トップ :: G 物理学 :: G07 チエツク装置

【発明の名称】 発券機
【発明者】 【氏名】宮方 秀雄

【要約】 【課題】広告内容の修正や更新が容易で広告提示動作のフレキシビリティを高め、かつ利用者に対し広告内容を確実に伝えて広告効率を高める。

【構成】駅構内に設置される券売機TM1〜TMnにおいて、乗車券の購入操作が行われた場合に、その行き先や時間帯等の広告属性情報と、利用者の属性情報とをもとに適当な広告情報を広告情報メモリ4から選択的に読み出し、この読み出された広告情報を乗車券の購入操作が行われた時点から発券が終了するまでの期間を利用して利用者に提示する。また、購入を待つ利用者の混雑度を検出し、この検出された混雑度がしきい値TH1以上の場合には広告情報の提示を停止するようにし、一方検出された混雑度がしきい値TH2より低い場合には、広告情報の提示時間をチケット発券以降まで延長するようにしたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の操作に応じてチケットを発券する発券機であって、
電子データにより構成される広告情報を記憶する記憶手段と、
前記購入操作に応じて、前記広告情報を前記記憶手段から選択的に読み出し、この読み出された広告情報を前記利用者に提示する提示手段と、
購入を待つ利用者の混雑度を検出する手段と、
前記検出された混雑度に応じて、前記提示手段による広告情報の提示動作を制御する制御手段と
を具備することを特徴とする発券機。
【請求項2】
前記制御手段は、前記検出された混雑度を予め設定された第1の値と比較し、混雑度が第1の値に満たない場合に前記読み出された広告情報を提示させ、前記混雑度が第1の値以上の場合に前記広告情報の提示を停止させることを特徴とする請求項1記載の発券機。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記検出された混雑度を予め設定された第1の値と比較し、混雑度が第1の値に満たない場合に、前記読み出された広告情報を前記購入操作が行われてから前記チケットが発券されるまでの期間に提示させる手段と、
前記検出された混雑度を前記第1の値より小さく設定された第2の値と比較し、混雑度が第2の値に満たない場合に、前記広告情報の提示期間を前記チケット発券後まで延長させる手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載の発券機。
【請求項4】
前記記憶手段は、広告情報ごとに、当該広告情報の概要を表す第1の情報要素と、当該広告情報の詳細を表す第2の情報要素とを記憶し、
前記制御手段は、
前記検出された混雑度を予め設定された第1の値と比較し、混雑度が第1の値に満たない場合に、前記広告情報の第1の情報要素を前記購入操作が行われてから前記チケットが発券されるまでの期間に提示させる手段と、
前記検出された混雑度を前記第1の値より小さく設定された第2の値と比較し、混雑度が第2の値に満たない場合に、前記広告情報の第2の情報要素を前記チケット発券後に提示させる手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載の発券機。
【請求項5】
前記制御手段は、前記検出された混雑度を予め設定された第1の値と比較し、混雑度が第1の値に満たない場合に前記読み出された広告情報を表示させ、前記検出された混雑度が予め設定された第1の値以上の場合に前記広告情報を紙片に印刷させて前記チケットと共に発券出力させることを特徴とする請求項1記載の発券機。
【請求項6】
移動通信用の基地局との間で第1の無線回線を介して通信を行う第1の無線インタフェースと、前記基地局より近距離に位置する機器との間で第2の無線回線を介して通信を行う第2の無線インタフェースとを備える携帯端末との間で、前記第2の無線回線を介して通信を行う無線通信手段と、
前記検出された混雑度が予め設定された第1の値以上の場合に、前記読み出された広告情報を前記無線通信手段により前記携帯端末へ送信させる手段と
を、さらに具備することを特徴とする請求項1記載の発券機。
【請求項7】
前記提示手段は、前記購入操作に応じて、当該購入操作により指定された行き先に関係する広告情報を前記記憶手段から選択的に読み出し、この読み出された広告情報を前記利用者に提示することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の発券機。
【請求項8】
前記記憶手段は、前記行き先を表す情報に対応付けて、当該行き先に関係する広告情報を時間帯別に記憶し、
前記提示手段は、前記購入操作に応じて、当該購入操作により指定された行き先に関係しかつ当該行き先への到着予定時間帯に対応する広告情報を前記記憶手段から選択的に読み出すことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の発券機。
【請求項9】
前記記憶手段は、前記行き先を表す情報に対応付けて、当該行き先に関係する広告情報を利用者の属性情報ごとに区別して記憶し、
前記提示手段は、前記購入操作に応じて、当該購入操作により指定された行き先に関係しかつ購入操作を行った利用者の属性に対応する広告情報を前記記憶手段から選択的に読み出すことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の発券機。
【請求項10】
前記広告情報の提示に対する利用者のアクセス操作を検出する手段と、
前記アクセス操作が検出された場合に、前記提示された広告情報に関連するクーポン券または割引券を発券する手段と
を、さらに具備することを特徴とする請求項1記載の発券機。
【請求項11】
前記広告情報に係わる商品またはサービスの購入或いは利用を管理するサービスセンタとの間で、通信ネットワークを介して通信を行う通信手段と、
前記提示された広告情報に係わる商品またはサービスに対する利用者の購入或いは利用のための予約操作を受け付ける手段と、
前記購入或いは利用のための予約操作に応じ、前記通信手段を介して前記サービスセンタに対し予約申し込みのための情報を送信する手段と
を、さらに具備することを特徴とする請求項1記載の発券機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば鉄道やバス、航空機、船舶等の交通機関の利用チケット、各種施設の利用チケット、交通機関の乗り換え案内や遠隔地の道案内のための情報を含むチケットを発券する発券機に係わり、特に操作者に広告を提示する機能を備えた発券機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、駅や商業施設等の多くの人が利用する施設では、窓や壁面、床面、自動改札機等の種々様々なものが広告媒体として利用されている。しかし、この種の広告方法は、媒体にポスタやシール等の印刷物を貼付するのが一般的であり、広告内容の修正や更新作業に手間と時間を要する。また、ポスタ等による静的な広告であるため、通行人が意識して見ない限り内容が伝わらない。
【0003】
そこで、自動券売機や自動精算機等の発券機の表示画面を利用して広告情報を表示する装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。このような装置を使用すれば、広告内容の修正や更新に手間や時間を要することなく、利用者が乗車券を購入又は精算する際に当該利用者に対し広告情報を提示することができ、より効果的な広告を行うことが可能となる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−288614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、このような広告機能を備えた従来の発券機は、広告を表示することで利用者一人ひとりのチケットの購入又は精算に要する時間が長くなる傾向があり、設置場所や時間帯などによっては混雑を引き起こすおそれがある。また、登録された広告情報をただ単に順番に表示するものであるため、地域性や時間帯等を考慮した広告表示を行うことができない。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、利用者の混雑を考慮して適切な広告提示を可能にする発券機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためにこの発明の一つの観点は、利用者の購入操作に応じてチケットを発券する発券機にあって、電子データにより構成される広告情報を記憶する記憶手段と、上記購入操作に応じ上記広告情報を上記記憶手段から選択的に読み出して上記利用者に提示する提示手段に加え、購入を待つ利用者の混雑度を検出する手段と、制御手段とを備える。そして、この制御手段により、上記検出された混雑度に応じて上記提示手段による広告情報の提示動作を制御するようにしたものである。
したがって、発券機の混雑度に応じて広告情報の提示動作が制御されるので、混雑度を考慮してその時々の状況に応じて適切な広告提示が可能となる。
【0007】
具体的には次のような各種構成が考えられる。
第1の構成は、検出された混雑度を予め設定された第1の値と比較し、混雑度が第1の値に満たない場合に広告情報を提示させ、上記混雑度が第1の値以上の場合には上記広告情報の提示を停止させるものである。
このようにすると、混雑が激しい場合には広告情報の提示が行われなくなる。このため、利用者が購入操作を行う前に広告に見入ったり、またチケットの発券後も引き続き広告を見続けることはなくなり、これにより利用者一人当たりのチケット購入時間が長期化する不具合は防止される。この結果、広告提示による発券機における混雑の増加を防ぐことができる。
【0008】
第2の構成は、検出された混雑度を予め設定された第1の値と比較し、混雑度が第1の値に満たない場合には購入操作が行われてからチケットが発券されるまでの期間に広告情報を提示させる。さらに、上記検出された混雑度を上記第1の値より小さく設定された第2の値と比較し、混雑度が第2の値に満たない場合には上記広告情報の提示期間を上記チケット発券後まで延長させるものである。
このようにすると、利用者に対し十分な時間を使用して広告情報を提示することが可能となり、これにより商品やサービスの認知度をさらに高めることが可能となる。
【0009】
第3の構成は、広告情報ごとに、当該広告情報の概要を表す第1の情報要素と当該広告情報の詳細を表す第2の情報要素とを分けて記憶しておく。そして、検出された混雑度が第1の値に満たない場合には広告情報の第1の情報要素を購入操作が行われてからチケットが発券されるまでの期間に提示させる。また、上記検出された混雑度が第2の値に満たない場合には上記広告情報の第2の情報要素を上記チケット発券後に提示させるものである。
このようにすると、発券機における利用者の混雑度に応じて、広告情報を提示しない状態と、広告情報の概要のみを提示する状態と、広告情報の概要に加えて詳細も提示する状態とを選択的に実行させることが可能となる。
【0010】
第4の構成は、検出された混雑度が第1の値に満たない場合に広告情報を表示させ、上記検出された混雑度が予め設定された第1の値以上の場合に上記広告情報を紙片に印刷させてチケットと共に発券出力させるものである。
第5の構成は、利用者が近距離データ伝送用の無線インタフェースを備えた携帯端末を所持する場合に、発券機に並んでいる利用者の混雑度が予め設定された第1の値以上の場合に、提示対象の広告情報を発券機に表示する代わりに上記携帯端末へ送信するものである。
【0011】
これら第4及び第5の構成によれば、混雑時には発券機には広告情報が表示されないので混雑は緩和される。しかも、利用者はチケット購入後の都合のよい時間、例えば乗車後又は搭乗後において、チケットと共にプリントアウトされた紙片、或いは自身の携帯端末により広告の内容を確認することが可能となる。このため、商品やサービスの認知度を高めることが可能となり、これにより広告効果を高めることができる。すなわち、発券機における混雑の緩和と広告効率の向上の両立を図ることが可能となる。
【0012】
第6の構成は、購入操作に応じて、当該購入操作により指定された行き先に関係する広告情報を記憶手段から選択的に読み出し、この読み出された広告情報を利用者に提示するものである。
このようにすると、行き先に関係する広告情報が提示されるので、利用者は乗車券や搭乗券、乗船券等の購入時に、指定した行き先の地域に関係する広告情報を取得することができる。例えば、行き先の駅周辺にあるホテルや観光地、名産品、レンタカーサービス等の広告情報を取得することができ、現地到着後の行動に役立てることができる。すなわち、これから出張や旅行に出かけようとする利用者にとって、真に有用な広告情報を提供することが可能となる。また、広告情報に現地の天気予報や催し物、交通機関の乗り換え案内等の付加情報を含めておくことも可能であり、このようにするとさらに有効性の高い広告情報を利用者に提示することができる。
【0013】
第7の構成は、行き先を表す情報に対応付けて当該行き先に関係する広告情報を時間帯別に記憶しておき、購入操作に応じて当該購入操作により指定された行き先に関係しかつ当該行き先への到着予定時間帯に対応する広告情報を選択的に読み出して提示させるものである。なお、到着予定時刻は、予めホストコンピュータに記憶されたダイヤ情報と、利用者が入力指定した列車名や便名をもとに特定することが可能である。
このように構成すると、現地に係わる広告でかつ到着時刻の時間帯に対応する広告情報を利用者に提示することができる。例えば、早朝であればコーヒーや朝食メニューを提供するカフェまたはレストランの広告を、昼時であれば近隣の百貨店や商店の広告を、夕刻であれば酒類や映画の広告をそれぞれ提示する。また、上記時間帯には季節ごとの区分けをさらに設定しておいてもよい。このようにすると、例えば冬であれば防寒着やスキー場の広告を、夏であれば海水浴場や日焼け留め化粧品等の広告をそれぞれ選択して提示することが可能となる。
【0014】
第8の構成は、行き先を表す情報に対応付けて当該行き先に関係する広告情報を利用者の属性情報ごとに区別して記憶しておき、購入操作に応じて当該購入操作により指定された行き先に関係しかつ購入操作を行った利用者の属性に対応する広告情報を選択的に読み出して提示させるものである。
このように構成すると、現地に係わる広告情報のうち、チケットを購入した利用者の属性情報に応じた広告情報が選択されて提示される。例えば、利用者が女性であれば化粧品や婦人服等の広告が、男性であれば紳士服や居酒屋等の広告がそれぞれ選択され提示される。また、属性情報に年齢を表す情報を含めておけば、年齢層に応じて適当な広告を選択して提示することも可能である。
【0015】
第9の構成は、広告情報の提示に対する利用者のアクセス操作を検出する手段を備え、上記アクセス操作が検出された場合に、上記提示された広告情報に関連するクーポン券または割引券を発券するものである。
このようにすると、チケットを購入しかつ広告を確認した利用者に対し、発券機に備えられている発券用プリンタ機能を利用して、広告対象商品又はサービスの割引券や優待券などのクーポン券を発行して利用者に提供することが可能となり、広告効果をより一層高めることができる。
【0016】
第10の構成は、広告情報に係わる商品またはサービスの購入或いは利用を管理するサービスセンタが存在する場合に、当該サービスセンタのサーバに対し通信ネットワークを介して発券機を接続可能とする。そして、提示された広告情報に係わる商品またはサービスに対する利用者の購入或いは利用のための予約操作を受け付け、当該予約操作に応じて上記サービスセンタのサーバとの間で通信を行うことで予約申し込み処理を行うようにしたものである。
このように構成すると、乗車券や乗船券、搭乗券等を購入した際に、当該発券機において引き続き行き先のホテルやレンタカーの予約、地域の特産品の購入予約、航空機の利用に伴う損害保険の加入登録等を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、利用者の混雑を考慮して適切な広告提示を可能にする発券機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、この発明に係わる発券機を備えたシステムの一実施形態を示す概略構成図である。このシステムは、一つまたは複数の駅の構内に設置された、発券機としての多数の券売機TM1〜TMnを、構内通信ネットワークNW2を介して券売機制御装置CSにそれぞれ接続し、さらにこの券売機制御装置CSから公衆通信ネットワークNW1を介して複数のサービスサーバSV1〜SVmに接続可能としたものである。
【0019】
券売機制御装置CSは、例えば駅構内の通信センタに設置されるもので、上記各券売機TM1〜TMnの動作を構内通信ネットワークNW2を介して統括的に管理制御する。サービスサーバSV1〜SVmは、例えばホテルや旅館の案内や予約を受け付ける宿泊予約センタや、レンタカーの予約を受け付けるレンタカー予約センタ、各地域の観光案内センタ等により運営されるもので、上記各券売機TM1〜TMnとの間で券売機制御装置CSを介して通信を行うことで、各券売機TM1〜TMnからの予約要求を受け付ける機能を有する。
【0020】
なお、公衆通信ネットワークNW1は、インターネット等のコンピュータ・ネットワークと、このコンピュータ・ネットワークと上記券売機制御装置CS及びサービスサーバSV1〜SVmとの間を接続するための加入者網或いは専用線網により構成される。加入者網には、PSTN(Public Switched Telephone Network)やISDN(Integrated Service Digital Network)が含まれる。構内通信ネットワークNW2は、有線LAN(Local Area Network)または無線LANにより構成される。
【0021】
ところで、券売機TM1〜TMnは次のように構成される。図2はその構成を示すブロック図である。すなわち券売機TM1〜TMnは、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)1を備える。そしてこのCPU1に対し、バス2を介してプログラムメモリ3と、広告情報を記憶する広告情報メモリ4とを接続し、さらに通信インタフェース5、入力インタフェース6、表示インタフェース7、オーディオインタフェース8、発券機構インタフェース9、撮像インタフェース14及びセンサインタフェース15をそれぞれ接続したものとなっている。
【0022】
このうち通信インタフェース5は、上記CPU1の制御の下、構内通信ネットワークNW2により規定される通信プロトコルに従い、券売機制御装置CSとの間、さらにはサービスサーバSV1〜SVmとの間で通信を行う。入力インタフェース6は、キーまたはタッチパネルを使用した入力デバイス10において入力された操作情報をCPU1に伝える。表示インタフェース7は、CPU1の制御の下、購入可能エリアや投入金額、広告情報を表示デバイス11に表示させる。表示デバイス11としては、LCD(Liquid Crystal Device)が使用される。
【0023】
オーディオインタフェース8は、CPU1の制御の下、発券に係わる案内メッセージや広告情報を構成する音声メッセージを音声合成し、この合成された音声メッセージをスピーカ12から出力させる。発券機構インタフェース9は、CPU1からの乗車券の発券指示に従い発券機構13に乗車券を発券させると共に、CPU1からのクーポン券の発行指示に従い発券機構13にクーポン券を発券させる。
【0024】
撮像インタフェース14は、CPU1の制御の下、カメラ16により利用者の顔画像を撮像し、その画像データを処理することにより利用者の属性、つまり老若男女を判別するために必要な情報を得る。例えば、利用者の顔の輪郭や顔色、髪型等が検出される。センサインタフェース15は、例えば赤外線センサ17の検出信号をもとに、券売機前における利用者の有無と、利用者の列の長さを判定するための情報を生成する。
【0025】
プログラムメモリ3には、発券制御プログラム31と、広告提示制御プログラム32と、クーポン券発行制御プログラム33と、予約処理プログラム34が格納されている。
発券制御プログラム31は、入力デバイス10において乗車券の購入操作が行われた場合に、この購入操作により指定された行き先に対応する乗車券の発券指示データを発券機構インタフェース9に与え、これにより発券機構13から乗車券を発券させる処理を、上記CPU1に実行させる。
【0026】
広告提示制御プログラム32は次のような制御処理をCPU1に実行させる。すなわち、センサインタフェース15から取り込んだセンサ情報をもとに、先ず券売機前における利用者の有無を判定する。そして、券売機前に利用者が現れたことを検出すると、次に例えば過去の一定時間当たりの発券枚数のカウント値から利用者の混雑度を検出する。そして、この検出された混雑度がしきい値TH1未満の場合には、撮像I/F14から取り込んだカメラ16の撮像画像データをもとに利用者の属性を判別し、この判別された利用者の属性と利用者が購入操作により指定した行き先に対応する広告情報を広告情報メモリ4から選択的に読み出す。そして、この読み出された広告情報を乗車券の購入操作が行われた時点から発券が終了するまでの期間に表示デバイス11に表示させる処理を行う。一方、混雑度がしきい値TH1以上の場合には、上記広告情報を表示させるための一連の処理を停止する。反対に、混雑度が上記しきい値TH1より低く設定したしきい値TH2以下の場合には、上記広告情報の表示期間を発券終了時点から所定時間延長させる。
【0027】
クーポン券発行制御プログラム33は、上記広告情報の表示延長期間においてクーポン券の発行受付画面を表示デバイス11に表示させる。そして、この状態で利用者がクーポン券の発行を要求する操作を行った場合に、上記広告情報に関係するクーポン券の発券指示データを発券機構インタフェース9に与え、これにより発券機構13からクーポン券を発券させる処理を、上記CPU1に実行させる。
【0028】
予約処理プログラム34は、上記広告情報の表示延長期間において、広告対象の商品やサービスの予約問い合わせ画面を表示デバイス11に表示させる。そして、この状態で利用者が予約を要求するための操作を行った場合に、通信インタフェース5により券売機制御装置CSを介して該当するサービスサーバSV1〜SVmとの間で通信を行い、予約情報をサービスサーバSV1〜SVmへ送信させる処理を、上記CPU1に実行させる。
【0029】
次に、以上のように構成された券売機TM1〜TMnの動作を説明する。
(1)広告情報の更新処理
各券売機TM1〜TMnにおける広告情報の更新処理は以下のように行われる。図3はその制御手順と制御内容を示すフローチャートである。
すなわち、券売機制御装置CSは広告管理用のデータベースを備え、広告主或いは広告代理店から定期的或いは随時提供される広告情報を上記広告管理用データベースに蓄積して管理する。そして、各券売機TM1〜TMnに対し定期的に上記広告情報を送信し更新させる。
【0030】
これに対し各券売機TM1〜TMnは、ステップ3aにおいて券売機制御装置CSからの更新指示の到来を監視している。この状態で更新指示が到来すると、続いて券売機制御装置CSから送られる広告情報をステップ3bで受信する。そして、ステップ3cにおいて、広告情報メモリ4に記憶されている広告情報のすべて或いは一部を、上記受信された広告情報に更新する。なお、新たな広告情報を広告情報メモリ4に追加するようにしてもよい。以上の更新処理は、ステップ3dで更新終了通知が検出されるまで繰り返し行われる。
【0031】
図4は、上記広告情報メモリ4に記憶される広告情報の一例を示すものである。同図に示すように各広告情報はそれぞれ、個々の広告情報にユニークに与えられる番号広告IDと、広告情報本体と、広告属性情報とから構成される。
【0032】
広告情報本体は、映像データ、音声データ及び文字データを選択的に用いて制作されたもので、前半の主部分と後半の付加部分とから構成される。主部分は、広告の内容を短時間に簡潔に表すように構成されたもので、長さが券売機TM1〜TMnにおいて購入操作が行われた時点から発券が終了するまでの発券所要時間に設定される。付加部分は、広告の内容を上記主部分より詳細に表すように構成されたもので、上記発券所要時間経過後に設定される表示延長期間に対応する長さに設定される。また、映像データのサイズは、券売機TM1〜TMnに設けられた表示デバイス11の表示画面サイズに対応して定められる。
広告属性情報は、上記広告情報本体の属性を表すもので、行き先と、時間帯または季節と、老若男女、グループ/個人を表す配信対象とから構成される。
【0033】
(2)広告情報の選択及び提示処理
営業時間帯において券売機TM1〜TMnでは、次のように発券及び広告情報の提示処理が行われる。図5はその制御手順と制御内容を示すフローチャートである。
すなわち、券売機TM1〜TMnはステップ5aにおいて、センサインタフェース15で検出されたセンサ情報をもとに、券売機前における利用者の有無を監視している。この利用者の監視は先に述べたように例えば赤外線センサ17を用いて行われる。この状態で、券売機前に利用者が現れたとする。そうすると券売機TM1〜TMnは、先ずステップ5bにより混雑度がしきい値TH1以上であるか否かを判定する。混雑度は、例えば過去の一定時間当たりの発券枚数をカウントすることにより検出することができる。なお、混雑度は、券売機側から利用者方向をカメラ16で撮像してその画像データを画像処理することにより推定してもよく、また赤外線センサ17の検出信号をもとに券売機前に並んでいる利用者の数又は長さを検出してその検出結果から推定するようにしてもよい。
【0034】
上記混雑度の判定の結果、混雑度がしきい値TH1以上だった場合には、券売機TM1〜TMnはステップ5cに移行して利用者による購入操作を監視する。そして、購入代金が投入されたのち行き先ボタンが押下されると、つまり購入操作が行われると、ステップ5dに移行して発券処理を実行する。すなわち、乗車券を購入しようとする利用者が混雑しているときには、広告情報の提示が中止されて発券処理のみが行われる。したがって、混雑度をそれ以上増加させることなく円滑な発券が行われる。
【0035】
一方、混雑度がしきい値TH1未満だったとする。この場合、券売機TM1〜TMnは広告情報の提示が可能と判断してステップ5e及びステップ5fに移行する。そして、カメラ16により利用者の顔画像を撮像し、その画像データをもとに利用者の属性を判別する。例えば、顔の輪郭、化粧の有無及び髪型により男女を判別できる。
【0036】
次に券売機TM1〜TMnは、ステップ5gにおいて購入操作を監視する。そして、この状態で利用者が購入代金を投入したのち行き先ボタンを押すと、ステップ5hにおいて、上記購入操作により指定された行き先と、上記判別された利用者属性と、内蔵時計及びカレンダから読み出した現在の時間帯及び季節をもとに広告情報メモリ4を検索し、これらの条件に広告属性が該当する広告情報本体を選択的に読み出す。そして、ステップ5iにおいて、表示インタフェース7及びオーディオインタフェース8に対し指示を与えることにより、上記読み出された広告情報を、映像、音声及び文字データを用いて利用者に提示する。なお、ここでは広告情報本体の前半の主部分が読み出されて提示される。
【0037】
例えば、利用者が行き先として「仙台」を指定した場合には、図4に示すように「○○ホテル」に関する広告情報本体が読み出されて利用者に提示される。また、利用者が行き先として「長野」を指定し、かつ一度に乗車券を複数枚購入した場合には、グループまたは家族連れによる信州旅行である可能性が高いので、図4に示すように「△□テーマパーク」に関する広告情報本体が読み出されて利用者に提示される。さらに、利用者が行き先として「秋田」を指定し、かつ季節が「冬」の場合には、図4に示すように「○X土産」に関する広告情報本体が読み出されて利用者に提示される。
【0038】
一方、利用者が女性と判断され、かつ季節が「夏」であれば、図4に示すように「ABC化粧品」に関する広告情報本体が読み出されて利用者に提示される。すなわち、これにより利用者に対し「日焼け止めクリーム」等の購入動機を与えることができる。また、行き先が「山形」で、かつ到着予定時刻が午前中であれば、図4に示すように「モーニングセットメニュー&コーヒーを提供するカフェまたはレストラン」に関する広告情報本体が読み出されて利用者に提示される。さらに、行き先における到着予定時刻の天気が「雨」の場合には、傘の広告を読み出して表示したり、さらには乗車券と共に傘の無料利用券を発券するようにしてもよい。
【0039】
上記広告情報の提示を開始すると券売機TM1〜TMnのCPU1は、続いてステップ5jにおいて、利用者の購入操作により指定された行き先に該当する乗車券を発券するための処理を開始する。この発券処理は、CPU1から発券機構インタフェース9に対し発券指示データを与え、この指示データに従い発券機構インタフェース9が発券機構13を動作させることによりなされる。
【0040】
そうして発券が終了すると、券売機TM1〜TMnのCPU1はステップ5kからステップ5lに移行し、ここで混雑度がしきい値TH2以下であるか否かを判定する。そして、この判定の結果、混雑度がしきい値TH2を超えている場合にはステップ5oに移行してそのまま広告情報の提示動作を終了させる。したがって、例えば後ろに次の利用者が並んでいる場合に、当該利用者が待たされることはない。
【0041】
これに対し、混雑度がしきい値TH2以下の場合、例えば後ろに次の利用者が並んでいない場合には、CPU1はステップ5mにより広告情報の提示時間を延長させる。この提示延長期間では、広告情報メモリ4から広告情報本体の後半の付加部分が読み出されて提示される。したがって、乗車券購入者に対し広告情報の詳細を提示することができる。上記広告情報の提示延長動作は、ステップ5nにおいて一定時間の経過が検出されると終了する。なお、一定時間が経過する前でも、乗車券購入者が券売機から離れるか、或いは次の利用者が券売機前に現れたことが赤外線センサ17により検出された時点で、広告情報の提示延長動作を終了するようにしてもよい。
【0042】
(3)クーポン券の発行処理
この実施形態にかかわる券売機TM1〜TMnでは、広告情報の提示後に当該広告に掲載された商品又はサービスの割引券や優待券等のクーポン券を発行することができる。図6はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。なお、同図において前記図5と同一部分には同一符号を付して説明を行う。
【0043】
すなわち、券売機TM1〜TMnのCPU1は、乗車券発券終了後の混雑度の判定において、混雑度がしきい値TH2以下と判定されると、ステップ6aに移行してクーポン券発行受付画面を表示デバイス11に表示させる。そして、このクーポン券発行受付画面の表示開始時点から一定時間が経過する前に利用者がクーポン券の発行要求操作を行うと、券売機TM1〜TMnはステップ6cからステップ6dに移行し、先に表示されていた広告情報に係わる商品またはサービスのクーポン券を発行させる。このクーポン券の発行処理も、CPU1から発券機構インタフェース9に対し発行指示データを与え、この指示データに従い発券機構インタフェース9が発券機構13を動作させることによりなされる。つまり、乗車券を発券するための発券機構をそのまま使用してクーポン券の発行が行われる。
【0044】
これに対し、クーポン券の発行要求操作が行われないまま一定時間が経過すると、券売機TM1〜TMnはステップ6bからステップ6eに移行し、クーポン券の発行処理を行わずにクーポン券発行受付画面の表示を終了する。なお、この場合も、一定時間が経過する前に利用者が券売機から離れるか、或いは次の利用者が券売機前に現れたことが赤外線センサ17により検出された時点で、クーポン券発行受付画面の表示動作を終了するようにしてもよい。
【0045】
(4)予約処理
この実施形態の券売機TM1〜TMnでは、広告情報の提示後に当該広告に掲載された商品又はサービスに対する購入予約或いは利用予約が可能である。図7はこの予約処理の手順と内容を示すフローチャートである。なお、同図において、前記図5と同一部分には同一符号を付して説明を行う。
【0046】
すなわち、券売機TM1〜TMnのCPU1は、乗車券発券終了後の混雑度の判定において、混雑度がしきい値TH2以下と判定されると、ステップ7aに移行して予約問い合わせ画面を表示デバイス11に表示させる。そして、この予約問い合わせ画面の表示開始時点から一定時間が経過する前に利用者が予約要求操作を行うと、券売機TM1〜TMnのCPU1はステップ7cからステップ7dに移行し、ここで予約処理を実行する。この予約処理は、券売機TM1〜TMnとサービスサーバSV1〜SVmとの間で、アクセスサーバまたはプロキシサーバとして機能する券売機制御装置CSを介して通信を行うことによりなされる。図8はその処理手順と内容を示すシーケンス図である。
【0047】
すなわち、予約問い合わせ画面において利用者が予約要求操作を行うと、当該券売機TM1から券売機制御装置CSに対し予約要求が送られる。予約要求を受信すると券売機制御装置CSは、該当するサービスセンタ、例えばSV1に対しアクセス要求を送信する。サービスセンタSV1は、上記アクセス要求を受信すると予約受付画面を送信する。この予約受付画面は券売機制御装置CSを介して要求元の券売機TM1に転送される。券売機TM1は例えばブラウザ機能を備え、このブラウザ機能により予約受付画面を表示デバイス11に表示する。
【0048】
この状態で、利用者が上記予約受付画面において予約操作を行うと、券売機TM1から予約情報が券売機制御装置CSを介してサービスサーバSV1へ送信される。例えば、利用者は、予約受付画面に掲載された複数のホテルの中から希望するホテルを選択し、さらに自身の名前及び電話番号を入力したうえで、予約ボタンを押下する。そうすると、選択されたホテルの識別コードと、入力された利用者の名前及び電話番号を表す情報を含む予約情報がサービスサーバSV1へ送信される。なお、券売機TM1〜TMnが、利用者のクレジットカードまたはキャッシュカードを読み取って乗車券代金の決裁を行う機能を備えている場合には、このクレジットカードまたはキャッシュカードから利用者情報を読み取って予約情報に含めるようにしてもよい。
【0049】
サービスサーバSV1は、上記予約情報を受信すると、ステップ8aで予約を受け付けるための処理を実行し、ステップ8bで予約の受付が可能であるか否かを判定する。そして判定の結果、予約受付が可能であれば予約完了通知を、一方予約受付が不可能であれば予約不可通知を要求元の券売機TM1に向け送信する。券売機TM1は、上記サービスサーバSV1から送られた予約完了通知または予約不可通知を、ステップ8cで表示デバイス11に表示する。
【0050】
上記予約完了通知または予約不可通知を確認したのち、利用者が予約終了操作を行うと、券売機TM1から券売機制御装置CSへ予約終了通知が送られ、券売機制御装置CSからサービスサーバSV1に対しアクセス終了通知が送られる。券売機TM1は、ステップ7eで上記予約終了操作を検出すると、ステップ7fに移行してここで予約受付画面の表示を終了する。なお、上記予約終了操作の検出後に、発券機構13を動作させて予約券を発行してもよい。
【0051】
(5)広告提示実績の報告
券売機TM1〜TMnはそれぞれ、広告情報の提示履歴、つまり表示した広告情報の種類とその提示時刻を時系列に従い広告情報メモリ4に順次記憶する。券売機制御装置CSは、上記券売機TM1〜TMnから上記広告情報の提示履歴の記憶情報を定期的に収集する。そして、広告ごとに、契約期間又はこの契約期間内における一定期間(例えば1週間又は1ヶ月)における提示回数又は提示合計時間を計算し、この計算結果を広告提示実績データとして該当する広告主の端末へ送信する。さらに、クーポン券の発行実績や、商品又はサービスの予約受付実績についても、その実績データを計算して該当する広告主の端末へ送信する。なお、広告提示実績データには、利用者の年齢や性別等の属性情報を含めるようにしてもよい。この利用者の属性情報は、例えば航空券等の販売機では予約サーバから取得することが可能である。
【0052】
以上述べたようにこの実施形態では、駅構内に設置される券売機TM1〜TMnにおいて、乗車券の購入操作が行われた場合に、その行き先や時間帯等の広告属性情報と、利用者の属性情報とをもとに適当な広告情報を広告情報メモリ4から選択的に読み出し、この読み出された広告情報を乗車券の購入操作が行われた時点から発券が終了するまでの期間を利用して利用者に提示するようにしている。
【0053】
したがって、広告表示期間は購入操作から発券終了までの期間に限定される。このため、券売機TM1〜TMnにおいて、利用者が購入操作を行う前に広告に見入ったり、またチケットの発券後も引き続き広告を見続けることはなくなり、これにより利用者一人当たりのチケット購入時間の長期化を防止して、混雑の発生を抑制することができる。
【0054】
またこの実施形態では、購入を待つ利用者の混雑度を検出し、この検出された混雑度がしきい値TH1以上の場合には広告情報の提示を停止するようにしている。このため、混雑が激しい場合には広告情報の提示が行われなくなり、これにより混雑の増加をより一層確実に抑制することができる。一方、検出された混雑度がしきい値TH2より低い場合には、広告情報の提示時間をチケット発券以降まで延長する。このようにすると、利用者に対し十分な時間を使用して広告情報を詳細に提示することが可能となり、これにより広告効果をさらに高めることができる。
【0055】
さらにこの実施形態では、検出された混雑度がしきい値TH2より低い場合に、クーポン券の発行受付画面を表示し、この状態で利用者がクーポン券の発行操作を行った場合に広告の対象となる商品やサービスのクーポン券を発券機構13により発行するようにしている。したがって、券売機TM1〜TMnに備えられている発券機構13を利用して、広告対象商品又はサービスの割引券や優待券を発行して利用者に提供することが可能となり、これにより商品又はサービスの広告効果をさらに高めることができる。
【0056】
さらにこの実施形態では、検出された混雑度がしきい値TH2より低い場合に、券売機TM1〜TMnの表示デバイス11に予約受付画面を表示し、広告の対象となった商品またはサービスの予約情報を券売機制御装置CSを介してサービスサーバSV1〜SVmに送信するようにしている。したがって、利用者は券売機TM1〜TMnにおいて、乗車券の購入と同時に、行き先のホテルやレンタカー、土産物などの予約処理を行うことが可能となる。
【0057】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、最近携帯端末に備えられるようになった近距離データ伝送規格(例えば無線LANやBluetooth(登録商標))を採用した無線インタフェースを券売機に設ける。そして、チケットの購入者が上記無線インタフェースを有する携帯端末を所持していることが検出され、かつ券売機に並んでいる利用者の混雑度が予め設定された第1のしきい値TH1より高い場合に、提示対象の広告情報を券売機TM1〜TMnの表示デバイス11に表示する代わりに上記携帯端末へ送信するようにしてもよい。携帯端末TM1〜TMnは、券売機TM1〜TMnから送られた広告情報を内部メモリ又は外付けのメモリカードに記憶し、利用者の読み出し操作に応じて上記内部メモリ又はメモリカードから読み出してディスプレイに表示する。
【0058】
このようにすると、混雑時には券売機TM1〜TMnの表示ディスプレイ11には広告情報が表示されないので混雑は緩和される。しかも、利用者はチケット購入後に都合のよい時間、例えば乗車後又は搭乗後において自身の携帯端末により広告情報を確認することが可能となる。このため、商品やサービスの認知度を高めることが可能となり、これにより広告効果を高めることができる。すなわち、券売機における混雑の緩和と広告効率の向上の両立を図ることが可能となる。
【0059】
前記実施形態では、各券売機TM1〜TMnに設けられた広告情報メモリ4に広告情報をそれぞれ記憶しておき、発券処理が行われるごとに上記広告情報メモリ4から広告情報を読み出して提示するようにした。しかし、これに限定されるものではなく、例えば広告情報メモリを券売機制御装置CSに設ける。そして、各券売機TM1〜TMnにおいて発券処理が行われるごとに、券売機TM1〜TMnから券売機制御装置CSに対し広告情報の検索要求を送信して検索された広告情報を受信し、この受信された広告情報を券売機TM1〜TMnで利用者に提示するように構成してもよい。
【0060】
また、前記実施形態では、クーポン券の発行処理と予約処理とのいずれかを実行する場合を例にとって説明した。しかし、それに限るものではなく、クーポン券の発行受付メニューと予約受付メニューを表示した画面を表示し、利用者がこれらのメニューのいずれかを選択操作した場合に、この選択されたメニューに対応する処理を実行するようにしてもよい。さらに、画面に広告情報の提示延長メニューを加え、この広告情報の提示延長メニューと、クーポン券の発行受付メニューと、予約受付メニューのうち、利用者が選択したメニューに対応する処理を選択的に実行するようにしてもよい。
【0061】
また、前記実施形態では混雑度がしきい値TH1以上の場合には、無条件に広告情報の提示処理を中止して発券処理のみを行うようにした。しかし、広告提示ボタンを用意し、利用者が乗車券の購入操作に先立ち、或いは購入操作後一定時間内に上記広告提示ボタンを押下した場合には、混雑度にかかわらず広告情報を提示させるようにしてもよい。
【0062】
さらに、広告情報の提示方法としては、表示デバイス11に画像を表示させる以外に、スピーカ12から楽曲や音声を拡声出力させるようにしてもよい。このようにすると、広告効果をより一層高めことができると共に、目の不自由な利用者に対しても広告を提示することが可能となる。
【0063】
さらに、広告の提示は日本語に限らず、英語や中国語、韓国語などの他の言語により行うようにすることも可能である。これは、例えば券売機が言語の選択機能を備えている場合に、この機能を利用して次のように実現される。すなわち、券売機において選択可能な複数の言語の各々に対応付けて当該言語により制作された広告情報を予め記憶しておく。そして、乗車券の購入操作に先立ち利用者が言語の種類を指定した場合に、この指定された言語の種類に対応する広告情報を読み出して表示又は音声出力させる。このようにすると、外国人に対し効果的な広告提示が可能となる。
【0064】
さらに前記実施形態では、属性情報の入力手段としてテレビジョンカメラにより利用者の顔画像を撮像して化粧の有無や輪郭等を分析することにより、年齢層や性別を識別するようにした。しかし、これに限らず、撮像された画像データをもとに指先の形状、ネイルの有無、髪の毛の色や長さ等を分析したり、購入操作時の操作パターン、例えばタッチパネルに対する押圧力及び押圧時間の組み合わせパターンを分析することによっても年齢層や性別を識別可能である。また、券売機前の床にシート状のセンサを敷設し、靴底の形状やサイズを考慮して男女或いは大人と子供の識別を行うことも可能である。
【0065】
さらに、券売機において利用者自身が属性情報を操作入力してもよく、またICカードやクレジットカードを使用して購入する場合にこれらのカードから属性情報を読み込むようにしてもよい。さらに、例えば一度の操作で購入されたチケット枚数から、利用者がグループや家族連れであるか、或いは個人であるかを識別し、その識別結果に応じてグループ向け及び個人向けの広告情報をそれぞれ選択して提示するようにしてもよい。
【0066】
さらに、前記実施形態では鉄道会社の乗車券を発売する券売機を例にとって説明したが、航空会社の航空券を発売する券売機や、船会社の乗船券を発売する券売機にも同様に適用可能であり、さらにはテーマパークや観光案内所に設置される入場券発券機、飲食店に設置される食券発券機、映画館やプレイガイド等に設けられる各種チケット発券機等にも適用可能である。また、鉄道やバスなどの交通機関の乗り換え案内や、到着駅における道案内や観光案内等の情報を表示し、必要に応じてこの情報をプリントアウトする発券機にも、この発明は適用可能である。
【0067】
その他、システム構成、通信ネットワークの種類、券売機とサービスサーバとの間の通信に使用する通信プロトコル、券売機及び発券するチケットの種類、混雑度の検出方法、広告提示制御、クーポン券発行制御及び予約処理の各処理手順と処理内容、広告情報の内容とその提示手段等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0068】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】この発明に係わる発券機を備えたシステムの一実施形態を示す概略構成図。
【図2】図1に示したシステムの発券機の構成を示すブロック図。
【図3】図2に示した発券機による広告情報更新処理の手順と内容を示すフローチャート。
【図4】広告情報メモリに記憶される広告情報の構成の一例を示す図。
【図5】図2に示した発券機による広告情報の選択及び提示処理の手順と内容を示すフローチャート。
【図6】図2に示した発券機によるクーポン券の発行処理の手順と内容を示すフローチャート。
【図7】図2に示した発券機による予約処理の手順と内容を示すフローチャート。
【図8】図1に示したシステムにおける予約処理の手順と内容を示すシーケンス図。
【符号の説明】
【0070】
TM1〜TMn…券売機、CS…券売機制御装置、NW1…公衆通信ネットワーク、NW2…構内通信ネットワーク、SV1〜SVm…サービスサーバ、1…CPU、2…バス、3…プログラムメモリ、4…広告情報メモリ、5…通信インタフェース、6…入力インタフェース、7…表示インタフェース、8…オーディオインタフェース、9…発券機構インタフェース、10…入力デバイス、11…表示デバイス、12…スピーカ、13…発券機構、14…撮像インタフェース、15…センサインタフェース、16…カメラ、17…赤外線センサ、31…発券制御プログラム、32…広告提示制御プログラム、33…クーポン券発行制御プログラム、34…予約処理プログラム。
【出願人】 【識別番号】397000322
【氏名又は名称】株式会社アド・ステップ
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎


【公開番号】 特開2008−9529(P2008−9529A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−176829(P2006−176829)