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【発明の名称】 イオン発生装置及びこれを備える電気機器
【発明者】 【氏名】野田 芳行

【要約】 【課題】組み立てが簡単な構成のイオン発生装置を提供する。

【構成】イオン発生素子4と、高電圧をイオン発生素子4に印加する高電圧印加回路と、前記高電圧印加回路の入力端に接続されるコネクタ6と、前記高電圧印加回路を構成する回路部品(昇圧コイル9、スイッチング素子10、電子部品11等)及びコネクタ6を実装する回路基板8と、回路基板8を内部に格納するハウジング2と、ハウジング2と一体であるコネクタ支持部2Dとを備え、コネクタ6とコネクタ支持部2Dとが接着されているイオン発生装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧の印加によりイオンを発生させるイオン発生素子と、
前記高電圧を前記イオン発生素子に印加する高電圧印加回路と、
前記高電圧印加回路の入力端に接続されるコネクタと、
前記高電圧印加回路を構成する回路部品の一部又は全部及び前記コネクタを実装する回路基板と、
前記回路基板を内部に格納するハウジングと、
前記ハウジングと一体であるコネクタ支持部とを備え、
前記コネクタと前記コネクタ支持部とが接着されていることを特徴とするイオン発生装置。
【請求項2】
前記イオン発生素子が放電電極と誘導電極と誘電体とを有し、
前記誘電体の表面に前記放電電極が形成され、前記誘電体の表面の対向面である前記誘電体の裏面に対してほぼ平行に接近させて導電性のシールド板を設ける請求項1に記載のイオン発生装置。
【請求項3】
前記ハウジング内の下部空間が充填樹脂により充填され、前記ハウジング内の上部空間が前記充填樹脂により充填されておらず、
前記コネクタが嵌合穴部を有し、
前記嵌合穴部と前記コネクタ支持部との接触部の少なくとも一部が前記下部空間と前記上部空間との境界面よりも上方に位置し、
前記充填樹脂が、硬化前に表面張力により前記嵌合穴部と前記コネクタ支持部との接触部の少なくとも一部に侵入する請求項1又は請求項2に記載のイオン発生装置。
【請求項4】
前記ハウジング内の下部空間が充填樹脂により充填され、前記ハウジング内の上部空間が前記充填樹脂により充填されておらず、
前記コネクタがコネクタ本体よりも下方に位置する段差部を有し、
前記段差部と前記コネクタ支持部との接触部が前記下部空間と前記上部空間との境界面よりも上方に位置し、
前記充填樹脂が、硬化前に表面張力により前記段差部と前記コネクタ支持部との接触部に侵入する請求項1又は請求項2に記載のイオン発生装置。
【請求項5】
前記ハウジングが底部にイオン発生素子装着部を有し、前記イオン発生素子と前記イオン発生素子装着部との間にシール部材を設ける請求項3又は請求項4に記載のイオン発生装置。
【請求項6】
前記高電圧印加回路と前記イオン発生素子とを電気的に接続するための接続端子を備え、前記イオン発生素子に接続された接続端子を前記ハウジングが保持する請求項5に記載のイオン発生装置。
【請求項7】
前記ハウジングが底部に設けたボスにより前記イオン発生素子を保持する請求項5に記載のイオン発生装置。
【請求項8】
前記ハウジングが上部開口部を有し、前記上部開口部を覆うカバーの下端に複数の突出部を設け、前記複数の突出部の先端が、前記下部空間と前記上部空間との境界面よりも下方に位置する請求項3〜7にいずれかに記載のイオン発生装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のイオン発生装置と、前記イオン発生装置で発生したイオンを電気機器外部の空気中に送出する送出手段とを備えることを特徴とする電気機器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、高電圧の印加によりイオンを発生させるイオン発生素子を有するイオン発生装置及びこれを備える電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のイオン発生装置の一例を図8に示す。図8(a)は外観図であり、図8(b)は内部構成図である。従来のイオン発生装置101において、ハウジング102の開口部はカバー103によって閉塞されており、イオン発生素子104はカバー103に埋設されている。カバー103には充填樹脂の注入口105が設けられている。電線(被覆線)106及びコネクタ107は、イオン発生素子104に高電圧を印加する電圧印加回路に外部電源から電力を供給するためのものであり、電線106がハウジング102を貫通するため、その貫通部分から硬化前の充填樹脂が漏れないようにシールするゴムブッシュ108が設けられている。従来のイオン発生装置101は、この様な構造でハウジング102とカバー103で囲まれた筐体の内部ほぼ全てに充填樹脂が充填されている。
【特許文献1】特開2003−45611号公報
【特許文献2】特開2004−111135号公報
【特許文献3】特開2005−317204号公報
【特許文献4】特開2004−311630号公報
【特許文献5】特開2004−164917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来のイオン発生装置101は、電線106がハウジング102を貫通するようにし、ゴムブッシュ108を設け、電線106の一端にコネクタ107を接続する構成であるため、組み立てに手間がかかっていた。
【0004】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、組み立てが簡単な構成のイオン発生装置及びこれを備えた電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明に係るイオン発生装置は、高電圧の印加によりイオンを発生させるイオン発生素子と、前記高電圧を前記イオン発生素子に印加する高電圧印加回路と、前記高電圧印加回路の入力端に接続されるコネクタと、前記高電圧印加回路を構成する回路部品の一部又は全部及び前記コネクタを実装する回路基板と、前記回路基板を内部に格納するハウジングと、前記ハウジングと一体であるコネクタ支持部とを備え、前記コネクタと前記コネクタ支持部とが接着されている。
【0006】
このような構成によると、前記ハウジングの内部に前記コネクタが設けられているので、図8に示す従来のイオン発生装置101に比べて、組み立てが簡単である。
【0007】
上記構成のイオン発生装置において、前記イオン発生素子が放電電極と誘導電極と誘電体とを有し、前記誘電体の表面に前記放電電極が形成され、前記誘電体の表面の対向面である前記誘電体の裏面に対してほぼ平行に接近させて導電性のシールド板を設けてもよい。
【0008】
このような構成によると、前記シールド板をグランドに接続することで、前記イオン発生素子での放電で発生する電磁ノイズをグランドに誘導することができるため、前記イオン発生素子での放電に起因して空中に出てくる電磁ノイズを低減させることも可能となる。
【0009】
上記各構成のイオン発生装置において、前記ハウジング内の下部空間が充填樹脂により充填され、前記ハウジング内の上部空間が前記充填樹脂により充填されておらず、前記コネクタが嵌合穴部を有し、前記嵌合穴部と前記コネクタ支持部との接触部の少なくとも一部が前記下部空間と前記上部空間との境界面よりも上方に位置し、前記充填樹脂が、硬化前に表面張力により前記嵌合穴部と前記コネクタ支持部との接触部の少なくとも一部に侵入するようにしてもよい。また、上記各構成のイオン発生装置において、前記ハウジング内の下部空間が充填樹脂により充填され、前記ハウジング内の上部空間が前記充填樹脂により充填されておらず、前記コネクタがコネクタ本体よりも下方に位置する段差部を有し、前記段差部と前記コネクタ支持部との接触部が前記下部空間と前記上部空間との境界面よりも上方に位置し、前記充填樹脂が、硬化前に表面張力により前記段差部と前記コネクタ支持部との接触部に侵入するようにしてもよい。
【0010】
これらの構成によると、前記充填樹脂が硬化する前に表面張力を利用して前記充填樹脂の界面より上の位置まで前記充填樹脂を吸い上げているので、前記充填樹脂の使用量を抑えることが可能となる。
【0011】
上述したハウジング内の下部空間が充填樹脂により充填されるイオン発生装置において、前記ハウジングが底部にイオン発生素子装着部を有し、前記イオン発生素子と前記イオン発生素子装着部との間にシール部材を設けるようにしてもよい。これにより、硬化前の充填樹脂が前記イオン発生素子と前記イオン発生素子装着部との間から漏れることを防止することができる。このような構成の場合、上記シール部材によるシールを確実にするために、前記高電圧印加回路と前記イオン発生素子とを電気的に接続するための接続端子を備え、前記イオン発生素子に接続された接続端子を前記ハウジングが保持するようにしてもよい。また、このような構成の場合、上記シール部材によるシールを確実にするために、前記ハウジングが底部に設けたボスにより前記イオン発生素子を保持するようにしてもよい。
【0012】
上述したハウジング内の下部空間が充填樹脂により充填される各構成のイオン発生装置において、前記ハウジングが上部開口部を有し、前記上部開口部を覆うカバーの下端に複数の突出部を設け、前記複数の突出部の先端が、前記下部空間と前記上部空間との境界面よりも下方に位置するようにしてもよい。これにより、前記充填樹脂の使用量を増加させることなく、上記カバーの保持も可能となる。
【0013】
また、本発明に係る電気機器は、上記いずれかの構成イオン発生装置と、前記イオン発生装置で発生したイオンを電気機器外部の空気中に送出する送出手段とを備えるようにする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るイオン発生装置によると、ハウジング内にコネクタが設けられているので、組み立てが簡単である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。本発明に係るイオン発生装置の外観を図1に示す。図1(a)は上面図であり、図1(b)は側面図であり、図1(c)は下面図である。図1において、後述する図4と同一の部分には同一の符号を付す。
【0016】
本発明に係るイオン発生装置1は、ハウジング2と、ハウジング2の開口部を閉塞するカバー3とを備えている。ハウジング2には、イオン発生素子装着部22(図1において不図示。図4を参照)が設けられており、そこにイオン発生素子4が取り付けられている。また、ハウジング2には、本発明にイオン発生装置1を電気機器の所定の箇所に取り付けるための取り付け足2A及び2Bが設けられている。カバー3には、充填樹脂の注入口5が設けられている。そして、ハウジング2内部には、コネクタ6が設けられている。コネクタ6は、イオン発生素子4に高電圧を印加する電圧印加回路に外部電源から電力を供給するためのものであり、当該電圧印加回路の入力端に接続されている。
【0017】
続いて、本発明に係るイオン発生装置の内部構成を図2に示す。図2(a)は側断面図であり、図2(b)は奥行き方向の断面の部分拡大図であり、図2(c)は側断面の部分拡大図であり、図2(d)は回路基板組品及びシールドケースを示す図である。図2において、図1及び後述する図4と同一の部分には同一の符号を付す。
【0018】
回路基板組品7は、回路基板8上にイオン発生素子4に印加する高電圧発生のための回路部品を実装したものである。回路基板8上には、コネクタ6、昇圧コイル9、スイッチング素子10、その他必要な電子部品11(一部のみ図示)が実装されている(図2(d)を参照)。回路基板8上に実装される部品であって放射ノイズを発生する部品、すなわち昇圧コイル9、スイッチング素子10等は、シールドケース12によって覆われる(図2(a)及び図2(d)を参照)。シールドケース12は回路基板組品7に差し込みが可能な矩形の開口を備え、回路基板組品7の側方から差し込まれている(図2(a)及び図2(d)を参照)。
【0019】
回路基板組品7は、ハウジング2内部に格納され、ハウジング2の基板保持部2C(複数)により保持されている(図2(a)を参照)。
【0020】
ハウシング2内に、接続端子ガイド13a、13b、14a、及び14b(14a及び14bは図2において不図示)が設けられており、その設置位置は、イオン発生素子4の放電電極接点4A及び誘導電極接点4Bと、電極部加熱手段15の一対の接続端子18及び19(図2において不図示)の四点にそれぞれ対応している(図2(b)を参照)。イオン発生素子4は、ハウシング2のイオン発生素子装着部22(図4を参照)との間にはさみこまれているリング状のシール部材16を圧接しながら、イオン発生素子装着部18(図4を参照)に密着し、充填樹脂17が充填されてから硬化するまでの間シール効果を発揮する。
【0021】
充填樹脂17は、ハウジング2内の一部(回路基板8の上面少し上の位置まで)に充填される(図2(c)を参照)。イオン発生素子4が例えば冷房装置の送風部分に配置された場合、冷風でイオン発生素子4が冷却されて、熱伝導でハウジング2内部が冷やされ、ハウジング2内部で結露が発生するおそれがある。充填樹脂17は、結露が回路基板8上に実装される各種回路部品に悪影響を与える事を防止する。
【0022】
次に、図3を参照してイオン発生素子4について説明する。図3(a)は平面図であり、図3(b)は横側断面の模式図であり、図3(c)は、縦側断面の模式図である。
【0023】
イオン発生素子4は、放電電極接点4Aと、誘導電極接点4Bと、放電電極4Cと、誘導電極4Dと、コーティング層(保護層)4Eと、誘電体4Fとを有しており、放電電極4Cと誘導電極4Dとの間の電位差に基づいて発生する放電(例えば放電電極4C付近でのコロナ放電)により、イオン(例えば、正負両イオン)を発生させるものである。
【0024】
誘電体4Fは、略直方体形状の上部誘電体4Faと下部誘電体4Fbとを貼り合わせた平板状で構成されている。誘電体4Fの材料としては、有機物であれば耐酸化性に優れた材料が好適であり、例えばポリイミドまたはガラスエポキシ等の樹脂を使用することができる。また、誘電体4Fの材料として無機物を選択するのであれば、純度の高いアルミナ、結晶化ガラス、フォルステライト、ステアタイト等のセラミックを使用することができる。なお、耐食性の面を考えれば、誘電体4Fの材料として無機系のもののほうが望ましく、さらに、成形性や後述する電極形成の容易性を考えれば、セラミックを用いて成形することが好ましい。また、放電電極4Cと誘導電極4Dとの間の絶縁抵抗が均一であることが望ましいため、材料内部の密度バラツキが少なく、誘電体4Fの絶縁率が均一であればあるほど好適である。
【0025】
続いて、イオン発生素子4の放電電極4Cの形状について説明する。放電電極4Cは上部誘電体4Faの上部に形成されている。位置関係をわかりやすくするために、図3(a)では、誘導電極4Dと電極部過熱手段15は実際には見えないが、見えるように表示している。放電電極4Cは、上部誘電体4Fa上においてリング状に形成されている。より詳しく説明すると、放電電極4Cは、誘電体4F(上部誘電体4Fa)の中心部にリング状に形成され、リング状の外周部と、リング状の外周部に連続的に鋸刃状に形成される複数の先鋭部4Caと、端子部4Cbと、リング状の一部と端子部4Cbとを連結する連結部4Ccとで構成されており、全体として平面視でリング状に形成されている。放電電極4Cの端子部4Cbと上述の放電電極接点4Aとは接続経路4Gを介して接続されている。
【0026】
続いて、イオン発生素子4の誘導電極4Dについて説明する。誘導電極4Dは、誘電体4Fの内部(上部誘電体4Faと下部誘電体4Fbとの間)に形成され、放電電極4Cと対向して配置されている。これは、放電電極4Cと誘導電極4Dとの間の絶縁抵抗は均一であることが望ましく、放電電極4Cと誘導電極4Dとは平行であることが望ましいからである。このような配置により、放電電極4Cと誘導電極4Dとの距離が一定となるので、放電電極4Cと誘導電極4Dとの間の放電状態が安定し、イオン(例えば、正負両イオン)を好適に発生させることが可能となる。
【0027】
続いて、電極部過熱手段15の詳細について説明する。電極部過熱手段15は、イオン発生素子4の誘電体4F(下部誘電体4Fb)の外面側中央部に設けられ、電極部過熱手段15には、電極部過熱手段15に外部電源から電力を供給するための接続端子18及び19が接続されている。電極部を過熱する目的は、特開平9−213450号公報、特開2004−159753号公報、特開2003−123939号公報等に記載されているが、電極部への結露や吸湿により、放電が不安定になったり、イオンが減少するのを防止するためである。電極部過熱手段15としては、抵抗、ヒータ、正特性の抵抗等が挙げられる。
【0028】
次に、図4を参照して本発明に係るイオン発生装置1の具体的な組み立ての手順について説明する。なお、図4は、本発明に係るイオン発生装置1の分解斜視図である。
【0029】
まず、最初に接続端子20a、20b、21a、及び21bをハウジング2の接続端子ガイド13a、13b、14a、及び14b(13a及び14bは図4において不図示)それぞれに挿入し、接続端子20a、20b、21a、及び21bをハウジング2の接続端子ガイド13a、13b、14a、及び14bにそれぞれ保持させる。
【0030】
次にイオン発生素子装着部22にシール部材16をはめ込み、その上にイオン発生素子4を載せて少し押さえた状態で、加熱治具を使用してハウジング2のイオン発生素子取り付けボス23を溶着する。図5を参照してこの工程の内容を説明する。加熱治具24は、ハウジング2のイオン発生素子取り付けボス23を加熱して溶着すると共に、シール部材16を圧迫してシール部材16に押圧を少しかける。加熱溶着後のイオン発生素子取り付けボス23は、破線の形状になり、シール部材16に押圧を少しかけた状態でイオン発生素子4を保持する。
【0031】
次にハウジング2の開口部からイオン発生素子4の放電電極接点4A及び誘導電極接点4B並びに電極部加熱手段15の一対の接続端子18及び19(図4において不図示)と接続端子20a、20b、21a、及び21bとをそれぞれハンダ付けする。
【0032】
次にハウジング2にシールドプレート25を挿入する。シールドプレート25は、シールドプレート25の穴25a〜25dがハウジング2の接続端子ガイド13a、13b、14a、及び14bにそれぞれ嵌合することで、ハウジング2に保持される。
【0033】
続いて、完成された回路基板組品7にシールドケース12を差し込む。そして、シールドケース12が差し込まれた状態の回路基板組品7を、ハウジング2の開口部からハウジング2内に挿入して、回路基板組品7をハウシング2の基板保持部2C(複数)(図4において不図示。図2(a)を参照)にはめ込む。基板保持部2Cは、回路基板組品7をそのまま挿入すれば、最終段階できっちりとはまり込む設計にしているので、回路基板組品7を押し込むだけでよい。
【0034】
その後、回路基板8の接続部8a、8b、8c、及び8dには接続端子20a、20b、21a、及び21bがそれぞれ挿入され、回路基板8の接続部8eにはシールドプレート25の端子部25eが挿入される。回路基板8の接続部8a、8b、8c、及び8dに挿入された接続端子20a、20b、21a、及び21bはそれぞれハンダ付けで回路基板8と接続される。また、ハウジング2のコネクタ支持部2D(図2(c)を参照)が、回路基板8の開口部8fを介して、コネクタ6の嵌合穴部6a(図2(c)を参照)に挿入される。最後に、カバー3をハウジング2にはめ込む。カバー3の突出部3a、3b、3c、及び3dは、ほぼ回路基板8に届く位置まではいる。以上で組み立ては完了する。
【0035】
次にカバー3の注入口5から充填樹脂17を充填する。充填樹脂17が充填されると、ハウジング2のコネクタ支持部2D(図2(c)を参照)とコネクタ6の嵌合穴部6aの接触部から充填樹脂17が表面張力で吸い上がり、コネクタ6とコネクタ支持部2Dとを接着する。コネクタ部はこの様に構成されているので、コネクタ6に外部電源を接続する場合に押圧が加わってもコネクタ6はコネクタ支持部2Dによって支持されているので、コネクタ6を回路基板8に接続しているハンダ付け部にかかる応力を低減することができる。なお、上記実施形態とは異なり、コネクタ支持部2Dとコネクタ6の嵌合穴部6aの接触部全てが充填樹脂17の界面よりも上方に位置するようにしてもよい。また、カバー3の突出部3a〜3dの先端が充填樹脂17に浸かるので、ハウシング2との接触面から充填樹脂17が吸い上がり、カバー3とハウジング2とを接着する。その後、恒温槽に入れて充填樹脂17を熱硬化させる。
【0036】
本発明に係るイオン発生装置1は、ハウジング2内にコネクタ6が設けられているので、図8に示す従来のイオン発生装置101に比べて、組み立てが簡単な構成である。
【0037】
また、本発明に係るイオン発生装置1は、放射ノイズの発生源である昇圧コイル9、スイッチング素子10等を導電性のシールドケース12で覆っているので、放射ノイズを低減することができる。また、イオン発生素子4での放電により電磁ノイズが発生し、空中と接続端子26a、26b、27a及び27bとに誘導されて電磁ノイズが乗ってくるが、本発明に係るイオン発生装置1では、イオン発生素子4の裏面側に導電性のシールドプレート25を接近させシールドプレート25をグランドに接続するので、空中に出てくる電磁ノイズと接続端子26a、26b、27a及び27bに乗ってくるノイズをグランドに誘導することができる。したがって、空中に出てくる電磁ノイズと、接続端子26a、26b、27a及び27bに乗る電磁ノイズを低減することができる。
【0038】
また、充填樹脂は、イオン発生装置が用済みになって廃棄される場合の環境問題を考えると、使用量を抑える必要がある。本発明に係るイオン発生装置1の構成であれば、回路基板8の上面まで充填樹脂17を充填すれば、回路基板8は元より、カバー3をハウジング2に保持させる部分及びコネクタ6を保持させる部分の接触面に表面張力で浸入して硬化後に接着効果をもたらす。通常は充填樹脂が必要な部分まで充填する必要があるが、表面張力を利用して充填樹脂17の界面より上の位置まで充填樹脂17を吸い上げることにより、充填樹脂の使用量に抑えることが可能となる。
【0039】
充填樹脂17が充填されると、ハウジング2のコネクタ支持部2Dとコネクタ6の嵌合穴部6aの接触部から充填樹脂17が表面張力で吸い上がり、硬化後にコネクタ6とコネクタ支持部2Dとを接着する。コネクタ部はこの様に構成されているので、コネクタ6に外部電源を接続する場合に押圧が加わってもコネクタ6はコネクタ支持部2Dによって支持されているので、コネクタ6を回路基板8に接続しているハンダ付け部にかかる応力を低減することができる。又、コネクタの引き抜き方向の力に対しては、コネクタ支持部2Dとコネクタ6の嵌合穴部6aの接触部に浸入した充填樹脂17が内部で硬化することによってコネクタ支持部2Dとコネクタ6の嵌合穴部6aとを接着するので、コネクタ6の引き抜き方向の力にも耐えることが出来る。
【0040】
上述した実施形態では、ハウジング2のイオン発生素子取り付けボス23は、イオン発生素子4の外側に配置され、溶着してイオン発生素子4の表面側へ張り出してイオン発生素子4を保持していたが(図5を参照)、例えば、図6に示すように、イオン発生素子4自体にイオン発生素子取り付けボス33に勘合する穴4Hを設けておき、同様にイオン発生素子取り付けボス23を溶着してイオン発生素子4を保持することも可能である。
【0041】
また、上述した実施形態では、コネクタ6の嵌合穴部6aにコネクタ支持部2Dを挿入したが、図7に示すようにコネクタ6の外面の段差部6bにコネクタ支持部2Dを当接させ、その密着面に充填樹脂17を吸い上げて接着させる態様にすることも可能である。この場合、コネクタ6に外部電源を接続する場合に押圧が加わってもコネクタ6はコネクタ支持部2Dによって支持されているので、コネクタ6を回路基板8に接続しているハンダ付け部にかかる応力を低減することができる。
【0042】
また、上述した実施形態では、イオン発生素子取り付けボス23を溶着してハウジング2に対してイオン発生素子4を固定したが、イオン発生素子取り付けボス23を使用せず、組み立て時に専用の治具を使用してイオン発生素子4を押圧した状態で接続端子20a、20b、21a、及び21bをハンダ付けして接続端子20a、20b、21a、及び21bでシール部材16を引き付けて保持する事も可能である。この場合、接続端子20a、20b、21a、及び21bとハウジング2の接続端子ガイド13a、13b、14a、及び14bとの挿入嵌合状態を適切にして、シール材16の弾性力により、接続端子20a、20b、21a、及び21bがハウジング2から抜けることの無い様に設定することが重要となる。
【0043】
また、上述した実施形態では、シールドプレート25をイオン発生素子4に平行に配置したが、このような構成では充填樹脂17を充填する際にシールドプレート25とイオン発生素子4との間に空気がたまる可能性もあるので、シールドプレート25をイオン発生素子4に対してわずか斜めにして設置しておけば、空気が逃げやすくなり充填樹脂17の充填がスムーズになる。また、他の例としては、シールドプレート25の中央付近に空気を逃がすための小さな穴をあけておくことも考えられる。
【0044】
上述した本発明に係るイオン発生装置は、空気調和機、除湿器、加湿器、空気清浄機、冷蔵庫、ファンヒータ、電子レンジ、洗濯乾燥機、掃除機、殺菌装置などの電気機器に搭載するとよい。そして、かかる電気機器にはイオン発生装置で発生したイオンを電気機器外部の空気中に送出する送出手段(例えば、送風ファン)を搭載するとよい。このような電気機器であれば、機器本来の機能に加えて、搭載したイオン発生装置及び送出手段でイオン(例えば、正負両イオン)を電気機器外部の空気中に放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】は、本発明に係るイオン発生装置の外観を示す図である。
【図2】は、本発明に係るイオン発生装置の内部構成を示す図である。
【図3】は、本発明に係るイオン発生装置が備えるイオン発生素子の構成を示す図である。
【図4】は、本発明に係るイオン発生装置の分解斜視図である。
【図5】は、イオン発生素子取り付けボスの溶着工程の内容を示す図である。
【図6】は、イオン発生素子取り付けボスの溶着工程の内容を示す図である。
【図7】は、イオン発生素子取り付け部の変形例を示す図である。
【図8】は、従来のイオン発生装置の外観及び内部構成を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 本発明に係るイオン発生装置
2 ハウジング
2A、2B 取り付け足
3 カバー
4 イオン発生素子
5 注入口
6 コネクタ
7 回路基板組品
8 回路基板
9 昇圧コイル
10 スイッチング素子
11 電子部品
12 シールドケース
13a、13b 接続端子ガイド
14a、14b 接続端子ガイド
15 電極部過熱手段
16 シール部材
17 充填樹脂
18、19 接続端子
20a、20b、21a、21b 接続端子
22 イオン発生素子装着部
23 イオン発生素子取り付けボス
24 加熱治具
25 シールドプレート
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100085501
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 静夫

【識別番号】100111811
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 茂樹


【公開番号】 特開2008−10355(P2008−10355A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181425(P2006−181425)