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【発明の名称】 半導体装置
【発明者】 【氏名】小林 知永
【課題】小型化を実現でき、電波の通信を良好に行うことができるアンテナを備えた半導体装置を提供する。

【構成】半導体装置1は、半導体チップ2と、半導体チップの一方の面2A側に形成された第1の比誘電率を有する第1材料層3と、第1材料層の一方の面側に形成されたアンテナ4と、第1材料層の一方の面側で、半導体チップに対して第1材料層よりも離れた位置で、アンテナと接続するように形成された第1の比誘電率よりも高い第2の比誘電率を有する第2材料層5とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップと、
前記半導体チップの一方の面側に形成された第1の比誘電率を有する第1材料層と、
前記第1材料層の前記一方の面側に形成されたアンテナと、
前記第1材料層の前記一方の面側で、前記半導体チップに対して前記第1材料層よりも離れた位置で、前記アンテナと接続するように形成された前記第1の比誘電率よりも高い第2の比誘電率を有する第2材料層と、を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2材料層は、前記第1材料層と前記アンテナとの間に形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2材料層は、前記アンテナに対して前記第1材料層の反対側に形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2材料層は、前記第1材料層の前記一方の面側で、前記アンテナを包囲するように形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1材料層の前記一方の面側で、前記アンテナを覆うように形成された保護層を有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
前記保護層は、前記第1の比誘電率を有することを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
【請求項7】
前記保護層は、前記第2の比誘電率を有することを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1材料層は、ポリイミドを含み、前記第2材料層は、ポリイミド及びチタン酸バリウムを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナを備えた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の携帯型電子機器、あるいはRFID(Radio frequency identification)タグ等の情報記録媒体等に搭載される半導体装置にはアンテナが形成される。下記特許文献には、アンテナを備えた半導体装置に関する技術の一例が開示されている。
【特許文献1】特開2002−057292号公報
【特許文献2】特開2002−319008号公報
【特許文献3】特開2002−164468号公報
【特許文献4】特開2004−260217号公報
【特許文献5】特開2005−011330号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
半導体装置の小型化を実現するためには、その半導体装置に形成されるアンテナも小型化する必要がある。また、アンテナを小型化した場合でも、電波の通信を良好に行うことができる技術の案出が望まれる。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、小型化を実現でき、電波の通信を良好に行うことができるアンテナを備えた半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用する。
【0006】
本発明は、半導体チップと、前記半導体チップの一方の面側に形成された第1の比誘電率を有する第1材料層と、前記第1材料層の前記一方の面側に形成されたアンテナと、前記第1材料層の前記一方の面側で、前記半導体チップに対して前記第1材料層よりも離れた位置で、前記アンテナと接続するように形成された前記第1の比誘電率よりも高い第2の比誘電率を有する第2材料層と、を備えたことを特徴とする半導体装置を提供する。
【0007】
本発明によれば、高い比誘電率を有する第2材料層によって電波を短波長化でき、これによりアンテナを小型化できる。したがって、そのアンテナが形成される半導体装置を小型化できる。また、低い比誘電率を有する第1材料層によって、第2材料層による半導体チップへの影響を抑え、アンテナの効率の低下を抑え、電波を良好に通信することができる。
【0008】
本発明の半導体装置において、前記第2材料層は、前記第1材料層と前記アンテナとの間に形成されている構成を採用することができる。
【0009】
こうすることにより、アンテナを小型化でき、電波の通信を良好に行うことができる。
【0010】
本発明の半導体装置において、前記第2材料層は、前記アンテナに対して前記第1材料層の反対側に形成されている構成を採用することができる。
【0011】
こうすることによっても、アンテナを小型化でき、電波の通信を良好に行うことができる。
【0012】
本発明の半導体装置において、前記第2材料層は、前記第1材料層の前記一方の面側で、前記アンテナを包囲するように形成されている構成を採用することができる。
【0013】
こうすることによっても、アンテナを小型化でき、電波の通信を良好に行うことができる。
【0014】
本発明の半導体装置において、前記第1材料層の前記一方の面側で、前記アンテナを覆うように形成された保護層を有する構成を採用することができる。
【0015】
こうすることにより、アンテナを保護できるとともに、アンテナを小型化でき、電波の通信を良好に行うことができる。
【0016】
本発明の半導体装置において、前記保護層は、前記第1の比誘電率を有する構成を採用することができる。
【0017】
こうすることにより、第1材料層と同じ材料を用いてアンテナを保護することができる。
【0018】
本発明の半導体装置において、前記保護層は、前記第2の比誘電率を有する構成を採用することができる。
【0019】
こうすることにより、第2材料層と同じ材料を用いてアンテナを保護することができる。
【0020】
本発明の半導体装置において、前記第1材料層は、ポリイミドを含み、前記第2材料層は、ポリイミド及びチタン酸バリウムを含む構成を採用することができる。
【0021】
こうすることにより、所望の比誘電率を有する第1材料層及び第2材料層のそれぞれを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
【0023】
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る半導体装置1を示す模式図である。図1において、半導体装置1は、第1面2A及び第2面2Bを有する半導体チップ2と、半導体チップ2の第1面2A側に形成された第1材料層3と、第1材料層3の第1面2A側に形成されたアンテナ4と、第1材料層3の第1面2A側で、半導体チップ2に対して第1材料層3よりも離れた位置で、アンテナ4と接続するように形成された第2材料層5とを備えている。
【0024】
本実施形態においては、第1面2Aは、図中、半導体チップ2の+Z側の面であり、第2面2Bは、第1面2Aと反対側の−Z側の面である。そして、第1材料層3、アンテナ4、及び第2材料層5のそれぞれは、半導体チップ2の+Z側に配置されている。
【0025】
第1材料層3は、第1の比誘電率を有し、第2材料層5は、第1の比誘電率よりも高い第2の比誘電率を有している。以下の説明においては、第1材料層3を適宜、低誘電率層3、と称し、第2材料層5を適宜、高誘電率層5、と称する。
【0026】
本実施形態においては、高誘電率層5は、低誘電率層3とアンテナ4との間に形成されている。低誘電率層3は、半導体チップ2の+Z側の第1面2A上に形成されている。高誘電率層5は、低誘電率層3上(低誘電率層3の+Z側)に形成されている。アンテナ4は、高誘電率層5上(高誘電率層5の+Z側)に形成されている。
【0027】
そして、アンテナ4と高誘電率層5とは接触している。一方、半導体チップ2と高誘電率層5とは接触していない。高誘電率層5は、半導体チップ2に対して低誘電率層3よりも離れた位置に配置されている。
【0028】
本実施形態においては、低誘電率層3は樹脂を含む層であり、高誘電率層5も樹脂を含む層である。本実施形態においては、低誘電率層3は、ポリイミド樹脂によって形成される。高誘電率層5は、ポリイミド樹脂及びチタン酸バリウムを含む。すなわち、高誘電率層5は、ポリイミド樹脂にチタン酸バリウムを所定量分散したものである。
【0029】
本実施形態においては、低誘電率層3の比誘電率は、例えば3〜4である。高誘電率層5の比誘電率は、例えば50〜60である。なお、高誘電率層5の比誘電率は、例えばポリイミド樹脂に分散するチタン酸バリウムの量を調整することによって、調整することができる。
【0030】
なお、上述のポリイミド樹脂及びチタン酸バリウムは一例であり、低誘電率層3及び高誘電率層5を形成する材料は適宜選択可能である。例えば、低誘電率層3としてエポキシ系樹脂を用いることができる。
【0031】
半導体チップ2は、シリコン基板を含む。本実施形態においては、半導体チップ2の第2面2Bは、少なくとも電子回路(集積回路)が形成された能動面を含む。また、半導体チップ2には、第1面2Aと第2面2Bとを貫通する貫通電極6が形成されている。
【0032】
半導体チップ2の第2面2Bの一部の領域には、貫通電極6の下端(−Z側の端)に形成された接続端子6Bが配置されている。また、第2面2Bのうち接続端子6B以外の所定領域には第1絶縁層7が形成されている。
【0033】
第1絶縁層7上(第1絶縁層7の−Z側)には、第1配線9が形成されている。第1配線9の一部は、貫通電極6の下端の接続端子6Bと電気的に接続されている。また、第1絶縁層7上には、第1配線9及び第2面2Bの一部を覆うように、第2絶縁層8が形成されている。
【0034】
また、第2絶縁層8の一部の領域には、第1配線9の一部によって形成されたランド部9Rが配置されている。ランド部9R上は第2配線10が設けられており、第1配線9のランド部9Rと第2配線10とは電気的に接続されている。
【0035】
第2配線10上には、外部機器との接続端子であるバンプ11が設けられている。バンプ11は、半導体チップ2の第2面2B側に設けられている。貫通電極6とバンプ11とは、第1配線9及び第2配線10を介して電気的に接続されている。半導体装置1は、バンプ11を介して、プリント配線板P等の外部機器と電気的に接続可能である。
【0036】
半導体チップ2の第1面2Aの一部の領域には、貫通電極6の上端(+Z側の端)に形成された接続端子6Aが配置されている。低誘電率層3は、第1面2Aのうち接続端子6A以外の所定領域に形成されている。
【0037】
低誘電率層3上には、第3配線13が形成されている。第3配線13は、低誘電率層3の一部に形成された貫通電極14を介して、貫通電極6の上端の接続端子6Aと電気的に接続されている。そして、高誘電率層5は、第3配線13を覆うように、低誘電率層3上に形成されている。
【0038】
アンテナ4は、高誘電率層5上に形成されており、そのアンテナ4の一部は、第3配線13と電気的に接続されている。すなわち、アンテナ4は、第3配線13を介して貫通電極6と電気的に接続されており、ひいては、バンプ11及びそのバンプ11に接続されるプリント配線板Pと電気的に接続される。
【0039】
アンテナ4は、例えば銅(Cu)等の金属で形成されており、所定の形状に形成(パターニング)されている。例えば、アンテナ4は、半導体チップ2の第1面2Aと平行なXY平面内において、スパイラル状に形成される。なお、アンテナ4は、例えばトロイダル状に形成されていてもよい。
【0040】
アンテナ4と、プリント配線板P等の外部機器とは、バンプ11、第2配線10、第1配線9、貫通電極6、及び第3配線13等を介して、電力及び電波(電波に基づく信号)を受給可能である。アンテナ4は、アンテナ4と第3配線13とが接続された接続点(給電点)を介して電力及び電波(電波に基づく信号)を受給可能である。
【0041】
次に、半導体装置1を製造する手順の一例について説明する。例えば、半導体チップ2の第2面2B上に、スピンコート法等によって第1絶縁層7を形成し、露光処理、現像処理、及びエッチング処理等を行って、貫通電極6を形成するための開口を形成するとともに、第1絶縁層7を所定の形状にする。第1絶縁層7は、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等で形成可能である。開口が形成された後、例えばめっき法により、その開口に銅(Cu)等の金属が配置され、貫通電極6の少なくとも一部が形成される。
【0042】
次に、第1絶縁層7上に、銅(Cu)等の金属によって、第1配線9が形成される。第1配線9は、例えばめっき法を用いて形成可能である。
【0043】
次に、第1配線9、及び第1絶縁層7を覆うように、例えばスピンコート法等によって、第2絶縁層8が設けられる。第2絶縁層8は、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等で形成可能である。
【0044】
次に、露光処理、現像処理、及びエッチング処理等を行って、第2絶縁層8のうち、ランド部9Rに対応する領域が除去され、第1配線9の一部が露出されてランド部9Rが形成される。そして、ランド部9Rに接続するように、第2絶縁層8上に第2配線10が形成される。
【0045】
また、半導体チップ2の第1面2Aに対して研磨処理、ドライエッチング処理、あるいはウエットエッチング処理等の所定の処理が必要に応じて実行される。これにより、半導体チップ2の厚みが調整される。また、第1面2Aには貫通電極6の上端が形成される。
【0046】
次に、半導体チップ2の第1面2A上に、スピンコート法等によって低誘電率層3が形成される。上述のように、本実施形態においては、低誘電率層3は、ポリイミド樹脂によって形成される。そして、形成された低誘電率層3に対して、露光処理、現像処理、及びエッチング処理等を行って、貫通電極14を形成するための開口を形成する等、低誘電率層3が所定の形状に形成(パターニング)される。開口が形成された後、例えばめっき法により、その開口に銅(Cu)等の金属が配置され、貫通電極14が、貫通電極6の接続端子6Aと接続される。
【0047】
次に、低誘電率層3上に、銅(Cu)等の金属によって、第3配線13が形成される。第3配線13は、例えばめっき法を用いて形成可能である。
【0048】
次に、第3配線13、及び低誘電率層3を覆うように、例えばスピンコート法によって、高誘電率層5が設けられる。上述のように、本実施形態においては、高誘電率層5は、ポリイミド樹脂及びチタン酸バリウムを含む。
【0049】
次に、形成された高誘電率層5に対して、露光処理、現像処理、及びエッチング処理等を行って、高誘電率層5の一部が除去され、第3配線13の一部が露出される。
【0050】
次に、例えばめっき法を用いて、高誘電率層5上に、所定のパターンでアンテナ4が形成される。また、アンテナ4の一部が第3配線13の一部と接続される。以上により、半導体装置1が製造される。
【0051】
本実施形態においては、1つのシリコン基板(例えば直径が300mmのシリコンウエハ)上に、上述の手順で半導体装置1が複数形成され、その後、形成された半導体装置1毎にダイシング(切断)が実行される。これにより、半導体装置1を低コストで製造できる。製造された半導体装置1は、バンプ11を介してプリント配線板P等に搭載される。
【0052】
これにより、半導体チップ2の外形寸法とほぼ同じ外形寸法を有するチップサイズパッケージ(CSP:Chip Size Package)のアンテナ4を備えた半導体装置1が形成される。
【0053】
なお、アンテナ4は、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、タングステン(W)、チタンタングステン(TiW)、窒化チタン(TiN)、ニッケル(Ni)、ニッケルバナジウム(NiV)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、パラジウム(Pd)等で形成されてもよい。
【0054】
また、第1配線9、第2配線10、第3配線13、及び貫通電極6等は、銅(Cu)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、チタンタングステン(TiW)、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、ニッケルバナジウム(NiV)、タングステン(W)、窒化チタン(TiN)、Pb(鉛)のうち少なくとも1つを含む、導電性を有する任意の材料によって形成可能である。
【0055】
なお、第1面2A及び第2面2Bの少なくとも一方に、例えば二酸化珪素等の絶縁性材料からなる下地層を設けてもよい。本実施形態においては、半導体チップ2の第1面2Aと低誘電率層3との間、及び半導体チップ2の第2面2Bと第1絶縁層7及び第2絶縁層8との間の少なくとも一方に、下地層を設けることができる。
【0056】
本実施形態によれば、アンテナ4を小型化でき、ひいてはそのアンテナ4が形成される半導体装置1を小型化できる。また、アンテナ4の効率の劣化を抑え、電波の通信(受信)を良好に行うことができる。
【0057】
一般に、アンテナは共振現象によって電波を受信し、アンテナの大きさ(長さ)は、受信しようとする電波の波長に応じて定められる。アンテナで電波を良好に受信するために、アンテナの長さは、例えば受信しようとする電波の波長の半分に設定される。したがって、アンテナで受信しようとする電波の波長が短いほど、アンテナを小型化することができる。
【0058】
本実施形態においては、アンテナ4を小型化するために、高誘電率層5を用いて電波の波長を短くする。アンテナ4は、その高誘電率層5によって短波長化された電波を受信する。
【0059】
図2は、電波が伝わる媒体に応じて、電波の波長が変化する様子を示す模式図である。電波は、媒体の比誘電率に応じて、その波長を変化させる。例えば、図2(A)に示すように、第1の比誘電率を有する第1の媒体中を伝わるときの電波の波長と、図2(B)に示すように、第2の比誘電率を有する第2の媒体中を伝わるときの電波の波長とは、互いに異なる。一般に、媒体の比誘電率が高いほど、電波の波長は短くなる。また、高い比誘電率を有する媒体の近傍を通過することによっても、電波の波長が短くなる現象が生じる。
【0060】
図2に示す例では、第2の比誘電率のほうが第1の比誘電率よりも高く、図2(B)に示す第2の媒体中を伝わる電波の波長のほうが、図2(A)に示す第1の媒体中を伝わる電波の波長よりも短くなる。すなわち、図2(B)に示す状態においては、電波は短波長化される。したがって、図2(B)に示す状態においては、アンテナ4の長さを短くしても、そのアンテナ4で短波長化された電波を良好に受信可能である。
【0061】
本実施形態においては、アンテナ4は高誘電率層5の近傍に配置され、高誘電率層5はアンテナ4と接続するように配置されている。したがって、アンテナ4が受信しようとする電波の波長は、そのアンテナ4の近傍に配置されている高誘電率層5の作用によって短くなる。したがって、小さい(短い)アンテナ4であっても、そのアンテナ4は、高誘電率層5の作用を受けた(短波長化された)電波を良好に受信することができる。したがって、アンテナ4の小型化を実現でき、ひいては半導体装置1を小型化できる。
【0062】
そして、本実施形態においては、半導体チップ2に対して高誘電率層5よりも近い位置に低誘電率層3が配置されており、高誘電率層5は、半導体チップ2に対して低誘電率層3よりも離れた位置に配置されている。半導体チップ2の近傍に、高い比誘電率を有する物体が存在していると、その物体がキャパシタとして機能し、半導体チップ2の動作に影響を与えたり、アンテナ4の効率を劣化させる可能性がある。
【0063】
本実施形態の半導体装置1は、高誘電率層5によって、アンテナ4が受信しようとする電波を短波長化して、アンテナ4の小型化を実現するとともに、低誘電率層3によって、アンテナ4の効率の劣化等を抑制する。したがって、半導体装置1は、小型化と円滑な動作との両方を実現することができる。
【0064】
また、本実施形態においては、アンテナ4は半導体チップ2上に形成されており、CSPの半導体装置1の一部として形成されている。したがって、例えばアンテナ用の部材を別途実装する必要が無いため、実装面積を小さくすることができる。これにより、半導体装置1が搭載される例えば携帯型電子機器等も小型化できる。
【0065】
また、アンテナ4のパターンを銅(Cu)を用いてめっき法で形成することによって、配線抵抗を小さくすることができ、アンテナ4の効率の劣化を抑えることができる。
【0066】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0067】
図3は、第2実施形態に係る半導体装置1を示す模式図である。図3において、半導体装置1は、半導体チップ2と、半導体チップ2の第1面2A側(+Z側)に形成された低誘電率層3と、低誘電率層3の第1面2A側(+Z側)に形成されたアンテナ4と、低誘電率層3の第1面2A側(+Z側)で、半導体チップ2に対して低誘電率層3よりも離れた位置で、アンテナ4と接続するように形成された高誘電率層5とを備えている。
【0068】
そして、本実施形態の半導体装置1は、低誘電率層3の第1面2A側(+Z側)で、アンテナ4を覆うように形成された保護層3’を備えている。
【0069】
本実施形態においては、保護層3’は、第1の比誘電率を有する。すなわち、保護層3’は、低誘電率層3と同じ材料で形成されている。本実施形態においては、低誘電率層3及び保護層3’は、ポリイミド樹脂によって形成されている。保護層3’は、高誘電率層5及びアンテナ4と接続するように、高誘電率層5及びアンテナ4のほぼ全域を覆っている。
【0070】
本実施形態においても、高誘電率層5によって、アンテナ4に供給される電波を短波長化してアンテナ4の小型化が実現されるとともに、低誘電率層3によってアンテナ4の効率の劣化が抑制される。また、アンテナ4を保護層3’で保護することができる。
【0071】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0072】
図4は、第3実施形態に係る半導体装置1を示す模式図である。図4において、半導体装置1は、半導体チップ2と、半導体チップ2の第1面2A側(+Z側)に形成された低誘電率層3と、低誘電率層3の第1面2A側(+Z側)に形成されたアンテナ4と、低誘電率層3の第1面2A側(+Z側)で、半導体チップ2に対して低誘電率層3よりも離れた位置で、アンテナ4と接続するように形成された高誘電率層5とを備えている。
【0073】
そして、本実施形態の半導体装置1は、低誘電率層3の第1面2A側(+Z側)で、アンテナ4を覆うように形成された保護層5’を備えている。
【0074】
本実施形態においては、保護層5’は、第2の比誘電率を有する。すなわち、保護層5’は、高誘電率層5と同じ材料で形成されている。本実施形態においては、高誘電率層5及び保護層5’は、ポリイミド樹脂及びチタン酸バリウムを含む。保護層5’は、高誘電率層5及びアンテナ4と接続するように、高誘電率層5及びアンテナ4のほぼ全域を覆っている。
【0075】
本実施形態においては、保護層5’は、その保護層5’と同じ第2の比誘電率を有する材料である高誘電率層5と接続されており、アンテナ4は、その第2の比誘電率を有する材料で包囲されている。
【0076】
すなわち、本実施形態においては、第2の比誘電率を有する層5(5’)が、低誘電率層3の第1面2A側(+Z側)で、アンテナ4を包囲するように形成されている。
【0077】
本実施形態においても、高誘電率層5及び保護層5’によって、アンテナ4に供給される電波を短波長化してアンテナ4の小型化が実現されるとともに、低誘電率層3によってアンテナ4の効率の劣化が抑制される。また、アンテナ4を保護層5’で保護することができる。
【0078】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0079】
図5は、第4実施形態に係る半導体装置1を示す模式図である。図5において、半導体装置1は、半導体チップ2と、半導体チップ2の第1面2A側(+Z側)に形成された低誘電率層3と、低誘電率層3の第1面2A側(+Z側)に形成されたアンテナ4と、低誘電率層3の第1面2A側(+Z側)で、半導体チップ2に対して低誘電率層3よりも離れた位置で、アンテナ4と接続するように形成された高誘電率層5とを備えている。
【0080】
本実施形態においては、アンテナ4は、低誘電率層3上に形成されており、高誘電率層5は、アンテナ4に対して低誘電率層3の反対側に形成されている。すなわち、本実施形態においては、アンテナ4が、低誘電率層3と高誘電率層5との間に形成されている。また、高誘電率層5は、低誘電率層3の第1面2A側(+Z側)で、アンテナ4を覆うように形成されている。高誘電率層5は、低誘電率層3及びアンテナ4と接続するように、低誘電率層3及びアンテナ4のほぼ全域を覆っており、保護層としても機能する。
【0081】
本実施形態においても、高誘電率層5によって、アンテナ4に供給される電波を短波長化してアンテナ4の小型化が実現されるとともに、低誘電率層3によってアンテナ4の効率の劣化が抑制される。また、アンテナ4を高誘電率層5で保護することができる。
【0082】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0083】
図6は、第5実施形態に係る半導体装置1を示す模式図である。図6において、半導体装置1は、半導体チップ2と、半導体チップ2の第1面2A側(+Z側)に形成された低誘電率層3と、低誘電率層3の第1面2A側(+Z側)に形成されたアンテナ4と、低誘電率層3の第1面2A側(+Z側)で、半導体チップ2に対して低誘電率層3よりも離れた位置で、アンテナ4と接続するように形成された高誘電率層5とを備えている。
【0084】
上述の第4実施形態と同様、本実施形態においても、アンテナ4は、低誘電率層3上に形成されており、高誘電率層5は、アンテナ4に対して低誘電率層3の反対側に形成されている。すなわち、本実施形態においては、アンテナ4が、低誘電率層3と高誘電率層5との間に形成されている。
【0085】
本実施形態においては、高誘電率層5は、低誘電率層3の第1面2A側(+Z側)で、アンテナ4の一部を覆うように形成されている。高誘電率層5と、アンテナ4の少なくとも一部とは接触している。
【0086】
本実施形態においても、高誘電率層5によって、アンテナ4に供給される電波を短波長化してアンテナ4の小型化が実現されるとともに、低誘電率層3によってアンテナ4の効率の劣化が抑制される。
【0087】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0088】
上述の第1〜第5実施形態においては、アンテナ4は、半導体チップ2の第1面2A側(裏面側)に形成されているが、本実施形態の特徴的な部分は、アンテナ4が第2面2B側(能動面側)に形成されている点にある。
【0089】
図7は、第6実施形態に係る半導体装置1を示す図である。図7において、半導体装置1は、第1面2A及び第2面2Bを有する半導体チップ2と、半導体チップ2の第2面2B側に形成された低誘電率層3と、低誘電率層3の第2面2B側(−Z側)に形成されたアンテナ4と、低誘電率層3の第2面2B側(−Z側)で、半導体チップ2に対して低誘電率層3よりも離れた位置で、アンテナ4と接続するように形成された高誘電率層5とを備えている。
【0090】
第1面2Aは、図中、半導体チップ2の+Z側の面であり、第2面2Bは、第1面2Aと反対側の−Z側の面である。そして、低誘電率層3、アンテナ4、及び高誘電率層5のそれぞれは、半導体チップ2の−Z側に配置されている。
【0091】
本実施形態においては、低誘電率層3は、半導体チップ2の−Z側の第2面2B上に形成されている。高誘電率層5は、低誘電率層3上(低誘電率層3の−Z側)に形成されている。アンテナ4は、高誘電率層5上(高誘電率層5の−Z側)に形成されている。高誘電率層5は、低誘電率層3とアンテナ4との間に形成されている。
【0092】
そして、アンテナ4と高誘電率層5とは接触している。一方、半導体チップ2と高誘電率層5とは接触していない。高誘電率層5は、半導体チップ2に対して低誘電率層3よりも離れた位置に配置されている。
【0093】
また、本実施形態の半導体装置1は、低誘電率層3の第2面2B側(−Z側)で、アンテナ4を覆うように形成された保護層3’を備えている。
【0094】
本実施形態においては、保護層3’は、第1の比誘電率を有する。すなわち、保護層3’は、低誘電率層3と同じ材料で形成されている。保護層3’は、高誘電率層5及びアンテナ4と接続するように、高誘電率層5及びアンテナ4のほぼ全域を覆っている。
【0095】
保護層3’上(保護層3’の−Z側)には、第1配線9が形成されている。第1配線9の一部は、保護層3’に形成された貫通電極15、高誘電率層5に形成された貫通電極16、及び低誘電率層3に形成された貫通電極17を介して、半導体チップ2の第2面2B(集積回路の少なくとも一部)と電気的に接続されている。また、保護層3’上には、第1配線9及び保護層3’を覆うように、絶縁層8が形成されている。
【0096】
また、絶縁層8の一部の領域には、第1配線9の一部によって形成されたランド部9Rが配置されている。ランド部9R上には第2配線10が設けられており、第1配線9のランド部9Rと第2配線10とは電気的に接続されている。
【0097】
第2配線10上には、外部機器との接続端子であるバンプ11が設けられている。バンプ11は、半導体チップ2の第2面2B側に設けられている。半導体チップ2の第2面2Bとバンプ11とは、第2配線10、第1配線9、貫通電極15、貫通電極16、及び貫通電極17を介して電気的に接続されている。半導体装置1は、バンプ11を介して、プリント配線板P等の外部機器と電気的に接続可能である。
【0098】
アンテナ4は、高誘電率層5上(高誘電率層5の−Z側)に形成されており、そのアンテナ4の一部は、第3配線13と電気的に接続されている。第3配線13は、低誘電率層3上(低誘電率層3の−Z側)に形成されている。第3配線13は、低誘電率層3の一部に形成された貫通電極18を介して、半導体チップ2の第2面2Bと電気的に接続されている。
【0099】
すなわち、アンテナ4は、第3配線13を介して、半導体チップ2と電気的に接続されている。上述のように、半導体チップ2は、貫通電極15、16、17、及び第1、第2配線9、10等を介してバンプ11(プリント配線板P)と電気的に接続可能である。したがって、アンテナ4は、半導体チップ2を介して、プリント配線板P等の外部機器と電気的に接続される。
【0100】
本実施形態においても、高誘電率層5によって、アンテナ4に供給される電波を短波長化してアンテナ4の小型化が実現されるとともに、低誘電率層3によってアンテナ4の効率の劣化が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】第1実施形態に係る半導体装置を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る半導体装置の原理を説明するための模式図である。
【図3】第2実施形態に係る半導体装置を示す図である。
【図4】第3実施形態に係る半導体装置を示す図である。
【図5】第4実施形態に係る半導体装置を示す図である。
【図6】第5実施形態に係る半導体装置を示す図である。
【図7】第6実施形態に係る半導体装置を示す図である。
【符号の説明】
【0102】
1…半導体装置、2…半導体チップ、2A…第1面、2B…第2面、3…第1材料層、3’…保護層、4…アンテナ、5…第2材料層、5’…保護層

特許の図
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成18年7月10日(2006.7.10)
【代理人】 【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉

【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和
【公開番号】 特開2008−17421(P2008−17421A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−189370(P2006−189370)