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【発明の名称】 車載用ナビゲーション装置
【発明者】 【氏名】青野 正樹

【要約】 【課題】聴覚障害を持つユーザのハンディキャップを少しでも解消してより大きな快適・利便性をもたらすことができる車載用ナビゲーション装置を提供する。

【構成】音声案内に対応した視覚案内情報を、手話あるいは口話の画像もしくはアニメーションとして記憶しておき、音声案内が行われるタイミングで対応する視覚案内情報を運転席以外の乗員が視認可能な表示器に表示する車載用ナビゲーション装置として提供可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子道路地図と車両の現在位置データとに基づき目的地への走行経路を音声案内するために、音声案内文を構築・出力するための音声言語情報を記憶する音声言語情報記憶手段と、出力すべき音声案内文の構築に必要な音声言語情報を前記音声言語情報記憶手段から読み出し、これを案内用音声言語出力に変換して前記音声案内文の語順に従い順次出力する案内用音声言語出力手段と、を備えた車載用ナビゲーション装置において、
前記音声案内文の内容を、ユーザが視覚的に把握可能な言語情報である視覚言語情報の集合として記述した視覚案内文として別途構築・出力するために、
前記視覚言語情報を記憶する視覚言語情報記憶手段と、
出力すべき視覚案内文の構築に必要な視覚言語情報を前記視覚言語情報記憶手段から読み出し、これを案内用視覚言語出力に変換して前記視覚案内文の語順に従い順次出力する案内用視覚言語出力手段と、
を備えたことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
少なくとも運転席から視認可能な位置に設けられ、前記電子道路地図を表示出力する電子道路地図表示部を備え、
前記案内用視覚言語出力手段は、案内用視覚言語出力画面が前記電子道路地図の出力画面から分離認識可能な案内用視覚言語表示部を備える請求項1記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記案内用視覚言語表示部は、前記案内用視覚言語出力画面が前記運転席からは視認不能であり、運転席以外の予め定められた座席からの視認は可能となる車内位置に設けられてなる請求項2記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記予め定められた座席が助手席である請求項3記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記案内用視覚言語表示部は、見る方向に応じて別々の映像を表示可能であって前記電子道路地図表示部に兼用された二画面ディスプレイとして構成され、該二画面ディスプレイの前記運転席から視認可能な第一画面が前記電子道路地図の出力画面とされ、同じく助手席から視認可能な第二画面が前記案内用視覚言語出力画面とされてなる請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記案内用視覚言語表示部は、前記電子道路地図表示部とは独立した別の表示部として設けられている請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記案内用視覚言語表示部は、前記案内用視覚言語出力画面をフロントガラス上の助手席前方位置に投影表示するヘッドアップディスプレイとして構成されている請求項6に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記視覚案内文が手話案内文または口話案内文であり、前記視覚言語情報として、当該手話案内文または口話案内文の構築単位となる映像情報が使用される請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項9】
前記視覚案内文は文字案内文であり、前記視覚言語情報として、当該文字案内文を表示時系列順に複数分割した字幕情報が使用される請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項10】
前記案内用視覚言語出力画面への前記視覚案内文の表示出力を、許容状態と禁止状態との間で切り替える視覚案内文出力制御手段を備える請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項11】
前記案内用視覚言語出力画面が前記運転席から視認可能となる車内位置に設けられ、
前記視覚案内文出力制御手段は、車両が走行中であるかを判定する走行判定手段を備えるとともに、前記車両が走行中は前記案内用視覚言語出力画面への前記視覚案内文の表示出力を禁止し、前記車両が停止中には許容する請求項10に記載の車載用ナビゲーション装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の走行に伴ってGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等により現在位置を検出し、その現在位置を表示装置上に道路地図と共に表示して、出発地から目的地までの適切な経路を設定し、表示装置や音声出力装置などによって案内する車載用ナビゲーション装置は、ユーザの効率的で安全な運転に貢献している。
【0003】
近年、「バリアフリー」というキーワードが社会に定着しつつある。バリアフリーは心身のどこかに障害がある人のQOL(Quality of Life)を向上させるために社会環境を整備することである。また、快適で便利な生活をするためには車両は必要不可欠な存在となっている。そこで、障害者の乗降や運転に配慮した、いわゆる「福祉車両」も各メーカで製造されている。
【0004】
また、指定された楽曲のカラオケ伴奏音楽を音響出力するとともに、その伴奏音楽に同期して歌詞文字列を表示出力するカラオケ装置において、文字言語における多数の単語や例文のそれぞれに動画表現された手話言語を対応付けして編集した手話動画データベースを設け、ある楽曲のある演奏時点で表示されている歌詞文字列に含まれているある単語や文節に該当する手話表現の動画データを前記手話動画データベースから取り出して表示する手話学習機能付きカラオケ装置が考案されている(特許文献1参照)。このカラオケ装置は健常者が手話を学習するためのものであるが、聴覚障害者が歌詞を理解できるという利点も備えている。
【0005】
また、聴覚障害者にもわかりやすい情報提供を行うために、絵、写真、ビデオ画像と、文字、音声、および手話による説明を組み合わせて表示する案内装置が考案されている(特許文献2参照)。この案内装置では、手話による案内はコンピュータグラフィックによって合成した手話のアニメーションを使用して行い、案内用の手話の編集は、単語単位に基本的な動作のパターンをあらかじめ装置内に記憶しておき、それらを適宜指定し、必要に応じて詳細な変更を行うようになっている。
【0006】
また、音声信号を文字情報に変換する文字生成手段で生成された文字を画面上に表示させる表示手段を備え、あるいは音声認識手段で認識された意味内容を手話のアニメーション画像に変換する手話画像生成手段を備え、テレビ放送をはじめとする映像メディアにおける会話やアナウンスなどの発話内容が文字あるいは手話のアニメーション画像として画面上に即座に表示でき、画面を見るだけで発話内容が理解できる映像機器が考案されている(特許文献3参照)。
【0007】
また、聴覚障害者が音声誘導や音声情報と同等の情報が得られるに表示画面に手話動画等の音声出力代替用画像データを表示できるようにした自動取引装置(ATM)が考案されている(特許文献4参照)。
【0008】
【特許文献1】特開2004−302482号公報
【特許文献2】特開平07−092938号公報
【特許文献3】特開平07−191599号公報
【特許文献4】特開平05−216910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
車載用ナビゲーション装置では、音声により各種の案内を行う機能があるが、これは、道路交通法第七十一条五の五には、「自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視しない」と規定されているため、ユーザ(特に運転者)が画面を見続けて運転の妨げにならないようにすることや画面の案内を補足してより分かりやすくすることが主目的で、身体にハンディキャップを持つユーザを考慮してのものではない。また、特許文献1あるいは特許文献4のような、音声情報とほぼ同等の案内を画像・動画像により実現する構成を車載用ナビゲーション装置に適用したものは考案されていない。
【0010】
特許文献2および特許文献3の構成では、音声や文字情報を手話表示に変換するため変換が適切に行われないという問題がある。また、文字,音声から手話に変換するための装置が必要となってコストが上昇するという問題がある。さらに、変換や手話のアニメーション作成のために時間がかかり、適切なタイミングで手話表示が行われないという問題がある。よって、これらの構成を車載用ナビゲーション装置に適用するのは難しい。
【0011】
上述の従来技術における聴覚障害者のための言語は手話のみ用いられていて、その他の口話等の言語については用いられていない。
【0012】
上記問題を背景として、本発明の課題は、聴覚障害を持つユーザのハンディキャップを少しでも解消してより大きな快適・利便性をもたらすことができる車載用ナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0013】
上記課題を解決するための車載用ナビゲーション装置は、電子道路地図と車両の現在位置データとに基づき目的地への走行経路を音声案内するために、音声案内文を構築・出力するための音声言語情報を記憶する音声言語情報記憶手段と、出力すべき音声案内文の構築に必要な音声言語情報を音声言語情報記憶手段から読み出し、これを案内用音声言語出力に変換して音声案内文の語順に従い順次出力する案内用音声言語出力手段と、を備えた車載用ナビゲーション装置において、音声案内文の内容を、ユーザが視覚的に把握可能な言語情報である視覚言語情報の集合として記述した視覚案内文として別途構築・出力するために、視覚言語情報を記憶する視覚言語情報記憶手段と、出力すべき視覚案内文の構築に必要な視覚言語情報を視覚言語情報記憶手段から読み出し、これを案内用視覚言語出力に変換して視覚案内文の語順に従い順次出力する案内用視覚言語出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
上記構成によって、車載用ナビゲーション装置においても音声案内(音声案内文)の内容に適応した視覚案内文を、予め記憶されている視覚言語情報から構築できるので、音声や文字情報を手話表示に変換するため変換が適切に行われないという問題は発生しない。また、文字,音声から手話に変換するための装置が必要となってコストが上昇するという問題も発生しない。さらに、変換や手話のアニメーション作成のために時間がかかり、適切なタイミングで手話表示が行われないという問題も発生せず、文字,音声と同様に各種情報の案内を行うことが可能となる。
【0015】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、少なくとも運転席から視認可能な位置に設けられ、電子道路地図を表示出力する電子道路地図表示部を備え、案内用視覚言語出力手段は、案内用視覚言語出力画面が電子道路地図の出力画面から分離認識可能な案内用視覚言語表示部を備えるように構成することもできる。
【0016】
上記構成によって、電子道路地図の表示および視認を妨げることなく視覚案内文を表示することが可能となる。
【0017】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置における案内用視覚言語表示部は、案内用視覚言語出力画面が運転席からは視認不能であり、運転席以外の予め定められた座席からの視認は可能となる車内位置に設けられてなるように構成することもできる。
【0018】
上記構成によって、運転者の運転の妨げとなることなく視覚案内文を表示することが可能となり、運転者以外の視覚案内文が必要な乗員はその視覚案内文を視認することができる。
【0019】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、予め定められた座席が助手席であるように構成することもできる。
【0020】
上記構成によって、助手席乗員は運転者の運転の妨げとなることなく視覚案内文を視認することが可能となる。
【0021】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置における案内用視覚言語表示部は、見る方向に応じて別々の映像を表示可能であって電子道路地図表示部に兼用された二画面ディスプレイとして構成され、該二画面ディスプレイの運転席から視認可能な第一画面が電子道路地図の出力画面とされ、同じく助手席から視認可能な第二画面が案内用視覚言語出力画面とされてなるように構成することもできる。
【0022】
見る方向に応じて別々の映像を表示可能な二画面ディスプレイは、近年実用化されつつある。上記構成によっても、助手席乗員は運転者の運転の妨げとなることなく案内用視覚言語を視認することが可能となる。また、独立した別の表示部を設ける必要がないので、車内の居住空間は狭くならず、ダッシュパネルやセンターコンソール等の車内の意匠を損なわないという利点もある。
【0023】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置における案内用視覚言語表示部は、電子道路地図表示部とは独立した別の表示部として設けられているように構成することもできる。
【0024】
上記構成によって、運転者以外の乗員は運転者の運転の妨げとなることなく視覚案内文を視認することが可能となる。
【0025】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置における案内用視覚言語表示部は、案内用視覚言語出力画面をフロントガラス上の助手席前方位置に投影表示するヘッドアップディスプレイとして構成されているように構成することもできる。
【0026】
上記構成によって、助手席乗員は運転者の運転の妨げとなることなく視覚案内文を視認することが可能となる。また、ヘッドアップディスプレイは車室内に対して突起部を含まないので、助手席周りの居住空間は狭くならず、助手席周りのダッシュパネルやセンターコンソールの意匠を損なわないという利点もある。
【0027】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置における視覚案内文が手話案内文または口話案内文であり、視覚言語情報として、当該手話案内文または口話案内文の構築単位となる映像情報が使用されるように構成することもできる。
【0028】
上記構成によって、手話だけでなく口話も視覚案内文として用いられるので、案内の内容をより把握しやすくなり、聴覚障害者にとって車載用ナビゲーション装置の利便性が向上する。なお、手話は、手の形や動かし方によってそれぞれ言葉の意味を表すものである。また、手の位置や表情・動作も手話の大切な要素となる。また、口話は、健聴者と同じように声を出して話をすることで、聞き手は相手の口の動きを見て話を読み取る(読話)ものである。
【0029】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置における視覚案内文は文字案内文であり、視覚言語情報として、当該文字案内文を表示時系列順に複数分割した字幕情報が使用されるように構成することもできる。
【0030】
上記構成によっても、案内の内容をより把握しやすくなり、聴覚障害者にとって車載用ナビゲーション装置の利便性が向上する。また、視覚案内文と文字案内文とを両方表示すれば、聴覚障害者は案内の内容を確実に把握・理解することが可能となる。
【0031】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、案内用視覚言語出力画面への視覚案内文の表示出力を、許容状態と禁止状態との間で切り替える視覚案内文出力制御手段を備えるように構成することもできる。
【0032】
上記構成によって、視覚案内文の表示出力をユーザが必要なときにのみ行うことができ、視覚案内文の表示を行わないときには他の情報を表示できるので、表示画面のスペースを有効に活用することができる。
【0033】
また、本発明の車載用ナビゲーション装置は、案内用視覚言語出力画面が運転席から視認可能となる車内位置に設けられ、視覚案内文出力制御手段は、車両が走行中であるかを判定する走行判定手段を備えるとともに、車両が走行中は案内用視覚言語出力画面への視覚案内文の表示出力を禁止し、車両が停止中には許容するように構成することもできる。
【0034】
車載用ナビゲーション装置は、運転の妨げにならないようにするために車両が走行中は操作できないようになっている。上記構成によって、車載用ナビゲーション装置の操作体系から逸脱せず、かつ聴覚に障害のある運転者にとっても案内の内容をより把握しやすくなり、車載用ナビゲーション装置の利便性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の車載用ナビゲーション装置を、図面を参照しながら説明する。図1は車載用ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と略称)100の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、位置検出器1,地図データ入力器6,操作スイッチ群7,リモートコントロール(以下リモコンと称する)センサ11,音声案内などを行う音声合成回路24,スピーカ15,メモリ9,表示器10,送受信機13,ハードディスク装置(HDD)21,LAN(Local Area Network) I/F(インターフェース)26,これらの接続された制御回路8,リモコン端末12等を備えている。
【0036】
位置検出器1は、周知の地磁気センサ2,車両101(図2A,図2B,図3参照)の回転角速度を検出するジャイロスコープ3,車両101の走行距離を検出する距離センサ4,および衛星からの電波に基づいて車両101の位置を検出するGPS受信機5を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部のセンサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ例えば車速センサ23等を用いてもよい。
【0037】
操作スイッチ群7は、例えば表示器10と一体になったタッチパネル22もしくはメカニカルなスイッチが用いられる。タッチパネル22は、表示器10の画面上にガラス基盤と透明なフィルムにスペーサと呼ばれる隙間を介してX軸方向、Y軸方向に電気回路が配線され、フィルム上をユーザがタッチすると、押された部分の配線がショートして電圧値が変わるため、これを2次元座標値(X,Y)として検出する、いわゆる抵抗膜方式が広く用いられる。その他に、周知のいわゆる静電容量方式を用いてもよい。メカニカルスイッチの他に、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。また、表示器10とその周辺を覆い意匠枠となるエスカッションに、操作スイッチ群7のうちのメカニカルスイッチを配置してもよい。
【0038】
また、マイク31および音声認識ユニット30を用いて種々の指示を入力することも可能である。これは、マイク31から入力された音声信号を、音声認識ユニット30において周知の隠れマルコフモデル等の音声認識技術により処理を行い、その結果に応じた操作コマンドに変換するものである。これら操作スイッチ群7,リモコン端末12,タッチパネル22,およびマイク31により、種々の指示を入力することが可能である。
【0039】
送受信機13は、例えば道路に沿って設けられた送信機(図示せず)から出力される光ビーコン、または電波ビーコンによってVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)センタ14から道路交通情報を受信、あるいはFM多重放送を受信するための装置である。また、送受信機13を用いてインターネット等の外部ネットワークに接続可能な構成としてもよい。
【0040】
また、ETC車載器17と通信することにより、ETC車載器17が路側器(図示せず)から受信した料金情報などをナビゲーション装置100に取り込むことができる。また、ETC車載器17によって外部ネットワークと接続し、VICSセンタ14等との通信を行う構成をとってもよい。
【0041】
制御回路8は通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU81,ROM82,RAM83,入出力回路であるI/O84,A/D変換部86,描画部87,時計IC88,およびこれらの構成を接続するバスライン85が備えられている。CPU81は、HDD21に記憶されたナビプログラム21pおよびデータにより制御を行う。また、HDD21へのデータの読み書きの制御はCPU81によって行なわれる。また、CPU81からHDD21に対してデータの読み書きの制御ができなくなった場合のために、ROM82にナビゲーション装置100として必要最低限の動作を行うためのプログラムを記憶しておいてもよい。なお、制御回路8が本発明の視覚案内文出力制御手段に相当する。
【0042】
A/D変換部86は周知のA/D(アナログ/デジタル)変換回路を含み、例えば位置検出器1などから制御回路8に入力されるアナログデータをCPU81で演算可能なデジタルデータに変換するものである。
【0043】
描画部87は、HDD21等に記憶された地図データ21m(後述),表示用のデータや表示色のデータから表示器10に表示させるための表示画面データを生成する。なお、描画部87が本発明の案内用視覚言語出力手段に相当する。
【0044】
時計IC88はリアルタイムクロックICとも呼ばれ、CPU81からの要求に応じて時計・カレンダーのデータを送出あるいは設定するものである。CPU81は時計IC88から日時情報を取得する。また、GPS受信機5で受信したGPS信号に含まれる日時情報を用いてもよい。また、CPU81に含まれるリアルタイムカウンタを基にして日時情報を生成してもよい。取得された日時情報は、例えば走行履歴管理に用いられる。
【0045】
HDD21には、ナビプログラム21pの他に位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む地図データベースである地図データ21mが記憶される。地図データ21mは、表示用となる所定の地図画像情報を記憶するとともに、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報を記憶する。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標、距離、所要時間、道幅、車線数、制限速度等から構成される。また、ノード情報は、交差点(分岐路)等を規定する情報であって、位置座標、右左折車線数、接続先道路リンク等から構成される。また、リンク間接続情報には、通行の可不可を示すデータなどが設定されている。なお、地図データ21mが本発明の電子道路地図に相当する。
【0046】
また、HDD21には経路案内の補助情報や娯楽情報、その他にユーザが独自にデータを書き込むことができ、ユーザデータ21uとして記憶される。また、ナビゲーション装置100の動作に必要なデータや各種情報はデータベース21dとしても記憶される。なお、データベース21dが本発明の音声言語情報記憶手段,視覚言語情報記憶手段に相当する。
【0047】
ナビプログラム21p,地図データ21m,ユーザデータ21u,およびデータベース21dは、地図データ入力器6を介して記憶媒体20からそのデータの追加・更新を行うことが可能である。記憶媒体20は、そのデータ量からCD−ROMやDVDを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。また、外部ネットワークを介してデータをダウンロードする構成を用いてもよい。
【0048】
メモリ9はEEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory:電気的消去・プログラム可能・読出し専用メモリ)やフラッシュメモリ等の書き換え可能なデバイスによって構成され、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、メモリ9は、ナビゲーション装置100がオフ状態になっても記憶内容が保持されるようになっている。また、メモリ9の代わりにナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをHDD21に記憶してもよい。さらに、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをメモリ9とHDD21に分けて記憶してもよい。
【0049】
表示器10は周知のカラー液晶表示器で構成され、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)およびLCD表示制御を行うための図示しないドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、制御回路8(描画部87)から送られる表示指令および表示画面データに基づいて表示を行う。また、表示器10として有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器を用いてもよい。なお、図2のように、表示器10は車両101のセンターパネル付近に運転者が視認可能なように取り付けられている。また、表示器10が本発明の電子道路地図表示部に相当する。
【0050】
図1に戻り、スピーカ15は周知の音声合成回路24に接続され、ナビプログラム21pの指令によってメモリ9あるいはHDD21に記憶されるデジタル音声データ(本発明の音声言語情報)が音声合成回路24においてアナログ音声に変換されたもの(本発明の案内用音声言語出力)が送出される。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき必要に応じて繋ぎ合わせる録音編集方式、文字入力情報からそれに対応する音声を合成するテキスト合成方式などがある。なお、音声合成回路24が本発明の案内用音声言語出力手段に相当する。
【0051】
車速センサ23は周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路8に送るものである。制御回路8では、その車輪の回転数を車両101の速度に換算して、車両101の現在位置から所定の場所までの予想到達時間を算出したり、車両101の走行区間毎の平均車速を算出する。
【0052】
LAN I/F26は車内LAN27を介して他の車載機器やセンサとのデータの遣り取りを行うためのインターフェース回路である。また、LAN I/F26を介して車速センサ23からのデータ取り込み、あるいはETC車載器17との接続を行ってもよい。
【0053】
このような構成を持つことにより、ナビゲーション装置100は、制御回路8のCPU81によりナビプログラム21pが起動されると、ユーザが操作スイッチ群7,タッチパネル22、リモコン端末12の操作あるいはマイク31からの音声入力によって、表示器10上に表示されるメニュー(図示せず)から目的地経路を表示器10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。
【0054】
すなわち、まず、ユーザは目的地を探索する。目的地の探索方法は、例えば、地図上の任意の地点を指定する方法、目的地の所在する地域から探索する方法,目的地の電話番号から探索する方法,五十音表から目的地の名称を入力して探索する方法,あるいはユーザがよく利用する施設としてメモリ9に記憶されているものから探索する方法などがある。目的地が設定されると、位置検出器1により車両101の現在位置が求められ、該現在位置を出発地として目的地までの最適な案内経路を求める処理が行われる。そして、表示器10上の道路地図に案内経路を重ねて表示し、ユーザに適切な経路を案内する。このような自動的に最適な案内経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。また、表示器10およびスピーカ15の少なくとも一方によって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージの報知を行う。
【0055】
外部表示器25は、表示器10と同様の構成をとり、タッチパネルを含む構成としてもよい。図2Aおよび図2Bに取り付け例を示す。図2Aの例では、運転者(運転席37)からは視認できず助手席36の乗員からは視認可能なように助手席側ダッシュパネルに取り付けられている。また、25aの位置に取り付ければ、後席38の乗員が視認可能となる。図2Bのように、後席38から視認可能とするために、車両101の天井部25bに収納可能なように取り付けてもよい。25,25aおよび25bの位置の全てに取り付けてもよい。なお、外部表示器25が本発明の案内用視覚言語表示部に相当する。39は操舵ハンドルである。
【0056】
外部表示器(25)は、上述のLCD表示器の他に、ヘッドアップディスプレイ(Head Up Display、以下、HUDと略称)で構成することもできる。図3にその例を示す。ヘッドアップディスプレイユニット52は、車室内の助手席側ダッシュパネル54内に搭載されており、その位置は図2Aの25に相当する。ヘッドアップディスプレイユニット52には、表示器53が収容されており、この表示器53は、表示光を出射する。表示器53から出射された表示光は、フロントガラス51の所定位置に封入されているホログラム56に到達する。ホログラム56によって表示光が助手席乗員58の方向に回折され、助手席乗員58の前方に表示内容(地図データ等)に対応する虚像が表示される。
【0057】
外部表示器(25)を表示器10とは独立して設ける構成の他に、表示器10として異なる2方向からは全く別の映像が全画面表示される二画面ディスプレイを用いてもよい。
【0058】
図4,図5Aおよび図5Bを用いて、表示器10として二画面ディスプレイを用いた場合の構成例について、周知の3D表示器を用いたものを例に挙げて説明する。図4は二画面ディスプレイを用いた場合のナビゲーション装置100の概略図、図5Aおよび図5Bは表示器10を上方から見た模式図である。3D表示器は、同じ場所から同じものを一方の目で見た場合のずれである視差を利用し、平面的な印刷物を立体や動いているように見せるレンチキュラー技術を用いている。まず、図5Aのように、異なる2方向であるA方向から見ることができる映像A、B方向から見ることができる映像Bを、それぞれ画面の縦方向に短冊状に分割し、交互に組み合わせて1枚の映像に再合成したものをLCD10c上に作成する。なお、映像Aおよび映像BはHDD21あるいはDVD再生装置を兼ねる地図データ入力器6からのDVD再生データ等を基に、制御回路8の描画部87で作成される。
【0059】
そして、その映像を、LCDの全面に貼り付けられた断面が蒲鉾状で縦長のレンチキュラーレンズシート10dを通して表示する。レンチキュラーレンズシート10dのレンズの曲率を調整することで、図5BのようにA方向から見ることのできる画面10aでは映像Aのみを、B方向からから見ることのできる画面10bでは映像Bのみを見ることができる。
【0060】
上記方法の他に、A方向,B方向の視角に対応してバックライトの照射方向を制御して二画面表示を行う方法を用いてもよい。なお、映像A,映像Bは静止画像,動画のいずれでもよい。また、映像A,映像Bは同一の映像が表示されても異なる映像が表示されてもよい。
【0061】
図4のように、例えばA方向(図5Bの映像A)を運転席37(図2A参照)の乗員のみが視認可能な画面10e、B方向(図5Bの映像B)を助手席36(図2A参照)の乗員のみが視認可能な画面10fとすることができる。また、それぞれの画面に対応してスピーカ15a(A方向),15b(B方向)が設けられる。
【0062】
図6にデータベース21dに記憶される音声言語情報,視覚言語情報の内容の一例を示す。音声言語情報は単語あるいは文節を単位とするテキストデータに対応したデジタルデータ(Vo01等)として記憶される。「この先300メートル右方向です」という音声案内文を構築する場合には、音声言語情報をVo01,Vo02,Vo03,Vo04,Vo05,Vo06の順に読み出して、音声合成回路24でアナログデータ(案内用音声言語出力)に変換してスピーカ15から送出する。
【0063】
視覚言語情報は、視覚案内文(手話案内文あるいは口話案内文)を構築するための映像情報で、テキストデータに対応した動画(アニメーション映像やビデオ映像等)あるいは複数の静止画を含んで構成される。「この先300メートル右方向です」という視覚案内文を構築する場合には、視覚言語情報をVi001,Vi002,Vi003,Vi004,Vi005,Vi006の順に読み出して、描画部87において案内用視覚言語出力に変換し、変換されたものが案内用視覚言語表示部(外部表示器25,HUD,二画面ディスプレイのB方向画面)に表示される。
【0064】
手話あるいは口話は、音声言語の方言と同様に地域によって表現内容が異なる場合があるので、地域毎に視覚言語情報を記憶するようにしてもよい。図6の例では、地域Aと地域Bの少なくとも2つの地域の視覚言語情報が記憶されている。地域の選択は、操作スイッチ群7,タッチパネル22、リモコン端末12の操作あるいはマイク31からの音声入力によって、表示器10上に表示されるメニュー(図示せず)から図7のような地域選択画面を表示させ、選択したい地域のボタンを押下して[決定]ボタンを押下すると、設定内容がデータベース21dあるいはメモリ9の所定の領域に記憶される。
【0065】
また、位置検出器1で検出される車両101の現在位置と地図データ21mとから、車両が走行中の地域を判定し、その地域に対応した視覚言語情報を用いる構成としてもよい。
【0066】
図8を用いて視覚情報案内実施処理について説明する。なお、本処理はナビプログラム21pに含まれ、ナビプログラム21pの他の処理とともに繰り返し実行される。まず、視覚情報案内を実施するかどうかの設定を行う(S1)。操作スイッチ群7,タッチパネル22、リモコン端末12の操作あるいはマイク31からの音声入力によって、表示器10上に表示されるメニュー(図示せず)から図9のような視覚情報案内設定画面を表示させ、[する]あるいは[しない]ボタンと[決定]ボタンを押下することで設定を行う。設定内容はデータベース21dあるいはメモリ9の所定の領域に記憶される。
【0067】
設定内容は車載用ナビゲーション装置100の電源がオフ状態であっても保存されているので、車載用ナビゲーション装置100の使用の度に設定を行う必要はない。すなわち、ステップS1の処理を必ず実行する必要はない。
【0068】
次に、データベース21dあるいはメモリ9の所定の領域を参照して、視覚情報案内を実施するように設定されている場合(S2:Yes)、外部表示器25(HUDおよび二画面ディスプレイのB方向画面(図4参照)を含む、以下も同様)の表示画面を、視覚情報案内を実施可能な状態に変更する(S3)。図10にその一例を示す。図10の例では、外部表示器25の表示画面が電子道路地図表示領域251,視覚案内文のうちの口話案内文を表示する口話案内文表示領域252,視覚案内文のうちの文字案内文を表示する文字案内文表示領域253,視覚案内文のうちの手話案内文を表示する手話案内文表示領域254の4つの領域により分割表示される。口話案内文表示領域252,文字案内文表示領域253,手話案内文表示領域254のうちのいずれか一つ以上を表示する構成でもよい。また、視覚情報案内を実施していることを示す、「視覚案内実施中」という文言も表示されている。
【0069】
ここで、例えば、「この先300メートル右方向です」という音声案内を実施する場合(S4:Yes)、視覚情報案内を実施するように設定されていない場合(S5:No)、上述のように音声案内のみ実施する(S9)。
【0070】
一方、視覚情報案内を実施するように設定されている場合(S5:Yes)、外部表示器25において音声案内に対応した視覚情報案内を実施する(S6)。例えば、口話案内文表示領域252では音声案内に対応した口話アニメーション画像が表示され、文字案内文表示領域253では音声案内に対応した文字あるいは記号が表示され、手話案内文表示領域254では音声案内に対応した手話アニメーション画像が表示される。図10の例では、文字案内文表示領域253には、「右方向です」という文字表示の代わりに、「右矢印」が表示されている。
【0071】
また、車速センサ23により検出された車両101の車速から、車両101が停止中と判定された場合(S7:Yes)、表示器10(あるいは二画面ディスプレイのA方向画面(図4参照))にも、視覚情報案内を実施し、図10のように視覚案内文の表示を行ってもよい。なお、車速が例えば5km/hを下回る場合を車両101が停止中と判定する。
【0072】
図11に視覚情報案内の別例を示す。図11の例では、外部表示器25の表示画面が電子道路地図表示領域256,視覚案内文のうちの手話案内文および口話案内文を表示する映像情報表示領域257,視覚案内文のうちの文字案内文を表示する字幕情報表示領域258の3つの領域により分割表示される。映像情報表示領域257および字幕情報表示領域258のいずれか一方のみを表示する構成でもよい。視覚情報案内実施中は、文字案内文が文節毎に区切られて順次表示され、表示された文節に対応した手話あるいは口話の画像が表示される。
【0073】
視覚情報案内を実施中に、図11の[非表示]ボタンを押下すると(操作スイッチ群7,リモコン端末12の操作あるいはマイク31からの音声入力でもよい)、視覚情報案内の実施を中止して、電子道路地図表示のみを行うようにしてもよい。また、電子道路地図表示を実施中に、図示しない[表示]ボタンを押下すると、視覚情報案内を実施可能時は、視覚情報案内を行うようにしてもよい。
【0074】
上記では、視覚情報案内を経路案内を例に挙げて説明したが、操作ガイダンスや施設案内等の他の音声案内を伴う場面においても、視覚情報案内を行ってもよい。
【0075】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図2A】表示器,外部表示器の取り付け例を示す図。
【図2B】外部表示器の取り付けの別例を示す図。
【図3】ヘッドアップディスプレイの搭載例を示す図。
【図4】二画面ディスプレイの構成を示すブロック図。
【図5A】二画面ディスプレイの動作原理を示す図。
【図5B】図5Aに続く二画面ディスプレイの動作原理を示す図。
【図6】音声言語情報,視覚言語情報の内容の一例を示す図。
【図7】視覚言語情報の地域を選択する際の画面表示の一例を示す図。
【図8】視覚情報案内実施処理を説明するフロー図。
【図9】視覚情報案内の実施を設定する際の画面表示の一例を示す図。
【図10】視覚情報案内実施時の画面表示の一例を示す図。
【図11】視覚情報案内実施時の画面表示の別例を示す図。
【符号の説明】
【0077】
1 位置検出器
7 操作スイッチ群
8 制御回路(視覚案内文出力制御手段)
10 表示器
12 リモコン端末
15 スピーカ
21 ハードディスク装置(HDD)
21d データベース(音声言語情報記憶手段,視覚言語情報記憶手段)
21m 地図データ(電子道路地図)
22 タッチパネル
23 車速センサ
24 音声合成回路(案内用音声言語出力手段)
25 外部表示器(案内用視覚言語表示部)
31 マイク
87 描画部(案内用視覚言語出力手段)
100 車載用ナビゲーション装置
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成18年7月21日(2006.7.21)
【代理人】 【識別番号】100095751
【弁理士】
【氏名又は名称】菅原 正倫


【公開番号】 特開2008−26653(P2008−26653A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−199770(P2006−199770)