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【発明の名称】 音声データ配信システム
【発明者】 【氏名】岸田 佳久

【要約】 【課題】ユーザが所望する種類の生活音を収録した高音質な音声データをいつでも手軽に入手・再生できる音声データ配信システムを提供する。

【解決手段】ネットワークを介して互いに接続されたクライアント装置およびサーバを備えた音声データ配信システムであって、前記クライアント装置は、前記サーバに音声データの配信命令を送信するための送信手段と、受信された音声データを再生出力するための再生手段とを備えており、前記サーバは、配信命令に従って前記記憶部から音声データを抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された音声データが複数である場合に、抽出された音声データにミキシング処理を施して単一のミキシングデータを作成するためのミキシング手段と、前記ミキシングデータに対し、前記クライアント装置の出力特性に応じたバランス調節処理を実行して配信用データを作成するためのバランス調節手段を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して互いに双方向通信可能に接続されたクライアント装置およびサーバを備えた音声データ配信システムであって、
前記クライアント装置は、
ユーザによる音声データの選択結果の入力を受け付けるための入力手段と、
前記選択結果に従って前記サーバに音声データの配信命令を送信するための送信手段と、
前記サーバにより配信される音声データを受信するための音声データ受信手段と、
前記受信手段により受信された音声データを再生出力するための再生手段と、を備えており、
前記サーバは、
音声データを記録するための記憶手段と、
前記クライアント装置から音声データの配信命令を受信するための配信命令受信手段と、
前記配信命令に従って前記記憶部から音声データを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された音声データが複数である場合に、抽出された音声データにミキシング処理を施して単一のミキシングデータを作成するためのミキシング手段と、
前記抽出手段により抽出された音声データが1つである場合には抽出された音声データに対し、前記抽出手段により抽出された音声データが複数である場合には前記ミキシングデータに対し、前記クライアント装置の出力特性に応じたバランス調節処理をそれぞれ実行して配信用データを作成するためのバランス調節手段と、
前記配信用データを前記クライアント装置に配信するための配信手段と、を備えていることを特徴とする音声データ配信システム。
【請求項2】
前記クライアント装置は携帯電話であることを特徴とする請求項1に記載の音声データ配信システム。
【請求項3】
前記ネットワークはインターネットであることを特徴とする請求項1または2に記載の音声データ配信システム。
【請求項4】
前記音声データには生活音が収録されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の音声データ配信システム。
【請求項5】
ネットワークを介して互いに双方向通信可能に接続されたクライアント装置およびサーバを備えた音声データ配信システムであって、
前記クライアント装置は、
ユーザによる音声データの選択結果の入力を受け付けるための入力手段と、
前記選択結果に従って前記サーバに音声データの配信命令を送信するための送信手段と、
前記サーバにより配信される音声データを受信するための音声データ受信手段と、
前記音声データ受信手段により複数の音声データが受信された場合に、受信された音声データにミキシング処理を施して単一の合成データを作成するためのミキシング手段と、
前記音声データ受信手段により受信された音声データが1つである場合には受信された音声データを、前記音声データ受信手段により受信された音声データが複数である場合には前記合成データを、それぞれ再生出力するための再生手段と、を備えており、
前記サーバ装置は、
音声データを記録するための記憶手段と、
前記携帯電話から音声データの配信命令を受信するための配信命令受信手段と、
前記配信命令に従って前記記憶部から音声データを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された音声データの各々に対して、前記クライアント装置の出力特性に応じたバランス調整処理を実行して配信用データを作成するためのバランス調整手段と、
前記配信用データを前記クライアント装置に配信するための配信手段と、を備えていることを特徴とする音声データ配信システム。
【請求項6】
前記クライアント装置は携帯電話であることを特徴とする請求項5に記載の音声データ配信システム。
【請求項7】
前記ネットワークはインターネットであることを特徴とする請求項5または6に記載の音声データ配信システム。
【請求項8】
前記音声データには生活音が収録されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つに記載の音声データ配信システム。
【請求項9】
ネットワークを介して互いに双方向通信可能に接続されたクライアント装置およびサーバを備えた音声データ配信システムにおけるサーバであって、
音声データを記録するための記憶手段と、
前記クライアント装置から音声データの配信命令を受信するための配信命令受信手段と、
前記配信命令に従って前記記憶部から音声データを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された音声データが複数である場合に、抽出された音声データにミキシング処理を施して単一のミキシングデータを作成するためのミキシング手段と、
前記抽出手段により抽出された音声データが1つである場合には抽出された音声データに対し、前記抽出手段により抽出された音声データが複数である場合には前記ミキシングデータに対し、前記クライアント装置の出力特性に応じたバランス調節処理をそれぞれ実行して配信用データを作成するためのバランス調節手段と、
前記配信用データを前記クライアント装置に配信するための配信手段と、を備えていることを特徴とするサーバ。
【請求項10】
ネットワークを介して互いに双方向通信可能に接続されたクライアント装置およびサーバを備えた音声データ配信システムにおけるクライアント装置であって、
ユーザによる音声データの選択結果の入力を受け付けるための入力手段と、
前記選択結果に従って前記サーバに音声データの配信命令を送信するための送信手段と、
前記サーバにより配信される音声データを受信するための音声データ受信手段と、
前記音声データ受信手段により複数の音声データが受信された場合に、受信された音声データにミキシング処理を施して単一の合成データを作成するためのミキシング手段と、
前記音声データ受信手段により受信された音声データが1つである場合には受信された音声データを、前記音声データ受信手段により受信された音声データが複数である場合には前記合成データを、それぞれ再生出力するための再生手段と、を備えていることを特徴とするクライアント装置。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して互いに双方向通信可能に接続されたクライアント装置およびサーバを備えた音声データ配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、種々の生活音を収録した音声データを利用する技術として、アリバイ機能付き電話機、背景音録音再生機能付き携帯電話機、および生活音再生機能付き防犯装置などが知られている。
【0003】
ここで、アリバイ機能付き電話機は、以下の特許文献1のように、通話中のユーザの音声と音楽などの背景音とを混合して送話するアリバイ機能を備えた電話機であり、背景音の録音データを格納した記憶媒体を装着して使用する。しかし、記憶媒体の容量には限度があり大量の録音データを格納することができないため、ユーザは限られた種類の背景音しか利用することができないという問題点があった。
【0004】
また、背景音録音再生機能付き携帯電話機は、以下の特許文献2のように、実際の背景音をメモリに録音するための録音手段を有しており、ユーザが自ら録音した背景音をアリバイ作りのために再生することができる。しかし、携帯電話のメモリは記憶容量が小さいため録音できる背景音の種類が制限される。また、携帯電話に内蔵された録音手段は、小型ゆえに低音質の録音データしか得られない上、背景音と一緒に不要なノイズまで録音してしまうという問題点がある。そのため、せっかく録音した背景音がアリバイ作りの用をなさない場合がある。さらに、所望の生活音を収録するためにわざわざ音源の場所まで出向くのは、ユーザにとって非常に煩わしい。
【0005】
また、生活音受信機能付き防犯装置は、以下の特許文献3のように、LANやCATV通信網を介して外部から高音質の生活音を受信する機能を有しており、そのような生活音を再生することで建物内に人がいる状態を擬似的に作り出すことができる。しかし、空き巣などの侵入を常時防止するためには、膨大な種類の生活音を準備しておく必要があると考えられるが、そのような生活音を全て録音するには手間がかかりすぎるという問題点がある。
【特許文献1】特開昭63−184447号公報
【特許文献2】特開2001−257745号公報
【特許文献3】特開2006−39632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ユーザが所望する種類の生活音を収録した高音質な音声データをいつでも手軽に入手・再生できる音声データ配信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
(1)ネットワークを介して互いに双方向通信可能に接続されたクライアント装置およびサーバを備えた音声データ配信システムであって、前記クライアント装置は、ユーザによる音声データの選択結果の入力を受け付けるための入力手段と、前記選択結果に従って前記サーバに音声データの配信命令を送信するための送信手段と、前記サーバにより配信される音声データを受信するための音声データ受信手段と、前記音声データ受信手段により受信された音声データを再生出力するための再生手段と、を備えており、前記サーバは、音声データを記録するための記憶手段と、前記クライアント装置から音声データの配信命令を受信するための配信命令受信手段と、前記配信命令に従って前記記憶部から音声データを抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された音声データが複数である場合に、抽出された音声データにミキシング処理を施して単一のミキシングデータを作成するためのミキシング手段と、前記抽出手段により抽出された音声データが1つである場合には抽出された音声データに対し、前記抽出手段により抽出された音声データが複数である場合には前記ミキシングデータに対し、前記クライアント装置の出力特性に応じたバランス調整処理をそれぞれ実行して配信用データを作成するためのバランス調整手段と、前記配信用データを前記クライアント装置に配信するための配信手段と、を備えていることを特徴とする音声データ配信システム。
【0009】
(2)前記クライアント装置は携帯電話であることを特徴とする上記(1)に記載の音声データ配信システム。
【0010】
(3)前記ネットワークはインターネットであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の音声データ配信システム。
【0011】
(4)前記音声データには生活音が収録されていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の音声データ配信システム。
【0012】
(5)ネットワークを介して互いに双方向通信可能に接続されたクライアント装置およびサーバを備えた音声データ配信システムであって、前記クライアント装置は、ユーザによる音声データの選択結果の入力を受け付けるための入力手段と、前記選択結果に従って前記サーバに音声データの配信命令を送信するための配信命令送信手段と、前記サーバにより配信される音声データを受信するための音声データ受信手段と、前記音声データ受信手段により複数の音声データが受信された場合に、受信された音声データにミキシング処理を施して単一の合成データを作成するためのミキシング手段と、前記音声データ受信手段により受信された音声データが1つである場合には受信された音声データを、前記音声データ受信手段により受信された音声データが複数である場合には前記合成データを、それぞれ再生出力するための再生手段と、を備えており、前記サーバ装置は、音声データを記録するための記憶手段と、前記携帯電話から音声データの配信命令を受信するための配信命令受信手段と、前記配信命令に従って前記記憶部から音声データを抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された音声データの各々に対して、前記クライアント装置の出力特性に応じたバランス調整処理を実行して配信用データを作成するためのバランス調整手段と、前記配信用データを前記クライアント装置に配信するための配信手段と、を備えていることを特徴とする音声データ配信システム。
【0013】
(6)前記クライアント装置は携帯電話であることを特徴とする上記(5)に記載の音声データ配信システム。
【0014】
(7)前記ネットワークはインターネットであることを特徴とする上記(5)または(6)に記載の音声データ配信システム。
【0015】
(8)前記音声データには生活音が収録されていることを特徴とする上記(5)〜(7)のいずれか1つに記載の音声データ配信システム。
【0016】
(9)ネットワークを介して互いに双方向通信可能に接続されたクライアント装置およびサーバを備えた音声データ配信システムにおけるサーバであって、音声データを記録するための記憶手段と、前記クライアント装置から音声データの配信命令を受信するための配信命令受信手段と、前記配信命令に従って前記記憶部から音声データを抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された音声データが複数である場合に、抽出された音声データにミキシング処理を施して単一のミキシングデータを作成するためのミキシング手段と、前記抽出手段により抽出された音声データが1つである場合には抽出された音声データに対し、前記抽出手段により抽出された音声データが複数である場合には前記ミキシングデータに対し、前記クライアント装置の出力特性に応じたバランス調節処理をそれぞれ実行して配信用データを作成するためのバランス調節手段と、前記配信用データを前記クライアント装置に配信するための配信手段と、を備えていることを特徴とするサーバ。
【0017】
(10)ネットワークを介して互いに双方向通信可能に接続されたクライアント装置およびサーバを備えた音声データ配信システムにおけるクライアント装置であって、ユーザによる音声データの選択結果の入力を受け付けるための入力手段と、前記選択結果に従って前記サーバに音声データの配信命令を送信するための送信手段と、前記サーバにより配信される音声データを受信するための音声データ受信手段と、前記音声データ受信手段により複数の音声データが受信された場合に、受信された音声データにミキシング処理を施して単一の合成データを作成するためのミキシング手段と、前記音声データ受信手段により受信された音声データが1つである場合には受信された音声データを、前記音声データ受信手段により受信された音声データが複数である場合には前記合成データを、それぞれ再生出力するための再生手段と、を備えていることを特徴とするクライアント装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明の音声配信システムによれば、ユーザが所望する種類の生活音を収録した高音質な音声データをいつでも手軽に入手・再生できることに加え、複数の音声データを組み合わせることで膨大な種類の生活音を再生することができるようになる。それにより、第三者に見破られ難い臨場感溢れる生活音を再現することができ、生活音を利用したアリバイ機能および防犯機能をより効果的に実現することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる音声データ配信システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態にかかる音声データ配信システムは、クライアント装置としての携帯電話1と、無線通信により携帯電話1と双方向通信可能に接続される無線基地局2と、データ通信網3を介して無線基地局2と双方向通信可能に接続されるサーバ4と、を備えている。本実施形態において、データ通信網3はインターネットであるが、これは、双方向にデータ通信可能なネットワークであれば特に制限されず、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などであってもよい。
【0021】
続いて、システムの主要な構成要素である携帯電話1およびサーバ4について説明する。
【0022】
図2は、本実施形態における携帯電話1の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、携帯電話1は、制御部11、記憶部12、表示部13、入力部14、出力部15、スピーカ16、通信インタフェース17を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス18を介して相互に接続されている。
【0023】
制御部11はCPUであり、所定のプログラムに従って上記各部の制御や各種の演算処理等を行う。記憶部12は、携帯電話1の基本動作を制御する各種プログラムやパラメータを格納するROM121、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM122、およびOS(オペレーティングシステム)や外部からダウンロードした音声データ等を格納するEEPROM123を含んでなる。
【0024】
表示部13は、液晶パネルや有機EL等からなり、制御部11からの指令に従ってユーザに対する各種表示を行う。
【0025】
入力部14はキーパネルからなり、ユーザからの各種指示を取得する。なお、本実施形態において、入力部14は、表示部13に表示されるUI(ユーザインターフェース)画面上で、ユーザがカーソルを上下させるためのカーソルキー、チェックボックス等を選択するための選択キー、選択キーによる選択結果を実行するための実行キー等を含んでなる。
【0026】
再生部15は、記憶部12内に格納された音声データやインターネット経由で配信される音声ストリーム等を、スピーカ16を介して再生出力できる。なお、再生部15は、携帯電話1による音声通話中のユーザの通話音に、前述の音声データや音声ストリーム等を重ね合わせて送出することもできる。
【0027】
通信インタフェース17は、所定の周波数帯の電波を用いて基地局と双方向通信を行うためのインタフェースである。
【0028】
図3は、本実施形態におけるサーバ4の構成の一例を示すブロック図である。サーバ4は、後述のように音声データの格納および転送機能を有するコンピュータである。図3のように、サーバ4は、制御部41、記憶部42、データ抽出部43、ミキシング部44、レベル調節部45、および通信インタフェース部46を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス47を介して相互に接続されている。
【0029】
制御部41はCPUであり、所定のプログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理等を行う。記憶部42は、予め各種プログラムやパラメータを格納しておくROM421、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM422、OS等に加えて種々の生活音を録音した音声データを格納するハードディスク423を含んでなる。
【0030】
ここで、生活音には、駅でのアナウンス、電車の走行音、街の雑踏が発する音、学校のチャイム、トイレの流水音、店内(スーパー、喫茶店、ファーストフード店、パチンコ店、マージャン店など)で聞かれる典型的な音、雨音、風音、川のせせらぎ、波音、動物の鳴き声、などが含まれる。この音声データは、プロの技術士が専用の録音機材を用いて収録した高音質の音声データであり、おのおの音源が何であるかを示すファイル名が付けられた状態で保存されている。ハードディスク423は、全ての音声データのファイル名を示す音声データリストを格納している。後述のように、ユーザはこのような高音質の音声データを自由に携帯電話1にダウンロードできるため、自ら携帯電話の内蔵マイク等を用いて生活音の収録を行う必要がなくなる。
【0031】
データ抽出部43は、携帯電話1からの指示に従って記憶部42内の音声データを抽出する。ミキシング部44は、複数の音声データに対してミキシング処理を施して新たな音声データを合成する。レベル調節部45は、配信すべき音声データに対し、配信先である携帯電話1の特性に応じたレベル調整処理を施す。これら各部についてはさらに後述する。
【0032】
通信インタフェース部44は、インターネットと接続し携帯電話1と双方向通信を行うためのインタフェースである。
【0033】
次に、本実施形態における音声データ配信システムの動作の概要を説明する。図4は、本実施形態における携帯電話1の音声データ受信のための処理の手順を示すフローチャートである。なお、図4のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、携帯電話1のROM121に制御プログラムとして記憶されており、動作開始の際に制御部11により読み出されて実行される。
【0034】
図4において、先ず、携帯電話1は、ユーザからの入力に従ってサーバ4に対して音声データリストの要求を行う(S101)。この音声データリストは、現時点でサーバ4が配信可能な全ての音声データを示すリストである。ユーザは、例えば、表示部13に表示される専用UI画面を入力部14等で操作することによって入力を行う。なお、本実施形態において、音声データリストには膨大な数の生活音が含まれることが前提であるので、かかるUI画面は、サーバ4に格納された全データのリストではなく、特定の種別のリスト(例えば、「自然音」、「店内の音」、「動物の鳴き声」等)のみをユーザが選択的に要求することができるように構成されることも可能である。
【0035】
次に、携帯電話1は、S101の要求に従ってサーバ4により配信された音声データリストを受信する(S102)。このように、音声データ配信の都度サーバ4から音声データリストを取得する構成とすることで、記憶部12内の使用容量を節減できるほか、ユーザが常に最新のリストを利用可能になるという利点がある。
【0036】
次に、携帯電話1は、S102において受信した音声データリストを、表示部13によってユーザに対して表示する(S103)。ここで、図5に表示部13による表示画面5の一例を示す。
【0037】
図5の表示画面5は、S103において配信された音声データリストに従って作成されるUI画面であり、ユーザは入力部14のカーソルキー141、選択・実行キー142等を操作することでリスト中の所望の生活音を選択することができる。この点についてはさらに後述する。
【0038】
次に、携帯電話1は、表示画面5においてユーザによる生活音の選択結果を取得し(S104)、その選択結果をサーバ4に対して送信することで、選択された生活音の音声データの配信命令を行う(S105)。このとき、同配信命令には、携帯電話1の機種固有の特性に関する情報も含ませる。この情報は、後述のS205において、サーバ4がレベル調節処理を実行する際に必要となる。
【0039】
ここで、ユーザが、図5のような表示画面5において所望の生活音を選択する際の手順について説明する。先ず、ユーザは、カーソルキー141を操作して、所望の生活音の表示部分にカーソル51の位置を合わせる。ユーザは、その状態で選択・実行キー142を押すことで、対応するチャックボックス52にチェックマークを付けることができる。こうしてユーザ所望の生活音が選択状態にされる。このとき、ユーザは、1つの生活音のみを選択することも可能であるし、複数の生活音を選択することも可能である。図5の例においては、「駅アナウンス(新宿駅)」、「電車」、「雨音」の3つの生活音が選択されている。このように複数の生活音が選択された場合には、後述のように、複数の音声データにミキシング処理を施すことによって得られる合成済みの音声データがサーバ4により配信されることになる。また、画面5中に一度に収まりきらない大きなリストが受信された場合には、カーソルキー141の上部キーまたは下部キーを押し続けることで、リスト全体を上下にスクロールすることができるほか、画面5の下部に配置された〔前〕または〔次〕のボタン53を選択することで、リストの前方または後方に移動することができる。
【0040】
以上の手順で1つ以上の生活音を選択状態にした後に、カーソル51を〔送信〕のボタン54に合わせた状態で選択・実行キー142を押すことで、配信を希望する生活音の選択結果をサーバ4に送信することができる。なお、一度選択した生活音をキャンセルするためには、選択・実行キー142を押す前に、キャンセルしたい生活音に再度カーソル51を合わせて選択キー51を押して選択状態を解除すればよい。
【0041】
次に、携帯電話1は、S105の要求に従ってサーバ4により配信された音声データを取得し、記憶部12内のEEPROM123等に保存して処理を終了する(S106)。
【0042】
上記のように、サーバより配信された生活音の音声データを記憶部12内に保存しておけば、
ユーザは、必要なときにいつでも所望の生活音を再生できるようになる。例えば、ユーザは、「駅アナウンス(新宿駅)」の音声データを予め携帯電話1に保存しておき、その音声データを携帯電話1による音声通話中に再生することで、音声通話の相手に対して、あたかもユーザが新宿駅のホームにいるかのような印象を与えることができる。なお、本実施形態のように配信された音声データを一旦記憶部12内に保存した後に再生するのではなく、ストリーミング技術を用いて、サーバ4から配信される音声データを順次再生することも可能である。
【0043】
また、非通話状態の携帯電話1を、高音質の生活音発生器としても利用することができるのは勿論である。例えば、防犯のためにパトカーのサイレン音や警報装置のアラーム音などを再生したり、トイレ使用時の音消しのために流水音を再生したりすることが可能である。なお、サーバ4から受信した音声データは、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、SDメモリーカード、マルチメディアカード等のリムーバブルメディアや、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11、HomeRF、IrDA等の通信規格に対応した近距離無線通信手段により、ネットワークに未接続の電子機器にも転送可能であるので、ユーザは、手持ちの電子機器をも高音質の生活音発生器として利用できるようになる。例えば、携帯用ゲーム機や携帯用音楽プレーヤは近年広く普及しており多くの人が1台は所有していると考えられるので、ユーザは、これらの機器を生活音発生器として利用すれば高価な専用機器をわざわざ購入する必要がなくなる。
【0044】
続いて、図6は、本実施形態におけるサーバ4の音声データ配信処理の手順を示すフローチャートである。なお、図6のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、サーバ2の記憶部22のROMに制御プログラムとして記憶されており、動作開始の際に制御部21により読み出されて実行される。
【0045】
先ず、サーバ4は、上述のS105において携帯電話1により送信された音声データ配信命令を受信すると(S201)、データ検索部43により、同配信命令において選択された生活音に対応する音声データをハードディスク423から抽出し、その後の処理のためにRAM422に読み出す(S202)。
【0046】
次に、サーバ4は、受信した音声データ配信命令において選択された生活音が複数であるか否かを判断する(S203)。ここで、選択された生活音が1つのみであった場合(S203のNO)、サーバ4は、レベル調節部44により、S202において検索した音声データに対してレベル調節処理を実行する(S205)。レベル調節処理とは、音声データの配信先である携帯電話1の特性に応じた音声データのステレオ調節、周波数特性調節、および音量バランス調節のことであり、前述のS105において音声データ配信命令に含められた携帯電話1の機種固有の特性に関する情報に従って実行される。
【0047】
また、音声データ配信命令において選択された生活音が複数であった場合(S203のYES)、サーバ4は、ミキシング部45により、これら複数の音声データのミキシング処理を実行し、これら複数のデータの合成データを作成する(S204)。図5の例によれば、「駅アナウンス(新宿駅)」、「電車」、「雨音」の3つの生活音が混合された音声データが新たに生成される。この合成データを用いれば、ユーザは、「雨の中、新宿駅のホームで電車を待っている」という架空のアリバイを作り出すことができる。
【0048】
次に、サーバ4は、S204において作成した合成データに対してレベル調節処理を実行する(S205)。
【0049】
次に、サーバ4は、S205においてレベル調節処理を実行した音声データを携帯電話1に配信して処理を終了する(S206)。
【0050】
以上のように、本発明の音声配信システムによれば、ユーザが所望する種類の生活音を収録した高音質な音声データをいつでも手軽に入手・再生できることに加え、複数の音声データを組み合わせることで膨大な種類の生活音を再生することができるようになる。それにより、第三者に見破られ難い臨場感溢れる生活音を再現することができ、生活音を利用したアリバイ機能および防犯機能をより効果的に実現することができるようになる。
【0051】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。例えば、上記実施形態では、本発明の音声データ配信システムを、クライアント端末として携帯電話1を例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、インターネットに接続可能な電子機器であればいかなるものであっても利用可能であり、例えば、携帯電話の代わりに、PHS(登録商標)、固定電話、PDA、パソコン、電子手帳、携帯ゲーム機等が用いられてもよい。
【0052】
また、本実施形態において、図5の例のように、ユーザが複数の生活音を選択した場合の音声データのミキシング処理は、サーバ4側に備えられたミキシング部44により実行されるが、本発明はこのような構成に限定されず、携帯電話1側にミキシング手段が設けられる構成が採用されてもよい。この場合、携帯電話1は、一旦サーバ4からEEPROM123等にダウンロードした複数の音声データに対してミキシング処理を施すことで、単一の音声データを新たに作り出すことができる。なお、ミキシング処理を施すための音声データとしては、サーバ4から受信した音声データのみならず、携帯電話1に内蔵された録音手段によって収録された音声データをも用いることができるのは勿論である。
【0053】
また、本発明の音声データ配信システムにより配信される音声データは、必ずしも生活音のみに限定されず、音楽や電子音などであってもよい。例えば、ユーザは、複数の音楽データに対してミキシング処理を実行することで、自らの嗜好に合った音楽を新たに作り出すことができる。さらに、音楽データと生活音データに対してミキシング処理を実行可能であることも勿論である。
【0054】
本実施形態の音声データ配信システムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピュータのいずれによっても実現することが可能である。ここで、上記プログラムは、例えばフレキシブルディスクやCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送されて記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、装置の一機能としてその装置のソフトウェアに組み込まれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態による音声データ配信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1における携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図3】図1におけるサーバの構成を示すブロック図である。
【図4】携帯電話による処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】携帯電話の表示部および入力部を示す図である。
【図6】配信サーバによる処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1 携帯電話、
11 制御部、
12 記録部、
13 表示部、
14 入力部、
15 再生部、
16 スピーカ、
17 通信インタフェース、
18 バス、
2 基地局、
3 データ通信網、
4 サーバ、
41 制御部、
42 記憶部、
43 データ抽出部、
44 ミキシング部、
45 レベル調節部、
46 通信インタフェース、
5 表示画面、
51 カーソル、
52 チェックボックス、
53 ボタン、
54 ボタン。
【出願人】 【識別番号】598144786
【氏名又は名称】岸田 佳久
【出願日】 平成19年5月17日(2007.5.17)
【代理人】 【識別番号】100072349
【弁理士】
【氏名又は名称】八田 幹雄

【識別番号】100110995
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 泰男

【識別番号】100114649
【弁理士】
【氏名又は名称】宇谷 勝幸

【識別番号】100129126
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 健

【識別番号】100130971
【弁理士】
【氏名又は名称】都祭 正則

【識別番号】100134348
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 俊弘


【公開番号】 特開2008−287009(P2008−287009A)
【公開日】 平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願番号】 特願2007−131949(P2007−131949)