからクロックを再生するクロック再生部と、
上記再生クロックに同期して上記比較部の2−1個の比較器出力をラッチするラッチ部と
を有する受信装置。
【請求項2】
受信信号のピーク値とボトム値を検出する検出部と、
上記検出したピーク値とボトム値とを保存するホールド回路と、
保存したピーク値とボトム値から、上記2−1個のしきい値を設定する設定回路と、 を有する請求項1記載の受信装置。
【請求項3】
上記ラッチ部にラッチされた2−1個の比較器出力を取り込み、最下位ビット(0)から最上位ビット(2−1)までを順番にカウントし、当該最上位ビットまでのカウント値を受信値(複合値)とするデータ再生部を有する
請求項1記載の受信装置。
【請求項4】
上記ラッチ部のデータ入力とクロック入力の位相が揃うように上記再生クロックの位相調整する位相調整部を有する
請求項1記載の受信装置。
【請求項5】
上記ラッチ部のデータ入力とクロック入力の位相が揃うように上記再生クロックの位相調整する位相調整部を有する
請求項2記載の受信装置。
【請求項6】
上記ラッチ部のデータ入力とクロック入力の位相が揃うように上記再生クロックの位相調整する位相調整部を有する
請求項3記載の受信装置。
【請求項7】
振幅方向に多値変調されたnビットの信号を受信する受信装置であって、
受信信号の最小値から最大値までの間に、2−1個のしきい値が設定され、当該しきい値と受信信号とを比較する2−1個の比較器を含む比較部と、
上記比較部の2−1個の比較器出力のうち、一番小さいしきい値による比較出力が第1レベルから第2レベルに変化するタイミングと、一番大きいしきい値による比較出力が第2レベルから第1レベルに変化するタイミングの、二つのタイミングからクロックを再生するクロック再生部と、
上記再生クロックに同期して上記比較部の2−1個の比較器出力をラッチするラッチ部と、
上記ラッチ部のデータ入力とクロック入力の位相が揃うように上記再生クロックの位相調整する位相調整部と
を有する受信装置。
【請求項8】
受信信号のピーク値とボトム値を検出する検出部と、
上記検出したピーク値とボトム値とを保存するホールド回路と、
保存したピーク値とボトム値から、上記2−1個のしきい値を設定する設定回路と、 を有する請求項7記載の受信装置。
【請求項9】
上記ラッチ部にラッチされた2−1個の比較器出力を取り込み、最下位ビット(0)から最上位ビット(2−1)までを順番にカウントするカウンタを有し、当該カウンタ出力を受信値(複合値)とするデータ再生部を有する
請求項8記載の受信装置。
【請求項10】
上記ラッチ部にラッチされた2−1個の比較器出力を取り込み、最下位ビット(0)から最上位ビット(2−1)までを順番にカウントするカウンタを有し、当該カウンタ出力を受信値(複合値)とするデータ再生部を有する
請求項9記載の受信装置。
【請求項11】
振幅方向に多値変調されたnビットの多値信号を伝送路に伝送する送信装置と、
振幅方向に多値変調されたnビットの多値信号を受信する受信装置と、を有し、
上記受信装置は、
受信信号の最小値から最大値までの間に、2−1個のしきい値が設定され、当該しきい値と受信信号とを比較する2−1個の比較器を含む比較部と、
上記比較部の2−1個の比較器出力のうち、一番小さいしきい値による比較出力が第1レベルから第2レベルに変化するタイミングと、一番大きいしきい値による比較出力が第2レベルから第1レベルに変化するタイミングの、二つのタイミングからクロックを再生するクロック再生部と、
上記再生クロックに同期して上記比較部の2−1個の比較器出力をラッチするラッチ部と、
上記ラッチ部のデータ入力とクロック入力の位相が揃うように上記再生クロックの位相調整する位相調整部と、を含む
伝送システム。
【請求項12】
振幅方向に多値変調されたnビットの多値信号を受信する受信方法であって、
受信信号の最小値から最大値までの間に、2−1個のしきい値を設定するステップと、
上記設定したしきい値と受信信号とをそれぞれ比較し2−1個の比較出力を得るステップと、
上記2−1個の比較出力のうち、一番小さいしきい値による比較出力が第1レベルから第2レベルに変化するタイミングと、一番大きいしきい値による比較出力が第2レベルから第1レベルに変化するタイミングの、二つのタイミングからクロックを再生するステップと、
上記再生クロックに同期して2−1個の比較出力をラッチするステップと、
上記ラッチする際にデータ入力とクロック入力の位相が揃うように上記再生クロックの位相調整するステップと
を有する受信方法。




【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、光量に応じた光信号等の多値信号を送信する送信装置、多値信号を受信する受信装置、多値信号を送受信する伝送システム、および受信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル放送やストリーミング映像配信などの普及により、家庭内においても高速通信技術が必要とされており、そのため光通信に関する技術開発が広く行われている。
たとえば、下記特許文献1には、送信側でデータ信号に付加された参照信号の振幅に基づき、受信側でそのデータ信号を変調することで、高密度伝送を可能とする光信号のデータ伝送技術について開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−244586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に開示された技術等では、受信装置側ではアナログデジタルコンバータ(ADC)を通してデータ再生を行う。
たとえば振幅方向の多値変調通信方法を採用してGHz帯の高速通信を行うことが考えられるが、GHz帯のADCは消費電力が大きく、また、ADCのサンプリングクロックがデータ伝送速度に近付くため(低速ではサンプリングクロックがデータ伝送速度よりも十分速いので位相合わせは不要だった)、シビアな位相調整が必要になるという不利益がある。
【0005】
また、図18に示すように、GHz帯では、信号の立ち上り速度と立ち下り速度の影響でクロック再生後のジッタが大きくなるという不利益もある。
図18(A)に示すように、信号の立ち上がり速度と立ち下がり速度が十分に速い場合には受信信号から再生したクロックはジッタがほとんど含まない。
これに対して、図18(B)に示すように、信号の立ち上がり速度と立ち下がり速度が遅く場合には受信信号から再生したクロックはジッタを大きくなる。
【0006】
本発明は、振幅方向の多値変調通信において、高速なデータ伝送速度であっても、ジッタの少ないクロック再生を簡単な回路構成で実現することが可能な受信装置、伝送システム、および受信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、振幅方向に多値変調されたnビットの多値信号を受信する受信装置であって、受信信号の最小値から最大値までの間に、2−1個のしきい値が設定され、当該しきい値と受信信号とを比較する2−1個の比較器を含む比較部と、上記比較部の2−1個の比較器出力のうち、上記受信信号の最小値に近い第1のしきい値による比較器出力が第1レベルから第2レベルに変化するタイミングと、上記受信信号の最大値に近い第2のしきい値による比較器出力が第2レベルから第1レベルに変化するタイミングの、二つのタイミングからクロックを再生するクロック再生部と、上記再生クロックに同期して上記比較部の2−1個の比較器出力をラッチするラッチ部とを有する。
【0008】
本発明の第2の観点は、振幅方向に多値変調されたnビットの信号を受信する受信装置であって、受信信号の最小値から最大値までの間に、2−1個のしきい値が設定され、当該しきい値と受信信号とを比較する2−1個の比較器を含む比較部と、上記比較部の2−1個の比較器出力のうち、一番小さいしきい値による比較出力が第1レベルから第2レベルに変化するタイミングと、一番大きいしきい値による比較出力が第2レベルから第1レベルに変化するタイミングの、二つのタイミングからクロックを再生するクロック再生部と、上記再生クロックに同期して上記比較部の2−1個の比較器出力をラッチするラッチ部と、上記ラッチ部のデータ入力とクロック入力の位相が揃うように上記再生クロックの位相調整する位相調整部とを有する。
【0009】
本発明の第3の観点の伝送システムは、振幅方向に多値変調されたnビットの多値信号を伝送路に伝送する送信装置と、振幅方向に多値変調されたnビットの多値信号を受信する受信装置と、を有し、上記受信装置は、受信信号の最小値から最大値までの間に、2−1個のしきい値が設定され、当該しきい値と受信信号とを比較する2−1個の比較器を含む比較部と、上記比較部の2−1個の比較器出力のうち、一番小さいしきい値による比較出力が第1レベルから第2レベルに変化するタイミングと、一番大きいしきい値による比較出力が第2レベルから第1レベルに変化するタイミングの、二つのタイミングからクロックを再生するクロック再生部と、上記再生クロックに同期して上記比較部の2−1個の比較器出力をラッチするラッチ部と、上記ラッチ部のデータ入力とクロック入力の位相が揃うように上記再生クロックの位相調整する位相調整部と、を含む。
【0010】
本発明の第4の観点は、振幅方向に多値変調されたnビットの多値信号を受信する受信方法であって、受信信号の最小値から最大値までの間に、2−1個のしきい値を設定するステップと、上記設定したしきい値と受信信号とをそれぞれ比較し2−1個の比較出力を得るステップと、上記2−1個の比較出力のうち、一番小さいしきい値による比較出力が第1レベルから第2レベルに変化するタイミングと、一番大きいしきい値による比較出力が第2レベルから第1レベルに変化するタイミングの、二つのタイミングからクロックを再生するステップと、上記再生クロックに同期して2−1個の比較出力をラッチするステップと、上記ラッチする際にデータ入力とクロック入力の位相が揃うように上記再生クロックの位相調整するステップとを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、振幅方向の多値変調通信において、GHz以上の高速なデータ伝送速度であっても、ジッタの少ないクロック再生を簡単な回路構成で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の伝送システムの一実施形態を添付図面に関連付けて説明する。
本実施形態においては、光多値信号を用いた光伝送システムを例に説明する。なお、本発明は光通信に限定するものではなく、電気通信も対象に含む。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る光伝送システム1の構成例を示す図である。
【0014】
本実施形態に係る光伝送システム1は、データを送信する送信装置2、データを受信する受信装置3、送信すべきデータを生成するデータ処理装置4、および光伝送路5を含む。
この光伝送システム1は、振幅方向に多値変調されるnビット(たとえばn=3の場合、8値)の信号伝送、受信処理を行う。なお、nは2以上の整数である。
【0015】
データ処理装置4は、たとえばコンピュータ装置、画像生成装置など、所望のデジタルデータを生成する。
図1では、データ処理装置4は、たとえばデジタルデータとしてシリアルデータDATAを生成し、送信装置2に送信する。本実施形態の伝送システム1では、シリアルデータDATAが、たとえばMAC(Media Access Control)フレーム形式で送信装置2に送信されるものとする。
また、データ処理装置4は、動作の基準となるクロック信号CLKを送信装置2に対して供給する。
【0016】
送信装置2は、たとえばデータ処理装置4から送信されたMACフレームのデータをLSBから順にnビット(2ビット、3ビット、4ビットあるいは8ビット)単位で処理する。そして、nビット単位のデータを光電変換し、光信号を光ファイバ線や空気中の光伝送路5に送出する。この光信号は、光量(光強度)に応じた多値信号である。
送信装置2は、データ処理装置4から取得したクロック信号CLKに同期して、送信すべきデータをMACフレームの処理、送信すべき各種信号の生成を行う。
本実施形態の送信装置2は、後で説明するように、いわゆるAC結合を含み、AC信号を送信する回路として構成される。
【0017】
なお、以下の説明では、データ処理装置4から取得した、送信すべきデータを光信号に変換したものをデータ信号と称する。送信装置2は、このデータ信号のほか、たとえば後述するように、自らのLD(レーザダイオード)パワー制御および受信側でのクロック再生のため、光信号としての参照信号を生成し、この参照信号をデータ信号に付加して受信装置3に送信する。
【0018】
参照信号の間隔は、適宜設定することができるが、送信装置2〜受信装置3間のクロックずれの許容レベルや光伝送路5による損失の変動速度、温度変化に伴うLDパワーの変動速度に応じて、システム上必要な上限値が定まる。
本実施形態に係る光伝送システム1では、nビット単位でデータ信号の先頭に参照信号が付加されて送信される。
【0019】
受信装置3は、送信装置2から送出された光信号を受信するフォトダイオードPD1を備える。
受信装置3は、受信信号の最小値から最大値までの間に、2−1個のしきい値を設定し、設定したしきい値と受信信号とを比較器によりそれぞれ比較して2−1個の比較器出力を得る機能を有する。
そして、受信装置3は、2−1個の比較器出力のうち、受信信号の最小値に近い第1のしきい値、好適には一番小さいしきい値による比較出力が第1レベル(本実施形態ではローレベル)から第2レベル(本実施形態ではハイレベル)に変化するタイミング(立ち上がりのタイミング)と、受信信号の最大値に近い第2のしきい値、好適には一番大きいしきい値による比較出力が第2レベルから第1レベルに変化するタイミング(立ち下がりのタイミング)の、二つのタイミングからクロックを再生し、この再生クロックに同期して2−1個の比較出力をラッチする機能を有する。
なお、受信装置3は、ラッチする際にデータ入力とクロック入力の位相が揃うように再生クロックの位相調整する機能を備えている。
そして、受信装置3は、ラッチされた2−1個の比較器出力を取り込み、最下位ビット(0)から最上位ビット(2−1)までを順番にカウントし、この最上位ビットまでのカウント値を受信値(複合値)とするデータ再生機能を有する。
【0020】
次に、送信装置2の具体的な構成について説明する。
図2は、送信装置2の回路構成の一例を示す図である。
【0021】
図2に示すように、送信装置2は、シリアル・パラレル変換部21、オートパワーコントロール部(APC:Auto Power Control)22、電流制御部23、分解能設定部24、デジタル・アナログ変換器(DAC)25、発光素子としてのレーザダイオードLD1、モニタ用受光素子としてのフォトダイオードPD2を有する。
【0022】
シリアル・パラレル変換部21は、データ処理装置4から受信したMACフレームをnビット単位で処理するために、クロック信号CLK1に同期させるシリアルデータDATAをnビット(データD0〜D2)のパラレル信号に変換する。さらに、nビットデータD0〜D2のレベルに応じた信号が電流制御部23に与えられる。
図2において、たとえばデータD2が「1」の場合には、信号S211が「Lレベル(ローレベル)」となり、信号S212が「Hレベル」となる。また、たとえばデータD2が「0」の場合には、信号S211が「Hレベル」となり、信号S212が「Lレベル」となる。他のデータD1、D0についても同様である。
【0023】
電流制御部23は、図2に示すように、シリアル・パラレル変換部21のnビット出力(データD0〜D2)に対応する電流がレーザダイオードLD1に流れるように制御する制御回路230〜232と、レーザダイオードLD1のバイアス電流を生成する電流制御回路233とによって構成される。
図2に示すように、それぞれデータD0〜D2に対応する電流制御回路230〜232は、同一の構成であるため、以下、電流制御回路232のみについてその構成を説明する。
【0024】
電流制御回路232は、図2に示すように、負荷抵抗R1,R2、エミッタコモンのnpn型トランジスタQ1およびQ2、定電流源としてのnpn型トランジスタQ3、オペアンプOPA1、抵抗R3を有する。
データD2が「1」のときには、信号S211がLレベルとなり、信号S212がHレベルとなるため、トランジスタQ1がオフし、トランジスタQ2がオンする。トランジスタQ2のコレクタはレーザダイオードLD1のカソード側とキャパシタC7を介して結合されている。したがって、定電流源であるトランジスタQ3のエミッタ電流にほぼ等しい電流を、レーザダイオードLD1側からトランジスタQ2を介して流す(引っ張る)ことになる。
データD2が「0」のときには、信号S211がHレベルとなり、信号S212がLレベルとなるため、トランジスタQ1がオンし、トランジスタQ2がオフする。したがって、レーザダイオードLD1側から電流は流れない(引っ張らない)。
【0025】
データD2が「1」のときに定電流源であるトランジスタQ3のエミッタを流れる電流は、オペアンプOPD1の入力端子の一方に設定される信号S2によって設定される。すなわち、オペアンプOPA1の出力端子は、トランジスタQ3のベースを介して入力側にフィードバックされているので、釣り合い状態では、オペアンプOPA1の入力端子の他方の電圧レベルは、信号S2と同等となり、エミッタ電流I2は(S2の電圧レベル)/R3となる。
【0026】
なお、他の電流制御回路230,231の抵抗R2と接続されたトランジスタQ2のコレクタは、それぞれ異なるキャパシタC0,C1を介してレーザダイオードLD1のカソード側に接続されている。
【0027】
また、レーザダイオードLD1のバイアス電流を生成する電流制御回路233は、たとえば電流制御回路230〜232のトランジスタQ3、抵抗R3、オペアンプOPA1に対応するnpn型トランジスタQ4、抵抗R4、オペアンプOPA2、およびレーザダイオードLD1のカソード側と各キャパシタC0,C1の接続点とトランジスタQ4のコレクタとの間に接続されたインダクタL1を含む。
【0028】
本実施形態において、電流制御回路230〜237を抵抗R2で生じる電圧変化によってレーザダイオードLD1を駆動するようにしたのは、以下の理由による。
たとえば各電流制御回路230〜232のトランジスタQ2を抵抗に接続せずに、いわゆるオープンコレクタとしてキャパシタを介さずにレーザダイオードLD1のカソード側に接続する場合、多値で、高速変調を行うには、オープンコレクタの出力容量がネックになる。
すなわち、出力インピーダンスの変動が大きく、それがあるビットが電流出力する際に、他のビットが電流出力しているか否かによって負荷が変わり、発光素子であるレーザダイオードLD1に流れる電流が不安定になるおそれがある。すなわち、ビット間で影響しあうおそれがある。
また、出力インピーダンスが容量性であり、高速変調の際にはレーザダイオードLD1だけでなく、他ビットの出力段の容量からも電流を引き抜くことになり、光出力信号の多値下がり、立ち上がりが遅くなるおそれがある。すなわち、寄生容量により変調速度が遅くなるおそれがある。
そこで、本実施形態においては、トランジスタQ2の出力に、トランジスタの寄生容量が影響しないように、抵抗R2で生じる電圧変化によってレーザダイオードLD1を駆動し、また、各ビット出力間での高周波信号の反射を防ぐため、伝送路5とインピーダンス整合させるように構成している。
抵抗を付加することによって、レーザダイオードLD1のDC電位とドライバ出力のDC電位は均衡(バランス)しなくなることから、キャパシタC0〜C2を介したAC結合を行う構成を採用している。
【0029】
上述したように、本実施形態における光多値伝送の送信装置2の電流制御部23において、各ビットの発光素子駆動回路としての電流制御回路230〜232が、互いに高周波的に影響を与えないように、回路の出力インピーダンスが回路のオン/オフに関わらず一定になるようにする構成され、電流出力段は基準電位(本実施形態では電源電位VCC)と抵抗を介して接続されていることから、あるビットで電流出力する際に、他のビットが電流出力状況による負荷変動がなくなり、発光素子に流れる電流が安定化する。
また、電流制御部23において、各ビットの発光素子駆動回路としての電流制御回路230〜232が、互いに高周波的に影響を与えないように、回路の出力インピーダンスが、駆動電流の周波数成分の必要帯域内での出力段寄生容量によるインピーダンスよりも小さくなるように構成され、電流出力段は基準電位(本実施形態では電源電位VCC)と抵抗を介して接続され、その抵抗値を、電流出力段の容量によるインピーダンスよりも小さくすることより、光出力信号の立ち上がり、立ち下がりが速くなる。
また、電流制御部23において、各ビットの発光素子駆動回路としての電流制御回路230〜232が、互いに高周波的に影響を与えないように、回路の出力インピーダンスが、発光素子であるレーザダイオードLD1へ接続される伝送路の特性インピーダンスに等しくなるように構成され、電流出力段は基準電位(本実施形態では電源電位VCC)と抵抗を介して接続され、その抵抗値を、レーザダイオード(発光素子)LD1と電流出力段を接続する伝送路の特性インピーダンスと等しくなるようにすることにより、電流出力段と基板上の伝送路(配線)とのインピーダンス不整合による反射を抑制できる。
【0030】
各電流制御回路230〜232は、図2のように、トランジスタQ1とQ2により形成される差動出力段の一方のトランジスタだけでレーザダイオードLD1を駆動する構成に他、図3(A)、(B)に示すように、トランジスタQ2のコレクタをキャパシタC11を介してレーザダイオードLD1のカソード側に接続するとともに、抵抗R2に接続されたトランジスタQ1のコレクタをキャパシタC12を介してレーザダイオードLD1のアノード側に接続して、差動出力段の両方で駆動するように構成することも可能である。
なお、図3(B)の例においては、レーザダイオードLD1のアノード側のインダクタL2を接続して整合性の向上を図った構成を採用している。
【0031】
分解能設定部24では、デジタル・アナログ変換器(DAC)241と複数の演算増幅器242を含み、オートパワーコントロール部22によって生成される調整用信号Smoをアナログ信号S2に変換するとともに、そのアナログ信号S2の電圧レベルを順に1/2倍にしていく。これによって、信号S1,S0が順に生成される。
つまり、S1=(1/2)×S2、S0=(1/2)×S1、となる。
【0032】
前述したように、電流制御部23の各電流制御回路230〜232では、対応するデータD0〜D2が「1」のときに、信号S0〜S2の電圧レベルに応じた定電流I0〜I2が生成される。そして、上述した信号S2,S1,S0の設定によって、定電流I2,I1,I0は、順に電流値が1/2倍されたものとなる。
つまり、I1=(1/2)×I2、I0=(1/2)×I1、となる。
【0033】
デジタル・アナログ変換器(DAC)25は、オートパワーコントロール部22によって生成される一定のバイアス信号Sbiasをアナログ信号S3に変換する。
アナログ信号S3に応じて、電流制御部23の電流制御回路233は、定電流I3が生成される。この定電流I3は、データ並べ替え部21に入力されるシリアルデータDATAに依存せずに一定光量の光信号を確保するための電流である。
【0034】
レーザダイオードLD1には、電流制御部23の各電流制御回路を流れる定電流を積算した電流が流れる。すなわち、レーザダイオードLD1に流れる電流ILD1は、I0+I1+I2+I3である。これによって、3ビットのパラレルデータD0〜D2に応じた多値の電流が発光素子としてのレーザダイオードLD1を流れ、多値の光信号が送出される。
このように、送信装置2では、パラレルデータD0〜D2のビットごとに、各電流制御回路230〜232によってビットの重みが与えられ、振幅多重化された多値の光信号が光伝送路5に送出される。
【0035】
フォトダイオードPD2およびオートパワーコントロール部22は、レーザダイオードLD1のパワー制御のためのフィードバックループを構成する。すなわち、レーザダイオードLD1によって生成された光信号は、フォトダイオードPD2によって受光され、光電変換されてオートパワーコントロール部22にフィードバックされ、その値に応じて調整用信号Smodが変更される。
LDパワー制御は、たとえば温度変化などの環境変化によって生ずるレーザダイオードの出力特性の変化を補償するために定期的に行う、送信装置2のキャリブレーション処理である。通常、LDパワー制御は、1秒〜10秒ごとの長い期間おきに行われる。
LDパワー制御が完了した後に、送出すべきデータ(たとえば8ビット単位のMACフレームのデータ)がデータ並べ替え部21に与えられるが、そのときには、オートパワーコントロール部22の調整用信号Smodの信号レベルは固定され、フィードバックループが機能しない状態となる。
【0036】
次に、送信装置2が送出する参照信号について説明する。
参照信号は、たとえばMACフレームの8ビット単位など所定のデータ単位のデータ信号に対して挿入されるが、その目的としてLDパワー制御と受信側でのクロック信号再生がある。
LDパワー制御は、前述したように、環境変化に対応するため1秒〜10秒ごとの長い期間おきに行えばよいが、受信側でのクロック信号再生は、光伝送路5がたとえば光ファイバ線の場合、光ファイバ線にかかる曲げや引っ張りなどの物理的要因によって影響を受けるため、たとえばギガビット・イーサネット(登録商標)などの規格に対応した1ギガビット秒の光信号では、100サンプルごとに1回(100ナノ秒に1回)等の非常に短い間隔で行う必要がある。
【0037】
図4は、参照信号の一例を示す光信号波形図であって、(A)はLDパワー制御を行う場合、(B)はLDパワー制御を行わない場合、をそれぞれ示す。
図4に示すように、LDパワー制御を行う場合(図4(A))、特に電源投入時やリセット時にはレーザダイオードLD1の出力が安定するまでに時間がかかり、その出力が安定した後にLDパワー制御を行うため、参照信号SREFとして長い期間を必要とする。
一方、LDパワー制御を行わない場合には(図4(B))、参照信号SREFは、受信装置3側でクロック信号を再生させるためのパルス(クロック再生のためには少なくとも1つあればよい)を含んでいれば足り、参照信号SREFとして長い期間を必要としない。
このように、参照信号SREFは、送信タイミングに応じて信号期間が異なる信号となっている。
【0038】
本実施形態に係る光伝送システム1において、参照信号SREFは、8ビット単位で送信されるMACフレームのフレーム番号を受信側に伝達する機能を含む。このフレーム番号は、上述したクロック信号再生用のパルスの数によって規定される。
【0039】
図5は、フレーム番号を規定した参照信号の一例を示す光信号波形図である。
図5に示す例では、nビットのデータ信号の先頭に付加される参照信号SREFのパルス数が順に4→3→2と変化している。このパルス数を受信装置3側でカウントして、フレーム番号と対応付ける。
【0040】
なお、フレーム番号に加えて、受信側での光信号のキャリブレーションのためのベース信号(調整用パルス)を、参照信号に含めてもよい。
光信号は、光伝送路(たとえば光ファイバ線)5の物理的要因(曲げ、引っ張り)に応じて影響を受ける伝送特性(非線形特性)の変化によって、送信した光信号の光量が同一であっても、受信装置3側における光信号の受信レベルが大きく変化する場合がある。この変化を補償するために、受信装置3側で受信レベルの調整を行う処理がキャリブレーションである。
【0041】
図6は、この調整用パルスとフレーム番号を示すパルスとを含む参照信号の光信号波形の一例を示す図である。
図6に示す参照信号は、理解を容易にするために、伝送特性の非線形特性を補正するために、データ信号としての光信号の最大値および最小値を含む3値のパルスを有している。この3値に対応するデジタル値の選択は、通信プロトコル上、送信装置2と受信装置3間で予め行っておく必要がある。
図6に示す参照信号では、3つのデジタル値に対応した振幅レベルa,b,cの3つのパルスを含む参照信号が受信装置3に伝達されて、データ信号の補正(キャリブレーション)のために利用される。
【0042】
なお、図6に示すように、参照信号において、フレーム番号を示す複数パルスの前に調整用パルスAPLSを挿入する場合、または、フレーム番号を示す複数パルスのうち最初の3パルスを調整用パルスとする場合、その調整用パルスに基づいて受信側でクロック信号を再生できるので、フレーム番号を示すパルスは、多値のパルスとしてもよい。
すなわち、パルスの数とフレーム番号とを対応付けるのではなく、異なる振幅を持つ複数パルスによってフレーム番号を規定するようにすることができる。これによって、フレーム番号の数が非常に多い場合であっても、少ないパルス数でフレーム番号を表現でき、効率的な通信が可能となる。
【0043】
次に、受信装置3の具体的な構成について説明する。
図7は、受信装置3の回路構成の一例を示す図である。
【0044】
図7に示すように、受信装置3は、受光素子としてのフォトダイオードPD1、抵抗R31、結合キャパシタC31、バッファアンプ31、ピーク・ボトム検出ホールド回路32、しきい値設定回路33、比較ラッチ部34、クロック部35、およびデータ再生部(DSP)36を有する。
【0045】
バッファアンプ31は、フォトダイオードPD1および抵抗R31によって光電変換されキャパシタC31を介した信号を取り込み、アナログ受信信号Vrxを生成する。
【0046】
ピーク・ボトム検出ホールド回路32は、n(本実施形態では3)ビットで8値の受信信号Vrxのピーク値PVとボトム値BVを検出部し、検出したピーク値PVとボトムBV値とを保存(ホールド)し、ホールドしたピーク値PV、ボトム値BVをそれぞれ最大値信号Vmax、最小値信号Vminとして、受信信号Vrxと共にしきい値設定回路33に出力する。
【0047】
図8は、本実施形態に係るピーク・ボトム検出ホールド回路の構成例を示すブロック図である。
【0048】
図8のピーク・ボトム検出ホールド回路32は、ピーク値検出部321、ボトム値検出部322、ピーク値ホールド回路323、およびボトム値ホールド回路324を有する。
【0049】
ピーク値検出部321は、n(本実施形態では3)ビットで8値の受信信号VrxをローパスフィルタLPFを通し、受信信号Vrxのピーク値PVを検出する。
ボトム値検出部321は、n(本実施形態では3)ビットで8値の受信信号VrxをローパスフィルタLPFを通し、受信信号Vrxのボトム値BVを検出する。
ピーク値ホールド回路(PH)323は、ピーク値検出部321で検出されたピーク値PVをホールドし、ホールドしたピーク値PVを最大値信号Vmaxとしてしきい値設定回路33に出力する。
ボトム値ホールド回路(BH)324は、ボトム値検出部322で検出されたボトム値BVをホールドし、ホールドしたボトム値MVを最小値信号Vminとしてしきい値設定回路33に出力する。
【0050】
しきい値設定回路33は、ピーク・ボトム検出ホールド回路32により供給された受信信号Vrxの最大値信号Vmaxと最小値信号Vminを受けて、受信信号の最小値から最大値までの間に、2−1個のしきい値を設定し、受信信号Vrxと共に比較ラッチ部34に供給する。
本例では、n=3であるので、図9に示すように、受信信号Vrxに対して小さい値順にVth01、Vth12、Vth23、Vth34、Vth45、およびVth56、の7個のしきい値が得られる
【0051】
図10は、本実施形態に係るしきい値設定回路の構成例を示す回路図である。
【0052】
図10のしきい値設定回路33は、最大値信号Vmaxの供給ラインと最小値信号Vminの供給ラインとの間に直列に接続された抵抗素子331〜338により形成され、抵抗素子の接続点(ノード)により抵抗分圧した電圧をしきい値として生成する。
両端部の抵抗素子331と338の抵抗値がRに設定され、残りの抵抗素子R332〜337の抵抗値が2Rに設定されている。
【0053】
しきい値設定回路33は、抵抗素子338と337との接続ノードND11において所定電圧のしきい値Vth01を発生し出力する。
同様に、しきい値設定回路33は、抵抗素子337と336との接続ノードND12において所定電圧のしきい値Vth12を発生し出力する。
しきい値設定回路33は、抵抗素子336と335との接続ノードND13において所定電圧のしきい値Vth23を発生し出力する。
しきい値設定回路33は、抵抗素子335と334との接続ノードND14において所定電圧のしきい値Vth34を発生し出力する。
しきい値設定回路33は、抵抗素子334と333との接続ノードND15において所定電圧のしきい値Vth45を発生し出力する。
しきい値設定回路33は、抵抗素子333と332との接続ノードND16において所定電圧のしきい値Vth56を発生し出力する。
しきい値設定回路33は、抵抗素子332と331との接続ノードND17において所定電圧のしきい値Vth67を発生し出力する。
【0054】
比較ラッチ部34は、しきい値設定部33で設定された2−1個のしきい値Vth01〜Vth67の各々と受信信号Vrxとを比較器によりそれぞれ比較して2−1個(本実施形態では7個)の比較器出力を得、クロック部35でこの比較出力うちの2つの比較出力に基づいて生成され、さらに位相調整されたクロックCLK2に同期して各比較器出力をラッチし、また、クロックCLK2に同期してデータ再生部36に出力する。
【0055】
クロック部35は、比較ラッチ部34の2−1個の比較器出力のうち、受信信号の最小値に近い第1のしきい値、好適には一番小さいしきい値Vth01による比較出力が第1レベル(本実施形態ではローレベル)から第2レベル(本実施形態ではハイレベル)に変化するタイミング(立ち上がりタイミング)と、受信信号の最大値に近い第2のしきい値、好適には一番大きいしきい値Vth67による比較出力が第2レベルから第1レベルに変化するタイミング(立ち下がりのタイミング)の、二つのタイミングからクロックを再生する。
また、クロック部35は、比較ラッチ部34でこの再生クロックに同期して2−1個の比較器出力をラッチする際にデータ入力とクロック入力の位相が揃うように再生クロックの位相調整したクロックCLK2を生成する。
【0056】
図11は、本実施形態に係る比較ラッチ部、クロック部、およびデータ再生部を含む構成例を示す図である。
【0057】
図11において、比較ラッチ部34は、2−1個(本実施形態では7個)の比較器341〜347、および7ビットのD型フリップフロップ(DFF)により構成されるラッチ部348を有する。
【0058】
比較器341は、受信信号Vrxとしきい値Vth01とを比較し、比較結果に応じてハイレベルまたはローレベルの比較結果を信号S341としてラッチ部348およびクロック部35に出力する。
比較器342は、受信信号Vrxとしきい値Vth12とを比較し、比較結果に応じてハイレベルまたはローレベルの比較結果を信号S342としてラッチ部348に出力する。
比較器343は、受信信号Vrxとしきい値Vth23とを比較し、比較結果に応じてハイレベルまたはローレベルの比較結果を信号S343としてラッチ部348に出力する。
比較器344は、受信信号Vrxとしきい値Vth34とを比較し、比較結果に応じてハイレベルまたはローレベルの比較結果を信号S344としてラッチ部348に出力する。
比較器345は、受信信号Vrxとしきい値Vth45とを比較し、比較結果に応じてハイレベルまたはローレベルの比較結果を信号S345としてラッチ部348に出力する。
比較器346は、受信信号Vrxとしきい値Vth56とを比較し、比較結果に応じてハイレベルまたはローレベルの比較結果を信号S346としてラッチ部348に出力する。
比較器347は、受信信号Vrxとしきい値Vth67とを比較し、比較結果に応じてハイレベルまたはローレベルの比較結果を信号S347としてラッチ部348およびクロック部35に出力する。
【0059】
ラッチ部348は、7個の入力端子DIN0〜DIN6と7個の出力端子DOUTO〜DOUT6を有する。
ラッチ部348は、クロックCLK2に同期して比較器341の出力信号S341を入力端子DIN0から入力してラッチし、また、クロックCLK2に同期してラッチ信号を出力端子DOUT0から信号CD0としてデータ再生部36に出力する。
同様に、ラッチ部348は、クロックCLK2に同期して比較器342の出力信号S342を入力端子DIN1から入力してラッチし、また、クロックCLK2に同期してラッチ信号を出力端子DOUT1から信号CD1としてデータ再生部36に出力する。
ラッチ部348は、クロックCLK2に同期して比較器343の出力信号S343を入力端子DIN2から入力してラッチし、また、クロックCLK2に同期してラッチ信号を出力端子DOUT2から信号CD2としてデータ再生部36に出力する。
ラッチ部348は、クロックCLK2に同期して比較器344の出力信号S344を入力端子DIN3から入力してラッチし、また、クロックCLK2に同期してラッチ信号を出力端子DOUT3から信号CD3としてデータ再生部36に出力する。
ラッチ部348は、クロックCLK2に同期して比較器345の出力信号S345を入力端子DIN4から入力してラッチし、また、クロックCLK2に同期してラッチ信号を出力端子DOUT4から信号CD4としてデータ再生部36に出力する。
ラッチ部348は、クロックCLK2に同期して比較器346の出力信号S346を入力端子DIN5から入力してラッチし、また、クロックCLK2に同期してラッチ信号を出力端子DOUT5から信号CD5としてデータ再生部36に出力する。
ラッチ部348は、クロックCLK2に同期して比較器347の出力信号S347を入力端子DIN6から入力してラッチし、また、クロックCLK2に同期してラッチ信号を出力端子DOUTから信号CD6としてデータ再生部36に出力する。
【0060】
クロック部35は、クロック生成部351と位相調整部352とを有する。
クロック生成部351は、たとえばPLLやDLLにより構成され、受信信号の一番小さいしきい値Vth01による比較出力S341がローレベルLからハイレベルHに変化するタイミング(立ち上がりタイミング)と、受信信号の一番大きいしきい値Vth67による比較出力が第2レベルからハイレベルからローレベルに変化するタイミング(立ち下がりのタイミング)の、二つのタイミングからクロックを再生する。
位相調整部352は、クロック生成部351で生成された再生クロックを受けて、リファレンスクロックRefclkを用いてこの再生クロックに同期して2−1個の比較器出力をラッチする際にデータ入力とクロック入力の位相が揃うように再生クロックの位相調整したクロックCLK2を生成しラッチ部348およびデータ再生部36に出力する。
【0061】
データ再生部36は、クロックCLK2に同期してラッチされた2−1個の比較器出力を取り込み、最下位ビット(0)から最上位ビット(2−1)までを順番にカウントし、この最上位ビットまでのカウント値を受信値(複合値)とするデータ再生機能を有する。
【0062】
データ再生部36は、たとえばDSPにより形成される。
図12〜図15は、本実施形態に係るデータ再生部の構成および機能を模式的に示す図である。
【0063】
データ再生部36は、図に示すように、7ビットの7個のレジスタReg0〜Reg6と、7個のカウンタ361〜367を有する。
データ再生部36は、たとえば時刻t0にラッチ部348に比較器出力がデータCD0〜CD6としてラッチされたとすると、時刻t1でクロックに同期してデータCD0をレジスタReg0に取り込み、たとえば図12に示すように、これをカウンタ361でカウントする。
続いて時刻t2でクロックに同期してデータCD1をレジスタReg1に取り込み、たとえば図12に示すように、これをカウンタ361でカウントする。
以下同様にして、時刻t7でクロックに同期してデータCD6をレジスタReg6に取り込み、たとえば図12に示すように、これをカウンタ361でカウントする。
そして、図14に示すように、このように最下位ビットから最上位ビットまでのカウンタ341をカウント値を受信値(複合値)とする。
他のカウンタ362〜367についても同様のカウント動作が行われる。
【0064】
図16は、本実施形態に係るデータ再生部の他の構成例を示す図である。
図16のデータ再生部36Aは、DSPを使わずに回路の簡単化を図る構成としものである。なお、図12〜図15の構成要素であるレジスタとカウンタとは同様であることから同一符号で表している。
【0065】
データ再生部36Aは、レジスタReg0〜Reg6、カウンタ361〜367に加えて、7対7スイッチ回路368と、7対1セレクタ369、および受信値バッファ370を有する。
【0066】
7対7スイッチ回路368は、7個の入力端子I0〜I6と7個の出力端子O0〜O6を有している。
入力端子I0にはレジスタReg0の保持データが供給され、入力端子I1にはレジスタReg1の保持データが供給され、入力端子I2にはレジスタReg2の保持データが供給され、入力端子I3にはレジスタReg3の保持データが供給され、入力端子I4にはレジスタReg4の保持データが供給され、入力端子I5にはレジスタReg5の保持データが供給され、入力端子I6にはレジスタReg6の保持データが供給される。
そして、7対7スイッチ回路368は、7個の入力端子I0〜I6と7個の出力端子O0〜O6間は、たとえばクロスバー回路のように、選択的に接続可能に構成されている。
【0067】
7対1セレクタ369は、7個の入力端子S0〜S6と、1個の出力端子SOを有している。
入力端子S0にはカウンタ361のカウント値が供給され、入力端子S1にはカウンタ362のカウント値が供給され、入力端子S2にはカウンタ363のカウント値が供給され、入力端子S3にはカウンタ364のカウント値が供給され、入力端子S4にはカウンタ365のカウント値が供給され、入力端子S5にはカウンタ366のカウント値が供給され、入力端子S6にはカウンタ367のカウント値が供給される。
7対1セレクタ369は、入力端子S0〜S6に供給されるカウンタ361〜367のカウント値を受信値バッファ370に出力端子SOから選択的に出力する。
【0068】
なお、カウンタ361〜367は非同期にリセット信号RST1〜RST7によりリセットされる。
【0069】
図17は、図16の7対7スイッチ回路と7対1セレクタの各時刻における対応関係を示す図である。
【0070】
時刻t1においては、7対7スイッチ回路368は、入力端子I0と出力端子O0が接続され、入力端子I6と出力端子O1が接続され、入力端子I5と出力端子O2が接続され、入力端子I4と出力端子O3が接続され、入力端子I3と出力端子O4と接続され、入力端子I2と出力端子O5が接続され、入力端子I1と出力端子O6が接続される。
このとき、7対1セレクタ369は入力端子S1へのカウント値、すなわちカウンタ(B)362のカウント値が選択されて受信値バッファ370に出力される。
【0071】
そして、カウンタ(B)362がリセットされた後、時刻t2においては、7対7スイッチ回路368は、入力端子I1と出力端子O0が接続され、入力端子I0と出力端子O1が接続され、入力端子I6と出力端子O2が接続され、入力端子I5と出力端子O3が接続され、入力端子I4と出力端子O4と接続され、入力端子I3と出力端子O5が接続され、入力端子I2と出力端子O6が接続される。
このとき、7対1セレクタ369は入力端子S2へのカウント値、すなわちカウンタ(C)363のカウント値が選択されて受信値バッファ370に出力される。
【0072】
次に、カウンタ(C)363がリセットされた後、時刻t3においては、7対7スイッチ回路368は、入力端子I2と出力端子O0が接続され、入力端子I1と出力端子O1が接続され、入力端子I0と出力端子O2が接続され、入力端子I6と出力端子O3が接続され、入力端子I5と出力端子O4と接続され、入力端子I4と出力端子O5が接続され、入力端子I3と出力端子O6が接続される。
このとき、7対1セレクタ369は入力端子S3へのカウント値、すなわちカウンタ(D)364のカウント値が選択されて受信値バッファ370に出力される。
【0073】
次に、カウンタ(D)364がリセットされた後、時刻t4においては、7対7スイッチ回路368は、入力端子I3と出力端子O0が接続され、入力端子I2と出力端子O1が接続され、入力端子I1と出力端子O2が接続され、入力端子I0と出力端子O3が接続され、入力端子I6と出力端子O4と接続され、入力端子I5と出力端子O5が接続され、入力端子I4と出力端子O6が接続される。
このとき、7対1セレクタ369は入力端子S4へのカウント値、すなわちカウンタ(E)365のカウント値が選択されて受信値バッファ370に出力される。
【0074】
次に、カウンタ(E)365がリセットされた後、時刻t5においては、7対7スイッチ回路368は、入力端子I4と出力端子O0が接続され、入力端子I3と出力端子O1が接続され、入力端子I2と出力端子O2が接続され、入力端子I1と出力端子O3が接続され、入力端子I0と出力端子O4と接続され、入力端子I6と出力端子O5が接続され、入力端子I5と出力端子O6が接続される。
このとき、7対1セレクタ369は入力端子S5へのカウント値、すなわちカウンタ(F)366のカウント値が選択されて受信値バッファ370に出力される。
【0075】
次に、カウンタ(F)366がリセットされた後、時刻t6においては、7対7スイッチ回路368は、入力端子I5と出力端子O0が接続され、入力端子I4と出力端子O1が接続され、入力端子I3と出力端子O2が接続され、入力端子I2と出力端子O3が接続され、入力端子I1と出力端子O4と接続され、入力端子I0と出力端子O5が接続され、入力端子I6と出力端子O6が接続される。
このとき、7対1セレクタ369は入力端子S6へのカウント値、すなわちカウンタ(G)367のカウント値が選択されて受信値バッファ370に出力される。
【0076】
次に、カウンタ(G)367がリセットされた後、時刻t7においては、7対7スイッチ回路368は、入力端子I6と出力端子O0が接続され、入力端子I5と出力端子O1が接続され、入力端子I4と出力端子O2が接続され、入力端子I3と出力端子O3が接続され、入力端子I2と出力端子O4と接続され、入力端子I1と出力端子O5が接続され、入力端子I0と出力端子O6が接続される。
このとき、7対1セレクタ369は入力端子S0へのカウント値、すなわちカウンタ(A)361のカウント値が選択されて受信値バッファ370に出力される。
【0077】
次に、カウンタ(A)361がリセットされた後、たとえば時刻t8(t0)においては、7対7スイッチ回路368は、入力端子I0と出力端子O0が接続され、入力端子I6と出力端子O1が接続され、入力端子I5と出力端子O2が接続され、入力端子I4と出力端子O3が接続され、入力端子I3と出力端子O4と接続され、入力端子I2と出力端子O5が接続され、入力端子I1と出力端子O6が接続される。
このとき、7対1セレクタ369は入力端子S1へのカウント値、すなわちカウンタ362のカウント値が選択されて受信値バッファ370に出力される。
【0078】
次に、光伝送システム1の動作を説明する。
【0079】
先ず、システムの起動と同時に、送信装置2ではLDパワー制御が開始される。これによって、送信すべきデジタル信号に対して一定光量の光信号が送出されるように、レーザダイオードLD1に流れる電流値が調整される。
送信装置2においては、シリアル・パラレル変換部21で、送信すべきデータがパラレルデータD0〜D2に変換され、電流制御部23により電流値が調整されてレーザダイオードLD1から送出される。
また、参照信号SREFも送出される。
【0080】
そして、受信装置3においては、フォトダイオードPD1および抵抗R31によって光電変換されキャパシタC31を介した信号をバッファアンプ31で取り込み、アナログ受信信号Vrxが生成され、ピーク・ボトム検出ホールド回路32に出力される。
ピーク・ボトム検出ホールド回路32においては、n(本実施形態では3)ビットで8値の受信信号Vrxのピーク値PVとボトム値BVが検出、ホールドされ、それぞれ最大値信号Vmax、最小値信号値Vminとして、受信信号Vrxと共にしきい値設定回路33に出力される。
【0081】
しきい値設定回路33では、ピーク・ボトム検出ホールド回路32により供給された受信信号Vrxの最大値信号Vmaxと最小値信号Vminを受けて、受信信号の最小値から最大値までの間に、2−1個のしきい値Vth01、Vth12、Vth23、Vth34、Vth45、およびVth56が設定され、受信信号Vrxと共に比較ラッチ部34に供給される。
比較ラッチ部34においては、しきい値設定部33で設定された2−1個のしきい値Vth01〜Vth67の各々と受信信号Vrxとを比較器によりそれぞれ比較され2−1個(本実施形態では7個)の比較器出力が得される。
【0082】
クロック部35において、比較ラッチ部34の2−1個の比較器出力のうち、受信信号の一番小さいしきい値Vth01による比較出力がローレベルLからハイレベルHに変化するタイミング(立ち上がりタイミング)と、受信信号の一番大きいしきい値Vth67による比較出力がハイレベルHからローレベルLに変化するタイミング(立ち下がりのタイミング)の、二つのタイミングからクロックが再生される。
さらに、クロック部35においては、比較ラッチ部34でこの再生クロックに同期して2−1個の比較器出力をラッチする際にデータ入力とクロック入力の位相が揃うように再生クロックの位相調整したクロックCLK2が生成される。
【0083】
比較ラッチ部34においては、クロック部35で比較出力うちの2つの比較出力に基づいて生成され、さらに位相調整されたクロックCLK2に同期して各比較器出力がラッチされ、クロックCLK2に同期してデータ再生部36に出力される。
【0084】
データ再生部36においては、クロックCLK2に同期してラッチされた2−1個の比較器出力がレジスタに取り込まれ、最下位ビット(0)から最上位ビット(2−1)までを順番にカウンタでカウントされ、この最上位ビットまでのカウント値が受信値(複合値)としてバッファに保持される。
【0085】
以上説明したように、本実施形態に係る光伝送システム1では、受信装置3は、受信信号の最小値から最大値までの間に、2−1個のしきい値を設定し、設定したしきい値と受信信号とを比較器によりそれぞれ比較して2−1個の比較器出力を得、2−1個の比較器出力のうち、受信信号の最小値に近い第1のしきい値、好適には一番小さいしきい値による比較出力が第1レベル(本実施形態ではローレベル)から第2レベル(本実施形態ではハイレベル)に変化するタイミング(立ち上がりのタイミング)と、受信信号の最大値に近い第2のしきい値、好適には一番大きいしきい値による比較出力が第2レベルから第1レベルに変化するタイミング(立ち下がりのタイミング)の、二つのタイミングからクロックを再生し、この再生クロックを位相調整したクロックCLK2に同期して2−1個の比較出力をラッチし、ラッチされた2−1個の比較器出力を取り込み、最下位ビット(0)から最上位ビット(2−1)までを順番にカウントし、この最上位ビットまでのカウント値を受信値(複合値)とすることから、以下の効果を得ることができる。
すなわち、ADCが不要となり、振幅方向の多値変調通信において、GHz以上の高速なデータ伝送速度であっても、ジッタの少ないクロック再生を簡単な回路構成で実現することができる。
【0086】
また、送信装置2において、たとえば8ビットあるいは4ビットごとのデータ信号の前に、そのMACフレームのフレーム番号に応じた数のパルスを含む参照信号を送信し、受信装置3において、受信した参照信号のパルスに基づいてサンプリングのためのクロック再生を行うとともに、そのパルスをカウントしてフレーム番号を認識し、8ビットごとに受信するデータ信号と対応付けるように構成することも可能である。
したがって、クロック再生用パルスと別にフレーム番号識別用パルスを設定する必要がないので、光信号の伝送を効率的に行うことができる。
【0087】
なお、本発明の実施形態は、上述した実施形態に拘泥せず、当業者であれば、本発明の要旨を変更しない範囲内で様々な改変が可能である。たとえば、実施形態に係る光受信方法は、光空間伝送にも適用することができる。
また、上記実施形態で述べた、様々な参照信号およびその処理は、組み合わせて実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施形態に係る光伝送システム1の構成例を示す図である。
【図2】本実施形態における送信装置の回路構成の一例を示す図である。
【図3】送信装置の電流制御回路の他の構成例を示す回路図である。
【図4】参照信号の一例を示す光信号波形図である。
【図5】フレーム番号を規定した参照信号の一例を示す光信号波形図である。
【図6】調整用信号を加えた参照信号の一例を示す光信号波形図である。
【図7】本実施形態に係る受信装置の回路構成の一例を示すブロック図である。
【図8】本実施形態に係るピーク・ボトム検出ホールド回路の構成例を示すブロック図である。
【図9】本実施形態における受信信号の最小値と最大値間に設定されるしきい値との関係を示す図である。
【図10】本実施形態に係るしきい値設定回路の構成例を示す回路図である。
【図11】本実施形態に係る比較ラッチ部、クロック部、およびデータ再生部を含む構成例を示す図である
【図12】本実施形態に係るデータ再生部の構成および機能を模式的に示す図である。
【図13】本実施形態に係るデータ再生部の構成および機能を模式的に示す図である。
【図14】本実施形態に係るデータ再生部の構成および機能を模式的に示す図である。
【図15】本実施形態に係るデータ再生部の構成および機能を模式的に示す図である。
【図16】本実施形態に係るデータ再生部の他の構成例を示す図である。
【図17】図16の7対7スイッチ回路と7対1セレクタの各時刻における対応関係を示す図である。
【図18】課題を説明するための図である。
【符号の説明】
【0089】
1・・・光伝送システム、2・・・送信装置、21・・・シリアル・パラレル変換部、22・・・オートパワーコントロール部、23・・・電流制御部、24・・・分解能設定部、25・・・デジタル・アナログ変換器(DAC)、3…受信装置、31・・・バッファアンプ、32・・・ピーク・ボトム検出ホールド回路、33・・・しきい値設定部、34・・・比較ラッチ部、35・・・クロック部、36・・・データ再生部、LD1…レーザダイオード、PD1,PD2…フォトダイオード、4…データ処理装置、5…光伝送路。
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成18年7月10日(2006.7.10)
【代理人】 【識別番号】100094053
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 隆久


【公開番号】 特開2008−17413(P2008−17413A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−189243(P2006−189243)