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イオン発生器及び除電器 - 特開2008−27724 | j-tokkyo
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【発明の名称】 イオン発生器及び除電器
【発明者】 【氏名】瀬戸 章文

【氏名】平澤 誠一

【氏名】辻 正明

【氏名】奥山 明

【氏名】斎藤 進

【要約】 【課題】常に正極性と負極性のイオン発生量を同じに保ち、かつ低コスト化及び省スペース化が可能なイオン発生器及び除電器を提供する。

【構成】正イオンを発生するイオン発生素子10と負イオンを発生するイオン発生素子10の夫々が、微細な突起を複数有する線状の放電電極12と、該放電電極に対向する線状の誘電材とを用いて構成される誘導電極13と、を誘電体11に配設して成る微細電極体を有して構成されており、該両イオン発生素子の放電電極と誘導電極の間に2次回路を介して駆動用電圧を印加し、正イオン及び負イオンを発生させる構成のイオン発生器であって、電源の2次回路が実質的にグラウンドから絶縁されており、放電電極に電圧を印加し誘導電極との間で有効電位差を確保させた状態でイオンを発生させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正イオンを発生するイオン発生素子と負イオンを発生するイオン発生素子の夫々が、
微細な突起を複数有する線状の導電材を用いて構成される放電電極と、該放電電極に対向する線状の誘電材とを用いて構成される誘導電極と、を誘電体に配設して成る微細電極体を有して構成されており、
該両イオン発生素子の放電電極と誘導電極の間に2次回路を介して駆動用電圧を印加し、その電位差に基いて発生した放電により、正イオン及び負イオンを発生させる構成のイオン発生器であって、
該イオン発生器が、
電源の2次回路が実質的にグラウンドから絶縁されており、
放電電極に電圧を印加し、誘導電極との間で有効電位差を確保させた状態でイオンを発生させる構成であること
を特徴とするイオン発生器。
【請求項2】
前記イオン発生器が、正極と負極間に高圧コンデンサを実装された構成であることにより誘導電極には、逆極性の電圧をバイアスさせて有効電位差を確保させた状態でイオンを発生させる構成であることを特徴とする請求項1に記載のイオン発生器。
【請求項3】
発生したイオンを気流によって送出する送出手段を設けた構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載のイオン発生器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のイオン発生器によって除電する構成であることを特徴とする除電器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はイオン発生器及び除電器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な従来のイオン発生器・除電器は、例えば、従来型除電器の場合では、先鋭な針形状のイオン発生電極に高電圧電源より高電圧を印加して、コロナ放電を生じさせ、空気をイオン化する。針形状のイオン発生電極は、対極する接地電極との間で、コロナ放電を効率的に発生する必要があるため、ある一定の絶縁距離を確保することが必要となり、イオン発生を構成するためのスペースに制約があり、効率的なイオン発生器及び除電器の小型化に限界が生じるという課題を有していた。
【0003】
また、長期間の使用により、針形状のイオン発生電極は、チリなどの堆積や物理スパッタリングによる摩耗などの影響により、コロナ放電が生じ難くなり、イオン発生効率が低下する傾向にあった。また、針形状のイオン発生電極と対向し、放電を安定させるために設けられた接地電極についても、高電圧による静電吸着及びイオン発生電極の物理スパッタリングなどにより、チリなどの堆積が生じ表面の汚れが進行し、イオン発生効率を低下させる要因ともなっていた。
【0004】
また、とくに除電器においては、正極性と負極性のイオン発生量を同じに保つ必要があり、上記問題によるイオン発生量の変化を、解決するためにいくつかの手段が提案されている(特許文献1及び2参照)。
【0005】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2のいずれも、イオン発生量を制御するために複雑なフィードバック回路を設けなくてはならないため、コスト高になるだけでなく、省スペース化も困難となる。また、正極性と負極性とでは、スパッタリングによる磨耗や、チリなどの堆積により、長期間での使用においてイオン発生量に差が生じることがある。そのため、このような制御では、イオン発生の低下した極性に対し、さらに多くのイオンを発生するような制御が働く。そのため電極はさらに磨耗し、チリの堆積も多くなり、問題がさらに加速することとなる。
【0006】
これらの問題が少ない手段として、例えば、特許文献3に記載の技術が提案されている。
特許文献3の方法では、回路構成が簡単なため、コスト安で、省スペース化が可能となるが、先に述べた電極の磨耗、チリなどの堆積における問題に大きな違いはなく、根本的な解決とはならない。
【0007】
したがっていずれの場合も、使用者は定期的に、針形状のイオン発生電極先鋭部の清掃または交換、さらに接地電極及びその周辺の清掃を行ない、イオン発生効率を改善するためのメンテナンス作業を強いられることになる。かかるメンテナンス作業は、先鋭部を有する構造体内部の清掃であり、さらに高電圧が印加されている部分でもあるため、作業は危険かつ煩わしいものとなっている。
【0008】
針形状のイオン発生電極では、イオン発生における根本的解決が難しいことから、スパッタリングによる磨耗、チリなどの堆積の少ない手段を考案する必要が生じた。
そこで、低電圧でかつ、安定的にイオン発生が可能な機構として、イオン発生電極を針形状ではなく板状の誘電体に放電電極と誘導電極を配設した板状のイオン発生素子が開発された(特許文献4〜6参照)。
【0009】
【特許文献1】特開平11−135293
【特許文献2】特開2003−68497
【特許文献3】特表2002−510132
【特許文献4】特開2003−323964
【特許文献5】特開2003−249327
【特許文献6】特開2002−237368
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献4〜6に示す技術では、低電圧で効率的なイオン発生が可能なため、スパッタリングによる磨耗や、チリなどの堆積が非常に少なく、安定的なイオン発生が可能となり、さらに形状が板状なため、物理的な先鋭部分を有さない構造であるため、針形状のイオン発生電極と比較して、メンテナンス性が非常に優れている。
さらに、メンテナンス性を重視した実施例として、本発明者らは、先に提案した特願2006−193697(ファン型除電器)の[0020]〜[0037]で説明している。
【0011】
しかし、その構造が利点でもある一方で欠点ともなっている。放電電極が板状の面上に配設されているため、結露や高湿環境下において、またチリなどの堆積物がある場合はさらに顕著に、放電電極面の沿面抵抗値が水分の影響により低下するため、印加した電圧の波形が鈍り、結果としてイオン発生効率が低下してしまう。
【0012】
それにより、イオン発生量が低下するだけでなく、除電器における利用ではイオン発生量のアンバランスへの影響も懸念される。
そこで本発明の課題は、放電電極に印加する電圧を極力小さくすることで、放電電極表面の沿面抵抗値低下に伴うイオン発生量への影響を低減させ、かつ、複雑な回路構成を用いずに、つねに正極性と負極性のイオン発生量を同じに保ち、かつ低コスト化及び省スペース化が可能なイオン発生器及び除電器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための本発明は、下記構成を有する。
1.正イオンを発生するイオン発生素子と負イオンを発生するイオン発生素子の夫々が、
微細な突起を複数有する線状の導電材を用いて構成される放電電極と、該放電電極に対向する線状の誘電材とを用いて構成される誘導電極と、を誘電体に配設して成る微細電極体を有して構成されており、
該両イオン発生素子の放電電極と誘導電極の間に2次回路を介して駆動用電圧を印加し、その電位差に基いて発生した放電により、正イオン及び負イオンを発生させる構成のイオン発生器であって、
該イオン発生器が、
電源の2次回路が実質的にグラウンドから絶縁されており、
放電電極に電圧を印加し、誘導電極との間で有効電位差を確保させた状態でイオンを発生させる構成であること
を特徴とするイオン発生器。
【0014】
2.前記イオン発生器が、正極と負極間に高圧コンデンサを実装された構成であることにより誘導電極には、逆極性の電圧をバイアスさせて有効電位差を確保させた状態でイオンを発生させる構成であることを特徴とする上記1に記載のイオン発生器。
3.発生したイオンを気流によって送出する送出手段を設けた構成であることを特徴とする上記1又は2に記載のイオン発生器。
4.上記1〜3のいずれかに記載のイオン発生器によって除電する構成であることを特徴とする除電器。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に示す発明によれば、イオン発生器が、電源の2次回路が実質的にグラウンドから絶縁された状態で、放電電極に電圧を印加し、誘導電極との間で有効な電位差を確保させた状態でイオン発生させる構成により、低電圧で、省スペース化が可能で、チリなどの堆積の少ない、メンテナンス性の優れたイオン発生器および除電器を提供することができる。
【0016】
請求項2に示す発明によれば、イオン発生器が、電源の2次回路が実質的にグラウンドから絶縁された状態で、放電電極に電圧を印加し、それぞれの極性とは逆極性の電位がチャージされ、誘導電極には、放電電極の逆極性の電圧がバイアスされた状態と等価になり、結果的に放電電極に印加される電圧が低下する。誘導電極に逆極性の電圧をバイアスさせて、放電電極間とで有効電位差を確保させた状態でイオンを発生させる構成により、イオン発生効率が良好で、イオンのアンバランス化が抑制され、且つ低コスト化及び省スペース化が可能なイオン発生器及び除電器を提供することができる。特に、放電電極表面の沿面抵抗値低下に伴うイオン発生量への影響を低減させる点でも効果が期待できる。
【0017】
電源の2次回路を実質的にグラウンドから絶縁した構成により、イオンバランスを自動的に制御することが可能となる。
【0018】
請求項2に示す発明によれば、正極と負極間に低コスト化及び省スペース化が可能な高圧コンデンサを実装して放電電極に電圧を印加し、誘導電極に逆極性の電圧をバイアスさせて有効電位差を確保させた状態でイオンを発生させる構成により、電源又は電極のいずれか一方に不具合が生じても、正極と負極間に実装した高圧コンデンサがオフセット分をバイアスしてイオンバランスを自動的に調整することが可能となる。従って、従来は不具合の生じた側の極性のイオンが発生せずに帯電器になってしまうことを防ぐことができる。特に、結露などの湿気による影響を受けにくいイオン発生効率が良好で、イオンのアンバランス化が抑制されるのみならず、放電電極表面の沿面抵抗値低下に伴うイオン発生量への影響を低減させる点で、格別顕著な効果が発揮される。
【0019】
請求項3に示す発明によれば、発生したイオンを気流によって送出する送出手段を設けた構成により、効率的にバランスよく発生したイオンを更に効率よく送出することが可能となる。
【0020】
請求項4に示す発明によれば、請求項1〜3に示すイオン発生器によって除電するので、イオン発生効率が良好で、イオンのアンバランス化が抑制され、且つ低コスト化及び省スペース化が可能な除電が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の詳細について添付図面に基き説明する。
図1は本発明に係るイオン発生器の一実施例の回路図を示す概略構成図、図2は本発明に用いられるイオン発生素子の一例を示す構成図、図3は放電電極の突起形状の複数例を示す説明図、図4は誘導電極の形状の複数例を示す説明図、図5は図1の回路における放電電極と誘導電極にかかる電圧波形のグラフ、図6は一般的な電圧印加方式である接地電位(0V)を基準に印加する構成の放電電極の電圧波形を示すグラフ、図7は本発明に係るイオン発生器の他の実施例の回路図を示す概略構成図、図8は本発明に係る除電器の一実施例を示す斜視図である。
【0022】
先ず、本発明のイオン発生器及び除電器に用いられるイオン発生素子について図2〜図4に基づき説明する。
本発明に用いられるイオン発生素子10は、図2に示すように、誘電体11と、該誘電体11の表面に配設される放電電極12と、前記誘電体11の内部に配設されて前記放電電極12の作用を受ける誘導電極13とを有してなるものである。
【0023】
本発明に用いられるイオン発生素子10の放電電極12の材質としては、導電性を有するものであれば特に制限するものではなく、例えば、ステンレスやタングステン、導電性セラミックスなどがある。放電電極12は放電により劣化、溶融などし難い材料が望ましい。放電電極12の材質や使用用途などに応じて、表面コーティングなどの絶縁保護層で放電電極12を覆うようにして形成し保護すれば、放電電極12の耐久寿命を延ばすことも可能なり、同時に放電電極12からの発塵の低減及びメンテナンスの簡略化も可能となる。表面コーティングの材料としては、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)薄膜コーティングやエポキシ系の絶縁材などがある。
【0024】
放電電極12の形状としては、微細な突起を複数有する線状の導電材を用いて構成され、微細な突起は0.01mm以上10mm以下であることが好ましい。突起の形状は、イオン発生可能な形状であれば特に制限されるものでなく、例えば、図3(a)に示すような形状でもよいし、その他の波状、円状、格子状等の形状でもよい。イオン発生効率は、放電電極12の形状依存に比べ、対極する誘導電極13と放電電極12の微細な突起物との距離及びその突起形状による関係において、最も影響することがわかっている。なお、その形状は電界集中が有効に生じ易い形状であれば、特に制限するものではなく、例えば、図3(b)〜(g)に示す形状が挙げられる。尚、図3の(b)〜(g)は部分拡大図である。
【0025】
本発明に用いられるイオン発生素子10の誘電体11は、表面に前記放電電極12を形成し、誘導電極13を囲むように形成した構成となっている。表面に形成されている放電電極12と、囲むように形成されている誘導電極13との距離は、誘電体11の厚みによって制御され、誘電体11の誘電率によってその厚みを決定するが、0.01〜5mmの範囲が好ましい。また、その形状は、板状、円状、支柱状、円柱状など上記構造を有するものであれば、その形状に特に制限はない。誘電体11の材質としては、アルミナ、ガラス、マイカなどの誘電材料が挙げられる。成形に際しては、誘電材料を積層することで材料のピンホール等による絶縁破壊を抑制することができ、絶縁耐圧等を向上させることができる。
【0026】
誘電体11への放電電極12の形成は、公知公用の手段を採ることもできるが、インクジェット印刷やシルク印刷、スクリーン印刷によって形成することが好ましい。
放電電極12は、従来の針形状のイオン発生電極とは異なり物理的尖鋭部を持たない構造であり、またイオン発生効率がよいことで、低電圧での駆動が可能となったため、メンテナンスの際等にイオン発生素子10に触れてしまった際の危険性が低減された。
【0027】
また、放電電極12と誘導電極13の距離を、誘電体11の厚みで制御することで、例えば、放電電極12と誘導電極13の距離に対し、放電電極12と誘導電極13の距離を長くすることで、両者から発生するイオン量を調整することも可能となる。
誘導電極13は、誘電体11に囲まれたように形成されており、放電電極12に対向し形成されている共通な電極として作用している。誘導電極13の材料としては、導電性を有するものであれば特に制限するものではなく、例えば、ステンレスやタングステン、導電性セラミックス等が挙げられる。
【0028】
誘導電極13の形状としては、放電電極12に対向した電極構造であれば、その形状については特に制限されるものでなく、例えば、図4(a)〜(d)に示す種々の形状を採ることができる。
【0029】
次に、本発明のイオン発生器1の好ましい実施例(請求項2)について図1に示す回路図に基き説明する。
本発明のイオン発生器1は、正イオンを発生するイオン発生素子と負イオンを発生するイオン発生素子を有し、該両イオン発生素子の放電電極と誘導電極の間に2次回路を介して駆動用電圧を印加し、その電位差に基いて発生した放電により、正イオン及び負イオンを発生させる構成を有する。
【0030】
該イオン発生器1は、図1に示すように、電源2の2次回路3(整流回路。正極3A・負極3B)が実質的にグラウンドから絶縁されており、正極3Aと負極3B間に高圧コンデンサ4が実装されており、イオン発生素子10の放電電極12に電圧を印加し、誘電電極13に逆極性の電圧をバイアスさせて有効電位差を確保させた状態でイオンを発生させる構成を有する。図1において、5は駆動回路、6はトランスを示す。
【0031】
正極3Aと負極3B間に実装した高圧コンデンサ4により、フローティング状態を保ちながら、且つ容量結合による逆バイアスが有効に作用することになる。
逆バイアス作用について更に説明すると、正極2次回路3A・3Bを流れる電流は、放電電極12の正極に電位が流れ込み、正極の誘導電極13を接続している高圧コンデンサの電位は、その逆の負極性の電位が多くなり、結果として誘導電極13の電位が低下し、逆バイアスが掛かった状態と等価となる。負極では、正極と逆極性の電位がチャージされ動作する。更に高圧コンデンサ4間では、夫々逆極性の電位がチャージされているため、その結合が強く、外乱影響を受け難い状態で動作することとなる。
【0032】
逆バイアス作用により、接地電位(0V)を基準にして高電圧を発生する構成とは異なり、正極であれば接地電位を大きく下回る電位を基準に、負極であれば接地電位を大きく上回る電位を基準に、放電電極12に印加するため、接地電位を基準にした場合のように高電圧をかけることなく、より弱い電圧で実質的にイオンを発生させることができる。
【0033】
具体的な数値例を挙げると、図5に示すように、逆バイアス作用により正極において基準電位を接地電位(0V)を大きく下回る−2.0kVとすることで、放電電圧に印加する電圧を1kVとするだけで有効電位差(=放電電極12−誘導電極13)3.0kVを確保することができる。これにより、図6に示す接地電位0Vを基準として放電電極12に3kVもの強い電圧を印加させなければならない構成と実質的に同等のイオン発生量が得られる有効電位差3kVを確保することが可能となる。
【0034】
従って、接地電位(0V)を基準に印加した場合と同等のイオン発生量を確保した状態で、電極表面の汚れや湿気による性能低下を抑制することができ、イオンバランス及び除電時間の性能低下を著しく抑制することができる。
【0035】
電源2の2次回路3をグラウンドから絶縁するには、例えば、該2次回路3のアース線を排除した構成とすることで接地電位より絶縁してフローティングする構成や、絶縁材によって該2次回路3をシールドする構成とすること等が挙げられる。後者の態様において好ましい絶縁材としては、公知のいずれのものであってもよいが、ポリテトラフッ化エチレンやポリカーボネート等が挙げられる。このように電源2の2次回路3を接地電位より絶縁(フローティング)することでイオンバランスを自動調整することができる。
【0036】
以上、本発明のイオン発生器1の好ましい実施例について図1に基き説明したが、本発明は上記した実施例に限定されず、本発明の範囲内において種々の態様を採ることができる。
例えば、図7に示すように、高圧コンデンサを実装していない以外は上記した図1に示す態様と同様の構成を有する態様についても本発明に包含される。当該構成では、上記図1に示す高圧コンデンサを実装した態様と比べて耐湿度特性(初期)の点で劣る以外は同様の良好な性能を得ることができる(後述の実施例参照)。
【0037】
次に、本発明の除電器について図8に基づき説明する。本発明のイオン発生器の具体的な構成については、下記する除電器の説明を参照できる。
また、具体的な除電器の実施例として、本発明者らは、先に提案した特願2006−193697(ファン型除電器)の[0038]〜[0066]で説明している。
【0038】
図8に示す除電器7は、上記のイオン発生素子10によりイオンを発生する本発明のイオン発生器1を備え、発生したイオンによって除電を行うものである。
除電器7には、上記イオン発生素子10を有するイオン発生器1と、該イオン発生器1により発生したイオンを送出する送出手段であるプロペラファン(内部機構のため図を省略する)が設けられている。尚、電源部については図示を省略する。尚また、除電器7にはイオン濃度を調整する調整手段が設けられていることが好ましい。
【0039】
除電器7のサイズ・形態・配設するイオン発生素子10の数・プロペラファンの送出能力等、各種構成等は使用目的や設置場所等、用途に応じて適宜設定される。図5に示す除電器7は、イオンの送出手段にプロペラファンを使用したファンタイプ除電器に分類されるものである。送出手段についても、ファンタイプに限らず、この種の除電器に用いられる公知公用の送風機等の送出手段を採用してもよいし、送出手段を除電器7の本体とは別体に構成してもよい。
【0040】
本発明の除電器7に用いられるイオン発生素子10は、前述したように低電圧での駆動が可能であることから危険性が低減されているため、除電器7の前面や表面側にイオン発生素子10が露出させた構造を採ることも可能である。イオン発生素子10を露出させた構造を採ることにより、メンテナンス時の交換や清掃が容易であるだけでなく、発生するイオンを遮る構造材が減るため、イオン発生効率がより向上する。
【実施例】
【0041】
以下、実施例1及び2並びに比較例1及び2について下記表1に示す項目について評価した結果を表1に示す。
【0042】
条件について、計測器には除電器の評価に利用されるチャージプレートモニタ(プレート仕様=150mmラ150mm、20pF)を使用して計測した。イオンバランス及び除電時間の計測は、チャージプレートより300mmの距離で計測し、ファンの風量の違いを除外するために、すべての比較例において同一のファンを使用し、最大風速における計測値とした。また、計測時は、周辺に帯電物やイオン風を遮るものがないことを考慮し、イオンバランスの計測は電源投入後、イオンバランスが安定した後、1分間の最大値を記録し、除電時間に関しては、3回計測の平均値とした。
【0043】
実施例1
上記した図1に示す回路を有するイオン発生器(微細電極を有するイオン発生素子10と、2次回路がグラウンドから絶縁した構成と、正負極間に高圧コンデンサによる電圧バイアスした構成とを備える。)を用いた除電器により下記表1に示す項目について評価した。
実施例2
上記した図7に示す構成の回路を有するイオン発生器(高圧コンデンサを実装していない以外は実施例1と実質的に同様である、微細電極を有するイオン発生素子10と、2次回路がグラウンドから絶縁した構成とを備える。)を用いた除電器により下記表1に示す項目について実施例1と同様に評価した。
【0044】
比較例1
図9に示す構成の回路を有するイオン発生器(針状電極10Aと、2次回路がグラウンドから絶縁した構成とを備える。)を用いた除電器により下記表1に示す項目について実施例1と同様に評価した。
比較例2
図10に示す構成の回路を有するイオン発生器(実施例1と同様の微細電極を有するイオン発生素子10と、2次回路は接地した構成とを備える。)を用いた除電器により下記表1に示す項目について実施例1と同様に評価した。
【0045】
尚、図1、図7、図9及び図10において、同符号を付す構成については実質的に同構成を有するものとする。
【0046】
【表1】


@0001
【0047】
表1に示すように、本発明に係る除電器は表1に示す各項目のいずれにおいても良好な結果が得られることが判る。特に、実施例1の構成によれば、総評の点でも顕著な効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係るイオン発生器の一実施例の回路図を示す概略構成図
【図2】本発明に用いられるイオン発生素子の一例を示す構成図
【図3】放電電極の突起形状の複数例を示す説明図
【図4】誘導電極の形状の複数例を示す説明図
【図5】図1の回路における放電電極と誘導電極にかかる電圧波形を示すグラフ
【図6】一般的な電圧印加方式である接地電位(0V)を基準に印加する構成の放電電極と誘導電極にかかる電圧波形を示すグラフ
【図7】本発明に係るイオン発生器の一実施例の回路図を示す概略構成図
【図8】本発明に係る除電器の一実施例を示す斜視図
【図9】比較例1の除電器に用いられたイオン発生器の回路図を示す概略構成図
【図10】比較例2の除電器に用いられたイオン発生器の回路図を示す概略構成図
【出願人】 【識別番号】301021533
【氏名又は名称】独立行政法人産業技術総合研究所
【識別番号】394018225
【氏名又は名称】フィーサ株式会社
【出願日】 平成18年7月21日(2006.7.21)
【代理人】 【識別番号】100073210
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 信昭


【公開番号】 特開2008−27724(P2008−27724A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−198887(P2006−198887)