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【発明の名称】 スパークプラグ
【発明者】 【氏名】石野 安丈

【要約】 【課題】内燃機関の振動や内燃機関への過締付けトルクが作用しても高圧ガスの気密洩れや粉末タルク抜けを未然に防止すること。

【解決手段】ハウジング2に設けられた取付け用ねじ部23の基端側のねじ首部24より基端側で、絶縁碍子1の外周面とハウジング2の内周面との間に介在され、当該介在位置においてハウジング2と絶縁碍子1とを係合させ所定の弾性力を有する皿ばね、波ばね、シリコン樹脂材等の弾性部材10を備え、前絶縁碍子1の先端側の段部11にハウジング2の先端側の段部21を係合させて絶縁碍子1の基端側においてハウジング2の基端側の端部22をカシメハウジング2を絶縁碍子1に固定し、ねじ首部24の伸びにより絶縁碍子1の先端側の段部11とハウジング2の段部21との係合が緩んでも弾性部材10の介在位置での係合により絶縁碍子1とハウジング2とのかしめ固定を維持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁碍子と、
該絶縁碍子の外周に配置される金属製ハウジングとを備えたスパークプラグであって、
前記ハウジングに設けられた取付け用ねじ部の基端側のねじ首部より基端側で、前記絶縁碍子の外周面と前記ハウジングの内周面との間に介在され、所定の弾性力を有し当該介在位置において前記絶縁碍子と前記ハウジングとを係合させる弾性部材を備え、
前記絶縁碍子の先端側の段部に前記ハウジングの先端側の段部を係合させて前記絶縁碍子の基端側において前記ハウジングの基端側の端部をかしめ前記ハウジングを前記絶縁碍子に固定したことを特徴とするスパークプラグ。
【請求項2】
前記ねじ部のねじ径は、10mm以下であることを特徴とする請求項1記載のスパークプラグ。
【請求項3】
前記ねじ首部の肉厚は、1.25mm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のスパークプラグ。
【請求項4】
前記弾性部材は、リング状部材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のスパークプラグ。
【請求項5】
前記弾性部材は、皿ばね、波ばね、弾性樹脂材から選ばれる1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のスパークプラグ。
【請求項6】
前記弾性樹脂材は、シリコン樹脂材であることを特徴とする請求項5記載のスパークプラグ。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用スパークプラグに関するもので、高出力内燃機関(エンジン)に好適である。
【背景技術】
【0002】
内燃機関に装着されるスパークプラグの構造は、図3に示すようにほぼ中空円筒状の電気的絶縁碍子1の外周に、金属製のハウジング2が配設され、絶縁碍子1の先端側の段部11にハウジング2の段部21を係合させ、ハウジング2の基端側の端部22をかしめて絶縁碍子1にハウジング2を一体的に固定し、ハウジング2の内径面と絶縁碍子1の外周面との間隙から高圧ガスが洩れないようにしている。
【0003】
そして、近年の内燃機関の高出力化に伴い、内燃機関のバルブ径やウオータジャケットが拡大傾向にあり、スパークプラグへの要求として、内燃機関への取付けねじ部23のねじ径の縮小、ねじ長さの延長が求められている。これらの要求により、ハウジング2は、細径、薄肉化され絶縁碍子1へのかしめクランプ力が低下の傾向にある。
【0004】
スパークプラグは、内燃機関に装着される場合、六角部25にプラグレンチ(図示せず)を嵌め、ハウジング2の外周に設けられた雄ねじ部23を内燃機関のシリンダーヘッドAの雌ねじ部に、ガスケット4がシリンダーヘッドAの基端部Bに圧着される所定の締付けトルクでねじ込み、ガスケット4の反力でハウジング2の雄ねじ部23とシリンダーヘッドAの雌ねじ部とのねじ噛合いの緩みを防止すると共に、両ねじ部の隙間からの高圧ガスの洩れを防止している。また、ハウジング2の内周面と絶縁碍子1の外周面との間に金属リング9を嵌挿し、その上に成形(未焼成)したリング状タルク粉末3を嵌挿し、さらにその上にもう一つの金属リング9を嵌挿してハウジング2の端部22を上側の金属リング9にかしめてハウジング2を絶縁碍子1に固定すると共に、タルク粉末3でハウジング2の内周面と絶縁碍子1の外周面との間から内燃機関の高圧ガスの洩れも防止している。そして、スパークプラグのシリンダーヘッドAへの装着にあたって、スパークプラグをシリンダーヘッドAにねじ込むと、ガスケット4がシリンダーヘッドAの基端部(取付け面部)Bに当接する。そのためねじ首部24の基端側の頭部26より基端側のスパークプラグ各部位の位置が先端側へ移動するのが拘束され、さらにねじ込むとハウジング2の各部で横断面積が最も小さく引張り力に対して強度的に弱いねじ首部24が先端側に伸びてねじ部23の部分が先端側に進む(移動する)。
【0005】
スパークプラグが所定の締付けトルク範囲内でシリンダーヘッドAにねじ込み取付けられる場合は、ねじ部23の先端側への進みも少ないためねじ首部24の伸びも小さく、従って、両段部11、21の係合に何ら影響を与えない。すなわち両段部11、21の係合の緩みは生じない。しかしながらスパークプラグが所定の締付けトルク範囲以上の過締付けトルクでシリンダーヘッドAにねじ込むと言うことはねじ部23がさらに先端側に進むことであり、ねじ首部24が許容範囲を超えて伸び、ねじ部23が先端側方向に進む。すなわちハウジング2のねじ首部24、ねじ部23が先端側に絶縁碍子1に対し先端側に相対的に変位(移動)する。そのため絶縁碍子1の先端側の段部11とハウジング2の段部21との係合が緩み、ハウジング2の基端側の端部22のかしめも緩み絶縁碍子1とハウジング2との固定が緩み、絶縁碍子1とハウジング2との間に隙間が生じ、この隙間から高圧ガスが洩れたり、粉末タルク抜けによる熱価不足に起因するエンジントラブルの発生が懸念される。また、絶縁碍子1とハウジング2との間の隙間が生じることにより絶縁碍子1からハウジング2への熱伝導が阻害され、絶縁碍子1及びその内部の中心電極等に熱こもりが生じ、中心電極等が溶けるなどの問題も懸念される。
【0006】
下記特許文献1の図1にもスパークプラグの構造が示されているが、この図1に示されるスパークプラグにおいても上述したエンジントラブルの発生が懸念される。そこで発明者は、スパークプラグをシリンダーヘッドにねじ込んだ場合、ねじ首部より基端側ではハウジングや絶縁碍子に何ら変位(移動)が生じないことに着目し、この基端側においてハウジングと絶縁碍子とを係合させることに至った。
【特許文献1】実開平5−55490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、ハウジングの取付け用雄ねじ部の基端側のねじ首部より基端側で、ハウジングの内周面と絶縁碍子の外周面との間に絶縁碍子とハウジングとを係合させる弾性部材を介在させ、ねじ首部の伸びによる絶縁碍子の先端側の段部とハウジングの段部との係合が緩んでも弾性部材の介在によって当該弾性部材の介在位置での絶縁碍子とハウジングとの係合を造り絶縁碍子とハウジングとのかしめ固定を維持することにより、内燃機関の振動や内燃機関への過締付けトルクが作用しても高圧ガスの気密洩れ、粉末タルク抜けを未然に防止できるスパークプラグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明では、絶縁碍子と、該絶縁碍子の外周に配置される金属製ハウジングとを備えたスパークプラグであって、
前記ハウジングに設けられた取付け用ねじ部の基端側のねじ首部より基端側で、前記絶縁碍子の外周面と前記ハウジングの内周面との間に介在され、所定の弾性力を有し当該介在位置において前記絶縁碍子と前記ハウジングとを係合させる弾性部材を備え、前記絶縁碍子の先端側の段部に前記ハウジングの先端側の段部を係合させて前記絶縁碍子の基端側において前記ハウジングの基端側の端部をかしめ前記ハウジングを前記絶縁碍子に固定している。
【0009】
上記構成によれば、通常の締付けトルク以上の過トルクや振動による引張り力が前記ねじ首部に作用して伸び、絶縁碍子の先端側の段部とハウジングの段部との係合が緩んでも弾性部材の介在によって当該弾性部材の介在位置での絶縁碍子とハウジングとの係合を造ることができ絶縁碍子とハウジングとのかしめ固定を維持することができる。すなわち絶縁碍子からハウジングがはずれガタつくことはない。従って、前記ハウジングの基端側の端部のかしめの緩みも防止でき、高圧ガスの気密洩れ、粉末タルク抜けを未然に防止できる。また、前記弾性部材の介在位置と前記ハウジングの基端側の端部のかしめ位置との間は、過トルクが作用させてもねじ首部の伸びに伴う変位(移動)はないため、前記弾性部材と前記ハウジングの基端側の端部とのかしめは常時作用しており、前記ねじ首部に破断等の異常が発生しても、前記ハウジングが前記絶縁碍子からはずれることはない。
【0010】
請求項2に係る発明では、前記ねじ部のねじ径を、10mm以下としている。
【0011】
上記構成によれば、前記ねじ部のねじ径が10mm以下の小さなねじ径であっても、高圧ガスの気密洩れ、粉末タルク抜けを未然に防止できるので、近年の高出力化に伴う厳しい環境の内燃機関にも適用できる。
【0012】
請求項3に係る発明では、前記ねじ首部の肉厚は、1.25mm以下としている。
【0013】
上記構成によれば、前記弾性部材の介在位置と前記ハウジングの基端側の端部のかしめ位置との間の部分の変位に何ら影響を与えないから、前記ねじ首部の肉厚が1.25mm以下の薄肉のスパークプラグであっても適用でき、高圧ガスの気密洩れ、粉末タルク抜けを未然に防止できて近年の高出力化に伴う厳しい環境の内燃機関にも適用できる。
【0014】
請求項4に係る発明では、前記弾性部材を、リング状部材としている。
【0015】
上記構成によれば、全周に亘って均一に弾性反力を作用させることができ、弾性部材の介在によって当該弾性部材の介在位置での絶縁碍子とハウジングとの係合を確実に造ることができる。
【0016】
請求項5に係る発明では、前記弾性部材を、皿ばね、波ばね、弾性樹脂材から選ばれる1種としている。
【0017】
上記構成によれば、確実に弾性反力を作用させることができると共に、耐久性を維持できる。
【0018】
請求項6に係る発明では、前記弾性樹脂材を、シリコン樹脂材としている。
【0019】
上記構成によれば、使用時の振動的力と静的力とに効力を発揮して確実に弾性力を作用させることができると共に、高圧ガスの洩れのシールも行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、図に基づき本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明になるスパークプラグの半断面全体構成図である。なお、以後の説明において、「先端側」とは、図1に示すようにスパークプラグが内燃機関のシリンダーヘッドAに取付けられる側、「基端側」とは、先端側とは反対の側(外部側)を言う。
【0021】
電気的絶縁材料で成形された絶縁碍子1は、ほぼ円筒形であり内部に軸方向の貫通孔30が形成されている。貫通孔30内には、ニッケル合金の内部に銅芯が封入された複合構造の中心電極5、導電性ガラスシール材6を挟んで抵抗体7、端子電極8が一体的に加熱封着されている。
【0022】
絶縁碍子1の外周面の先端側には段部11が設けられ、ほぼ中央部には、後述するハウジングとのセンター合わせのための凸部ガイド部13が設けられている。
【0023】
絶縁碍子1の外周には、円環状の金属製ハウジング2が配設されている。ハウジング2の先端側の端面には、中心電極5に対向して接地電極12が電気的に接続され、中心電極5の先端と接地電極12の先端との間に放電火花ギャップ51が形成される。
【0024】
また、ハウジング2の内周面の先端側には、絶縁碍子1の段部11に係合する段部21が設けられ、外周面の先端側には、シリンダーヘッドAに設けられた雌ねじ部と螺合する内燃機関への取付け用雄ねじ部23が設けられている。この雄ねじ部23のねじ径は10mmであり、近年の内燃機関の高出力化によるスパークプラグへの要求により雄ねじ部23のねじ径が縮小傾向にある。なお、ねじ径が8mmのスパークプラグも使用されている。
【0025】
ハウジング2の基端側の内周面と絶縁碍子1のガイド部13の基端側の外周面との間には、成形(未焼成)したリング状タルク粉末3が一対の金属リング9と共に嵌挿されており、先端側の金属リング9は、絶縁碍子1の外周面とハウジング2の内周面との楔状隙間に食込んだ状態で組みつけられ、これら両金属リング9とタルク粉末3は絶縁碍子1の外周面に一体的に取付けられた状態となる。そして、絶縁碍子1の段部11とハウジング2の段部21を係合させてハウジング2の基端側の端部22をかしめて絶縁碍子1にハウジング2をかしめ固定している。
このハウジング2の絶縁碍子1へのかしめ固定により、タルク粉末3の存在も相俟ってハウジング2の内周面と絶縁碍子1の外周面との気密洩れが通常の締付けトルク状態において保たれている。なお、絶縁碍子1の段部11とハウジング2の段部21との間に、軟質金属製の薄いシート状リング部材を介在させ、両段部11、21の密着性と緩衝性の向上を図るようにしてもよい。
また、ハウジング2の端部22の先端側で両金属リング9とタルク粉末3が装着されている位置の外周面には、シリンダーヘッドAへねじ込む時に工具プラグレンチ(図示せず)を嵌めるための六角部25が設けられている。
【0026】
ハウジング2の雄ねじ部23の基端側のねじ首部24より基端側で、絶縁碍子1のガイド部13の先端側の突出傾斜外周面131とハウジング2のねじ頭部26の基端側の傾斜内周面261との間に、ねじ首部24の中心径(ねじ首部24の肉厚中心径)より外側の位置に所定の弾性力を有し絶縁碍子1とハウジング2とを係合させるためのリング状の弾性部材10が介在されている。すなわち弾性部材10の中心径はねじ首部24の中心径より大きくなっている。弾性部材10はできるだけ外側でハウジング2の端部22のほぼ同位置(半径方向の位置)に配置されるのが望ましい。
これは弾性部材10の介在位置での絶縁碍子とハウジングとの係合位置(半径方向の位置)とハウジング2の端部22でのかしめ位置(半径方向の位置)とが同位置である方がかしめクランプ力が強くなるからである。
また、弾性部材10は、具体的には、皿ばね、波ばね、シリコン等の弾性樹脂部材であり、弾性力はスパークプラグが組立てられた状態においてかしめ固定によるハウジング2に発生する全引張り応力の20〜30%が望ましい。弾性部材10の弾性力が大きすぎると絶縁碍子1の段部11とハウジング2の段部21を係合させてハウジング2の基端側の端部22をかしめた時のかしめクランプ力に支障がでるからである。なお、ねじ首部24の肉厚は、上述したように雄ねじ部23のねじ径の縮小化に伴い、薄くなっており、ねじ径10mmの場合、肉厚は1.15mm〜1.25mmである。また、ねじ径8mmの場合、肉厚は0.75mm〜0.85mmである。
【0027】
弾性部材10は、スパークプラグの組立て過程において、ハウジング2の傾斜内周面261に載置され、中心電極5、ガラスシール材6、抵抗部材7、端子電極8が組付けられた絶縁碍子1が挿入され、絶縁碍子1の段部11とハウジング2の段部21を係合させハウジング2の基端側の端部22をかしめて絶縁碍子1にハウジング2をかしめ固定し、絶縁碍子1のガイド部13の先端側の突出傾斜外周面131とハウジング2のねじ頭部26の基端側の傾斜内周面261との間に、且つねじ首部24の中心径より外側の位置に所定の弾性力を有するリング状の弾性部材10が介在される。
【0028】
ガスケット4は、ハウジング1の雄ねじ部23のねじ首部24の外周でハウジング1のねじ頭部26の先端側の平端面に当接して取付けられおり、スパークプラグがシリンダーヘッドAの基端部(取付け面部)Bに取付けられた際、圧縮力を受け撓み、雄ねじ部23とシリンダーヘッドAの雌ねじ部とのねじ噛み合いの緩みを防止すると共に、両ねじ部間の高圧ガスの気密洩れを防いでいる。
【0029】
次に、本発明の作用効果を説明する。スパークプラグは六角部25にプラグレンチ(図示せず)を嵌めてシリンダーヘッドAにねじ込みされる。スパークプラグを所定の締付けトルク範囲内でシリンダーヘッドAにねじ込んだ場合は、図3により従来構造のスパークプラグで説明した内容と同様で、ねじ首部24の伸びは僅かであるため絶縁碍子1の段部11とハウジング2の段部21との係合は緩まず、従ってハウジング2の端部22におけるかしめも緩まない。このことは、スパークプラグが所定の締付けトルク範囲内でシリンダーヘッドAに締付け固定される場合はスパークプラグ各部の強度設定によるものである。
【0030】
スパークプラグが所定の締付けトルク以上の過締付けトルクでシリンダーヘッドAにねじ込まれた場合も図3により従来構造のスパークプラグで説明した内容と同様で、ねじ首部24が許容範囲を超えて伸び、ねじ部23が先端側方向に進む。すなわちハウジング2のねじ首部24、ねじ部23が先端側に絶縁碍子1に対し先端側に相対的に変位(移動)する。そのため絶縁碍子1の先端側の段部11とハウジング2の段部21との係合が緩るむ。
しかしながら本発明スパークプラグでは、絶縁碍子1とハウジング2とを係合させるためのリング状の弾性部材10が介在させてあり、この弾性部材10の存在によりハウジング2の当該弾性部材10の介在位置からかしめが施されている端部22までの間は上述の絶縁碍子1の段部11とハウジング2の段部21との係合の緩みの影響を受けない。
そのため弾性部材10の介在による当該弾性部材10の介在位置での絶縁碍子1とハウジング2との係合とハウジング2の端部22でのかしめとでハウジング2の絶縁碍子1へのかしめ固定を維持でき、ハウジング2がはずれガタつくことはない。
【0031】
従って、絶縁碍子1の外周面とハウジング2の内周面との隙間から内燃機関の高圧ガスの洩れや、粉末タルク抜けを未然に防止できる。また、絶縁碍子1とハウジング2とのガタがないから、絶縁碍子1からハウジング2への熱伝導の良好で熱こもりによる中心電極等の溶解もない。
【0032】
また、弾性部材10は、リング状であるから全周の亘って均一に弾性反力を作用させるから、弾性部材10の介在位置での絶縁碍子1とハウジング2との係合をより確実に行うことできる。また、弾性部材10が皿ばねの場合は、耐久性があり、振動を吸収し作用する振動的力に効力を発揮する。また、弾性部材10が波ばねの場合は、耐久性があると共に、弾性力が必要な大きさのため確実に弾性部材10の介在位置での絶縁碍子1とハウジング2との係合を発揮する。さらに、弾性部材10がシリコン等の弾性樹脂部材の場合は、作用する振動的力と静的力とに効力を発揮すると共に、高圧ガスの洩れのシール作用も発揮する。
【0033】
また、本発明におけるスパークプラグは、ハウジング2の雄ねじ部23のねじ径が10mm、さらに10mmより小さい8mmのであり、この雄ねじ部23に続くねじ首部24の肉厚が1.15mm〜1.25mm、0.75mm〜0.85mmの薄いスパークプラグであり、このようなスパークプラグであっても、上述のように弾性部材10の介在によって過締付けトルクや振動による過大引張り力によるねじ首部24の伸びが生じても、ねじ首部24の基端側のハウジング2の部位に何の影響を与えず、絶縁碍子1へのハウジング2のかしめ固定を維持して高圧ガスの気密洩れ、粉末タルク抜けを未然に防止でき、近年の高出力化に伴う厳しい使用環境の内燃機関にも適用できる。
【0034】
なお、上述の説明では、ハウジング2の雄ねじ部23のねじ径が10mmと8mm、そのねじ首部24の肉厚が1.15mm〜1.25mm、と0.75mm〜0.85mmの例であったが、ねじ部23のねじ径及びねじ首部24の肉厚は、これらに制限されず、ねじ径は10mm以下、ねじ首部24の肉厚は1.25mm以下の小型のスパークプラグに特に効果を発揮することができる。
【0035】
次に、図2により本発明の効果を示す試験結果を説明する。試験に使用したスパークプラグの取付けねじ部23のねじ径10mm、ねじ首部24の肉厚1.2mmである。試験は2Mps(メガパスカル)の空気圧をハウジング2の先端側の先端内径面と絶縁碍子1の先端側の先端外形面との隙間X(図1に表示)から圧送し、取付けねじ部23の締付けトルクに対するハウジング2の基端側の端部22のかしめ部位Y(図1に表示)からの気密洩れ量を測定した。
【0036】
試験の結果、従来品においては、締付けトルクが20N・mを越えると洩れ出し、25N・mを越えると空気洩れ量が急増するが、本発明品では、締付けトルクを通常範囲を越えねじ部23のねじ首部24が破断するまで締付けトルクを増大させても空気の洩れはなく、本発明の効果が確認できた。なお、通常決められた所定の締付けトルクの範囲(10〜15N・m)では、両者とも空気の洩れが無かったことは、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明になるスパークプラグの実施形態を示す半断面全体構成図である。
【図2】本発明の効果を示す試験結果のグラフである。
【図3】従来のスパークプラグを示す半断面全体構成図である。
【符号の説明】
【0038】
1 絶縁碍子
2 ハウジング
3 タルク粉末
4 ガスケット
5 中心電極
6 導電性ガラスシール材
7 抵抗体
8 端子電極
9 金属リング
10 弾性部材
11 絶縁碍子1の先端側の段部
12 接地電極
21 ハウジング2の先端側の段部
22 ハウジング2の基端側の端部
23 取付け用雄ねじ部
24 ねじ首部
26 ねじ頭部
131 絶縁碍子1の突出傾斜外周面
261 ハウジング2の傾斜内周面
A シリンダーヘッド
B シリンダーヘッドAの基端部(取付け面部)
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成18年9月25日(2006.9.25)
【代理人】 【識別番号】100067596
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 求馬


【公開番号】 特開2008−78059(P2008−78059A)
【公開日】 平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願番号】 特願2006−258273(P2006−258273)