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【発明の名称】 周波数比較器、周波数合成器及び関連方法
【発明者】 【氏名】管 建蔵

【要約】 【課題】電圧に基づいて内部周波数を設定し、これを外部周波数と比較するアナログ周波数比較器と、アナログ周波数比較器の同じ原理でクロック信号を合成するアナログ周波数合成器、及び関連の方法を提供する。

【解決手段】周波数比較器は、第一信号と入力電圧に基づいて基準信号を生成する周波数検出回路と、該入力電圧に基づいて第二信号を生成する周波数発生器と、周波数検出回路と周波数発生器に結合され、基準信号と第二信号の一方に基づいて充電電流をイネーブルして電圧レベルを上げ、更に基準信号と第二信号のもう一方に基づいて放電電流をイネーブルして電圧レベルを下げる電荷ポンプ回路と、電荷ポンプ回路に結合され、該電圧レベルに基づいて第一信号と第二信号間の周波数関係を示す決定論理とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一信号と第二信号の周波数を比較する周波数比較器であって、
第一信号と入力電圧に基づいて基準信号を生成する周波数検出回路と、
上記入力電圧に基づいて第二信号を生成する周波数発生器と、
周波数検出回路と周波数発生器に結合され、基準信号と第二信号の一方に基づいて充電電流をイネーブルして電圧レベルを上げ、更に基準信号と第二信号のもう一方に基づいて放電電流をイネーブルして電圧レベルを下げる電荷ポンプ回路と、
電荷ポンプ回路に結合され、上記電圧レベルに基づいて第一信号と第二信号間の周波数関係を示す決定論理とを含むことを特徴とする周波数比較器。
【請求項2】
前記周波数検出回路は、
前記第一信号に結合され、第一信号を第一のこぎり波信号に変換する第一のこぎり波発生器と、
第一のこぎり波信号と前記入力電圧に結合され、第一のこぎり波信号と前記入力電圧を比較して前記基準信号を生成する第一比較器とを含むことを特徴とする請求項1記載の周波数比較器。
【請求項3】
前記第一のこぎり波発生器は、
前記第一信号に結合され、第一信号の周期ごとに1つのパルス信号を生成する単一パルス発生回路と、
第一のこぎり波発生器の出力ノードと第一基準電圧の間に結合される第一容量と、
第二基準電圧に結合される第一電流源と、
第一電流源と第一のこぎり波発生器の出力ノードの間に結合され、第一スイッチ制御信号に基づいて第一電流源を第一容量に選択的に結合する第一スイッチと、
第一のこぎり波発生器の出力ノードと第一基準電圧の間に結合され、第二スイッチ制御信号に基づいて第一容量を第一基準電圧に選択的に結合する第二スイッチと、
単一パルス発生回路、第一スイッチ、及び第二スイッチに結合され、単一パルス発生回路の出力に基づいて、上記第一スイッチ制御信号と第二スイッチ制御信号を生成するスイッチ制御回路とを含むことを特徴とする請求項2記載の周波数比較器。
【請求項4】
前記周波数発生器は、
前記第二信号に結合され、第二信号を第二のこぎり波信号に変換する第二のこぎり波発生器と、
第二のこぎり波信号と前記入力電圧に結合され、第二のこぎり波信号と前記入力電圧を比較して前記第二信号を生成する第二比較器とを含むことを特徴とする請求項1記載の周波数比較器。
【請求項5】
前記第二のこぎり波発生器は、
第二のこぎり波発生器の出力ノードと第一基準電圧の間に結合される第二容量と、
第二基準電圧に結合される第二電流源と、
第二電流源と第二のこぎり波発生器の出力ノードの間に結合され、第三スイッチ制御信号に基づいて第二電流源を第二容量に選択的に結合する第三スイッチと、
第二のこぎり波発生器の出力ノードと第一基準電圧の間に結合され、第四スイッチ制御信号に基づいて第二容量を第一基準電圧に選択的に結合する第四スイッチと、
第二信号、第三スイッチ、及び第四スイッチに結合され、第二のこぎり波発生器の出力ノードから出力された第二信号に基づいて、上記第三スイッチ制御信号と第四スイッチ制御信号を生成するスイッチ制御回路とを含むことを特徴とする請求項4記載の周波数比較器。
【請求項6】
前記決定論理は前記電圧レベルと第三基準電圧を有し、第一信号と第二信号間の周波数関係を示す指示信号を出力することを特徴とする請求項1記載の周波数比較器。
【請求項7】
前記周波数比較器は更に、
抵抗器と、
上記抵抗器に結合され、該抵抗器の抵抗値に基づいて前記入力電圧を設定する基準電圧発生回路とを含み、該基準電圧発生回路、周波数検出回路、周波数発生器、電荷ポンプ回路、及び決定論理は1枚のチップに統合され、上記抵抗器はチップ外に設けられることを特徴とする請求項1記載の周波数比較器。
【請求項8】
第一信号に基づいて第二信号を生成する周波数合成器であって、
第一信号と第一入力電圧に基づいて基準信号を生成する周波数検出回路と、
第二入力電圧に基づいて第二信号を生成する周波数発生器と、
周波数検出回路と周波数発生器に結合され、基準信号と第二信号の一方に基づいて充電電流をイネーブルして電圧レベルを上げ、更に基準信号と第二信号のもう一方に基づいて放電電流をイネーブルして電圧レベルを下げる電荷ポンプ回路と、
電荷ポンプ回路、周波数検出回路、及び周波数発生器に結合され、上記電圧レベルに基づいて周波数検出回路と周波数発生器を調整し、基準信号と第二信号の周波数を調整する調整回路とを含むことを特徴とする周波数合成器。
【請求項9】
前記周波数合成器は更に、
電荷ポンプ回路と調整回路の間に結合され、調整回路に出力される前記電圧レベルを低域通過方式でフィルタリングする低域通過フィルター(LPF)を含むことを特徴とする請求項8記載の周波数合成器。
【請求項10】
前記周波数検出回路は、
前記第一信号に結合され、第一信号を第一のこぎり波信号に変換する第一のこぎり波発生器と、
第一のこぎり波信号と前記第一入力電圧に結合され、第一のこぎり波信号と前記第一入力電圧を比較して前記基準信号を生成する第一比較器とを含むことを特徴とする請求項8記載の周波数合成器。
【請求項11】
前記第一のこぎり波発生器は、
前記第一信号に結合され、第一信号の周期ごとに1つのパルス信号を生成する単一パルス発生回路と、
第一のこぎり波発生器の出力ノードと第一基準電圧の間に結合される第一容量と、
第二基準電圧に結合される第一電流源と、
第一電流源と第一のこぎり波発生器の出力ノードの間に結合され、第一スイッチ制御信号に基づいて第一電流源を第一容量に選択的に結合する第一スイッチと、
第一のこぎり波発生器の出力ノードと第一基準電圧の間に結合され、第二スイッチ制御信号に基づいて第一容量を第一基準電圧に選択的に結合する第二スイッチと、
単一パルス発生回路、第一スイッチ、及び第二スイッチに結合され、単一パルス発生回路の出力に基づいて、上記第一スイッチ制御信号と第二スイッチ制御信号を生成するスイッチ制御回路とを含むことを特徴とする請求項10記載の周波数合成器。
【請求項12】
前記周波数発生器は、
前記第二信号に結合され、第二信号を第二のこぎり波信号に変換する第二のこぎり波発生器と、
第二のこぎり波信号と前記第二入力電圧に結合され、第二のこぎり波信号と前記第二入力電圧を比較して前記第二信号を生成する第二比較器とを含むことを特徴とする請求項11記載の周波数合成器。
【請求項13】
前記第二のこぎり波発生器は、
第二のこぎり波発生器の出力ノードと第一基準電圧の間に結合される第二容量と、
第二基準電圧に結合される第二電流源と、
第二電流源と第二のこぎり波発生器の出力ノードの間に結合され、第三スイッチ制御信号に基づいて第二電流源を第二容量に選択的に結合する第三スイッチと、
第二のこぎり波発生器の出力ノードと第一基準電圧の間に結合され、第四スイッチ制御信号に基づいて第二容量を第一基準電圧に選択的に結合する第四スイッチと、
第二信号、第三スイッチ、及び第四スイッチに結合され、第二のこぎり波発生器の出力ノードから出力された第二信号に基づいて、上記第三スイッチ制御信号と第四スイッチ制御信号を生成するスイッチ制御回路とを含むことを特徴とする請求項12記載の周波数合成器。
【請求項14】
前記第一入力電圧は前記第二入力電圧と異なり、前記調整回路は電荷ポンプ回路から出力された前記電圧レベルに基づいて第一入力電圧と第二入力電圧を調整することを特徴とする請求項13記載の周波数合成器。
【請求項15】
前記調整回路は分周器であり、該分周器は入力ノードが第一比較器と第二比較器の一方に結合され、出力ノードが第一比較器と第二比較器のもう一方に結合されることを特徴とする請求項14記載の周波数合成器。
【請求項16】
前記分周器は複数の抵抗器を含み、前記周波数検出回路、周波数発生器、及び電荷ポンプ回路は1枚のチップに統合され、前記調整回路の少なくとも1つの抵抗器はチップ外に設けられることを特徴とする請求項15記載の周波数合成器。
【請求項17】
前記第一入力電圧は前記第二入力電圧と一致し、前記調整回路は電荷ポンプ回路から出力された前記電圧レベルに基づいて第一入力電圧と第二入力電圧を調整することを特徴とする請求項13記載の周波数合成器。
【請求項18】
前記第一入力電圧は前記第二入力電圧と一致し、前記調整回路は電荷ポンプ回路から出力された前記電圧レベルに基づいて第一容量と第二容量を調整することを特徴とする請求項13記載の周波数合成器。
【請求項19】
前記周波数発生器は、
前記第二信号に結合され、第二信号を第二のこぎり波信号に変換する第二のこぎり波発生器と、
第二のこぎり波信号と前記第二入力電圧に結合され、第二のこぎり波信号と前記第二入力電圧を比較して前記基準信号を生成する第二比較器とを含むことを特徴とする請求項8記載の周波数合成器。
【請求項20】
前記第二のこぎり波発生器は、
第二のこぎり波発生器の出力ノードと第一基準電圧の間に結合される第二容量と、
第二基準電圧に結合される第二電流源と、
第二電流源と第一のこぎり波発生器の出力ノードの間に結合され、第三スイッチ制御信号に基づいて第二電流源を第二容量に選択的に結合する第三スイッチと、
第二のこぎり波発生器の出力ノードと第一基準電圧の間に結合され、第四スイッチ制御信号に基づいて第二容量を第一基準電圧に選択的に結合する第四スイッチと、
第二信号、第三スイッチ、及び第四スイッチに結合され、第二のこぎり波発生器の出力ノードから出力された第二信号に基づいて、上記第三スイッチ制御信号と第四スイッチ制御信号を生成するスイッチ制御回路とを含むことを特徴とする請求項19記載の周波数合成器。
【請求項21】
第一信号と第二信号の周波数を比較する周波数比較方法であって、
(a)第一信号と入力電圧に基づいて基準信号を生成し、
(b)上記入力電圧に基づいて第二信号を生成し、
(c)基準信号と第二信号の一方に基づいて充電電流をイネーブルして電圧レベルを上げ、更に基準信号と第二信号のもう一方に基づいて放電電流をイネーブルして電圧レベルを下げ、
(d)上記電圧レベルに基づいて第一信号と第二信号間の周波数関係を示すステップからなることを特徴とする周波数比較方法。
【請求項22】
前記ステップ(a)は、
前記第一信号を第一のこぎり波信号に変換し、
第一のこぎり波信号と前記入力電圧を比較して前記基準信号を生成するステップを含むことを特徴とする請求項21記載の周波数比較方法。
【請求項23】
前記第一信号を第一のこぎり波信号に変換するステップは、
前記第一信号の周期ごとに1つのパルス信号を生成し、
第一容量を提供し、
第一電流源を提供し、
第一スイッチ制御信号に基づいて第一電流源を第一容量に選択的に結合し、
第二スイッチ制御信号に基づいて第一容量を第一基準電圧に選択的に結合し、
上記第一信号の周期ごとに1つ生成されたパルス信号に基づいて、上記第一スイッチ制御信号と第二スイッチ制御信号を生成するステップを含むことを特徴とする請求項22記載の周波数比較方法。
【請求項24】
前記ステップ(b)は、
第二信号を第二のこぎり波信号に変換し、
第二のこぎり波信号と前記入力電圧を比較して前記第二信号を生成するステップを含むことを特徴とする請求項21記載の周波数比較方法。
【請求項25】
前記第二信号を第二のこぎり波信号に変換するステップは、
第二容量を提供し、
第二電流源を提供し、
第三スイッチ制御信号に基づいて第二電流源を第二容量に選択的に結合し、
第四スイッチ制御信号に基づいて第二容量を第一基準電圧に選択的に結合し、
第二信号に基づいて上記第三スイッチ制御信号と第四スイッチ制御信号を生成するステップを含むことを特徴とする請求項24記載の周波数比較方法。
【請求項26】
前記ステップ(d)は、前記電圧レベルと第三基準電圧に基づいて、第一信号と第二信号間の周波数関係を示す指示信号を出力するステップを含むことを特徴とする請求項21記載の周波数比較方法。
【請求項27】
前記周波数比較方法は更に、
抵抗器を提供し、
該抵抗器の抵抗値に基づいて前記入力電圧を設定するステップを含むことを特徴とする請求項21記載の周波数比較方法。
【請求項28】
第一信号に基づいて第二信号を生成する周波数合成方法であって、
(e)第一信号と第一入力電圧に基づいて基準信号を生成し、
(f)第二入力電圧に基づいて第二信号を生成し、
(g)基準信号と第二信号の一方に基づいて充電電流をイネーブルして電圧レベルを上げ、更に基準信号と第二信号のもう一方に基づいて放電電流をイネーブルして電圧レベルを下げ、
(h)上記電圧レベルに基づいて基準信号と第二信号の周波数を調整するステップからなることを特徴とする周波数合成方法。
【請求項29】
前記周波数合成方法は更に、
前記電圧レベルを低域通過方式でフィルタリングするステップを含むことを特徴とする請求項28記載の周波数合成方法。
【請求項30】
前記ステップ(e)は、
第一信号を第一のこぎり波信号に変換し、
第一のこぎり波信号と前記第一入力電圧を比較して前記基準信号を生成するステップを含むことを特徴とする請求項28記載の周波数合成方法。
【請求項31】
前記第一信号を第一のこぎり波信号に変換するステップは、
第一信号の周期ごとに1つのパルス信号を生成し、
第一容量を提供し、
第一電流源を提供し、
第一スイッチ制御信号に基づいて第一電流源を第一容量に選択的に結合し、
第二スイッチ制御信号に基づいて第一容量を第一基準電圧に選択的に結合し、
上記第一信号の周期ごとに1つ生成されたパルス信号に基づいて、上記第一スイッチ制御信号と第二スイッチ制御信号を生成するステップを含むことを特徴とする請求項30記載の周波数合成方法。
【請求項32】
前記ステップ(f)は、
第二信号を第二のこぎり波信号に変換し、
第二のこぎり波信号と前記第二入力電圧を比較して前記第二信号を生成するステップを含むことを特徴とする請求項31記載の周波数合成方法。
【請求項33】
前記第二信号を第二のこぎり波信号に変換するステップは、
第二容量を提供し、
第二電流源を提供し、
第三スイッチ制御信号に基づいて第二電流源を第二容量に選択的に結合し、
第四スイッチ制御信号に基づいて第二容量を第一基準電圧に選択的に結合し、
第二信号に基づいて上記第三スイッチ制御信号と第四スイッチ制御信号を生成するステップを含むことを特徴とする請求項32記載の周波数合成方法。
【請求項34】
前記第一入力電圧は前記第二入力電圧と異なり、前記ステップ(h)は前記電圧レベルに基づいて第一入力電圧と第二入力電圧を調整することを特徴とする請求項33記載の周波数合成方法。
【請求項35】
前記第一入力電圧は前記第二入力電圧と一致し、前記ステップ(h)は前記電圧レベルに基づいて第一入力電圧と第二入力電圧を調整することを特徴とする請求項33記載の周波数合成方法。
【請求項36】
前記第一入力電圧は前記第二入力電圧と一致し、前記調整回路は前記電圧レベルに基づいて第一容量と第二容量を調整することを特徴とする請求項33記載の周波数合成方法。
【請求項37】
前記ステップ(h)は、
第二信号を第二のこぎり波信号に変換し、
第二のこぎり波信号と前記第二入力電圧を比較して前記基準信号を生成するステップを含むことを特徴とする請求項28記載の周波数合成方法。
【請求項38】
前記第二信号を第二のこぎり波信号するステップは、
第二容量を提供し、
第二電流源を提供し、
第三スイッチ制御信号に基づいて第二電流源を第二容量に選択的に結合し、
第四スイッチ制御信号に基づいて第二容量を第一基準電圧に選択的に結合し、
第二信号に基づいて上記第三スイッチ制御信号と第四スイッチ制御信号を生成するステップを含むことを特徴とする請求項37記載の周波数合成方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明はクロック信号処理に関し、特に電圧に基づいて内部周波数を設定し、これを外部周波数と比較するアナログ周波数比較器と、クロック信号を合成するアナログ周波数合成器、及び関連の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路(IC)の応用分野では、内部に発生するクロック信号と周波数が異なった外部クロック信号を受信するための外部ピンを設けることが一般である。このような集積回路は、両周波数の高低を判断し、判断結果に基づいて所要の周波数をもつクロック信号を選択する機能が必要である。従来の技術によれば、内部動作に必要な周波数を選定するのは、位相周波数検出器(PFD)、計数器、及び複数のデジタル論理の組み合わせである。しかし、PFD、計数器及び複数のデジタル論理の組み合わせは広いチップ面積を要し、コスト高をもたらす。
【0003】
図1を参照する。図1は従来の周波数比較器10を表す説明図である。従来の周波数比較器10は周波数検出回路11と、第一計数回路12と、第二計数回路13と、決定論理14とを含む。第一クロック信号IN1と第二クロック信号IN2を周波数検出回路11に同時に入力すれば、第一クロック信号IN1と第二クロック信号IN2にそれぞれ対応する第一リセット信号RST1と第二リセット信号RST2は、第一計数回路12と第二計数回路13に送信される。両リセット信号RST1、RST2は第一計数回路12と第二計数回路13をそれぞれリセットし、第一クロック信号IN1と第二クロック信号IN2のクロック周期の計数を始めさせる。第一クロック信号IN1が第二クロック信号IN2より周波数が高ければ、オーバーフロー信号OF1とオーバーフロー信号OF2は順次出力され、決定論理14に入力される。したがって、決定論理14は両オーバーフロー信号OF1、OF2に基づき、第一クロック信号IN1と第二クロック信号IN2の周波数関係を示す状態信号を出力する。それ以外、アメリカ合衆国特許第6,834,093号は別種の周波数比較器を掲示している。詳しくは当該特許を参照する。
【0004】
外部周波数を受信した後、集積回路は、当該外部周波数を任意倍に変更し、これを内部クロック信号の周波数として内部クロック信号を合成するか、または外部周波数を利用して、位相の異なる複数のクロック信号を生成する必要がある。そのため、周波数合成器や周波数逓倍器は必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は前述の問題を解決するため、電圧に基づいて内部周波数を設定し、これを外部周波数と比較するアナログ周波数比較器と、アナログ周波数比較器の原理を利用してクロック信号を合成する周波数合成器、及び関連の方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は第一信号と第二信号の周波数を比較する周波数比較器を提供する。該周波数比較器は、第一信号と入力電圧に基づいて基準信号を生成する周波数検出回路と、該入力電圧に基づいて第二信号を生成する周波数発生器と、周波数検出回路と周波数発生器に結合され、基準信号と第二信号の一方に基づいて充電電流をイネーブルして電圧レベルを上げ、更に基準信号と第二信号のもう一方に基づいて放電電流をイネーブルして電圧レベルを下げる電荷ポンプ回路と、電荷ポンプ回路に結合され、該電圧レベルに基づいて第一信号と第二信号間の周波数関係を示す決定論理とを含む。
【0007】
この発明は更に、第一信号に基づいて第二信号を生成する周波数合成器を提供する。該周波数合成器は、第一信号と第一入力電圧に基づいて基準信号を生成する周波数検出回路と、第二入力電圧に基づいて第二信号を生成する周波数発生器と、周波数検出回路と周波数発生器に結合され、基準信号と第二信号の一方に基づいて充電電流をイネーブルして電圧レベルを上げ、更に基準信号と第二信号のもう一方に基づいて放電電流をイネーブルして電圧レベルを下げる電荷ポンプ回路と、電荷ポンプ回路、周波数検出回路、及び周波数発生器に結合され、該電圧レベルに基づいて周波数検出回路と周波数発生器を調整し、基準信号と第二信号の周波数を調整する調整回路とを含む。
【0008】
この発明は更に、第一信号と第二信号の周波数を比較する周波数比較方法を提供する。該方法は、(a)第一信号と入力電圧に基づいて基準信号を生成し、(b)該入力電圧に基づいて第二信号を生成し、(c)基準信号と第二信号の一方に基づいて充電電流をイネーブルして電圧レベルを上げ、更に基準信号と第二信号のもう一方に基づいて放電電流をイネーブルして電圧レベルを下げ、(d)該電圧レベルに基づいて第一信号と第二信号間の周波数関係を示すステップからなる。
【0009】
この発明は更に、第一信号に基づいて第二信号を生成する周波数合成方法を提供する。該方法は、(e)第一信号と第一入力電圧に基づいて基準信号を生成し、(f)第二入力電圧に基づいて第二信号を生成し、(g)基準信号と第二信号の一方に基づいて充電電流をイネーブルして電圧レベルを上げ、更に基準信号と第二信号のもう一方に基づいて放電電流をイネーブルして電圧レベルを下げ、(h)該電圧レベルに基づいて基準信号と第二信号の周波数を調整するステップからなる。
【発明の効果】
【0010】
この発明はデジタル論理の代わりにアナログ周波数比較器と周波数合成器を利用する。かかる構成はアナログ回路と統合性が良く、複数のデジタル論理と計数器を不要とするため、所要のチップ面積を縮小してコストを削減する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
かかる装置及び方法の特徴を詳述するために、具体的な実施例を挙げ、図示を参照して以下に説明する。
【0012】
当業者に周知されるとおり、民生用電子機器のメーカーは、本明細書及び特許請求の範囲に掲載されるものと異なった用語で同一の素子を呼ぶことが可能である。そのため、本発明は呼び名でなく、もっぱら機能で素子を特定する。なお、本明細書及び特許請求の範囲に用いられる「含む」や「有する」などの用語は限定的に捉えるべきでなく、例示されるものに限らないと解すべきである。また、「結合」とは直接の電気的接続もしくは間接の電気的接続を意味する。したがって、「第一装置が第二装置に結合される」とは、両装置が直接に相互接続され、もしくはその他の装置や接続を介して相互に接続されることをさす。
【0013】
図2を参照する。図2はこの発明による周波数比較器100を表す説明図である。周波数比較器100は第一信号S(すなわち外部クロック信号)と第二信号S(すなわち内部クロック信号)の周波数を比較する装置であり、周波数検出回路101と、周波数発生器102と、電荷ポンプ回路103と、決定論理104と、バイアス電圧発生器105とを含む。周波数検出回路101は第一信号Sと入力電圧Vroscに基づいて基準信号Sを生成し、周波数発生器102は入力電圧Vroscに基づいて第二信号Sを生成する。周波数検出回路101と周波数発生器102に結合される電荷ポンプ回路103は、基準信号Sと第二信号Sの一方に基づいて充電電流Iをイネーブルして電圧レベルVosetを上げ、更に基準信号Sと第二信号Sのもう一方に基づいて放電電流Idcをイネーブルして電圧レベルVosetを下げる。電荷ポンプ回路103に結合される決定論理104は、電荷ポンプ回路103から出力された電圧レベルVosetに基づいて第一信号Sと第二信号Sの周波数関係を判断する。周波数検出回路101と周波数発生器102に結合されるバイアス電圧発生器105は入力電圧Vroscを生成する。
【0014】
注意すべきは、本実施例での充電動作は基準信号Sによって制御され、放電動作は第二信号Sによって制御される。もっともこれは本発明を限定するものではない。例えば別の実施例として、充電動作が第二信号Sによって制御され、放電動作が基準信号Sによって制御されることも可能である。第一信号Sと第二信号Sの周波数関係は電圧レベルVosetに基づいて判断できる。
【0015】
下記は周波数比較器100における回路素子の動作について詳述する。図2に示す実施例では、周波数検出回路101は、第一信号Sに結合され、第一信号Sを第一のこぎり波信号Sw1に変換する第一のこぎり波発生器1011と、第一のこぎり波信号Sw1と入力電圧Vroscに結合され、第一のこぎり波信号Sw1と入力電圧Vroscを比較して基準信号Sを生成する第一比較器1012とを含む。第一のこぎり波発生器1011は、単一パルス発生回路1011aと、第一容量Cと、第一電流源Iと、第一スイッチWと、第二スイッチWと、スイッチ制御回路1011bとを含む。図2に示すように、第一信号Sに結合される単一パルス発生回路1011aは、第一信号Sの周期ごとに1つのパルス信号(すなわちSp1)を生成する。第一容量Cは第一のこぎり波発生器1011の出力ノードNと第一基準電圧Vss(すなわち接地電圧)の間に結合され、第一電流源Iは第二基準電圧Vdd(すなわち供給電圧)に結合されている。第一電流源Iと第一のこぎり波発生器1011の出力ノードNの間に結合される第一スイッチWは、第一スイッチ制御信号Sc1に基づいて第一電流源Iを第一容量Cに選択的に結合し、第一のこぎり波発生器1011の出力ノードNと第一基準電圧Vの間に結合される第二スイッチWは、第二スイッチ制御信号Sc2に基づいて第一容量Cを第一基準電圧Vssに選択的に結合する。単一パルス発生回路1011a、第一スイッチW、及び第二スイッチWに結合されるスイッチ制御回路1011bは、単一パルス発生回路1011aの出力信号Sp1に基づいて第一スイッチ制御信号Sc1と第二スイッチ制御信号Sc2を生成する。
【0016】
図2を再び参照する。周波数発生器102は、第二信号Sに結合され、第二信号Sを第二のこぎり波信号Sw2に変換する第二のこぎり波発生器1021と、第二のこぎり波信号Sw2と入力電圧Vroscに結合され、第二のこぎり波信号Sw2と入力電圧Vroscを比較して第二信号Sを生成する第二比較器1022とを含む。第二のこぎり波発生器1021は、第二容量Cと、第二電流源Iと、第三スイッチWと、第四スイッチWと、スイッチ制御回路1021aとを含む。第二容量Cは、第二のこぎり波発生器1021の出力ノードNと第一基準電圧Vssの間に結合され、第二電流源Iは第二基準電圧Vddに結合されている。第二電流源Iと第二のこぎり波発生器1021の出力ノードNの間に結合される第三スイッチWは、第三スイッチ制御信号Sc3に基づいて第二電流源Iを第二容量Cに選択的に結合し、第二のこぎり波発生器1021の出力ノードNと第一基準電圧Vssの間に結合される第四スイッチWは、第四スイッチ制御信号Sc4に基づいて第二容量Cを第一基準電圧Vssに選択的に結合する。第二信号S、第三スイッチW、及び第四スイッチWに結合されるスイッチ制御回路1021aは、第二のこぎり波発生器1021の出力ノードNから出力された第二信号Sに基づいて、第三スイッチ制御信号Sc3と第四スイッチ制御信号Sc4を生成する。
【0017】
そのほか、電圧レベルVosetと第三基準電圧Vr3に結合される決定論理104は、第一信号Sと第二信号S間の周波数関係を示す指示信号Vidを出力する。本実施例によるバイアス電圧発生器105は、抵抗器Rrefと、抵抗器Rrefに結合され、抵抗器Rrefの抵抗値に基づいて入力電圧Vroscを設定する基準電圧発生回路1051とを含む。注意すべきは、基準電圧発生回路1051、周波数検出回路101、周波数発生器102、電荷ポンプ回路103、及び決定論理104はすべて同一のチップに統合されており、抵抗器Rrefのみがチップ外に設けられている。言い換えれば、外部抵抗器Rの抵抗値は調整しやすい。実際の応用では、抵抗器Rrefを基準電圧発生回路1051に外部結合すれば、入力電圧Vroscの設定はすぐに完了する。入力電圧Vroscは、周波数発生器102によって生成される第二信号Sの周波数fを定めるものであり、その設定については下記に詳述する。
【0018】
図3を参照する。図3は図1に示すバイアス電圧発生器105を表す説明図である。閉ループとして接続されるエラー増幅器1052とパストランジスターMを介して、抵抗器Rrefに結合される第四基準電圧Vr4は基準電流Iref(Iref=Vr4/Rref)を生成する。基準電流Irefは後に電流ミラー1053によってミラーリングされ、ミラー電流Imirrorとして生成される。当業者に周知されているとおり、電流ミラー回路1053の電流ミラー比Nmirrorは、PMOSトランジスターM、Mまたはその他可能な手段で直接に設定できる。したがって、ミラー電流Imirroを抵抗器Rに流せば入力電圧Vroscを生成できる。注意すべきは、図3に示す回路構成は本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0019】
単一パルス発生回路1011aの動作について、第一信号Sが入力されると、単一パルス発生回路1011aは第一信号Sの周期ごとに1つのパルス信号Sp1を生成して次段の回路に出力し、第一信号Sのデューティーサイクルを安定させる。図4を参照する。図4は図2に示す単一パルス発生回路1011aを表す説明図である。単一パルス発生回路1011aは、複数のインバーターInv、Invと、複数のトランジスターM、M、M、Mと、第三トランジスターCと、抵抗器Rと、NANDゲートNGとを含む。第一信号Sはまず、図4に示すインバーターInv、トランジスターM、M、M、M、第三トランジスターC、及び抵抗器Rからなる遅延ユニットで遅延され、遅延信号Sdelayとして生成され、NANDゲートNGに入力される。その後、NANDゲートNGは遅延信号Sdelayと第一信号Sを比較し、図5に示すような単一パルス信号Sp1を出力する。図5は図4と図2に示す遅延信号Sdelay、第一信号S、単一パルス信号Sp1、及び第一のこぎり波信号Sw1のタイミング図である。遅延ユニットの動作については当業者に周知されているため、ここで説明を省略とする。注意すべきは、図4に示す回路構成は本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。言い換えれば、単一パルス信号Sp1を生成できる単一パルス発生回路は、すべて本発明に適する。
【0020】
スイッチ制御回路1011bの動作に関して、スイッチ制御回路1011bは上記単一パルス信号Sp1を受信し、これを第一スイッチ制御信号Sc1と第二スイッチ制御信号Sc2に変換する。図5と図6を参照する。図6は図2に示す第一のこぎり波発生器1011を表す説明図である。図6に示す簡素化された図面では、スイッチ制御回路1011bは入力された単一パルス信号Sp1に対し何の処理も行うことなく、単に伝送路として機能する。第一スイッチWと第二スイッチWはトランジスターM、Mによって構成される。もっとも、本発明はそれに限らない。単一パルス信号Sp1が低レベルになるときは、トランジスターMをオンにしてトランジスターMをオフにし、第一電流源Iで出力ノードNを充電する。単一パルス信号Sp1のインパルスが現れるときは、トランジスターMをオンにしてトランジスターMをオフにし、出力ノードNを接地電圧へ放電させる。そうすれば、図5に示すような第一のこぎり波信号Sw1は得られる。
【0021】
図2に示す第一比較器1012の動作に関して、第一比較器1012は第一のこぎり波信号Sw1と入力電圧Vroscを比較して基準信号Sを生成する。本実施例では、入力電圧Vroscは第一比較器1012の反転端子(すなわちN−)に結合され、第一のこぎり波信号Sw1は第一比較器1012の非反転端子(すなわちN+)に結合される。第一信号Sの周波数に対応する第一のこぎり波信号Sw1の最大電圧が入力電圧Vroscより低ければ、基準信号Sは低電圧レベルのままとなる。第一信号Sの周波数に対応する第一のこぎり波信号Sw1の最大電圧が入力電圧Vroscを上回れば、基準信号Sは、第一信号Sの周期ごとに1つのパルスをもつ単一パルス信号と等価である。
【0022】
図2を再び参照する。クロック信号を生成するためには、周波数発生器102の第二信号Sをスイッチ制御回路1021aに帰還させるフィードバックループが必要である。入力電圧Vroscの設定完了後、周波数発生器102の負帰還特性は第二信号Sを誘起する。周波数発生器102の動作を更に詳しく説明するため、第二信号Sの初期値は低電圧レベルとする。図7を参照する。図7は図2に示す第二のこぎり波発生器1021を表す説明図である。図7に示す簡素化された図面では、スイッチ制御回路1011aは入力された第二信号Sに対して何の処理も行うことなく、単に伝送路として機能する。第三スイッチWと第四スイッチWはトランジスターM11、M10によって構成される。したがって、第二信号SはトランジスターM11をオンにしてトランジスターMをオフにし、第二電流源Iで第二容量Cの出力ノードNを介して第二容量Cを充電する。注意すべきは、第一のこぎり波信号Sw1と同じような傾斜(ramping、すなわち充電傾き)を有する第二のこぎり波信号Sw2を生成するためには、第二電流源I、トランジスターM10、トランジスターM11、及び第二容量Cは、前記第一のこぎり波発生器1011aの第一電流源I、トランジスターM、トランジスターM、及び第一容量Cと一致しなければならない。第二のこぎり波信号Sw2が入力信号Vroscに達すると、第二比較器1022は第二信号Sの電圧レベルを図8に示すように高レベルにする。図8は図7と図2に示す第二信号S、第二のこぎり波信号Sw2、及び入力電圧Vroscのタイミング図である。図に示すように、第二信号Sの高電圧レベルはトランジスターM10、M11のゲート端子に帰還し、トランジスターM11をオフにしてトランジスターM10をオンにする。そうすると、第二電流Iは再び第二容量Cを充電して第二信号Sの電圧レベルを上げ、第二信号Sはそれによって生成される。注意すべきは、第二信号Sの周波数は入力電圧Vrosc、第二容量C、及び第二電流Iによって決められ、第二信号Sのパルス時間tは第二信号Sから第二のこぎり波信号Sw2への帰還時間に近い。本実施例は抵抗器Rrefで入力電圧Vroscを設定する。また別の実施例として、第二容量C、または第二電流Iを調整することで第二信号Sの周波数を変えることも可能である。かかる変更は本発明の範囲に属する。
【0023】
第一信号Sの周波数が第二信号Sより高い場合、第一信号Sの周波数に対応する第一のこぎり波信号Sw1の最大電圧は、バイアス電圧発生器105によって設定された入力電圧Vroscより低く、基準信号Sは前記周波数検出回路101の作用により低電圧レベルのままとなる。言い換えれば、電荷ポンプ回路103の充電電流Iは電荷ポンプ回路103の中の第四容量Cを充電しない。図9を参照する。図9は図2に示す電荷ポンプ回路103を表す説明図である。電荷ポンプ103は複数のトランジスターM〜M18と、第五スイッチWと、第六スイッチWと、第四容量Cを含む。そのうちトランジスターM13、M18は第三電流Iを充電電流Iとしてミラーリングする電流ミラーとされ、トランジスターM17、M18は第三電流Iを第四電流Iとしてミラーリングする別の電流ミラーとされ、トランジスターM16、M12は第四電流Iを放電電流Idcとしてミラーリングする電流ミラーとされる。注意すべきは、本実施例では、充電電流Iは放電電流Idcと一致しなければならない。また、トランジスターのアスペクト比を設定して同様のミラー電流を獲得する方法も当業者に周知されているため、ここで詳しい説明を省略とする。したがって、電圧レベルVosetは図8に示す高電圧周期t1から、決定論理104の第三電圧Vr3より低くなるまで逓減する。注意すべきは、本実施例では、決定論理104は比較器によって構成され、電圧レベルVoseは図2に示す比較器の反転端子(すなわちN−)に結合され、第三基準電圧Vr3は図2に示す比較器の非反転端子(すなわちN+)に結合される。その後、決定論理104の出力(すなわち指示信号Vid)は高電圧レベルに切り替わる。決定論理104の指示信号Vidが高電圧レベルにある状態は、第一信号Sの周波数が第二信号Sより高いことを示す。
【0024】
それに反して、第一信号Sの周波数が第二信号Sより低い場合では、第一信号Sの周波数に対応する第一のこぎり波信号Sw1の最大電圧はバイアス電圧発生器105によって設定された入力電圧Vroscを上回り、基準信号Sは、前記周波数検出回路101の作用により、第一信号Sの周期ごとに1つのパルスをもつ単一パルス信号と等価となる。図8と図10を参照する。図10は図6と図2に示す基準信号S、第一のこぎり波信号Sw1、及び入力電圧Vroscのタイミング図である。注意すべきは、図10に示すパルスの高電圧周期t2は第一信号Sの周波数と関係し、図8に示すパルスの高電圧周期t1はループ応答と関係する。高電圧周期t2は高電圧周期t1より低くない。その結果、電圧レベルVosetは第三基準電圧Vr3に達するまで逓増し、決定論理104の指示信号Vidは低電圧レベルに切り替わる。この状態は、第一信号Sの周波数が第二信号Sより低いことを示す。
【0025】
第一信号Sと第二信号Sの周波数が図2に示す周波数比較器100によって決定された後、決定論理104の指示信号Vidは設計上の要求にしたがって、第一信号Sと第二信号Sのうち早いもの、もしくは遅いものを選択する(すなわち周波数選択器として機能する)ことができる。選択信号(例えば指示信号Vid)に基づいて複数のクロック信号(例えば第一信号Sと第二信号S)から1つを選ぶ周波数選択器については、当業者に周知されているため、ここで詳しい説明を省略とする。
【0026】
図11を参照する。図11はこの発明による周波数合成器200を表す説明図である。第一信号Sに基づいて第二信号Sを生成する周波数合成器200は、周波数検出回路201と、周波数発生器202と、電荷ポンプ回路203と、調整回路204と、低域通過フィルター(LPF)205とを含む。周波数検出回路201は第一信号Sと第一入力電圧Vrosc1に基づいて基準信号Srefを生成し、周波数発生器202は第二入力電圧Vrosc2に基づいて第二信号Sを生成する。周波数検出回路201と周波数発生器202に結合される電荷ポンプ回路203は、基準信号Srefと第二信号Sの一方に基づいて充電電流I’をイネーブルして電圧レベルVosetを上げ、更に基準信号Srefと第二信号Sのもう一方に基づいて放電電流Idcをイネーブルして電圧レベルVosetを下げる。本実施例では、充電動作は第二信号Sによって制御される。もっとも本発明はそれに限らない。電荷ポンプ回路203、周波数検出回路201、及び周波数発生器202に結合される調整回路204は、電圧レベルVosetに基づいて周波数検出回路201と周波数発生器202を調整し、基準信号Vrefと第二信号Sの周波数を調整する。電荷ポンプ回路203と調整回路204に結合されるLPF205は、調整回路204から出力された電圧レベルVosetをフィルタリングして第一入力電圧Vrosc1を生成する。本実施例では、LPF205は電圧レベルVosetの直流レベルを抽出し、これを第一入力電圧Vrosc1として調整回路204に帰還させる。
【0027】
図11に示す実施例では、周波数検出回路201は、第一信号Sに結合され、第一信号Sを第一のこぎり波信号Sw1’に変換する第一のこぎり波発生器2011と、第一のこぎり波信号Sw1’と第一入力電圧Vrosc1に結合され、第一のこぎり波信号Sw1’と第一入力電圧Vrosc1を比較して基準信号Vrefを生成する第一比較器2012とを含む。第一のこぎり波発生器2011は、単一パルス発生回路2011aと、第一容量C’と、第一電流源I’と、第一スイッチW’と、第二スイッチW’と、スイッチ制御回路1011bとを含む。第一信号Sに結合される単一パルス発生回路2011aは、第一信号Sの周期ごとに1つのパルス信号Sp1を生成する。第一容量C’は、第一のこぎり波発生器2011の出力ノードN’と第一基準電圧Vss(すなわち接地電圧)の間に結合され、第一電流源I’は第二基準電圧Vdd(すなわち供給電圧)に結合されている。第一電流源I’と第一のこぎり波発生器2011の出力ノードN’の間に結合される第一スイッチW’は、第一スイッチ制御信号Sc1’に基づいて第一電流源I’を第一容量C’に選択的に結合し、第一のこぎり波発生器2011の出力ノードN’と第一基準電圧Vddの間に結合される第二スイッチW’は、第二スイッチ制御信号Sc2’に基づいて第一容量C’を第一基準電圧Vddに選択的に結合する。単一パルス発生回路2011a、第一スイッチW’、及び第二スイッチW’に結合されるスイッチ制御回路2011bは、単一パルス発生回路2011aの出力信号(すなわちSp1)に基づいて第一スイッチ制御信号Sc1’と第二スイッチ制御信号Sc2’を生成する。
【0028】
周波数発生器202は、第二信号Sに結合され、第二信号Sを第二のこぎり波信号Sw2’に変換する第二のこぎり波発生器2021と、第二のこぎり波信号Sw2’と第二入力電圧Vrosc2に結合され、第二のこぎり波信号Sw2’と第二入力電圧Vrosc2を比較して第二信号Sを生成する第二比較器2022とを含む。第二のこぎり波発生器2021は、第二容量C’と、第二電流源I’と、第三スイッチW’と、第四スイッチW’と、スイッチ制御回路2021aとを含む。第二容量C’は、第二のこぎり波発生器2021の出力ノードN’と第一基準電圧Vssの間に結合され、第二電流源I’は第二基準電圧Vddに結合されている。第二電流源I’と第二のこぎり波発生器2021の出力ノードN’の間に結合される第三スイッチW’は、第三スイッチ制御信号Sc3’に基づいて第二電流源を第二容量に選択的に結合し、第二のこぎり波発生器2021の出力ノードN’と第一基準電圧Vssの間に結合される第四スイッチW’は、第四スイッチ制御信号Sc4’に基づいて第二容量C’を第一基準電圧Vssに選択的に結合する。第二信号S’、第三スイッチW’、及び第四スイッチW’に結合されるスイッチ制御回路2021aは、第二のこぎり波発生器2021の出力ノードN’から出力された第二信号S’に基づいて、第三スイッチ制御信号Sc3’と第四スイッチ制御信号Sc4’を生成する。
【0029】
本実施例では、調整回路204は、相互に直列接続された2個の抵抗器R、Rを有する分圧器によって構成され、その入力ノードN’は第一比較器2012に結合され、出力ノードN’は第二比較器2022に結合されている。注意すべきは、周波数比較器100と比べ、周波数合成器200では調整回路204が別設されるほか、前記決定論理104の代わりにLPF205が設けられている。それ以外、周波数合成器200の周波数検出回路201、周波数発生器202、及び電荷ポンプ回路203はいずれも周波数比較器100の周波数検出回路101、周波数発生器102、及び電荷ポンプ回路103に近いので、ここで詳しい説明を省略とする。
【0030】
図11に示す周波数合成器200を再び参照する。第一電流源I’は第二電流源I’と一致し、第一容量C’は第二容量C’と一致し、充電電流I’は放電電流I’と一致している。入力ノードN’は第一比較器2012の反転端子(すなわちN−)に結合され、出力ノードN’は第二比較器2022の反転端子(すなわちN−)に結合されている。そのため、第二比較器2022の基準電圧(すなわち第二入力電圧Vrosc2)は抵抗器R、R間の抵抗値比によって決められる。前述によれば、第一信号S(すなわち外部クロック信号)の周波数を不変とすれば、電荷ポンプ回路203の第五スイッチW’の、第一信号Sの各周期におけるターンオン時間は、第一入力電圧Vrosc1によって決められる。簡単に言えば、抵抗器R、Rの抵抗値比は3とされる(R/R=3)。注意すべきは、抵抗器R、Rの抵抗値比は設計上の要求に応じて変更できる。図11に示す周波数合成器11では、抵抗器R、第一比較器2012、電荷ポンプ回路203、及びLPF205は閉ループ帰還システムを形成する。したがって、図12に示すように第一入力電圧Vrosc1は第一のこぎり波信号Sw1’のピーク電圧に固定される。図12は第一入力電圧Vrosc1、第一のこぎり波信号Sw1’、及び第二のこぎり波信号Sw2’のタイミング図である。第二入力電圧Vrosc2は第一入力電圧Vrosc1の4分の1であるため、図12に示すように、周波数発生器202は第一のこぎり波信号Sw1’の周波数を4倍(すなわち1+R1/R2)にして第二のこぎり波信号Sw2’を生成する。したがって、第一信号Sの4倍の周波数をもつ第二信号Sを生成するためには、R1/R2=3と設定すればよい。また、抵抗器R、Rの抵抗値比をその他任意の値にして、所要の第二信号Sを生成することも可能である。同じく、周波数合成器200が周波数逓倍器もしくは分周器として動作するように、分圧器と比較器2012、2022間の接続を調整することも可能である。そのうち第一信号Sと第二信号S間の周波数関係は分圧器の抵抗に基づいて設定される。
【0031】
注意すべきは、本発明は前記抵抗器R、Rの抵抗値比設定に限らず、第一のこぎり波信号Sw1’と第二のこぎり波信号Sw2’の充電傾きを調整できる方法であれば、すべて本発明の範囲に属する。例えば、本発明の一実施例として、第一入力電圧Vroscを用いて第一電流源I’と第二電流源I’を設定し、所要の周波数を固定することが可能であり、また別の実施例として、第一入力電圧Vrosc1を用いて第一容量C’と第二容量C’を設定し、所要の周波数を固定することも可能である。第一入力電圧Vrosc1を用いて抵抗器RとRを設定すること、第一入力電圧Vrosc1を用いて第一容量C’と第二容量C’を設定すること、第一入力電圧Vrosc1を用いて第一電流源I’と第二電流源I’を設定すること、並びにこれらの方法の組み合わせは、いずれも第一信号Sと第二信号S間の周波数関係を制御できるため、本発明の範囲に属する。
【0032】
図13を参照する。図13はこの発明による周波数比較方法のフローチャートである。該方法は下記のように、図2に示す第一信号Sと第二信号Sの周波数を比較する。

ステップ302:開始。
ステップ304:第一信号Sを受信する。
ステップ306:第一信号Sを第一のこぎり波信号Sw1に変換する。
ステップ308:第一のこぎり波信号Sw1と入力電圧Vroscを比較し、基準信号Vrefを生成する。ステップ312に進む。
ステップ310:入力電圧Vroscに対応する第二信号Sを生成する。
ステップ312:基準信号Vrefと第二信号Sで容量Cを電荷ポンプ方式で充放電する。
ステップ314:決定論理104を用いて第一信号Sと第二信号S間の周波数関係を示す。
【0033】
上記周波数比較方法のステップ302〜314はいずれも前述で紹介されているため、ここで説明を省略とする。
【0034】
図14を参照する。図13はこの発明による周波数合成方法のフローチャートである。該方法は下記のように、図11に示す第一信号Sに基づいて第二信号Sの周波数を生成する。

ステップ402:開始。
ステップ404:第一信号Sを受信する。
ステップ406:第一信号Sを第一のこぎり波信号Sw1に変換する。
ステップ408:第一入力電圧Vrosc1を設定する。ステップ413に進む。
ステップ410:第二入力電圧Vrosc2を設定する。
ステップ412:第二信号Sを生成する。ステップ414に進む。
ステップ413:基準信号Srefを生成する。
ステップ414:基準信号Srefと第二信号Sで容量C’を電荷ポンプ方式で充放電する。
ステップ416:電圧レベルVosetを低域通過方式でフィルタリングし、第一入力電圧Vrosc1を生成する。ステップ408に進む。

上記周波数合成方法のステップ402〜416はいずれも前述で紹介されているため、ここで説明を省略とする。
【0035】
以上はこの発明に好ましい実施例であって、この発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、当業者のなし得る修正、もしくは変更であって、この発明の精神の下においてなされ、この発明に対して均等の効果を有するものは、いずれもこの発明の特許請求の範囲に属するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0036】
この発明はデジタル回路の代わりにアナログ回路を利用することを内容とする。かかる方法は実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】従来の周波数比較器を表す説明図である。
【図2】この発明による周波数比較器を表す説明図である。
【図3】図1に示すバイアス電圧発生器を表す説明図である。
【図4】図2に示す単一パルス発生回路を表す説明図である。
【図5】図4と図2に示す遅延信号Sdelay、第一信号S、単一パルス信号Sp1、及び第一のこぎり波信号Sw1のタイミング図である。
【図6】図2に示す第一のこぎり波発生器を表す説明図である。
【図7】図2に示す第二のこぎり波発生器を表す説明図である。
【図8】図7と図2に示す第二信号S、第二のこぎり波信号Sw2、及び入力電圧Voscのタイミング図である。
【図9】図2に示す電荷ポンプ回路を表す説明図である。
【図10】図6と図2に示す基準信号S、第一のこぎり波信号Sw1、及び入力電圧Vroscのタイミング図である。
【図11】この発明による周波数合成器を表す説明図である。
【図12】第一入力電圧Vrosc1、第一のこぎり波信号Sw1’、及び第二のこぎり波信号Sw2’のタイミング図である。
【図13】この発明による周波数比較方法のフローチャートである。
【図14】この発明による周波数合成方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0038】
10、100 周波数比較器
11、101、201 周波数検出回路
12、13 計数回路
14、104 決定論理
102、202 周波数発生器
103、203 電荷ポンプ回路
105 バイアス電圧発生器
200 周波数合成器
204 調整回路
205 LPF
1011、1021、2011、2021 のこぎり波発生器
1011a、2011a 単一パルス発生回路
1011b、1021a、2011b、2021a スイッチ制御回路
1012、1022、2012、2022 比較器
1051 基準電圧発生回路
1052 エラー増幅器
1053 電流ミラー回路
【出願人】 【識別番号】507037817
【氏名又は名称】沛亨半導體股▲ふん▼有限公司
【出願日】 平成19年2月5日(2007.2.5)
【代理人】 【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦

【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介

【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重


【公開番号】 特開2008−79274(P2008−79274A)
【公開日】 平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願番号】 特願2007−25700(P2007−25700)