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【発明の名称】 顔照合装置
【発明者】 【氏名】大島 亨

【氏名】山下 真生

【氏名】神瀬 陽二郎

【要約】 【課題】被撮影者を適切な撮影位置に案内して適切な顔画像を撮影することができ、高い精度で顔認証を行なうことができる顔照合装置を得る。

【構成】予め記憶された顔画像と被撮影者2の顔画像とを照合して本人認証を行なう顔照合装置90において、被撮影者2の顔画像を撮影する撮影手段3と、前記撮影手段3の前方の最も明るい光の方向を検出する光方向検出手段4と、検出された前記光の方向に基づいて、前記被撮影者2を前記光の方向に立つように案内する案内手段7と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め記憶された顔画像と被撮影者の顔画像とを照合して本人認証を行なう顔照合装置において、
被撮影者の顔画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段の前方の最も明るい光の方向を検出する光方向検出手段と、
検出された前記光の方向に基づいて、前記被撮影者を前記光の方向に立つように案内する案内手段と
を備えることを特徴とする顔照合装置。
【請求項2】
前記被撮影者が案内されて立った方向を検出する立ち方向検出手段と、
前記光方向検出手段で検出された光の方向と前記立ち方向検出手段で検出された被撮影者が立った方向とが略一致したときに、前記撮影手段が前記被撮影者の顔画像を撮影するよう制御する制御手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の顔照合装置。
【請求項3】
前記撮影手段は旋回機構を有し、前記制御手段は、前記旋回機構を制御して、前記撮影手段を前記光方向検出手段で検出された最も明るい光の方向へ向けることを特徴とする請求項2に記載の顔照合装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、入退室管理装置、玄関ドア、自動販売機等の制御装置の制御において、本人認証を行うための顔照合装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、認証対象となる人の顔をCCD(Charge Coupled Device)カメラ等で撮影した入力画像と、予め記憶されている記憶画像とを照合し、本人であることを認証する顔照合装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、認証対象となる人の顔を照らすための照明装置を備え、ビデオカメラで撮影された人の顔を入力画像として取り込み、予め記憶された記憶画像と照合することによって顔認証をおこなう顔照合装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−134188号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この従来技術を用いた場合、照明装置の放つ光は太陽光に比較すると弱いので、たとえば、屋外に顔照合装置を設置した場合には、直射日光が人の顔にあたると顔に影ができてしまい、たとえ本人であっても記憶画像との差異点が多くなり認証率が著しく低下するという問題があった。顔照合装置を屋外や外光が射し込む場所に設置したいというニーズは存在するものの、かかる認証率の低下は避けられないために顔照合装置の設置場所が限定されてしまうこととなる。
【0006】
このため、かかる照明装置にストロボ光などの太陽光に近い照度を有するランプを用いて認証時に発光させることも考えられる。このようにすることで、太陽光により顔にできる影をある程度消すことができるが、太陽光が非常に強いと十分な認証率を得ることができない。
【0007】
また、このような強力な光を発する照明装置を備えた顔照合装置では、認証対象となる人が不快な思いをするばかりでなく、通行人などにも光が漏れてしまうので、照明装置が放つ光により周辺の環境が悪化するという問題があらたに発生してしまう。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、屋外や外光が射しこむ場所に設置された場合であっても、被撮影者を適切な撮影位置に案内して適切な顔画像を撮影することができ、高い精度で顔認証を行なうことができる顔照合装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、予め記憶された顔画像と被撮影者の顔画像とを照合して本人認証を行なう顔照合装置において、被撮影者の顔画像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段の前方の最も明るい光の方向を検出する光方向検出手段と、検出された前記光の方向に基づいて、前記被撮影者を前記光の方向に立つように案内する案内手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる顔照合装置は、被撮影者を適切な撮影位置に案内して適切な顔画像を撮影することができ、高い精度で顔認証をおこなうことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明にかかる顔照合装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0012】
図1は、本発明にかかる顔照合装置の実施例の外観を示す斜視図であり、図2は、顔照合装置の制御系統の構成を示す概略図であり、図3−1は、被撮影者が顔照合装置の前方正面に立って撮影される場合を示す平面図であり、図3−2は、被撮影者が顔照合装置の斜め前方に立って撮影される場合を示す平面図であり、図4−1は、光方向検出手段の斜視図であり、図4−2は、光方向検出手段の平面図であり、図5は、制御手段による顔照合の制御フローチャートである。
【0013】
図1及び図2に示すように、本実施例の顔照合装置90は、四角柱状に形成された筐体1と、筐体1の前面1aの被撮影者2の顔の高さ位置に設けられた窓部1bと、窓部1bの後方の筐体1内に設置された撮影手段としてのカメラ3と、筐体1の上部に設置された光方向検出手段4と、窓部1bの下側に設置され被撮影者2の立った方向を検出する立ち方向検出手段5と、立ち方向検出手段5の下側に設置され、撮影された顔画像等を表示する表示手段6と、表示手段6の下側に設置され被撮影者2に立ち位置を案内する案内手段7と、案内手段7の下側に設置されICカード等の識別カードの情報を読み込むカードリーダ8と、顔照合装置90の起動・停止や本人識別情報としてのID番号やパスワード等を入力する操作手段9と、登録された顔画像データを格納する顔画像記憶手段としてのハードディスク等からなる顔画像データベース10と、カメラ3〜顔画像データベース10が接続される制御手段20等を備えている。
【0014】
顔画像データベース10には、予め、登録者の顔画像及び顔の特徴量等の顔画像データが、本人識別情報やパスワード等に対応させて格納(記憶)されている。
【0015】
制御手段20は、操作手段9、光方向検出手段4、立ち方向検出手段5及びカードリーダ8からの入力信号に基づいて、案内手段7、表示手段6、カメラ3及び顔画像データベース10等を制御し、顔画像の撮影及び顔の特徴量を含む顔画像データの作成と、予め顔画像データベース10に記憶された顔画像データとの照合を行い、本人であるか否かの判別信号を、通信インターフェース12を介して、入退室管理装置、玄関自動ドア、自動販売機等の制御装置に送信する。
【0016】
図3−1に示すように、顔照合装置90が屋外や窓際等に設置され、被撮影者2の後方に太陽や外灯等の光源30が位置するときや、夜間及び曇り・雨のときのように方向性をもつ光がないときは、カメラ3で被撮影者2を撮影すると、一様な明るさの適切な顔画像が得られる。
【0017】
図3−2に示すように、光源30が顔照合装置90の斜め前方に位置するとき、実線で示すように顔照合装置90の正面に立つ被撮影者2を撮影すると、顔画像に影ができてしまい、照合に適切な顔画像が得られない。そこで、本実施例の顔照合装置90は、被撮影者2を、鎖線で示すように、顔照合装置90に対して光源30と同じ方向に立つように案内し、被撮影者2が、光源30と同じ方向に立ったことを検出した後に撮影するようにする。
【0018】
図4−1及び図4−2に示すように、カメラ3の前方の最も明るい光の方向(光源30の方向)を検出する光方向検出手段4は、筐体1の前面1aに設置され縦長スリット4bを有するスリット板4aと、筐体1内のスリット板4aの後方に「コ」字形に配置された8枚の縦長短冊状の光センサ(太陽電池セル、CCD、照度センサ等)4C1〜4C8とから構成されている。光センサ4C1〜4C8は、「コ」字状でなく、半円弧状に配置してもよい。
【0019】
図4−2に示すように、光源30が、顔照合装置90側からみて右側の浅い角度に位置するときは、光源30からの光は、縦長スリット4bを通って光センサ4C1に入射し、光センサ4C1に他の光センサよりも高い電圧を発生させる。光源30が右側から左側へ移動するにつれて、高い電圧を発生させる光センサが4C1→4C8まで移動し、高い電圧を発生している光センサを検出することにより、光源30の方向を検出することができる。
【0020】
例えば、光センサ4C6が高い電圧を発生しているときは、光源30は、図3−2に鎖線で示す方向に位置していることがわかる。光源30の左右の移動に伴い光源30が上下に移動しても光を検出できるように、光センサ4C1〜4C8の縦方向の長さは、縦長スリット4bの長さよりも長く形成されている。
【0021】
被撮影者2の顔画像を撮影する撮影手段としてのカメラ3は、略180°の旋回機構付のCCDカメラやデジタルビデオカメラ等を用いる。ただし、180°カメラ等の広角カメラを用いれば、旋回機構は不要である。
【0022】
被撮影者2を、最も明るい光の方向に立つように案内する案内手段としての光点滅器7は、筐体1の前面1aに設置した半円厚板状の取付台7aと、取付台7aの外周部に設置された8個のLED7C1〜7C8とから構成されている。LED7C1〜7C8は、それぞれ光センサ4C1〜4C8と、制御手段20を介して電気的に関係付けられ、例えば、光源30からの光を受けて光センサ4C2が高い電圧を発生すると、光源30の方向に設置されたLED7C2が点灯し、被撮影者2をLED7C2に対向する方向位置、すなわち光源30が位置する方向位置に立つように案内する。
【0023】
また、光センサ4C1〜4C8からの信号に基づいて、制御手段20によりカメラ3の旋回機構を制御してカメラ3を光源30の方向へ向ける。カメラ3が光源30の方向を向くので、被撮影者2にカメラ3のレンズに正対して立つように案内することにより、カメラ3に光点滅器7の代用をさせることができる。このようにすれば、光点滅器7は不要となる。
【0024】
被撮影者2が案内手段7に案内されて立った方向を検出する立ち方向検出手段5は、略180°の旋回機構付の赤外線発光部及び受光部(又は超音波発振部及び受振部)を有し、略180°往復旋回しながら赤外線(超音波)を前方に照射し、被撮影者2から反射される赤外線(超音波)を受光部(受振部)で受光(受振)し、受光部(受振部)が反射光(反射超音波)を受光(受振)した旋回角度から被撮影者2の立った方向を検出する。受光部が反射された赤外線を受光する旋回角度には、被撮影者の横幅により幅があるので、受光した旋回角度幅の中心値を立った方向とする。
【0025】
表示手段6は、液晶表示装置等で構成され、時刻、「カードをカードリーダに挿入し暗証番号を入力して下さい。」、「下で点灯しているランプの方向位置にカメラに向かって40cmぐらい離れて立って下さい。」、「カメラのレンズの正面に40cmぐらい離れて立って下さい。」、「その位置で静止して下さい」等の案内文、撮影された顔画像及び顔照合結果等を表示する。
【0026】
カードリーダ8は、被撮影者2が挿入した本人の識別カードの情報を読み込み、顔画像記憶手段としての顔画像データベース10から、識別カードの情報に基づいて被撮影者2の記憶されている顔画像データを呼び出すようにする。
【0027】
次に、図5を参照して、CPU及び制御プログラムを格納したメモリ等を備えた制御手段20の制御による顔照合手順を説明する。操作手段9を操作して顔照合装置90を起動させると、制御手段20は、光方向検出手段4からの信号に基づいて、カメラ3の前方の最も明るい光の方向を検出するとともに、表示手段6に、「カードをカードリーダに挿入し暗証番号を入力して下さい。」と案内文を表示させる。(ステップ1)。
【0028】
暗証番号が入力されると、制御手段20は、案内手段としての光点滅器7の、最も明るい光の方向に位置するLEDを点灯させ、カメラ3を旋回させて同じ方向に向け、表示手段6に、「下で点灯しているランプの方向位置にカメラに向かって40cmぐらい離れて立って下さい。」と案内文を表示させる(ステップ2)。
【0029】
次に、制御手段20は、立ち方向検出手段5を180°旋回させ、被撮影者2の立っている方向(位置)を検出し(ステップ3)、被撮影者2が最も明るい光の方向に立っているか否かを判別する(ステップ4)。ステップ4が否定されれば、ステップ3に戻り、ステップ3→ステップ4を繰返す。ステップ4が肯定されれば、表示手段6に、「その位置で静止して下さい。」と表示させ、次のステップ5に進む。
【0030】
ステップ5では、カメラ3を操作して顔画像を撮影させ、顔の特徴量を含む顔画像データを作成し、制御手段20のメモリに格納するとともに、表示手段6に撮影された顔画像を表示させる。
【0031】
次に、ステップ6で、カードリーダ8から入力された識別カードの情報に基づいて顔画像データベース10から被撮影者2の予め記憶された顔画像データを呼び出し、ステップ5で作成した顔画像データと照合し、顔画像データが一致するか否かを判別する。
【0032】
ステップ6が否定されれば、表示手段6に「記憶された顔画像と一致しないので本人と認められません。」と表示(ステップ7)させ、肯定されれば、「記憶された顔画像と一致するので本人と認めます。」と表示(ステップ8)させ、本人であるか否かの判別信号を、通信インターフェース12を介して、入退室管理装置、玄関自動ドア、自動販売機等の制御装置に送信(ステップ9)し、顔照合作業を終了する。
【0033】
なお、上記の実施例では、カードリーダ8から入力された識別カードの情報に基づいて顔画像データベース10から被撮影者2の記憶された顔画像データを呼び出すようにしたが、識別カードやカードリーダ8を設けずに、撮影された被撮影者の顔画像データと、顔画像記憶手段に記憶された全ての顔画像データとを照合し、被撮影者が記憶された者であるか否かを判別するようにしてもよい。
【0034】
また、顔画像記憶手段として顔画像データベース10を用いたが、識別カード内に記憶顔画像データを格納しておけば、識別カードを顔画像記憶手段とすることができる。また、顔画像データは、顔の特徴量データを用いずに、顔画像のみとしても照合を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上のように、本発明にかかる顔照合装置は、屋外や窓際等に設置される顔照合装置として有用であり、特に、照合精度を要求される顔照合装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明にかかる顔照合装置の実施例の外観を示す斜視図である。
【図2】顔照合装置の制御系統の構成を示す概略図である。
【図3−1】被撮影者が顔照合装置の前方正面に立って撮影される場合を示す平面図である。
【図3−2】被撮影者が顔照合装置の斜め前方に立って撮影される場合を示す平面図である。
【図4−1】光方向検出手段の斜視図である。
【図4−2】光方向検出手段の平面図である。
【図5】制御手段による顔照合の制御フローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
2 被撮影者
3 カメラ(撮影手段)
4 光方向検出手段
5 立ち方向検出手段
6 表示手段
7 案内手段
8 カードリーダ
9 操作手段
10 顔画像データベース
12 通信インターフェース
20 制御手段
30 光源
90 顔照合装置
【出願人】 【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎


【公開番号】 特開2008−4003(P2008−4003A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−175262(P2006−175262)