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空間に均一な濃度分布のイオンを供給するイオン発生素子及びイオン発生器並びに除電器 - 特開2008−4488 | j-tokkyo
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【発明の名称】 空間に均一な濃度分布のイオンを供給するイオン発生素子及びイオン発生器並びに除電器
【発明者】 【氏名】瀬戸 章文

【氏名】平澤 誠一

【氏名】辻 正明

【氏名】奥山 明

【氏名】斎藤 進

【要約】 【課題】高周波電圧を印加しても、発生するイオン濃度の空間的なばらつきが少なく、安定しており、しかも低コスト及び省スペース化が可能なイオン発生素子、それを用いたイオン発生器及び除電器を提供する。

【構成】誘電体1と、該誘電体表面に配設される微細な突起3を有する放電電極2と、前記誘電体1の裏面に配設される誘導電極とを有してなるイオン発生素子であって、前記放電電極2に設けられた微細な突起3の間隔が、電圧降下を予め予測又は実測し、均一濃度分布のイオンが得られるように調整された構成であることを特徴とするイオン発生素子である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体と、該誘電体表面に配設される微細な突起を有する放電電極と、前記誘電体の裏面に配設される誘導電極とを有してなるイオン発生素子であって、前記放電電極に設けられた微細な突起の間隔が、電圧降下を予め予測又は実測し、均一濃度分布のイオンが得られるように調整された構成であることを特徴とするイオン発生素子。
【請求項2】
誘電体と、該誘電体表面に配設される微細な突起を有する放電電極と、前記誘電体の裏面に配設される誘導電極とを有してなるイオン発生素子であって、前記誘導電極が、均一濃度分布のイオンが得られるように前記放電電極に対して角度を有して配設されていることを特徴とするイオン発生素子。
【請求項3】
誘電体と、該誘電体表面に等間隔に配設される微細な突起を有する2本の放電電極を組み合わせて一対とした放電電極対と、前記誘電体の裏面に配設される誘導電極とを有してなるイオン発生素子であって、前記放電電極対に印加する電圧の印加方向が交互になるように配設されていることを特徴とするイオン発生素子。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のイオン発生素子が2次元状に配設された構成であり、均一イオン濃度空間場が得られるようにしたことを特徴とするイオン発生器。
【請求項5】
イオン発生素子の2次元配列を有する誘電体が微細な孔を有する多孔体であり、誘導電極面より気流を噴出する構成であり、均一イオン濃度空間場が得られるようにしたことを特徴とするイオン発生器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のイオン発生素子ないしイオン発生器によって除電する構成であることを特徴とする除電器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、空間に均一な濃度分布のイオンを供給するイオン発生素子及びイオン発生器並びに除電器に関し、詳しくは電極にて発生した正イオン及び負イオンの空間的な濃度分布のばらつき低減するために、電極構造が最適に構成されたイオン発生素子及びイオン発生器並びに除電器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のイオン発生器・除電器は、例えば、従来型除電器の場合では、先鋭な針形状のイオン発生電極に高電圧電源により高電圧を印加して、コロナ放電を生じさせ、空気をイオン化する。針形状のイオン発生電極は、先端部における局所的な電界によって空気を電離させるため、イオン濃度が先端部に集中し、発生するイオン濃度分布に偏りが生じるという課題を有していた。
【0003】
また、針形状のイオン発生電極は、該電極への印加電圧によって発生した同極性のイオンが瞬時に反発し、指向性を持ったイオン流として飛散する傾向にあった。
【0004】
通常、静電気は絶縁体表面で発生するため、前記の針型イオン発生素子では局所的には除電されても、広い領域には対応できず、そのため多くの針を密に設置する必要があったが、それでも得られるイオン濃度には空間的なばらつきがあり、さらに場合によっては表面を荷電することになっていた。
【0005】
一方、放電電極と誘導電極を表面に配設した誘電体をイオン発生素子として用い、針形状ではなく、板状のイオン発生素子ならびに除電器が開発された(特許文献1〜4参照)。
【特許文献1】特開2004−105517
【特許文献2】特開2003−249327
【特許文献3】特開2003−323964
【特許文献4】特開2004−363088
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1〜4に示す技術では、誘電体を介し放電電極と誘導電極との間で高電圧を印加して局所的に放電させイオンを発生させるため、物理的な先鋭構造を持たないフラットな形状となっている。また誘電体をバリア層とした高効率放電を利用しているため、針形状のイオン発生電極に比べ、低電圧、低消費電力で同等のイオン量を発生させることが可能になり、さらに、放電電極にコーティング層なる絶縁保護層を形成することで、電界集中により安定して正負両イオンを発生させることが可能になるため、針形状のイオン発生電極が抱えていた問題が低減されている。
【0007】
しかし、上記のような誘電体を介して形成された電極構造によるイオン発生は、比較的高周波な電力を供給しなければ電極間のインピーダンスが大きくなるため、効率が極端に低下し、部分的にイオンを発生することができなくなる。
【0008】
特にAC型電源を印加することで1つのイオン発生素子から正イオンと負イオンを周期的に交互に発生させる構成では、高周波高電圧を印加した場合、電圧の印加方向に従って電圧降下が生じ、イオンの発生濃度が減少することで、空間的にイオン濃度が不均一になってしまうという欠点を有している。
【0009】
また、イオン濃度の調整が容易な高周波成分を含む直流成分を有する高電圧電源(パルス波など)を印加した場合では、正極性のイオン発生素子と負極性のイオン発生素子がそれぞれ必要であり、たとえ交互に設置したとしても結果的に空間的にイオン濃度にばらつきが生じる(特許文献3)。また、コスト及び省スペースの点でのメリットが見込めない。
【0010】
そこで本発明の課題は、高周波電圧を印加しても、発生するイオン濃度の空間的なばらつきが少なく、安定しており、しかも低コスト及び省スペース化が可能なイオン発生素子、それを用いたイオン発生器及び除電器を提供することにある。
【0011】
また、除電対象物は平面とは限らず、3次元的に複雑形状に対応できる除電器が求められる。そこで、2次元もしくは3次元的に均一な濃度分布のイオン空間を供給するイオン発生素子、それを用いたイオン発生器及び除電器を提供することが、本発明の別の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための本発明は、下記構成を有する。
1.誘電体と、該誘電体表面に配設される微細な突起を有する放電電極と、前記誘電体の裏面に配設される誘導電極とを有してなるイオン発生素子であって、前記放電電極に設けられた微細な突起の間隔が、電圧降下を予め予測又は実測し、均一濃度分布のイオンが得られるように調整された構成であることを特徴とするイオン発生素子。
【0013】
2.誘電体と、該誘電体表面に配設される微細な突起を有する放電電極と、前記誘電体の裏面に配設される誘導電極とを有してなるイオン発生素子であって、前記誘導電極が、均一濃度分布のイオンが得られるように前記放電電極に対して角度を有して配設されていることを特徴とするイオン発生素子。
【0014】
3.誘電体と、該誘電体表面に等間隔に配設される微細な突起を有する2本の放電電極を組み合わせて一対とした放電電極対と、前記誘電体の裏面に配設される誘導電極とを有してなるイオン発生素子であって、前記放電電極対に印加する電圧の印加方向が交互になるように配設されていることを特徴とするイオン発生素子。
【0015】
4.上記1〜3のいずれかに記載のイオン発生素子が2次元状に配設された構成であり、均一イオン濃度空間場が得られるようにしたことを特徴とするイオン発生器。
【0016】
5.イオン発生素子の2次元配列を有する誘電体が微細な孔を有する多孔体であり、誘導電極面より気流を噴出する構成であり、均一イオン濃度空間場が得られるようにしたことを特徴とするイオン発生器。
【0017】
6.上記1〜5のいずれかに記載のイオン発生素子ないしイオン発生器によって除電する構成であることを特徴とする除電器。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に示す発明によれば、放電電極に設けられた突起の間隔を、電圧降下に応じて調整することで、AC高周波を電源として用いてもばらつきの少ない、均一な濃度分布のイオン発生が可能となる。
【0019】
特に正イオンと負イオンの両イオンを別途に発生させるには、従来では少なくとも2つのイオン発生素子と電源を用意しなければならないが、本発明によれば、1つのイオン発生素子と電源で両イオンを均一に発生させることが可能である。従って、イオン発生器や除電気における実装スペースが従来の約1/2程度の省スペース化が可能となる。
【0020】
請求項2に示す発明によれば、誘導電極を放電電極に対して角度を持たせることで請求項1と同様の効果が得られる。角度を設置することで、若干のスペースが必要となるが、逆に、放電は突起周辺で直線的に得られるため、濃度分布のばらつきをより少なくすることが可能となる。
【0021】
請求項3に示す発明によれば、イオン濃度の調整を、より簡便に行うことが可能となる。
【0022】
請求項4に示す発明によれば、請求項1〜3のいずれかのイオン発生素子を配列することで、二次元的に均一な濃度分布のイオンが得られる。
【0023】
請求項5に示す発明によれば、気流によってより広範囲に、3次元的に均一なイオン濃度空間を得ることができる。
【0024】
請求項6に示す発明によれば、従来では不可能ないし困難であった大面積のパネルやシート、スクリーンなどの表面に近づけるだけで、ムラのない迅速な除電を行う除電器を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明のイオン発生素子の詳細について添付図面に基づき説明する。
【0026】
図1は、本発明のイオン発生素子の一実施例を示す原理構造図、図2は従来の素子型イオン発生素子の原理構造図、図3は放電電極長手方向距離に対する印加電圧の減衰を示すグラフ、図4は従来のイオン素子ならびに本発明の素子対における放電電極長手方向距離に対するイオン濃度変化を示すグラフ、図5は本発明のイオン発生素子の一実施例を示す構造図、図6は本発明のイオン発生素子対の一実施例を示す原理構成図、図7は従来の針型電極ならびに本発明の素子対における放電電極長手方向距離に対するイオン濃度変化を示すグラフ、図8は本発明のイオン素子から発生するイオンの縦方向のイオン濃度分布を計測するシステムを示す説明図、図9は従来の針型電極から発生するイオンの縦方向のイオン濃度分布を計測するシステムを示す説明図、図10は従来の針型電極ならびに本発明の素子対における縦方向に対するイオン濃度変化を示すグラフ、図11は本発明のイオン発生素子2次元配設例の構成図、図12は本発明のイオン発生素子2次元配設の説明図、図13は気流によるイオンの搬送による濃度分布の説明図、図14は本発明の3次元均一イオン濃度空間の説明図、図15は本発明の任意の3次元形状に対する均一イオン濃度空間の説明図、図16は放電電極の突起形状の複数例を示す説明図、図17は誘電電極の形状の複数例を示す説明図である。
【0027】
本発明は、誘電体と、該誘電体表面に配設される微細な突起を有する放電電極と、前記誘電体の裏面に配設される誘導電極とを有してなるイオン発生素子であって、放電電極に設けられた微細な突起の間隔が、電圧降下を予め予測又は実測し、均一濃度分布のイオンが得られるように調整された構成であることを特徴とするイオン発生素子である。
【0028】
即ち、図1に示すように、イオン発生素子は誘電体1の表面には放電電極2を、裏面には誘導電極4を微細加工により形成し、放電電極2には微細な突起3が誘導電極4の投影線と重ならない程度に間隔を空けて配設されている。電圧リード線5を介して交流高電圧を印加し、誘導電極4を接地6することにより、誘電体1の表面でプラズマが形成され、空気の電離によりイオンが生成される。
【0029】
図2は比較として示した従来型のイオン発生素子の原理構造図である。図1と比べて、突起の間隔は均一である。ここで特に60kHz程度の高周波高電圧を図2の電圧リード線5に印加した場合は、電圧の印加方向に従って、図3に示すような電圧降下が生じる。イオンの発生濃度は、電圧低下に伴い減少するために、図4の比較例に示すように電圧の印加方向に従ってイオン濃度が減衰し、不均一なイオン濃度となる。
【0030】
尚、図2中の符号は、図1で用いた符号と同一の部分ないし名称を示す。後述する図5、6、8、9、11〜15における符号についても同様である。
【0031】
ここで、イオン発生量は、プラズマの発生箇所の数、すなわち突起3の数にほぼ比例する。従って、図1に示すように電圧降下をあらかじめ予測、あるいは実測して、それに対応して突起3の間隔を調整することで、本発明の目的である均一な濃度分布のイオンを得ることが可能である。
【0032】
同様の効果は、図5に示すように誘導電極4を放電電極2に対して角度を持たせることでも可能である。この場合、プラズマ領域の間隔と位置は、ほぼ均一になるのでより望ましい形態となる。なお、誘導電極4は直線には限らず、イオン濃度が均一となるよう曲線でも構わない。また、逆に、誘導電極4を直線にして、放電電極2に角度を持たせることや、両極2、4とも角度を持たせても同様の効果が期待できるが、幅の制限や製造法の複雑さなどから図5あるいは図1の形態が最も効果的である。
【0033】
さらに図2に示した従来型のイオン発生素子においても、例えば図6に示すように、誘電体1と、該誘電体1表面に等間隔に配設される微細な突起3を有する2本の放電電極を組み合わせて一対とした放電電極対と、前記誘電体1の裏面に配設される誘導電極4とを有してなるイオン発生素子であって、放電電極対に印加する電圧の印加方向が交互になるように配設することで、均一な濃度分布を得ることが可能である。
【0034】
このような配設条件での従来技術とのイオン濃度変化比較を図4及び図7に示す。ここで電源として、圧電トランスを用いた67kHz交流電源を用いた。計測には、イオンカウンタを用い、イオンの回り込みを低減させるためにサンプル流量は5L/minとした。図4に示す比較例は従来の均一間隔に突起を有するイオン発生素子(図2参照)に対するイオン濃度分布であるが、電圧印加方向に対する電圧降下(図3参照)に伴い、イオン濃度が減衰している。図4に示す本発明では中心付近において若干の濃度低下は見られるものの、ほぼ均一なイオン濃度が放電範囲全体に渡って得られた。
【0035】
図7に示す本発明例と従来の針電極とのイオン濃度変化比較においては、さらに顕著な結果が得られた。針電極2Aを2本用いた比較例においては、針先端部において濃度分布の急峻なピークが見られ、その前後では急激に濃度が低下した。一方、本発明ではほぼ均一なイオン濃度が放電範囲全体に亘って得られた。
【0036】
上記の結果により、本発明では、放電電極長手方向に対しては、放電範囲(60mm)とほぼ同一の均一濃度空間が得られた。
【0037】
さらに本発明の縦方向(放電電極長手方向と直交する方向)のイオン濃度分布を検証した。図8に示すようにイオンカウンタ7へのサンプリング管8の位置を縦方向に変化させ、イオン濃度分布を計測した。また、図9に示すように同様に比較例として針電極2Aに対しても同様の濃度分布を計測した。
【0038】
図10に示すとおり、針電極2Aは約±5mmでイオン濃度が半分に減衰するのに対して、本発明の素子はその約3倍の範囲において均一なイオン濃度のが得られた。
【0039】
以上より、図6に示した形態での本発明の実施例において、電極長手方向には60mm、縦方向には30mmの均一イオン濃度場を得ることが可能である。
【0040】
本発明の形態としては、図11、12のように2次元的に配設したものが最も有効であり、例えば図12のように2次元的、3次元的に均一な濃度場が得られる。このようなイオン生成場を静電気の除去に適用すれば、従来では不可能ないし困難であった大面積のパネルやシート、スクリーンなどの表面に近づけるだけで、ムラのない迅速な除電を行うことが可能となる。
【0041】
さらに、図13に示すように気流によって生成したイオンを搬送すれば、イオンの発生速度と気流の流速を整合させることによって、薄いシート状に均一なイオン濃度場が得られる。
【0042】
また、図14に示すように、図12に記載したイオン発生素子の2次元配列を有する誘電体1に、微細な孔を有する多孔体(ピンホールを設けたものを含む。)9を用い、誘導電極4面より気流を噴出することで、生成したイオンを面と垂直に搬送することが可能となり、3次元に均一なイオンを発生するイオン発生器が得られ、これを利用することによって均一イオン濃度空間場を提供することが可能となる。
【0043】
図15に示すように、図12に記載したイオン発生素子の2次元配列を有する誘電体1としてフレキシブルな材質を用いれば、任意の形の対象物に対して、均一なイオン濃度場を与えることが可能となり、複雑構成の対象物の除電にも適用可能である。
【0044】
本発明のイオン発生素子に用いられる放電電極2の材質としては、導電性を有するものであれば特に制限するものではなく、例えば、ステンレスやタングステン、導電性セラミックスなどがある。放電電極2は放電により劣化、溶融などし難い材料が望ましい。放電電極2の材質や使用用途などに応じて、表面コーティングなどの絶縁保護層で放電電極2を覆うようにして形成し保護すれば、放電電極2の耐久寿命を延ばすことも可能なり、同時に放電電極2からの発塵の低減及びメンテナンスの簡略化も可能となる。表面コーティングの材料としては、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)薄膜コーティングやエポキシ系の絶縁材などがある。
【0045】
放電電極2の形状としては、微細な突起3を複数有する線状のものが望ましく、微細な突起は0.01mm以上10mm以下であることが好ましい。突起3の形状は、イオン発生可能な形状であれば特に制限されるものでなく、例えば、図16の(a)に示すような形状でもよいし、その他の波状、円状、格子状等の形状でもよい。イオン発生効率は、放電電極2の形状依存に比べ、対極する誘導電極4と放電電極2の微細な突起3との距離及びその突起3形状による関係において、最も影響することがわかっている。なお、その形状は電界集中が有効に生じ易い形状であれば、特に制限するものではなく、例えば、図16(b)〜(g)に示す形状が挙げられる。尚、図16の(b)〜(g)は部分拡大図である。
【0046】
本発明のイオン発生素子に用いられる誘電体1は、放電電極2を表面に形成し、誘導電極4を裏面に形成した構成となっている。各面に形成されている放電電極2と、誘導電極4との距離は、誘電体1の厚みによって制御され、誘電体1の誘電率によってその厚みを決定するが、0.01〜5mmの範囲が好ましい。また、その形状は、板状、円状、支柱状、円柱状など、その形状に特に制限はない。誘電体1の材質としては、アルミナ、ガラス、マイカなどの誘電材料が挙げられる。成形に際しては、誘電材料を積層することで材料のピンホール等による絶縁破壊を抑制することができ、絶縁耐圧等を向上させることができる。
【0047】
誘電体1への放電電極2、誘電電極4の形成は、公知公用の手段を採ることもでき、例えばインクジェット印刷やシルク印刷、スクリーン印刷によって形成することができる。
【0048】
放電電極2は、従来の針形状のイオン発生電極とは異なり物理的尖鋭部を持たない構造であり、またイオン発生効率がよいことで、低電圧での駆動が可能となったため、メンテナンスの際等にイオン発生素子に触れてしまった際の危険性が低減された。
【0049】
また、放電電極2と誘導電極4の距離を、誘電体1の厚みで制御することで、例えば、放電電極2と誘導電極4の距離に対し、放電電極2と誘導電極4の距離を長くすることで、両者から発生するイオン量を調整することも可能となる。正イオンと負イオンの発生に必要なエネルギーに相違があることは知られており、従来までは印加電圧源の調整を施す必要があったが、誘電体1の厚みの制御によるイオン発生のレベルの調整も可能となる。
【0050】
誘導電極4は、誘電体1上に放電電極2に対向し形成されている。誘導電極4の材料としては、導電性を有するものであれば特に制限するものではなく、例えば、ステンレスやタングステン、導電性セラミックス等が挙げられる。
【0051】
誘導電極4の形状としては、放電電極2に対向した電極構造であれば、その形状については特に制限されるものでなく、例えば、図17(a)〜(d)に示す種々の形状を採ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のイオン発生素子の一実施例を示す原理構造図
【図2】従来の素子型イオン発生素子の原理構造図
【図3】放電電極長手方向距離に対する印加電圧の減衰を示すグラフ
【図4】従来のイオン素子ならびに本発明の素子対における放電電極長手方向距離に対するイオン濃度変化を示すグラフ
【図5】本発明のイオン発生素子の一実施例を示す原理構造図
【図6】本発明のイオン発生素子対の原理構成図
【図7】従来の針型電極ならびに本発明の素子対における放電電極長手方向距離に対するイオン濃度変化を示すグラフ
【図8】本発明のイオン素子から発生するイオンの縦方向のイオン濃度分布を計測するシステムを示す説明図
【図9】従来の針型電極から発生するイオンの縦方向のイオン濃度分布を計測するシステムを示す説明図
【図10】従来の針型電極ならびに本発明の素子対における縦方向に対するイオン濃度変化を示すグラフ
【図11】本発明のイオン発生素子2次元配設例の原理構成図
【図12】本発明のイオン発生素子2次元配設の説明図
【図13】気流によるイオンの搬送による濃度分布の説明図
【図14】本発明の3次元均一イオン濃度空間の説明図
【図15】本発明の任意の3次元形状(除電対象物)に対する均一イオン濃度空間の説明図
【図16】放電電極の突起形状の複数例を示す説明図
【図17】誘電電極の形状の複数例を示す説明図
【符号の説明】
【0053】
1・・誘電体
2・・放電電極
2A・・針電極
3・・突起
4・・誘電電極
5・・電圧リード線
6・・接地
7・・イオンカウンタ
8・・サンプリング管
9・・多孔体
10・・除電対象物
0・・中心軸
【出願人】 【識別番号】301021533
【氏名又は名称】独立行政法人産業技術総合研究所
【識別番号】394018225
【氏名又は名称】フィーサ株式会社
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100073210
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 信昭


【公開番号】 特開2008−4488(P2008−4488A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−175343(P2006−175343)