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【発明の名称】 内燃機関用スパークプラグ
【発明者】 【氏名】端無 憲

【氏名】竹内 隆之

【要約】 【課題】混合気のタンブル渦気流の方向を安定化して放電火花の流れ方向も安定化し、混合気への着火性を良好ならしめること。

【解決手段】内燃機関に装着され、中心電極3と、前記中心電極3との間で放電火花を形成する接地電極4を有し前記中心電極3の外周に配置された円環状のハウジング1と、前記中心電極3と前記ハウジング1との間に設けられ前記中心電極3と前記ハウジング1との電気的絶縁をなす絶縁碍子2と、を備えた内燃機関用スパークプラグにおいて、前記ハウジング1の端面部11の外径面に、前記内燃機関の燃焼室20内の混合気のタンブル渦気流21を前記燃焼室20の内部中央部方向へ制御する整流手段をなすテーパ面部112を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関に装着され、
中心電極と、
前記中心電極との間で放電火花を形成する接地電極を有し前記中心電極の外周に配置された円環状のハウジングと、
前記中心電極と前記ハウジングとの間に設けられ前記中心電極と前記ハウジングとの電気的絶縁をなす絶縁碍子と、を備えた内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記ハウジングの端面部の外径面に、前記内燃機関の燃焼室内の混合気のタンブル渦気流を前記燃焼室の内部中央部方向へ制御する整流手段を設けたことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
【請求項2】
前記絶縁碍子の先端面は、前記ハウジングの端面部の先端面より突出していることを特徴とする請求項1記載の内燃機関用スパークプラグ。
【請求項3】
前記整流手段は、前記ハウジングの端面部の外径Dが該端面部の先端面に向かうにつれ小さくなっている傾斜外周面部であることを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関用スパークプラグ。
【請求項4】
前記ハウジングの端面部の先端面と該端面部の先端面における前記傾斜外周面部の接線とのなす角度θは10°〜60°であることを特徴とする請求項3記載の内燃機関用スパークプラグ。
【請求項5】
前記接線の延長線が、前記中心電極と前記接地電極との放電ギャップを通るように設定されていることを特徴とする請求項4記載のスパークプラグ。
【請求項6】
前記傾斜外周面部の半径方向の水平長さW2は、0.5mm以上であり、且つ前記端面部の肉厚W1との比(W2/W1)が0.5〜1.0であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の内燃機関用スパークプラグ。
【請求項7】
前記傾斜外周面部は、前記ハウジングの端面部の外径Dが該端面部の先端面に向かうにつれ小さくなる少なくとも一つのテーパ面部を備えていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一つに記載の内燃機関用スパークプラグ。
【請求項8】
前記傾斜外周面部は、前記ハウジングの端面部の外径Dが該端面部の先端面に向かうにつれ小さくなる少なくとも一つの段部を備えていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一つに記載の内燃機関用スパークプラグ。
【請求項9】
前記傾斜外周面部は、前記ハウジングの端面部の外径Dが小さくなる度合いが前記端面部の先端面に向かうにつれ徐々に小さくなる曲面部を備えていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一つに記載の内燃機関用スパークプラグ。
【請求項10】
前記傾斜外周面部は、前記ハウジングの端面部の全周の50%以上形成されていることを特徴とする請求項3〜9のいずれか一つに記載の内燃機関用スパークプラグ。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用スパークプラグに関するもので、ガソリン内燃機関のスパークプラグに好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、内燃機関のシリンダ燃焼室内の混合気の着火性向上のためにスパークプラグの中心電極や接地電極の形状や材質について、様々な工夫がされたものが提案されている。例えば下記特許文献1においても、中心電極の材質や形状の改善を行って高温耐熱性と耐消耗性の向上を図っている。
【0003】
一般に、内燃機関用スパークプラグでは、中心電極と接地電極間に発生する放電火花の形成に着目した場合、中心電極や接地電極を中心としたスパークプラグの燃焼室内に出ている部位を流れる混合気流は、燃焼室内の混合気のタンブル渦気流のバラツキの影響を受けるため一様でない。特に、近年、内燃機関の高出力化のため内燃機関の吸気ポートの形状やピストンヘッドの形状に工夫が施され、混合気流の速度が高速になっているため、よりタンブル渦気流のバラツキが大きくなっている。そのため放電火花の流れの大きさ、方向ともバラツキが生じて安定しない。放電火花の流される方向によっては、生成した火炎の冷却や分散が生じて、充分な火炎の塊に成らず着火不良を起こしてしまうという問題がある。下記特許文献1に記載されている内燃機関用スパークプラグの構造でも、内燃機関のシリンダ燃焼室内に出ている中心電極、接地電極部位を流れる混合気流は、燃焼室内の混合気のタンブル渦気流のバラツキの影響を受け上述のように着火不良を起こしてしまうという問題がある。
【特許文献1】特開平2005−63705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、内燃機関のシリンダ燃焼室内の混合気のタンブル渦気流を、燃焼室の中央部方向へ制御、整流させることにより、混合気のタンブル渦気流の方向を安定化して放電火花の流れ方向も安定化させ、混合気への着火性の良好な内燃機関用スパークプラグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明では、内燃機関に装着され、中心電極と、前記中心電極からの放電火花を形成する接地電極を有し前記中心電極の外周に配置された円環状のハウジングと、前記中心電極と前記ハウジングとの間に設けられ前記中心電極と前記ハウジングとの電気的絶縁をなす絶縁碍子と、を備えた内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記ハウジングの端面部の外径面に、前記内燃機関の燃焼室内の混合気のタンブル渦気流を前記焼室の内部中央部方向へ制御する整流手段を設ける。
【0006】
上記構成によれば、燃焼室内の混合気のタンブル渦気流の方向を整流手段で安定化させると共に放電火花の流れ方向も安定化でき、着火不良を起こすことなく混合気への着火を良好ならしめることができる。特に、希薄燃焼(リーンバーン)のような着火性の厳しい燃焼条件においても優れた効果を発揮する。また、整流手段を前記ハウジングの端面部の外径面に設けることにより、該整流手段の加工が極めて容易である。
【0007】
請求項2に係る発明では、前記絶縁碍子の先端面を、前記ハウジングの端面部の先端面より突出させている。
【0008】
上記構成によれば、前記絶縁碍子の先端面が、前記ハウジングの端面部の先端面より突出していると、前記混合気のタンブル渦気流が前記絶縁碍子の外周面を廻って流れるため、タンブル渦気流の整流がより確実に行われる。
【0009】
請求項3に係る発明では、前記整流手段を、前記ハウジングの端面部の外径Dが該端面部の先端面に向かうにつれ小さくなっている傾斜外周面部としている。
【0010】
上記構成によれば、外径面に設けた傾斜外周面部の傾斜部分で、前記混合気のタンブル渦気流の制御、整流を良好にできる。
【0011】
請求項4に係る発明では、前記ハウジングの端面部の先端面と該端面部の先端面における前記傾斜外周面部の接線とのなす角度θを10°〜60°としている。
【0012】
上記構成によれば、前記混合気のタンブル渦気流の制御、整流をより確実にできる。
【0013】
請求項5に係る発明では、前記接線の延長線を、前記中心電極と前記接地電極との放電ギャップを通るように設定している。
【0014】
上記構成によれば、前記傾斜外周面部によって混合気流のタンブル渦の一部が、放電ギャップを通るように整流されるため、混合気流の着火性を向上させることができる。
【0015】
請求項6に係る発明では、前記傾斜外周面部の半径方向の水平長さW2を、0.5mm以上とし、且つ前記端面部の肉厚W1との比(W2/W1)を0.5〜1.0としている。
【0016】
上記構成によれば、前記傾斜外周面部の斜面長さW2を充分得ているから、前記混合気のタンブル渦気流の制御、整流をより確実にできる。
【0017】
請求項7に係る発明では、前記傾斜外周面部を、前記ハウジングの端面部の外径Dが該端面部の先端面に向かうにつれ小さくなる少なくとも一つのテーパ面部としている。
【0018】
上記構成によれば、前記混合気のタンブル渦気流をテーパ面に沿って流すことにより、前記混合気のタンブル渦気流の制御、整流をより確実にできる。また、加工が容易である。
【0019】
請求項8に係る発明では、前記傾斜外周面部を、前記ハウジングの端面部の外径Dが該端面部の先端面に向かうにつれ小さくなる少なくとも一つの段部としている。
【0020】
上記構成によれば、前記傾斜外周面部を少なくとも一つの段部といているから、前記混合気のタンブル渦気流の制御、整流を該段部で段々により確実にできる。また、加工もより容易である。
【0021】
請求項9に係る発明では、前記傾斜外周面部を、前記ハウジングの端面部の外径Dが小さくなる度合いが前記端面部の先端面に向かうにつれ徐々に小さくなる曲面部としている。
【0022】
上記構成によれば、該曲面部によって、前記混合気のタンブル渦気流の制御、整流をより一層滑らかに確実にできる。
【0023】
請求項10に係る発明では、前記傾斜内周面部を、前記ハウジングの端面部の全周の50%以上形成している。
【0024】
上記構成によれば、前記混合気のタンブル渦気流の制御、整流を充分且つ確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。先ず、本発明になるガソリン内燃機関用スパークプラグの全体構成を説明する。図8は、本発明になる内燃機関用スパークプラグの半断面全体構成図である。
【0026】
金属材料よりなる円環状のハウジング1を備えており、該ハウジング1の下方部の外周には、内燃機関(図示せず)のシリンダ(図示せず)に装着するためのネジ部1aが形成されている。
【0027】
ハウジング1の内部には、アルミナ等の電気的絶縁材料で成形された筒状の絶縁碍子2の下端部が同軸的に挿入され、ハウジング1の上端部1bをカシメることにより、ハウジング1と絶縁碍子2は一体に結合されている。絶縁碍子2の貫通孔2aには高電圧が供給される中心電極3が挿入され保持されている。すなわち、中心電極3の外周には円環状のハウジング1が配設され、中心電極3とハウジング1との間には絶縁碍子2が挿入されている。
【0028】
中心電極3は、ニッケル合金を母材とした耐熱性材料で構成されており、先端部3aは絶縁碍子2の先端面2bから露出している。さらに、中心電極3の先端部3aに対向する位置には、ハウジング1の端面部11から一体的に湾曲して延出された接地電極4が接続されている。該接地電極4もニッケル合金を母材とした耐熱性材料で構成されている。
【0029】
中心電極3の先端部3aとこれに対向する接地電極4の放電部位には、貴金属チップ5、6が溶接接合され、この両チップ5、6の間に放電火花のギャップ7が形成される。なお、通常中心電極3が接地電極4より高電位に保持されているが、中心電極3がマイナス極性に保持され接地電極4より電位が低く設定されている場合もあり、中心電極3と接地電極4との間で所定の電位差が保たれておればよい。
【0030】
中心電極3の上端側には、中心軸8、端子部9が電気的に接続されており、この端子部9には放電火花を発生させるための高電圧を印加する外部回路(図示せず)が接続されるようになっている。また、ハウジング1のネジ部1aの上端部には、内燃機関への取付け時のシール用ガスケット10が設けられている。
【0031】
次に、図1により本発明の要部を説明する。図1は、図8に示す本発明スパークプラグの先端部の拡大断面図である。本発明スパークプラグでは、絶縁碍子2の先端面2bは、ハウジング1の端面部11の先端面111より内燃機関シリンダ(図示せず)の燃焼室20内に突出していることが望ましい。
【0032】
ハウジング1の端面部11の外径面には、本発明における整流手段をなす傾斜外周面部が形成され、具体的には傾斜外周面部はテーパ面部112である。このテーパ面部112は、ハウジング1の端面部11の全周に亘って形成され、ハウジング1の外径Dがハウジング1の端面部11の先端面111に向かうにつれ小さくなっている。すなわち内方に傾斜するテーパ面部112である。また、テーパ面部112は、ハウジング1の端面部11の先端面111と、該端面部11の先端面111におけるテーパ面部112の接線Yとのなす角度θは、10°〜60°に設定されている。また、テーパ面部112の半径方向の水平長さW2(図面の下方からみた投影長さ)は、0.5mm以上とし、さらに端面部11の肉厚W1との比(W2/W1)を0.5〜1.0に設定している。
【0033】
上記のように構成される本発明になる内燃機関用スパークプラグの作用効果を図2により説明する。図2は、図1と同様の部位である。内燃機関のピストン26の上昇により、燃焼室20内の黒矢印で示すタンブル渦21の一部の気流21aは、ハウジング1の端面部11近傍において、整流手段をなす傾斜内周面部としての上流側のテーパ面部112によって、放電ギャップ7を通る方向へ制御、整流されると共に、他の気流21bは、上流側のテーパ面部112から該テーパ面部112上に沿って絶縁碍子2の周りを廻って流れ、絶縁碍子2の裏側(図2において絶縁碍子2の右端側)の下流側テーパ面部112から該テーパ面部112によって燃焼室20の内部中央部に向かって押出される方向(白抜き矢印22)に制御、整流され、バラツキのない安定したタンブル渦21の気流が形成される。なお、タンブル渦21とは、周知のように図2に図示する状態では、ピストン26の上昇による着火状態にある燃焼室20内で、混合気が接地電極4の幅方向の面(図面に沿う面)に沿って回転する状態であり、スパークプラグのねじ込みによる接地電極4の位置と関係なく矢印21に示すように図面に沿って回転する。また、燃焼室20の内部中央部とは、図2に示すように、ピストン26の上昇によって形成される着火状態にある空間(燃焼室20)の内部中央部をいう。
【0034】
このテーパ面部112によって、放電ギャップ7方向へ制御、整流されるタンブル渦21の一部の気流21aと、燃焼室20の内部側(中央部)に向かって押出される方向に制御、整流されたタンブル渦21の他の気流21bとにより、中心電極3のチップ5と接地電極4のチップ6間に発生する放電火花23の流れが整流され、燃焼室20の内部側(中央部)方向に曲げられた安定した放電火花23の流れも形成される。すなわち、タンブル渦21の気流を、燃焼室20の内部側(中央部)方向へ安定して形成することによって、放電火花23の流れも同じ方向へ安定して形成する。
【0035】
放電火花23の燃焼室20の内部中央部方向への安定した流れによって、燃焼室20内の混合気の速やか、且つ安定した着火が行われ、矢印24で示すように火炎の流れが促進され、着火性が向上し火炎の塊25を形成する。このように、着火不良を起こすことなく混合気への着火を良好ならしめることができる。特に、希薄燃焼(リーンバーン)のような着火性の厳しい燃焼条件においても優れた効果を発揮する。
【0036】
なお、上述のハウジング1の端面部11の先端面111と、該端面部11の先端面111におけるテーパ面部112の接線Yとのなす角度θは、実験によって10°〜60°に設定したが、さらに実験によれば、角度θは、スパークプラグの接地電極4を含む中心軸線上の絶縁端子2の先端面2b(中心電極3の先端部3aの根元)と接地電極4の先端面4aとの範囲に設定することが望ましく、さらに中心電極3のチップ5と接地電極4のチップ6との放電ギャップ7を通るように設定することが最も望ましく最良な効果を発揮する。また、角度θが10°未満である場合や60°を超える場合では、実験によれば上記効果の程度は小さい。
【0037】
次に、図3〜6により、整流手段をなす傾斜外周面部の他の変形例を説明する。図3では、傾斜外周面部としてテーパ面部112を2つのテーパ面112aで構成している。それぞれのテーパ面112aは、ハウジング1の端面部11の全周に亘って形成され、ハウジング1の外径Dがハウジング1の端面部11の先端面111に向かうにつれ小さくなっている。すなわち内方に傾斜するテーパ面112aである。ハウジング1の端面部11の先端面111と、該端面部11の先端面111におけるテーパ面112aの接線Yとのなす角度θは、10°〜60°に設定されている。
【0038】
このように、傾斜外周面部としてのテーパ面部112を複数のテーパ面112aで構成しても図2で説明した内容と同様の作用効果を奏する。また、テーパ面112aは折線的に形成するだけでよいから加工も比較的容易である。さらにテーパ面112aは、折線的に内側に向くように複数形成してもよい。なお、上述のハウジング1の端面部11の先端面111と、該端面部11の先端面111におけるテーパ面部112aの接線Yとのなす角度θは、10°〜60°に設定したが、さらに実験によれば、角度θは、テーパ面112aの傾斜度を変え図1で説明した内容と同様に、スパークプラグの接地電極4を含む中心軸線上の絶縁端子2の先端面2b(中心電極3の先端部3aの根元)と接地電極4の先端面4aとの範囲に設定することが望ましく、さらに中心電極3のチップ5と接地電極4のチップ6との放電ギャップ7を通るように設定することが最も望ましく最良な効果を発揮する。また、角度θが10°未満である場合や60°を超える場合では、実験によれば上記効果の程度は小さい。
【0039】
図4では、傾斜外周面部として複数の段部113を形成している。該段部113は、ハウジング1の端面部11の全周に亘って形成され、ハウジング1の外径Dがハウジング1の端面部11の先端面111に向かうにつれ小さくなっている。すなわち内方に傾斜していく段部113である。
【0040】
このように、傾斜外周面部を段部113に形成しても図2で説明した同様の上述の作用効果を奏する。また、段部113は加工が非常に容易である。また、段部113は少なくとも一つ以上の段部であればよい。なお、上述のハウジング1の端面部11の先端面111と、該端面部11の先端面111における各段部113を結ぶ接線Yとのなす角度θは、10°〜60°に設定したが、角度θは、各段部113を結ぶ傾斜度を変え図1で説明した内容と同様に、スパークプラグの接地電極4を含む中心軸線上の絶縁端子2の先端面2b(中心電極3の先端部3aの根元)と接地電極4の先端面4aとの範囲に設定することが望ましく、さらに中心電極3のチップ5と接地電極4のチップ6との放電ギャップ7を通るように設定することが最も望ましく最良な効果を発揮する。また、角度θが10°未満である場合や60°を超える場合では、実験によれば上記効果の程度は小さい。
【0041】
図5では、傾斜外周面部として一つの半径Rの円弧状曲面部114を形成している。該曲面部114は、ハウジング1の端面部11の全周に亘って形成され、ハウジング1の外径Dが小さくなる度合いがハウジング1の端面部11の先端面111に向かうにつれ徐々に小さくなっている。すなわち図示するように内方への狭まりが徐々に小さくなっている曲面部114である。
【0042】
このように、傾斜外周面部を曲面部114に形成しても図2で説明した内容と同様に、上述の作用効果を奏することは勿論のこと曲面部114の滑らかさで混合気のタンブル渦気流の制御、整流をより一層確実にできる。なお、上述のハウジング1の端面部11の先端面111と、該端面部11の先端面111における曲面部114の接線Yとのなす角度θは、10°〜60°に設定したが、さらに実験によれば、角度θは、半径Rの大きさ、位置を変え図1で説明した内容と同様に、スパークプラグの接地電極4を含む中心軸線上の絶縁端子2の先端面2b(中心電極3の先端部3aの根元)と接地電極4の先端面4aとの範囲に設定することが望ましく、さらに中心電極3のチップ5と接地電極4のチップ6との放電ギャップ7を通るように設定することが最も望ましく最良な効果を発揮する。また、角度θが10°未満である場合や60°を超える場合では、実験によれば上記効果の程度は小さい。
【0043】
図6では、傾斜外周面部としてテーパ面部と、該テーパ面部に接続する半径Rの円弧状一部曲面部115とで構成している。該テーパ面部と一部曲面部115は、ハウジング1の端面部11の全周に亘って形成され、一部曲面部115は、ハウジング1の外径Dが小さくなる度合いがハウジング1の端面部11の先端面111に向かうにつれ徐々に小さくなっている。すなわち図示するように内方へ傾斜するテーパ面部と、該テーパ面部に接続して狭まりが徐々に小さくなっている一部曲面部115で構成している。
【0044】
このように、傾斜外周面部をテーパ面部と、該テーパ面部に接続する一部曲面部115とで構成しても図2で説明した同様の上述の作用効果を奏することは勿論のこと一部曲面部115の滑らかさで混合気のタンブル渦気流の制御、整流をより一層確実にできる。なお、ハウジング1の端面部11の先端面111と、該端面部11の先端面111における一部曲面部115の接線Yとのなす角度θは、実験により10°〜60°に設定したが、さらに実験によれば、角度θは、テーパ面部の傾斜度及び一部曲面部115の半径Rの大きさ、位置を変え図1で説明した内容と同様に、スパークプラグの接地電極4を含む中心軸線上の絶縁端子2の先端面2b(中心電極3の先端部3aの根元)と接地電極4の先端面4aとの範囲に設定することが望ましく、さらに中心電極3のチップ5と接地電極4のチップ6との放電ギャップ7を通るように設定することが最も望ましく最良な効果を発揮する。また、角度θが10°未満である場合や60°を超える場合では、実験によれば上記効果の程度は小さい。
【0045】
上述の整流手段をなす傾斜外周面部としてのテーパ面部112、テーパ面112a、段部113、曲面部114、一部曲面部115は、ハウジング1の端面部11の全周に亘って形成した例であったが、図7に示すように、実験によれば本発明効果を奏するには、上述のテーパ面部112、テーパ面112a、段部113、曲面部114、一部曲面部115は、ハウジング1の端面部11の全周の50%以上(網目模様で示す面)形成してあればよい。望ましくは、タンブル渦の気流21の流れ方向を含んで均等分割(実施例では4分割)されていることがよい。なお、ハウジング1の端面部11において、整流手段をなす傾斜内周面部としてのテーパ面部112、テーパ面112a、段部113、曲面部114、一部曲面部115が形成されていない平坦部は符号31で表している。
【0046】
なお、本発明に適用したスパークプラグにおいて、中心電極3の先端部3aの貴金属チップ5の径は、0.3〜2.5mmであり、接地電極4の貴金属チップ6間のギャップ7は、0.4〜1.5mmであった。また、中心電極3と接地電極4の貴金属チップ5、6は、Pt、Ir、Rh等の貴金属を少なくとも1種類以上を主に含有し、少なくとも1種の添加物との合金である。添加物は例えば、Pt、Ir、Rh、Ni、W、Pd、Ru、Al、Al、Y、Yである。上記ギャップ7の寸法及び中心電極3と接地電極4の貴金属チップ5、6の材質によるスパークプラグで本発明の効果は十分えられたが、本発明では上記の寸法、材質に制限されることはない。
【0047】
さらに、本発明になる内燃機関用スパークプラグは、上記の構造のスパークプラグに限定されるものではなく、本発明技術思想を適用することができる種々構造のスパークプラグであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明になる内燃機関用スパークプラグの実施形態を示す要部拡大断面図である。
【図2】本発明になる内燃機関用スパークプラグの実施形態を示すと共に作用説明に供する要部拡大断面図である。
【図3】本発明になる内燃機関用スパークプラグにおいて、整流手段をなす傾斜外周面部の変形例を示す要部拡大図である。
【図4】本発明になる内燃機関用スパークプラグにおいて、整流手段をなす傾斜外周面部の他の変形例を示す要部拡大図である。
【図5】本発明になる内燃機関用スパークプラグにおいて、整流手段をなす傾斜外周面部の更に他の変形例を示す要部拡大図である。
【図6】本発明になる内燃機関用スパークプラグにおいて、整流手段をなす傾斜外周面部の更に他の変形例を示す要部拡大図である。
【図7】本発明になる内燃機関用スパークプラグの作用説明に供するもので、図1の下面図である。
【図8】本発明になる内燃機関用スパークプラグの実施形態を示す半断面全体構成図である。
【符号の説明】
【0049】
1 ハウジング
11 ハウジング1の端面部
111 ハウジング1の端面部11の先端面
112 整流手段をなす傾斜外周面部としてのテーパ面部
112a テーパ面
113 整流手段をなす傾斜外周面部としての段部
114 整流手段をなす傾斜外周面部としての曲面部
115 整流手段をなす傾斜外周面部としての一部曲面部
2 絶縁碍子
3 中心電極
4 接地電極
20 燃焼室
21 タンブル渦の気流
21a タンブル渦21の一部の気流
21b タンブル渦21の他の気流
23 放電火花
24 火炎の流れ
25 火炎の塊
26 ピストン
D ハウジング1の外径
W1 ハウジング1の端面部11の肉厚
W2 整流手段をなす傾斜外周面部としてのテーパ面部112の半径方向水平長さ

【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社日本自動車部品総合研究所
【出願日】 平成18年10月24日(2006.10.24)
【代理人】 【識別番号】100067596
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 求馬


【公開番号】 特開2008−108479(P2008−108479A)
【公開日】 平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願番号】 特願2006−288200(P2006−288200)