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【発明の名称】 マイナスイオン供給装置
【発明者】 【氏名】島田 斉嗣

【氏名】前田 泰志

【要約】 【課題】マイナスイオン供給装置10において、内側を流れる空気の圧力損失を低減し、かつ、異音の発生を低く抑えることである。

【構成】ダクト14を導電性材料により構成するとともに、ダクト14の下壁部56に円形孔58を形成することにより、円形孔58により正電極54を構成する。下壁部56の下側に固定した保持ケース48の内側に、基板型電源50と針状の負電極52とを固定し、基板型電源50の電源回路の負極側を負電極52に接続する。電源回路の正極側を、電線60を介してダクト14に接続する。電源回路により、負電極52と正電極54との間に高電圧を付与し、マイナスイオン33を発生させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を流す流路を有する流路構成部材と、
流路構成部材に支持されたマイナスイオン発生手段とを備え、
マイナスイオン発生手段は、針状電極と、針状電極に対向配置された対極電極と、針状電極および対極電極に電気的に接続した直流電流供給部とを備え、
針状電極と対極電極との間に高電圧を印加してコロナ放電を発生させることにより、針状電極と対極電極との間にマイナスイオンを発生させ、流路構成部材からマイナスイオン風を送り出すマイナスイオン供給装置であって、
流路構成部材の側面に形成された孔の内周部、またはこの孔にはめ込んだ部材に形成した第2の孔の内周部により、対極電極を構成しており、
流路構成部材の外側に針状電極の基端部を設けていることを特徴とするマイナスイオン供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載のマイナスイオン供給装置において、流路構成部材に外側に突出する状態で保持ケースを固定すると共に、保持ケースの内側に直流電流供給部と針状電極の基端部とを設けたことを特徴とするマイナスイオン供給装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のマイナスイオン供給装置において、流路構成部材に形成した孔にはめ込んだ保持ケースを備え、保持ケースは、流路構成部材の流路と対向する壁部に対極電極を構成する第2の孔を有し、保持ケースの内側に直流電流供給部と針状電極の基端部とを設けていることを特徴とするマイナスイオン供給装置。
【請求項4】
請求項2に記載のマイナスイオン供給装置において、保持ケースに、内側に空気を取り入れるための空気取り入れ口を設けていることを特徴とするマイナスイオン供給装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、空気を流す流路を有する流路構成部材と、流路構成部材に支持されたマイナスイオン発生手段とを備えたマイナスイオン供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、空気調和装置、空気清浄装置等の空気吹き出し口の周辺部にマイナスイオン発生装置を設けて、空気吹き出し口からマイナスイオンを含む空気流である、マイナスイオン風を吹き出させるマイナスイオン供給装置が知られている。例えば、特許文献1に記載されたマイナスイオン供給装置は、流路構成部材であり、リテーナとも呼ばれるダクトの内側にマイナスイオン発生手段を支持している。マイナスイオン発生手段は、ダクトの内側に針状電極支持部を突出させると共に、針状電極支持部の先端部に針状の負電極を固定している。また、ダクトの内側において、針状電極支持部に対向するように、複数のフィンを支持したフィン支持部またはダンパを設けている。そして、針状電極支持部の先端部に設けた針状の負電極と、フィンまたはダンパに設けた正電極とを対向させている。負電極と正電極との間に直流電源により高電圧を印加することにより、負電極と正電極との間にマイナスイオンを発生させ、ダクトの出口に設けた空気吹き出し口からマイナスイオン風を吹き出させるようにしている。
【0003】
一方、従来から、図6から図8に示すようなマイナスイオン供給装置10も考えられている。このマイナスイオン供給装置10は、自動車用の空気調和装置に組み込んだもので、空気吹き出し口12を有する流路構成部材であるダクト14と、ダクト14の内側に支持した、針状の負電極16および正電極18とを備える。針状の負電極16は、ダクト14の内周面から突出させた柱状の針状電極支持部20の先端部に固定している。負電極16は、空気の流れ方向(図6の矢印イ方向)と平行に向けている。
【0004】
また、ダクト14の内側において、針状電極支持部20よりも空気吹き出し口12側(図6の左側、図7の表側)に、電極一体柱部22を設けている。電極一体柱部22も、針状電極支持部20と同様に、ダクト14の内側に突出させている。そして、電極一体柱部22の先端部に設けた孔24の内周部により、正電極18を構成している。負電極16の先端部は、正電極18の内周に対向させている。正電極18と負電極16とは、直流電流を供給する図示しない直流電源の正極側と負極側とに、それぞれ電気的に接続している。
【0005】
また、ダクト14の内側で針状の負電極16よりも空気吹き出し口12と反対側(図6の右側)に、開度調整用ダンパ25を設けている。また、ダクト14の内側の空気吹き出し口12付近に、方向調節可能な複数の横フィン26を設けると共に、ダクト14の内側において、横フィン26よりも電極一体柱部22側(図6の右側)に、やはり方向調節可能な複数の縦フィン28を設けている。縦フィン28は、横フィン26の配列方向(図6の上下方向)に対し直交する方向(図6の表裏方向)に複数配列している。
【0006】
また、ダクト14の端部は、別のダクト30の端部にはめ合わせて、配管32を構成している。そして、配管32の内側に設けた図示しない送風手段を駆動させることにより、図示しない空気取り入れ口から取り入れた空気を、配管32の内側に図6の矢印イ方向に流し、空気吹き出し口12から吹き出させるようにしている。
【0007】
このような図6から図8に示したマイナスイオン供給装置10は、直流電源により針状の負電極16と正電極18との間に高電圧を印加することにより、負電極16の先端と正電極18の内周部との間に、図6に模型的に示すマイナスイオン33を発生させることができる。このため、ダクト14内に空気調和用の空気を流すことにより、空気吹き出し口12からマイナスイオン風を吹き出させることができる。
【0008】
なお、負電極16を針状電極支持部20に固定するために、図8に示すように、針状電極支持部の先端部にねじ孔34を形成している。そして、負電極16の基端部に一体に設けた結合板部36に形成した孔38に、ボルト40のねじ部を挿通させ、ねじ部をねじ孔34にねじ結合している。
【0009】
【特許文献1】特開2006−4836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の特許文献1に記載された構造、上記の図6から図8に示した構造のいずれの場合も、針状の負電極16と正電極18とを、ダクト14の内側の空気流路44内に設けている。このため、ダクト14内を流れる空気の圧損が増大したり、異音が発生する可能性がある。例えば、図6から図8に示した構造の場合、針状の負電極16を支持した針状電極支持部20をダクト14の内周面から内側に突出させると共に、正電極18を一体に設けた電極一体柱部22も、ダクト14の内周面から内側に突出させている。このため、上記の図6から図8に示した構造の場合、針状電極支持部20および電極一体柱部22が、ダクト14内を流れる空気の流れに対する妨げとなって、空気の圧損が増大したり、耳障りな異音が発生する可能性がある。空気の圧損が増大する場合には、空気を送るために設ける送風手段を駆動するための燃費や電力消費量が増大する可能性がある。
【0011】
本発明の目的は、マイナスイオン供給装置において、内側を流れる空気の圧力損失を低減し、かつ、異音の発生を低く抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るマイナスイオン供給装置は、空気を流す流路を有する流路構成部材と、流路構成部材に支持されたマイナスイオン発生手段とを備え、マイナスイオン発生手段は、針状電極と、針状電極に対向配置された対極電極と、針状電極および対極電極に電気的に接続した直流電流供給部とを備え、針状電極と対極電極との間に高電圧を印加してコロナ放電を発生させることにより、針状電極と対極電極との間にマイナスイオンを発生させ、流路構成部材からマイナスイオン風を送り出すマイナスイオン供給装置であって、流路構成部材の側面に形成された孔の内周部、またはこの孔にはめ込んだ部材に形成した第2の孔の内周部により、対極電極を構成しており、流路構成部材の外側に針状電極の基端部を設けていることを特徴とすることを特徴とするマイナスイオン供給装置である。
なお、「針状電極に対向配置された対極電極」とは、対極電極の内周面が針状電極の外周面に対し直交する方向に向かい合うように対極電極を配置する他、対極電極の内周面が針状電極の外周面に対し傾斜する方向に向かい合うように対極電極を配置する状態も含む。例えば、針状電極の先端部を対極電極の内周の内側に挿入して針状電極の外周面に対極電極を対向させる場合の他、対極電極の内周に針状電極を挿入しないで、対極電極の内周内の空間と針状電極の先端との間に対極電極の中心軸方向の隙間が存在するようにして、針状電極の外周面に対極電極を対向させてもよい。また、「流路構成部材の外側」とは、流路構成部材を介して空気を流す流路と反対側をいう。また、直流電流供給部は、基板型電源等、直流電流を供給できるものであればよい。
【0013】
また、好ましくは、流路構成部材の外側に直流電流供給部を設ける。
【0014】
また、本発明に係るマイナスイオン供給装置において、好ましくは、流路構成部材に外側に突出する状態で保持ケースを固定すると共に、保持ケースの内側に直流電流供給部と針状電極の基端部とを設ける。
【0015】
また、本発明に係るマイナスイオン供給装置において、好ましくは、流路構成部材に形成した孔にはめ込んだ保持ケースを備え、保持ケースは、流路構成部材の流路と対向する壁部に対極電極を構成する第2の孔を有し、保持ケースの内側に直流電流供給部と針状電極の基端部とを設ける。
【0016】
また、本発明に係るマイナスイオン供給装置において、流路構成部材に外側に突出する状態で保持ケースを固定すると共に、保持ケースの内側に直流電流供給部と針状電極の基端部とを設けた構成において、好ましくは、保持ケースに、内側に空気を取り入れるための空気取り入れ口を設ける。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るマイナスイオン供給装置によれば、流路構成部材の内側に、電極および電極を支持した部材を大きく突出させる必要がなくなる。このため、電極および電極を支持した部材が流路構成部材内を流れる空気の流れの妨げとなりにくくなり、流路構成部材内を流れる空気の圧力損失を低減できると共に、異音の発生を低く抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[第1の発明の実施の形態]
以下において、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1から図2は、第1の実施の形態を示している。本実施の形態に係るマイナスイオン供給装置10は、上記の図6から図8に示した従来から考えられている構造と同様に、自動車用の空気調和装置の流路構成部材であるダクト14と、マイナスイオン発生手段42と、図示しない送風手段とを備える。ダクト14は、端部に空気吹き出し口12を設け、内側に空気を流す空気流路44を有する。ダクト14の内側に、方向調節可能な複数の横フィン26と縦フィン28とを設けるのは、上記の図6から図8に示した構造と同様である。また、ダクト14の内側で、縦フィン28よりも空気吹き出し口12と反対側(図1の右側)に、開度調整用ダンパ25を設けている。開度調整用ダンパ25は、水平方向の揺動軸46を中心として揺動変位可能である。
【0019】
特に、本実施の形態の場合、ダクト14を、導電性材料である導電性樹脂により構成している。例えば、導電性樹脂は、10Ωから1012Ωの固有電気抵抗値を有するものとする。このようなダクト14は、別のダクト30の端部にはめ合わせる等により、空気調和装置の配管32を構成する。また、配管32において、空気吹き出し口12と反対側に、図示しない送風手段を設けると共に、送風手段と開度調整用ダンパ25との間に、図示しないエバポレータとヒータコアとを設けている。送風手段の駆動により配管32の図示しない空気取り入れ口から取り入れられた空気は、図1に矢印イで示す方向に流れて、温度を調整された後、空気吹き出し口12から吹き出させる。空気吹き出し口12は、例えば、自動車のインスツルメントパネルの前面部分に設ける。
【0020】
マイナスイオン発生手段42は、ダクト14の外側に固定した保持ケース48と、保持ケース48の内側に支持した直流電流供給部である、基板型電源50と、針状電極である針状の負電極52と、対極電極であるリング状の正電極54とを備える。このうちの保持ケース48は、上端が開口した直方体状である。また、ダクト14を構成する下壁部56の、縦フィン28と開度調整用ダンパ25との間に、上下に貫通する円形孔58を形成している。円形孔58の内周面部分が、リング状の正電極54を構成する。したがって、この正電極54も、導電性樹脂により構成されている。保持ケース48は、円形孔58の下端開口を囲むように、ダクト14の下壁部56の下側に固定している。
【0021】
また、基板型電源50は、保持ケース48の内側に固定している。基板型電源50の基板の先端部(図1の左端部)に、針状の負電極52の基端部(図1の下端部)を固定しており、負電極52と基板型電源50の電源回路の負極側とを電気的に接続している。負電極52は、上方に向けた先端部を円形孔58の内側に円形孔58の中心軸方向(または中心軸方向と平行な方向)に挿入することにより、負電極52の先端部と正電極54の内周とを対向させている。なお、基板型電源50は、直流電流を供給可能で、かつ、供給する電気量を制御可能である。また、基板型電源50に、自動車用バッテリ(直流12V、24V等)や、商用電源(交流100V等)(図示せず)等の外部電源から電力を図示しない制御回路に入力した後、基板型電源50に供給している。
【0022】
制御回路は、外部から供給される電圧値を安定化させて基板型電源50を安定に動作させる役目を有する。例えば、外部電源が自動車用バッテリの場合、自動車の運転状態により定格12Vの電圧値が8V程度から16V程度まで変動する。このため、外部電源から基板型電源50にそのまま入力すると、出力される電圧が変動し、マイナスイオンの発生が不安定になる可能性があるので、この問題に対する対策を講じる必要がある。本実施例の場合には、制御回路を設けることにより、対策を講じている。ただし、基板型電源50の基板に制御回路を搭載することもできる。
【0023】
また、負電極52の先端は、ダクト14の下壁部56の上面から全く突出させないか、またはほとんど突出させない。基板型電源50の電源回路の正極側は、電線60を介して正電極54に電気的に接続している。基板型電源50は、負電極52と正電極54との間に、例えば約−3kVの高電圧を付与し、負電極52と正電極54との間にコロナ放電を生じさせることにより、負電極52と正電極54との間に、図1に模型的に示すようなマイナスイオン33を発生させる。
【0024】
また、保持ケース48と基板型電源50と負電極52とは、ダクト14とは別体のマイナスイオン発生ユニットとして、ダクト14に対し容易に取り付け可能としている。例えば、ダクト14に接続した電線60の端部にコネクタ(図示せず)を設け、このコネクタと、基板型電源50の電源回路の正極側に接続した電線の端部に設けたコネクタ(図示せず)とを着脱可能とする。また、保持ケース48をダクト14に取り付け可能とするために、保持ケース48の上端面の複数個所に突部を設け、この突部をダクト14の下壁部56に形成した係止孔に挿入する等の手段を採用できる。
【0025】
上述のように構成する本実施の形態のマイナスイオン供給装置によれば、空気取り入れ口から取り入れた空気を、負電極52および正電極54の周辺部を通過させた後、空気吹き出し口12からマイナスイオン風として吹き出させることができる。また、本実施の形態によれば、正電極54と、負電極52と、正電極54および負電極52を支持した部材とを、ダクト14の内側に大きく突出させる必要がなくなる。このため、電極54,52および電極54,52を支持した部材がダクト14内を流れる空気の流れに対する妨げとなりにくくなり、ダクト14内を流れる空気の圧力損失を低減できると共に、異音の発生を低く抑えることができる。
【0026】
さらに、ダクト14の外側に保持ケース48を固定すると共に、保持ケース48の内側に基板型電源50および負電極52の基端部を設けているため、保持ケース48が円形孔58の外端開口を覆う蓋の役目を果たし、マイナスイオン33が円形孔58を通じて保持ケース48の外側に放出されにくくなる。また、組立作業時に、電極52,54や電極52,54を支持した部材を、ダクト14の内周面から突出するように設ける必要がなくなる。また、ダクト14と別体の保持ケース48に、針状の負電極52と基板型電源50とを組み付けた後に、保持ケース48をダクト14に固定すればよく、困難な作業を必要としない。さらに、保持ケース48は上端が開口しており、電線60の接続作業は容易に行える。この為、組み立て作業の容易化を図れる。また、本実施の形態の場合、電極52,54に妨げられることなく、縦フィン28と開度調整用ダンパ25との間隔を小さくできる。このため、ダクト14の内側の空間を有効活用しやすくなる。
【0027】
これに対して、上記の図6から図8に示した従来から考えられている構造の場合、ダクト14の内側に針状電極支持部20および電極一体柱部22を設けるために、針状の負電極16、針状電極支持部20および電極一体柱部22をダクト14の内側に取り付けたり、電線(リード線)をダクト14の内側に引き入れる必要がある場合がある。この場合には、マイナスイオン供給装置10の組み立て作業が手間を要し、面倒になる。また、近年、ダクト14内において、縦フィン28と開度調整用ダンパ25との間の距離を小さくする要望があるのに対し、縦フィン28と開度調整用ダンパ25との間になんらかの部材があることはダクト14の内側の空間を有効活用する面から好ましくない。本実施の形態によれば、上記のような効果を得られるため、このような不都合をなくすことができる。すなわち、本実施の形態によれば、組立作業の容易化を図れると共に、縦フィン28と開度調整用ダンパ25との間隔を小さくできる。また、ダクト14の長さを短くしやすくできる。
【0028】
なお、本実施の形態の場合、ダクト14の下壁部56に円形孔58を設け、下壁部56の下側に保持ケース48を固定したが、本発明はこのような構造に限定するものではなく、ダクト14の上壁部62、横壁部64のいずれかに円形孔58を設けてもよい。また、これに合わせて、負電極52の基端部を固定した保持ケース48を、ダクト14の上壁部62の上側、横壁部64の外側のいずれかに設けることもできる。また、基板型電源50から導出した電線60をダクト14に接続する部分は図1に示すような下壁部56に限定するものではなく、ダクト14のいずれの部分に接続することもできる。
【0029】
[第2の発明の実施の形態]
図3は、本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の場合には、上記の第1の実施の形態の場合と異なり、ダクト14を、例えば、1015Ω以上の固有電気抵抗値を有する非導電性樹脂等の非導電性を有する材料により造っており、その代わりに、保持ケース48を、例えば、10Ωから1012Ωの固有電気抵抗値を有する導電性樹脂等の導電性材料により造っている。また、ダクト14の下壁部56に上下方向に貫通する矩形状孔66を形成すると共に、矩形状孔66に保持ケース48の上端部をはめ合わせている。保持ケース48の上端部は下壁部56の上面から、ダクト14内に全く突出させないか、ほとんど突出させない。そして、保持ケース48の下端部を下壁部56の下面から下方に突出させている。
【0030】
保持ケース48は、上端部に上壁部68を有し、上壁部68に上下方向に貫通する第2の孔である、円形孔70を形成している。そして、基板型電源50(図1参照)の基板に固定した針状の負電極52の先端部を、円形孔70に挿入している。負電極52の先端部は、保持ケース48の上壁部68の上面から全く突出させないか、ほとんど突出させない。本実施の形態の場合には、上壁部68に形成した円形孔70の内周部が正電極54となる。
【0031】
このような本実施の形態の場合も、上記の第1の実施の形態と同様に、負電極52と正電極54との間に高電圧を付与し、負電極52と正電極54との間にコロナ放電を生じさせることにより、負電極52と正電極54との間にマイナスイオンを発生させることができる。また、空気取り入れ口から取り入れた空気を、空気吹き出し口12(図1参照)からマイナスイオン風として吹き出させることができる。
その他の構成および作用については、上記の第1の実施の形態と同様であるので、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0032】
[第3の発明の実施の形態]
図4は、本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の場合には、上記の図1から図2に示した第1の実施の形態の場合において、ダクト14と保持ケース48との両方を、非導電性樹脂等の非導電性を有する材料により造っている。その代わりに、本実施の形態の場合には、ダクト14の下壁部56に形成した円形孔58に短円筒状の正電極リング72をはめ合わせている。そして、下壁部56の下側に保持ケース48を固定すると共に、保持ケース48に固定した負電極52の先端部を正電極リング72の内周部に対向させている。
【0033】
また、保持ケース48の上部に上壁部68を設けて、上壁部68に形成した円形孔70を通じて負電極52の先端部を露出させている。正電極リング72は、保持ケース48の上壁部68に形成した円形孔70にもはめ合わせている。本実施の形態の場合、正電極リング72の内周が第2の孔となる。正電極リング72は、基板型電源50(図1参照)の電源回路の正極側と接続している。本実施の形態は、ダクト14と保持ケース48との両方を導電性材料により構成することが困難な場合に特に有効である。
その他の構成および作用については、上記の図1から図2に示した第1の実施の形態と同様であるので、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0034】
[第4の発明の実施の形態]
図5は、本発明の第4の実施の形態を示している。本実施の形態の場合には、上記の図1から図2に示した第1の実施の形態において、ダクト14の下壁部56に形成した円形孔58よりも風上側(図5の右側)に、空気排出孔74を形成している。そして、保持ケース48の上端開口の風上側端部を、空気排出孔74と対向する位置に設けている。
【0035】
本実施の形態の場合、保持ケース48の上端開口の風上側端部が、空気取り入れ口となる。また、保持ケース48の空気取り入れ口12側の横壁部76を、上端に向かうほどダクト14内の空気の流れ方向反対側(図5の右側)に向かう方向に傾斜させている。また、ダクト14の下壁部56の、空気排出孔74の開口周辺部の風下側(図5の左側)に立壁部78を形成している。この立壁部78により、ダクト14内を流れる空気を保持ケース48内に導入しやすくできる。
【0036】
このような本実施の形態の場合、ダクト14内を流れる空気の一部を保持ケース48内に導入し、保持ケース48の円形孔58を通じてダクト14内に再び戻すことができる。このため、負電極52の先端部と円形孔58の内周部との間に生じ、保持ケース48内に溜まったマイナスイオン33を、より効率的にダクト14内に送り出すことができる。
その他の構成および作用については、上記の図1から図2に示した第1の実施の形態と同様であるので、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
なお、このような本実施の形態は、上記の図3から図4に示した第2の実施の形態および第3の実施の形態と組み合わせて実施することもできる。この場合、空気取り入れ口は、保持ケース48の上壁部68(図3、図4参照)の端部に形成する。
【0037】
なお、上記の各実施の形態においては、針状の負電極52の先端部をリング状の正電極54の内側に挿入しているが、本発明は、このような構造に限定するものではなく、負電極52の先端部を正電極54の内側に挿入しないで正電極54の内周内の円柱状空間と負電極52の先端との間に正電極54の中心軸方向または中心軸と平行な方向の隙間を設けることもできる。
また、上記の各実施の形態においては、基板型電源50の基板に直接、針状の負電極52を固定しているが、本発明はこのような構造に限定するものではない。負電極52を保持ケース48の、基板型電源50を固定した部分と別の部分に固定することもできる。また、上記の各実施の形態において、マイナスイオン供給装置10の空気吹き出し口12を、自動車のセンターコンソールボックスの後席側端部に設ける等により、後席側の乗員用にマイナスイオン風を吹き出させる構成とすることもできる。また、マイナスイオン供給装置10の空気吹き出し口12を、自動車の車室内上部(オーバヘッド部)に設け、上部からマイナスイオン風を吹き出させる構成とすることもできる。
【0038】
また、上記の説明は、本発明を空気調和装置に組み込んだ場合について説明したが、本発明は、このような構成に限定するものではない。例えば、本発明のマイナスイオン供給装置を空気清浄機に組み込んで、空気吹き出し口から清浄な空気を、マイナスイオン風として吹き出させることもできる。このような用途に使用する場合も、本発明を適用することにより、空気清浄機の空気流路を流れる空気の圧損を低減すると共に、異音の発生を抑制できる。この場合、例えば、空気吹き出し口を有する流路構成部材の外側に、マイナスイオン発生手段を支持する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】第1の発明の実施の形態のマイナスイオン供給装置を示す部分断面図である。
【図2】図1において、ダクトの一部を切断して示す略斜視図である。
【図3】第2の発明の実施の形態のマイナスイオン供給装置において、図2でダクトと保持ケースとの組み付け前に相当する図である。
【図4】第3の発明の実施の形態のマイナスイオン供給装置において、図2でダクトと正電極リングと保持ケースとの組み付け前に相当する図である。
【図5】第4の発明の実施の形態のマイナスイオン供給装置を示す部分断面図である。
【図6】マイナスイオン供給装置の従来から考えられている構造の1例を示す部分断面図である。
【図7】図6において、ダクトの一部を切断して示す略斜視図である。
【図8】図7において、負電極および正電極とその周辺部とのみを取り出して、負電極の基端部を針状電極支持部に結合する前の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
10 マイナスイオン供給装置、12 空気吹き出し口、14 ダクト、16 負電極、18 正電極、20 針状電極支持部、22 電極一体柱部、24 孔、25 開度調整用ダンパ、26 横フィン、28 縦フィン、30 ダクト、32 配管、33 マイナスイオン、34 ねじ孔、36 結合板部、38 孔、40 ボルト、42 マイナスイオン発生手段、44 空気流路、46 揺動軸、48 保持ケース、50 基板型電源、52 負電極、54 正電極、56 下壁部、58 円形孔、60 電線、62 上壁部、64 横壁部、66 矩形状孔、68 上壁部、70 円形孔、72 正電極リング、74 空気排出孔、76 横壁部、78 立壁部。
【出願人】 【識別番号】000185617
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
【出願日】 平成18年7月11日(2006.7.11)
【代理人】 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二

【識別番号】100096976
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 純


【公開番号】 特開2008−21430(P2008−21430A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−190014(P2006−190014)