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【発明の名称】 二次元移動装置
【発明者】 【氏名】市川 厚司

【要約】 【課題】回路構成を複雑にせずに被駆動体を二次元方向に移動させる圧電体振動子を提供する。

【構成】圧電体振動子は外壁部を有するシムと、外壁部と垂直な第1方向と外壁部及び第1方向に垂直な第2方向に垂直な第3方向でシムに固着される圧電素子を備える。圧電素子上に円周方向に順に並べて配置された第1〜第4電極が取り付けられる。第1電極に第1交流電圧が印加され、第2電極に第2交流電圧が印加され、第3電極に第3交流電圧が印加され、第4電極に第4交流電圧が印加される。外壁部を第2方向に付勢する第1付勢部材を第1方向の一方に移動させる場合に第1交流電圧の電圧印加が行われ、第1方向の他方に移動させる場合に第3交流電圧の電圧印加が行われ、外壁部を第1方向に付勢する第2付勢部材を第2方向の一方に移動させる場合に第2交流電圧の電圧印加が行われ、第2方向の他方に移動させる場合に第4交流電圧の電圧印加が行われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁部を有するシムと、
前記外壁部と垂直な第1方向と前記外壁部及び前記第1方向に垂直な第2方向との両方に垂直な第3方向で前記シムに固着される圧電素子とを備え、
前記圧電素子上には、前記第3方向に垂直な平面上の円周方向に順に並べて配置された第1〜第4電極が取り付けられ、
前記第1電極に第1交流電圧が印加され、
前記第2電極に第2交流電圧が印加され、
前記第3電極に第3交流電圧が印加され、
前記第4電極に第4交流電圧が印加され、
前記外壁部を前記第2方向に付勢する第1付勢部材を前記第1方向の一方に移動させる場合には、前記第1、第3交流電圧のいずれか一方の電圧印加が行われ、
前記外壁部を前記第1方向に付勢する第2付勢部材を前記第2方向の一方に移動させる場合には、前記第2、第4交流電圧のいずれか一方の電圧印加が行われ、
前記第1付勢部材を前記第1方向の他方に移動させる場合には、前記第1、第3交流電圧のいずれか他方の電圧印加が行われ、
前記第2付勢部材を前記第2方向の他方に移動させる場合には、前記第2、第4交流電圧のいずれか他方の電圧印加が行われることを特徴とする圧電体振動子。
【請求項2】
前記第1電極と前記第3電極とは、前記第1方向に並べて配置され、前記第2電極と前記第4電極とは、前記第2方向に並べて配置されることを特徴とする請求項1に記載の圧電体振動子。
【請求項3】
前記第1交流電圧は、前記第3電極の歪み量に基づいて調整され、
前記第2交流電圧は、前記第4電極の歪み量に基づいて調整され、
前記第3交流電圧は、前記第1電極の歪み量に基づいて調整され、
前記第4交流電圧は、前記第2電極の歪み量に基づいて調整されることを特徴とする請求項1に記載の圧電体振動子。
【請求項4】
前記第1交流電圧の印加により、前記圧電体振動子の半径方向の縦振動と、前記圧電体振動子の前記第1方向の横振動とが励起され、
前記第2交流電圧の印加により、前記縦振動と、前記圧電体振動子の前記第2方向の横振動とが励起され、
前記第3交流電圧の印加により、前記縦振動と、前記第1方向の横振動とが励起され、
前記第4交流電圧の印加により、前記縦振動と、前記第2方向の横振動とが励起されることを特徴とする請求項1に記載の圧電体振動子。
【請求項5】
前記第1〜第4交流電圧の駆動周波数は、前記縦振動の共振周波数と、前記第1、第2方向の横振動の共振周波数の間の値に設定されることを特徴とする請求項4に記載の圧電体振動子。
【請求項6】
外壁部を有するシムと、前記外壁部と垂直な第1方向と前記外壁部と前記第1方向に垂直な第2方向との両方に垂直な第3方向で前記シムに固着され、前記第3方向に垂直な平面上の円周方向に順に並べて配置された第1〜第4電極が取り付けられた圧電素子とを有する圧電体振動子を有する固定部と、
前記外壁部に接し、前記外壁部を前記第1方向で付勢する鉛直方向移動部と、
前記外壁部に接し、前記外壁部を前記第2方向で付勢する水平方向移動部と、
前記第1電極に第1交流電圧を印加し、前記第2電極に第2交流電圧を印加し、前記第3電極に第3交流電圧を印加し、前記第4電極に第4交流電圧を印加する回路部とを備え、
前記圧電体振動子は、前記第1、第3交流電圧のいずれか一方の電圧印加に基づいて、前記水平方向移動部を前記第1方向の一方に移動させ、前記第2、第4交流電圧のいずれか一方の電圧印加に基づいて、前記鉛直方向移動部を前記第2方向の一方に移動させ、前記第1、第3交流電圧のいずれか他方の電圧印加に基づいて、前記水平方向移動部を前記第1方向の他方に移動させ、前記第2、第4交流電圧のいずれか他方の電圧印加に基づいて、前記鉛直方向移動部を前記第2方向の他方に移動させることを特徴とする二次元移動装置。
【請求項7】
前記鉛直方向移動部の前記第2方向の移動に連動して前記第2方向に移動し、前記鉛直方向移動部を前記第1方向に摺動自在に支持し、水平方向移動部の前記第1方向の移動に連動して前記第1方向に移動し、前記水平方向移動部を前記第2方向に摺動自在に支持する載荷台と、
前記圧電体振動子を有し、前記鉛直方向移動部を前記第2方向に摺動自在に支持し、前記水平方向移動部を前記第1方向に摺動自在に支持する固定部とを備えることを特徴とする請求項6に記載の二次元移動装置。
【請求項8】
前記回路部は、前記第3電極に前記第3交流電圧が印加される時に、前記第1電極の歪み量を検出する第1検出部と、前記第4電極に前記第4交流電圧が印加される時に、前記第2電極の歪み量を検出する第2検出部と、前記第1電極に前記第1交流電圧が印加される時に、前記第3電極の歪み量を検出する第3検出部と、前記第2電極に前記第2交流電圧が印加される時に、前記第4電極の歪み量を検出する第4検出部と、制御部とを有し、
前記制御部は、前記第1交流電圧を前記第3検出部で検出された歪み量に基づいて調整し、前記第2交流電圧を前記第4検出部で検出された歪み量に基づいて調整し、前記第3交流電圧を前記第1検出部で検出された歪み量に基づいて調整し、前記第4交流電圧を前記第2検出部で検出された歪み量に基づいて調整することを特徴とする請求項6に記載の二次元移動装置。
【請求項9】
前記回路部は、前記第3電極に前記第3交流電圧が印加される時に、前記第1電極と前記第1検出部を接続する第1スイッチと、前記第4電極に前記第4交流電圧が印加される時に、前記第2電極と前記第2検出部を接続する第2スイッチと、前記第1電極に前記第1交流電圧が印加される時に、前記第3電極と前記第3検出部を接続する第3スイッチと、前記第2電極に前記第2交流電圧が印加される時に、前記第4電極と前記第4検出部を接続する第4スイッチとを有することを特徴とする請求項8に記載の二次元移動装置。
【請求項10】
前記第1〜第4交流電圧の調整は、前記第1〜第4交流電圧を印加する時間幅を調整する時分割制御により行われることを特徴とする請求項8に記載の二次元移動装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関し、特に被駆動体を二次元の任意の方向に移動させる駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電体振動子を使って、被駆動体を二次元の任意の方向に移動させる移動装置が提案されている。特許文献1は、移動平面に垂直な方向に圧電体振動子を与圧した二次元移動装置を開示する。
【特許文献1】特開2004−274898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1の装置は、4対(又は5対)の電極の総てに電圧印加を行って移動制御を行うため、回路構成が複雑になる。
【0004】
したがって本発明の目的は、回路構成を複雑にすることなく被駆動体を二次元方向に並進運動(移動)させる圧電体振動子、及び二次元移動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る圧電体振動子は、外壁部を有するシムと、外壁部と垂直な第1方向と外壁部及び第1方向に垂直な第2方向との両方に垂直な第3方向でシムに固着される圧電素子とを備え、圧電素子上には、第3方向に垂直な平面上の円周方向に順に並べて配置された第1〜第4電極が取り付けられ、第1電極に第1交流電圧が印加され、第2電極に第2交流電圧が印加され、第3電極に第3交流電圧が印加され、第4電極に第4交流電圧が印加され、外壁部を第2方向に付勢する第1付勢部材を第1方向の一方に移動させる場合には、第1、第3交流電圧のいずれか一方の電圧印加が行われ、外壁部を第1方向に付勢する第2付勢部材を第2方向の一方に移動させる場合には、第2、第4交流電圧のいずれか一方の電圧印加が行われ、第1付勢部材を第1方向の他方に移動させる場合には、第1、第3交流電圧のいずれか他方の電圧印加が行われ、第2付勢部材を第2方向の他方に移動させる場合には、第2、第4交流電圧のいずれか他方の電圧印加が行われる。
【0006】
好ましくは、第1電極と第3電極とは、第1方向に並べて配置され、第2電極と第4電極とは、第2方向に並べて配置される。
【0007】
また、好ましくは、第1交流電圧は、第3電極の歪み量に基づいて調整され、第2交流電圧は、第4電極の歪み量に基づいて調整され、第3交流電圧は、第1電極の歪み量に基づいて調整され、第4交流電圧は、第2電極の歪み量に基づいて調整される。
【0008】
また、好ましくは、第1交流電圧の印加により、圧電体振動子の半径方向の縦振動と、圧電体振動子の第1方向の横振動とが励起され、第2交流電圧の印加により、縦振動と、圧電体振動子の第2方向の横振動とが励起され、第3交流電圧の印加により、縦振動と、第1方向の横振動とが励起され、第4交流電圧の印加により、縦振動と、第2方向の横振動とが励起される。
【0009】
さらに好ましくは、第1〜第4交流電圧の駆動周波数は、縦振動の共振周波数と、第1、第2方向の横振動の共振周波数の間の値に設定される。
【0010】
本発明に係る二次元移動装置は、外壁部を有するシムと、外壁部と垂直な第1方向と外壁部と第1方向に垂直な第2方向との両方に垂直な第3方向でシムに固着され、第3方向に垂直な平面上の円周方向に順に並べて配置された第1〜第4電極が取り付けられた圧電素子とを有する圧電体振動子を有する固定部と、外壁部に接し、外壁部を第1方向で付勢する鉛直方向移動部と、外壁部に接し、外壁部を第2方向で付勢する水平方向移動部と、第1電極に第1交流電圧を印加し、第2電極に第2交流電圧を印加し、第3電極に第3交流電圧を印加し、第4電極に第4交流電圧を印加する回路部とを備え、圧電体振動子は、第1、第3交流電圧のいずれか一方の電圧印加に基づいて、水平方向移動部を第1方向の一方に移動させ、第2、第4交流電圧のいずれか一方の電圧印加に基づいて、鉛直方向移動部を第2方向の一方に移動させ、第1、第3交流電圧のいずれか他方の電圧印加に基づいて、水平方向移動部を第1方向の他方に移動させ、第2、第4交流電圧のいずれか他方の電圧印加に基づいて、鉛直方向移動部を第2方向の他方に移動させる。
【0011】
好ましくは、鉛直方向移動部の第2方向の移動に連動して第2方向に移動し、鉛直方向移動部を第1方向に摺動自在に支持し、水平方向移動部の第1方向の移動に連動して第1方向に移動し、水平方向移動部を第2方向に摺動自在に支持する載荷台と、圧電体振動子を有し、鉛直方向移動部を第2方向に摺動自在に支持し、水平方向移動部を第1方向に摺動自在に支持する固定部とを備える。
【0012】
また、好ましくは、回路部は、第3電極に第3交流電圧が印加される時に、第1電極の歪み量を検出する第1検出部と、第4電極に第4交流電圧が印加される時に、第2電極の歪み量を検出する第2検出部と、第1電極に第1交流電圧が印加される時に、第3電極の歪み量を検出する第3検出部と、第2電極に第2交流電圧が印加される時に、第4電極の歪み量を検出する第4検出部と、制御部とを有し、制御部は、第1交流電圧を第3検出部で検出された歪み量に基づいて調整し、第2交流電圧を第4検出部で検出された歪み量に基づいて調整し、第3交流電圧を第1検出部で検出された歪み量に基づいて調整し、第4交流電圧を第2検出部で検出された歪み量に基づいて調整する。
【0013】
さらに好ましくは、回路部は、第3電極に第3交流電圧が印加される時に、第1電極と第1検出部を接続する第1スイッチと、第4電極に第4交流電圧が印加される時に、第2電極と第2検出部を接続する第2スイッチと、第1電極に第1交流電圧が印加される時に、第3電極と第3検出部を接続する第3スイッチと、第2電極に第2交流電圧が印加される時に、第4電極と第4検出部を接続する第4スイッチとを有する。
【0014】
また、好ましくは、第1〜第4交流電圧の調整は、第1〜第4交流電圧を印加する時間幅を調整する時分割制御により行われる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明によれば、回路構成を複雑にすることなく被駆動体を二次元方向に並進運動(移動)させる圧電体振動子、及び二次元移動装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の第1実施形態について、図を用いて説明する。二次元移動装置1は、水平方向移動部10、鉛直方向移動部20、及び載荷台40を有する可動部と、圧電体振動子30、固定台50、及び回路部70とを有する固定部とを備える。なお、方向を説明するために、二次元移動装置1において水平方向移動部10の移動方向を第1方向x、第1方向xと直交する鉛直方向移動部20の移動方向を第2方向y、第1方向x、第2方向yと直交する方向を第3方向zとして説明する。
【0017】
水平方向移動部10は、第1、第2摩擦部材11、12、第1係合部15、第2係合部16、第1、第2突出部18a、18b、及び水平方向移動枠19とを有する。水平方向移動部10は、第1方向xに移動可能で、移動する際は載荷台40も連動して第1方向xに移動する。
【0018】
第1、第2摩擦部材11、12は、直方体形状で、第2方向yに垂直な平面の一方は、圧電体振動子30と接触し、圧電体振動子30の振動により水平方向移動枠19と共に第1方向xに移動可能であり、他方は水平方向移動枠19の内側に取り付けられる。
【0019】
第1係合部15は、第2方向yに延びる長孔を2つ有し、それぞれ、載荷台40の第1突起部41の2つの突起物が第2方向yに摺動自在に係合される(図1参照)。これにより、鉛直方向移動部20の第2方向yの移動に伴って載荷台40が第2方向yに移動した際に、水平方向移動部10は連動して第2方向yに移動しない。また、第1係合部15と第1突起部41の係合が2カ所で行われることによって、載荷台40の第3方向zからみた回転を防止する効果を有する。
【0020】
第2係合部16は、固定台50の第1係合部材51と第1方向xに摺動自在に係合される。これにより、水平方向移動部10の第3方向zからみた回転を防止する効果を有する。
【0021】
水平方向移動枠19は、内側に第3方向zに垂直な矩形の孔を有する平板状の枠であり、かかる内側の矩形孔に第1、第2摩擦部材11、12が取り付けられ、圧電体振動子30が配置される。
【0022】
鉛直方向移動部20は、第3、第4摩擦部材21、22、第3係合部25、第4係合部26、及び鉛直方向移動枠29とを有する。鉛直方向移動部20は、第2方向yに移動可能で、移動する際は載荷台40も連動して第2方向yに移動する。
【0023】
第3、第4摩擦部材21、22は、直方体形状で、第1方向xに垂直な平面の一方は、圧電体振動子30と接触し、圧電体振動子30の振動により鉛直方向移動枠29と共に第2方向yに移動可能であり、他方は鉛直方向移動枠29の内側に取り付けられる。
【0024】
第3係合部25は、第1方向xに延びる長孔を1つ有し、載荷台40の第2突起部42の1つの突起物が第1方向xに摺動自在に係合される。従って、水平方向移動部10の第1方向xの移動に伴って載荷台40が第1方向xに移動した際に、鉛直方向移動部20は連動して第1方向xに移動しない。
【0025】
第4係合部26は、固定台50の第2係合部材52と第2方向yに摺動自在に係合される。これにより、鉛直方向移動部20の第3方向zからみた回転を防止する効果を有する。
【0026】
鉛直方向移動枠29は、第1方向xからみて、エの字形状を有し、エの字を構成する溝部分には、水平方向移動枠19の一部が配置される。水平方向移動部10は、鉛直方向移動部20に干渉することなく第1方向xに移動可能で、鉛直方向移動部20は、水平方向移動部10に干渉することなく第2方向yに移動可能である。
【0027】
水平方向移動枠19、及び鉛直方向移動枠29は、組み立てを簡素化するために、それぞれ別体構造で構成されるのが望ましい。具体的には、水平方向移動枠19は、水平方向移動枠梁部19a、水平方向移動枠支持部19b、及び水平方向移動枠用引っ張りコイルバネ19cから構成される(図11参照)。鉛直方向移動枠29は、鉛直方向移動枠梁部29a、鉛直方向移動枠支持部29b、及び鉛直方向移動枠用引っ張りコイルバネ29cから構成される。
【0028】
水平方向移動枠梁部19aは、一方の端部(図11上の右側)がピンで水平方向移動枠支持部19bに軸着され、他方の端部(図11上の左側)が水平方向移動枠用引っ張りコイルバネ19cの一方の端部に取り付けられる。水平方向移動枠用引っ張りコイルバネ19cの他方の端部は水平方向移動枠支持部19bに取り付けられる。水平方向移動枠用引っ張りコイルバネ19cの引っ張り張力により、水平方向移動枠梁部19aの他方の端部は水平方向移動枠支持部19bに近づくように付勢される。この付勢に基づいて、第1、第2摩擦部材11、12は、圧電体振動子30を第2方向yに与圧(付勢)する。
【0029】
鉛直方向移動枠梁部29aは、一方の端部(図11上の下側)がピンで鉛直方向移動枠支持部29bに軸着され、他方の端部(図11上の上側)が鉛直方向移動枠用引っ張りコイルバネ29cの一方の端部に取り付けられる。鉛直方向移動枠用引っ張りコイルバネ29cの他方の端部は鉛直方向移動枠支持部29bに取り付けられる。鉛直方向移動枠用引っ張りコイルバネ29cの引っ張り張力により、鉛直方向移動枠梁部29aの他方の端部は鉛直方向移動枠支持部29bに近づくように付勢される。この付勢に基づいて、第3、第4摩擦部材21、22は、圧電体振動子30を第1方向xに与圧(付勢)する。
【0030】
なお、図11の水平方向移動枠19、及び鉛直方向移動枠29が、別体構造であることを説明するための図で、鉛直方向移動枠29が第1方向xからみてエの字形状を有さないなど、図2と異なる形態を示す。
【0031】
図11は、ピンと引っ張りコイルバネを使ったカンチレバー構造の水平方向移動枠19、及び鉛直方向移動枠29を説明したが、ピンに代えて引っ張りコイルバネを使って、梁部と支持部の両端を引っ張りコイルバネで付勢する形態であってもよい(不図示)。
【0032】
圧電体振動子30は、中空円柱形状の第1、第2圧電素子(圧電セラミックリング)31、32と、薄い金属の弾性板で構成されるシム34から構成され、シム34の両面には第1、第2圧電素子31、32が固着される。
【0033】
第1、第2圧電素子31、32の第3方向zから見た表面には電極が設けられる(図5参照)。電極は第3方向zからみて放射状に4つに分割され、第1圧電素子31の第1、第2、第3、第4電極31a、31b、31c、31d、第2圧電素子32の第5、第6、第7、第8電極32a、32b、32c、32dが取り付けられる。なお、電極は、第1圧電素子31、第2圧電素子32のいずれか一方にだけ取り付けられた形態であってもよいが、両方に取り付けられた本実施形態の方が、より強い駆動力を得ることが出来る。
【0034】
電極は、第3方向に垂直な平面上の円周方向で、第3方向zからみて反時計回りに、第1電極31a、第2電極31b、第3電極31c、第4電極31dの順に並べて配置される。第1電極31aは、第4摩擦部材22と接する側に、第2電極31bは、第1摩擦部材11と接する側に、第3電極31cは、第3摩擦部材21と接する側に、第4電極31dは、第2摩擦部材12と接する側に配置される(図11参照)。すなわち、第1電極31aと第3電極31cとは第1方向xに並べて配置される(圧電体振動子30のxy平面上の中心にxy平面上で対向する位置関係に配置される)。また、第2電極31bと第4電極31dとは第2方向yに並べて配置される(圧電体振動子30のxy平面上の中心にxy平面上で対向する位置関係に配置される)。
【0035】
第1電極31aと第5電極32aとは、第3方向zで対向するように配置され、同じ波形の第1交流電圧VEが回路部70から印加される。第2電極31bと第6電極32bとは、第3方向zで対向するように配置され、同じ波形の第2交流電圧VEが回路部70から印加される。第3電極31cと第7電極32cとは、第3方向zで対向するように配置され、同じ波形の第3交流電圧VEが回路部70から印加される。第4電極31dと第8電極32dとは、第3方向zで対向するように配置され、同じ波形の第4交流電圧VEが回路部70から印加される。
【0036】
水平方向移動部10等の第1方向xの移動量は、第1交流電圧VEまたは第3交流電圧VEを印加する時間幅を変化させることによって調整される(時分割制御)。鉛直方向移動部20等の第2方向yの移動量は、第2交流電圧VEまたは第4交流電圧VEを印加する時間幅を変化させることによって調整される(時分割制御)。
【0037】
第1電極31aと第5電極32aとに第1交流電圧VEが印加される時、第3電極31cと第7電極32cには電圧印加は行われず、歪み検出が行われる。第3電極31cと第7電極32cにおける歪み検出結果に基づいて、第1電極31a、及び第5電極32aに印加する第1交流電圧VEが更に調整される。調整は、第1交流電圧VEを印加する時間幅を変動させる時分割制御により行われる(図7、8参照)。
【0038】
図7は、第1交流電圧VEを印加する時間を短くして、時間平均の駆動力を小さくした場合の印加電圧波形と平均駆動力を示し、図8は、第1交流電圧VEを印加する時間を長くして、時間平均の駆動力を大きくした場合の印加電圧波形と平均駆動力を示す。
【0039】
時分割制御により、印加電圧が調整されるため、調整によって半径方向の駆動振幅は変動しない。有効な駆動力を発生させるためには、所定以上の半径方向の振幅が必要である。振幅を変動させることにより、印加電圧を調整する形態であれば、移動量が小さい時など駆動力を小さくする時に、半径方向の駆動振幅が小さくなって、有効な駆動力を得ることが出来ないおそれがある。本実施形態では、移動量が小さい時など駆動力を小さくする時にも、半径方向の駆動振幅が変動しないため有効な駆動力を下回ることはない。
【0040】
第3電極31cと第7電極32cとに第3交流電圧VEが印加される時、第1電極31aと第5電極32aには電圧印加は行われず、歪み検出が行われる。第1電極31aと第5電極32aにおける歪み検出結果に基づいて、第3電極31c、及び第7電極32cに印加する第3交流電圧VEが更に調整される。調整は、第3交流電圧VEを印加する時間幅を変動させる時分割制御により行われる。
【0041】
第2電極31bと第6電極32bとに第2交流電圧VEが印加される時、第4電極31dと第8電極32dには電圧印加は行われず、歪み検出が行われる。第4電極31dと第8電極32dにおける歪み検出結果に基づいて、第2電極31b、及び第6電極32bに印加する第2交流電圧VEが更に調整される。調整は、第2交流電圧VEを印加する時間幅を変動させる時分割制御により行われる。
【0042】
第4電極31dと第8電極32dとに第4交流電圧VEが印加される時、第2電極31bと第6電極32bには電圧印加は行われず、歪み検出が行われる。第2電極31bと第6電極32bにおける歪み検出結果に基づいて、第4電極31d、及び第8電極32dに印加する第4交流電圧VEが更に調整される。調整は、第4交流電圧VEを印加する時間幅を変動させる時分割制御により行われる。
【0043】
シム34は、第1、第2圧電素子31、32を両面に固着した中空円柱形状のシム本体部34a、固定台50に支持される第1、第2、第3、第4支持部35a、35b、35c、35dを有する。シム本体部34aは、円柱形状の外壁部で、第1摩擦部材11の付勢力と、第1摩擦部材11の付勢力に対する第2摩擦部材12の反力によって第2方向yに付勢され、第3摩擦部材21の付勢力と、第3摩擦部材21の付勢力に対する第4摩擦部材22の反力によって第1方向xに付勢される。第1、第2、第3、第4支持部35a、35b、35c、35dは、シム本体部34aから突出した部分で、それぞれが有する孔に固定部材53が挿入されることによって固定台50に取り付けられる。これにより、シム34を含む圧電体振動子30は固定台50に固定されて移動しない。一方、圧電体振動子30の振動により水平方向移動部10、及び載荷台40は第1方向xに移動可能で、鉛直方向移動部20、及び載荷台40は第2方向yに移動可能である。
【0044】
それぞれの電極に電圧が印加されない状態においては、第1、第2圧電素子31、32は変形を起こさず静止している。圧電体振動子30は、電圧が印加される部分が膨張または収縮する。例えば、第1電極31a、第5電極32aに第1交流電圧VEを印加すると、第1、第2圧電素子31、32の第1電極31a、第5電極32aが取り付けられた部分が膨張または収縮し、第2電極31b、第6電極32bに第2交流電圧VEを印加すると、第1、第2圧電素子31、32の第2電極31b、第6電極32bが取り付けられた部分が膨張又は収縮する。電極が取り付けられた部分の膨張または収縮に伴い、第1、第2圧電素子31、32が第3方向zに垂直な面上に(面内方向に)膨張または収縮し、第1圧電素子31、32と固着されたシム34の部分も第3方向zに垂直な面上に(面内方向に)、第3方向zから見た円形が変形するように、膨張または収縮する。
【0045】
各電極に交流電圧が印加されることにより、圧電体振動子30(第1、第2圧電素子31、32、及びシム34)は、膨張と収縮を繰り返す。交流電圧の周波数を所定の周波数に設定して、半径方向の振動(縦振動)と、駆動方向の振動(横振動)が相互間の位相差が所定の範囲になるように、圧電体振動子30の形状が変化すると、シム34のシム本体部34aの外壁部分の任意の一点は楕円運動を行うことができる。縦振動と横振動の間の位相差を所定の範囲にする方法については、図9を用いて後述する。
【0046】
この楕円運動により、シム本体部34aの外壁部分を第2方向yに付勢した状態で接触する第1、第2摩擦部材11、12は、固定台50及び圧電体振動子30に対して第1方向xに移動せしめられ、これに伴って水平方向移動部10、及び載荷台40が第1方向xに移動せしめられる。具体的には、圧電体振動子30に半径方向の振動(縦振動)と、第1方向xの振動(横振動)を励起するように、第1電極31aと第5電極32aに第1交流電圧VE、または第3電極31cと第7電極32cに第3交流電圧VEを印加することにより、シム本体部34aの外壁部分で第1、第2摩擦部材11、12と接触する点において、楕円運動が行われ、これにより、第1、第2摩擦部材11、12は、固定台50及び圧電体振動子30に対して第1方向xに移動せしめられる。第1、第2圧電素子31、32の面上において第1電極31aと第3電極31c(第5電極32aと第7電極32c)は円の中心に対して第1方向x上の反対側に配置されるため、第1電極31a(第5電極32a)と第3電極31c(第7電極32c)に交流電圧が加わった時の横振動の方向は逆方向になり、前述の楕円運動の方向も逆方向となる。そのため、第1、第2摩擦部材11、12の移動方向も逆方向になる。
【0047】
同様に、シム本体部34aの外壁部分を第1方向xに付勢した状態で接触する第3、第4摩擦部材21、22は、固定台50及び圧電体振動子30に対して第2方向yに移動せしめられ、これに伴って鉛直方向移動部20、及び載荷台40が第2方向yに移動せしめられる。具体的には、圧電体振動子30に半径方向の振動(縦振動)と、第2方向yの振動(横振動)を励起するように、第2電極31bと第6電極32bに第2交流電圧VE、または第4電極31dと第8電極32dに第4交流電圧VEを印加することにより、シム本体部34aの外壁部分で第3、第4摩擦部材21、22と接触する点において、楕円運動が行われ、これにより、第3、第4摩擦部材21、22は、固定台50及び圧電体振動子30に対して第2方向yに移動せしめられる。第1、第2圧電素子31、32の面上において第2電極31bと第4電極31d(第6電極32bと第8電極32d)は円の中心に対して第2方向y上の反対側に配置されるため、第2電極31b(第6電極32b)と第4電極31d(第8電極32d)に交流電圧が加わった時の横振動の方向は逆方向になり、前述の楕円運動の方向も逆方向となる。そのため、第3、第4摩擦部材21、22の移動方向も逆方向になる。
【0048】
圧電体振動子30の内径と外径の寸法比率を調整することにより、半径方向の振動(縦振動)の共振周波数f、及び駆動方向の振動(横振動)共振周波数fXYが決定される。図9に、横方向及び縦方向についての駆動周波数とゲイン(振幅)、及び位相の関係を示す。図9の実線は、第1方向xの駆動方向の振動(横振動)の周波数とゲイン(振幅)、及び位相の関係を示し、破線は、半径方向の振動(縦振動)の周波数とゲイン(振幅)、及び位相の関係を示す。横振動でゲイン(振幅)が最も高くなる時の周波数が、横振動の共振周波数fXYを示し、縦振動でゲイン(振幅)が最も高くなる時の周波数が、縦振動の共振周波数fを示す。一般に共振周波数近傍の周波数で位相が大きく変化するため、横振動の共振周波数fXYと縦振動の共振周波数fの差が大きくない所定の値にし、駆動周波数fをfXYとfとの間に設定すると、横振動の振動と縦振動の振動との間に比較的大きな位相差を与えることができる。また、fXYとfの差が大きくないので横振動の振動と縦振動の振動の振幅をそれぞれ比較的大きくとることが可能である。以上の説明では横振動の共振周波数fXYは第1方向x、第2方向yともに同じ値を想定して述べたが、所定の振幅と位相差の楕円運動が形成できる範囲ならば異なる値であってもよい。
【0049】
本実施形態では、第1〜第4交流電圧VE〜VEの駆動周波数fを、横振動の共振周波数fXYと、縦振動の共振周波数fとの間の値に設定する。駆動周波数fは、半径方向の振動の振幅をより大きくするため、横振動の共振周波数fXYと、縦振動の共振周波数fとの間の値で且つ、横振動と縦振動の位相差が90度近傍で且つ、縦振動のゲインが横振動のゲインを上回る値に設定されるのが望ましい。半径方向の振動が少ない、すなわち摩擦部材と付勢する方向の押圧成分が小さいと、接触部(シム本体部34aは、円柱形状の外壁部)と被駆動体(摩擦部材)との間の摩擦力が増加するため、大きな駆動力を得られないからである。
【0050】
載荷台40は、載荷台本体部40a、第1突起部41、第2突起部42、磁石46とを有する。載荷台40は、水平方向移動部10の移動によって第1方向xに移動可能で、鉛直方向移動部20の移動によって第2方向yに移動可能であり、載荷台本体部40aに二次元方向に移動させたい部材を取り付けることにより、かかる部材を二次元方向に移動可能な状態にすることができる。二次元方向に移動させたい部材とは、例えば、撮像装置の像ブレ補正に使用される撮像素子または像ブレ補正レンズ等の光学要素である。
【0051】
固定台50は、固定台本体部50a、水平方向移動部10を第1方向xに摺動自在に支持する第1係合部材51、鉛直方向移動部20を第2方向yに摺動自在に支持する第2係合部材52、及び圧電体振動子30を固定する固定部材53を有する。固定台本体部50aは磁性体である。
【0052】
載荷台本体部40aと固定台本体部50aとの間にはボール45が配置される。ボール45は、載荷台本体部40aと固定台本体部50aとの第3方向zの距離を一定に保つ回転自在の球状物で、第1実施形態では4つ配置される。ボール45は、載荷台本体部40aの第1方向x、第2方向yへの移動に伴って、固定台50に対し移動するため、載荷台本体部40a及び固定台50の対向面(ボール45と接触する部分)は平面になっている。
【0053】
載荷台本体部40aに固着された磁石46の一端は固定台本体部50aと近接対向し、載荷台本体部40aを固定台本体部50aに吸引する。磁石46の吸引力の中心は4つ配置されたボール45に囲まれた四辺形の内側に存在する。
【0054】
回路部70は、駆動信号発生部71、検出信号処理部72、制御部73、第1〜第4駆動部74a〜74d、第1〜第4検出部75a〜75d、及び第1〜第4スイッチ76a〜76dを有する(図10参照)。
【0055】
駆動信号発生部71は、駆動周波数fの正弦波を出力する。
【0056】
第1駆動部74aは、駆動信号発生部71から出力された正弦波を増幅し、第1電極31a、及び第5電極32aに第1交流電圧VEを印加する駆動回路である。第2駆動部74bは、駆動信号発生部71から出力された正弦波を増幅し、第2電極31b、及び第6電極32bに第2交流電圧VEを印加する駆動回路である。第3駆動部74cは、駆動信号発生部71から出力された正弦波を増幅し、第3電極31c、及び第7電極32cに第3交流電圧VEを印加する駆動回路である。第4駆動部74dは、駆動信号発生部71から出力された正弦波を増幅し、第4電極31d、及び第8電極32dに第4交流電圧VEを印加する駆動回路である。
【0057】
第1検出部75aは、圧電体振動子30の振動に基づく第1電極31a、及び第5電極32aの歪み量を電圧値として検出する。第2検出部75bは、圧電体振動子30の振動に基づく第2電極31b、及び第6電極32bの歪み量を電圧値として検出する。第3検出部75cは、圧電体振動子30の振動に基づく第3電極31c、及び第7電極32cの歪み量を電圧値として検出する。第4検出部75dは、圧電体振動子30の振動に基づく第4電極31d、及び第8電極32dの歪み量を電圧値として検出する。
【0058】
検出信号処理部72は、第1〜第4検出部75a〜75dで検出された歪み量に基づいて所定演算処理を行って、歪み量を算出する。
【0059】
制御部73は、駆動する方向に基づいて、第1〜第4スイッチ76a〜76dのスイッチング制御を行い、対称軸(圧電体振動子30のxy平面上の中心)を中心にxy平面上で対向する2つの電極の一方に電圧印加を行い、他方の出力電圧を検出する。第1〜第4スイッチ76a〜76dは、スイッチング回路である。
【0060】
具体的には、制御部73は、水平方向移動枠19を第1方向xで且つ一方の方向に移動させる場合には、第3検出部75cを第3電極31c及び第7電極32cに接続し、第1駆動部74aを第1電極31a及び第5電極32aに接続するスイッチング制御を行う。制御部73は、水平方向移動枠19を第1方向xで且つ他方の方向に移動させる場合には、第3駆動部74cを第3電極31c及び第7電極32cに接続し、第1検出部75aを第1電極31a及び第5電極32aに接続するスイッチング制御を行う。制御部73は、鉛直方向移動枠29を第2方向yで且つ一方の方向に移動させる場合には、第4検出部75dを第4電極31d及び第8電極32dに接続し、第2駆動部74bを第2電極31b及び第6電極32bに接続するスイッチング制御を行う。制御部73は、鉛直方向移動枠29を第2方向yで且つ他方の方向に移動させる場合には、第4駆動部74dを第4電極31d及び第8電極32dに接続し、第2検出部75bを第2電極31b及び第6電極32bに接続するスイッチング制御を行う。
【0061】
制御部73は、検出信号処理部72で求められた各電極の電圧値を予め設定した目標電圧値と比較し、比較結果に基づいて、所定の電極に印加する電圧を調整する。具体的には、制御部73は、第1検出部75aで検出された歪み量に対応する電圧値を、予め設定した目標電圧値と比較し、第3電極31c、及び第7電極32cに印加する第3交流電圧VEの印加時間幅を調整する。また、制御部73は、第2検出部75bで検出された歪み量に対応する電圧値を、予め設定した目標電圧値と比較し、第4電極31d、及び第8電極32dに印加する第4交流電圧VEの印加時間幅を調整する。また、制御部73は、第3検出部75cで検出された歪み量に対応する電圧値を、予め設定した目標電圧値と比較し、第1電極31a、及び第5電極32aに印加する第1交流電圧VEの印加時間幅を調整する。また、制御部73は、第4検出部75dで検出された歪み量に対応する電圧値を、予め設定した目標電圧値と比較し、第2電極31b、及び第6電極32bに印加する第2交流電圧VEの印加時間幅を調整する。
【0062】
第1検出部75aで検出された電圧値は、第3電極31c及び第7電極32cに印加された第3交流電圧VEによる半径方向の振動(縦振動)と第1方向xの振動(横振動)と、第2電極31b及び第6電極32bに印加された第2交流電圧VEによる半径方向の振動(縦振動)、または第4電極31d及び第8電極32dに印加された第4交流電圧VEによる半径方向の振動(縦振動)の影響を受ける。第1検出部75aで検出された電圧値は、−K×VE+K×VE+K×VE(又はVE)で表される。K、Kは、実験により求められる係数で、この関係式を考慮して、制御部73で、第1検出部75aで検出された電圧値と比較する目標電圧値が設定される。なお、第2電極31b及び第6電極32bに印加された第2交流電圧VEによる第2方向yの振動(横振動)、または第4電極31d及び第8電極32dに印加された第4交流電圧VEによる第2方向yの振動(横振動)の影響は殆ど受けない。
【0063】
第3検出部75cで検出された電圧値は、第1電極31a及び第5電極32aに印加された第1交流電圧VEによる半径方向の振動(縦振動)と第1方向xの振動(横振動)と、第2電極31b及び第6電極32bに印加された第2交流電圧VEによる半径方向の振動(縦振動)、または第4電極31d及び第8電極32dに印加された第4交流電圧VEによる半径方向の振動(縦振動)の影響を受ける。第3検出部75cで検出された電圧値は、−K×VE+K×VE+K×VE(又はVE)で表される。K、Kは、実験により求められる係数で、この関係式を考慮して、制御部73で、第3検出部75cで検出された電圧値と比較する目標電圧値が設定される。なお、第2電極31b及び第6電極32bに印加された第2交流電圧VEによる第2方向yの振動(横振動)、または第4電極31d及び第8電極32dに印加された第4交流電圧VEによる第2方向yの振動(横振動)の影響は殆ど受けない。
【0064】
第2検出部75bで検出された電圧値は、第4電極31d及び第8電極32dに印加された第4交流電圧VEによる半径方向の振動(縦振動)と第2方向yの振動(横振動)と、第1電極31a及び第5電極32aに印加された第1交流電圧VEによる半径方向の振動(縦振動)、または第3電極31c及び第7電極32cに印加された第3交流電圧VEによる半径方向の振動(縦振動)の影響を受ける。第2検出部75bで検出された電圧値は、−K×VE+K×VE+K×VE(又はVE)で表される。K、Kは、実験により求められる係数で、この関係式を考慮して、制御部73で、第2検出部75bで検出された電圧値と比較する目標電圧値が設定される。なお、第1電極31a及び第5電極32aに印加された第1交流電圧VEによる第1方向xの振動(横振動)、または第3電極31c及び第7電極32cに印加された第3交流電圧VEによる第1方向xの振動(横振動)の影響は殆ど受けない。
【0065】
第4検出部75dで検出された電圧値は、第2電極31b及び第6電極32bに印加された第2交流電圧VEによる半径方向の振動(縦振動)と第2方向yの振動(横振動)と、第1電極31a及び第5電極32aに印加された第1交流電圧VEによる半径方向の振動(縦振動)、または第3電極31c及び第7電極32cに印加された第3交流電圧VEによる半径方向の振動(縦振動)の影響を受ける。第4検出部75dで検出された電圧値は、−K×VE+K×VE+K×VE(又はVE)で表される。K、Kは、実験により求められる係数で、この関係式を考慮して、制御部73で、第4検出部75dで検出された電圧値と比較する目標電圧値が設定される。なお、第1電極31a及び第5電極32aに印加された第1交流電圧VEによる第1方向xの振動(横振動)、または第3電極31c及び第7電極32cに印加された第3交流電圧VEによる第1方向xの振動(横振動)の影響は殆ど受けない。
【0066】
温度変化や経年変化に伴って、縦振動の共振周波数f、及び横振動の共振周波数fが変動する場合には、駆動周波数fを調整する。具体的には、第1電極31a及び第5電極32aと、第2電極31b及び第6電極32bとに同じ第1交流電圧VEを印加し、第3電極31c及び第7電極32cの歪み量に基づく電圧値と、第4電極31d及び第8電極32dの歪み量に基づく電圧値と、予め予測した電圧値との位相差を比較する。位相差の正負や大きさにより、縦振動の共振周波数fまたは横振動の共振周波数fXYの変動具合を判断する。振動の共振周波数fまたは横振動の共振周波数fXYの変動具合に応じて、駆動周波数fを調整することにより、有効な駆動力を維持することが可能になる。
【0067】
本実施形態では、4つの電極の総てに同時に電圧を印加して所定方向の移動制御を行う形態に比べて、回路構成を簡素化することが可能になる。
【0068】
また、電極に交流電圧を印加するための駆動周波数は一種類(周波数f)だけでよいので、回路構成を複雑にしない。
【0069】
また、2方向の移動制御が、1つの圧電体振動子で実現できる。従って、2つ以上の圧電体振動子を使って2方向の移動制御を行う場合に比べて、圧電体振動子の寸法を大きくできる。寸法を大きくできると、駆動周波数を100kHz程度に設定することができ、駆動周波数をそれよりも高い200〜300kHz程度に設定した場合に生じるスイッチングロスを考慮せずに駆動回路(回路部70)を設計できるメリットを有する。
【0070】
水平方向移動枠19内の第1、第2摩擦部材11、12によって圧電体振動子30の第1方向xの与圧(付勢)が行われ、鉛直方向移動枠29内の第3、第4摩擦部材21、22によって圧電体振動子30の第2方向yの与圧(付勢)が行われるので、水平方向移動枠19、及び鉛直方向移動枠29の外側から与圧を行う機構を用意する必要がないので、装置を小型化できる。また、装置全体の釣り合いをとりやすいメリットを有する。但し、水平方向移動部10、鉛直方向移動部20の形態はこれに限られない。
【0071】
なお、本実施形態においては、装置の小型化、圧電体振動子の駆動効率の向上を優先的に考慮して、第1、第2圧電素子31、32、及びシム本体部34aの形状を中空円柱形状であるとしたが、mを4の倍数として正m角形や円柱形状など他の形状であっても二次元に移動させることは可能である。
【0072】
本実施形態における、二次元移動装置1は、圧電体振動子30を第1方向x、第2方向yで付勢するが、第3方向zでは付勢しない。従って、第3方向zに寸法を大きくさせる部材を必要としないので、移動平面に垂直な方向の厚さを増やさないで被駆動体を二次元方向に並進運動させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本実施形態における載荷台を部分的に切り欠いた二次元移動装置の斜視図である。
【図2】水平方向移動部、鉛直方向移動部、及び圧電体振動子の構成を示す斜視図である。
【図3】図1のA−A線における断面の構成図である。
【図4】図1のB−B線における断面の構成図である。
【図5】第1実施形態における圧電体振動子の構成図である。
【図6】図5のC−C線における断面の構成図である。
【図7】第1交流電圧を印加する時間を短くして、時間平均の駆動力を小さくした場合の印加電圧波形と平均駆動力を示すグラフである。
【図8】第1交流電圧を印加する時間を長くして、時間平均の駆動力を大きくした場合の印加電圧波形と平均駆動力を示すグラフである。
【図9】横方向及び縦方向の駆動周波数とゲイン(振幅)、及び位相の関係を示すグラフである。
【図10】回路部の構成図である。
【図11】水平方向移動枠、鉛直方向移動枠のカンチレバー構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0074】
1 二次元移動装置
10 水平方向移動部
11、12 第1、第2摩擦部材
15、16 第1、第2係合部
19 水平方向移動枠
19a 水平方向移動枠梁部
19b 水平方向移動枠支持部
19c 水平方向移動枠用引っ張りコイルバネ
20 鉛直方向移動部
21、22 第3、第4摩擦部材
25、26 第3、第4係合部
29 鉛直方向移動枠
29a 鉛直方向移動枠梁部
29b 鉛直方向移動枠支持部
29c 鉛直方向移動枠用引っ張りコイルバネ
30 圧電体振動子
31、32 第1、第2圧電素子
31a、31b、31c、31d 第1、第2、第3、第4電極
32a、32b、32c、32d 第5、第6、第7、第8電極
34 シム
34a シム本体部
35a、35b、35c、35d 第1、第2、第3、第4支持部
40 載荷台
40a 載荷台本体部
41、42 第1、第2突起部
45 ボール
46 磁石
50 固定台
50a 固定台本体部
51、52 第1、第2係合部材
53 固定部材
70 回路部
71 駆動信号発生部
72 検出信号処理部
73 制御部73
74a〜74d 第1〜第4駆動部
75a〜75d 第1〜第4検出部
76a〜76d 第1〜第4スイッチ
VE、VE、VE、VE 第1、第2、第3、第4交流電圧
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】ペンタックス株式会社
【出願日】 平成18年8月18日(2006.8.18)
【代理人】 【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝

【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹

【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛

【識別番号】100129746
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 滋郎

【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸


【公開番号】 特開2008−48551(P2008−48551A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−223049(P2006−223049)