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【発明の名称】 ICカード用コネクタ
【発明者】 【氏名】清水 修

【氏名】石井 良治

【要約】 【課題】ICカードの大きさに左右されることなく、ICカードの飛び出しを確実に回避できること、

【構成】メモリカードMCが取り出されるとき、メモリカードMCの急峻な飛び出しが、カバー部材10におけるブレーキ片10BRと、ベース部材12におけるブレーキ片12BRAおよび12BRBと、カード認識/ブレーキ部材30のブレーキ片部30BRとにより、抑制されるもの。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカードを着脱可能に収容するカード収容部、および、該ICカードに電気的に接続されるコンタクト端子を有するベース部材と、
前記ベース部材のカード収容部を覆うカバー部材と、
装着された前記ICカードを前記カード収容部から選択的に外部に排出するイジェクト機構と、
前記ベース部材に形成され、前記イジェクト機構により前記ICカードが前記カード収容部から外部に向けて移動されるとき、該ICカードに当接し該ICカードの排出動作を制動させる少なくとも一つの第1の制動片と、
前記カバー部材に形成され、前記イジェクト機構により前記ICカードが前記カード収容部から外部に向けて移動されるとき、該ICカードに当接し該ICカードの排出動作を制動させる第2の制動片と、
前記カード収容部内に配され、該カード収容部における前記ICカードの装着の有無を検出し検出出力を送出するカード認識スイッチ部と、を備え、
前記カード認識スイッチ部を構成する検出部材が、前記イジェクト機構により前記ICカードが前記カード収容部から外部に向けて移動されるとき、前記ベース部材の第1の制動片および前記カバー部材の第2の制動片と協働し、該ICカードに当接し該ICカードの排出動作を制動させる制動部を該カード収容部におけるカードスロット近傍に有することを特徴とするICカード用コネクタ。
【請求項2】
前記検出部材は、前記カード収容部における前記ICカードの装着の有無を検出する検出片を一端に有するとともに、前記ICカードに当接し前記ICカードの排出動作を制動させる制動部を他端に有することを特徴とする請求項1記載のICカード用コネクタ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ片を備えるICカード用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
ICカード用コネクタにおいては、そのカード収容部の一部を形成する一方の側壁の内側に沿ってイジェクト機構が備えられている。イジェクト機構は、カード収容部に装着されたICカードの排出を選択的に行なうものとされる。イジェクト機構は、例えば、特許文献1にも示されるように、イジェクト部材と、そのイジェクト部材を選択的に保持または解放する動作を制御するイジェクト部材の動作制御部と、イジェクト部材をICカードの排出方向に付勢するコイルスプリングとを主な要素として含んで構成されている。
【0003】
斯かる構成において、縦長のICカード自体がコイルスプリングの付勢力に抗してイジェクト部材に対し着脱方向に沿って押圧操作されることによってICカードが、イジェクト部材によりカード収容部内に保持される。一方、その装着されたICカードがさらに同一の方向に押圧操作されるとき、そのイジェクト部材が、コイルスプリングの復元力により、ICカードとともにカード排出方向に移動せしめられることによってICカードをカード収容部から排出するものとされる。
【0004】
ICカードが上述のイジェクト機構により排出される場合、ICカードの排出速度は、そのコイルスプリングの弾性力(ばね定数)に応じたものとなる。
【0005】
従って、操作者がICカードを収容部から取り出す場合、操作者がICカードをさらに同一方向に押圧操作した直後、その指をICカードの端部から瞬時に離したとき、ICカードがコイルスプリングの弾性力によりカード収容部から急峻に飛び出す虞がある。
【0006】
斯かる場合、そのような不所望な飛び出しを回避するために例えば、カード収容部の上部を形成する金属製のカバー部材に一体に形成される弾性変位可能なブレーキ片の先端をICカードの表面に当接させて生じる摩擦力により、飛び出しを回避する方法がとられている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−311416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のようなICカードは、近年、入力装置としてのキーボードのキーの大きさ程度まで小型化されたものが開発されている。そのような小型化されたICカードが使用される場合、ICカード用コネクタ全体の大きさも、さらに小型化が要望されるとともに、上述のようなICカードの急峻な飛び出しを回避することも必要とされることとなる。
【0009】
即ち、上述のように、ICカードの排出速度がコイルスプリングの弾性力(ばね定数)に応じたものとなるICカード用コネクタにおいては、ICカード用コネクタに装着されるICカードの形状の小型化に伴い、そのようなICカード排出時の不所望な飛び出しを回避するために上述のような金属製のブレーキ片を設けるとともに、コイルスプリングのばね定数をより小さくする設計変更が要求されることとなる。
【0010】
しかしながら、コイルスプリングのばね定数がより小さくなるように設計変更された場合、ICカードの排出不良が発生する虞があるとともに、コイルスプリングの個体間のばらつきを考慮し、コイルスプリングのばね定数を生産上厳密に管理することも容易でない。また、ICカードの形状の小型化に伴い、ICカードの移動距離がより短くなるのでカード収容部の上部を形成する金属製のカバー部材に一体に形成される弾性変位可能なブレーキ片の先端をICカードの表面に当接させて生じる摩擦力(制動力)によるICカードの飛び出しを回避する方法だけでは限界があり、十分にICカードの飛び出しを抑制できない場合がある。
【0011】
以上の問題点を考慮し、本発明は、ブレーキ片を備えるICカード用コネクタであって、ICカードの大きさに左右されることなく、ICカードの飛び出しを確実に回避できるICカード用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の目的を達成するために、本発明に係るICカード用コネクタは、ICカードを着脱可能に収容するカード収容部、および、ICカードに電気的に接続されるコンタクト端子を有するベース部材と、ベース部材のカード収容部を覆うカバー部材と、装着されたICカードを前記カード収容部から選択的に外部に排出するイジェクト機構と、ベース部材に形成され、イジェクト機構によりICカードがカード収容部から外部に向けて移動されるとき、ICカードに当接しICカードの排出動作を制動させる少なくとも一つの第1の制動片と、カバー部材に形成され、イジェクト機構によりICカードがカード収容部から外部に向けて移動されるとき、ICカードに当接しICカードの排出動作を制動させる第2の制動片と、カード収容部内に配され、カード収容部におけるICカードの装着の有無を検出し検出出力を送出するカード認識スイッチ部と、を備え、カード認識スイッチ部を構成する検出部材が、イジェクト機構によりICカードがカード収容部から外部に向けて移動されるとき、ベース部材の第1の制動片およびカバー部材の第2の制動片と協働し、ICカードに当接しICカードの排出動作を制動させる制動部をカード収容部におけるカードスロット近傍に有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上の説明から明らかなように、本発明に係るICカード用コネクタによれば、カード認識スイッチ部を構成する検出部材が、イジェクト機構によりICカードがカード収容部から外部に向けて移動されるとき、ベース部材の第1の制動片およびカバー部材の第2の制動片と協働し、ICカードに当接しICカードの排出動作を制動させる制動部をカード収容部におけるカードスロット近傍に有するのでICカードの排出速度が減速されることとなり、従って、ICカードの大きさに左右されることなく、ICカードの飛び出しを確実に回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図2は、本発明に係るICカード用コネクタの一例の外観を示す。
【0015】
図2に示されるICカード用コネクタは、所定の電子機器、例えば、携帯電話機、PDA、カメラ等の内部に配されるものとされる。
【0016】
図2において、ICカード用コネクタは、例えば、そのカード収容部14に矢印の示す方向に沿って着脱可能に収容されるICカードとしてのメモリカードMC(図10参照)、例えば、マイクロSDカード(商標)(サンディスク社製)の電極部と所定の電子機器の内部に配される信号入出力用等の基板の接続端子部とを電気的に接続するものとされる。
【0017】
板状のメモリカードMCは、後述されるコンタクト端子の配列に対応して複数のコンタクトパッド群CPが一方の表面部に形成されている。また、その一方の側部には、切欠部が形成されている。
【0018】
ICカード用コネクタは、収容されるメモリカードMCに対する電気的接続を行う複数のコンタクト端子等が配列されるベース部材12と、ベース部材12と協働してメモリカードMCのカード収容部14を形成するカバー部材10とを含んで構成されている。
【0019】
門形断面形状を有するカバー部材10は、薄板の金属材料で形成されている。カバー部材10の一方の側面部には、図2に示されるように、後述するベース部材12の爪部がそれぞれ、係合される係合孔10a,10b、および10cがその爪部に対応して形成されている。カバー部材10の他方の側面部には、後述するベース部材12の爪部がそれぞれ、係合される係合孔(不図示)が3個、所定の間隔で形成されている。
【0020】
従って、カバー部材10は、その各係合孔10a、10b、および、10c、または、図示されない他の係合孔と、ベース部材12の各爪部とがそれぞれ係合されることにより、ベース部材12に対し固定されることとなる。
【0021】
また、図2および図3に示されるように、カバー部材10における両側面部を連結する上面部の左端には、後述するイジェクト機構におけるカムレバーを移動可能に支持する押さえバネ10Eが設けられている。弾性を有する押さえバネ10Eの基端部は、カバー部材10に一体に形成されている。押さえバネ10Eと上面部の他の部分との間には、隙間10eが形成されている。
【0022】
カバー部材10の上面部における押さえバネ10Eに対向する右端には、メモリカードMCの排出時の飛び出しを抑制する第1のブレーキ片としてのブレーキ片10BRが形成されている。ブレーキ片10BRの基端部は、カバー部材10に一体に形成されている。ブレーキ片10BRは、メモリカードMCの表面に選択的に摺接する折曲部を弾性変位可能にその先端に有している。
【0023】
ブレーキ片10BRは、例えば、カバー部材10の一部がプレス加工によりその内側に向けて打ち抜かれて形成されている。従って、カバー部材10におけるブレーキ片10BRの周囲には、開口10dが形成されている。
【0024】
また、ブレーキ片10BRに対して所定距離、後述するカード認識スイッチ側に離隔した位置には、カード認識スイッチの動作の有無を確認するための孔10haが形成されている。さらに、押さえバネ10Eに対して所定距離、後述するコイルスプリング側に離隔した位置にも孔10hbが形成されている。
【0025】
孔10haとブレーキ片10BRとの間には、後述するコンタクト端子16aiの配列に対応してスリット10Si(i=1〜8)が所定の間隔で図3において矢印Wの示すカバー部材10の幅方向に沿って形成されている。
【0026】
ベース部材12におけるカード収容部14は、図2に示されるように、上方、および、下方の一部と、後述するコンタクト端子固定部側とは反対側の端部とが、開口している。従って、上述のカバー部材10によってベース部材12が覆われることにより、図4に示されるように、カード収容部14の一方の端部にメモリカードMCが通過するカードスロット14CSが形成されることとなる。
【0027】
ベース部材12は、例えば、成形樹脂材料で一体に成形されている。ベース部材12は、図5に示されるように、メモリカードMCが着脱可能に収容されるカード収容部14の両側部をそれぞれ形成する側壁12RW、12LWと、コンタクト端子16ai(i=1〜8)が配されるコンタクト端子固定壁部12FWとを含んで構成されている。
【0028】
側壁12LWの外面には、爪部12a、12b、および12cが上述のカバー部材10の孔10a、10b、および10cに対応して形成されている。また、側壁12RWの外面には、複数の爪部(不図示)が上述のカバー部材の孔に対応して形成されている。
【0029】
ベース部材12のコンタクト端子固定壁部12FWには、複数のコンタクト端子16aiが設けられている。例えば、8本のコンタクト端子16aiは、所定の相互間隔で側壁12RW,12LWに対して略平行に配列されている。
【0030】
コンタクト端子16aiは、弾性を有しメモリカードMCのコンタクトパッドに当接し電気的に接続される接点部と、配線基板(不図示)の電極部に半田付け固定され電気的に接続される半田付端子部と、その接点部と半田付端子部とを相互に連結し、ベース部材12に固定される固定部とを含んで構成されている。薄板金属材料、例えば、バネ用燐青銅で作られるコンタクト端子16aiの固定部は、図示が省略されるが、コンタクト端子固定壁部12FWに形成される溝に、コンタクト端子固定壁部12FWに形成される透孔を通じてメモリカードMCの挿入方向とは反対方向の側から圧入されることにより、ベース部材12に固定されている。
【0031】
側壁12LWの内側部分には、メモリカードMCをカード収容部14内に保持するとともに、選択的にカード収容部14からメモリカードMCを排出するイジェクト機構24が設けられている。
【0032】
イジェクト機構24は、図5に示されるように、ベース部材12に対し移動可能に支持されるイジェクト部材24Jと、ベース部材12の内周部およびイジェクト部材24J相互間に介装され、イジェクト部材24JをメモリカードMCの排出方向に付勢するコイルスプリング24Sと、メモリカードMCの着脱操作に応じてイジェクト部材24Jを選択的にベース部材12に対し保持または解放する制御を行うイジェクト部材制御部24Cと、を含んで構成されている。
【0033】
コイルスプリング24Sの一端は、ベース部材12の内周部に形成される軸部に巻装され、コイルスプリング24Sの他端は、イジェクト部材24J内の凹部に連結されている。
【0034】
イジェクト部材24Jは、例えば、樹脂材料で成形され、図6に示されるように、その底部がベース部材12に形成される案内孔12Gに移動可能に係合されることにより、メモリカードMCの着脱方向に沿って摺動可能にベース部材12に支持されている。
【0035】
また、イジェクト部材24Jは、挿入されたメモリカードMCの側部の段差部mcs(図10参照)に係合される被係合部としてのカード受け部24rをカード収容部14側の一端に有している。
【0036】
イジェクト部材制御部24Cは、イジェクト部材24Jにおけるカバー部材10の内面に対向して形成された略ハート形状のカム要素(ハートカム)と、ハートカムの周囲に形成された複数の段差部からなるレバー案内溝と、一方の端部が側壁12LWの孔に連結され、他方の端部がそのレバー案内溝に沿って摺動せしめられる門形状のカムレバー26と、上述のカバー部材10の押えバネ10E(図3参照)とを含んで構成されている。
【0037】
押えバネ10Eは、カムレバーの屈曲された先端をレバー案内溝の案内面に対し摺接するように付勢するものとされる。
【0038】
樹脂で成形されるハートカムは、カムレバー26の一端部が選択的に係合する略V字状のカム面を有している。
【0039】
レバー案内溝は、ハートカムの一方の傍を側壁12LWに沿って直線的に延在する第1の案内溝と、ハートカムの他方の傍を第1の案内溝の途中から分岐するように側壁12LWに向って斜めに延びた後、第1の案内溝に対し平行に延びる第2の案内溝と、カム面に対向する第1の案内溝の一端と第2の案内溝の一端との間であってカム面に対向する部分を連結する第3の案内溝とから形成されている。
【0040】
第3の案内溝における第2の案内溝の一端側の端部と案内溝の一端との境界部分に段差部分が形成されている。
【0041】
これにより、カムレバーの一端部は、イジェクト部材24Jの動作に追従して第1の案内溝、第3の案内溝、および第2の案内溝を順次、経由して案内されることとなる。
【0042】
また、側壁12RWには、メモリカードMCがカード収容部14内に装着されたか否かを検出するカード認識スイッチ部34が設けられている。
【0043】
カード認識スイッチ部34は、図10に示されるように、図示が省略される配線基板に半田付け固定される固定端子部を有する出力端子32と、出力端子32の接点部に選択的に接触しメモリカードMCの有無をあらわす検出出力を送出するカード認識/ブレーキ部材30とを含んで構成されている。
【0044】
出力端子32は、上述のコンタクト端子固定壁部12FWの溝に圧入されることにより固定される固定部と、その固定部の一端に連なる固定端子部と、その固定部の他端に連なる接点部とを有している。
【0045】
カード認識/ブレーキ部材30は、図1に拡大されて示されるように、薄板金属材料で作られ、出力端子32の接点部に選択的に当接する接点部30eを有する可動片部30DEと、メモリカードMCの一方の側面部に摺接する折曲部30bを有するブレーキ片部30BRと、可動片部30DEとブレーキ片部30BRとを連結する固定片部30Fとを含んで構成される。
【0046】
可動片部30DEは、図8および図9に示されるように、弾性変位可能な湾曲した接点部30eを一端に有している。また、可動片部30DEの他端の幅は、接点部30eの幅に比して大に設定されている。可動片部30DEは、図10に示されるように、湾曲した接点部30eが出力端子32の接点部を挟んで側壁部12RWから離隔した内側の位置となるように配されている。接点部30eの先端は、図10に二点鎖線で示されるように、メモリカードMCの一方の端部で出力端子32に向けて押圧されることにより、出力端子32の接点部に当接しオン状態とされ、また、メモリカードMCの一方の端部が接点部30eから離隔することにより、その弾性力により復帰し出力端子32の接点部に対し離隔しオフ状態とされる。
【0047】
メモリカードMCの飛び出しを抑制する第2のブレーキ片としてのブレーキ片部30BRは、上述のカードスロット14CS近傍の位置に配されている。折曲部30bは、可動片部30DEの接点部30eの最先端の位置よりも側壁12RWの内面側に近接している。また、側壁12RWにおける折曲部30bの最先端に対向する部分には、メモリカードMCの側面により押圧されるとき、折曲部30bの最先端が待機する凹部が形成されている。
【0048】
ブレーキ片部30BRの折曲部30bの幅は、可動片部30DEの接点部30eの幅に比して大に設定されている。
【0049】
固定片部30Fは、図9に拡大されて示されるように、側壁12RWに形成される溝に圧入される爪部30faと、図示が省略される配線基板に半田付け固定される固定端子部30fbとを有している。
【0050】
従って、カード認識/ブレーキ部材30は、カード認識スイッチ部34の一部を構成する接点部30eを有する可動片部30DEと、メモリカードMCの飛び出しを抑制するブレーキ片部30BRとを一体に有するので製造コストおよび組み立て工数の低減が図られる。
【0051】
また、メモリカードMCの飛び出しを抑制するブレーキ片部30BRは、上述のカードスロット14CS近傍の位置に配されているのでICカードの大きさに左右されることなく、ICカードの飛び出しを確実に回避できることとなる。
【0052】
さらに、第2のブレーキ片として別個のブレーキ部材が設けられる場合、ICカード用コネクタ全体の大きさが大きくなるのでICカード用コネクタの小型化を図るという設計要求を満足できないのに対し、一方、本発明に係るICカード用コネクタの一例に用いられるカード認識/ブレーキ部材30は、可動片部30DEと、ブレーキ片部30BRとを一体に有するのでICカード用コネクタの小型化を図ることができ、その結果、ICカード用コネクタの占有面積を従来のICカード用コネクタの占有面積に比して小とすることができる。
【0053】
さらにまた、樹脂で成形されたベース部材12の底部における側壁12RW側には、図5および図6に拡大されて示されるように、第3のブレーキ片としての樹脂製のブレーキ片12BRAが上述のブレーキ片10BRの真下の位置に形成されている。ブレーキ片12BRAの基端部は、ベース部材12の底部に一体に形成されている。ブレーキ片12BRAの周囲には、開口12dが形成されている。また、弾性変位可能なブレーキ片12BRAの先端部は、ベース部材12の底部の開口12dよりもカード収容部14の内部の上方に向けて若干飛び出すように形成されている。これにより、メモリカードMCがカード収容部14に挿入されるとき、摺接されるメモリカードMCの右側の側端部近傍は、ブレーキ片12BRAの先端部と上述のブレーキ片10BRの先端部とで挟持されることとなる。
【0054】
また、側壁12LW側には、図5および図6に拡大されて示されるように、第4のブレーキ片としての樹脂製のブレーキ片12BRBがイジェクト部材24J近傍に形成されている。ブレーキ片12BRBの基端部は、ベース部材12の底部に一体に形成されている。ブレーキ片12BRBの周囲には、開口12eが形成されている。弾性変位可能なブレーキ片12BRBの先端部は、ベース部材12の底部の開口12eよりもカード収容部14の内部の上方に向けて若干飛び出すように形成されている。
【0055】
このような構成において、メモリカードMCの装着にあたり、先ず、図10に示される矢印の示す方向に、メモリカードMCの先端部がカードスロット14CSを通じてカード収容部14内に挿入されるとき、メモリカードMCは、イジェクト部材24Jのカード受け部24rにその一方の側面部が係合されるとともにさらに前進せしめられる。その際、ブレーキ片12BRAおよび12BRBの先端部は、メモリカードMCの一方の表面に摺接状態とされる。また、ブレーキ片10BRは、メモリカードMCの他方の表面に摺接状態とされる。さらに、ブレーキ片部30BRがメモリカードMCの一方の側面部に摺接状態とされる。
【0056】
続いて、メモリカードMCがさらにイジェクト部材24Jとともにコイルスプリング24Sの付勢力に抗して押圧された後、その押圧力が解放されるとき、カムレバー26の一端部は、第1の案内溝から離脱し第3の案内溝のカム面に係合される。従って、イジェクト部材制御部24Cがイジェクト部材24Jを保持状態とする。
【0057】
また、メモリカードMCは、メモリカードMCのコンタクトパッド群CPとコンタクト端子16aiとの接圧により、カード収容部14内で保持され、かつ、メモリカードMCのコンタクトパッド群CPとコンタクト端子16aiとが当接され電気的に接続される。その際、メモリカードMCは、ブレーキ片10BRおよびブレーキ片12BRAにより挟持されることとなる。また、カード認識スイッチ部34におけるカード認識/ブレーキ部材30の接点部30eがメモリカードMCの先端により押圧され、出力端子32の接点部に当接しオン状態とされる。
【0058】
一方、メモリカードMCがカード収容部14から取り外される場合、先ず、装填されたメモリカードMCが若干さらに押し込まれる。その際、イジェクト部材24Jが前進せしめられることにより、カムレバーの一端部がカム面から解放され、かつ、離脱されて第2の案内溝に移動せしめられるのでイジェクト部材24Jがコイルスプリング24Sの付勢力により後退せしめられる。従って、イジェクト部材制御部24Cがイジェクト部材24Jを解放状態とする。
【0059】
その際、コイルスプリング24Sの付勢力により移動せしめられるイジェクト部材24JおよびメモリカードMCは、ブレーキ片部30BRの折曲部30bの制動力と、ブレーキ片10BRおよびブレーキ片12BRAによる挟持力に応じた制動力と、ブレーキ片12BRBの制動力とを合計した値の制動力により、その排出速度が減速せしめられることとなる。
【0060】
従って、イジェクト部材24JおよびメモリカードMCの排出速度が、減速された状態で、メモリカードMCが排出されるので不所望なメモリカードMCの急峻な飛び出しが確実に回避されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係るICカード用コネクタの一例において用いられるカード認識/ブレーキ部材を示す平面図である。
【図2】本発明に係るICカード用コネクタの一例の外観を全体的に示す斜視図である。
【図3】図2に示される例における平面図である。
【図4】図2に示される例における正面図である。
【図5】図2に示される例においてカバー部材を取り外した状態を示す斜視図である。
【図6】図5に示される例における底面図である。
【図7】図2に示される例における側面図である。
【図8】図1に示されるカード認識/ブレーキ部材を示す斜視図である。
【図9】図8に示される例における正面図である。
【図10】図2に示される例における動作説明に供される平面図である。
【符号の説明】
【0062】
10 カバー部材
10BR、12BRA,12BRB ブレーキ片
12 ベース部材
30 カード認識/ブレーキ部材
30BR ブレーキ片部
30DE 可動片部
MC メモリカード
【出願人】 【識別番号】000177690
【氏名又は名称】山一電機株式会社
【出願日】 平成18年6月23日(2006.6.23)
【代理人】 【識別番号】100077481
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 義一

【識別番号】100088915
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 和夫


【公開番号】 特開2008−3939(P2008−3939A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174265(P2006−174265)