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【発明の名称】 軟X線を利用したイオナイザー及び帯電物体の電荷除去方法
【発明者】 【氏名】李 東勳

【氏名】金 相孝

【氏名】鄭 容哲

【氏名】金 載烈

【氏名】沈 承旭

【氏名】李 元大

【氏名】金 武鎬

【氏名】柳 鐘鎭

【氏名】金 ▲ヒュン▼秀

【要約】 【課題】この発明は上記した従来技術等が持っている問題点を解決するための軟X線を利用したイオナイザーを提供することを目的とする。

【解決手段】この発明は、帯電物体に向けて軟X線を放出し、放出された軟X線によって空気中のガスを電離させ、電離されたガスから発生されるプラスイオン、マイナスイオン及び電子のうちの何れか1つ以上によって前記帯電物体の電位を0にするために軟X線を生成させるヘッド部と、1つ以上の前記ヘッド部を制御するための制御部とを具備してなる軟X線を利用したイオナイザーに関するものである。この発明のイオナイザーのヘッド部は、チューブで生成された電子を電位差によって引きつけるターゲットを具備し、前記ターゲットの材質としてベリリウム窓に銀を蒸着させたものを使用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電物体に向けて軟X線を放出して放出された軟X線によって空気中のガスを電離させて電離されたガスから発生されるプラスイオン、マイナスイオン及び電子のうちの何れか1つ以上によって前記帯電物体の電荷を除去するために軟X線を生成させるヘッド部と、1つ以上の前記ヘッド部を制御するための制御部とを具備してなる軟X線を利用したイオナイザーにおいて、
前記ヘッド部は、
電子を生成するチューブ;
前記チューブで生成された電子を電位差によって引きつけるターゲット;
前記ターゲットで電子の衝突によって発生される軟X線を放出するための出力窓;
前記出力窓と熱的及び電気的に連結されていて、前記出力窓を支持すると同時に保護容器の前面部と触接して前記ターゲットで発生した内部の熱をX線管外部に放出させ、前記チューブの前端部と連結されて前記X線管の前端部を成すフランジ部;
前記フランジ部の外周縁に対応する円形の貫通孔を具備し、前記フランジ部の外周縁が前記貫通孔の内部に形成された短顎によってX線管が前記貫通孔内側に挿入されて前記フランジ部の外周縁が短顎によって固定されて前記フランジ部と一体になり、前記フランジ面と一つの接触外表面を成し、熱伝導性と電気伝導性を持つフランジ結合器;
コ字形状をしており、その一側面に形成された貫通孔の内側に前記フランジ部と前記フランジ結合器が結合されて成す接触外表面を所定の結合手段によって固定させるための保護容器側面部;
前記X線管に高電圧を供給するための高電圧発生部;
前記高電圧発生部の一方に位置したPCB;
コ字形状をしており、前記保護容器側面部の上下部と一方側面部の役割をする保護容器蓋部;及び、
前記保護容器側面部の上下部に保護容器蓋部をねじで固定させるために形成された多数の固定手段;を具備してなることを特徴とする軟X線を利用したイオナイザー。
【請求項2】
前記各ヘッド部は、前記イオナイザーの累積使用時間を示すためのタイマーをさらに具備していることを特徴とする請求項1に記載の軟X線を利用したイオナイザー。
【請求項3】
前記保護容器の側面部、蓋部、ターゲットは、導電性材質からなり、接地電位をなしていて、熱伝導性があることを特徴とする請求項1に記載の軟X線を利用したイオナイザー。
【請求項4】
前記制御部は、前記多数の各ヘッド部を選択することができる手段;及び、
前記各ヘッド部の内部タイマーと連動して選択したヘッド部の累積使用時間を示すための表示窓;を具備していることを特徴とする請求項1に記載の軟X線を利用したイオナイザー。
【請求項5】
前記制御部は、警報、インターロック、遠隔制御、制御器電源の制御信号を外部に入出力する機能を具備したことを特徴とする請求項1に記載の軟X線を利用したイオナイザー。
【請求項6】
前記ヘッド部が保護容器外部に設置される場合、可撓電線管によって前記制御部と連結され、前記可撓電線管内部にヘッド部と電源制御部を連結する高圧ケーブルを収容して高圧ケーブルを外部からの衝撃と震動から保護し、必要によって使用者がヘッド部のヘッド方向を帯電物体に向けて任意の角度に曲げられるようにするために使われ、この時は、フランジ結合器は使用しないことを特徴にする請求項1に記載の軟X線を利用したイオナイザー。
【請求項7】
一つのPCで多数のイオナイザーを遠隔で監視するためのRMS(Remote Monitoring System)機能をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の軟X線を利用したイオナイザー。
【請求項8】
前記制御部のコネクター形態が単一コネクター方式を採用していることを特徴とする請求項1に記載の軟X線を利用したイオナイザー。
【請求項9】
天井と壁に前記イオナイザーを付着させる時に使われ、前記イオナイザーのヘッド部をねじによって水平または垂直に任意に固定することができるようにしたL字形ブラケット部;
平面形態で前記L字形ブラケット部の外面の一方とねじで連結され、前記ヘッド部をねじで固定させるためのブラケット補強板;からなるブラケットを利用し、前記L字形ブラケット部は天井または壁にアンカーボルトを利用して固定されることを特徴にする請求項1に記載の軟X線を利用したイオナイザー。
【請求項10】
前記フランジ結合器が前記保護容器側面部と触接する面積は必要によって広くまたは狭く設定することができることを特徴とする請求項1に記載の軟X線を利用したイオナイザー。
【請求項11】
前記保護容器側面部内側には前記高電圧発生部が位置した所の側にX線管の本体が位置するための空き空間が準備されることを特徴とする請求項1に記載の軟X線を利用したイオナイザー。
【請求項12】
前記X線管は、前記フランジ結合器と前記保護容器側面部を固定させる手段によって固定され、支持されることを特徴とする請求項1に記載の軟X線を利用したイオナイザー。
【請求項13】
前記制御部は、前記ヘッド部の使用年限が終わるか、使用年限に近づくとこれを知らせてくれるアラーム機能を具備することを特徴とする請求項1に記載の軟X線を利用したイオナイザー。
【請求項14】
前記保護容器側面部で出力窓が有る面に別途の照射用孔がある遮蔽用器具を追加付着して前記孔の模様及び出力窓との距離により多様な除電範囲及び円形、四角、楕円形模様を含む多様な模様のX線照射形態をつくる事ができることを特徴とする請求項1に記載の軟X線を利用したイオナイザー。
【請求項15】
所定の帯電物体が位置した所に向けて軟X線を照射し、所定のターゲット電圧及びターゲット電流が与えられるターゲットを内蔵しており、ベリリウム窓に銀を蒸着させた軟X線管を配置して、前記ベリリウム窓から発生波長が1Å以上5Å以下範囲の軟X線を照射して前記帯電物体が位置した領域に含まれる元素乃至物質をイオン化することによって前記帯電物体の電荷を除去することを特徴とする帯電物体の電荷除去方法。
【請求項16】
加速電圧が10KV以下で3.5〜4.5Åの主波長帯の軟X線を発生させて静電気を除去することを特徴とする請求項15に記載の帯電物体の電荷除去方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明はイオナイザー、特に軟X線を利用したイオナイザーの構造及び帯電物体の電荷除去方法に関するものである。特に、この発明は既存の軟X線を利用したイオナイザーの構造的な短所を改善したもので、軟X線を利用したイオナイザーの小型化に必要な外部への熱放出が容易で、従来よりも構造も簡単で、組立も容易で、支持が堅固になるようにした技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この分野の従来技術としては日本特許出願番号第1996−256780号(出願人:浜松ホトニクス株式会社)(1996年9月27日出願)「X線発生装置及びこれを使用した静電気制御器」がある。
【0003】
しかし、この技術による軟X線を利用したイオナイザーは、いわゆる「狭持」と言う過程が必要であるが、その過程が複雑で、組立も容易でなく、フランジ部と外部保護容器との電気的及び熱的な接触がよくないので、実際に使うには問題点が多くあった。このような理由のために、この技術を採択したイオナイザーは実用化されていないことと知られているが、この技術の構成図は図1に図示されたようなものである。
【0004】
しかし、図1による従来技術の短所を克服した、一層技術的に進歩した技術が既に実用化されて使われている。この技術の構成図は、図2に図示されたようなものである。
【0005】
しかし、このような従来技術より熱伝導度がさらに良好で、組立が容易で、構造が簡単な新しい技術の登場が要求されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は上記した従来技術等が持っている問題点を解決するための軟X線を利用したイオナイザーを提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的と長所は、下記の発明の詳細な説明を読んで添付された図面を参照すれば、より明白になるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明による軟X線を利用したイオナイザー(以下では、簡単に「イオナイザー」とだけ言う)の望ましい一実施例の構成例は、
帯電物体に向けて軟X線を放出して放出された軟X線によって空気中のガスを電離させて電離されたガスから発生されるプラスイオン、マイナスイオン及び電子のうちの何れか1つ以上によって前記帯電物体の電荷を除去するために軟X線を生成させるヘッド部と、1つ以上の前記ヘッド部を制御するための制御部とを具備してなる軟X線を利用したイオナイザーにおいて、
前記ヘッド部は、
電子を生成するチューブ;
前記チューブで生成された電子を電位差によって引きつけるターゲット;
前記ターゲットで電子の衝突によって発生される軟X線を放出するための出力窓;
前記出力窓と熱的及び電気的に連結されていて、前記出力窓を支持すると同時に保護容器の前面部と触接して前記ターゲットで発生した内部の熱をX線管外部に放出させ、前記チューブの前端部と連結されて前記X線管の前端部を成すフランジ部;
前記フランジ部の外周縁に対応する円形の貫通孔を具備し、前記フランジ部の外周縁が前記貫通孔の内部に形成された短顎によってX線管が前記貫通孔内側に挿入されて前記フランジ部の外周縁が短顎によって固定されて前記フランジ部と一体になり、前記フランジ面と一つの接触外表面を成し、熱伝導性と電気伝導性を持つフランジ結合器;
コ字形状をしており、その一側面に形成された貫通孔の内側に前記フランジ部と前記フランジ結合器が結合されて成す接触外表面を所定の結合手段によって固定させるための保護容器側面部;
前記X線管に高電圧を供給するための高電圧発生部;
前記高電圧発生部の一方に位置したPCB;
コ字形状をしており、前記保護容器側面部の上下部と一方側面部の役割をする保護容器蓋部;及び、
前記保護容器側面部の上下部に保護容器蓋部をねじで固定させるために形成された多数の固定手段;を具備してなることを特徴とする。
【0009】
この発明において、前記各ヘッド部は、前記イオナイザーの累積使用時間を示すためのタイマーをさらに具備していることが望ましい。
【0010】
この発明において、前記保護容器の側面部、蓋部、ターゲットは、導電性材質からなり、接地電位をなしており、熱伝導性があることが望ましい。
【0011】
この発明において、前記制御部は、
前記多数の各ヘッド部を選択することのできる手段;及び、
前記各ヘッド部の内部タイマーと連動して選択したヘッド部の累積使用時間を示すための表示窓;を具備していることが望ましい。
【0012】
この発明において、前記制御部は、警報、インターロック、遠隔制御、制御器電源の制御信号を入出力させる機能を具備することが望ましい。
【0013】
この発明において、前記ヘッド部が保護容器外部に設置される場合、可撓電線管によって前記制御部と連結され、前記可撓電線管内部にヘッド部と電源制御部を連結する高圧ケーブルを収容して高圧ケーブルを外部からの衝撃と震動から保護し、必要によって使用者がヘッド部のヘッド方向を帯電物体に向けて任意の角度に曲げられるようにするために使われ、この時は、フランジ結合器は使用しないことが望ましい。
【0014】
この発明において、一つのPCで多数のイオナイザーを遠隔で監視するためのRMS機能をさらに具備することが望ましい。
【0015】
この発明において、前記制御部のコネクター形態が単一コネクター方式を採用することが望ましい。
【0016】
この発明において、天井と壁に前記イオナイザーを付着させる時に使われ、前記イオナイザーのヘッド部をねじによって水平または垂直に任意に固定することができるようにしたL字形ブラケット部;平面形態で前記L字形ブラケット部の外面の一方とねじで連結され、前記ヘッド部をねじで固定させるためのブラケット補強板;からなるブラケットを利用し、前記L字形ブラケット部は天井または壁にアンカーボルトを利用して固定することが望ましい。
【0017】
この発明において、前記フランジ結合器が前記保護容器側面部と触接する面積は必要によって広くまたは狭く設定することができるのが望ましい。
【0018】
この発明において、前記保護容器側面部内側には前記高電圧発生部が位置した所の側にX線管の本体が位置するための空き空間が準備されることが望ましい。
【0019】
この発明において、前記X線管は、前記フランジ結合器と前記保護容器側面部を固定させる手段によって固定され、支持されることが望ましい。
【0020】
この発明において、前記制御部は、前記ヘッド部の使用年限が尽きたり、使用年限に近づくと、これを知らせてくれるアラーム機能を具備することが望ましい。
【0021】
この発明において、前記保護容器側面部で出力窓が有る面に別途の照射用孔がある遮蔽用器具を追加付着して前記孔の模様及び出力窓との距離により多様な除電範囲及び円形、四角、楕円形模様を含む多様な模様のX線照射形態をつくる事ができることが望ましい。
【0022】
そして、この発明による帯電物体の電荷除去方法の望ましい一実施例は、所定の帯電物体が位置した所に向けて軟X線を照射し、所定のターゲット電圧及びターゲット電流が与えられるターゲットを内蔵しており、ベリリウム窓に銀を蒸着させた軟X線管を配置して、前記ベリリウム窓から主波長が1Å以上5Å以下範囲の軟X線を照射して前記帯電物体が位置した領域に含まれる元素乃至物質をイオン化することによって前記帯電物体の電荷を除去することを特徴とする。
【0023】
この発明において、前記加速電圧が10KV以下で4〜5Åの主波長帯の軟X線を発生させて静電気を除去することが望ましい。
【発明の効果】
【0024】
この発明の実施によっていろいろな利点を予想することができる。
【0025】
第1に、ターゲット材質としてベリリウム窓に銀を蒸着させて使用した場合、遮蔽が容易であり、安全性が増加するので、より経済的に装置構成が可能である。
【0026】
第2に、フランジ結合器を使うので、フランジが保護容器と触接する面積を容易に増加させられて、放熱が従来よりも速くなる。
【0027】
第3に、従来とは違って狭持技術が不必要であるので、組立と製作が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
これから添付された図面を参照してこの発明の構成と動作原理及び特徴に対して説明する。この発明による軟X線を利用したイオナイザーの特徴は以下の通りである。
【0029】
(1.X線管支持体及び放熱構造)
この発明では従来技術の問題点を解決するためにX線管の支持体及び放熱構造を改善した。図3を見ればこの発明の内容が詳細に図示されている。つまり、この発明では既存のX線管のフランジ部を直接拡大したり、図面のように補形物を利用して、溶接などの方式で固定してフランジ部を広げる効果がある。固定のためには図面での様にねじを利用するのが望ましい。図12は、この発明によってフランジ部とフランジ結合器が固定された状態を示す図である。これに対しては後に詳細に説明する。そしてこのようにすることによってこの発明が以前の方式に対比して得られる効果は次の通りである。
【0030】
第1に、フランジ部の大きさを直接拡大して、外部ケースと直接締結したものであるため、放熱効率が非常に高まる。さらに、補形物の大きさによって広い面積を持つことができるので、放熱において、さらに大きい効率を有することができる。
【0031】
第2に、従来技術が採用した狭持構造のような複雑な構造を使用しておらず、すぐ外部ケースとねじで締結が可能であるので、組立性の面で優秀である。
【0032】
(2.銀蒸着)
以前の一般的な軟X線を利用したイオナイザーの目標はベリリウム窓にタングステンを蒸着して加速電圧9〜11KV以下で1〜2Åの主波長の軟X線を発生させて静電気を除去する方式であった。しかし、この発明の出願人による実験でベリリウム窓に銀を蒸着して試験をした結果、加速電圧9.5kVで軟X線が3.5〜4.5Åの主波長を持ちながらもイオン化に必要なイオン電流量が以前とほとんど同一であるという事実を発見した。さらに、放射線量は既存の半分にしかならなかった。これから、この発明の出願人による実験結果を詳しく説明する。
【0033】
図4はターゲット材質としてベリリウム窓にタングステンと銀を蒸着させて加速電圧が9.5KV、10KV、10.5KVである場合における距離によるイオン電流減少量を示している。銀を蒸着させた場合、既存のタングステンをターゲットに利用した波長(1〜2Å)に比べて主波長が(3.5〜4.5Å)長くて長距離除電に不利である可能性を予想したが、実際測定値に於いては、距離によるイオン電流減少量がタングステンとほとんど差異が無いのを見る事が出来る。これは銀を蒸着した時に主波長以外に発生される制動幅射線(1.5〜2.5Å)による長距離除電の効果のためであると予想され、これは除電距離性能を既存の様に維持しながらもタングステンを使用した場合より発生されたX線の線量が少ない為に、安定性の面でより優秀で、遮蔽もより容易で、これにより経済性がより良好になるなど、従来に比べていろいろな利点が多い。
【0034】
また、図5は、管電流が100μAで、加速電圧を6〜13KVに可変させた時であって、ターゲット材質としてベリリウム窓に銀を蒸着させた場合における軟X線の主波長と該当波長の軟X線が発生した線量の比率関係を示す曲線である。加速電圧が高いほど同じ波長帯の軟X線がよりたくさん発生するのを知ることができ、この例では約0.425nmつまり4.25Å波長帯の軟X線が一番多く発生し、ほぼ大部分の軟X線が1〜5Å帯の波長を持つことを知ることができる。図面で縦軸の単位は波長別発生線量の値(SV)である。そして、ここで管電流というのは、加速電圧が与えられた場合に軟X線管内部ターゲットに移動する電子の電流を意味する。
【0035】
図6は、ターゲット材質としてベリリウム窓にタングステンと銀を蒸着させた場合であって、加速電圧が9.48KV、管電流が0.240mAの時における除電距離と発生した軟X線量の関係を示す曲線である。銀を蒸着させた場合が同じ除電距離について発生した軟X線量がより少ないことを知ることができる。これにより、銀を使う場合がより安全で、X線遮蔽もより容易であることが分かる。
【0036】
図7は、ターゲット材質としてベリリウム窓にタングステンと銀を蒸着させた場合であって、加速電圧が10.5KV、管電流が0.240mAの時における除電距離とイオン電流との関係を示す曲線である。同じ距離に対して銀の場合がイオン電流が多少小さいが、イオン電流による除電が起きる時間を考慮して見るとき(±1000Vから±100Vに落ちる除電時間を0.5秒以内に維持するイオン電流値:150〜240nA)、銀を使用する場合にも実際除電性能には差異が無い事が分かる。
【0037】
図8は、ターゲット材質としてベリリウム窓にタングステンと銀を蒸着させた場合であって、加速電圧が10.5KV、管電流が0.240mAの時における除電距離と発生した軟X線量の関係を示す曲線である。同じ除電距離に対して銀の場合が軟X線量の量がより少なく、これにより、銀を使う場合は遮蔽が容易で、安全性がより高いということが分かる。
【0038】
図9は、ターゲット材質としてベリリウム窓にタングステンと銀を蒸着させた場合であって、加速電圧が10KV、管電流が0.2382mAの時における除電距離とイオン電流との関係を示す曲線である。同じ距離に対して銀の場合が、イオン電流が多少小さいが、イオン電流による除電が起きる時間を考慮して見るとき(±1000Vから±100Vに落ちる除電時間を0.5秒以内に維持するイオン電流値:150〜240nA)、銀を使用する場合にも実際除電性能には差異が無いことが分かる。
【0039】
図10は、ターゲット材質としてベリリウム窓にタングステンと銀を蒸着させた場合であって、加速電圧が10KV、管電流が0.2382mAの時における除電距離と発生した軟X線量の関係を示す曲線である。同じ除電距離に対して銀の場合が軟X線量の量がより小さく、これにより、銀を使う場合は遮蔽が容易で、安全性がより高いというのが分かる。
【0040】
図11は、ターゲット材質としてベリリウム窓にタングステンと銀を蒸着させた場合であって、加速電圧が9.48KV、管電流が0.240mAの時における除電距離とイオン電流との関係を示す曲線である。同じ距離に対して銀の場合が、イオン電流が多少小さいが、イオン電流による除電が起きる時間を考慮して見るとき(±1000Vから±100Vに落ちる除電時間を0.5秒以内に維持するイオン電流値:150〜240nA)、銀を使用する場合にも実際除電性能には差異が無いことが分かる。この場合は他の場合より両者の差異が少ない方である。この事実から加速電圧が低いと両者のイオン電流発生量に大きな差異がないことを知ることができる。
【0041】
上記実験結果から分かる事実は、次の通りである。
【0042】
第1に、低い電圧でも発生するイオン量の差異はあまりない。
【0043】
第2に、従来のイオナイザーと除電性能は似ているが、従来よりも危険性はさらに大きく減って、遮蔽も容易である。
【0044】
第3に、この発明では、主波長帯が3.5〜4.5Å、制動幅射線波長帯が1.5〜2.5Åを同時に備えており、これによってこの発明のイオナイザーは、長短距離用除電に全部有用である。参考までに3.5〜4.5Åの主波長帯は短距離除電に有利で、1.5〜2.5Åの制動幅射線波長帯は長距離除電に有利であることを言及する。従って、一台のイオナイザーで長距離及び短距離除電用として兼用させることができるので、非常に経済的である。併せて全体的な除電性能が向上することが予想される。
【0045】
一方、日本特許第2951477号を見れば、ターゲット物質を定義せずに主波長の範囲を2〜20Åに決めておいたが、これは現実的にいろいろ考慮しなければならない事項(例えば、ターゲット物質、加速電圧、管電流など)を排除したままどんな実験根拠もなしに特定数値の値を主張したものである。
【0046】
(3.制御器の機能向上)
この発明の軟X線を利用したイオナイザーの制御器は、従来に比べていろいろな機能が向上された。これについては、下記の表1に詳しく整理されている。表1は、この発明による軟X線を利用したイオナイザーの機能設定表を例示している。この例では、10種類の機能を設定するようになっている。この発明のイオナイザーで制御器の向上された機能の概略的な内容は下記の通りである。
【0047】
【表1】


【0048】
第1に、この発明では、既存の警報(Alarm)、インターロック(Interlock)、遠隔制御(Remote)、制御器電源(Controller Power)機能を外部に信号出力できる機能を付加した。
【0049】
第2に、この発明では、本出願人の他の韓国特許出願書10−2005−32535「可撓型軟X線イオナイザー」に開示されている可撓電線管の適用が可能である。つまりこの発明の軟X線を利用するイオナイザーの他の実施例は、軟X線を発生させるヘッド部とこのヘッド部から軟X線が漏出するのを遮蔽するための軟X線保護部と制御信号及び制御電圧をヘッド部に供給する電源制御部を具備してなり、この時、軟X線保護部の外にヘッド部が位置しており、ヘッド部と電源制御部を連結する高圧ケーブルを外部からの衝撃と震動から保護し、必要によって使用者がヘッド部のヘッド方向を帯電物体に向けて任意の角度で曲げられるようにすることが可能な可撓管を使うのが可能である。
【0050】
第3に、この発明では、RMS(Real monitoring system)の適用が可能である。RMSは現場に設置されている多数のイオナイザーを一台の現場のPCで簡便にモニタリングできるシステムである。RMSについては、本出願人の他の韓国特許出願書10−2005−32534「棒型イオナイザー」に詳しく説明されている。
【0051】
上記の10種類の機能に対してより詳しく探れば、次の通りである。
【0052】
番号1の場合、コネクター名称(機能に該当する)はOUTPUT1〜4であり、ピンの数は5つであり、この機能はヘッドを連結するものである。この機能は従来にも使われていた。
【0053】
番号2の場合、コネクター名称はINTERLOCKであり、ピン数は2つで、この機能は外部インターロック信号を入力させるものである。作業者がイオナイザーが設置された遮蔽室内へ入る場合、作業者の安全のためにイオナイザーの動作を停止させる必要性があるから、外部インターロック信号入力のために遮蔽室出入口が開放されると自動にイオナイザーの動作が停止され,さらに出入口が閉鎖されても手動でスタートボタンを押せば作動されるので作業者を保護することが出来る。しかし作業環境によっては、遮蔽室出入口閉鎖時、自動で動作が再開されなければならない場合もあるので、回路修正を通じてこの様な要求を満足させることも出来、これは従来にも使用されていた技術である。
【0054】
番号3の場合、コネクター名称はREMOTEであり、ピン数は2つであり、外部遠隔信号を入力する機能がある。外部遠隔信号入力時、スタート/ストップボタンが使われる。この機能は既存のものにも使われていた。
【0055】
番号4の場合、コネクター名称はINDICATORで、ピン数は2つである。ヘッドのON/OFF状態を確認する機能があり、既存のものにもあった機能である。
【0056】
番号5の場合、コネクター名称はALARMで、ピン数は2つであり、警報状態を出力する機能があり、既存のものにはない機能である。
【0057】
番号6の場合、コネクターの名称はINTERLOCK OUTであり、ピン数は2つであり、外部インターロック信号を出力する機能がある。この機能は、インターロックが動作中の場合に出力されるのが特徴である。既存のものにはない機能である。
【0058】
番号7の場合、コネクターの名称はREMOTE OUTであり、ピン数は2つであり、外部遠隔信号を出力する機能があって、遠隔動作中に出力される。既存のものにはない機能である。
【0059】
番号8の場合、コネクターの名称はPOWER ON/OFFであり、ピン数は2つであり、パワーオン/オフ(POWER ON/OFF)機能があり、電源入力状態による信号を出力する。既存のものにはない機能である。
【0060】
番号9の場合、コネクターの名称は電源仕様(AC)である。既存のもののように100〜240Vである。
【0061】
番号10の場合、コネクターの名称はコネクター仕様で、既存のものでは個別コネクターであったが、この発明では単一コネクターを使用する。
【0062】
一方、図12は、この発明によるフランジ部とフランジ結合器を結合した状態図を示すものである。この発明でフランジ部が保護容器の側面部と直接的に触接する面積を広げた方が良いが、技術的にそれが容易でない。従って、この発明ではこのような点を克服しようとフランジ部をフランジ結合器に結合させて実質的にフランジ部の接触面積を広げることで従来よりも放熱効果がより優秀になる。そして、従来、放熱用フランジを保護容器と触接するようにするために狭持をさせる過程で狭持がよくならない場合があり、このために装置が複雑になり、組立も容易でなかった。しかし、この発明では、フランジ結合器を採用することでこのような問題点が全部解決された。
【0063】
本発明は様々に変形することができ、いろいろな形態が取れるが、上記発明の詳細な説明ではそれによる特別な実施例に対してのみ述べた。しかし、本発明は、上記発明の詳細な説明で言及された特別な形態に限定されないものと理解されるべきであり、むしろ添付された請求範囲によって定義される本発明の精神と範囲内にあるすべての変形物と均等物及び代替物を含むことと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】従来技術による軟X線を利用したイオナイザーの構造図を示す。
【図2】他の従来技術による軟X線を利用したイオナイザーの構造図を示す。
【図3】この発明による軟X線を利用したイオナイザーの構造図の望ましい一実施例を示す。
【図4】ターゲット材質としてタングステンと銀が使われ、加速電圧が9.5KV、10KV、10.5KVである場合における、イオン電流量に距離の自乗を乗じた値と除電距離との関係を示す特性曲線である。
【図5】管電流が100μAで、加速電圧を6〜13KVに可変させた時であって、ターゲット材質として銀を使った場合における軟X線の波長別発生線量値(Sv)を示す曲線である。
【図6】ターゲット材質としてタングステンと銀を使った場合であって、加速電圧が9.48KV、管電流が0.240mAの時における除電距離と発生された軟X線量の関係を示す曲線である。
【図7】ターゲット材質としてタングステンと銀を使った場合であって、加速電圧が10.5KV、管電流が0.240mAの時における除電距離とイオン電流との関係を示す曲線である。
【図8】ターゲット材質としてタングステンと銀を使った場合であって、加速電圧が10.5KV、管電流が0.240mAの時における除電距離と発生された軟X線量の関係を示す曲線である。
【図9】ターゲット材質としてタングステンと銀を使った場合であって、加速電圧が10KV、管電流が0.2380mAの時における除電距離とイオン電流との関係を示す曲線である。
【図10】ターゲット材質としてタングステンと銀を使った場合であって、加速電圧が10KV、管電流が0.2382mAの時における除電距離と発生された軟X線量の関係を示す曲線である。
【図11】ターゲット材質としてタングステンと銀を使った場合であって、加速電圧が9.48KV、管電流が0.240mAの時における除電距離とイオン電流との関係を示す曲線である。
【図12】この発明による軟X線を利用したイオナイザーのフランジ部とフランジ結合器を結合させた状態図である。
【符号の説明】
【0065】
310 X線管
320 フランジ部
330 フランジ結合器
340 保護容器側面部の正面部
350 高電圧発生部
360 保護容器側面部
370 保護容器蓋部
380 コネクター
390 ブラケット
【出願人】 【識別番号】505028679
【氏名又は名称】スンチェ・ハイテック・カンパニー・リミテッド
【出願日】 平成18年11月10日(2006.11.10)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆

【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦

【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉


【公開番号】 特開2008−98129(P2008−98129A)
【公開日】 平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願番号】 特願2006−305636(P2006−305636)