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【発明の名称】 キャッシュレジスタシステム
【発明者】 【氏名】宮本 聖治

【要約】 【課題】利用できないクーポンを容易に把握できるキャッシュレジスタシステムを提供する。

【構成】POSシステムでは、売買取引を行う顧客が提示した全てのクーポンの種類が特定され、クーポンのそれぞれの適用対象商品と取引商品とに基づいて、クーポンのそれぞれが値引きに利用可能か否かが判定される。そして、利用不可と判定されたクーポンがディスプレイ22,23に一覧表示される。このため、顧客が多数のクーポンを提示した場合であっても、利用できないクーポンを容易に把握できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
値引額を規定する値引パラメータと所定の適用対象商品とに対応付けられたクーポンに従って前記適用対象商品の値引きが可能なキャッシュレジスタシステムであって、
一の売買取引の対象となる取引商品を特定する商品特定手段と、
前記一の売買取引を行う顧客が提示した全てのクーポンを特定するクーポン特定手段と、
前記クーポンのそれぞれの前記適用対象商品と前記取引商品とに基づいて、前記クーポンのそれぞれが前記一の売買取引において値引きに利用可能か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とするキャッシュレジスタシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のキャッシュレジスタシステムにおいて、
前記表示手段は、利用不可と判定された前記クーポンの情報を一覧表示することを特徴とするキャッシュレジスタシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のキャッシュレジスタシステムにおいて、
前記表示手段は、前記顧客が提示した前記クーポンの情報を一覧表示し、前記判定手段により異なる判定がなされたクーポンの相互間で前記クーポンの情報の表示態様を異ならせることを特徴とするキャッシュレジスタシステム。
【請求項4】
請求項2または3に記載のキャッシュレジスタシステムにおいて、
前記表示手段に表示される利用不可と判定された前記クーポンの情報は、該クーポンの前記適用対象商品を含むことを特徴とするキャッシュレジスタシステム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のキャッシュレジスタシステムにおいて、
前記表示手段は、
販売者側に情報を表示する販売側表示手段と、
顧客側に情報を表示する顧客側表示手段と、
を備え、
前記判定手段の判定結果は、前記販売側表示手段及び前記顧客側表示手段の双方に表示されることを特徴とするキャッシュレジスタシステム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のキャッシュレジスタシステムにおいて、
前記一の売買取引がなされる取引時刻を計時する計時手段と、
前記クーポンのそれぞれの有効期限と前記取引時刻とに基づいて、前記クーポンのそれぞれが有効か無効かを判定する手段と、
をさらに備え、
前記判定手段は、有効と判定された前記クーポンのみを対象に利用可能か否かを判定することを特徴とするキャッシュレジスタシステム。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載のキャッシュレジスタシステムにおいて、
前記クーポンのそれぞれの前記値引パラメータ及び前記適用対象商品、並びに、前記取引商品に基づいて、前記一の売買取引において値引額が最大となる前記クーポンと前記取引商品との組合せを導出する導出手段、
をさらに備え、
前記判定手段は、導出された前記組合せに適用される前記クーポンを、値引きに利用可能と判定することを特徴とするキャッシュレジスタシステム。
【請求項8】
値引額を規定する値引パラメータと所定の適用対象商品とに対応付けられたクーポンに従って前記適用対象商品の値引きが可能なキャッシュレジスタシステムであって、
一の売買取引の対象となる取引商品を特定する商品特定手段と、
前記一の売買取引を行う顧客が提示した全てのクーポンを特定するクーポン特定手段と、
前記クーポンのそれぞれの前記値引パラメータ及び前記適用対象商品、並びに、前記取引商品に基づいて、前記一の売買取引において値引額が最大となる前記クーポンと前記取引商品との組合せを導出する導出手段と、
導出された前記組合せに基づいて、前記取引商品の値引きを行う値引手段と、
を備えることを特徴とするキャッシュレジスタシステム。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載のキャッシュレジスタシステムにおいて、
前記クーポン特定手段は、顧客が提示した可搬性のデータキャリアに含まれる電磁的な記録素子を読み取って得られる情報に基づいて、前記クーポンを特定することを特徴とするキャッシュレジスタシステム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、クーポンに従って商品の値引きが可能なキャッシュレジスタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの小売店舗の売買取引においては、POSシステムなどとも呼ばれるキャッシュレジスタシステムが使用されている。キャッシュレジスタシステムでは、売買取引ごとに顧客が購対象とする商品の価格が合計され、その結果に基づいて売買取引の決済がなされる。
【0003】
また、このような小売店舗では、顧客の商品の購入意欲を高めるため、所定の商品(適用対象商品)と割引率とが示されたクーポンを提示した顧客に対して、当該商品の当該割引率での割引き(値引き)を行うことがなされている。この場合は、顧客が提示したクーポンの券面に示された適用対象商品と割引率とを店舗スタッフが把握し、顧客が購入対象とする商品のなかに適用対象商品があるか否かを確認する。そして、適用対象商品がある場合は、その商品を券面に示された割引率で割引く指示を店舗スタッフがキャッシュレジスタシステムに行うことで、当該商品の値引きがなされるようになっている。
【0004】
なお、本発明に関連する技術を開示する先行技術文献として、下記の文献がある。
【0005】
【特許文献1】特許第3142367号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、顧客によっては実際の購入希望の商品の値引きに利用できるか否かにかかわらず、多数のクーポンを提示する場合がある。この場合は、提示された多数のクーポンのうち、その売買取引に利用できるクーポンと利用できないクーポンとを店舗スタッフが判別し、利用できるクーポンについては値引きに適用する一方で、利用できなかった未利用のクーポンは顧客に返却する作業が必要となる。しかしながら、このようなクーポンの取り扱いは非常に煩雑であり、多くの時間が必要となり、売買取引の効率が悪化するおそれがある。
【0007】
また、一つのクーポンを複数の商品のいずれかに適用できる場合や、一つの商品に対して複数のクーポンのいずれかを適用できる場合などには、値引額が最大となるクーポンと商品との組合せを考慮してクーポンを適用すべきである。しかしながら、クーポンの数が多くなると、このような組合せの判断は非常に複雑となり、店舗スタッフの判断ミスによりクーポンによる値引きの恩恵を最大に受けられない可能性もある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、利用できないクーポンを容易に把握できるキャッシュレジスタシステムを提供することを第1の目的とする。
【0009】
また、クーポンを利用した場合の値引額を最大化できるキャッシュレジスタシステムを提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、値引額を規定する値引パラメータと所定の適用対象商品とに対応付けられたクーポンに従って前記適用対象商品の値引きが可能なキャッシュレジスタシステムであって、一の売買取引の対象となる取引商品を特定する商品特定手段と、前記一の売買取引を行う顧客が提示した全てのクーポンを特定するクーポン特定手段と、前記クーポンのそれぞれの前記適用対象商品と前記取引商品とに基づいて、前記クーポンのそれぞれが前記一の売買取引において値引きに利用可能か否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果を表示する表示手段と、を備えている。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のキャッシュレジスタシステムにおいて、前記表示手段は、利用不可と判定された前記クーポンの情報を一覧表示する。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載のキャッシュレジスタシステムにおいて、前記表示手段は、前記顧客が提示した前記クーポンの情報を一覧表示し、前記判定手段により異なる判定がなされたクーポンの相互間で前記クーポンの情報の表示態様を異ならせる。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項2または3に記載のキャッシュレジスタシステムにおいて、前記表示手段に表示される利用不可と判定された前記クーポンの情報は、該クーポンの前記適用対象商品を含む。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のキャッシュレジスタシステムにおいて、前記表示手段は、販売者側に情報を表示する販売側表示手段と、顧客側に情報を表示する顧客側表示手段と、を備え、前記判定手段の判定結果は、前記販売側表示手段及び前記顧客側表示手段の双方に表示される。
【0015】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のキャッシュレジスタシステムにおいて、前記一の売買取引がなされる取引時刻を計時する計時手段と、前記クーポンのそれぞれの有効期限と前記取引時刻とに基づいて、前記クーポンのそれぞれが有効か無効かを判定する手段と、をさらに備え、前記判定手段は、有効と判定された前記クーポンのみを対象に利用可能か否かを判定する。
【0016】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のキャッシュレジスタシステムにおいて、前記クーポンのそれぞれの前記値引パラメータ及び前記適用対象商品、並びに、前記取引商品に基づいて、前記一の売買取引において値引額が最大となる前記クーポンと前記取引商品との組合せを導出する導出手段、をさらに備え、前記判定手段は、導出された前記組合せに適用される前記クーポンを、値引きに利用可能と判定する。
【0017】
また、請求項8の発明は、値引額を規定する値引パラメータと所定の適用対象商品とに対応付けられたクーポンに従って前記適用対象商品の値引きが可能なキャッシュレジスタシステムであって、一の売買取引の対象となる取引商品を特定する商品特定手段と、前記一の売買取引を行う顧客が提示した全てのクーポンを特定するクーポン特定手段と、前記クーポンのそれぞれの前記値引パラメータ及び前記適用対象商品、並びに、前記取引商品に基づいて、前記一の売買取引において値引額が最大となる前記クーポンと前記取引商品との組合せを導出する導出手段と、導出された前記組合せに基づいて、前記取引商品の値引きを行う値引手段と、を備えている。
【0018】
また、請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載のキャッシュレジスタシステムにおいて、前記クーポン特定手段は、顧客が提示した可搬性のデータキャリアに含まれる電磁的な記録素子を読み取って得られる情報に基づいて、前記クーポンを特定する。
【発明の効果】
【0019】
請求項1ないし5の発明によれば、クーポンが利用可能か否かを判定してその判定結果を表示するため、顧客が多数のクーポンを提示した場合であっても、利用できないクーポンを容易に把握できる。
【0020】
また、特に請求項2の発明によれば、利用不可と判定されたクーポンを一覧表示するため、未利用のクーポンを顧客に容易に返却できる。
【0021】
また、特に請求項3の発明によれば、判定手段により異なる判定がなされたクーポンの相互間でクーポンの情報の表示態様を異ならせるため、利用可能なクーポンと利用不可のクーポンとを容易に識別できる。
【0022】
また、特に請求項4の発明によれば、利用不可と判定されたクーポンの適用対象商品が表示されるため、その適用対象商品の追加購入が期待できる。
【0023】
また、特に請求項5の発明によれば、利用できないクーポンを明確に顧客に報知できる。
【0024】
また、特に請求項6の発明によれば、有効なクーポンのみについて利用可能か否かを判定することができる。
【0025】
また、特に請求項7の発明によれば、値引額が最大となるクーポンと取引商品との組合せを考慮して、クーポンが利用可能か否かを判断できる。
【0026】
また、特に請求項8の発明によれば、値引額が最大となるクーポンと取引商品との組合せに基づいて取引商品の値引きを行うため、クーポンを利用した場合の値引額を最大化できる。
【0027】
また、特に請求項9の発明によれば、クーポンを特定する情報が記録素子に記憶されることから、顧客が提示したクーポンを迅速かつ容易に特定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0029】
<1.構成>
図1は、本発明の実施の形態に係るキャッシュレジスタシステムであるPOSシステム100の構成を示す図である。このPOSシステム100は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗において採用されるものであり、POSサーバ1と複数のPOSターミナル2とを備えている。POSサーバ1及びPOSターミナル2はそれぞれLAN3に接続され、相互に通信可能とされている。
【0030】
POSサーバ1は、POSシステム100の全体を統括的に制御するものであり、通常は店舗の販売エリアとは別の管理事務所等に配置される。一方、POSターミナル2は、店舗の販売エリアに配置され、商品の売買取引の際に、店舗の販売スタッフによって実際に操作される。具体的には、POSターミナル2は、売買取引の決済に用いる取引価格の導出や、その売買取引の決済などを行う精算処理に用いられる。
【0031】
図2は、POSサーバ1の構成を機能ブロックにて示す図である。POSサーバ1は、ハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、POSサーバ1は、演算処理を行うCPU11と、基本プログラムを記憶するROM12と、演算処理の作業領域となるRAM13と、各種データを記憶するハードディスク14とをバスライン10に接続した構成となっている。さらに、POSサーバ1は、各種情報の表示を行うディスプレイ15と、キーボード及びマウス等の入力部16と、LAN3を介して通信を行う通信部17とを備え、これらはそれぞれバスライン10に接続される。
【0032】
ハードディスク14には処理プログラムが記憶されており、CPU11がこの処理プログラムに従って演算処理を行うことで、POSサーバ1としての各種機能が実現される。また、ハードディスク14には、さらに、精算処理に必要なデータファイルである商品マスタ41やクーポンマスタ42などが記憶される。
【0033】
図3は、POSターミナル2の構成を機能ブロックにて示す図である。POSターミナル2は、装置全体を制御する制御部21と、各種情報の表示を行う2つのディスプレイ22,23と、オペレータの操作や入力を受け付ける各種のボタンを有する入力部24と、商品やクーポンなどに付されたバーコードを読み取るバーコードリーダ25と、レシートを印刷して発行する印刷発行部26と、LAN3を介して通信を行う通信部27とを備えて構成され、これらはそれぞれバスライン20に接続される。入力部24には、精算処理において小計処理を指示するための小計キーや、テンキーなどの各種のボタンが含まれている。
【0034】
制御部21は、各種演算処理を行うCPU201と、制御用プログラム等を記憶するROM202と、演算処理の作業領域となるRAM203と、各種データを記憶する不揮発性メモリであるバッテリーバックアップされたSRAM204と、時刻を計時する機能を有するタイマ205とを備えている。装置各部の制御機能や精算処理のためのデータ処理機能は、CPU201がROM202内の制御用プログラムに従って演算処理を行なうことで実現される。
【0035】
また、2つのディスプレイ22,23のうち、一方は操作を行うオペレータたる販売スタッフの側に示すべき情報を表示する販売側ディスプレイ22であり、他方は顧客の側に示すべき情報を表示する顧客側ディスプレイ23である。販売側ディスプレイ22及び顧客側ディスプレイ23の双方の画面は、ドットマトリクス式の液晶で構成されており、文字、図形及び画像などの各種の情報をカラー表示することが可能となっている。また、販売側ディスプレイ22の画面はタッチパネル機能を有しており、オペレータはその画面に触れることで各種の指示を行うことが可能となっている。一方、顧客側ディスプレイ23の画面はタッチパネル機能は有していないが、顧客が視認しやすい向きにその画面の向きが調整可能となっている。
【0036】
<2.データファイル>
次に、POSサーバ1のハードディスク14に記憶される商品マスタ41及びクーポンマスタ42について説明する。
【0037】
図4は、商品マスタ41の一例を示す図である。図に示すように、商品マスタ41はテーブル形式のデータファイルであり、当該店舗で扱われる各種の商品についての種々の情報を示すものとなる。商品マスタ41には、それぞれが一の種類の商品についての商品データを示す複数のレコードが含まれている。各レコードでは商品の種類を識別する識別情報である「商品コード」に対して、「商品名」及び「価格」などの商品データが対応付けられている。「価格」は、値引きがなされる前の通常の価格を示している。
【0038】
また、図5は、クーポンマスタ42の一例を示す図である。図に示すように、クーポンマスタ42もテーブル形式のデータファイルである。本実施の形態の店舗では、顧客に対して商品の値引きを行うクーポンが適宜に発行され、売買取引において利用可能となっている。クーポンマスタ42は、当該店舗で利用可能な各種のクーポンについての種々の情報を示すことになる。
【0039】
クーポンマスタ42には、それぞれが一の種類のクーポンについてのクーポンデータを示す複数のレコードが含まれている。各レコードではクーポンの種類を識別する識別情報である「識別番号」に対して、「クーポン名」、「割引率」、「対象商品コード1」、「対象商品コード2」、「対象商品コード3」などのクーポンデータが対応付けられている。
【0040】
「クーポン名」は当該クーポンの名称を示し、「割引率」は当該クーポンを利用した場合の値引額を規定する値引パラメータとしての割引率を示している。また、各クーポンは適用の対象となる商品(以下、「適用対象商品」という。)が予め定められており、「対象商品コード1」、「対象商品コード2」及び「対象商品コード3」は当該クーポンの適用対象商品の商品コードを示している。すなわち、一つのクーポンは、このクーポンマスタ42により対応付けられた3つの適用対象商品のいずれか一つの値引きに適用できることになる。
【0041】
<3.クーポン>
次に、本実施の形態の店舗で利用されるクーポンについて説明する。図6は、クーポンの一例を示す図である。
【0042】
クーポン5は紙媒体で構成され、図に示すように、その券面にはクーポン名51、割引率52、適用対象商品53、識別番号54、有効期限55、当該店舗の店舗名56、及び、バーコード57などが印刷により記録されている。
【0043】
このバーコード57は、13桁の数字列をエンコードしたものであり、一般的な商品コードと同様にJANコード形式に準拠している。このクーポン5のバーコード57が示す13桁の数字列を、以下「クーポンコード」という。
【0044】
クーポンコードの最初の3桁のコードC1は、例えば「981」などの特定の数値により、当該数字列が商品コードではなくクーポンコードであることを明示する。また、クーポンコードの4桁目から7桁目までの4桁のコードC2は、当該クーポンの識別番号を示している。さらに、クーポンコードの8桁目から12桁目までの5桁のコードC3は、当該クーポンの有効期限をジュリアンデート形式(最初の2桁が西暦年を示し、最後の3桁がその年の1月1日からの通算日数を示す形式)により示している。クーポンコードの最終1桁のコードC4はチェックデジットである。
【0045】
したがって、このようなクーポン5のバーコード57を読み取ることにより、当該クーポンの識別番号と有効期限とが取得でき、その識別番号に基づいて当該クーポンの種類を特定することが可能となる。当該店舗では、売買取引の際に顧客からこのようなクーポン5が提示される。
【0046】
<4.精算処理>
POSシステム100では、精算処理においてクーポン5のバーコード57を読み取ることにより、そのクーポン5に従った商品の値引き(割引き)を行うことが可能となっている。以下、このようなPOSシステム100の精算処理について説明する。
【0047】
図7は、精算処理の流れを示す図である。この図7に示す一連の処理は、一つの売買取引ごとに主としてPOSターミナル2においてなされる処理である。以下、当該売買取引の対象となる商品、すなわち、当該売買取引を行う顧客が購入対象とする商品を「取引商品」という。
【0048】
まず、全ての取引商品に付されたバーコードと、顧客が提示した全てのクーポンのバーコードとがPOSターミナル2のバーコードリーダ25によって読み取られ、取引商品の種類と、顧客が提示した全てのクーポンの種類とが特定される(ステップS1〜S8)。バーコードの読み取りの順番はいかなるものでもよく、取引商品とクーポンとが混在した順番でそれらのバーコードの読み取りがなされてもよい。
【0049】
具体的には、まず、取引商品かクーポンのいずれかに付された一つのバーコードがバーコードリーダ25によって読み取られ、バーコードの内容がPOSターミナル2のCPU201に取得される(ステップS1)。次に、読み取られたバーコードの内容が、「商品コード」であるか「クーポンコード」であるかが判定される(ステップS2)。
【0050】
バーコードの内容が「商品コード」の場合は、まず、この「商品コード」がPOSターミナル2からPOSサーバ1に送信される。これに応答して、POSサーバ1では商品マスタ41のうちから当該「商品コード」を含むレコードが検索され、該当したレコードの内容がPOSターミナル2に返信される。これにより、当該取引商品の「商品名」及び「価格」などの商品データがCPU201に特定される(ステップS3)。取得された商品データは、POSターミナル2のRAM203内の明細テーブルに登録される(ステップS4)。
【0051】
一方、バーコードの内容がクーポンコードの場合は、まず、このクーポンコードに含まれる「識別番号」と「有効期限」とのクーポンデータがCPU201に特定される。さらに、「識別番号」がPOSターミナル2からPOSサーバ1に送信される。これに応答して、POSサーバ1ではクーポンマスタ42のうちから当該「識別番号」を含むレコードが検索され、該当したレコードの内容がPOSターミナル2に返信される。これにより、当該クーポンの「クーポン名」、「割引率」、「対象商品コード1」、「対象商品コード2」、「対象商品コード3」などのクーポンデータがCPU201にさらに特定される(ステップS5)。このようにして取得されたクーポンデータも、その一部がRAM203内の明細テーブルに登録される(ステップS6)。さらに、取得されたクーポンデータは、POSターミナル2のRAM203内のクーポンチェックテーブルにも登録される(ステップS7)。
【0052】
以上のステップS2〜S7の処理は、バーコードが読み取られる毎(ステップS8にてYes)に繰り返される。これにより最終的に、当該売買取引に係る全ての取引商品及び全てのクーポンに係る情報が明細テーブルに登録され、全てのクーポンに係る情報がクーポンチェックテーブルに登録される。
【0053】
図8は、明細テーブル61の一例を示す図である。図に示すように、明細テーブル61はテーブル形式のデータファイルである。この明細テーブル61は、売買取引ごとに新規に作成される。明細テーブル61の一つのレコードは一つの取引商品または一つのクーポンに係る情報を示しており、バーコードが読み取られる毎に一つのレコードが作成される。
【0054】
各レコードには、「レコードNO.」、「バーコード」、「名称」、「価格」、「値引」、「値引理由」、「値引後価格」のデータが存在している。「レコードNO.」はレコードの登録順を示し、「バーコード」は読み取られたバーコードの内容(すなわち、「商品コード」または「クーポンコード」)を示し、「名称」は「商品名」または「クーポン名」を示している。また、「価格」は取引商品の値引きがなされる前の通常の価格を示しており、当該レコードがクーポンデータに係る場合は空欄となる。また、「値引」、「値引理由」及び「値引後価格」は取引商品の値引きに係るデータを示し、レコードが作成された時点では全て空欄となる。
【0055】
この明細テーブル61の主たる内容は、図9に示すように、POSターミナル2の2つのディスプレイ22,23の双方の画面にテーブル71として表示される。明細テーブル61の内容が更新された場合は、その更新された内容がディスプレイ22,23の画面内のテーブル71の内容にも即時に反映される。これにより、販売スタッフと顧客との双方が、バーコードの読み取りによって特定された取引商品やクーポンの種類を確認できるようになっている。
【0056】
また、図10は、クーポンチェックテーブル62の一例を示す図である。図に示すように、クーポンチェックテーブル62もテーブル形式のデータファイルである。このクーポンチェックテーブル62も、売買取引ごとに新規に作成される。クーポンチェックテーブル62の一つのレコードは一つのクーポンのクーポンデータを示しており、クーポンデータが取得される毎に一つのレコードが作成される。
【0057】
各レコードには、「識別番号」、「有効期限」、「クーポン名」、「割引率」、「対象商品コード1」、「対象商品コード2」、「対象商品コード3」及び「フラグ」のクーポンデータが存在している。このうち「識別番号」及び「有効期限」はバーコードが示すクーポンコードから取得されたものであり、「クーポン名」、「割引率」、「対象商品コード1」、「対象商品コード2」及び「対象商品コード3」はクーポンマスタ42から取得されたものである。また、「フラグ」は、当該クーポンの状態を示すフラグを示すものであるが、レコードが作成された時点では空欄となる。
【0058】
図7に戻り、売買取引に係る全ての取引商品及び全てのクーポンのバーコードが読み取られると、続いて、販売スタッフにより入力部24に含まれる小計キーが押下される(ステップS8にてNo)。
【0059】
小計キーが押下されると、まず、明細テーブル61のクーポンに係る情報の有無により、当該売買取引においてクーポンが提示されたか否か判定される(ステップS9)。そして、クーポンが提示された場合は、それらのクーポンに従って取引商品の値引きを行う値引処理がなされる(ステップS10)。
【0060】
クーポンの取引商品の値引き(割引き)への適用に際しては、次の(イ)(ロ)の条件の下に、クーポンと取引商品とで種々の組合せが考えられる。値引処理においては、値引額が最大となるクーポンと取引商品との組合せが導出されるようになっている。
【0061】
(イ)一つのクーポンは、3つの適用対象商品のいずれか一つのみに適用できる。
【0062】
(ロ)一つの取引商品に適用できるクーポンが複数存在していたとしても、一つの取引商品に複数のクーポンを重複して適用できず、一つのクーポンのみを適用できる。
【0063】
図11は、この値引処理の詳細な流れを示す図である。この値引処理は、特に言及しない限りCPU201によって行われる処理となる。
【0064】
まず、タイマ205からその時点の時刻が取引時刻として取得される(ステップS21)。次に、クーポンチェックテーブル62が参照され、レコードとして登録されたクーポンのうち、「割引率」が最大となる一つのクーポンがその後の処理の対象となる注目クーポンとして選択される(ステップS22)。
【0065】
次に、注目クーポンのレコードの「有効期限」と取引時刻とが比較され、その比較結果に基づいて注目クーポンが有効か無効かが判定される(ステップS23)。具体的には、取引時刻が「有効期限」以内のときは注目クーポンは有効と判定され、取引時刻が「有効期限」を超えるときは注目クーポンは無効と判定される。注目クーポンが無効と判定された場合(ステップS23にてNo)は、クーポンチェックテーブル62のそのレコードの「フラグ」に、有効期限切れで無効であることを示す「無効」が登録される(ステップS29)。
【0066】
また、注目クーポンが有効と判定された場合(ステップS23にてYes)は、続いて、注目クーポンのレコードの「対象商品コード1」、「対象商品コード2」及び「対象商品コード3」が参照され、注目クーポンの3つの適用対象商品が特定される。そして、明細テーブル61に登録された取引商品のうちに、3つの適用対象商品のいずれかが存在するかが判定される(ステップS24)。この判定にあたっては、それまでの処理において値引きされていない取引商品のみが対象とされる。取引商品について値引きされていないことは、そのレコードの「値引」が空欄であることにより判断される。
【0067】
この判定において、値引きされていない取引商品のうちに3つの適用対象商品のいずれも存在しない場合(ステップS24にてNo)は、注目クーポンは当該売買取引において値引きに利用不可と判定される。そして、クーポンチェックテーブル62の注目クーポンのレコードの「フラグ」に、有効であるが利用不可である旨を示す「未利用」が登録される(ステップS28)。
【0068】
一方、値引きされていない取引商品のうちに3つの適用対象商品のいずれかが存在した場合(ステップS24にてYes)は、注目クーポンは当該売買取引において値引きに利用可能と判定される。そして、適用対象商品に該当する取引商品のうちで「価格」が最大となる一つの商品が、値引きの対象となる注目商品として選択される(ステップS25)。
【0069】
続いて、注目商品に対して注目クーポンを適用した値引きがなされる。具体的には、注目商品の「価格」と注目クーポンの「割引率」とを乗算し、四捨五入等の端数処理した結果が値引額として導出される。そして、注目商品の「価格」からその値引額を減算した結果が、注目商品の値引後の新たな価格として導出される。図12に示すように、導出された値引額と、値引後の価格とはそれぞれ、明細テーブル61の注目商品のレコードの「値引」及び「値引後価格」に登録される。また、注目商品のレコードの「値引理由」には、注目クーポンの「割引率」が登録される(ステップS26)。
【0070】
注目商品の値引きがなされると、次に、クーポンチェックテーブル62の注目クーポンのレコードの「フラグ」に、値引きに利用された旨を示す「利用済」が登録される(ステップS27)。
【0071】
このようにして、一つのクーポンに関しての処理がなされると、未処理のクーポンが存在するか否か、すなわち、クーポンチェックテーブル62においてレコードの「フラグ」が空欄のクーポンが存在するか否かが判定される(ステップS30)。そして、未処理のクーポンが存在する場合(ステップS30にてYes)は、処理はステップS22に戻り、未処理のクーポンのうちから、「割引率」が最大となる一つのクーポンが新たに注目クーポンとして選択される。この新たな注目クーポンについて上記と同様の処理がなされる。
【0072】
以降同様にして、「割引率」の高いものから順に、全てのクーポンに関して上記と同様の処理が繰り返されることになる。これにより最終的に、クーポンチェックテーブル62の全レコードの「フラグ」に、「利用済」、「未利用」及び「無効」のいずれかが登録される。これとともに、値引きに利用可能と判定されたクーポンは取引商品の値引きに適用され、その結果は図12に示す如く明細テーブル61の内容に反映される。なお、値引処理が完了した時点で、値引きの対象とならなかった取引商品のレコードにおいては、その「価格」がそのまま「値引後価格」に登録される。
【0073】
このような値引処理では、「割引率」の高いクーポンから順に、値引きが未適用の取引商品のうちで「価格」の最も高いものに対して値引きが適用されていく。したがって、当該売買取引に係るクーポンと取引商品との全ての組合わせのうちで、値引額が最大となる組合わせで、クーポンの値引きが取引商品に適用されることになる。すなわち、上記の値引処理は、当該売買取引において値引額が最大となるクーポンと取引商品との組合せを導出し、その組合せに基づいて取引商品の値引きを行う処理であるといえる。また、値引処理は、当該売買取引において値引額が最大となるクーポンと取引商品との組合せを導出し、その組合せに適用されるクーポンを値引きに利用可能と判定する処理であるともいえる。
【0074】
図7に戻り、値引処理(ステップS10)が完了すると、次に、明細テーブル61の「値引後価格」が合計された結果が、売買取引の決済に用いる取引価格としてディスプレイ22,23に表示される(ステップS11)。
【0075】
図13は、取引価格が表示されたディスプレイ22,23の画面の一例を示す図である。図に示すように、この画面の下部には、取引価格を示すボックス72が表示される。また、この画面には、明細テーブル61の主たる内容を示すテーブル71も表示されている。この画面(以下、「登録一覧画面」という。)は、販売側ディスプレイ22及び顧客側ディスプレイ23の双方に表示されることから、販売スタッフと顧客との双方が、取引価格を把握できるとともに、各取引商品にいかなる値引きがなされたかを明確に把握できることになる。
【0076】
また、値引処理において利用不可と判定された未利用のクーポンが一つでもある場合は、登録一覧画面の下部に「未利用クーポン画面」と表記されたコマンドボタン73が表示される。販売側ディスプレイ22の画面においてこのコマンドボタン73に触れると(ステップS12にてYes)、未利用のクーポンの情報を一覧表示した画面(以下、「未利用クーポン画面」という。)が、ディスプレイ22,23に表示される(ステップS13)。
【0077】
図14は、未利用クーポン画面の一例を示す図である。図に示すように、未利用クーポン画面においては、取引価格を示すボックス72と、未利用の各クーポンの情報を一覧で示すテーブル74と、未利用のクーポンの数を示すメッセージ75とが表示される。また、未利用クーポン画面には、「登録一覧画面」と表記されたコマンドボタン76も表示される。販売側ディスプレイ22の画面においてこのコマンドボタン76に触れれば、ディスプレイ22,23の表示を図13に示す登録一覧画面に戻すことも可能である。
【0078】
未利用クーポン画面のテーブル74では、利用不可と判定された未利用の各クーポンについて、「識別番号」、「クーポン名」、「割引率」、「適用可能商品1」、「適用可能商品2」及び「適用可能商品3」のクーポンデータが示される。このうち、「識別番号」、「クーポン名」、「割引率」には、クーポンチェックテーブル62に登録された内容が示される。一方、「適用可能商品1」、「適用可能商品2」及び「適用可能商品3」には、商品マスタ41が参照されて、クーポンチェックテーブル62の「対象商品コード1」、「対象商品コード2」及び「対象商品コード3」が示す商品の商品名が示される。
【0079】
この未利用クーポン画面は、販売側ディスプレイ22及び顧客側ディスプレイ23の双方に表示されることから、販売スタッフと顧客との双方が、顧客が提示したクーポンのうち、いずれが未利用のクーポンであったかを明確に把握できる。未利用のクーポンは、有効であるにもかかわらず今回の売買取引では利用ができなかったものである。このため、この未利用のクーポンは、次回以降の売買取引において利用できることから顧客に返却する必要があるが、この未利用クーポン画面を参照することで未利用のクーポンを容易に返却できることになる。
【0080】
また、未利用クーポン画面では、未利用の各クーポンについての3つの適用対象商品の商品名が示される。したがって、いかなる商品を購入対象とすれば値引きが適用できたかを明確に顧客に報知できることになる。
【0081】
なお、このように未利用クーポン画面や登録一覧画面が表示されている決済前の時点では、商品あるいはクーポンのバーコードを追加的に読み取ることも可能である。バーコードの追加の読取があった場合(図7:ステップS15にてYes)は、小計キーが押下された以降になされた「値引処理」を含む小計処理がリセットされる。そして、処理は再びステップS2に戻り、明細テーブル61やクーポンチェックテーブル62の更新がなされる。したがって、顧客は取引商品を追加することや、未提示の他のクーポンを追加的に提示することも可能である。前述のように未利用クーポン画面では未利用のクーポンの適用対象商品が明示されることから、顧客がその適用対象商品を追加的に取引商品にすることが期待できる。
【0082】
追加的なバーコードの読取がなされない場合(ステップS15にてNo)は、取引価格に基づいて決済処理がなされる(ステップS16)。具体的には、顧客から受け渡された決済用の現金等の金額が預り金額として入力部24を介して入力され、預り金額から取引価格が差し引かれた結果が釣銭金額として導出され、その釣銭金額がディスプレイ22,23に表示される。さらに、この売買取引の内容がPOSサーバ1に送信されて販売実績データとしてハードディスク14に記録されるとともに、売買取引の内容を示すレシートが印刷発行部26により発行される。これにより一連の精算処理が終了する。なお、売買取引において顧客からクーポンが提示されなかった場合は(ステップS9にてNo)、明細テーブル61の「価格」の合計した結果が取引価格として表示され(ステップS14)、その取引価格に基づいて決済処理がなされることになる(ステップS16)。
【0083】
以上のように、POSシステム100では、売買取引を行う顧客が提示した全てのクーポンが特定され、クーポンのそれぞれの適用対象商品と取引商品とに基づいて、クーポンのそれぞれが売買取引において値引きに利用可能か否かが判定される。そして、その判定手段の判定結果がディスプレイ22,23に表示される。このため、顧客が多数のクーポンを提示した場合であっても、それらのクーポンの利用の可否を容易に把握できる。また、利用不可と判定されたクーポンがディスプレイ22,23に一覧表示されるため、未利用のクーポンを顧客に容易に返却できる。
【0084】
また、クーポンのそれぞれの割引率及び適用対象商品、並びに、取引商品に基づいて、売買取引において値引額が最大となるクーポンと取引商品との組合せを導出し、その導出された組合せに基づいて取引商品の値引きを行うため、クーポンを利用した場合の値引額を最大化することができる。
【0085】
<5.他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態(以下、「第1形態」という。)に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような他の実施の形態について説明する。もちろん、以下で説明する形態を適宜に組み合わせてもよい。
【0086】
<5−1.第2形態>
第1形態では、クーポンのそれぞれが売買取引において値引きに利用可能か否かを判定した結果として未利用のクーポンの情報のみを一覧表示していたが、顧客が提示した全てのクーポンの情報を一覧表示するようにしてもよい。
【0087】
図15は、全てのクーポンの情報を一覧表示した画面(以下、「クーポン一覧画面」)の例を示す図である。図に示すように、クーポン一覧画面においては、全てのクーポンの情報を示すテーブル77が表示される。すなわち、未利用のクーポンのみならず、利用可能と判定されたクーポン(「フラグ」が「利用済」のクーポン)や、無効と判定されたクーポン(「フラグ」が「無効」のクーポン)についての情報も示されている。このテーブル77では、各クーポンに関して図14と同様のクーポンデータの他に「フラグ」も示される。
【0088】
また、テーブル77においては、利用可能と判定されたクーポンと、利用不可と判定された未利用のクーポンと、無効と判定されたクーポンとで、それぞれクーポンデータを示すセルの背景色が異なっている。図中においては、セルの背景色の違いをハッチングにより擬似的に表現している。このように、異なる判定がなされたクーポンの相互間で、そのクーポンデータの表示態様を異ならせることで、利用可能なクーポンと利用不可のクーポンと無効のクーポンとを容易に識別できることになる。したがって、クーポン一覧画面においても、未利用のクーポンを容易に識別でき顧客に容易に返却できる。なお、この第2形態では、クーポンデータを示すセルの背景色を異ならせているが、クーポンデータを示すフォントの色、サイズ、形式などの他の表示態様を異ならせてもよい。
【0089】
また、このクーポン一覧画面においても、未利用の各クーポンについては3つの適用対象商品の商品名が示される。したがって、いかなる商品を購入対象とすれば値引きが適用できたかを明確に顧客に報知できることになる。なお、図中では、利用可能と判定されたクーポンと、無効と判定されたクーポンに関しては適用対象商品の商品名が示されていないが、商品名が示されてもよい。また、利用可能と判定された利用済のクーポンについては、実際に値引きの対象となった適用対象商品を、表示態様の変更などで明示してもよい。
【0090】
<5−2.第3形態>
第1形態では、クーポンの種類は紙媒体に記録されたバーコードの情報によって特定されていたが、顧客が提示した可搬性のデータキャリアの記録素子に記録された情報に基づいて特定されるようになっていてもよい。本形態においては、「クーポン」という用語は、紙媒体ではなく「商品の値引きを行う権利」という概念を示すことになる。
【0091】
このようなデータキャリアとしてはICカードとして構成された会員カードなどが考えられる。図16は、この場合に使用される会員カードの一例を示す図である。図に示すようにICカード(RFIDカード)としての会員カード8は、集積回路たるICチップ81と、電波通信を行うためのアンテナコイル82とをその内部に備えている。
【0092】
ICチップ81は、各種の演算を行うCPUと、各種情報を電子的方式で記録するEEPROMなどの記録素子とを有している。このICチップ81の記録素子には、当該会員カード8を所持する顧客が提示可能なクーポンの種類を特定する情報(以下、「クーポン特定情報」という。)が記録される。一つのICチップ81には、複数のクーポンに対応するクーポン特定情報を記録することも可能である。クーポン特定情報の内容は、第1形態のクーポンコードと同一内容とすればよい。
【0093】
図17は、本形態におけるPOSターミナル2の構成を機能ブロックにて示す図である。このPOSターミナル2は、図3と同様の構成の他に、会員カード8のICチップ81の読み取り及び書き込みが可能なICカードリーダライタ28を備えている。
【0094】
精算処理においては、顧客から会員カードが提示され、ICカードリーダライタ28によりその会員カード8のICチップ81の読み取りがなされる。これにより、ICチップ81に記録されていた全てのクーポン特定情報が取得される。このクーポン特定情報を第1形態のクーポンコードと同様に用いれば、以降は第1形態と同様の処理を行えばよい。また、利用不可と判定された未利用のクーポンのクーポン特定情報に関しては、精算処理の終了時にICカードリーダライタ28によって会員カード8のICチップ81に書き戻すようにすればよい。
【0095】
このようにデータキャリアの記録素子を読み取って得られるクーポン特定情報に基づいてクーポンの種類を特定するようにすれば、一度の読み取りで全てのクーポン特定情報を取得できるため、顧客が提示したクーポンを迅速かつ容易に特定できるとともに、クーポンの取扱いが容易となる。
【0096】
なお、ICチップには、バーコードと比較して多くのデータ量を記録できることから、第1形態においてクーポンマスタ42に登録されていたクーポンデータの全部あるいは大部分を記録素子にクーポン特定情報として記憶させてもよい。
【0097】
また、可搬性のデータキャリアとしてはICカードに限定されず、例えば、上記同様のICチップを備えた携帯電話などでもよい。データキャリアが携帯電話の場合は、そのネットワーク通信機能を利用した所定のサイトからのダウンロードにより、記録素子にクーポン特定情報を適宜に追加できることが望ましい。また、ICチップを付加した紙媒体をデータキャリアとしてもよい。さらに、クーポン特定情報を記録する記録素子の記録方式としては、電子的方式に限定されず、磁気的方式などの他の電磁的方式(人の知覚によっては認識することのできない方式)でもよい。
【0098】
<5−3.その他の形態>
上記の形態では、値引処理においてクーポンが有効か無効かが判定されたが、クーポンコードを取得した時点(図7:ステップS5の直前)で、クーポンコードから得られる「有効期限」に基づいて、そのクーポンが有効か無効かを判定し、無効と判定されたクーポンについては以降の処理の対象から除外してもよい。具体的には、無効と判定されたクーポンの情報は、明細テーブル61やクーポンチェックテーブル62のレコードとして登録されないことになる。これにより、第2形態のようにクーポンの情報を一覧表示する場合にも、無効と判定されたクーポンの情報は表示されない。なお、無効と判定されたクーポンがあったときは、その旨を示す警告表示をディスプレイ22,23に行い、販売スタッフと顧客との双方にその旨を報知することが望ましい。
【0099】
また、上記形態では、小計キーの押下後に値引処理がなされていたが、バーコードの読み取りにより明細テーブル61の内容が更新されるごとに図11と同様の値引処理を行い、その結果を図13に示す画面と同様の表現でディスプレイ22,23に表示してもよい。この場合にはさらに、第2形態と同様に、異なる判定がなされたクーポンの相互間で、そのクーポンデータの表示態様を異ならせてもよい。
【0100】
また、上記形態では、クーポンと対応付けられる値引額を規定する値引パラメータは「割引率」であったが、「割引額」であってもよい。クーポンが「割引額」と対応付けられる場合は、クーポンの適用によりその「割引額」で単純に適用対象商品の価格が値引きされることになる。また、「割引率」と対応付けられる割引クーポンと、「割引額」と対応付けられる値引クーポンとが混在して利用されてもよい。この場合においても、例えば、売買取引に係るクーポンと取引商品との全ての組合わせにおける値引額を比較することで、値引額が最大となるクーポンと取引商品との組合わせを導出できる。
【0101】
また、上記形態では、キャッシュレジスタシステムはPOSサーバ1及び複数のPOSターミナル2を備えたPOSシステム100であるとして説明を行ったが、キャッシュレジスタシステムが単体の装置として構成されていても、上記で説明した技術を好適に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】POSシステムの構成を示す図である。
【図2】POSサーバの構成を示す図である。
【図3】POSターミナルの構成を示す図である。
【図4】商品マスタの一例を示す図である。
【図5】クーポンマスタの一例を示す図である。
【図6】クーポンの一例を示す図である。
【図7】精算処理の流れを示す図である。
【図8】明細テーブルの一例を示す図である。
【図9】明細テーブルの内容を表示した画面の一例を示す図である。
【図10】クーポンチェックテーブルの一例を示す図である。
【図11】値引処理の詳細な流れを示す図である。
【図12】値引処理の結果が反映された明細テーブルの一例を示す図である。
【図13】登録一覧画面の一例を示す図である。
【図14】未利用クーポン画面の一例を示す図である。
【図15】クーポン一覧画面の一例を示す図である。
【図16】会員カードの一例を示す図である。
【図17】第3形態のPOSターミナルの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0103】
1 POSサーバ
2 POSターミナル
3 LAN
5 クーポン
8 会員カード
23 顧客側ディスプレイ
25 バーコードリーダ
28 ICカードリーダライタ
61 明細テーブル
62 クーポンチェックテーブル
【出願人】 【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】 【識別番号】100089233
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 茂明

【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊

【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘


【公開番号】 特開2008−46737(P2008−46737A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−219720(P2006−219720)