| 【発明の名称】 |
瞬低補償装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】平山 一成
【氏名】坂田 靖
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| 【要約】 |
【課題】商用系統の運用条件や負荷条件に拘わらず、負荷電圧急変を最小限に抑制し、高い精度でインバータから商用系統への電源切り替えができ、さらに電源切り替えのための専用の負荷電流検出器を不要にする。
【構成】インバータ4が負荷2に給電時に、演算部11がインバータ出力電力(有効/無効電力)を検出し、この出力電力をランプ関数発生器12P、12Qでの出力電力指令値の初期値とし、かつPI制御部13P、13Qの出力を「0」に初期化しておき、インバータ給電から商用系統給電への切り替え時に、出力電力指令値により電流補正部14P、14Qを通してフィードフォワード制御すると共に、PI制御部によるフィードバック制御を開始し、その後はランプ関数発生器により出力電力指令値を徐々に絞っていくことで負荷への給電をインバータから商用系統に徐々に移行させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 常時は商用系統から負荷に給電し、商用系統に瞬時停電等が発生した時には商用系統から負荷を解列して蓄電体からインバータを介して負荷に給電し、商用系統の復旧時にインバータ給電から商用系統給電に切り替える瞬低補償装置において、 前記インバータの制御装置は、 インバータから負荷に給電中のインバータ出力電力を検出し、この出力電力をインバータの出力電力指令値の初期値とし、かつインバータの出力電力制御系の出力を「0」に初期化しておき、インバータ給電から商用系統給電への切り替え時に、前記出力電力指令値によりインバータ出力電力をフィードフォワード制御すると共に、前記出力電力制御系によるフィードバック制御を開始し、その後は前記出力電力指令値を電力設定値まで徐々に絞っていくことで負荷への給電をインバータから商用系統に徐々に移行させる制御手段を備えたことを特徴とする瞬低補償装置。 【請求項2】 前記制御手段は、有効電力Pと無効電力Q別にして、前記フィードフォワード制御およびフィードバック制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の瞬低補償装置。 【請求項3】 前記電力設定値は、商用系統からインバータを介して前記蓄電体を充電するときの充電電力とすることを特徴とする請求項1または2に記載の瞬低補償装置。 【請求項4】 前記フィードフォワード制御は、負荷電圧の実効値で割り算して出力電流指令値を得ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の瞬低補償装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、常時は商用系統から負荷に給電し、商用系統に瞬時停電等が発生した時には商用系統から負荷を解列して蓄電体からインバータを介して負荷に給電し、商用系統の復旧時にインバータ給電から商用系統給電に切り替える瞬低補償装置に係り、特にインバータ給電から商用系統給電に切り替えるときのインバータの出力制御に関する。 【背景技術】 【0002】 この種の瞬低補償装置の主回路構成を図3に示す。商用系統1と負荷2との間に高速スイッチ3を介挿し、常時は高速スイッチ3を閉じておくことで商用系統1から負荷2に給電し、商用系統1に瞬時停電、瞬時電圧低下等が発生した時には高速スイッチ3の開放で商用系統1から負荷2を解列する。インバータ4は、商用系統1に停電が発生したときに蓄電体5を直流電源として起動し、負荷2に給電する。高速スイッチ3は電力用半導体素子による構成または電磁接触器と併用した構成にされる。蓄電体5はバッテリや電気二重層キャパシタが使用される。 【0003】 従来の瞬低補償装置では商用系統が復電し、インバータ給電から商用給電への電源切り替えには以下の制御手順としていた。 【0004】 (S1)商用系統1が停電している状態では、高速スイッチ3によって負荷を商用系統から解列し、インバータ4から負荷2に給電する。このときインバータ4は出力電圧を一定に維持するように電圧制御する。 【0005】 (S2)商用系統1が復電したとき、商用系統電圧とインバータ出力電圧の振幅と位相を一致させ、一致したところで高速スイッチ3を投入すると同時にインバータ4の運転を停止し、負荷2への給電をインバータ4から商用系統1に切り替える。 【0006】 (S3)インバータ4は、その制御を電圧制御から電流制御に変更して再起動し、商用系統1を電源として所定の電流で蓄電体5の予備充電を開始する。 【0007】 以上の手順によりインバータ給電から商用給電へ切り替えた場合、負荷電力、系統電力、インバータ電力の変化は図4に示すようになる。ここで、インバータ給電時の制御は電圧一定制御、商用給電時はインバータを電流制御するという全く異なる制御になるため、インバータ給電から商用給電に切り替えるときに全負荷電力が一度に商用系統にかかることになり、商用系統のインピーダンスが高い場合には交流電圧が一時的に低下してしまい、この電圧低下を停電と誤検出して再びインバータ給電に戻るおそれがある。 【0008】 この不都合を解消しようとする方式として、負荷電流を電流検出器で検出し、復電時に全負荷電流に対するインバータの出力電流比率を「1」から「0」に徐々に減少させることで、負荷への電力供給をインバータから商用系統に緩やかに切り替えるインバータの出力制御方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2005−229664号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 特許文献1によるインバータの出力電流制御方式では、負荷電流を電流検出器で検出し、復電時にインバータの出力電流指令を現在の全負荷電流からリミッタで徐々に零まで下げ、この出力電流指令が与えられる電流制御用PIアンプではインバータ出力電流との偏差を比例積分(PI)演算し、インバータの出力電流をフィードバック制御する。 【0010】 この方式では、インバータ給電から商用給電に切り替えるとき、インバータはそれまでの電圧制御から電流制御に切り替えることになり、フィードバック制御される電流制御系の待機状態や起動時の応答性によっては切り替え時の負荷電圧が不安定になる問題があった。特に、商用系統の運用条件(例えば、非常用発電機が運転中/停止中)や、負荷条件(整流器などの非線形負荷/誘導性負荷/容量性負荷)が変化する場合に問題となる。 【0011】 また、従来方式では、商用系統からインバータへの切り替え制御に専用の負荷電流検出器が必要となる。 【0012】 本発明の目的は、商用系統の運用条件や負荷条件に拘わらず、負荷電圧急変を最小限に抑制し、高い精度でインバータから商用系統への電源切り替え(負荷移行)ができ、さらに電源切り替えのための専用の負荷電流検出器を不要にした瞬低補償装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0013】 本発明は、前記の課題を解決するため、インバータ給電時にインバータ出力電力(=負荷電力)を検出し、この出力電力をインバータの出力電力指令値の初期値とし、かつインバータの出力電力制御系の出力を「0」に初期化しておき、インバータ給電から商用系統給電への切り替え時に、前記出力電力指令値によりインバータ出力電力をフィードフォワード制御すると共に、前記出力電力制御系によるフィードバック制御を開始し、その後は出力電力指令値を徐々に絞っていくことで負荷への給電をインバータから商用系統に徐々に移行させるようにしたもので、以下の構成を特徴とする。 【0014】 (1)常時は商用系統から負荷に給電し、商用系統に瞬時停電等が発生した時には商用系統から負荷を解列して蓄電体からインバータを介して負荷に給電し、商用系統の復旧時にインバータ給電から商用系統給電に切り替える瞬低補償装置において、 前記インバータの制御装置は、 インバータから負荷に給電中のインバータ出力電力を検出し、この出力電力をインバータの出力電力指令値の初期値とし、かつインバータの出力電力制御系の出力を「0」に初期化しておき、インバータ給電から商用系統給電への切り替え時に、前記出力電力指令値によりインバータ出力電力をフィードフォワード制御すると共に、前記出力電力制御系によるフィードバック制御を開始し、その後は前記出力電力指令値を電力設定値まで徐々に絞っていくことで負荷への給電をインバータから商用系統に徐々に移行させる制御手段を備えたことを特徴とする。 【0015】 (2)前記制御手段は、有効電力Pと無効電力Q別にして、前記フィードフォワード制御およびフィードバック制御を行うことを特徴とする。 【0016】 (3)前記電力設定値は、商用系統からインバータを介して前記蓄電体を充電するときの充電電力とすることを特徴とする。 【0017】 (4)前記フィードフォワード制御は、負荷電圧の実効値で割り算して出力電流指令値を得ることを特徴とする。 【発明の効果】 【0018】 以上のとおり、本発明によれば、商用系統の運用条件や負荷条件に拘わらず、負荷電圧急変を最小限に抑制し、高い精度でインバータから商用系統への電源切り替え(負荷移行)ができ、さらに電源切り替えのための専用の負荷電流検出器が不要になる。具体的には、以下の効果がある。 【0019】 ・電力制御がフィードフォワード制御とフィードバック制御の組み合わせで構成されているため、制御の高速性と精度を両立させることができる。すなわち、フィードフォワード制御はインバータ給電から商用給電に切り替えた直後から有効であり、切り替えによる出力電力変動を最小限に抑制することができる。フィードバック制御は定常運転時に出力電力設定値と出力電力検出値の差で出力電流指令値を補正することによって、高精度で出力電力を制御できるようになる。 【0020】 ・有効電力Pと無効電力Q別にして、フィードフォワード制御およびフィードバック制御を行うことにより、負荷条件に応じた電力制御が可能になる。 【0021】 ・電力設定値は、商用系統からインバータを介して蓄電体を充電するときの充電電力とすることにより、インバータ給電制御から蓄電体充電制御への連続的な電力制御ができる。 【0022】 ・フィードフォワード制御は、負荷電圧の実効値で割り算して出力電流指令値を得ることにより、商用系統電圧の変動による補償ができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0023】 図1は、本発明の実施形態を示す瞬低補償装置の構成図であり、主回路構成は図3と同じものであり、常時は商用系統1から負荷2に給電し、商用系統の異常時には高速スイッチ3で負荷を商用系統から解列してインバータ4から給電し、インバータ給電から商用給電に戻すときには特許文献1と同様に負荷電力をインバータ出力から徐々に商用系統に負荷移行させる。 【0024】 このインバータ4の制御装置は、電圧制御アンプ6による設定電圧と検出電圧の偏差に応じたPI(比例積分)演算と、または電流制御アンプ7による電流指令と検出電流の偏差に応じたPI演算によって、インバータ4の出力電圧制御指令を得、この電圧制御指令に応じてPWM制御部8によるインバータ4のPWM制御を行う。 【0025】 本実施形態の制御装置では、インバータから負荷に給電中のインバータ出力電力を検出し、この出力電力をインバータの出力電力指令値の初期値とし、かつインバータの出力電力制御系の出力を「0」に初期化しておき、インバータ給電から商用系統給電への切り替え時に、前記出力電力指令値によりインバータ出力電力をフィードフォワード制御すると共に、前記出力電力制御系によるフィードバック制御を開始し、その後は前記出力電力指令値を徐々に絞っていくことで負荷への給電をインバータから商用系統に徐々に移行させることにより、商用系統の運用条件や負荷条件に拘わらず、負荷電圧急変を最小限に抑制し、高い精度でインバータから商用系統への電源切り替え(負荷移行)を可能にする。 【0026】 インバータの出力電力制御系は、有効電力Pと無効電力Q別にしてインバータ4の出力電力制御を行う構成にされ、以下の制御手段で実現される。 【0027】 有効電力/無効電力演算部11は、電圧変成器VTによる負荷電圧検出値と、変流器CTによるインバータ出力電流検出値からインバータ4の出力の有効電力Pおよび無効電力Qを求める。ランプ関数発生器12P、12Qは、そのリセットで出力が有効電力/無効電力演算部11が求めた有効電力Pおよび無効電力Qに保持され、リセット解除で有効電力設定値Psおよび無効電力設定値Qsを目標値として一定の傾斜を有して変化するランプ電圧を発生し、これらランプ電圧出力は有効電力指令値および無効電力指令値にする。有効電力設定値Psおよび無効電力設定値Qsは、インバータ給電から商用系統給電に切り替えた後に、商用系統からインバータ4を通して蓄電体5を充電するための設定値にされる。 【0028】 自動電力制御用のPI制御部13P、13Qは、ランプ関数発生器12P、12Qが発生する有効/無効電力指令値と、有効電力/無効電力演算部11で検出した有効電力Pおよび無効電力Qとの偏差をPI演算して有効電流および無効電流の指令値を得る(フィードバック制御)。これらPI制御部13P、13Qは、そのリセットで出力を「0」に強制できる。 【0029】 電流補正部14P、14Qは、ランプ関数発生器12P、12Qが発生する有効/無効電力指令値を、実効値演算部15が求める電圧実効値で割り算することで、負荷電圧の変動分補正を含めた有効/無効電流指令値を得る(フィードフォワード制御)。 【0030】 座標変換部16は、PI制御部13P、13Qからの電流指令値と、電圧補正部14P、14Qからの電流指令値とを加算した無効/有効電流指令値をベクトル的に合成して電流制御アンプ7の出力電流指令値を得る。 【0031】 半導体素子構成の切り替えスイッチ17は、電圧制御アンプ6の出力と電流制御アンプ7の出力を替えてPWM制御部8の出力電圧指令値とする。 【0032】 以上の構成にした瞬低補償制御の動作を、図2を参照して説明する。なお、この制御には商用系統の停電発生検出と復旧検出、電圧/電力の各種設定、ランプ関数発生器12P,12Qのリセットと解除制御,PI制御部13P、13Qのリセットと解除制御、切り替えスイッチ17の切り替え制御等を行う制御手段(コンピュータなど)を設ける。 【0033】 (a)インバータ給電時の制御 商用系統からインバータ給電に切り替え、電圧制御アンプ6によるインバータ4の出力電圧制御状態で、制御定数の初期化を行う。この初期化には、ランプ関数発生器12P、12Qをリセットし、有効電力/無効電力演算部11で求めた現在の有効電力Pと無効電力Qをランプ関数発生器12P、12Qの出力電力指令値としておく。また、PI制御部13P、13Qをリセットし、その出力を「0」にしておく。 【0034】 これら初期化により、座標変換部16の出力電流指令値は、切り替え時のインバータ出力電力に相当する値に保持しておく。 【0035】 (b)商用給電への切り替え時の制御(図2の時刻t1) 高速スイッチ3を投入し、スイッチ17の切り替えで電流制御アンプ7の出力をPWM制御部8の出力電圧指令に切り替え、インバータ給電から商用給電に切り替える。このとき、PI制御部13P、13Qのリセットを解除してそのPI演算動作を有効にする。同時に、ランプ関数発生器12P、12Qのリセットを解除してランプ関数発生動作を有効にする。 【0036】 これらのリセットを解除した時点では、PI制御部13P、13Qの出力=0、ランプ関数発生器12P、12Qの出力=切り替え制御直前のインバータ出力電力であり、この状態からインバータの出力電流制御を開始する。この電流制御は、最初は電流補正部14P、14Qを通した出力電流指令値とするフィードフォワード制御で開始し、その後にPI制御部13P、13Qによる応動でその出力分を加算したフィードフォワード制御とフィードバック制御を併用した制御になる。 【0037】 したがって、切り替え直後は、切り替え直前のインバータ出力に一致する電力(初期値)で負荷移行を開始することで商用系統の負荷急変を防止し、しかも初期にはフィードフォワード制御を行うことで高い応答性を有した制御を行い、この後にフィードバック制御を併用することで高い精度で負荷移行ができる。 【0038】 (c)商用給電への切り替え後の制御(図2の期間T) ランプ関数発生器12P、12Qはその出力が有効/無効電力設定値Ps,Qsに従って緩やかに下がっていき、負荷2への給電電力がインバータ4から商用系統へ徐々に移行していき、インバータ4の出力が零(図2の時刻t2)になった後は商用系統から蓄電体5への充電電流制御に移行し、最終的には有効/無効電力設定値Ps,Qsに一致した電力で蓄電体5の充電電流制御が継続される(図2の時刻t3以降)。 【図面の簡単な説明】 【0039】 【図1】本発明の実施形態を示す瞬低補償装置の構成図。 【図2】実施形態における復電切り替え特性図。 【図3】従来の主回路構成図。 【図4】従来の復電切り替え特性図。 【符号の説明】 【0040】 1 商用系統 2 負荷 3 高速スイッチ 4 インバータ 5 蓄電体 6 電圧制御アンプ 7 電流制御アンプ 8 PWM制御部 11 有効電力/無効電力演算部 12P、12Q ランプ関数発生器 13P、13Q PI制御部 14P、14Q 電流補正部 15 実効値検出部 16 座標変換部 17 切り替えスイッチ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006105 【氏名又は名称】株式会社明電舎
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| 【出願日】 |
平成18年8月10日(2006.8.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096459 【弁理士】 【氏名又は名称】橋本 剛
【識別番号】100104938 【弁理士】 【氏名又は名称】鵜澤 英久
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| 【公開番号】 |
特開2008−43151(P2008−43151A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月21日(2008.2.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−217624(P2006−217624) |
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