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【発明の名称】 案内システムとこれを備える自動券売機
【発明者】 【氏名】江連 俊一

【氏名】今井 達二己

【氏名】池田 明

【要約】 【課題】自動販売機のごときサービス提供機器で、視覚障害者等の利用者の指先等の位置情報に基づき、簡単にかつ確実に有用な案内情報を音声で提供できる案内システムを提供する。

【構成】この案内システム40は、利用客11の指先11a等によって入力操作が実行される入力操作領域13を備える自動券売機10等についての案内を行う案内システムであり、さらに、入力操作領域での利用客の指先11a等(ICカードも含む)の位置を検出する位置検出装置(3次元センサ41と位置検出部42)と、位置検出装置によって検出された利用客の指先の位置に基づいて案内箇所51を判定し、この案内箇所に係る案内情報を生成し、この案内情報を音声で利用者に提供する案内情報提供装置(案内箇所判定部43と案内情報生成部45と案内情報供給部46)を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の手先によって入力操作が実行される入力操作領域を備えるサービス提供機器について案内を行う案内システムであり、
前記入力操作領域での前記利用者による前記手先の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段によって検出された前記利用者の前記手先の位置に基づいて案内箇所を判定し、この案内箇所に係る案内情報を生成し、この案内情報を音声で前記利用者に提供する案内情報提供手段と、
を備えることを特徴とする案内システム。
【請求項2】
前記入力操作領域は3次元領域であり、前記位置検出手段は、前記3次元領域での位置を検出する3次元センサであることを特徴とする請求項1記載の案内システム。
【請求項3】
前記3次元センサは前記サービス提供機器の上部に設置されることを特徴とする請求項2記載の案内システム。
【請求項4】
前記サービス提供機器は自動販売機であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の案内システム。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載された案内システムを備える自動券売機であり、
前記入力操作領域は券種選択領域を含み、
前記利用者の前記手先が前記券種選択領域内を移動している時には前記案内情報提供手段に券種情報を案内させる第1の処理手段と、
前記利用者の前記手先が前記券種選択領域から外れる時には音で通知する第2の処理手段と、
を備えることを特徴とする自動券売機。
【請求項6】
前記案内システムが案内情報提供動作を行っている時には券売機としての通常動作を停止させる停止手段を備えることを特徴とする請求項5記載の自動券売機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は案内システムとこれを備える自動券売機に関し、特に、自動券売機等のサービス提供機器で視覚障害者等の利用者の指先等の位置情報に基づいて必要な案内情報を提供する案内システム、および当該案内システムを備えた自動券売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動券売機等の自動販売機では、行き先等の販売対象に応じた複数の操作ボタンやコイン投入口等が設けられている。各操作ボタン等またはその周辺部には、必要な案内情報を提供するために、通常の健常者に対しては、その視覚能力および識字能力により確認し得る販売対象に関する所要の表記・表示が行われている。
【0003】
他方、視覚障害者を考慮して、上記の表記・表示に併せて、点字表記によって案内情報が提供されている。
【0004】
上記の自動券売機等での操作等に関する従来の案内情報の提供の仕方は、通常の健常者用の表記・表示、視覚障害者用の点字表記のいずれも、内容が固定的であって、状況に応じてその内容を容易に変えることは困難であった。
【0005】
また点字による情報提供は、点字に対する識字能力が必要となり、例えば高齢になって視力が衰え、特に点字識別のトレーニングを受けていない人にとっては利用できないという問題があった。点字は、点字の識字能力を有する視覚障害者向けの情報提供手段であって、普通の人が利用することは難しいものである。
【0006】
利用者に対して必要な情報を提供する案内システムとしては、従来では、例えば、特許文献1に記載される視覚障害者用誘導案内システム、あるいは特許文献2に記載される情報案内システム等が提案されている。
【0007】
特許文献1による視覚障害者用誘導案内システムは、駅構内等において視覚障害者が歩行する場合に安全にかつ的確に誘導案内できるようにするシステムである。このシステムは、視覚障害者の有する案内杖にタグリーダを設け、移動路に多数のタグを埋設し、タグや外部装置等から位置や状況の情報を得て、音声等で視覚障害者に誘導案内情報を提供する。
【0008】
特許文献2による情報案内システムは、利用者への情報提供の可能性を高め、情報源まで正しく案内できるシステムである。このシステムは、運用区域内の適当な箇所に、当該箇所に対応する個別化された赤外通信機能部を有するICタグを配置する。他方、利用者は携帯器を所持し、当該携帯器は、その内蔵記憶部に予め箇所に与えられたコードに対応する案内情報を記憶し、かつ赤外通信機能部を有している。利用者は、携帯器を所持して移動すると、携帯器と各箇所のICタグが赤外通信を行って各箇所の位置情報等を得ることができる。
【特許文献1】特開2000−262号公報
【特許文献2】特開平10−302184号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、自動販売機のごときサービス提供機器では、視覚障害者、目の不自由な高齢者等に対して、簡単に、確実に、有用な情報を提供でき、さらに情報内容を簡単に変更することができ、融通性が高い案内情報を行うことができる装置が望まれている。
【0010】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、自動販売機のごときサービス提供機器で、視覚障害者等の利用者の指先等の位置情報に基づき、簡単にかつ確実に有用な案内情報を提供できる案内システムと、当該案内システムを備えた自動券売機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る案内システムと自動券売機は、上記目的を達成するために、次のように構成される。
【0012】
第1の案内システム(請求項1に対応)は、利用者の指先等(ICカードも含む)の手先によって入力操作が実行される入力操作領域を備えるサービス提供機器についての案内を行う案内システムであり、さらに、入力操作領域での利用者の指先等の位置を検出する位置検出手段(3次元センサ41と位置検出部42)と、位置検出手段によって検出された利用者の指の位置に基づいて案内箇所を判定し、この案内箇所に係る案内情報を生成し、この案内情報を音声で利用者に提供する案内情報提供手段(案内箇所判定部43と案内情報生成部45と案内情報供給部46)とを備えることで特徴づけられる。
【0013】
上記の案内システムでは、入力操作領域の表面の近傍での利用者の指先等の動きを監視し、その位置を検出し、さらに利用者が操作使用とした箇所の案内情報を生成して、利用者に提供する。利用者が視覚障害者である場合には、音声として案内情報が提供される。
【0014】
第2の案内システム(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは、入力操作領域は3次元領域であり、位置検出手段は、3次元領域での位置を検出する3次元センサであることを特徴とする。
【0015】
第3の案内システム(請求項3に対応)は、上記の構成において、好ましくは、3次元センサはサービス提供機器の上部に設置されることを特徴とする。3次元センサはサービス提供機器の上方から入力操作領域の上における利用者の例えば指の動きを監視し検出する。
【0016】
第4の案内システム(請求項4に対応)は、上記の構成において、好ましくは、サービス提供機器は自動販売機であることを特徴とする。
【0017】
第1の自動券売機(請求項5に対応)は、上記の第1〜第3のいずれかの案内システムを備える自動券売機であり、入力操作領域は券種選択領域を含み、利用者の手先が券種選択領域内を移動している時には案内情報提供手段に券種情報を案内させる第1の処理手段と、利用者の手先が券種選択領域から外れる時には音で通知する第2の処理手段とを備えることで特徴づけられる。
【0018】
第2の自動券売機(請求項6に対応)は、上記の構成において、好ましくは、案内システムが案内情報提供動作を行っている時には券売機としての通常動作を停止させる停止手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る案内システムによれば、自動販売機等のサービス提供機器において、利用者の指先等の動き・位置を検出し、検出された指先等の位置に対応する入力操作領域の案内箇所を判定し、これに基づいて案内箇所の案内情報を生成し、音声出力手段によって音声で利用者に提供するようにしたため、視覚障害者、聴覚の弱い高齢者等に利用できるユニバーサルな案内システムを実現することができる。
【0020】
また本発明に係る自動券売機は、上記の案内システムを備えることで、自動券売機の正面部に形成された各種の操作部の各々に対して入力操作領域を仮想的に設定し、特にそのうち券種選択領域を有し、利用者の指先等が当該券種選択領域の内側に存するかまたは外側に存するかで提供情報を変更し、視覚障害者等の利用者に対して有用な情報を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は本発明に係る案内システムを備えたサービス提供機器の全体外観図であり、図2は案内システムの構成を示すブロック構成図である。案内システムが適用されるサービス提供機器として、本実施形態では、自動販売機の一例である自動券売機10を用いた例で説明する。
【0023】
図1では、利用客(利用者)11が自動券売機10の前に立ち、券を購入するため自動券売機10の例えば券種選択領域等に対して入力操作を実行しようとする使用状態が示されている。この利用客11は、視覚障害者であって、聴覚は正常であり、音声のみによって案内情報を得ることができるものとする。
【0024】
自動券売機10の正面部には、一般的に、上部に案内表示部12が設けられ、その下側にタッチパネル形式の入力操作領域13が設けられている。この入力操作領域13には券種選択領域が含まれる。ここで「券種選択領域」とは、購入しようとする券の種類を選択指定する操作ボタン等が配置された領域である。さらに入力操作領域13の下側には紙幣・硬貨投入返却領域14と発券部15が設けられている。また案内表示部12の横側にはスピーカ16が設けられている。
【0025】
図3を参照して、自動券売機10の正面部についてより詳細な構造を説明する。
【0026】
図3において、自動券売機10の案内表示部12には、自動券売機10が発売中であるとの案内を表示している。入力操作領域13では、例えば、各種の入力操作するための複数の操作ボタンおよび案内表示部等が設けられている。複数の操作ボタンは、タッチパネル形式の入力装置であり、接触式または接近式(非接触式)での入力操作が可能となっている。このような入力装置の入力方式としては各種の方式を用いることができる。例えば、利用客11の指先11a、または指や手で把持されたICカードやその他の手段等の手先の接近・接触による入力方式である。以下の説明では、代表的に「指先11a」で説明する。
【0027】
入力操作領域13の操作ボタンとしては、例えば、複数の金額ボタン16、枚数選択ボタン17、大人・小人選択ボタン18,19、呼出しボタン20、取消ボタン21等が設けられている。例えば複数の金額ボタン16は、それぞれ、異なる券種に対応する。金額ボタン16等が配列された領域は券種選択領域に相当する。また入力操作領域13の案内表示部としては、例えば路線情報表示22等が示されている。
【0028】
紙幣・硬貨投入返却領域14には、右上に硬貨投入口31が設けられ、ほぼ中央に紙幣挿入口32が設けられ、左側部にはプリペイドカード等を挿入するためのカード挿入口33が設けられている。
【0029】
発券部15では、カード挿入口33の下側に位置する、乗車券を発券するための乗車券発券口34が設けられている。この乗車券発券口34は、乗車券が落ちないようにキャッチング式となっている。なお符号35は釣銭受皿である。
【0030】
上記のような正面部のレイアウト構造を有する自動券売機10に対して、本発明による案内システムが付設される。案内システムの構成は、前述の通り、図2に示されている。この実施形態による案内システム40は自動券売機10の内部に設けられている。なお案内システム40は、主たる構成部分を、自動券売機10の外部に設けることもできる。
【0031】
図2において、案内システム40は、3次元センサ41と、位置検出部42と、案内箇所判定部43と、メモリ44と、案内情報生成部45と、案内情報供給部46と、音声出力器である前述のスピーカ16とから構成される。
【0032】
3次元センサ41は、図1〜図3に示されるように、自動券売機10の最上部に配設されている。3次元センサ41は、そのセンサ面を自動券売機10の上部位置から下方に臨ませ、自動券売機10における入力操作領域13等を含む正面部近傍の前面空間を検出領域41aとして設定している。
【0033】
また、位置検出部42と案内箇所判定部43と案内情報生成部45と案内情報供給部46はコンピュータシステム47で実現される機能要素である。コンピュータシステム47のCPU(図示せず)は、メモリ44から所定のプログラムを読出しかつ当該プログラムを実行することにより、位置検出機能、案内箇所判定機能、案内情報生成機能、案内情報供給機能のそれぞれを実現する。これらの機能要素によって、自動券売機10に対して入力操作を行おうとする視覚障害のある利用客11に対して、音声によって案内情報を提供する案内情報提供手段が構成される。
【0034】
3次元センサ41では、図1〜図3に示される所定の上記検出範囲41aが設定されている。3次元センサ41は、上記の入力操作領域13を含む当該検出範囲41aで、利用客11の指先11aの動きを監視し、その位置に係る情報を取り出すことができる機能を有している。検出範囲41aは、自動券売器10の入力操作領域13の表面上および当該表面から所定の高さの範囲を含む3次元的な空間領域である。3次元センサ41は、検出範囲41aでの指先11aの動きを監視し、当該指先11aの存在情報(位置情報)を取得する。3次元センサ41としては、例えば市販の距離画像センサ(例えば距離画像センサEKL3101(松下電工株式会社製))が使用される。なお、利用客11の指先11aは自然のままの指先であり、特別は器具は装着されてない。また検出範囲41a内において動作位置を検出する対象物は、利用客11の指先11aには限定されず、例えば利用客11が指先で持ったICカードでもよい。
【0035】
位置検出部42は、検出範囲41aの中に存在する指先11aに動きと位置に係る検出信号を、3次元センサ41から入力する。3次元センサ41の検出範囲41aでは座標系が設定されており、検出範囲41aの3次元領域内では一義的にその位置を特定することが可能である。位置検出部42は、3次元センサ41で検出された指先11aの存在情報に基づき、検出範囲41aで予め定義された座標系に従って指先11aの位置に係る情報を検出する。位置検出部42で検出された指先11aの位置に係る情報は、次段の案内箇所判定部43に供給される。
【0036】
案内箇所判定部43は、3次元センサ41および位置検出部42を経由して検出された、検出範囲41aでの指先11aの位置に係る情報に基づいて、利用客11が入力操作領域13等において何処の箇所の操作を行おうとしていたか推定し、さらに当該箇所を、利用客11に対して情報を提供すべき案内箇所であると判定する機能を有している。この場合に、メモリ44には、検出範囲41aでの各位置と入力操作領域13等との各箇所(案内箇所)との対応関係に関するテーブルデータが保存されている。従って、案内箇所判定部43は、位置検出部42から指先11aに関する位置情報を受け取ると、検出範囲41aでの当該位置と最も関係を有する案内個所を推定ロジック演算により抽出し、当該案内箇所を判定する。案内箇所判定部43で得られた案内箇所の情報は案内情報生成部45に送られる。
【0037】
上記において、「案内箇所」は、自動券売機10の入力操作領域13あるいはその他の正面部の各々で設定された複数の場所を意味している。具体的に述べると、自動券売機10の正面部について説明した上記の入力操作領域13における金額ボタン16、枚数選択ボタン17、大人・小人選択ボタン18,19、呼出しボタン20、取消ボタン21、路線情報表示2のそれぞれに対応する場所、さらにその他の硬貨投入口31、紙幣挿入口32、カード挿入口33、乗車券発券口34、釣銭受皿35のそれぞれに対応する場所は、個々に、案内箇所として設定されている。
【0038】
自動券売機10の入力操作領域13あるいはその他の正面部の各々で設定された上記の複数の「案内箇所」は、コンピュータシステムで実現される、検出範囲41aにおいて仮想的に設定された場所である。
【0039】
なお自動券売機10の側面図を示した図4では、3次元センサ41の検出範囲41aに含まれる複数の案内個所51が側方から示されている。図4に示すごとく、複数の案内箇所51は、入力操作領域13のパネル面等から離れた所要の高さ方向の場所として設定されている。
【0040】
案内情報生成部45は、案内箇所判定部43から、特定された案内箇所の情報を受けると、再びメモリ44から当該案内箇所に関連する案内情報としてのデータを取り出す。これにより特定された案内箇所に係る案内情報が生成される。案内情報生成部45で生成された案内情報は、次段の案内情報供給部46に送られる。
【0041】
案内情報供給部46は、案内情報生成部45から案内情報を受け取ると、当該案内情報を電気信号の形式でスピーカ16に送る。スピーカ16は、案内情報を音声という形式で出力する。
【0042】
スピーカ16から案内情報に係る音声出力が行われると、利用客11は自分の指先11aの位置する場所が、自動券売機10の入力操作領域13等において何処の場所にあるのかが分かるため、入力操作を容易に行うことができる。
【0043】
図2に示した構成を有する案内システム40で実施される案内処理の手順を図5のフローチャートに従って説明する。
【0044】
破線で示された最初の判定ステップS11は、利用客11がICカードをかざして自動券売機10に対して入力操作を行おうとする場合の処理である。利用客11が所持するICカードには利用客11の属性に係る情報が記録されるため、利用客11の属性に係る情報に基づいて、例えば利用客11が視覚障害者であるか否かが反対される。利用客11が健常者の場合(NO)には健常者用の処理が実行される(ステップS12)。利用客11が視覚障害者である場合(YES)には、次段の処理ステップS13に移行する。
【0045】
判定ステップS11は、利用客11がICカードを利用せず、図1に示すごとく単に指先を用いて入力操作等を行う場合には、実行されない。その結果、即座に処理ステップS13が実行される。
【0046】
処理ステップS13では、前述した案内システム40の動作に基づく案内処理が起動される。案内システム40が起動されると、上記の3次元センサ41、位置検出部42、案内箇所判定部43、案内情報生成部45、案内情報供給部46のそれぞれが動作する。その結果、前述の通り、まず、検出範囲41aにおいて利用客11がその指先11aで操作等を行おうとした位置を検出し、指先11aの位置に対応する入力操作領域13等における特定の案内箇所51が求められる(ステップS14)。このステップS14は、位置検出部42と案内箇所判定部43が実行する。
【0047】
ステップS14で求められた特定の案内箇所51により、特定の案内箇所51に係る案内情報を生成する(ステップS15)。このステップS15は案内情報生成部45が実行する。次のステップS16では、生成された案内情報に係る電気信号をスピーカ16に供給し、スピーカ16から音声によって案内が行われる。ステップS16は、案内情報供給部46が実行する。
【0048】
次の判定ステップS17では案内が終了したか否かを判定する。利用客11の指先11aが検出範囲41a内に存在してその位置が検出される限りNOとなってステップS に戻り、当該位置に対応する案内個所の案内情報が利用客11に対して提供される。
【0049】
判定ステップS17において、利用客11の指先11aが検出範囲41aの外側に出てその位置が検出されなくなると、YESとなり、次の処理(ステップS18)に移行する。
【0050】
上記実施形態に係る案内システム40では、自動券売機10の種類や操作方法に応じて、指先の接近時等の触診操作中の誤操作を防止するため、例えば利用客11のICカード等に予め設定された情報(例えば視覚障害者等であるという情報)に基づき、または利用客11の特定の操作行為に基づき、触診操作中は、自動券売機10側に実装された各種の選択ボタン等の押下げ入力を無効とする制御を行うことが好ましい。
【0051】
また上記の案内システム40を備えた自動券売機10では、利用客11に対して、機械の状態が「案内モード」であるかまたは「入側操作に基づく処理モード」であるかの2通りである。案内システム40が動作している案内モードの設定は、自動券売機10の側で検出情報に基づき自動的に設定してもよいし、利用客11自身の意思表示操作によって行うことも可能である。
【0052】
上記の実施形態による自動券売機10はタッチパネル形式の機械であったが、押しボタン形式の入力操作部等を備える機械に対しても本発明を適用できるのは勿論である。
【0053】
また、機器として自動券売機等の自動販売機によって説明したが、自動販売機に限らず、キャッシュディスペンサー等の現金支払機や、エレベータなどの操作ボタン等にも利用できる。また、自動車や、電車、航空機等での操作パネルに応用することで、前方を見て運転しながら、操作パネル上のボタンの案内を音声で出力させることにより、運転を円滑に容易に安全に行うことができる。
【0054】
次に、図6と図7を参照して、前述の案内システム40を備えた自動券売機10の制御系の構成と動作の例を説明する。
【0055】
図6では、コンピュータシステム47は、前述した案内システム40の動作を制御するための各機能要素(42,43,45,46)を含むと共に、さらに自動券売機10の自動券売制御部61を備えている。自動券売制御部61は、従来の通りの自動券売のための処理機能部を含む。この自動券売制御部61は、さらに案内システム40の制御機能部から与えられる信号に基づいて券種選択処理のための案内モードまたは券売モード(金額入力処理・発券処理のモード)に切り替える機能を有している。案内モードでは案内システム40を動作させて券種選択処理のための案内が実施され、発券モードでは自動券売のための動作が実行される。なお発券モードでも、案内システム40は、必要に応じて、カード挿入口33や乗車券発券口34等の位置を知らせるための案内(音声通知)を行う。
【0056】
図6において、図2で説明した要素と同一の要素には同一の符号を付している。自動券売制御部61は、位置検出部42から出力される指先11aの位置に係る情報(データ))を入力する。位置検出部42からの入力データに基づいて自動券売制御部61は、指先11aが検出範囲41aであって例えば上記の券種選択領域内にあるか否かを判定する。また自動券売制御部61は必要に応じて案内情報生成部45に対して案内情報についての指示信号を出力する。
【0057】
自動券売制御部61に対しては、入力操作領域13に備えられた操作ボタン62により、直接的に券売モードに指示することもできる。
【0058】
かかる自動券売制御部61は、券売モードに設定されると、利用客11の所定の行為に基づき、自動券売機10に設けられた機械的構造を有する券売機構部63の動作を制御する。その他の構成については図2に示した構成と同じである。
【0059】
次に、図7のフローチャートに従って案内システム40および自動券売制御61に基づく自動券売機10の動作の流れを説明する。
【0060】
最初に案内モードまたは発券モードの設定が行われる(ステップS21)。これは、機械側が自動的に行う場合もあるし、利用客11の意思で行われる場合もある。次のステップS22では、案内モードであるか否かが判定される。判定ステップS22で、YESの場合には案内モードの処理プロセスP1に移行し、NOの場合に券売モードの処理プロセスP2に移行する。
【0061】
案内モードの処理プロセスP1では、まず最初に情報案内処理のステップS23が実行される。情報案内処理のステップS23は、図5で説明したステップS14〜S16からなる処理内容である。次の判定ステップS24では、指先11aが入力操作領域13内の券種選択領域内に存するか否かが判定される。判定ステップS24でYESである限り、処理ステップS23が継続的に実行される。判定ステップS24がNOになると、処理ステップS25に移行し、利用客11に対して音による通知が行われる。この音による通知は、例えば、券種選択領域から外れた場合は特定の連続音または断続音を継続し、券種選択領域から外れた状態であることを通知し続ける。また、券種選択領域から外れた場合に、通知する音は券種選択領域から離れるほど音程を上げることで利用者が券種選択領域からの距離を把握できるようにする。このような音による通知は、利用客11に対して、その指先11aが券種選択領域から外れたことを知らせるためのものである。この音による通知を受けた利用客11は、自分の指先11aの移動を変更またはそのまま維持する行為をとるはずである。
【0062】
次の判定ステップS26では、利用客11の指先11aが券種選択領域に戻ったか否かが判定される。判定ステップS26でYESの場合には、ステップS23に戻り、案内が継続される。判定ステップS26でNOである場合には、券売モードP2の処理ステップS27に移行する。
【0063】
次に券売モードP2を説明する。最初の処理ステップS27では、音声通知と金額入力の各処理が実行される。これらの処理は通常的な処理の内容である。次の判定ステップS28では、音声通知・金額入力の処理が終了したか否かが判定される。判定ステップS28でNOである場合にはステップS27を繰り返し、YESである場合には次の発券処理のステップS29に移行する。発券処理のステップS29では、図6に示した発券機構部63によって利用客11に対して発券が行われる。
【0064】
上記において、処理ステップS25での「音通知」の出し方については任意の出し方を選択することができる。
【0065】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、自動券売機等に設けられる入力操作部等の案内情報に関して視覚障害者等に対してユニバーサルな形式で案内情報を提供するのに利用される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る案内システムが適用される自動券売機の外観図である。
【図2】本発明の実施形態に係る案内システムのブロック構成図である。
【図3】図1に示した自動券売機の要部を示す正面図である。
【図4】自動券売機の正面部に設定された複数の案内箇所を示す側面図である。
【図5】本実施形態に係る案内システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態に係る自動券売機の制御系のブロック構成図である。
【図7】本実施形態に係る自動券売機の動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
10 自動券売機
11 利用客(利用者)
13 入力操作領域
14 紙幣・硬貨投入返却領域
16 スピーカ
40 案内システム
41 3次元センサ
41a 検出範囲
51 案内箇所
61 自動券売制御部
【出願人】 【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
【出願日】 平成18年6月23日(2006.6.23)
【代理人】 【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎

【識別番号】100094020
【弁理士】
【氏名又は名称】田宮 寛祉


【公開番号】 特開2008−3948(P2008−3948A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174391(P2006−174391)