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【発明の名称】 太陽電池を製造する際のウェハの評価方法と装置
【発明者】 【氏名】エルク・ミューラー

【氏名】エルク・イゼンベルク

【氏名】エルン・ズトゥース

【氏名】マルティン・ビファウアー

【氏名】ジーン・パトリス・ラコトニアイナ

【要約】 【課題】太陽電池を製造する際にウェハを評価する方法およびその装置を提供する。

【解決手段】本発明は、太陽電池を製造する際にウェハ(1)を評価する方法であって、a)ウェハ(1)を準備し、そのウェハ(1)を用いて1つまたは複数の太陽電池を製造する製造工程を実施する工程と;b)前記製造工程の間にウェハ(1)に対して湿式化学工程を実施して、この湿式化学工程により、ウェハ(1)内の荷電粒子の寿命に対するウェハ表面の影響を低減させる工程と;c)湿式化学工程中にまたは湿式化学工程後に、ウェハ(1)内に荷電粒子を生成するための光をウェハ(1)に照射する工程と; d)前記ステップc)で生成された荷電粒子の寿命を判定する工程と;そしてe)前記ステップd)で判定された寿命に応じて、ウェハ(1)を評価する工程と;を含む方法、およびその装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池を製造する際にウェハを評価する方法であって、
a)ウェハ(1)を準備し、そのウェハ(1)を用いて1つまたは複数の太陽電池を製造する製造工程を実施する工程と;
b)前記製造工程の間に前記ウェハ(1)に対して湿式化学工程を実施して、この湿式化学工程により、ウェハ(1)内の荷電粒子の寿命に対するウェハ表面の影響を低減させる工程と;
c)湿式化学工程中にまたは湿式化学工程後に、ウェハ(1)内に荷電粒子を生成するための光をウェハ(1)に照射する工程と;
d)前記ステップc)で生成された荷電粒子の寿命を判定する工程と;そして
e)前記ステップd)で判定された寿命に応じて、ウェハ(1)を評価する工程と;を含む方法。
【請求項2】
請求項1において、前記湿式化学工程がエッチングまたは洗浄工程を含む方法。
【請求項3】
請求項1または2において、前記湿式化学工程が酸性のエッチング溶液(31)を使用して実行される方法。
【請求項4】
請求項3において、前記湿式化学工程がフッ化水素酸を使用して実行される方法。
【請求項5】
請求項4において、前記フッ化水素酸が5容量パーセント以下の濃度を有する方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項において、前記ステップb)の前記湿式化学工程が、同時に、製造工程中のエッチングまたは洗浄工程である方法。
【請求項7】
請求項6において、初めに前記製造工程が、鋸状エッチング損傷工程を含み、このエッチング損傷工程が同時に前記ステップb)の湿式化学工程となる方法。
【請求項8】
請求項6において、前記製造工程がウェハをドープする拡散工程を包み、且つこの拡散工程後に行われる洗浄工程が同時に前記ステップb)の湿式化学工程となる方法。
【請求項9】
請求項8において、前記拡散工程がPOClによるPOCl拡散を含む方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項において、前記湿式化学工程が、ウェハ(1)を、エッチング及び/またはすすぎ溶液(31)に導入することにより実行される方法。
【請求項11】
請求項10において、前記ウェハ(1)が、前記寿命を判定するためにエッチング及びすすぎ溶液(31)から、それぞれ取り除かれる方法。
【請求項12】
請求項11において、前記ウェハ(1)がエッチング溶液(31)に導入され、このウェハ(1)をエッチング溶液(31)から取り除いた後にすすぎ工程及び/または洗浄工程を実行することなく、前記寿命が判定される方法。
【請求項13】
請求項10において、前記寿命を判定する間、前記ウェハ(1)がエッチング及び/またはすすぎ溶液(31)に留まる方法。
【請求項14】
請求項11において、前記寿命を判定する前に、すすぎ工程及び/または洗浄工程のうちの少なくとも1つが実行される方法。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項において、前記ウェハ(1)が、光パルスにより照射される方法。
【請求項16】
請求項15において、前記寿命を判定するために
前記ウェハ(1)がコイル(5)を介して誘導的に発振回路に連結され、
このウェハ(1)の伝導率の関数で表される発振回路の電圧が光パルス中に測定され、この伝導率を介して、光パルスによりウェハ(1)に生成される荷電粒子の寿命が判定される方法。
【請求項17】
請求項16において、前記ウェハ(1)に加えて、光の作用により生成される荷電粒子の寿命が公知である比較サンプルが、光パルスで同時に照射される方法。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項において、前記寿命の判定がウェハ(1)の複数箇所で実行される方法。
【請求項19】
太陽電池を製造する際にウェハを評価する装置であって、
湿式化学工程を実行するためにウェハ(1)が導入される湿式化学媒体を収容する容器(3)と;
湿式化学工程の間、前記容器(3)に配置される前記ウェハ(1)内で、光源(4)の光により荷電粒子が生成されるよう、前記容器(3)に対して配置される光源(4)と;そして
前記容器(3)に配置される前記ウェハ(1)内で光源(4)により生成された荷電粒子の寿命を判定する測定手段と;
を備える装置。
【請求項20】
請求項19において、前記光源(4)が光パルスを生成する装置。
【請求項21】
請求項20において、前記光源(4)が、フラッシュランプ、LED装置またはレーザーである装置。
【請求項22】
請求項20または21において、前記測定手段がインダクタを有する電磁性の発振回路を備え、このインダクタを介して湿式化学工程の間に容器(3)内に配置されているウェハ(1)が電磁性の発振回路に結合され、このウェハ(1)の伝導率、及び光パルスにより生成された荷電粒子の寿命が前記発振回路の電圧を介して判定される装置。
【請求項23】
請求項22において、前記湿式化学工程中に容器(3)内に配置されるウェハ(1)が、コイル(5)を介して電磁性の発振回路に結合できるよう、インダクタとしてのコイル(5)が容器(3)に対して配置される装置。
【請求項24】
請求項23において、前記コイル(5)の直径が、8cmである装置。
【請求項25】
請求項20〜24のいずれか一項において、前記光源(4)を制御するとともに、光パルスの間、発振回路の電圧を測定する制御ユニット(6)を備える装置。
【請求項26】
請求項20〜25のいずれか一項において、輸送手段(2)を備え、この輸送手段(2)によりウェハ(1)が容器(3)に対して動かされる装置。
【請求項27】
請求項19〜26のいずれか一項に記載された装置により太陽電池を製造する製造システム。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1〜19項の上位概念に従い、太陽電池を製造する際に、ウェハを評価する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、太陽電池は、光吸収により太陽光が電流へ変換される半導体素材を有する。太陽電池を製造する場合、半導体ウェハが使用され、この半導体ウェハから1つまたは複数の太陽電池が製造プロセスの中で製造される。太陽電池の製造のために使用されるウェハの品質基準は、特に、光の吸収により生成された荷電粒子のウェハにおける寿命として定められる。
【0003】
ここでいう寿命とは、生成された荷電粒子がエネルギーの初期状態へ戻る(再結合する)までに経過した期間である。原理上、太陽電池を製造する際に荷電粒子の寿命が長いウェハを使用すると、太陽電池の高い効率が期待される。
【0004】
太陽電池用の基板として、通常シリコンが使用される。光の作用により生成された荷電粒子の寿命は、シリコンの中で、外来原子(つまり不純物)または結晶の欠陥に起因するエネルギー状態を介した荷電粒子の再結合に支配される。わずかな不純物ないし結晶の欠陥しか持たないウェハの場合、再結合中心がわずかに存在するだけなので、生成された荷電粒子は、より長い寿命を有することになる。
【0005】
寿命を測定してウェハの品質を判定する際の難しさは、ウェハで生成された荷電粒子の寿命が、ウェハの表面状態によって変動する再結合に影響されてしまうことである。特に薄いウェハにおいて、測定できる寿命は、表面状態により左右されるため、寿命の判定は、主にウェハ表面に関するものとなるだろう。しかし、荷電粒子の寿命を利用してウェハの品質判定をするためには、ウェハ内で生成された荷電粒子の寿命の把握は重要である。
【0006】
ウェハ表面の再結合の寄与(対応する再結合の時間Tを持つ)と、ウェハ内部の再結合の寄与(再結合Tbulkを持つ)との関数で表される有効全寿命が、様々な測定方法により決定できる。有効寿命Teffとして、以下の式が適用される:
【0007】
【数1】




【0008】
それ故、前記寿命の測定を利用してウェハの品質を判定するためには、表面効果を出来るだけ縮小または削減しなければならない。表面再結合Tには、ウェハの厚さWと表面再結合の速度Sがある役割を果たす。特に(S<D/4Wの場合)、以下の式が適用される:
【0009】
【数2】




【0010】
表面効果(つまり、表面再結合の速度S)を縮小する方法としては、ウェハの表面に(例えば、酸化物、窒化物または高分子からなる)絶縁被膜の形式で不動態化または表面安定処理(passivation)を施すことが挙げられる。これにより表面状態が改善され、またはバンドの偏向が表面で誘導され、表面状態を介した再結合速度は、減速する。
【0011】
本発明が解決すべき課題は、これまで以上に正確に荷電粒子の寿命を判定し、太陽電池の製造の際にウェハの品質を判定する点にある。
【0012】
この問題は、請求項1に従う特徴を有する方法並びに請求項19に従う特徴を有する装置により解決される。特に好まれる有利な本発明の態様が、下位請求項の中で提示される。
【0013】
それに従い、以下のような工程を有する太陽電池の製造の際にウェハを評価する方法が提供される:
【0014】
a)ウェハを準備し、そのウェハを用いて1つまたは複数の太陽電池を製造する製造工程を実施する工程と;
b)前記製造工程の間に前記ウェハ(1)に対して湿式化学工程を実施して、この湿式化学工程により、ウェハ(1)内の荷電粒子の寿命に対するウェハ表面の影響を低減させる工程と;
c)湿式化学工程中にまたは湿式化学工程後に、ウェハ(1)内に荷電粒子を生成するための光をウェハ(1)に照射する工程と;
d)前記ステップc)で生成された荷電粒子の寿命を判定する工程と;そして
e)前記ステップd)で判定された寿命に応じて、ウェハ(1)を評価する工程と;
を含む。
【0015】
この方法では、寿命の測定前に広範囲の表面安定処理または不導態化を行うこと、例えば、熱酸化によるウェハ表面への酸化層の形成や、ウェハ表面へのシリコン窒化物の被膜の形成などを行うことを回避する。ウェハの表面安定処理(例えば、表面状態の改善または一般的には表面の状態が及ぼす影響の縮小)は、専ら湿式化学工程により行われる。
【0016】
本発明では、湿式化学工程により十分な表面の表面安定処理を行うことにより、製造工程で寿命の判定前にウェハの表面安定処理が行われ、そして、これまで以上に正確な寿命の測定によりウェハの品質の評価が可能となる。本発明において、(湿式化学工程による)表面安定処理も寿命の判定も、製造工程において、すなわち「インライン処理」で行われる。
【0017】
湿式化学工程は、エッチング工程とすすぎ及び/または洗浄工程とを有していてもよい。特に有利には、湿式化学工程において、酸性のエッチング溶液を使用してエッチングが行われる。特に、フッ化水素酸をエッチング溶液として使用してもよく、好ましくは、フッ化水素酸との接触がより安全であり、酸の処理が容易となる低濃度で(例えば、5容量パーセント以下の濃度で)用いられる。しかし、湿式化学工程のために他の溶液、例えば、ヨードエタノール溶液などを使用してもよい。
【0018】
湿式化学工程は、付加的なエッチング工程を提供してもよいが、いずれにせよ製造工程にすでに存在する湿式化学工程が好ましい。例えば、従来の太陽電池の製造工程の始めに行なわれる鋸状エッチング損傷工程であってもよい。そして、寿命の判定は、エッチングの間(例えば、ウェハが依然として水槽にある間)またはエッチング後に実行される。鋸状エッチング損傷工程の間または直後に寿命の判定をすると、寿命の短い素材(例えば、低品質のもの)が製造工程の始めに選別できるといった利点を持つ。
【0019】
いずれにせよ太陽電池の製造工程に通常存在するエッチング工程を、表面の表面安定処理のために使用する他の態様としては、ウェハをドープするためのPOCl拡散(POClによる拡散)の後、洗浄エッチング中、またはその後に寿命を測定することが挙げられる。寿命の測定がこの工程後に(例えば、鋸状のエッチング損傷時にすでに実行された測定に加えて)付加的に行われると、ウェハ素材の品質の変化がPOCl工程により制御できるだろう。
【0020】
基本的に、ウェハが表面安定処理のエッチング溶液の中にある状態で、上記のように寿命を判定してもよいが、ウェハをエッチング溶液から取りだして、寿命を測定してもよい。但し、常に、表面安定処理のエッチング溶液からウェハを取り除いた直後に寿命の測定を行う必要があるわけではない。例えば、エッチング溶液からウェハを取り出して寿命を測定する間には、例えばすすぎ工程および/または洗浄工程があってもよい。
【0021】
ここで、ウェハをエッチング溶液から取り除いた後、寿命の判定のためには、エッチング溶液の表面安定処理の作用が停止する所定の時間間隔が存在していてもよい。
【0022】
本発明の特に有利な実施態様において、ウェハは、例えば、フラッシュランプ(またはストロボ)、LED装置またはレーザーにより生成される光パルスを利用して照射される。光パルスは、ウェハ中で、荷電粒子および荷電粒子の密度を生成し、生成された荷電粒子の寿命を判定するために、荷電粒子またはその密度減衰が測定される。
【0023】
基本的にソーラーウェハ中に生成された荷電粒子の寿命を測定するために、様々な方法が知られている。本発明において、有利には、それ自体周知のQSSPC(準定常状態の光伝導)の方法が使用される(R.A. シントン、A.キューバス:準定常状態の光伝導データによる電流電圧特性および半導体の少数キャリヤの寿命の非接触測定、応用物理学レター69(17)(1996)2510頁を参照。)。
【0024】
この方法において評価されるウェハは、コイルを介して誘導的に発振回路に結合され、光パルスにより励起される。光パルス中に発振回路の電圧が測定され、これにより発振回路の電圧は、ウェハの伝導率の関数で表される。言い換えると、光パルスにより生成されたウェハ内の荷電粒子の寿命がウェハの伝導率を介して測定できる。
【0025】
QSSPCの方法の利点は、測定が高速で実行できるため、製造工程において太陽電池の製造のサイクル時間(およびスループット)を減少する必要がないことである。上述した様に、原理的に本発明の範疇で使用できる寿命を判定するその他の方法は存在する。特に、寿命の空間分解測定をウェハに対して適用することができ、例えば、MW−PCD(マイクロ波検出による光伝導減衰)、PL(光発光)またはCDI−ILM(荷電粒子キャリヤ密度の赤外線イメージングカメラによるマッピング)を用いた方法などが挙げられる。
【0026】
空間分解測定方法を用いて、寿命の判定は、ウェハの様々な場所で行われる。例えば、ウェハ表面の選択された複数の2、3のポイントが測定されてもよい。また、使用された測定方法の空間分解に応じて、ウェハ表面のポイントの密集域(ネットワーク)を精査してもよい。
【0027】
本発明の第2の態様として、太陽電池の製造時にウェハを評価する装置であって、湿式エッチング工程または洗浄工程を実行するためにウェハを導入し、湿式化学工程を行う容器(例えば、エッチング及び/または洗浄媒体の入った容器)を備える装置が挙げられる。
【0028】
さらにその装置は光源を備え、この光源は、湿式エッチングまたは洗浄工程の間、容器の中にあるウェハ内部で光源の光により荷電粒子が生成されるよう、容器と関連して配置される。付加的に、光源によりウェハ内部で生成される荷電粒子の寿命を判定する測定手段が配設される。
【0029】
本発明の装置は、太陽電池を製造する製造ラインの中で使用されるため、太陽電池のオートメーション化された製造システムにおいて、寿命の測定に基づく有意義なウェハの品質管理を組み込むことができる。
【0030】
特に、光源は、光パルスを生成してもよく、例えば、光源としては、フラッシュランプ、LED装置またはパルスレーザーが挙げられる。光源は、水槽または容器に対して、水槽中のウェハを照射するように配置される。水槽では、エッチング工程または洗浄工程が実施されてもよい。
【0031】
本発明の方法と関連して、すでに述べられたように、エッチング工程は、付加的な表面安定処理であってもよく、太陽電池の通常の製造工程において既に存在するエッチング工程であってもよい。相応して、水槽を用いて行われる洗浄工程も、寿命の測定と関連して導入される付加的な洗浄工程(例えば、水ないしDI水を使用して)であってもよく、または太陽電池の通常の製造工程に既に存在する洗浄工程であってもよい。
【0032】
特に、それ自体周知の測定方法を実行する測定手段が、寿命を判定するために備えられる。上述しているように、有利には寿命の測定がQSSPCを使用して行われるのが好ましい。そのため、測定手段は、インダクタを有する電磁性の発振回路を備えていてもよく、このインダクターを介して湿式エッチングまたは洗浄エッチングの工程中、容器に存在するウェハが電磁性の発振回路に結合または連結される。その際、ウェハの伝導率及びウェハ中の荷電粒子の寿命は、発振回路の電圧を介して判定できる。特に、コイルがインダクタとして使用され、このコイルは容器に配置され、有利にはコイルの内径はおよそ8cmである。
【0033】
測定を制御したり、ウェハ内で荷電粒子を生成するための光源を制御したりするために、制御ユニットが配設されている。これはコンピュータであってもよく、(QSSPCの方法を使用する場合)、例えば、光源を制御すると同時に光パルス中の発振回路の電圧を測定する。
【0034】
この装置の特に有利な態様では、(自動的に)湿式エッチング媒体、またはすすぎもしくは洗浄媒体を収容する容器に、ウェハを移動できる輸送手段(例えば、ベルトコンベヤー)を付加的に装備していてもよい。
【0035】
本発明は、以下のように図面の符号の説明と関連した実施例に基づき詳述される。
【0036】
図1は、太陽電池の製造工程において、寿命を測定する装置ならびに寿命の測定経過を図示している。装置は、エッチングまたは洗浄工程を実施するエッチングまたは洗浄溶液31により満たされる水槽3を備える。製造工程にあるウェハ1は、輸送システムまたは輸送手段2により水槽3に供給され(矢印O)、そして水槽3から搬出される(矢印P)。ウェハ1の自動輸送に加え、ウェハを自動的にエッチングまたは洗浄溶液に導入する装置(表示されていない)が付加的に設けられることもある。
【0037】
水槽3の上にフラッシュランプ4が配置される。フラッシュランプ4により光パルスを生成することができ、この光パルスにより、水槽3にあるウェハ1の中に荷電粒子が生成され、そしてこの荷電粒子の寿命の測定によりウェハの品質が判定される。寿命の測定のために(QSSPCの方法に従い)水槽3の下方にインダクタがコイル5の形式で配置される。
【0038】
コイル5を介して、水槽3にあるウェハ1は、発振回路(表示されていない)に結合されてもよい。コイル5と発振回路とに結合された制御兼評価ユニット6により、発振回路の電圧が測定され、まだ水槽3の中にあるウェハの伝導率(およびウェハに存在する荷電粒子の寿命)が判定される。
【0039】
同時に制御ユニット6はフラッシュランプ4を制御して、(光パルスを介した)ウェハ内の荷電粒子の励起やそれに続く生成された荷電粒子の寿命の判定が同調して進行する。
【0040】
さらに制御ユニット6は、輸送システム2の制御を支配または補助してもよく、製造工程に存在するウェハを水槽3へ移動することが、寿命の測定サイクルの中で行われる。
【0041】
図2は、太陽電池の製造工程における寿命の測定(インライン測定)の過程を示している。まず、ウェハは、光源に対して設置される(ステップA)。ウェハを正確に配置した後(好ましくは、図1に示されているように、エッチングないし洗浄の水槽中)、ウェハはフラッシュランプにより照射されて、ウェハ中で荷電粒子が生成される(ステップB)。
【0042】
引き続きステップCに従い生成された荷電粒子の寿命が測定される。続けて測定されたデータ(つまり、寿命)は、ステップDに従い記録される。さらに、この記録に加え、把握した寿命のデータと比較データとを比べてもよく、これによりウェハの品質評価を速やかに判断することができる。例えば、ウェハに加えて、またはウェハとともに光の作用により生成される荷電粒子の寿命が公知である比較サンプルが、光パルスで同時に照射されてもよい。
【0043】
それにより劣悪な品質のウェハは、製造工程から直接取り除くことができ、劣悪な品質のウェハを最後まで加工せずにすむため、費用を節約することができる。ウェハのデータを記録した後、次のウェハが、矢印Eに従い測定装置へ供給される。
【0044】
その他の形態においては、寿命の測定は、空間分解測定により、すなわち、ウェハの様々な場所で行われる。なお、寿命がかなり少ないウェハの領域内で構造要素(太陽電池)が形成された場合、個々の構成要素の選択的分離を工程の最後に行ってもよい。無論、ウェハが寿命の少ない領域を多く有する場合、工程が終了する前にこのウェハを製造プロセスから取り出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】太陽電池の製造工程において、ウェハの荷電粒子の寿命を判定する装置の概略図である。
【図2】寿命の測定経過を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1…ウェハ
2…輸送システム
3…水槽
31…エッチングおよび/または洗浄溶液
4…フラッシュランプ
5…コイル
6…制御ユニット

特許の図
【出願人】 【識別番号】507341895
【氏名又は名称】クー−セルス・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Q−Cells AG
【出願日】 平成19年10月15日(2007.10.15)
【代理人】 【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司

【識別番号】100086793
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅士

【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎


【公開番号】 特開2008−135716(P2008−135716A)
【公開日】 平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願番号】 特願2007−267981(P2007−267981)