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【発明の名称】 料金収受システムおよび料金収受装置ならびに車載器
【発明者】 【氏名】加藤 聖樹

【氏名】森下 慶一

【氏名】岡本 茂生

【氏名】大野 秀和

【要約】 【課題】、既存の設備を有効活用しながら、低コストで課金対象エリアを拡張することのできる料金収受システムを提供することを目的とする。

【構成】課金対象エリアAに設置されている料金収受装置と、車両1に搭載されるとともに料金収受装置との間で課金に関する情報を授受する車載器とを備える料金収受システムであって、車載器は、GPS受信機により取得される位置情報に基づいて拡張課金対象エリアに進入したか否かを検知し、課金対象エリアAに進入する際に、課金対象エリアAの料金所に設置された料金収受装置に対して、拡張課金対象エリアBに進入したか否かを示す進入フラグの状態を送信することにより、拡張課金対象エリアBに進入したか否かを料金収受装置に対して通知する。これにより、料金収受装置においては、拡張課金対象エリアBにおける道路利用料金についても徴収することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるとともに、課金対象エリアの料金所に設置されている料金収受装置との間で課金に関する情報を授受する車載器であって、
前記課金対象エリア外に新たに設定された拡張課金対象エリアの地図情報を記憶する記憶手段と、
位置情報取得手段と、
位置情報取得手段により取得された位置情報及び前記拡張課金対象エリアの地図情報に基づいて、前記拡張課金対象エリアに進入したことを検知する進入検知手段と
を備え、
前記料金収受装置との通信において、前記拡張課金対象エリアへ進入したか否かを示す進入判定情報を送信する車載器。
【請求項2】
前記拡張課金対象エリアに進入したか否かを表す進入フラグを有し、
前記拡張課金対象エリアに進入した場合に前記進入フラグをセットし、前記課金通信装置との通信においては、前記進入判定情報として前記進入フラグの状態を送信するとともに、該送信後において前記進入フラグをリセットする請求項1に記載の車載器。
【請求項3】
複数の前記拡張課金対象エリアが設けられている場合に、各前記拡張課金対象エリアに対応して前記進入フラグをそれぞれ有し、各前記進入フラグの状態と各前記拡張課金対象エリアの識別情報とを対応付けて前記課金通信装置に送信する請求項2に記載の車載器。
【請求項4】
前記拡張課金対象エリアにおける滞在時間を計時する計時手段を備え、
前記料金収受装置に対して前記滞在時間を送信する請求項1から請求項3のいずれかに記載の車載器。
【請求項5】
前記滞在時間を暗号化して送信する請求項4に記載の車載器。
【請求項6】
前記拡張課金対象エリア内に設けられた駐車場に駐車している期間は、前記計時手段の動作を停止させる請求項4または請求項5に記載の車載器。
【請求項7】
前記拡張課金対象エリア内における走行距離を測定する走行距離積算手段を備え、
前記料金収受装置に対して前記走行距離を送信する請求項1から請求項3のいずれかに記載の車載器。
【請求項8】
GPS受信機と、FM多重受信機を備え、
前記FM多重受信機により取得されるGPS衛星の補正データを用いて、前記GPS受信機により取得された位置情報を補正する車載器。
【請求項9】
課金対象エリアに設置され、前記課金対象エリアを通過する車両に搭載されている車載器との間で課金に関する情報の授受を行う料金収受装置であって、
前記課金対象エリア外に新たに設定された拡張課金対象エリアに関する第1課金情報と、前記課金対象エリアに関する第2課金情報とを記憶する記憶装置と、
前記車載器から進入判定情報を受信した場合に、該進入判定情報に基づいて前記車載器を搭載した車両が前記拡張課金対象エリアに進入したか否かを判定する進入判定手段と、
前記判定結果および前記第1課金情報並びに前記第2課金情報に基づいて、徴収金額を決定する金額決定手段と
を具備する料金収受装置。
【請求項10】
前記第1課金情報は、前記拡張課金対象エリアにおける滞在時間をパラメータとした課金テーブルを含み、
前記金額決定手段は、前記拡張課金対象エリアにおける滞在時間を前記車載器から受信した場合に、前記滞在時間と前記課金テーブルとを用いて前記拡張課金対象エリアにおける道路利用料金を決定する請求項9に記載の料金収受装置。
【請求項11】
前記第1課金情報は、前記拡張課金対象エリアにおける走行距離をパラメータとした課金テーブルを含み、
前記金額決定手段は、前記拡張課金対象エリアにおける走行距離を前記車載器から受信した場合に、前記走行距離と前記課金テーブルとを用いて前記拡張課金対象エリアにおける道路利用料金を決定する請求項9に記載の料金収受装置。
【請求項12】
複数の前記拡張課金対象エリアが設けられている場合に、前記拡張課金対象エリアの各々に対応して前記第1課金情報を有し、
前記進入判定手段は、前記車載器から各前記拡張課金対象エリアの識別情報に対応付けられた前記進入判定情報を受信するとともに、該進入判定情報に基づいて前記車両が進入した拡張課金対象エリアを特定し、
前記金額決定手段は、前記車両が進入した拡張課金対象エリアに対応する前記第1課金情報を用いて、拡張課金対象エリアにおける道路利用料金を決定する請求項9から請求項11のいずれかに記載の料金収受装置。
【請求項13】
前記課金対象エリアが、道路の利用状況にかかわらず進入時に一定の料金が徴収されるエリアである場合において、
前記課金対象エリアにおける滞在時間をパラメータとした還元ポイントテーブルを有し、
前記金額決定手段は、前記課金対象エリアにおける滞在時間を前記車載器から受信した場合に、前記滞在時間と前記還元ポイントテーブルとを用いて還元ポイントを決定し、この還元ポイントを前記車両の所有者に対して付与する請求項9から請求項12のいずれかに記載の料金収受装置。
【請求項14】
課金対象エリアに設置されている料金収受装置と、車両に搭載されるとともに前記料金収受装置との間で課金に関する情報を授受する車載器とを備える料金収受システムであって、
前記車載器は、
前記課金対象エリア外に新たに設定された拡張課金対象エリアの地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
位置情報取得手段と、
位置情報取得手段により取得された位置情報及び前記拡張課金対象エリアの地図情報に基づいて、前記拡張課金対象エリアに進入したことを検知する進入検知手段と
を備え、前記料金収受装置に近づいた場合に、前記拡張課金対象エリアへ進入したか否かを示す進入判定情報を送信し、
前記料金収受装置は、
前記拡張課金対象エリアに関する第1課金情報と、前記課金対象エリアに関する第2課金情報とを記憶する記憶装置と、
前記車載器から前記進入判定情報を受信した場合に、該進入判定情報に基づいて前記車載器を搭載した車両が前記拡張課金対象エリアに進入したか否かを判定する進入判定手段と、
前記判定結果および前記第1課金情報並びに前記第2課金情報に基づいて、徴収金額を決定する金額決定手段と
を具備する料金収受システム。
【請求項15】
前記車載器が位置情報取得手段を有しているか否かを判定する搭載判定手段を備え、
前記金額決定手段は、前記車載器がGPS機能を有している場合といない場合とで、徴収金額を異ならせる請求項14に記載の料金収受システム。
【請求項16】
前記位置情報取得手段がGPS受信機である場合に、
前記拡張課金対象エリアにおいて、前記車載器のGPS受信機がGPS衛星から位置情報を受信しにくいエリアには、前記車載器に対して位置データを送信するための無線アンテナが設置されている請求項14または請求項15に記載の料金収受システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、料金収受システムに係り、特に、有料道路あるいは課金対象エリアなどに進入した車両の所有者から所定の料金を徴収する料金収受システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、大都市中心部への過剰な自動車の乗り入れによる交通渋滞、大気汚染などを緩和する対策として、都市部に課金対象エリアを設け、この課金対象エリアに進入する車両に対して一定額の課金を行う、いわゆるロードプライシングが実現されている。
このロードプライシングでは、課金対象エリアの各出入口に、課金用の無線通信装置が設置されたガントリが設けられている。また、この課金対象エリアに進入する車両は、車載器の搭載が義務付けられている。車両がガントリを通過して課金対象エリアに進入すると、課金用の無線通信装置と車載器との間で課金をするために必要となる情報の授受が行われ、電子的な手段によって車両に対する課金処理が行われる(例えば、特開2003−323648号公報参照)。
また、上記課金方法としては、例えば、車載器に挿入されたプリペイドカードの残高から一定額の料金を差し引き、その残額をプリペイドカードに残高として更新記録する方法や、予め登録されている利用者の銀行口座から自動的に一定の料金が差し引かれる方法などが採用されている。
【0003】
また、道路の利用料を自動的に徴収するシステムとして、ETC(Electronic Toll Collection)システムが知られている。このETCシステムは、料金所に設置された路側無線機と車両に搭載される車載器との間で無線通信を行うことにより、料金を自動徴収することができるようにしたものである。
【特許文献1】特開2003−323648号公報(第11図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したロードプライシングに関する料金収受システムやETCシステムにおいて、既存の課金対象エリアを拡張したいという要請があった場合、拡張した課金対象エリアの出入口にガントリや料金所などの設備を新設する必要がある。しかしながら、このような設備の建設には、膨大な費用が必要となる。更に、拡張された課金対象エリアと既存の課金対象エリアとの境界に設けられた既存の設備については、利用価値がなくなってしまうため、この既存の設備の有効活用についても考慮する必要がある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、既存の設備を有効活用しながら、低コストで課金対象エリアを拡張することのできる料金収受システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、車両に搭載されるとともに、課金対象エリアの料金所に設置されている料金収受装置との間で課金に関する情報を授受する車載器であって、前記課金対象エリア外に新たに設定された拡張課金対象エリアの地図情報を記憶する記憶手段と、位置情報取得手段と、位置情報取得手段により取得された位置情報及び前記拡張課金対象エリアの地図情報に基づいて、前記拡張課金対象エリアに進入したことを検知する進入検知手段とを備え、前記料金収受装置との通信において、前記拡張課金対象エリアへ進入したか否かを示す進入判定情報を送信する車載器を提供する。
【0007】
このような構成によれば、拡張課金対象エリアに進入したことが、位置情報取得手段による位置情報と記憶装置に記憶されている地図情報とに基づいて検出されることとなる。これにより、課金対象エリアを拡張した場合、換言すると、拡張課金対象エリアを新設した場合でも、拡張したエリアの入口に新たな設備を設置することなく、拡張課金対象エリアへの進入を確実に検知することができる。
また、課金対象エリアに設置されている料金収受装置に対して、拡張課金対象エリアに進入していたか否かを示す進入判定情報が送信されることとなるので、拡張課金対象エリアに対する道路利用料も考慮にいれて徴収金額が決定されることとなる。
上記位置情報取得手段としては、GPS受信機が一例として挙げられる。また、上記車載器を構成する各種構成要素は、車載器の筐体内に設けられている必要は無く、例えば、外部端子などを介して外部に接続されて利用される態様も含むものとする。
【0008】
上記車載器は、前記拡張課金対象エリアに進入したか否かを表す進入フラグを有し、前記拡張課金対象エリアに進入した場合に前記進入フラグをセットし、前記課金通信装置との通信においては、前記進入判定情報として前記進入フラグの状態を送信するとともに、該送信後において前記進入フラグをリセットすることとしても良い。
【0009】
このような構成によれば、進入判定情報として進入フラグの状態が送信されるので、料金収受装置は、拡張課金対象エリアへの進入の有無を容易に判定することができる。
【0010】
上記車載器は、複数の前記拡張課金対象エリアが設けられている場合に、各前記拡張課金対象エリアに対応して前記進入フラグをそれぞれ有し、各前記進入フラグの状態と各前記拡張課金対象エリアの識別情報とを対応付けて前記課金通信装置に送信することとしても良い。
【0011】
このような構成によれば、進入判定情報として、進入フラグの状態が各拡張課金対象エリアに対応付けられて送信されるので、料金収受装置は、車両が進入した拡張課金対象エリアを容易に特定することができる。これにより、車両が進入した拡張課金対象エリアにおける道路利用料金を容易に決定することができる。
【0012】
上記車載器は、前記拡張課金対象エリアにおける滞在時間を計時する計時手段を備え、前記料金収受装置に対して前記滞在時間を送信することとしても良い。
【0013】
このような構成によれば、拡張課金対象エリアにおける滞在時間が料金収受装置に送信されるので、料金収受装置は、拡張課金対象エリアにおける滞在時間を考慮して道路利用料金を決めることができる。これにより、道路の利用状況がより反映された道路利用料金とすることができる。
【0014】
上記車載器において、前記滞在時間を暗号化して送信することとしても良い。
【0015】
このような構成によれば、滞在時間が暗号化されて料金収受装置に送信されるので、情報の改竄や盗聴などの不正行為を防止することができる。これにより、料金収受装置は、正確な滞在時間に基づいて道路利用料金を決定することができる。
【0016】
上記車載器は、前記拡張課金対象エリア内に設けられた駐車場に駐車している期間は、前記計時手段の動作を停止させることとしても良い。
【0017】
このような構成によれば、拡張対象エリア内に設けられた駐車場に駐車している期間が、拡張対象エリアにおける滞在時間に含まれることを防止することができる。これにより、拡張課金対象エリアにおける実質的な滞在時間を正確に計時することが可能となる。
【0018】
上記車載器は、前記拡張課金対象エリア内における走行距離を測定する走行距離積算手段を備え、前記料金収受装置に対して前記走行距離を送信することとしても良い。
【0019】
このような構成によれば、拡張課金対象エリアにおける走行距離が料金収受装置に送信されるので、料金収受装置は、拡張課金対象エリアにおける走行距離を考慮して道路利用料金を決めることができる。これにより、道路の利用状況がより反映された道路利用料金とすることができる。
【0020】
本発明は、GPS受信機と、FM多重受信機とを備え、前記FM多重受信機により取得されるGPS衛星の補正データを用いて、前記GPS受信機により取得された位置情報を補正する車載器を提供する。
【0021】
このような構成によれば、FM多重放送により送信されるGPS衛星の補正データ、例えば、D−GPS補正データを受信し、この補正データを用いて、GPS受信機により取得された位置情報を補正するので、位置検出精度を向上させることができる。また、補正データがFM多重放送により送信されてくることで、簡素な構成により補正データを受信することができる。
【0022】
本発明は、課金対象エリアに設置され、前記課金対象エリアを通過する車両に搭載されている車載器との間で課金に関する情報の授受を行う料金収受装置であって、前記課金対象エリア外に新たに設定された拡張課金対象エリアに関する第1課金情報と、前記課金対象エリアに関する第2課金情報とを記憶する記憶装置と、前記車載器から進入判定情報を受信した場合に、該進入判定情報に基づいて前記車載器を搭載した車両が前記拡張課金対象エリアに進入したか否かを判定する進入判定手段と、前記判定結果および前記第1課金情報並びに前記第2課金情報に基づいて、徴収金額を決定する金額決定手段とを具備する料金収受装置を提供する。
【0023】
このような構成によれば、車両が拡張課金対象エリアに進入していたか否かが判定され、拡張課金対象エリアに進入していた場合には、拡張課金対象エリアにおける道路利用料金と、課金対象エリアにおける道路利用料金とが一括して徴収されることとなる。これにより、1台の装置によって、拡張課金対象エリアと課金対象エリアとの両方に対する料金収受を行うことができる。この結果、拡張課金対象エリアに対して料金収受装置を新たに設置する必要がないので、設備コストの低減を図ることができ、よって、拡張課金対象エリアの新設を容易に行うことが可能となる。
【0024】
上記料金収受装置において、前記第1課金情報は、前記拡張課金対象エリアにおける滞在時間をパラメータとした課金テーブルを含み、前記金額決定手段は、前記拡張課金対象エリアにおける滞在時間を前記車載器から受信した場合に、前記滞在時間と前記課金テーブルとを用いて前記拡張課金対象エリアにおける道路利用料金を決定することとしても良い。
【0025】
このような構成によれば、道路利用料金の算出過程において、拡張課金対象エリアにおける滞在時間が考慮されることとなるので、道路の利用状況がより反映された道路利用料金とすることができる。
【0026】
上記料金収受装置において、前記第1課金情報は、前記拡張課金対象エリアにおける走行距離をパラメータとした課金テーブルを含み、前記金額決定手段は、前記拡張課金対象エリアにおける走行距離を前記車載器から受信した場合に、前記走行距離と前記課金テーブルとを用いて前記拡張課金対象エリアにおける道路利用料金を決定することとしても良い。
【0027】
このような構成によれば、道路利用料金の算出過程において、拡張課金対象エリアにおける走行距離が考慮されることとなるので、道路の利用状況がより反映された道路利用料金とすることができる。
【0028】
上記料金収受装置は、複数の前記拡張課金対象エリアが設けられている場合に、前記拡張課金対象エリアの各々に対応して前記第1課金情報を有し、前記進入判定手段は、前記車載器から各前記拡張課金対象エリアの識別情報に対応付けられた前記進入判定情報を受信するとともに、該進入判定情報に基づいて前記車両が進入した拡張課金対象エリアを特定し、前記金額決定手段は、前記車両が進入した拡張課金対象エリアに対応する前記第1課金情報を用いて、拡張課金対象エリアにおける道路利用料金を決定することとしても良い。
【0029】
このような構成によれば、複数の拡張課金対象エリアが設定されている場合には、各拡張課金対象エリアに対応して第1課金情報が登録されるので、拡張課金対象エリア毎に詳細な料金設定を行うことができる。更に、車両が複数の拡張課金対象エリアに進入していた場合でも、一括して料金収受を行うことができる。
【0030】
上記料金収受装置は、前記課金対象エリアが、道路の利用状況にかかわらず進入時に一定の料金が徴収されるエリアである場合において、前記課金対象エリアにおける滞在時間をパラメータとした還元ポイントテーブルを有し、前記金額決定手段は、前記課金対象エリアにおける滞在時間を前記車載器から受信した場合に、前記滞在時間と前記還元ポイントテーブルとを用いて還元ポイントを決定し、この還元ポイントを前記車両の所有者に対して付与することとしても良い。
【0031】
ロードプライシングなどのように、課金対象エリアが道路の利用状況にかかわらず、進入時に一定額の料金が徴収されてしまうエリアである場合において、課金対象エリアにおける滞在時間に応じたポイントが車両の所有者に対して還元されることとしたので、課金対象エリアに誤って進入してしまった利用者等を金銭面において救済することができる。
【0032】
本発明は、課金対象エリアに設置されている料金収受装置と、車両に搭載されるとともに前記料金収受装置との間で課金に関する情報を授受する車載器とを備える料金収受システムであって、前記車載器は、前記課金対象エリア外に新たに設定された拡張課金対象エリアの地図情報を記憶する記憶手段と、位置情報取得手段と、位置情報取得手段により取得された位置情報及び前記拡張課金対象エリアの地図情報に基づいて、前記拡張課金対象エリアに進入したことを検知する進入検知手段とを備え、前記料金収受装置に近づいた場合に、前記拡張課金対象エリアへ進入したか否かを示す進入判定情報を送信し、前記料金収受装置は、前記拡張課金対象エリアに関する第1課金情報と、前記課金対象エリアに関する第2課金情報とを記憶する記憶装置と、前記車載器から前記進入判定情報を受信した場合に、該進入判定情報に基づいて前記車載器を搭載した車両が前記拡張課金対象エリアに進入したか否かを判定する進入判定手段と、前記判定結果および前記第1課金情報並びに前記第2課金情報に基づいて、徴収金額を決定する金額決定手段とを具備する料金収受システムを提供する。
【0033】
このような構成によれば、拡張課金対象エリアに進入したことが、位置情報取得手段による位置情報と記憶装置に記憶されている地図情報とに基づいて検出されることとなる。これにより、課金対象エリアを拡張した場合、換言すると、拡張課金対象エリアを新設した場合でも、拡張したエリアの入口に新たな設備を設置することなく、拡張課金対象エリアへの進入を確実に検知することができる。
更に、課金対象エリアに設置されている1台の料金収受装置により、拡張課金対象エリアと課金対象エリアとの両方に対する料金収受を行うことができることとなる。これにより、拡張課金対象エリアに対して料金収受装置を新たに設置する必要がないので、設備コストの低減を図ることができる。この結果、拡張課金対象エリアの新設、換言すると、課金対象エリアの拡張を容易に行うことが可能となる。
【0034】
上記料金収受システムは、前記車載器が位置情報取得手段を有しているか否かを判定する搭載判定手段を備え、前記金額決定手段は、前記車載器がGPS機能を有している場合といない場合とで、徴収金額を異ならせることとしても良い。
【0035】
車載器においては、位置情報取得手段によって取得された位置情報に基づいて拡張課金対象エリアに進入したか否かが検知される。したがって、位置情報取得手段を搭載していない車載器は、拡張課金対象エリアに侵入したか否かを検知できないこととなる。このため、拡張課金対象エリアへの侵入を検知できる車載器においては、拡張課金対象エリアと課金対象エリアとの双方の道路利用料金が一括して請求される一方で、拡張課金対象エリアへの侵入を検知できない車載器においては、課金対象エリアのみの道路利用料金が請求されることとなる。このような場合において、位置情報取得手段を備えている車載器に対する道路利用金額と、位置情報取得手段を備えていない車載器に対する道路利用金額とを異ならせることにより、徴収金額の均衡を図ることができる。また、位置情報取得手段を備えていない車載器に対する道路利用金額を高めに設定することにより、位置情報取得手段を搭載している車載器の普及を促進させることができる。
【0036】
上記料金収受システムは、前記位置情報取得手段がGPS受信機である場合において、前記拡張課金対象エリアにおいて、前記車載器のGPS受信機がGPS衛星から位置情報を受信しにくいエリアには、前記車載器に対して位置データを送信するための無線アンテナが設置されていることとしても良い。
【0037】
このように車載器のGPS受信機がGPS衛星からのデータを受信しにくいエリアにおいては、位置データを送信するための無線アンテナが設置されているので、拡張課金対象エリアに進入したことを確実に検出することができる。
なお、上記各構成は可能な範囲で組み合わせることができるものとする。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、既存の設備を有効活用しながら、低コストで課金対象エリアを拡張することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下に、本発明に係る料金収受システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本実施形態に係る料金収受システムの全体構成図である。
図1に示すように、ロードプライシングの対象エリアである課金対象エリアAの境界を通過する全ての道路には、課金対象エリアAに進入する車両1から道路利用料金を徴収するための料金収受装置(図示略)が設けられている。この料金収受装置は、課金対象エリアAへ車両1が進入する進入車線にそれぞれ対応して設けられており、対応する進入車線を通過する車両に搭載されている車載器との間で、道路利用料金を徴収するための情報を授受する。
【0040】
図2は、料金収受装置の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、料金収受装置2は、第1アンテナ5、カメラ6、車両検知器7、第2アンテナ8を備えている。更に、料金収受装置2は、第1アンテナ5に接続される第1アンテナ制御機9、カメラ6に接続されるカメラ制御機10、車両検知器7に接続される車両検知制御機11、第2アンテナ8に接続される第2アンテナ制御機12を備えている。更に、料金収受装置2は、統括制御機13、統括制御機13に接続される環境制御機14、統括制御機13に接続される通信制御機15を備えている。上記第1アンテナ制御機9、カメラ制御機10、車両検知制御機11、第2アンテナ制御機12および統括制御機13は、バス16を介して互いに接続されており、情報の授受が可能な状態とされている。通信制御機15は、上位の装置であるセンタ機17との間で通信を行う。
【0041】
上記構成を有する料金収受装置2において、第1アンテナ5、カメラ6、車両検知器7、および第2アンテナ8は、課金対象エリアAの境界における走行道路をまたいで配置される門型の支持柱に取り付けられている。図3は、走行車線を側方から見た図である。第1アンテナ5および第2アンテナ8は、対応する走行車線を走行する車両1の車載器からの信号を受信しやすいように設置されている。例えば、第1アンテナ5、および第2アンテナ8は、アンテナビームが対応する走行車線に向けられるように設置されている。また、第1アンテナ5と第2アンテナ8とは、約10mから15mの距離をあけて設置されている。これは、車載器が第1アンテナ5を介して道路利用料金を受信し、この道路利用料金をICカードに反映させ、その結果を第2アンテナ8に通知するまでの処理時間を確保することを目的としたものである。なお、第1アンテナ5および第2アンテナ8と車載器との間で授受される情報の詳細については後述する。
【0042】
カメラ6は、不正車両が検出された場合に、その不正車両のナンバープレートを撮影するためのものである。不正車両とは、例えば、車載器を搭載していない車両、車載器にICカードが挿入されていない車両、徴収する金額よりもICカードに記録されている残高が少なく、課金が正常に行えなかった車両、偽造された車載器やICカードを搭載している車両などである。これらの不正車両は、第1のアンテナにより車載器から受信された情報などに基づいて判定される。
車両検知器7は、車両1が通過したことを検出する。例えば、車両検知器7の下方の道路には、図4に示すように縞模様のマーキングがされている。車両検知器7は、この縞模様を上方からモニタしており、この縞模様が図5に示すように、正常に検出できなくなった場合に、車両1の通過を検知する。
【0043】
また、図1に示すように、課金対象エリアAの外側には、新たに設定された拡張課金対象エリアBが設定されている。例えば、この拡張課金対象エリアBは、もともと存在していた課金対象エリアAを拡張したいという要望などがあった場合に、事後的に設定されるエリアである。この拡張課金対象エリアBは、課金対象エリアAを取り囲むように設けられていても良いし、その一部が課金対象エリアAと接するように設けられていてもよいし、また、課金対象エリアAに接することなく、別個に設けられるエリアであっても良い。
【0044】
上記拡張課金対象エリアBには、上述した課金対象エリアAのように、エリア境界における進入車線に料金収受装置2が設置されていない。その代わりに、車両1に搭載された車載器によってその進入を検出するようになっている。
図6は、本実施形態に係る車載器の概略構成を示すブロック図である。図6に示すように、車載器20は、車両電源21および内蔵電池22に接続される電源回路23と、GPS衛星から位置情報に関する情報を取得して現在位置を検出するGPS受信機(位置情報取得手段)24と、種々の情報を記憶する記憶装置(記憶手段)25と、制御部(進入検知手段)26と、料金収受装置2の第1アンテナ5,第2アンテナ8などと通信を行う通信部27と、表示部28と、ブザー、LEDなどの報知部29と、ICカードが挿入されるICカード挿入部30と、ICカード挿入部30に設けられるICカードインターフェース31とを主な構成要素として備えている。
【0045】
図6において、GPS受信機24等の各種構成要素は必ずしも車載器内に内蔵されていなくてもよい。例えば、各構成要素が情報の授受が可能な状態で構成されていれば良い。一例としては、GPS機能を有する携帯端末装置を外部端子を介して接続し、この携帯端末装置が備えるGPS機能をGPS受信機24として利用するような構成態様をとることが可能である。
【0046】
電源回路23は主に車両電源21から供給される電圧を車載器20に適した電圧に制御し、車載器20を構成する各部に供給する。内蔵電池22は、車両電源21からの電源供給が遮断された場合でも、通信を行う程度の電力が確保できるよう設けられている。記憶装置25には、拡張課金対象エリアBの地図情報が格納されている。また、この記憶装置25には、車両の所有者情報、車種情報等を含む車両情報、拡張課金対象エリアBに進入したか否かを示す進入フラグ、ICカードから読み出された残高情報およびカード情報など、後述する課金処理に必要となる種々の情報が保存されている。
【0047】
ICカード挿入部30に挿入されるICカードは、例えば、接触型のICカードであり、フラッシュメモリやMPUなどが搭載されたICチップを内蔵している。このICカードには、カードID番号等のカード情報の他、残高、使用履歴等が記憶されている。ICカードに記録されている情報は、ICカードインターフェース31を介して、制御部26による読み出し、書き込みが可能とされている。
【0048】
このような車載器20において、ICカード挿入部30にICカードが挿入されると、制御部26は、ICカードインターフェース31を介してICカードに記録されているICカード情報および残高を読み出して記憶装置25に書き込むとともに、残高を表示部28に一定時間(例えば、10秒程度)、表示させる。また、制御部26は、ICカードから正常に情報を読み取ることができた場合には、正常動作をユーザに知らせるために報知部29を作動させる。これにより、例えば、報知部29がブザーであった場合には、ブザーがなり、また、LEDなどであれば、点灯することで正常である旨を報知する。一方、制御部26は、ICカードから情報を読み取れなかった場合には、エラーである旨を表示部28に表示させるとともに、報知部29を作動させることにより、エラーである旨をユーザに報知し、ICカードの再挿入などを促す。なお、報知部29による報知の態様は、正常時と異常時とで異なる。
【0049】
次に、車両1が拡張課金対象エリアBに進入した後に、課金対象エリアAに進入する場合の上記車載器20の動作内容について説明する。
図6および図7に示すように、車載器20のGPS受信機24は、走行中において複数のGPS衛星から現在位置に関する情報を取得しており、これらの情報から現在位置を検出し、現在位置を制御部26に出力する。制御部26は、現在位置と記憶装置25に格納されている格納課金対象エリアの地図情報とに基づいて、車両1が拡張課金対象エリアBに進入したか否かを判定する。この結果、拡張課金対象エリアBに進入したことを検知すると、進入フラグをセットする。続いて、拡張課金対象エリアBを通過し、課金対象エリアAに進入する際には、車載器20の制御部26は、通信部27を介して車両情報、進入フラグの状態等を料金収受装置2に対して送信する。料金収受装置2では、これらの情報に基づいて徴収する道路利用料金が決定され、この道路利用料金が車載器20に対して送信される。車載器20の制御部26は、この道路利用料金を、通信部27を介して受信すると、ICカードに記録されている残高から一定額の料金を差し引き、この残額をICカードに残高として更新記録する。
【0050】
次に、課金対象エリアAに進入する際に、車載器20と料金収受装置2との間で行われる通信処理の詳細について図8から図10を参照して説明する。
まず、課金対象エリアAの境界に近づくと、車載器の制御部26は、通信部27を介して、料金収受装置2の第1アンテナ5から発せられている問い合わせ信号を受信する(図8のステップSA1)。制御部26は問い合わせ信号を受信すると、記憶装置25から車両情報、ICカード情報、ICカード残高、および進入フラグの状態を読み出し、これらを通信部27を介して送信する(図8のステップSA2)。
【0051】
料金収受装置2の第1アンテナ制御機9は、受信した情報に基づいて徴収する金額を決定する。具体的には、第1アンテナ制御機9は、図9に示すように、拡張課金対象エリアBに関する課金情報が登録された第1課金テーブル(第1課金情報)35および課金対象エリアAに関する課金情報が登録された第2課金テーブル(第2課金情報)36を記憶する記憶装置37と、車載器20から受信した進入フラグの状態に基づいて車載器20を搭載している車両1が拡張課金対象エリアBに進入していたか否かを判定する進入判定部(進入判定手段)38と、進入判定部38からの判定結果および第1課金テーブル35並びに第2課金テーブル36を用いて道路利用料金を決定する金額決定部(金額決定手段)39とを備えている。第1課金テーブル35には、例えば、車種(大型、中型、小型などの別)に応じて徴収する金額が登録されている。例えば、小型なら0.8ドル、中型なら1ドル、大型なら2ドルなどのように登録されている。
【0052】
また、第2課金テーブル36には、上述のように、車種に対応して金額が登録されているとともに、更に、拡張課金対象エリアBに進入していた場合に徴収する金額と、進入していなかった場合に徴収する金額とに分けて道路利用料金が登録されている。例えば、中型車両において、拡張課金対象エリアBに進入していた場合には0.5ドル、進入していなかった場合には1ドルが登録されている。このように、拡張課金対象エリアBに進入していた場合と進入していなかった場合とで金額を異ならせることで、拡張課金対象エリアBを通過してきた車両1の運転手等に対してお得感を与えることができる。
【0053】
進入判定部38は、車載器20から受信した進入フラグがセットされていた場合には、拡張課金対象エリアBに進入していたと判定し、進入フラグがクリアされていた場合には、拡張課金対象エリアBに進入していないと判定し、この判定結果を金額決定部39に出力する(図8のステップSA3)。金額決定部39は、車載器20から受信した車両情報に基づいて、車両1の車種を判別する。そして、車種および拡張課金対象エリアBへの進入の有無に応じて、道路利用料金を決定する(図8のステップSA4)。例えば、車種が中型であり、拡張課金対象エリアBに進入していた場合には、第1課金テーブルから1ドルを、第2課金テーブルから0.5ドルを抽出し、これらを加算した1.5ドルを道路利用料金として算出する。そして、算出した道路利用料金を第1アンテナ5を介して車載器20に送信する(図8のステップSA5)。
【0054】
車載器20の制御部26は、通信部27を介して道路利用料金を受信すると、通信完了を示す肯定信号を第1アンテナ5に送信するとともに(図8のステップSA6)、ICカードの残高から道路利用料金を差し引くことにより、ICカードの残高を更新する(図8のステップSA7)。続いて、制御部26は、残高更新処理が正常に行えた場合には、ICカードから更新後の残高、認証子データを読み取る(図8のステップSA8)。
【0055】
次に、第2アンテナ6から発せられている問い合わせ信号を受信すると(図10のステップSB1)、制御部26は、車両情報、ICカード情報、ICカード残高、認証子データを通信部27を介して送信する(図10のステップSB2)。ここで、認証子データは、料金収受が正常に行われた旨を通知するための情報である。
【0056】
第2アンテナ制御機12は、第2アンテナ8を介して認証子データを受信すると、確認コマンドを第2アンテナ8を介して送信する(図10のステップSB3)。車載器20の制御部26は、この確認コマンドを受け取ると、肯定信号を通信部27を介して送信するとともに(図10のステップSB4)、ICカードに使用履歴を書き込む(図10のステップSB5)。続いて、制御部26は、記憶装置25における進入フラグをクリアし(図10のステップSB6)、当該通信処理を終了する。
【0057】
なお、上述した車載器20と第2アンテナ8との間で行われる情報の授受は、公知の暗号方式を利用して行うこととしても良い。暗号方式を用いて通信を行うことで、情報の改竄や盗聴などの不正行為を防止することができる。暗号方式としては、共通鍵を用いて暗号を行うAES、公開鍵と秘密鍵とを用いて暗号を行うRSAなどが一例として挙げられる。特に、認証子データは、料金収受が正常に行われたことを通知する重要な情報であるため、この認証子データの送受信を暗号化して行うことにより、料金収受の信頼性を高めることができる。
【0058】
以上説明してきたように、本実施形態に係る料金収受システムによれば、拡張課金対象エリアBに進入したことが、車載器20において、GPS受信機24による位置情報と記憶装置25に記憶されている地図情報とに基づいて検出されることとなる。これにより、課金対象エリアAを拡張した場合、換言すると、拡張課金対象エリアBを新設した場合でも、拡張課金対象エリアBの境界に新たな設備を設置することなく、拡張課金対象エリアBへの進入を確実に検知することができる。
更に、課金対象エリアAに設置されている1台の料金収受装置2により、拡張課金対象エリアBと課金対象エリアAとの両方に対する料金収受を行うことができることとなる。これにより、拡張課金対象エリアBに対して料金収受装置2を新たに設置する必要がないので、設備コストの低減を図ることができる。この結果、拡張課金対象エリアBの新設を容易に行うことが可能となる。
【0059】
なお、一旦セットされた進入フラグは、車両1が課金対象エリアAに進入し、更に、後述する料金収受装置2との間で行われる料金収受に関する一連の通信処理が正常に終了するまでは、クリアされないように設定されている。したがって、図11に示すように、拡張課金対象エリアBに進入した後、課金対象エリアAに進入せずに拡張課金対象エリアBを退出した場合にも、セットされた進入フラグはクリアされない。つまり、セットされた進入フラグは、拡張課金対象エリアBを退出するだけでは、クリアされない。これにより、次回、課金対象エリアAに進入したときには、拡張課金対象エリアBに進入したことの記録が残っているので、拡張課金対象エリアBにおける道路利用料金についても確実に徴収することが可能となる。
【0060】
また、進入フラグに代えて、拡張課金対象エリアBに進入した回数をカウントするカウンタを備えることとしても良い。これにより、図11に示すように、車両1が課金対象エリアAに進入せずに、何度も拡張課金対象エリアBを出たり入ったりした場合には、課金対象エリアAに進入する際に、今まで拡張課金対象エリアBに進入した回数に応じた道路利用料金を徴収することが可能となる。
また、このようなカウンタではなく、上述した進入フラグにしておくことで、1回分の道路利用料金で、拡張課金対象エリアBに何度も出たり入ったりできるので、この場合には、運転手などに対してお得感を与えることができる。
【0061】
また、図8に示したステップSA2において、車両情報、ICカード情報、ICカード残高、進入フラグの状態に加えて、GPS受信機24の搭載の有無を通知する情報、例えば、車載器バージョンを車載器20から第1アンテナ5に送信することとしても良い。このように、車載器バージョンを送信することにより、以下のような理由で、GPS受信機24を備えているか否かを料金収受装置2において判別することが可能となる。
【0062】
本発明に係る料金収受システムでは、車両1が拡張課金対象エリアBに進入したか否かについては、GPS受信機24によって取得される位置情報に基づいて判断している。このため、GPS受信機24を備えていない車載器においては、自己の現在位置を特定することができないことから拡張課金対象エリアBに進入したか否かを判断できず、このため、拡張課金対象エリアBに関する道路利用料金を徴収することが不可能となる。
【0063】
そこで、GPS受信機24の搭載の有無に応じて、料金収受システム2が徴収する金額を異ならせることで、GPS受信機24を備えていない車載器を搭載している車両とGPS受信機24を備えている車載器20を搭載している車両1との間の徴収料金の均衡を保つこととしている。特に、図12に示すように、GPS受信機24を備えていない車載器を搭載した車両1´に対しては、道路利用料金を更に高めに(例えば、GPS受信機24を備えている場合に比べて2倍)に設定することにより、GPS受信機24を備えた車載器20の普及を促進させることができる。
【0064】
更に、本実施形態に係る料金収受システムにおいて、課金対象エリアAの入口において、料金収受が正常に行われた場合には、その旨を示す認証情報を料金収受装置2から車載器20に対して送信し、更に、この乱数を車載器20の表示部28に表示させることとしても良い。このようにすることで、料金収受が正常に行われた車両については、車載器20の表示部28にその旨を示す認証情報が表示されることとなるので、例えば、道路を監視する監視員などがその表示を確認することで、不正車両を容易に判別することができる。認証情報については、特に、限定されないが、例えば、所定の乱数であっても良い。また、表示に代えて、例えば、LEDなどの発光素子を点灯させるなどの態様をとることとしても良い。
【0065】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る料金収受システムについて説明する。
本実施形態に係る料金収受システムは、複数の拡張課金対象エリアが設定されている点で、上述の第1の実施形態と異なる。以下、本実施形態に係る料金収受システムについて、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0066】
図13に示すように、複数の拡張課金対象エリアB1、B2が設定されている場合、図14に示すように、車載器20aの記憶装置25aには、各拡張課金対象エリアB1,B2の地図情報と各拡張課金対象エリアB1、B2に割り当てられた識別情報b1,b2とが対応付けられて記憶されているとともに、各拡張課金対象エリアB1、B2に対応する進入フラグF1、F2が登録されている。
また、図15に示すように、料金収受装置の第1アンテナ制御機9aの記憶装置37aには、各拡張課金対象エリアB1、B2に関する第1課金テーブル35a,35bと各拡張課金対象エリアB1、B2に割り当てられた識別情報b1,b2とが対応付けられて記憶されている。
【0067】
図13から図15において、車両1が拡張課金対象エリアB1に進入すると、車載器20aの制御部26aは、GPS受信機24にて受信された情報と記憶装置25aに格納された地図情報とに基づいて車両1が拡張課金対象エリアB1に進入したことを検知し、この拡張課金対象エリアB1に対応するフラグF1をセットする。続いて、車両1が拡張課金対象エリアB2に進入すると、制御部26aは、この旨を検知し、拡張課金対象エリアB2に対応するフラグF2をセットする。続いて、課金対象エリアAに進入する際には、車載器20の制御部26aは、通信部27を介して車両情報、進入フラグF1、F2の状態等を料金収受装置に対して送信する。
【0068】
第1アンテナ制御機9aにおいて、車両情報、進入フラグF1,F2の状態等が受信されると、進入判定部38aは、セットされているフラグF1,F2を抽出し、抽出したフラグF1,F2に対応する拡張課金対象エリアB1,B2の識別情報b1,b2を金額決定部39aに出力する。
金額決定部39aは、進入判定部38aから取得した識別情報b1,b2に対応付けられている各第1課金テーブル35a,35bを参照して拡張課金対象エリアB1,B2における道路利用料金を取得するとともに、第2課金テーブル36を参照して課金対象エリアAにおける道路利用料金を取得する。そして、これらの金額を加算することで、車両1に対する道路利用料金を算出する。そして、この道路利用料金を第1アンテナ5を介して車載器20aに送信する。
車載器20aの制御部26aは、この道路利用料金を通信部27を介して受信すると、ICカードに記録されている残高から上記道路利用料金を差し引き、この残額をICカードに残高として更新記録する。なお、上記第1アンテナ制御機8aと車載器20aとの通信の詳細については、図8に示した処理手順に準じて行われるものである。
【0069】
以上説明してきたように、本実施形態に係る料金収受システムによれば、複数の拡張課金対象エリアが設定されている場合には、各拡張課金対象エリアに対応する進入フラグが設けられており、これら進入フラグの状態が各拡張課金対象エリアの識別情報に対応付けられて車載器20aから第1アンテナ制御機9aに送信されるので、料金収受装置側では、車両が進入した拡張課金対象エリアを容易に特定することができる。これにより、車両が進入した拡張課金対象エリアにおける道路利用料金を速やかに決定することができる。
更に、第1アンテナ制御機9aの記憶装置37aにおいては、各拡張課金対象エリアB1,B2に対応して第1課金テーブル35a,35bが登録されるので、拡張課金対象エリア毎に詳細な料金設定を行うことが可能となる。更に、車両が複数の拡張課金対象エリアに進入していた場合でも、一括して料金収受を行うことができる。
なお、本実施形態においては、2つの拡張課金対象エリアが設定されている場合について述べたが、拡張課金対象エリアBの個数については、限定されない。また、複数の拡張課金対象エリアは、互いに隣接して設定されていても良い。
【0070】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態に係る料金収受システムについて説明する。
本実施形態に係る料金収受システムは、拡張課金対象エリアBの道路利用料金を滞在時間に応じて決定する点で、上述した第1の実施形態に係る料金収受システムと異なる。
以下、本実施形態に係る料金収受システムについて、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0071】
図16に示すように、本実施形態に係る車載器20bは、拡張課金対象エリアBにおける滞在時間を計時するためのタイマ(計時手段)32を更に備えている。また、本実施形態に係る第1アンテナ制御機9bは、図9に示した第1アンテナ制御機9において、記憶装置37が備える第1課金テーブル35が、滞在時間をパラメータとした課金テーブルとされている(図示略)。
【0072】
図16および図17に示すように、車両1が拡張課金対象エリアBに進入すると、車載器20bの制御部26bは、拡張課金対象エリアBに進入したことを検知し、進入フラグをセットするとともに、タイマ32を作動させる。これにより、タイマ32によって拡張課金対象エリアBにおける滞在時間が計時されることとなる。続いて、課金対象エリアAに進入する際には、車載器20bの制御部26bは、通信部27を介して車両情報等に加えて、タイマ32によって計時された滞在時間を料金収受装置に対して送信する。例えば、制御部26bは、料金収受装置の第1アンテナ5から問い合わせ信号を受信した場合に、タイマ32の作動を停止させるとともに、このときの滞在時間を読み出して料金収受装置へ送信する。
【0073】
料金収受装置の第1アンテナ制御機9bでは、進入判定部38によって、拡張課金対象エリアに進入していたことが検出されて金額決定部39に通知される。金額決定部39は、滞在時間に関する関数で表されている第1課金テーブル35を用いて、拡張課金対象エリアBに関する滞在時間に応じた道路利用料金を算出するとともに、第2課金テーブル36から車両1に応じた課金対象エリアAの道路利用料金を抽出し、これらを加算することにより、車両1の道路利用料金を算出する。そして、決定した道路利用料金を第1アンテナ5を介して車載器20bへ送信する。
車載器20bの制御部26bは、滞在時間に応じた道路利用料金を通信部27を介して受信すると、ICカードに記録されている残高から上記道路利用料金を差し引き、この残額をICカードに残高として更新記録するとともに、タイマ32の値をクリアする。なお、上記第1アンテナ制御機8bと車載器20bとの通信の詳細については、図8に示した処理手順に準じて行われるものである。
【0074】
以上説明してきたように、本実施形態に係る料金収受システムによれば、拡張課金対象エリアBにおける滞在時間が料金収受装置に送信されるので、料金収受装置は、拡張課金対象エリアBにおける滞在時間を考慮した道路利用料金の計算を行うことが可能となる。これにより、道路の利用状況がより反映された道路利用料金とすることができる。
【0075】
なお、本実施形態においては、タイマ32と進入フラグとを併用して用いることとしたが、タイマ32が作動することにより、拡張課金対象エリアBに進入したことが認識できることから、進入フラグは用いないこととしても良い。
また、滞在時間を検出する手段としてタイマ32を採用したが、これに代えて、GPS受信機24により取得されるGPSデータに含まれている時刻データを用いて滞在時間を計時することとしても良い。
【0076】
また、本実施形態においては、拡張課金対象エリアBにおける滞在時間に応じて道路利用料金が決定されるので、仮に、拡張課金対象エリアB内に存在する駐車場に車両を駐車していた場合には、タイマ32による滞在時間の計時が行われてしまい、その分が道路利用料金に反映されてしまうこととなる。そこで、図18に示すように、拡張課金対象エリアB内にある駐車場Cに駐車している期間においては、タイマ32の作動を停止させることとする。
この場合、例えば、駐車場Cの入口に設置されている入口アンテナ40から問い合わせ信号を受信した場合に、車載機20bの制御部26bが、タイマ32の作動を停止させ、駐車場Cの出口に設置されている出口アンテナ41から駐車場料金を受け取った旨の確認信号を受信した場合に、制御部26bがタイマ32を作動させる。これにより、駐車場Cに駐車していた期間においては、タイマ32が停止されているので、駐車時間が滞在時間に含まれてしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態において、情報の改竄や盗聴などの不正行為を防止するために、車載器20dとセンタ機17との間で行われる滞在時間を含む通信データを暗号化しても良い。
【0077】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態に係る料金収受システムについて説明する。
本実施形態に係る料金収受システムは、拡張課金対象エリアBにおける走行距離に応じて道路利用料金を決定する点で、上述した滞在時間に応じて道路利用料金を決定する第3の実施形態に係る料金収受システムと異なる。
以下、本実施形態に係る料金収受システムについて、第3の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0078】
図19に示すように、本実施形態に係る車載器20cは、第3の実施形態に係る車載器20bのタイマ32に代えて、走行距離を積算する走行距離積算器(走行距離積算手段)33を備えている。走行距離積算器33は、車載器に搭載されているGPS受信機24やジャイロ34、車両1から出力される車速パルスなどからの情報を用いて、走行距離を積算する。
また、本実施形態に係る第1アンテナ制御機は、図9に示した第1アンテナ制御機9において、記憶装置37が備える第1課金テーブル35が、走行距離をパラメータとした課金テーブルとされている。
【0079】
図19および図20において、車両1が拡張課金対象エリアBに進入すると、車載器20cの制御部26cは、拡張課金対象エリアBに進入したことを検知し、進入フラグをセットするとともに、走行距離積算器33を作動させる。これにより、走行距離積算器33によって拡張課金対象エリアBにおける走行距離が積算されることとなる。続いて、課金対象エリアAに進入する際には、車載器20cの制御部26cは、車両情報等に加えて、走行距離積算器33によって積算された走行距離を通信部27を介して料金収受装置に対して送信する。例えば、制御部26cは、料金収受装置2の第1アンテナ5から問い合わせ信号を受信した場合に、走行距離積算器33の作動を停止させるとともに、このときの走行距離を読み出して料金収受装置へ送信する。
【0080】
料金収受装置の第1アンテナ制御機9では、進入判定部38によって、拡張課金対象エリアに進入していたことが検出されて金額決定部39に通知される。金額決定部39は、走行距離に関する関数で表されている第1課金テーブル35を用いて、拡張課金対象エリアBに関する走行距離に応じた道路利用料金を算出するとともに、第2課金テーブル36から車両1の車種に応じた課金対象エリアAの道路利用料金を抽出し、これらを加算することにより、車両1の道路利用料金を算出する。そして、決定した道路利用料金を第1アンテナ5を介して車載器20cへ送信する。
車載器20cの制御部26cは、走行距離に応じた道路利用料金を通信部27を介して受信すると、ICカードに記録されている残高から上記道路利用料金を差し引き、この残額をICカードに残高として更新記録するとともに、走行距離積算器33の値をクリアする。なお、上記第1アンテナ制御機と車載器20cとの通信の詳細については、図8に示した処理手順に準じて行われるものである。
【0081】
以上説明してきたように、本実施形態に係る料金収受システムによれば、拡張課金対象エリアBにおける走行距離が料金収受装置に送信されるので、料金収受装置は、拡張課金対象エリアBにおける走行距離を考慮した道路利用料金の計算を行うことが可能となる。これにより、道路の利用状況がより反映された道路利用料金とすることができる。
【0082】
なお、本実施形態では、走行距離積算器33と進入フラグとを併用して用いることとしたが、走行距離積算器33が作動することにより、拡張課金対象エリアBに進入したことが認識できることから、進入フラグは用いないこととしても良い。
なお、本実施形態において、情報の改竄や盗聴などの不正行為を防止するために、車載器20dとセンタ機17との間で行われる走行距離を含む通信データを暗号化しても良い。
【0083】
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態に係る料金収受システムについて説明する。
本実施形態に係る料金収受システムは、ロードプライシングなどのように、一定のエリア内に進入しただけで、一定額の料金が徴収されてしまうような課金対象エリアAを対象にしたものである。
本実施形態では、課金対象エリアAに誤って進入してしまった場合、あるいは、課金対象エリアAに進入したもののすぐに退出した場合などを考慮して、課金対象エリアAにおける滞在期間が所定の期間以内である場合に、その滞在期間に応じたポイントを利用者に還元するものである。
以下、本実施形態に係る料金収受システムについて、第3の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0084】
図21に示すように、本実施形態に係る車載器20dは、第3の実施形態に係る車載器20bの構成に加えて、広域通信機34を備えている。この広域通信機34は、図22に示すように、外部の装置と通信を行うものであり、例えば、料金収受装置の上位装置であるセンタ機17(図2参照)と接続するためのものである。この広域通信機34は、車載器20dに内蔵されていても良いし、携帯電話機などの移動通信端末を車載器20dに設けられた接続端子を介して接続して用いることとしても良い。
【0085】
図21および図22において、車両1が課金対象エリアAに進入し、更に、上述した車載器20dの制御部26dと第1アンテナ5および第2アンテナ9との間で課金に関する一連の処理が終了すると、制御部26dは、タイマ32の値をリセットした後、再度、タイマ32を作動させる。これにより、課金対象エリアAにおける滞在時間が計時されることとなる。
【0086】
続いて、車両1が課金対象エリアAを退出すると、車載器20dの制御部26dは、これを検知し、タイマ32の動作を停止させる。続いて、タイマ32の計時時間を読み出すことで、課金対象エリアAにおける滞在時間を取得し、この滞在時間を車両情報等と対応付けて広域通信機34を介してセンタ機17へ送信する。センタ機17は、車両情報等に対応付けられた滞在時間を受信すると、この滞在時間に対応するポイントを還元ポイントテーブルに基づいて決定する。ここで、図23に還元ポイントテーブルの一例を示す。図23において、横軸は滞在時間、縦軸は還元ポイントである。このように、還元ポイントテーブルは、滞在時間がTmax以内の期間において、滞在時間が長いほど、還元ポイントが少なくなるように設定されている。図23では、滞在時間と還元ポイントとが反比例の関係にある場合を示したが、これは一例であり、この例に特定されない。例えば、図24に示すように、滞在時間を数段階のレベルに分割し、各レベルに応じて還元ポイントが段階的に変化するように設定されていても良い。
【0087】
図21および図22に戻り、センタ機17において、上記還元ポイントに基づいて滞在時間T1に対応する還元ポイントP1が求められると、センタ機17は、車載器20dに対して還元ポイントを送信する。車載器20dの制御部26dは、この還元ポイントを広域通信機34を介して受信すると、この還元ポイントを記憶装置25に記憶させる。このとき、記憶装置25に既に還元ポイントが記録されていた場合には、この還元ポイントに今回受信した還元ポイントP1を加算することにより、還元ポイントを更新記録する。
そして、制御部20dは、次回、車両1が課金対象エリアAに進入する際に行われる第1アンテナ制御機9との情報の授受において、車両情報、進入フラグなどの情報とともに、記憶装置25に記録されている還元ポイントを送信する。これにより、第1アンテナ制御機9において、還元ポイントに応じた金額が差し引かれた道路利用金額が算出されることとなる。
【0088】
以上説明してきたように、本実施形態に係る料金収受システムによれば、ロードプライシングなどのように、道路の利用状況にかかわらず、進入時に一定額の料金が徴収されてしまうような課金対象エリアAにおいては、課金対象エリアAにおける滞在時間に応じたポイントを車両の所有者に対して還元するので、課金対象エリアAに誤って進入してしまった利用者等を金銭面において救済することができる。
【0089】
なお、本実施形態において、情報の改竄や盗聴などの不正行為を防止するために、車載器20dとセンタ機17との間で行われる通信を暗号化しても良い。また、車載器20dを改竄して還元ポイントを意図的に増加させる不正行為を防止するために、センタ機17が還元ポイントと車両情報とをリストにして、全ての料金収受装置2に送信する方法をとることとしても良い。このようにすることによって、料金収受装置は車載器から送信された還元ポイントが有効なものであるか否かを確認することができる。なお、この場合における情報の伝送は、例えば、公衆回線やインターネット網などを介して行われる。
【0090】
また、課金対象エリアA内にある駐車場に車両1を駐車させた場合には、タイマ32の動作を停止させることにより、駐車時間が滞在時間に含まれてしまうことを防止することができる。
更に、本実施形態においては、課金対象エリアAにおける滞在時間に応じて還元ポイントを決定することとしたが、これに代えて、課金対象エリアAにおける走行距離に応じて還元ポイントを決定することとしても良い。この場合には、図21における上記タイマ32に代えて、走行距離積算器33(図19参照)を有していれば良く、制御部26cは、上記タイマ32を作動させるタイミングと同じタイミングで、走行距離積算器33を作動させることにより、課金対象エリアAにおける走行距離を積算させる。
【0091】
〔他の適用例〕
以上においては、本発明の料金収受システムをロードプライシングに適用する場合について述べてきたが、本発明はETCシステムにも適用することが可能である。例えば、図25に示すように、課金対象エリア(既存の有料道路)Aを拡張する場合、拡張課金対象エリア(拡張した有料道路)Bへの進入に関しては、車載器20のGPS受信24により検知し、進入フラグをセットする。この場合、出口料金所において、車両情報等とともに、進入フラグを送信する。これにより、ETCシステム側では、拡張課金対象エリアBから課金対象エリアAに進入したことを認識できるので、拡張課金対象エリアBの料金も考慮して道路利用料金が算出される。
【0092】
また、図26に示すように、課金対象エリアAから進入し、拡張課金対象エリアBを経由して退出した場合には、GPS受信機24により拡張課金対象エリアBから退出した旨を検知する。この場合、出口料金所を経由しないで課金対象エリアAから退出することとなるので、料金が未払いのままである。このような場合には、今回の道路利用履歴をICカードに記録しておき、次回、出口料金所に設置されている料金収受装置に対して、未払いの道路利用履歴を送信することとしても良い。これにより、今回の道路利用状況に応じた道路利用料金についても支払われることとなる。また、このような支払い方法に代えて、予め登録されている利用者の銀行口座などから道路利用料金が自動引き落としされるようなシステムを構築することとしても良い。この場合には、出口料金所を通過することなく、課金対象エリアAから退出してしまった場合には、拡張課金対象エリアBを退出後に、上位装置であるセンタ機17に対して、上述した広域通信機34(図21参照)を介して今回の道路利用履歴を送信する。これにより、センタ機17において、今回の道路利用料金が算出され、この金額が銀行口座等から自動的に引き落とされることとなる。
【0093】
なお、上述した第1から第5の実施形態においては、GPS受信機24のみを用いて現在位置を検出していたが、GPS衛星から受信される情報に加えて、車両1に搭載されている車速センサによって検出される車速パルスや、車載器のジャイロなどからの情報を用いて、現在位置を検出することとしても良い。このようにすることで、位置検出の精度を更に向上させることができる。
【0094】
また、図27に示すように、車両1がトンネルなどを走行している場合、GPS衛星からの情報を受信することができないため、仮に、拡張課金対象エリアBに進入していたとしてもそれを検知することができないこととなる。このような場合に備えて、GPS衛星との通信が困難な位置に設定されている拡張課金対象エリアBの境界に関しては、拡張課金対象エリアBに進入したことを車載器20に通知するためのアンテナ45を設置しておくことが好ましい。このとき、複数の拡張課金対象エリアBが設定されている場合には、拡張課金対象エリアBの識別情報も送信することとする。
【0095】
また、拡張課金対象エリアBあるいは拡張課金対象エリアA内にある駐車場においても、GPS受信機24を用いて進入を検出することから、GPS衛星との通信が困難な位置にある駐車場の入口においても同様にアンテナ45を設置することが好ましい。この場合、どの駐車場に進入したのかを認識させるための情報を車載器20に対して送信することが好ましい。
【0096】
更に、GPS受信機24による位置検出の精度を更に向上させるために、D−GPSシステムを利用することとしても良い。この場合、補正データを図28に示すように、FM多重局を介して受信することとしても良い。また、この場合、図29に示すように、車載器20にFM多重受信機53を更に設けることとする。
図28に示したD−GPSシステムにおいて、基地局50により解析されたD−GPS位置補正データは、FM放送局のセンタ局51を介してFM放送局52へ送信される。FM放送局52では、受信したD−GPS補正データをFM多重放送により提供する。FM多重放送により送信されたD−GPS補正データは、車載器20が搭載するFM多重受信機53により受信され、このD−GPS補正データを用いた位置情報の補正がGPS受信機24において行われる。これにより、位置検出精度を更に向上させることができる。
【0097】
また、上述の本実施形態では、接触型のICカードを一例として説明したが、これに代えて非接触型のICカードを用いることとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る課金システムの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る料金収受装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】課金対象エリアの進入車線を路肩側から見たときの図である。
【図4】図3に示した車両検知器の下方に敷設されているマーキングの一例を示した図である。
【図5】車両が通過したときの図4に示したマーキングの様子を示した図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る車載器の概略構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る車載器の動作内容を簡潔に説明した図である。
【図8】本発明の第1の実施形態において、車載器と第1アンテナ制御機との間で行われる通信の処理手順を示した図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る第1アンテナ制御機の概略構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第1の実施形態において、車載器と第1アンテナ制御機との間で行われる通信の処理手順を示した図である。
【図11】進入フラグについて説明するための図である。
【図12】GPS受信機を搭載していない車載器と搭載している車載器との取り扱いについて説明するための図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る車載器の動作内容を簡潔に説明した図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る車載器の概略構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る第1アンテナ制御機の概略構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る車載器の概略構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第3の実施形態に係る車載器の動作内容を簡潔に説明した図である。
【図18】本発明の第3の実施形態に係る料金収受システムにおいて、拡張課金対象エリア内にある駐車場に駐車した場合の取り扱いについて説明するための図である。
【図19】本発明の第4の実施形態に係る車載器の概略構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の第4の実施形態に係る車載器の動作内容を簡潔に説明した図である。
【図21】本発明の第5の実施形態に係る車載器の概略構成を示すブロック図である。
【図22】本発明の第5の実施形態に係る車載器の動作内容を簡潔に説明した図である。
【図23】還元ポイントテーブルの一例を示した図である。
【図24】還元ポイントテーブルの他の例を示した図である。
【図25】本発明の料金収受システムをETCシステムに適用する場合について説明するための図である。
【図26】本発明の料金収受システムをETCシステムに適用する場合について説明するための図である。
【図27】GPS受信機がGPS衛星からデータを受信できない場合における位置情報の取得方法について説明するための図である。
【図28】D−GPS補正データをFM多重放送において送信する場合のD−GPSシステムの概略構成を示した図である。
【図29】D−GPS補正データをFM多重放送において受信する場合の車載器の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0099】
1 車両
2 料金収受装置
5 第1アンテナ
8 第2アンテナ
9,9a 第1アンテナ制御機
12 第2アンテナ制御機
17 センタ機
20,20a,20b,20c,20d 車載器
24 受信機
25,25a 記憶装置
26,26a,26b,26c,26d 制御部
27 通信部
30 ICカード挿入部
31 ICカードインターフェース
A 課金対象エリア
B,B1,B2 拡張課金対象エリア
C 駐車場
37 記憶装置
32 タイマ
33 走行距離積算器
34 広域通信機
35,35a,35b 第1課金テーブル
36 第2課金テーブル
38,38a 進入判定部
39,39a 金額決定部
40 入口アンテナ
41 出口アンテナ
45 アンテナ
50 基地局
51 センター局
52 FM放送局
53 FM多重受信機
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴

【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生


【公開番号】 特開2008−9731(P2008−9731A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−179784(P2006−179784)