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【発明の名称】 鍵盤楽器の外装構造および鍵盤楽器
【発明者】 【氏名】朝倉 新吾

【要約】 【課題】情報を掲示するにあたって、別の部品を必要とせず鍵盤楽器としての構造が複雑化することのない鍵盤楽器の外装構造を提供する。

【解決手段】本実施形態の鍵盤楽器1には、鍵盤楽器1の外装部品の一部に、少なくとも外装部品表面に対する情報の掲示が可能な情報掲示部10が形成されている。それにより、外装部品の表面に直接的に情報を掲示することができるため、そのような機能を有する部品を別途用意する必要はなく、また、鍵盤楽器1としての構造が複雑化することもない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍵盤楽器における外装部品の一部に、少なくとも該外装部品表面に対する情報の掲示が可能な情報掲示部を形成した
ことを特徴とする鍵盤楽器の外装構造。
【請求項2】
前記情報掲示部は、筆記具による情報の書き込み,および,該書き込まれた情報の消去を容易ならしめる材料からなる
ことを特徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器の外装構造。
【請求項3】
前記情報掲示部は、前記外装部品における基材の一部分をシート状の材料にてコーティングすることで形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の鍵盤楽器の外装構造。
【請求項4】
前記情報掲示部は、磁石が付着可能な材料からなり、
該磁石と前記情報掲示部との間に情報が表示された表示物を挟むことにより、情報の掲示が実現されるように構成されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鍵盤楽器の外装構造。
【請求項5】
前記情報掲示部は、前記外装部品における基材の一部分を金属材料の塗料またはシートにてコーティングすることで形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の鍵盤楽器の外装構造。
【請求項6】
前記鍵盤楽器における上前板の少なくとも一部分が、前記情報掲示部として形成されている
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の鍵盤楽器の外装構造。
【請求項7】
前記鍵盤楽器における鍵盤の少なくとも一部分が、前記情報掲示部として形成されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の鍵盤楽器の外装構造。
【請求項8】
前記外装部品として、前記鍵盤楽器本体から取り外すと共に、該鍵盤楽器の外側を向いていた面を鍵盤楽器の内側に向けて取り付け直すことができる板状の部材を備えており、
該板状の部材における一方の面の少なくとも一部分が、前記情報掲示部として形成されている
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の鍵盤楽器の外装構造。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の鍵盤楽器の外装構造を有する
ことを特徴とする鍵盤楽器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵盤楽器の外装構造および鍵盤楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、鍵盤楽器の演奏についての指導を行う際には、鍵盤楽器とは別にホワイトボードなどの表示装置を用意し、そこに指導すべき情報を掲示していた。
近年では、このように鍵盤楽器と別のホワイトボードを用意しなくてもよいようにすべく、ホワイトボードと一体に構成された鍵盤楽器が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−108328号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述した鍵盤楽器においても、情報を掲示する機能を有する部品が別途必要になる点では変わりなく、また、鍵盤楽器としての構造が複雑化してしまうという課題があった。
【0004】
本願発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、情報を掲示するにあたって、別の部品を必要とせず鍵盤楽器としての構造が複雑化することのない鍵盤楽器の外装構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために請求項1に記載の鍵盤楽器の外装構造は、鍵盤楽器における外装部品の一部に、少なくとも該外装部品表面に対する情報の掲示が可能な情報掲示部を形成したことを特徴とする。
【0006】
このように構成すれば、外装部品の表面に直接的に情報を掲示することができるため、そのような機能を有する部品を別途用意する必要はなく、また、鍵盤楽器としての構造が複雑化することもない。
【0007】
この構成における情報掲示部とは、情報を掲示する機能を有していればよく、例えば、請求項2に記載のように、筆記具による情報の書き込み,および,該書き込まれた情報の消去を容易ならしめる材料からなる構成とすることが考えられる。
【0008】
この構成であれば、鍵盤楽器の外装部品に直接文字等を書き込むことにより、情報の掲示を実現することができる。
なお、このような情報掲示部は、請求項3に記載のように、前記外装部品における基材の一部分をシート状の材料にてコーティングすることで形成すればよい。
【0009】
このように構成すれば、外装部品の基材にシート状の材料をコーティングすることにより、情報掲示部を形成することができる。
なお、ここで言う基材とは、外装部品を構成するベースとなる部材である(以下同様)。そして、情報掲示部は、この基材の表面に形成される。
【0010】
また、情報掲示部は、請求項4に記載のように、磁石が付着可能な材料からなる構成とすることも考えられる。
この構成であれば、磁石と情報掲示部との間に情報が表示された表示物を挟むことにより、情報の掲示を実現することができる。
【0011】
なお、このような情報掲示部は、請求項5に記載のように、前記外装部品における基材の一部分を金属材料の塗料またはシートにてコーティングすることで形成すればよい。
このように構成すれば、外装部品の基材に金属材料の塗料またはシートをコーティングすることにより、情報掲示部を形成することができる。
【0012】
ところで、上述した外装構造においては、鍵盤楽器における外装部品であれば、例えば、屋根、親板,鍵盤蓋,譜面台,下前板,拍子木,腕木,口棒,前框など、どの部品を情報掲示部としてもよい。
【0013】
ただ、例えば、請求項6に記載のように、前記鍵盤楽器における上前板の少なくとも一部分を、前記情報掲示部として形成することが望ましい。
このように構成すれば、上前板という演奏者にとって視認しやすい領域に情報を掲示できるため、演奏者自身が任意の見やすい位置に楽曲に関する情報を掲示させることで、その楽曲の演奏に際しての利便性を向上させることができる。
【0014】
また、請求項7に記載のように、前記鍵盤楽器における鍵盤の少なくとも一部分を、前記情報掲示部として形成することも望ましい。
このように構成すれば、鍵盤における各鍵が示す音階の情報を掲示することにより、各鍵の音階を把握していない演奏者であっても、その音階を確認しながら間違えないように演奏することができるようになる。
【0015】
また、鍵盤楽器の外装部品として、鍵盤楽器本体から取り外すと共に、鍵盤楽器の外側を向いていた面を鍵盤楽器の内側に向けて取り付け直すことができる板状の部材を備えているのであれば、請求項8に記載のように、この板状の部材における一方の面の少なくとも一部分を、前記情報掲示部として形成してもよい。
【0016】
このように構成すれば、通常の外装部品となっている状態と、情報の掲示が可能な外装部品となっている状態とを使い分けることができる。また、情報掲示部に情報が掲示された状態の板状の部材を、その掲示された面を鍵盤楽器の内側に向けて取り付けることにより、その情報を掲示したままで隠すことができる。
【0017】
また、請求項9に記載の鍵盤楽器は、請求項1から8のいずれかに記載の鍵盤楽器の外装構造を有している。
このように構成された鍵盤楽器であれば、請求項1から8のいずれかに記載された鍵盤楽器における外装構造と同様の効果を有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(1)全体構成
鍵盤楽器1は、図1(a)に示すように、その外装部品の一部に、少なくとも外装部品表面に対する情報の掲示が可能な情報掲示部10を形成してなるものである。
【0019】
具体的には、上前板20の少なくとも一部分(本実施形態では全面),および,鍵盤30の少なくとも一部分(本実施形態では全ての鍵における上面)が、情報掲示部10として形成されている。
【0020】
この情報掲示部10は、図2に示すように、外装部品の基材40に、鉄箔42,表面フィルム44などのシート部材をこの順に積層してコーティングすることで形成されたものである。この表面フィルム44は、筆記具による情報の書き込み,および,こうして書き込まれた情報の消去を容易ならしめる材料からなるものである。
【0021】
これにより、情報掲示部10には、筆記具による情報の書き込み,および,こうして書き込まれた情報の消去を行うことができ、また、上記情報掲示部10を構成する鉄箔42が磁石12を付着可能な材料からなるため、その磁石12と情報掲示部10との間に情報が表示された表示物を挟んで固定することができる(図1(b)参照)。
【0022】
なお、ここでいう基材40とは、上前板20および鍵盤30(における各鍵)を構成するベースとなる部材である。
(2)作用,効果
このように構成された鍵盤楽器1であれば、鍵盤楽器1の外装部品の一部に、少なくとも外装部品表面に対する情報の掲示が可能な情報掲示部10が形成されている。それにより、外装部品の表面に直接的に情報を掲示することができるため、そのような機能を有する部品を別途用意する必要はなく、また、鍵盤楽器1としての構造が複雑化することもない。
【0023】
また、本実施形態における鍵盤楽器1において、情報掲示部10は、筆記具による情報の書き込み,および,こうして書き込まれた情報の消去を容易ならしめる表面フィルム44によりその表面が形成されているため、鍵盤楽器1の外装部品における情報掲示部10に直接文字等を書き込むことにより、情報の掲示を実現することができる。
【0024】
また、本実施形態における鍵盤楽器1においては、鉄箔42および表面フィルム44などのシート部材をコーティングすることにより情報掲示部10を形成することができる。
また、本実施形態における鍵盤楽器1において、情報掲示部10は、鉄箔42を用いて形成されているため、磁石12が付着可能となっている。そのため、磁石12と情報掲示部10との間に、情報が表示された表示物を挟むことにより、情報の掲示を実現することができる。
【0025】
また、本実施形態における鍵盤楽器1においては、基材40にシート部材である鉄箔42をコーティングすることにより、情報掲示部10を形成することができる。
また、本実施形態における鍵盤楽器1において、上前板20の少なくとも一部分(本実施形態では全面)が、情報掲示部10として形成されている。それにより、上前板20という演奏者にとって視認しやすい領域に情報を掲示できるため、演奏者自身が任意の見やすい位置に楽曲に関する情報を掲示させることで、その楽曲の演奏に際しての利便性を向上させることができる。
【0026】
また、本実施形態における鍵盤楽器1において、鍵盤30の少なくとも一部分(本実施形態では全ての鍵における上面)が、情報掲示部10として形成されている。この状態において、鍵盤30における各鍵が示す音階の情報を掲示すれば、各鍵の音階を把握していない演奏者であっても、その音階を確認しながら間違えないように演奏することができるようになる。
(3)変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0027】
例えば、上記実施形態においては、上前板20および鍵盤30が、情報掲示部10として形成されている構成を例示した。しかし、上前板20または鍵盤30のいずれか一方のみに、情報掲示部10が形成されていてもよい。
【0028】
また、上記実施形態においては、上前板20および鍵盤30に情報掲示部10が形成されている構成を例示した。しかし、情報掲示部10が形成される部品は、鍵盤楽器の外装部品であれば、その具体的な部品は特に限定されない。例えば、屋根,親板,鍵盤蓋,譜面台,下前板,拍子木,腕木,口棒,前框などの部品に情報掲示部10が形成される構成が考えられる。
【0029】
また、上記実施形態においては、外装部品の基材40に対して、シート部材である鉄箔42をコーティングすることで、情報掲示部10に対して磁石が付着可能となっている構成を例示した。しかし、情報掲示部10は、磁石を付着させることができれば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、基材40に対して、金属材料の塗料をコーティングすることで、情報掲示部10を形成することが考えられる。
【0030】
また、鍵盤楽器1が、外装部品として、鍵盤楽器1本体から取り外すと共に、鍵盤楽器1の外側を向いていた面を鍵盤楽器1の内側に向けて取り付け直すことができる板状の部材を備えているのであれば、情報掲示部10が、その板状の部材における一方の面の少なくとも一部分に形成されていてもよい。
【0031】
例えば、図3(a)に示すように、基材40に対して、一方の面に鉄箔42および表面フィルム44が形成されていると共に、もう一方の面に一般的な塗料46が塗装されてなる板状の部材を、上前板20として用いる構成が考えられる。
【0032】
このような上前板20を備える鍵盤楽器1であれば、一般的な塗料46を塗装された面が外側を向いている状態(図3(b)参照)と、情報掲示部10を形成された面が外側を向いている状態(図3(c)参照)とを使い分けることができる。また、情報掲示部10に情報が掲示された状態の上前板20を、その掲示された面を鍵盤楽器1の内側に向けて取り付けることにより、その情報を掲示したままで隠すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の鍵盤楽器を示す斜視図
【図2】情報掲示部の構造を示す斜視図
【図3】変形例の構造を示す斜視図
【符号の説明】
【0034】
1…鍵盤楽器、10…情報掲示部、12…磁石、20…上前板、30…鍵盤、40…基材、42…鉄箔、44…表面フィルム、46…塗料。
【出願人】 【識別番号】000001410
【氏名又は名称】株式会社河合楽器製作所
【出願日】 平成18年10月4日(2006.10.4)
【代理人】 【識別番号】100082500
【弁理士】
【氏名又は名称】足立 勉


【公開番号】 特開2008−90179(P2008−90179A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−273244(P2006−273244)