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【発明の名称】 硬貨処理装置におけるセルフクリーニング方法
【発明者】 【氏名】山野内 理晃

【氏名】小林 正樹

【要約】 【課題】硬貨を搬送する搬送ベルトの位置を変化させることによって、搬送路上における硬貨の通過範囲を変化させ、搬送路上をセルフクリーニングし、搬送路上に異物が堆(たい)積することを防止して、硬貨の真偽及び金種の判定精度が異物によって低下することを防止することができるようにする。

【構成】ベルト支持用回転部材12a、12bに掛け回され、搬送路13上の硬貨18を搬送する搬送ベルト11と、前記搬送路13上に配設され、前記硬貨18を光学的に検知する検知部と、該検知部の検知結果に基づいて、前記硬貨18の真偽及び金種を判定する判定部16とを有する硬貨処理装置において、前記ベルト支持用回転部材12a、12bの位置を変化させることにより、前記硬貨18によって前記搬送路13上の異物を除去する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ベルト支持用回転部材に掛け回され、搬送路上の硬貨を搬送する搬送ベルトと、
(b)前記搬送路上に配設され、前記硬貨を光学的に検知する検知部と、
(c)該検知部の検知結果に基づいて、前記硬貨の真偽及び金種を判定する判定部とを有する硬貨処理装置において、
(d)前記ベルト支持用回転部材の位置を変化させることにより、前記硬貨によって前記搬送路上の異物を除去することを特徴とする硬貨処理装置におけるセルフクリーニング方法。
【請求項2】
前記ベルト支持用回転部材の位置を、前記硬貨の搬送方向と直交する方向に往復動させる請求項1に記載の硬貨処理装置におけるセルフクリーニング方法。
【請求項3】
前記硬貨の位置が変化することに起因する前記検知部が取得する硬貨の外形データの歪みを補正する請求項1に記載の硬貨処理装置におけるセルフクリーニング方法。
【請求項4】
(a)ベルト保持部によって位置が規制され、搬送路上の硬貨を搬送する搬送ベルトと、
(b)前記搬送路上に配設され、前記硬貨を光学的に検知する検知部と、
(c)該検知部の検知結果に基づいて、前記硬貨の真偽及び金種を判定する判定部とを有する硬貨処理装置において、
(d)前記ベルト保持部の位置を変化させることにより、前記硬貨によって前記搬送路上の異物を除去することを特徴とする硬貨処理装置におけるセルフクリーニング方法。
【請求項5】
前記ベルト保持部の位置を、前記硬貨の搬送方向と直交する方向に往復動させる請求項4に記載の硬貨処理装置におけるセルフクリーニング方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関などで使用されている硬貨処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行、信用金庫、郵便局、消費者金融会社等の金融機関の支店等に配設されたATM(Automatic Teller Machine:現金自動預払機)、CD(Cash Dispenser:現金自動支払機)等の自動取引装置や両替機、また、商店や路上に配設された自動販売機等には、硬貨の入出金処理を自動的に行う硬貨処理装置が組み込まれている(例えば、特許文献1参照。)。そして、該硬貨処理装置は、各金種の硬貨、すなわち、1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨及び500円硬貨を仕分けして計数するために、硬貨の外形等を光学的に検知して、硬貨の真偽及び金種を判定する硬貨認識装置を備えている。
【0003】
図2は従来の硬貨処理装置における硬貨認識装置の構成を示す側面図、図3は従来の硬貨処理装置における硬貨認識装置の構成を示す上面図である。
【0004】
図に示されるように、硬貨認識装置は、硬貨118が搬送される搬送路113、及び、該搬送路113上に配設され、硬貨118を搬送路113に押圧しながら搬送する搬送ベルト111を有する。そして、該搬送ベルト111は、図示されない支持部材によって回転可能に支持された第1プーリ112a及び第2プーリ112bの周囲に掛け回されて張設され、前記第1プーリ112a及び第2プーリ112bのいずれか一方、又は、両方が図示されない駆動モータによって回転駆動されることにより回転する。
【0005】
また、前記硬貨認識装置は、搬送路113の両側に配設された第1搬送ガイド114a及び第2搬送ガイド114bを有する。搬送路113上を搬送される硬貨118は、前記第1搬送ガイド114a及び第2搬送ガイド114bによって、搬送方向に対して直交する方向の搬送位置が規制される。
【0006】
さらに、前記硬貨認識装置は、搬送路113の下に配設され、硬貨118の真偽及び金種を判定するための判定部116を有する。該判定部116は、硬貨118の外形等を光学的に検知する検知部117を備え、該検知部117の検知結果に基づいて、真偽及び金種を判定する。
【0007】
そして、前記硬貨118は、第1搬送ガイド114a及び第2搬送ガイド114bによって規制されながら、搬送ベルト111によって搬送路113に押圧された状態で搬送されることにより前記検知部117上を通過する。これにより、判定部116は硬貨118の真偽及び金種を判定することができる。
【特許文献1】特開2000−67295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の硬貨処理装置においては、第1プーリ112a及び第2プーリ112bの位置が固定されているので、搬送路113及び判定部116上における一定の範囲のみを硬貨118が通過することになる。そのため、搬送路113及び判定部116上において硬貨118が通過する範囲外には、貨粉、埃(ほこり)等の異物が帯状に堆(たい)積してしまう。そして、検知部117が硬貨118の外形等を光学的に検知する際に、前記異物が検知され、硬貨118の一部と判定されてしまうことがある。この場合、判定部116による硬貨118の真偽及び金種の判定精度が低下してしまう。
【0009】
本発明は、前記従来の硬貨処理装置の問題点を解決して、硬貨を搬送する搬送ベルトの位置を変化させることによって、搬送路上における硬貨の通過範囲を変化させ、搬送路上をセルフクリーニングし、搬送路上に異物が堆積することを防止して、硬貨の真偽及び金種の判定精度が異物によって低下することを防止することができる硬貨処理装置におけるセルフクリーニング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのために、本発明の硬貨処理装置におけるセルフクリーニング方法おいては、ベルト支持用回転部材に掛け回され、搬送路上の硬貨を搬送する搬送ベルトと、前記搬送路上に配設され、前記硬貨を光学的に検知する検知部と、該検知部の検知結果に基づいて、前記硬貨の真偽及び金種を判定する判定部とを有する硬貨処理装置において、前記ベルト支持用回転部材の位置を変化させることにより前記硬貨によって前記搬送路上の異物を除去する。
【0011】
本発明の他の硬貨処理装置におけるセルフクリーニング方法においては、さらに、前記ベルト支持用回転部材の位置を、前記硬貨の搬送方向と直交する方向に往復動させる。
【0012】
本発明の更に他の硬貨処理装置におけるセルフクリーニング方法においては、さらに、前記硬貨の位置が変化することに起因する前記検知部が取得する硬貨の外形データの歪(ひず)みを補正する。
【0013】
本発明の更に他の硬貨処理装置におけるセルフクリーニング方法においては、ベルト保持部によって位置が規制され、搬送路上の硬貨を搬送する搬送ベルトと、前記搬送路上に配設され、前記硬貨を光学的に検知する検知部と、該検知部の検知結果に基づいて、前記硬貨の真偽及び金種を判定する判定部とを有する硬貨処理装置において、前記ベルト保持部の位置を変化させることにより前記硬貨によって前記搬送路上の異物を除去する。
【0014】
本発明の更に他の硬貨処理装置におけるセルフクリーニング方法においては、さらに、前記ベルト保持部の位置を、前記硬貨の搬送方向と直交する方向に往復動させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、硬貨処理装置におけるセルフクリーニング方法においては、硬貨を搬送する搬送ベルトの位置を変化させるようになっている。これにより、搬送路上における硬貨の通過範囲を変化させ、搬送路上をセルフクリーニングし、搬送路上に異物が堆積することを防止して、硬貨の真偽及び金種の判定精度が異物によって低下することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の第1の実施の形態における硬貨処理装置の硬貨認識装置の構成を示す側面図、図4は本発明の第1の実施の形態における硬貨処理装置の硬貨認識装置の構成を示す上面図である。
【0018】
図において、10は本実施の形態における硬貨認識装置であり、図示されない硬貨処理装置に取り付けられ、硬貨18の真偽及び金種を判定する。前記硬貨処理装置は、自動取引装置のように硬貨18を受領する装置に組み込まれて硬貨18を処理する。なお、前記硬貨18を受領する装置は、一般的には、銀行、信用金庫、郵便局、消費者金融会社等の金融機関の支店等の営業店や、コンビニエンスストア、スーパーマーケット等の商店の店舗に配設されているATM、CD等の自動取引装置であるが、硬貨18を受領するための装置であれば、鉄道、バス等の交通機関の券売機、飲料、タバコ等の自動販売機、両替機、ゲーム機等いかなる装置であってもよい。本実施の形態においては、前記硬貨18を受領する装置が自動取引装置である場合について説明する。
【0019】
そして、前記硬貨処理装置は、硬貨認識装置10が真正と判定した硬貨18を正常な硬貨18として取り扱い、硬貨認識装置10が真正と判定しなかった硬貨18を偽造硬貨のような不正な硬貨18として排除する。また、前記硬貨認識装置10は真正と判定した硬貨18の金種を判定する。そして、前記硬貨処理装置は、硬貨認識装置10の判定結果に従い、各金種の硬貨18、すなわち、1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨及び500円硬貨を仕分けして計数し、格納又は払出しを行う。
【0020】
本実施の形態において、硬貨認識装置10は、硬貨18が搬送される搬送路13、及び、該搬送路13上に搬送面(搬送路13の上面)と平行に延在するように配設され、硬貨18を搬送路13の搬送面に押圧しながら搬送する搬送ベルト11を有する。そして、該搬送ベルト11は、回転可能に支持されたベルト支持用回転部材としての第1プーリ12a及び第2プーリ12bの周囲に掛け回されて張設され、前記第1プーリ12a及び第2プーリ12bのいずれか一方、又は、両方が図示されない駆動モータによって回転駆動されることにより回転する。これにより、前記搬送ベルト11は、搬送路13上の硬貨18を搬送方向(図1及び4における横方向)に搬送する。
【0021】
また、前記第1プーリ12a及び第2プーリ12bは、位置制御用装置としての第1位置制御モータ15a及び第2位置制御モータ15bによって、その位置が硬貨18の搬送方向と直交する方向(図4における上下方向)に変化させられる。前記第1位置制御モータ15a及び第2位置制御モータ15bは、望ましくはステッピングモータであり、第1プーリ12a及び第2プーリ12bに接続された第1連結軸21a及び第2連結軸21bを各々備え、前記第1連結軸21a及び第2連結軸21bを伸縮させることによって、第1プーリ12a及び第2プーリ12bの位置を硬貨18の搬送方向と直交する方向に変化させる。
【0022】
さらに、前記硬貨認識装置10は、搬送路13の両側に配設された第1搬送ガイド14a及び第2搬送ガイド14bを有する。搬送路13の搬送面上を搬送される硬貨18は、前記第1搬送ガイド14a及び第2搬送ガイド14bによって、搬送方向に対して直交する方向の搬送位置が規制される。
【0023】
そして、前記硬貨認識装置10は、搬送路13の下に配設され、硬貨18の真偽及び金種を判定するための判定部16を有する。該判定部16は、前記搬送路13上に配設され、硬貨18の外形等を光学的に検知する検知部17を備え、該検知部17の検知結果に基づいて、真偽及び金種を判定する。なお、前記検知部17は、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の図示されない受光素子を備え、また、必要に応じて、LED(Light Emitting Diode)等の図示されない発光素子を備え、搬送路13上を搬送される硬貨18からの反射光を前記受光素子によって受光することにより硬貨18の外形等を検知する。
【0024】
また、硬貨18は、第1搬送ガイド14a及び第2搬送ガイド14bによって規制されながら、搬送ベルト11によって搬送路13の搬送面に押圧された状態で搬送されることにより前記検知部17上を通過する。すると、該検知部17が前記硬貨18の外形等を光学的に検知することによって、判定部16は前記硬貨18の真偽及び金種を判定することができる。
【0025】
次に、前記構成の硬貨処理装置の動作について説明する。ここでは、第1位置制御モータ15a及び第2位置制御モータ15bとしてステッピングモータを使用した場合について説明する。
【0026】
図5は本発明の第1の実施の形態における硬貨処理装置の通過範囲の変化量を示す図である。
【0027】
まず、自動取引装置に硬貨18が投入されると、該硬貨18は、自動取引装置が備える図示されない硬貨搬送路に沿って配設されたベルトコンベア、搬送ローラ等の搬送手段によって搬送され、硬貨処理装置の硬貨認識装置10に到達する。そして、前記硬貨18は、搬送ベルト11によって搬送路13の搬送面に押圧されながら搬送方向に搬送される。この場合、第1プーリ12a及び第2プーリ12bのいずれか一方、又は、両方が駆動モータによって回転駆動されることにより搬送ベルト11が所定の回転速度で回転し、硬貨18を所定の搬送速度で搬送する。
【0028】
そして、硬貨18は、搬送路13上を所定の搬送速度で搬送され、検知部17上を通過する。すると、該検知部17は前記硬貨18の外形等を光学的に検知する。そして、判定部16は、検知部17の検知結果に基づいて、真偽及び金種を判定する。硬貨処理装置内における硬貨搬送路の硬貨認識装置10よりも下流側には、図示されないリジェクト装置が配設され、判定部16が不正であると判定した硬貨18は、硬貨認識装置10を通過した後、前記リジェクト装置によってリジェクトされ、硬貨搬送路から排除される。
【0029】
また、硬貨処理装置内における硬貨搬送路の硬貨認識装置10よりも下流側には、図示されない仕分け装置が配設され、判定部16が真正であると判定した硬貨18は、硬貨認識装置10を通過した後、判定部16が判定した金種に従い、前記仕分け装置によって仕分けされ、金種毎に対応付けされた格納庫に格納される。
【0030】
なお、前記搬送ベルト11は、通常、図5において実線で示される基準位置に存する。この場合、硬貨18は、前記搬送ベルト11によって、その一端が第1搬送ガイド14aに当接しながら搬送される。
【0031】
そして、所定期間が経過すると、硬貨認識装置10は、第1位置制御モータ15a及び第2位置制御モータ15bを駆動して、第1プーリ12a及び第2プーリ12bを硬貨18の搬送方向と直交する方向に所定距離だけ移動させる。図5に示される例においては、第1搬送ガイド14aから離れる方向、すなわち、図5における上方に移動させる。これにより、硬貨18は、第1搬送ガイド14aに当接することなく搬送される。
【0032】
続いて、所定期間が経過すると、硬貨認識装置10は、第1位置制御モータ15a及び第2位置制御モータ15bを駆動して、第1プーリ12a及び第2プーリ12bを硬貨18の搬送方向と直交する方向であって第1搬送ガイド14aから離れる方向に所定距離だけ移動させる。これにより、第1プーリ12a及び第2プーリ12bは、更に第1搬送ガイド14aから離れる方向に移動する。
【0033】
以降、前述の動作を繰り返して行い、所定期間が経過する毎に、第1プーリ12a及び第2プーリ12bを硬貨18の搬送方向と直交する方向であって第1搬送ガイド14aから離れる方向に、所定距離ずつ移動させる。そして、搬送ベルト11が図5において点線で示される位置に到達し、前記搬送ベルト11によって搬送される硬貨18の他端が第2搬送ガイド14bに当接するようになるまで、前述の動作を繰り返し、第1プーリ12a及び第2プーリ12bを硬貨18の搬送方向と直交する方向であって第1搬送ガイド14aから離れる方向に移動させる。
【0034】
次に、硬貨18の他端が第2搬送ガイド14bに当接しながら搬送される状態となってから所定時間が経過すると、硬貨認識装置10は、第1位置制御モータ15a及び第2位置制御モータ15bを逆方向に駆動して、第1プーリ12a及び第2プーリ12bを硬貨18の搬送方向と直交する方向であって第1搬送ガイド14aに近付く方向に、所定距離だけ移動させる。これにより、硬貨18は、第2搬送ガイド14bに当接することなく搬送される。
【0035】
続いて、所定期間が経過すると、硬貨認識装置10は、第1位置制御モータ15a及び第2位置制御モータ15bを駆動して、第1プーリ12a及び第2プーリ12bを硬貨18の搬送方向と直交する方向であって第1搬送ガイド14aに近付く方向に所定距離だけ移動させる。これにより、第1プーリ12a及び第2プーリ12bは、更に第1搬送ガイド14aに近付く方向に移動する。
【0036】
以降、前述の動作を繰り返して行い、所定期間が経過する毎に、第1プーリ12a及び第2プーリ12bを硬貨18の搬送方向と直交する方向であって第1搬送ガイド14aに近付く方向に、所定距離ずつ移動させる。そして、搬送ベルト11が図5において実線で示される基準位置に復帰し、前記搬送ベルト11によって搬送される硬貨18の一端が第1搬送ガイド14aに当接するようになるまで、前述の動作を繰り返し、第1プーリ12a及び第2プーリ12bを硬貨18の搬送方向と直交する方向であって第1搬送ガイド14aに近付く方向に移動させる。
【0037】
これにより、第1プーリ12a及び第2プーリ12bは、硬貨18の搬送方向と直交する方向に一往復移動し、搬送ベルト11も、硬貨18の搬送方向と直交する方向に一往復移動して基準位置に復帰する。
【0038】
さらに、前述の動作を繰り返して行うことによって、第1プーリ12a及び第2プーリ12b並びに搬送ベルト11の硬貨18の搬送方向と直交する方向に関する往復動作を繰り返すことができる。これにより、硬貨18の搬送方向と直交する方向に関する搬送路13上の通過範囲は、図5においてAで示されるように、広い範囲となる。そのため、搬送路13上における貨粉、埃等の異物は、搬送される硬貨18によって除去されるので、堆積することがない。
【0039】
このように、本実施の形態においては、硬貨18が搬送ベルト11によって搬送路13上を搬送されている際に、第1プーリ12a及び第2プーリ12bの位置を硬貨18の搬送方向と直交する方向に変化させるようになっている。これにより、搬送ベルト11の位置も硬貨18の搬送方向と直交する方向に変化し、硬貨18の搬送位置も搬送方向と直交する方向に変化する。そのため、従来では硬貨18が搬送されない位置にあった異物をセルフクリーニングすることができる。したがって、異物が堆積することを確実に防止することができ、判定部16は、検知部17の検知結果に基づき、異物の影響を受けることなく、硬貨18の真偽及び金種を判定することができる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0041】
図6は本発明の第2の実施の形態における硬貨処理装置の硬貨認識装置の構成を示す側面図、図7は本発明の第2の実施の形態における硬貨処理装置の硬貨認識装置の構成を示す要部拡大上面図である。
【0042】
本実施の形態における硬貨認識装置10は、位置制御用装置としてのベルト位置制御モータ22を有し、該ベルト位置制御モータ22によって、搬送ベルト11の位置を硬貨18の搬送方向と直交する方向に変化させる。なお、第1位置制御モータ15a及び第2位置制御モータ15bは省略されている。前記ベルト位置制御モータ22は、望ましくはステッピングモータであり、連結軸の先端に接続された搬送ベルト11の位置を規制するためのベルト保持部23を備え、連結軸を伸縮させることによってベルト保持部23を硬貨18の搬送方向と直交する方向に変化させる。
【0043】
ここで、前記ベルト保持部23の下面には、図7に示されるように、第1ベルト保持回転体23a及び第2ベルト保持回転体23bが回転可能に取り付けられている。前記第1ベルト保持回転体23a及び第2ベルト保持回転体23bは、小型のプーリであることが望ましく、搬送ベルト11を幅方向の両側から挟み込むようにして、搬送ベルト11の両側縁をガイドする。そのため、ベルト保持部23を硬貨18の搬送方向と直交する方向に移動させることによって、搬送ベルト11の位置を硬貨18の搬送方向と直交する方向に変化させることができる。
【0044】
なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0045】
次に、本実施の形態における硬貨処理装置の動作について説明する。ここでは、ベルト位置制御モータ22としてステッピングモータを使用した場合について説明する。
【0046】
まず、搬送ベルト11は、前記第1の実施の形態と同様に、図5において実線で示される基準位置に存する。この場合、硬貨18は、前記搬送ベルト11によって、その一端が第1搬送ガイド14aに当接しながら搬送される。
【0047】
そして、所定期間が経過すると、硬貨認識装置10は、ベルト位置制御モータ22を駆動して、搬送ベルト11を硬貨18の搬送方向と直交する方向に所定距離だけ移動させる。この場合、第1搬送ガイド14aから離れる方向、すなわち、図6及び7における上方に移動させる。これにより、硬貨18は、第1搬送ガイド14aに当接することなく搬送される。
【0048】
続いて、所定期間が経過すると、硬貨認識装置10は、ベルト位置制御モータ22を駆動して、搬送ベルト11を硬貨18の搬送方向と直交する方向であって第1搬送ガイド14aから離れる方向に所定距離だけ移動させる。これにより、搬送ベルト11は、更に第1搬送ガイド14aから離れる方向に移動する。
【0049】
以降、前述の動作を繰り返して行い、所定期間が経過する毎に、搬送ベルト11を硬貨18の搬送方向と直交する方向であって第1搬送ガイド14aから離れる方向に、所定距離ずつ移動させる。そして、搬送ベルト11が図5において点線で示される位置に到達し、前記搬送ベルト11によって搬送される硬貨18の他端が第2搬送ガイド14bに当接するようになるまで、前述の動作を繰り返し、搬送ベルト11を硬貨18の搬送方向と直交する方向であって第1搬送ガイド14aから離れる方向に移動させる。
【0050】
次に、硬貨18の他端が第2搬送ガイド14bに当接しながら搬送される状態となってから所定時間が経過すると、硬貨認識装置10は、ベルト位置制御モータ22を逆方向に駆動して、搬送ベルト11を硬貨18の搬送方向と直交する方向であって、第1搬送ガイド14aに近付く方向に所定距離だけ移動させる。これにより、硬貨18は、第2搬送ガイド14bに当接することなく搬送される。
【0051】
続いて、所定期間が経過すると、硬貨認識装置10は、ベルト位置制御モータ22を駆動して、搬送ベルト11を硬貨18の搬送方向と直交する方向であって第1搬送ガイド14aに近付く方向に所定距離だけ移動させる。これにより、搬送ベルト11は、更に第1搬送ガイド14aに近付く方向に移動する。
【0052】
以降、前述の動作を繰り返して行い、所定期間が経過する毎に、搬送ベルト11を硬貨18の搬送方向と直交する方向であって第1搬送ガイド14aに近付く方向に、所定距離ずつ移動させる。そして、搬送ベルト11が図5において実線で示される基準位置に復帰し、前記搬送ベルト11によって搬送される硬貨18の一端が第1搬送ガイド14aに当接するようになるまで、前述の動作を繰り返し、搬送ベルト11を硬貨18の搬送方向と直交する方向であって第1搬送ガイド14aに近付く方向に移動させる。
【0053】
これにより、搬送ベルト11は、硬貨18の搬送方向と直交する方向に一往復移動して基準位置に復帰する。
【0054】
さらに、前述の動作を繰り返して行うことによって、搬送ベルト11の硬貨18の搬送方向と直交する方向に関する往復動作を繰り返すことができる。これにより、硬貨18の搬送方向と直交する方向に関する搬送路13上の通過範囲は、図5においてAで示されるように、広い範囲となる。そのため、搬送路13上における貨粉、埃等の異物は、搬送される硬貨18によるセルフクリーニングによって、堆積することがない。
【0055】
なお、その他の点の動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0056】
このように、本実施の形態においては、硬貨18が搬送ベルト11によって搬送路13上を搬送されている際に、搬送ベルト11の位置を硬貨18の搬送方向と直交する方向に変化させるようになっている。これにより、硬貨18の搬送位置も搬送方向と直交する方向に変化する。そのため、従来では硬貨18が搬送されない位置にあった異物をセルフクリーニングすることができる。したがって、異物が堆積することを確実に防止することができ、判定部16は、検知部17の検知結果に基づき、異物の影響を受けることなく、硬貨18の真偽及び金種を判定することができる。
【0057】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0058】
本実施の形態における硬貨認識装置10は、図示されない補正回路を有する。また、検知部17は、受光素子としてラインスキャナを備え、1ラインずつスキャンすることによって、検知部17上を通過する硬貨18の画像を取得するものであるとする。なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様である。
【0059】
第1プーリ12a及び第2プーリ12bの位置を硬貨18の搬送方向と直交する方向に変化させて搬送ベルト11の位置を搬送方向と直交する方向に変化させる場合、タイミングによっては、検知部17上を通過する硬貨18が搬送方向と直交する方向に移動してしまうことがある。すると、検知部17が取得する硬貨18の画像の外形を示すデータ、すなわち、外形データが歪んでしまう。そして、硬貨18の外形データの歪み方は、第1プーリ12a及び第2プーリ12bが搬送方向と直交する方向に移動する速度と検知部17のデータサンプル間隔との関係で変化する。
【0060】
そこで、前記補正回路は、補正処理を実行して、検知部17が取得した硬貨18の外形データの歪みを補正する。第1位置制御モータ15a及び第2位置制御モータ15bとしてステッピングモータを使用した場合、補正回路の補正処理は、以下の(1)〜(3)の信号を用いて実行される。
(1)検知部17の1画素に対応する画素クロック
(2)検知部17の1ラインスキャンの開始を示す信号
(3)ステッピングモータである第1位置制御モータ15a及び第2位置制御モータ15bを駆動するためのパルス信号
そして、1ラインスキャン開始直後の無効画素区間(データ出力が行われない区間)において、第1位置制御モータ15a及び第2位置制御モータ15bを駆動させるためのパルス信号を発生させ、第1プーリ12a及び第2プーリ12bを搬送方向と直交する方向に移動させる。この場合、硬貨18の外形データの取得中に硬貨18の移動は行われないため、各ラインのデータに対し、第1プーリ12a及び第2プーリ12bの移動距離に対応した画素数だけ削除した画素位置を1ラインスキャンを開始する画素位置とすることによって硬貨18の外形データを補正する。
【0061】
なお、その他の点の構成及び動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0062】
このように、本実施の形態においては、前記第1の実施の形態と同様に、異物をセルフクリーニングすることができる。また、第1プーリ12a及び第2プーリ12bの位置の変化による硬貨18の位置の変化が検知部17上で発生した際には、第1プーリ12a及び第2プーリ12bの位置の制御信号に同期した信号を用いて、取得した硬貨18の外形データの開始画素位置を変更することによって、硬貨18の位置が変化することに起因する硬貨18の外形データの歪みを防止することができる。その結果、検知部17の検知結果に基づく判定部16の判定精度を向上させることができる。
【0063】
なお、前記第1の実施の形態においては、第1位置制御モータ15a及び第2位置制御モータ15bとしてステッピングモータを使用した場合ついて説明したが、DCモータ及びエンコーダを使用することも可能である。
【0064】
また、前記第3の実施の形態においては、第1プーリ12a及び第2プーリ12bの移動を検知部17の無効画素区間において行う場合について説明したが、検知部17の有効画素区間で行うことも可能である。その場合は、1ラインスキャンの開始からの画素数を画素クロックでカウントし、ステッピングモータである第1位置制御モータ15a及び第2位置制御モータ15bを駆動するための駆動パルス信号発生時の画素を特定する。パルス信号の発生時間に対応する画素数を硬貨18の外形データから間引きしたものを出カデータとすることによって補正処理を行う。
【0065】
さらに、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施の形態における硬貨処理装置の硬貨認識装置の構成を示す側面図である。
【図2】従来の硬貨処理装置における硬貨認識装置の構成を示す側面図である。
【図3】従来の硬貨処理装置における硬貨認識装置の構成を示す上面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における硬貨処理装置の硬貨認識装置の構成を示す上面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における硬貨処理装置の通過範囲の変化量を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における硬貨処理装置の硬貨認識装置の構成を示す側面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における硬貨処理装置の硬貨認識装置の構成を示す要部拡大上面図である。
【符号の説明】
【0067】
11 搬送ベルト
12a 第1プーリ
12b 第2プーリ
13 搬送路
16 判定部
17 検知部
18 硬貨
23 ベルト保持部
【出願人】 【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明

【識別番号】100089635
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 守

【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠


【公開番号】 特開2008−9491(P2008−9491A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−176329(P2006−176329)