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【発明の名称】 高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置
【発明者】 【氏名】尾作 仁司

【氏名】福本 祐介

【氏名】森田 岳

【要約】 【課題】高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置を提供する。

【構成】真空容器1内の下部に円形状の浮上用磁石2と、この浮上用磁石2の上部の真空容器1の内側面に極を交互に一列に配置された駆動・発電用磁石3とを有する円筒体4と、この円筒体4の下部に対向配置される円形状の浮上用高温超電導体5と、真空容器1外部に設置される駆動用コイル10と、真空容器外部に設置される発電用コイル12とを具備し、真空容器1を持ち上げ、冷却以前の浮上用高温超電導体5との間にギャップを与え、浮上用高温超電導体5を冷却し、ピンニングを生じさせた後、ギャップをはずし、真空容器1を降下させ、円筒体4を浮上させ、駆動用コイル10により、駆動・発電用磁石3を回転させ、円筒体4に一定の回転力を与えた後は円筒体4の惰性で回転させ、駆動・発電用磁石3の回転により、真空容器1外部に設置した発電用コイル12で発電する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)真空容器内の下部に円形状の浮上用磁石と、該浮上用磁石の上部の真空容器の内側面に極を交互に一列に配置した駆動・発電用磁石とを有する円筒体と、
(b)該円筒体の下部に対向配置される円形状の浮上用高温超電導体と、
(c)前記真空容器外部に設置される駆動用コイルと、
(d)前記真空容器外部に設置される発電用コイルとを具備し、
(e)前記真空容器を持ち上げ、冷却以前の前記浮上用高温超電導体との間にギャップを与え、前記浮上用高温超電導体を冷却し、ピンニングを生じさせた後、ギャップをはずし、前記真空容器を降下させ、円筒体を浮上させ、前記駆動用コイルにより、前記駆動・発電用磁石を回転させ、前記円筒体に一定の回転力を与えた後は前記円筒体の惰性で回転させ、前記駆動・発電用磁石の回転により、前記真空容器外部に設置した発電用コイルで発電することを特徴とする高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置。
【請求項2】
請求項1記載の高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置において、前記円筒体の径を前記浮上用高温超電導体の径とほぼ同じ径か小さくすることにより、ピンニング作用で安定した回転運動を得ることを特徴とする高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置。
【請求項3】
請求項1記載の高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置において、前記真空容器と冷却以前の前記浮上用高温超電導体との間にギャップを持たせる手段は、前記真空容器上部から前記円筒体の側面に配列した磁石配列と同じ配列の扛重用磁石により磁力吸引し、前記円筒体側面の扛重用磁石により前記円筒体を持ち上げるか、前記真空容器中に機械的に持ち上げる機構を設置することを特徴とする高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置。
【請求項4】
請求項1記載の高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置において、前記発電用コイルは複数個を円周上に配置することを特徴とする高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置。
【請求項5】
請求項1記載の高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置において、前記発電用コイルを浮上用高温超電導体の冷却システムの寒剤蒸気あるいは冷却空気により冷却することを特徴とする高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置。
【請求項6】
請求項1記載の高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置において、前記発電用コイルを高温超電導線材とすることを特徴とする高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置。
【請求項7】
請求項1記載の高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置において、前記発電用コイルから前記駆動用コイル側に帰還回路を具備することを特徴とする高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置。
【請求項8】
請求項1記載の高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置において、前記真空容器中の円筒体の惰性回転は夜間時間(16時間)回転していれば、日中の外部供給電源をソーラー発電に依存して、外部供給電源費用をなくすことを特徴とする高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置。
【請求項9】
請求項1記載の高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置において、前記駆動用コイルと前記発電用コイルとを共用にし、駆動モードと発電モードでの切り換え制御装置を具備することを特徴とする高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在開発されている超電導フライホールは装置全体を真空にしている。また、フライホールはコマ型である。このためオイラーの運動方程式により、回転軸のぶれが起こり易い。更に、従来の装置は大型で構造が複雑であるといった問題があった。
【0003】
また、鉛直状の回転体を制御型ラジアル磁気軸受と、制御型アキシャル磁気軸受で安定回転位置に支持した状態で、超電導体を冷却して超電導軸受を作動状態にし、超電導軸受とラジアル磁気軸受で回転体を安定回転位置に支持し、回転体を回転させて運転を開始するようにした超電導軸受装置が提案されている(下記特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−231840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装置は、構造が大型で、かつ複雑であり、コストが上昇するといった問題があった。
【0005】
本発明は、上記状況に鑑みて、浮上体を円筒形回転体とすることにより、x、y、zの主慣性モーメントを等しい方向に近づけることができ、いわゆる球こまに近い安定性を得ることができる高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕真空容器内の下部に磁石を有した円筒体を、冷却以前の高温超電導体(イットリウム系、ガドリニウム系、サマリウム系、ネオジウム系などの臨界温度が液体窒素以上であること)との間にギャップを持たせた後、高温超電導体を冷却し、円筒体を浮上させ、真空容器外部に設置した駆動用コイルにより、円筒体内側面に極を交互に一列に配置された磁石を回転させ、一定の回転力を与えた後は円筒体の惰性(完全真空中なら慣性)で回転させ、真空容器外部に設置した発電用コイルにより、円筒体側面に極を交互に一列に配置された磁石により発電する(小型)システム。主に家庭用自己発電程度としてのものであるがシステム全体あるいは部分的に大型システムとしてもよい。
【0007】
〔2〕円筒体の径が高温超電導体の径とほぼ同じか小さいことにより、ピンニング作用で安定した回転運動を得ることができる。円筒体は、導体あるいは絶縁体のどちらでも良いが下部浮上用磁石と側面発電用磁石の磁力の関係を配慮する必要がある。円筒体内部は空洞でもよい。ただし、回転慣性は自重に比例するので、浮上力と目標回転数を考慮する必要がある。
【0008】
〔3〕真空容器内の円筒体と冷却前の高温超電導体との間にギャップを持たせる方法は、真空容器上部から円筒体側面に配列した磁石配列と同じ配列の扛重用磁石により磁力吸引し、円筒体側面の扛重用磁石により円筒体を持ち上げるか、真空容器中に機械的に持ち上げる機構を設置してもよい。磁力を用いる方法は、浮上後、磁力を解放した時に円筒体自重により沈下し、真空容器上部を接しないように設計しなければならない。
【0009】
〔4〕真空容器外部に設置する発電用コイルは複数を円周上に配置してもよい。発電用コイルを浮上用高温超電導体の冷却システムの寒剤蒸気あるいは冷却空気により冷却しても良い。発電用コイル(場合によっては駆動用コイル)のコイルを高温超電導線材(現在ではイットリウム系)としてもよい。この場合、冷却は浮上用高温超電導体の冷却システムを利用できる。コイル系に高温超電導線材を用いることにより、抵抗ロスと発熱をほぼなくすことができる。
【0010】
〔5〕発電用コイルから駆動用コイル側に帰還回路を持たせても良い。
【0011】
〔6〕真空中の円筒体の惰性回転は夜間時間(16時間)回転していれば、日中の外部供給電源をソーラー発電に依存して、外部供給電源費用をなくすことができる。風力とのハイブリッド発電も用いれば、円筒体の回転を風力発電で補助しつつ、高速一定に維持することも可能である。
【0012】
〔7〕磁界漏れの発生を防ぎたい場合には、システムが小型であるのでシステム全体をシールドすればよい。
【0013】
〔8〕円筒体側面に配置する磁石は、円筒体外側に配置する場合には円筒体遠心力による円筒体からの離脱、内側に配置する場合には磁石相互の吸引力による円筒体からの離脱を防止するための外枠(円筒)あるいは内枠(円筒)が必要となる。
【0014】
〔9〕上記〔1〕記載の高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置において、前記駆動用コイルと前記発電用コイルとを共用にし、駆動モードと発電モードでの切り換え制御装置を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0016】
(1)簡素な構成でエネルギーの損失を低減できる発電装置を提供することができる。
【0017】
(2)浮上体を円筒体とすることにより、x、y、zの主慣性モーメントを等しい方向に近づけることができ、いわゆる球こまに近い安定性を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置は、真空容器内の下部に円形状の浮上用磁石と、この浮上用磁石の上部の真空容器の内側面に極を交互に一列に配置した駆動・発電用磁石とを有する円筒体と、この円筒体の下部に対向配置される円形状の浮上用高温超電導体と、前記真空容器外部に設置される駆動用コイルと、前記真空容器外部に設置される発電用コイルとを具備し、前記真空容器を持ち上げ、冷却以前の前記浮上用高温超電導体との間にギャップを与え、前記浮上用高温超電導体を冷却し、ピンニングを生じさせた後、ギャップをはずし、前記真空容器を降下させ、円筒体を浮上させ、前記駆動用コイルにより、前記駆動・発電用磁石を回転させ、前記円筒体に一定の回転力を与えた後は前記円筒体の惰性で回転させ、前記駆動・発電用磁石の回転により、前記真空容器外部に設置した発電用コイルで発電する。
【実施例】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の第1実施例を示す高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置の模式図である。
【0021】
この図において、1は真空容器、4はその真空容器1内の下部に円形状の浮上用磁石2とこの浮上用磁石2の上部の真空容器1の内側面に極を交互に一列に配置された駆動・発電用磁石3とを有する円筒体と、この円筒体4の下部に対向配置される円形状の浮上用高温超電導体5と、真空容器1外部に設置される駆動用コイル10と、真空容器1外部に設置される発電用コイル12とを具備し、円筒体4を、冷却以前の浮上用高温超電導体5との間にギャップを持たせた後、浮上用高温超電導体5を冷却し、円筒体4を浮上させ、駆動用コイル10により、駆動・発電用磁石3を回転させ、円筒体4に一定の回転力を与えた後は円筒体4の惰性で回転させ、駆動・発電用磁石3の回転により、真空容器1外部に設置した発電用コイル12で発電する。なお、6は冷却容器、7はその冷却容器6に充填される液体窒素あるいは液体窒素蒸気の導入管、8はその冷却容器6からの蒸発ガスの導出管、9は断熱層、11は駆動用コイル10へ電力を供給する電源、13は発電用コイル12から発電される電力の測定装置である。
【0022】
この図において、円筒体4と浮上用磁石2とは完全に固定されている。また、円筒体4の上部側面に駆動・発電用磁石3をN、Sの交互に一様に配列する。円筒体4と駆動・発電用磁石3とは完全に固定している。
【0023】
また、円筒体4と円形状の浮上用高温超電導体5の中心軸を一致させるとともに、円筒体4の径を円形状の浮上用高温超電導体5の径とほぼ同じ径か小さくすることにより、ピンニング作用で安定した回転運動を得るように構成することが望ましい。
【0024】
図2は本発明の第2実施例を示す高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置の部分模式図である。
【0025】
この図において、21は上部円板、22はその上部円板21に配列される駆動・発電用磁石、23はその駆動・発電用磁石22に対向するように配置される駆動用コイル、24はその駆動・発電用磁石22に対向するように配置される発電用コイルである。なお、25は駆動用コイル23へ電力を供給する電源、26は発電用コイル24で発電された電力の測定装置である。
【0026】
このように、駆動・発電用磁石22を上面に配置して、それらに対応して駆動用コイル23と発電用コイル24を配置するようにしてもよい。
【0027】
なお、駆動・発電用磁石22の列を2列(上面と側面、あるいは側面に2列)として、一方を駆動用、一方を発電用としてもよい。この場合は、駆動用コイル23および発電用コイル24を円筒体に沿って一周させるように配置することができる。
【0028】
図3は本発明の第3実施例を示す高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置の部分模式図である。
【0029】
この図において、31は真空容器、32は円筒体、33は円筒外枠、34は円筒内枠、35は駆動・発電用磁石、36は発電用コイル支持板、37〜40は発電用コイル支持板36上に周期的に配列される発電用コイル、40Aは発電用コイル37〜40で発電された電力の測定装置である。
【0030】
このように、発電用コイル37〜40は、円筒体32に沿って一周させるように配置することができる。
【0031】
図4は本発明の第4実施例を示す円筒体を持ち上げる方法の説明図である。
【0032】
この図において、41は真空容器、42は円筒体、43は浮上用磁石、44は浮上用磁石43と一体化している駆動・発電用磁石、45はその駆動・発電用磁石44と対向するように近づけられ、円筒体42を持ち上げるための扛重用磁石であり、この扛重用磁石45の持ち上げにより、円筒体42と浮上用高温超電導体(図示なし)との間にギャップを持たせることができる。
【0033】
なお、このような磁気力による持ち上げに限定されるものではなく、機械的な持ち上げ手段によってギャップを持たせるようにすることもできる。
【0034】
このようにして、真空容器41上部から円筒体42の側面に配列した磁石配列と同じ配列の扛重用磁石45により磁力吸引し、円筒体42側面の扛重用磁石45により円筒体42を持ち上げることにより、真空容器41内の円筒体42と冷却前の高温超電導体との間にギャップを持たせることができる。
【0035】
また、真空容器中に機械的に持ち上げる機構を設置するようにしてもよい。
【0036】
そして、円筒体42の浮上は、円筒体42と浮上用超電導体の間にギャップを持たせた後、浮上用超電導体を冷却した後、ギャップを取り去ることにより得る。
【0037】
真空容器内は、ギャップを持たせた後あるいは前に真空に近くしておく。真空の度合いは真空容器の耐力あるいは要求される惰性回転時間による。
【0038】
円筒体の初期の回転は駆動用コイルにより、円筒体の上部あるいは側面の磁石を回転させて得る。
【0039】
なお、駆動用コイルとしては、差動パルスコイルを用いるようにしてもよい。その差動パルスの原理は既存のものを利用する。1相励磁、2相励磁、1・2相励磁、マイクロステップ駆動等でもよい。
【0040】
駆動用コイルの電力は風力発電あるいはソーラーでもよい。風力発電は超電導体による浮上方式でもよい。ソーラー発電を利用する場合は、夜間は惰性回転で電力を得られる。
【0041】
浮上用超電導体のピンニング作用を利用するので、SMESのようなコマ型よりも安定する。円筒形の寸法は、浮上用磁石と発電用磁石との影響がないようにし、かつ安定な回転を得られるようにするには、直径と高さの比は1:1程度が望ましい。ただし、装置を小型にする場合には高さの比が直径を上回っても、ピンニング力が勝るならば安定した回転が得られる。
【0042】
図5は本発明の第5実施例を示す冷却システムの模式図である。
【0043】
この図において、発電用コイル12を浮上用高温超電導体の冷却システム51の寒剤蒸気あるいは冷却空気により冷却するようにした。このように、冷却システム51は、発電用コイル12をも冷却することができ、発電用コイル12による電気的なロスを低減することができる。
【0044】
更に、発電用コイル12を高温超電導線材52とするように構成する。
【0045】
このように、構成することにより、発電用コイル12での電力損失を大幅に低減し、電力の高出力化を図ることができる。
【0046】
図6は本発明の第6実施例を示す制御系の模式図である。
【0047】
この図において、発電用コイル12の測定装置61から駆動用コイル10の電源63側に制御装置62を介した帰還回路を設け、発電用コイル12からの発電量に応じた駆動用コイル10の最適制御を行うようにすることができる。
【0048】
図7は本発明の第7実施例を示す制御系の模式図である。
【0049】
この図において、71は電源、72は電源のオンオフを制御する第1の切り換え制御装置、73は駆動・発電兼用コイル、74は駆動・発電兼用コイル73の出力回路に挿入される第2の切り換え制御装置、75は発電される電力の測定装置である。
【0050】
この実施例では、駆動・発電兼用コイル73による駆動モードでは、第2の切り換え制御装置74はオフの状態になっており、電源71からの電力は、第1の切り換え制御装置72のオンにより、駆動・発電兼用コイル73に供給されて、駆動・発電兼用コイル73の励磁により、駆動・発電用磁石3に作用して、円筒体4を回転駆動する。その円筒体4が慣性回転モード、つまり、電源71からの電流が供給されなくても円筒体4が回転状態になったら、これを第1の切り換え制御装置72が検知して、第1の切り換え制御装置72をオフにするとともに、第2の切り換え制御装置74をオンにして、駆動・発電用磁石3の回転による駆動・発電兼用コイル73からの出力電力を取り出すように構成することができる。
【0051】
図8は本発明の円筒型発電装置の駆動・発電機構(その1)の具体例を示す図である。
【0052】
この図において、81は固定子(駆動用コイル)であり、ここでは円周上に等間隔に配置された12個のコイル81−1〜81−12から構成されている。また、内部には回転子82が配置されており、ここでは、4極82−1〜82−4から構成されている。
【0053】
このように4極・12コイルの場合の場合、引きつけられた回転子82の極82−1(N極)がコイル81−2(S極)まで移動する距離はπ1×(2/12)であり、角度なら2π×(2/12)である。極82−1(N極)がコイル81−2(S極)まで移動すると同時に極82−1(S極)の極性をN極へ反転させる。さらに、回転子82は回転し、以降順番にコイルの極を反転させることにより、回転させることができる。この場合、次の極までの移動距離が長いほど遠心力がかかり、コイルの極性を反転させるタイミングは多少ラフになっても回転させることができる。回転子の回転の位置は、ホールセンサー、磁気センサー、光センサーを用いることができる。センサーの位置検出と遠心力との加速を考慮してプログラミングされている。
【0054】
一方、発電モードを主にして考えた場合には、交流発電は周波数に依存するので、回転子の極数は多い方がよい。
【0055】
図9は本発明の円筒型発電装置の駆動・発電機構(その2)の具体例を示す図である。
【0056】
ここでは、回転子92が8極92−1〜92−8で、固定子91が12個のコイル91−1〜91−12とすることができる。
【0057】
図9に示すように、固定子91のコイル91−5とコイル91−12のみを励磁すると、矢印のように回転子92は回転し、図示しないが発電用コイルで発電することができる。
【0058】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置は、簡素な構成でエネルギーの損失を低減できる発電装置として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1実施例を示す高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置の模式図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置の部分模式図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す高温超電導体により浮上させた円筒型発電装置の部分模式図である。
【図4】本発明の第4実施例を示す円筒体を持ち上げる方法の説明図である。
【図5】本発明の第5実施例を示す冷却システムの模式図である。
【図6】本発明の第6実施例を示す制御系の模式図である。
【図7】本発明の第7実施例を示す制御系の模式図である。
【図8】本発明の円筒型発電装置の駆動・発電機構(その1)の具体例を示す図である。
【図9】本発明の円筒型発電装置の駆動・発電機構(その2)の具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1,31,41 真空容器
2,43 浮上用磁石
3,22,35,44 駆動・発電用磁石
4,32,42 円筒体
5 浮上用高温超電導体
6 冷却容器
7 液体窒素あるいは液体窒素蒸気の導入管
8 蒸発ガスの導出管
9 断熱層
10,23 駆動用コイル
11,25,63 駆動用コイルへ電力を供給する電源
12,24,37〜40 発電用コイル
13,26,40A,61,75 発電される電力の測定装置
21 上部円板
33 円筒外枠
34 円筒内枠
36 発電用コイル支持板
45 円筒体を持ち上げるための扛重用磁石
51 冷却システム
52 高温超電導線材
62 制御装置
71 電源
72 電源のオンオフを制御する第1の切り換え制御装置
73 駆動・発電兼用コイル
74 第2の切り換え制御装置
81,91 固定子(駆動用コイル)
81−1〜81−12,91−1〜91−12 固定子のコイル
82,92 回転子
82−1〜82−4,92−1〜92−8 回転子の極
【出願人】 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【出願日】 平成18年8月1日(2006.8.1)
【代理人】 【識別番号】100089635
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 守

【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠


【公開番号】 特開2008−42953(P2008−42953A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−209589(P2006−209589)