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【発明の名称】 情報端末装置
【発明者】 【氏名】上山 治貴

【氏名】二見 広志

【要約】 【課題】プラネタリウム内の星空と同じ星空をリアルタイムに表示することができる情報端末装置を提供。

【構成】星空表示装置10は、送受信部12でプラネタリウムの表示する星空に同期させる情報を通信し、メモリ14にプラネタリウム内で観測者が着席する位置情報、表示する星の情報を記憶し、モーション制御センサ18でこの装置10を向けた運動方向を方向情報として検出し、システム制御部16で補正演算部20を制御し、補正演算部20でプラネタリウムの中心位置で見た星空とこの装置を所有する観測者が着席する位置から見た星空とのずれを、観測者が着席する位置情報と方向情報とを基に算出し、システム制御部16でずれに応じた表示する星の情報をメモリ14から読み出させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラネタリウム内で向けた方向の星空をリアルタイムに表示させる情報表示装置において、該装置は、
前記プラネタリウムの表示する星空に同期させる情報を通信する通信手段と、
前記プラネタリウム内で観測者が着席する位置情報、表示する星の情報を記憶する記憶手段と、
該装置を向けた運動方向を方向情報として検出する検出手段と、
前記プラネタリウムの中心位置で見た星空と該装置を所有する観測者が着席する位置から見た星空とのずれを、前記観測者が着席する位置情報と前記方向情報とを基に算出する補正演算手段と、
該補正演算手段を制御し、得られたずれに応じた表示する星の情報を前記記憶手段から読み出させるシステム制御手段とを含み、
読み出した星の情報を表示手段に表示させることを特徴とする情報端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記通信手段は、無線通信および有線通信のいずれかを用いることを特徴とする情報端末装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置において、前記観測者が着席する位置情報は、あらかじめ座席毎に求め、求めた位置情報を座席番号の入力により前記記憶手段に記憶させることを特徴とする情報端末装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末装置に関し、とくに、プラネタリウム内で向けた方向の星空または星野をリアルタイムに表示させる情報表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、非特許文献1に示すように、6軸センサを使用した携帯電話機が販売されている。6軸センサは、姿勢を検知するモーションコントロールセンサとしての機能を有するものである。6軸センサが提供する情報は、地球座標系に基づく地磁気方位の3軸情報とこのセンサの座標系に基づく3次元または3軸の加速度情報である、すなわちロール、ピッチおよびヨーである。
【0003】
携帯電話機には、GPS(Global Positioning System)センサが搭載され、自機の位置、すなわち緯度、経度および高度を精確に知ることができる。携帯電話機は、6軸センサで3次元全方位姿勢角度を計測し、計測した角度とGPSセンサの情報を連動させる。このように情報を活用すると、携帯電話機は、携帯電話機の持ち方に依らず、正確に進行方向を示す機能を実現することができる。この機能を携帯電話機に適用することにより新たなアプリケーションが提供されている。
【0004】
提供されたアプリケーションが非特許文献2に記載された「星座をさがそ」である。このアプリケーションは携帯電話機を空に向けてかざすと、かざした方向に見える星空をモニタにリアルタイム表示するものである。このアプリケーションは、携帯型星空ナビゲーションをもたらしてくれる。
【非特許文献1】新しい「モーションコントロールセンサー」を開発、[online]、愛知製鋼株式会社、[平成18年5月25日検索]、インターネット<URL: http://www.aichi-steel.co.jp/topics/data/pdf/topics060228.pdf>
【非特許文献2】「ケータイで星座 見〜つけたっ!」、[paper]、2006年6月5日発行、株式会社アストロアーツ、月刊星ナビ、第3頁、5月号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、通常、昼間に実際の星を肉眼で確認することはできない。学校の理科教育のように、星の運行や星座等を学習時間に見せたくてもできない。このような場合、所望の星空を人為的に設定し、星を表示させる機器としてプラネタリウムが利用される。
【0006】
ここで、プラネタリウム内では、学習利用の面から実際の星空と異なる時間と緯度経度とを設定して投影している。また、プラネタリウム内の観覧者は個々の座席位置にて偏心した星空を観察している。したがって、前述した携帯電話機をそのまま利用しても、プラネタリウム内の星空と携帯電話機に表示される星空とは表示が異なってしまう。
【0007】
本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、プラネタリウム内の星空と同じ星空をリアルタイムに表示することができる情報端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上述の課題を解決するために、プラネタリウム内で向けた方向の星空をリアルタイムに表示させる情報表示装置において、この装置は、プラネタリウムの表示する星空に同期させる情報を通信する通信手段と、プラネタリウム内で観測者が着席する位置情報、表示する星の情報を記憶する記憶手段と、この装置を向けた運動方向を方向情報として検出する検出手段と、プラネタリウムの中心位置で見た星空とこの装置を所有する観測者が着席する位置から見た星空とのずれを、観測者が着席する位置情報と方向情報とを基に算出する補正演算手段と、この補正演算手段を制御し、得られたずれに応じた表示する星の情報を記憶手段から読み出させるシステム制御手段とを含み、読み出した星の情報を表示手段に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の情報端末装置によれば、通信手段でプラネタリウムの表示する星空に同期させる情報を通信し、記憶手段にプラネタリウム内で観測者が着席する位置情報、表示する星の情報を記憶し、検出手段でこの装置を向けた運動方向を方向情報として検出し、システム制御手段で補正演算手段を制御し、補正演算手段でプラネタリウムの中心位置で見た星空とこの装置を所有する観測者が着席する位置から見た星空とのずれを、観測者が着席する位置情報と方向情報とを基に算出し、システム制御手段でずれに応じた表示する星の情報を記憶手段から読み出させることにより表示手段に装置を所有する観測者が着席する位置から見た星空をリアルタイムに表示させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に添付図面を参照して本発明による情報端末装置の一実施例を詳細に説明する。図1を参照すると、本発明による情報端末装置の実施例である星空表示装置10は、送受信部12でプラネタリウムの表示する星空に同期させる情報を通信し、メモリ14にプラネタリウム内で観測者が着席する位置情報、表示する星の情報を記憶し、モーション制御センサ18でこの装置10を向けた運動方向を方向情報として検出し、システム制御部16で補正演算部20を制御し、補正演算部20でプラネタリウムの中心位置で見た星空とこの装置を所有する観測者が着席する位置から見た星空とのずれを、観測者が着席する位置情報と方向情報とを基に算出し、システム制御部16でずれに応じた表示する星の情報をメモリ14から読み出させることによりモニタ24に装置を所有する観測者が着席する位置から見た星空をリアルタイムに表示させることができる。
【0011】
本実施例は、本発明の情報端末装置を星空表示装置10に適用した場合である。本発明と直接関係のない部分について図示および説明を省略する。以下の説明で、信号はその現れる接続線の参照番号で指示する。
【0012】
星空表示装置10は、プラネタリウム内部での使用に限定してもよいし、野外での使用に適用してもよい。星空表示装置10は、野外で使用される場合、従来で開示したような携帯電話機と同等の機能により星空をモニタに表示する。これに対して、プラネタリウム内部で使用する場合、星空表示装置10は、野外使用と異なる特殊な環境で使用されることになる。プラネタリウム内部で星空表示装置10は、図示しないホストコンピュータに対するスレーブ機器である。ホストコンピュータは、情報を管理し、管理された情報を星空表示装置10に提供する機能を有する。提供する情報とは、プラネタリウムとして表示する上で表示時刻や表示地点、すなわちプラネタリウム中心の位置情報等の情報である。また、星空表示装置10には、プラネタリウム内に配設された座席に対応する固有な情報が割り当てられている。星空表示装置10は、このように情報の提供を受けながら、プラネタリウムに投影された星空に対する早見機能やナビゲーション機能をユーザにもたらす。星空表示装置10のそれぞれはホストコンピュータとでプラネタリウム内にLAN(Local Area Network)を構築し、星空表示装置10のそれぞれはLANのノードに対応する。
【0013】
星空表示装置10は、図1に示すように、送受信部12、メモリ14、システム制御部16、モーション制御センサ18、補正演算部20、操作部22およびモニタ24を含む。
【0014】
なお、星空表示装置10は、野外の使用において有効なGPS(Global Positioning System)センサを配設させてもよい。
【0015】
送受信部12は、有線/無線通信機能を有する。送受信部12は、無線通信機能を持たせることが好ましい。詳細に記載しないが、送受信部12は、アンテナ12aを介して電波を送受信する。送受信部12は、送受信する規格、たとえばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11b/gに準拠した規格を実現させる構成要素を含む。供給される受信電波には、基本的に、座席情報、プラネタリウム内にて現在表示中の星空に対する緯度および経度、ならびに時間情報が含まれる。また、送受信部12には、ホストコンピュータから解説に使用する図、写真、絵等の情報も供給される。送受信部12は、供給されるこれらの情報をベースバンドに復調し、信号線26、バス28、信号線30を介して、メモリ14に出力する。
【0016】
メモリ14は、供給される情報を記憶する機能を有する。メモリ14には、揮発性記憶領域と不揮発性記憶領域とを含む。メモリ14の不揮発性記憶領域には、あらかじめ恒星の位置情報が格納され、供給される座席情報が格納される。恒星の位置情報は、光度等級毎に階層化させて、格納されている。このように階層化させて表示させると、光害により星空が明るい場合に応じた星空を容易に表示させることができる。これは、装置10を野外で使用する際に有効である。
【0017】
また、惑星の情報は、恒星に比べて惑星の運動に応じて位置および光度が時間変化することから、別情報として供給することが好ましい。座席情報は、あらかじめ座席毎に求めた位置情報であり、この位置情報を座席番号の入力によりメモリ14に入力する。メモリ14には、散在流星や流星群の情報も含む。メモリ14は、表示する画角に応じた恒星等の情報を読み出す。
【0018】
システム制御部16は、装置10の各部を制御し、プラネタリウム内の表示と同期させる機能を有する。すなわち、送受信部12の送信、送受信部12の受信を制御し、メモリ14における書込み/読出しや情報の種類に応じた記憶領域への書込みを制御し、モーション制御センサ18からの情報取得を制御し、補正演算部20の演算を制御する。とくに、システム制御部16は、補正演算部20での演算結果に応じ、表示させる恒星や惑星の情報をメモリ14から読み出すように制御する。システム制御部16は、信号線32、バス28を介して、制御信号を供給する。システム制御部16は、後述する補正演算部20から供給される画角内に含まれる恒星の位置情報に対応するメモリ14のアドレスを生成する機能を有する。この機能は、恒星の位置情報とアドレスとを対応させたルックアップテーブルを含む。システム制御部16は、ルックアップテーブルで生成された画角に含まれるアドレスを読出しアドレスとしてメモリ14に出力する。
【0019】
モーション制御センサ18は、地磁気を表わす3軸の成分と加速度を基にした姿勢角度を表わす3軸の成分、ロールφ、ピッチθおよびヨーηとを検出する機能を有する。とくに、姿勢角度は、装置10を向けた方向情報である。このようにモーション制御センサ18は、6軸方向の向きを検出するセンサである。モーション制御センサ18は、温度センサを含み、温度補正された6つの情報を、ディジタル化し、信号線34、バス28を介して、補正演算部20に出力する。
【0020】
補正演算部20は、本発明の特徴である表示方向のずれを補正する機能を有する。補正演算部20は、xyz座標系、すなわち地平座標系を基にした補正に供給される情報として、少なくとも、観測者が着席する座席情報および姿勢情報を用いる。補正演算部20は、後述する手順での演算によりモニタ24の画角内に表示する恒星の位置36を求め、システム制御部16に供給する。
【0021】
なお、実際の方位とプラネタリウムが示す方位、天の北極の位置情報とがずれている場合、このずれも補正することが好ましい。
【0022】
操作部22は、メニュー画面から所望の情報を選択する機能を有する。操作部22は、電源の投入/退避を選択する電源スイッチ、表示項目のカーソルを移動させる十字キースイッチやカーソル上の項目を選択する選択キー等を含む。操作部22は、操作する指示信号38を、バス28を介してシステム制御部16に供給する。
【0023】
モニタ24は、メニュー画面、星野(星空)、解説情報等を表示する機能を有する。モニタ24には、消費電力を低く抑えることから、液晶モニタ等を用いることが好ましい。モニタ24は、供給される情報40を表示する。
【0024】
このように構成して、座席から装置10を向けると、リアルタイムに星野をモニタ24に正しく表示することができる。
【0025】
次に本発明の情報端末装置を適用した星空表示装置10における補正演算部20の補正算出方法について図2を用いて説明する。観覧者が従来の情報端末装置を恒星Aに向けると、図2の矢印B方向に向いていると判断して、誤表示されてしまう。
【0026】
観覧者が従来の情報端末装置を恒星Aに向けると、図2の矢印B方向に向いていると判断して、表示されてしまう。
ここで、前述した地上座標系をプラネタリムにおける座標の方向成分をN, EおよびZで表す。また、太字はベクトルを表す。プラネタリウムドームの球心は原点とし、O(0,0,0)とする。ドーム径はRとする。
【0027】
プラメタリウムで表示する星野の再現地点の情報は、天の北極で示され、P(PN,PE,PZ)で表わされる。さらに、求める恒星の位置をAとするとき、球心から恒星Aに向かうベクトルをA(AN,AE,AZ)、球心から星空表示装置10を所有する観測者に向かうベクトルをI(IN,IE,IZ)、観覧者から恒星Aへの単位ベクトルをe(eN,eE,eZ)、観測者から恒星Aまでの長さをLとする。観覧者から恒星Aへの単位ベクトルは、加速度センサから得られる情報から得られる。
【0028】
観覧者から恒星Aに向かうベクトルAは、
A=I+L×e ・・・(1)
式(1)を各成分に展開すると、式(1)は、
AN=IN+L×eN ・・・(2a)
AE=IE+L×eE ・・・(2b)
AZ=IZ+L×eZ ・・・(2c)
と表わされる。
【0029】
ベクトルAの長さはドーム径Rであるから、
AN+AE+AZ=R ・・・(3)
という関係がある。式(2a), (2b), (2c)を式(3)に代入すると、式(4)
(IN+L×eN)+(IE+L×eE)+(IZ+L×eZ)=R ・・・(4)
が得られる。
【0030】
式(4)を展開すると、
IN+2INLeN+LeN+IE+2IELeE+LeE+IZ+2IZLeZ+LeZ=R ・・・(5)
となる。次に長さLについて整理すると、
L(eN+eE+eZ)+2L(INeN+IEeE+IZeZ)+IN+IE+IZ−R=0 ・・・(6)
が得られる。
【0031】
ここで、(eN+eE+eZ)をa、(INeN+IEeE+IZeZ)をb、IN+IE+IZ−Rをcという文字に置換し、長さLについて2次方程式の公式(7)
L={−b±(b2−4ac)1/2}/(2a) ・・・(7)
にあてはめて解く。使用する解は、北半球の表示において得られる2根の解のうち、正の解を用いるとよい。
【0032】
このようにして求めた長さLを式(1)に代入する。これにより、観測者から見た恒星Aの正しい位置が得られる。モニタ24に表示する画角の4隅が得られた場合、この領域内に入る恒星をメモリ14から読み出して表示させると、星空表示装置10はリアルタイムに的確な星野を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る情報端末装置を適用した星空表示装置の概略的な恒星を示すブロック図である。
【図2】図1の星空表示装置における恒星の表示補正を説明する図である。
【符号の説明】
【0034】
10 星空表示装置
12 送受信部
14 メモリ
16 システム制御部
18 モーション制御センサ
20 補正演算部
22 操作部
24 モニタ
【出願人】 【識別番号】302066216
【氏名又は名称】株式会社アストロアーツ
【識別番号】506224931
【氏名又は名称】有限会社天窓工房
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100079991
【弁理士】
【氏名又は名称】香取 孝雄

【識別番号】100117411
【弁理士】
【氏名又は名称】串田 幸一


【公開番号】 特開2008−9131(P2008−9131A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−179439(P2006−179439)