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【発明の名称】 部品結合構造および電子機器
【発明者】 【氏名】重信 直哉

【氏名】和田 光平

【氏名】鈴木 康之

【氏名】三浦 洋介

【要約】 【課題】本発明は、部品の組み付け方向の制限を緩和でき、作業性が向上する部品結合構造を得ることにある。

【構成】部品結合構造は、熱可塑性の溶着突起29, 63を有する第1の部品24, 25と、溶着突起29, 63が貫通する貫通部45, 71を有する第2の部品14とを備えている。貫通部45, 71から突出する溶着突起29 ,63の先端部を熱的に押し潰すことで、第1の部品24, 25と第2の部品14とが互いに結合される。第2の部品14の貫通部45, 71は、第2の部品14の外周縁に開口する導入口50, 72を含んでいる。導入口50, 72は、溶着突起29, 63が挿入可能な開口幅を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性の溶着突起を有する第1の部品と、
上記溶着突起が貫通する貫通部を有する第2の部品と、を具備し、
上記貫通部から突出する上記溶着突起の先端部を熱的に押し潰すことで、上記第1の部品と上記第2の部品とを互いに結合する構造であって、
上記第2の部品の貫通部は、上記第2の部品の外周縁に開口する導入口を含み、この導入口は、上記溶着突起が挿入可能な開口幅を有することを特徴とする部品結合構造。
【請求項2】
請求項1の記載において、上記溶着突起は、上記導入口から上記貫通部に導かれることを特徴とする部品結合構造。
【請求項3】
請求項2の記載において、上記貫通部は、上記導入口に連続する終端部を有し、上記終端部は上記導入口よりも幅広く形成されていることを特徴とする部品結合構造。
【請求項4】
請求項2の記載において、上記貫通部は、上記導入口に連続する終端部を有するとともに、上記挿入口から上記終端部の方向に進むに従い幅広く形成されていることを特徴とする部品結合構造。
【請求項5】
請求項3又は請求項4の記載において、上記溶着突起の先端部を熱的に押し潰した時に、溶けた材料が上記貫通部に充填されることを特徴とする部品結合構造。
【請求項6】
請求項3の記載において、上記貫通部の終端部は、上記導入口からの上記溶着突起の挿入方向に対し交差する方向に延びる溝を含み、上記溶着突起の先端部を熱的に押し潰した時に、溶けた材料が上記溝に充填されることを特徴とする部品結合構造。
【請求項7】
請求項2の記載において、上記第1の部品は、上記第2の部品に向けて突出する係合爪を有し、上記係合爪は、上記溶着突起を上記導入口から上記終端部に導いた時に、上記第2の部品に引っ掛かることで上記第1の部品と上記第2の部品との相対的な位置を規定することを特徴とする部品結合構造。
【請求項8】
請求項1の記載において、上記第1の部品は熱可塑性樹脂製であり、上記第2の部品は金属製であることを特徴とする部品結合構造。
【請求項9】
筐体と、
上記筐体に固定されるカバーと、を具備し、
上記カバーは、熱可塑性の溶着突起を有するとともに、上記筐体は、上記溶着突起が貫通する貫通部を有し、上記貫通部から突出する上記溶着突起の先端部を熱的に押し潰すことで、上記筐体と上記カバーとを互いに固定する電子機器であって、
上記筐体の貫通部は、上記筐体の外周縁に開口する導入口を含み、この導入口は、上記溶着突起が挿入可能な開口幅を有することを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項9の記載において、上記溶着突起は、上記導入口から上記貫通部に導かれることを特徴とする電子機器。
【請求項11】
請求項9又は請求項10の記載において、上記貫通部は、上記導入口に連続する終端部を含み、上記終端部は上記導入口よりも幅広く形成されているとともに、上記溶着突起の先端部を熱的に押し潰した時に、溶けた材料が上記貫通部に充填されることを特徴とする電子機器。
【請求項12】
外周部に開口を有する金属製の筐体と、
上記開口に臨むように上記筐体に収容された無線通信用のアンテナ素子と、
上記筐体の開口を覆うように上記筐体に固定される合成樹脂製のアンテナカバーと、を具備し、
上記アンテナカバーは、複数の熱可塑性の溶着突起を有するとともに、上記筐体は、上記溶着突起が貫通する複数の貫通部を有し、上記貫通部から突出する上記溶着突起の先端部を熱的に押し潰すことで、上記筐体と上記アンテナカバーとを互いに固定する電子機器であって、
上記筐体の貫通部は、夫々上記開口の開口縁部に位置する導入口を含み、この導入口は、上記溶着突起が挿入可能な開口幅を有することを特徴とする電子機器。
【請求項13】
請求項12の記載において、上記アンテナカバーは、上記筐体の開口に向けて突出する係合爪を有し、上記係合爪は、上記溶着突起を上記導入口から上記貫通部に導いた時に、上記開口縁部に引っ掛かることで上記筐体と上記アンテナカバーとの相対的な位置を規定することを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば金属製の部品に合成樹脂製の部品を溶着する部品結合構造に関する。さらに本発明は、例えば金属製の筐体に合成樹脂製のカバーを溶着したポータブルコンピュータのような電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、筐体の内部に無線通信用のアンテナ素子を収容した電子機器が種々提供されている。この種の電子機器では、無線通信の安定化を図るために、アンテナ素子からの放射電界を妨げる要因を極力排除することが必要となる。
【0003】
このため、例えばアンテナ素子を収容する筐体が金属製の電子機器では、筐体のうちアンテナ素子に対応する箇所に開口部を形成し、この開口部を合成樹脂製のアンテナカバーで覆っている。アンテナカバーを筐体に固定する手段としては、例えば特許文献1に開示されているような溶着を用いることが多い。
【0004】
具体的には、筐体は、その開口部の周囲に複数の貫通孔を有している。アンテナカバーは、上記貫通孔に対応する複数の熱可塑性の溶着ピンを有している。アンテナカバーは、溶着ピンを貫通孔に挿入した後、貫通孔から突出する溶着ピンの先端部を熱的に押し潰すことで、筐体に固定されるようになっている。
【特許文献1】特開平10−93255号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の電子機器によると、溶着ピンが挿入される貫通孔は、筐体を貫通する単なる丸い孔である。このような構成では、アンテナカバーを筐体に固定する際に、溶着ピンを必ず軸方向から貫通孔に差し込まなくてはならない。
【0006】
この結果、筐体に対するアンテナカバーの組み付け方向が大幅に制限されてしまい、アンテナカバーの組み付け作業に手間を要するといった問題がある。
【0007】
本発明の目的は、部品の組み付け方向の制限を緩和でき、作業性が向上する部品結合構造を得ることにある。
【0008】
本発明の他の目的は、筐体に対するカバーの組み付け方向の制限を緩和でき、作業性が向上する電子機器を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る部品結合構造は、
熱可塑性の溶着突起を有する第1の部品と、上記溶着突起が貫通する貫通部を有する第2の部品と、を備えており、上記貫通部から突出する上記溶着突起の先端部を熱的に押し潰すことで、上記第1の部品と上記第2の部品とを互いに結合する構造であって、
上記第2の部品の貫通部は、上記第2の部品の外周縁に開口する導入口を含み、この導入口は、上記溶着突起が挿入可能な開口幅を有することを特徴としている。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る電子機器は、
筐体と、上記筐体に固定されるカバーと、を備えており、上記カバーは、熱可塑性の溶着突起を有するとともに、上記筐体は、上記溶着突起が貫通する貫通部を有し、上記貫通部から突出する上記溶着突起の先端部を熱的に押し潰すことで、上記筐体と上記カバーとを互いに固定する電子機器であって、
上記筐体の貫通部は、上記筐体の外周縁に開口する導入口を含み、この導入口は、上記溶着突起が挿入可能な開口幅を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、溶着突起を第2の部品の横方向からも貫通部に導くことができ、部品の組み付け方向の制限を緩和できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明の第1の実施の形態を、図1ないし図26に基づいて説明する。
【0013】
図1および図2は、電子機器の一例であるポータブルコンピュータ1を開示している。ポータブルコンピュータ1は、本体ユニット2とディスプレイユニット3とを備えている。
【0014】
本体ユニット2は、第1の筐体4を有している。第1の筐体4は、上面4aを有する偏平な箱状をなしている。第1の筐体4は、例えばCPUを実装したプリント配線板やハードディスク駆動装置のような主要な構成要素を収容している。第1の筐体4の上面4aは、キーボード5を支持している。
【0015】
ディスプレイユニット3は、第2の筐体6、液晶表示パネル7およびタブレット8を備えている。第2の筐体6は、第1の筐体4と略同じ大きさの偏平な箱状をなしている。図3に示すように、第2の筐体6は、液晶表示パネル7およびタブレット8を収容している。タブレット8は、液晶表示パネル7の上にスペーサ9を介して積層されている。タブレット8は、入力面を兼ねる表示面8aを有している。表示面8aは、第2の筐体6の前面に開けた開口部10を通じてディスプレイユニット3の外に露出している。
【0016】
ディスプレイユニット3は、ヒンジ機構12を介して本体ユニット2の後端部に支持されている。ヒンジ機構12は、本体ユニット2の幅方向に延びる水平な第1の回転軸線R1と、第1の回転軸線R1と直交する第2の回転軸線R2とを有している。
【0017】
ディスプレイユニット3は、第1の回転軸線R1を中心に閉じ位置と開き位置との間で回動可能となっている。閉じ位置では、ディスプレイユニット3は、キーボード5を上方から覆うように本体ユニット2の上に横たわる。開き位置では、ディスプレイユニット3は、キーボード5を露出させるように本体ユニット2の後端部から起立する。
【0018】
さらに、ディスプレイユニット3は、開き位置に回動された状態において、第2の回転軸線R2を中心に第1の反転位置と第2の反転位置との間で反転可能となっている。第1の反転位置では、図1に示すようにディスプレイユニット3の表示面8aがキーボード5を操作するオペレータと向かい合う。第2の反転位置では、ディスプレイユニット3の表示面8aが180°反転し、第2の筐体6の背面がオペレータと向かい合う。
【0019】
このことから、開き位置にあるディスプレイユニット3を第1の反転位置から第2の反転位置に反転させた後、このディスプレイユニット3を開き位置から閉じ位置に回動させると、ディスプレイユニット3は、その表示面8aを上向きにした姿勢で本体ユニット2の上に横たわる。
【0020】
よって、ポータブルコンピュータ1が手書き入力モードに切り換わり、例えばスタイラスペン(図示せず)を用いて表示面8aに情報を入力することができる。
【0021】
図1ないし図3に示すように、第2の筐体6は、ディスプレイカバー14とディスプレイマスク15とを備えている。ディスプレイカバー14は、例えばマグネシウム合金のような金属材料で造られている。図5および図6に示すように、ディスプレイカバー14は、支持壁16、左右の側壁17a,17b、上壁18および下壁19を有している。
【0022】
支持壁16は、液晶表示パネル7およびタブレット8を支持するとともに、ディスプレイユニット3を開き位置に回動させた時に本体ユニット2から起立する。側壁17a,17bは、支持壁16の左右の側縁に位置している。上壁18は、ディスプレイユニット3を開き位置に回動させた時に、支持壁16の上縁に位置するとともに、ディスプレイユニット3の幅方向に延びている。下壁19は、ディスプレイユニット3を開き位置に回動させた時に、支持壁16の下縁に位置するとともに、ディスプレイユニット3の幅方向に延びている。
【0023】
ディスプレイマスク15は、例えば合成樹脂材料で造られている。ディスプレイマスク15は、開口部10を有するとともに、ディスプレイカバー14の側壁17a,17b、上壁18および下壁19に取り外し可能に引っ掛かっている。このため、ディスプレイマスク15は、タブレット8および液晶表示パネル7を取り囲んでいる。
【0024】
図6に示すように、第2の筐体6の内部に無線通信用の複数のアンテナ素子21a,21b,21c,21d,21eが収容されている。アンテナ素子21a,21b,21c,21d,21eは、ディスプレイカバー14の支持壁16の外周部に支持されるとともに、その少なくとも一部が支持壁16と液晶表示パネル7との間に位置している。
【0025】
本実施の形態によると、三つのアンテナ素子21a,21b,21cは、ディスプレイカバー14の上壁18に隣接するとともに、第2の筐体6の幅方向に間隔を存して並んでいる。残りの二つのアンテナ素子21d,21eは、ディスプレイカバー14の右側の側壁17bに位置するとともに、第2の筐体6の高さ方向に間隔を存して並んでいる。
【0026】
図7に示すように、金属製のディスプレイカバー14は、アンテナ素子21a,21b,21c,21d,21eからの放射電界の妨げとならないように、第1および第2の開口22,23を有している。
【0027】
第1の開口22は、ディスプレイカバー14の支持壁16と上壁18とで規定される角部に位置している。第1の開口22は、三つのアンテナ素子21a,21b,21cに対応するように、第2の筐体6の幅方向に延びている。
【0028】
第1の開口22は、第1ないし第3の開口縁部22a,22b,22cを有している。第1の開口縁部22aは、支持壁16に形成されてディスプレイカバー14の幅方向に一直線状に延びている。第2の開口縁部22bは、第1の開口縁部22aの一端から支持壁16を横切って上壁18の方向に延びている。第3の開口縁部22cは、第1の開口縁部22aの他端から支持壁16を横切って上壁18の方向に延びている。
【0029】
第2の開口23は、ディスプレイカバー14の支持壁16と右側の側壁17bとで規定される角部に位置している。第2の開口23は、残りの二つのアンテナ素子21d,21eに対応するように、第2の筐体6の高さ方向に延びている。
【0030】
第2の開口23は、第1ないし第3の開口縁部23a,23b,23cを有している。第1の開口縁部23aは、支持壁16に形成されてディスプレイカバー14の高さ方向に一直線状に延びている。第2の開口縁部23bは、第1の開口縁部23aの一端から支持壁16を横切って側壁17bの方向に延びている。第3の開口縁部23cは、第1の開口縁部23aの他端から支持壁16を横切って側壁17bの方向に延びている。
【0031】
第1の開口22は、第1のアンテナカバー24で覆われている。同様に第2の開口23は、第2のアンテナカバー25で覆われている。第1および第2のアンテナカバー24,25は、夫々第1の部品の一例であって、例えば熱可塑性の合成樹脂材料で造られている。第1および第2のアンテナカバー24,25は、個々にディスプレイカバー14に結合されており、以下に第1および第2のアンテナカバー24,25の結合構造について説明する。
【0032】
図7および図8に示すように、第1のアンテナカバー24は、第2の筐体6の幅方向に延びる細長い板状をなしており、第1ないし第4の縁部27a,27b,27c,27dを有している。第1のアンテナカバー24の第1ないし第3の縁部27a,27b,27cは、第1の開口22の第1ないし第3の開口縁部22a,22b,22cに突き合わされる。第1のアンテナカバー24の第4の縁部27dは、ディスプレイマスク15に突き合わされる。
【0033】
第1のアンテナカバー24は、一対の第1の溶着突起28、複数の第2の溶着突起29、複数の第1の係合爪30、第2の係合爪31aおよび第3の係合爪31bを有している。
【0034】
図9および図19に示すように、第1の溶着突起28は、第1のアンテナカバー24の長手方向に沿う一端および他端に位置している。一方の第1の溶着突起28は、第1のアンテナカバー24の第2の縁部27bに隣接するとともに、第1のアンテナカバー24の内面から突出する板状をなしている。他方の第1の溶着突起28は、第1のアンテナカバー24の第3の縁部27cに隣接するとともに、第1のアンテナカバー24の内面から突出する板状をなしている。
【0035】
第2の溶着突起29は、第1のアンテナカバー24の内面から突出する中空の円筒状をなしている。第2の溶着突起29は、第1のアンテナカバー24の第1の縁部27aに隣接するとともに、第1のアンテナカバー24の長手方向に互いに間隔を存して一列に並んでいる。
【0036】
第1の係合爪30は、第1のアンテナカバー24の第1の縁部27aからディスプレイカバー14の支持壁16に向けて突出している。第1の係合爪30は、第1のアンテナカバー24の長手方向に互いに間隔を存して一列に並んでいる。第1の係合爪30は、隣り合う第2の溶着突起29の間に位置している。
【0037】
複数の第1の係合爪30のうち、第1のアンテナカバー24の長手方向に沿う一端に位置する第1の係合爪30aおよび第1のアンテナカバー24の長手方向に沿う他端に位置する第1の係合爪30bは、夫々図14に示すような凹部32を有している。凹部32は、第1の係合爪30a,30bの外面に形成されているとともに、第1の係合爪30a,30bの突出方向と直交する方向に延びている。
【0038】
第2の係合爪31aは、第1のアンテナカバー24の第2の縁部27bから第1のアンテナカバー24の側方に突出している。第3の係合爪31bは、第1のアンテナカバー24の第3の縁部27cから第1のアンテナカバー24の側方に突出している。
【0039】
図8に示すように、第1のアンテナカバー24にラッチ収容部34が形成されている。ラッチ収容部34は、第1のアンテナカバー24の長手方向に沿う中央部に位置している。ラッチ収容部34は、第1のアンテナカバー24の内面から起立する隔壁35を有している。隔壁35は、第1のアンテナカバー24の長手方向に沿って延びているとともに、この隔壁35の下端にスリット36が形成されている。
【0040】
ラッチ収容部34にラッチ37が支持されている。ラッチ37は、ディスプレイユニット3を閉じ位置に回動させた時に、第1の筐体4の前端部に設けた凹部38に取り外し可能に引っ掛かる。これにより、ディスプレイユニット3が閉じ位置に保持される。
【0041】
図3、図4および図8に示すように、第1のアンテナカバー24の内面に一対のねじ受け39が形成されている。ねじ受け39は、第1のアンテナカバー24の長手方向に沿う中央部に位置し、これらねじ受け39の間にラッチ37が位置している。
【0042】
ねじ受け39は、第1のアンテナカバー24の内面からディスプレイマスク15に向けて突出する中空の円筒状をなしている。ねじ受け39は、ディスプレイカバー14に向けて開口するとともに、ねじ受け39の突出端部には通孔40が形成されている。通孔40は、ディスプレイマスク15に開けた一対のねじ挿通孔41と合致するようになっている。
【0043】
ディスプレイカバー14は、第2の部品の一例であり、図7ないし図11に示すような第1のカバー受け43を一体に有している。第1のカバー受け43は、第1の開口縁部22aから第1の開口22の内側に向けてフランジ状に張り出している。第1のカバー受け43は、第1の開口22に露出する先端縁43aを有している。先端縁43aは、ディスプレイカバー14の外形を規定する外周縁を兼ねている。
【0044】
第1のカバー受け43は、一対の舌片44、複数の貫通部45および複数の切り欠き46を有している。図9および図19に示すように、舌片44は、第1の開口22の長手方向に沿う一端および他端から第1の開口22に向けて張り出している。舌片44は、その先端縁に開口するスリット47を有している。スリット47は、第1のアンテナカバー24の第1の溶着突起28に対応するものであり、この第1の溶着突起28が挿入可能な開口幅を有している。
【0045】
貫通部45は、第1のアンテナカバー24の第2の溶着突起29に対応するように、ディスプレイカバー14の幅方向に間隔を存して一列に並んでいる。図11および図17に示すように、各貫通部45は、導入口50と終端部51とを有している。
【0046】
導入口50は、第1のカバー受け43の先端縁43aに開口するとともに、第2の溶着突起29が径方向に挿入可能な開口幅L1を有している。終端部51は、導入口50に通じている。
【0047】
言い換えると、各貫通部45は、第1のカバー受け43の先端縁43aに開口するように第1のカバー受け43を切り欠いた溝状をなしている。このため、第1のアンテナカバー24の第1の溶着突起28は、貫通部45に対し軸方向および径方向のいずれの方向からでも挿入が可能となっている。
【0048】
図9および図17に示すように、各貫通部45の終端部51は、一対の溝52a,52bを含んでいる。溝52a,52bは、終端部51の互いに対向する位置から終端部51の幅方向に沿って直線状に延びている。そのため、溝52a,52bは、貫通部45の終端部51に対し放射状に形成されている。これら溝52a,52bに対応する部分では、終端部51が導入口50よりも幅広く形成されており、終端部51の開口幅L2が導入口50の開口幅L1を上回っている。
【0049】
切り欠き46は、第1のアンテナカバー24の第1の係合爪30に対応するように、ディスプレイカバー14の幅方向に間隔を存して一列に並んでいる。切り欠き46は、第1の係合片30が挿入可能な開口幅L3を有している。
【0050】
図9、図14および図19に示すように、ディスプレイカバー14の支持壁16に一対の係止突起53が形成されている。係止突起53は、ディスプレイカバー14の幅方向に沿う一端および他端に位置する切り欠き46に対応している。係止突起53は、切り欠き46に臨むように支持壁16の内面から突出するとともに、ディスプレイカバー14の幅方向に延びている。
【0051】
さらに、本実施の形態の第1のカバー受け43は、爪部54と一対のボス部55とを有している。図8に示すように、爪部54は、上記第1のアンテナカバー24のスリット36に対応するように、第1のカバー受け43の先端縁43aから第1の開口22に向けて張り出している。
【0052】
図3および図8に示すように、ボス部55は、第1のアンテナカバー24のねじ受け39に対応するように、第1のカバー受け43の先端縁43aから突出している。ボス部55は、ねじ孔56を有している。ねじ孔56は、第1のアンテナカバー24で第1の開口22を覆った時に、ねじ受け39の通孔40と合致するようになっている。
【0053】
図9に示すように、第1のアンテナカバー24は、ディスプレイカバー14の上壁18の方向から第1の開口22に差し込まれる。この差し込みにより、第1のアンテナカバー24の第1の溶着突起28が舌片44のスリット47に入り込むとともに、第2の溶着突起29が導入口50から貫通部45の終端部51に入り込む。
【0054】
さらに、第1のアンテナカバー24の第1の係合爪30が切り欠き46に入り込む。第1の係合爪30は、第1の開口縁部22aを通り越してディスプレイカバー14の支持壁16の内面に重なり合う。それとともに、ディスプレイカバー14の第1のカバー受け43が第1のアンテナカバー24の内面の上に重なり合う。
【0055】
第1のアンテナカバー24の一端および他端に位置する第1の係合爪30a,30bは、凹部32を有している。凹部32は、第1のアンテナカバー24の差し込み動作に追従して支持壁16の内面から突出する係止突起53に引っ掛かる。
【0056】
第1のアンテナカバー24を第1の開口22に差し込んでいくと、この第1のアンテナカバー24の第1の縁部27aが第1の開口22の第1の開口縁部22aの直前に達した時に、第1のアンテナカバー24の第2および第3の係合爪31a,31bがディスプレイカバー14の第2および第3の開口縁部22b,22cを乗り越して上壁18に弾性的に引っ掛かる。さらに、第1のアンテナカバー24のスリット36に第1のカバー受け43の爪部54が引っ掛かる。これにより、第1のアンテナカバー24の長手方向に沿う中央部がディスプレイカバー14によって保持される。
【0057】
この結果、図10に示すように、第1のアンテナカバー24は、第1ないし第3の係合爪30,31a,31bおよび爪部54を介してディスプレイカバー14に仮止めされる。よって、第1のアンテナカバー24がディスプレイカバー14の定位置に保持され、ディスプレイカバー14に対する第1のアンテナカバー24のずれや浮き上がりが阻止される。
【0058】
さらに、第1の溶着突起28がスリット47内に差し込まれた状態に保持され、スリット47に対する第1の溶着突起28の溶着位置が定まる。同様に、第2の溶着突起29が貫通部45内に差し込まれた状態に保持され、貫通部45に対する第2の溶着突起29の溶着位置が定まる。
【0059】
第1のアンテナカバー24をディスプレイカバー14に仮止めした状態で、ディスプレイカバー14を溶着機(図示せず)に装着する。溶着機は、第1および第2の溶着突起28,29に対応する複数の加熱ヘッドを有している。加熱ヘッドは、スリット47から突出する第1の溶着突起28の先端部および貫通部45から突出する第2の溶着突起29の先端部に接触する。これにより、第1および第2の溶着突起28,29が溶けて熱的に押し潰される。
【0060】
詳しく述べると、第1の溶着突起28が加熱されると、溶けた樹脂が舌片44の上に広がるとともに、スリット47に充填される。同様に、第2の溶着突起29が加熱されると、図15ないし図17に示すように、溶けた樹脂29aが第1のカバー受け43の上に広がるとともに、貫通部45に充填される。
【0061】
特に第2の溶着突起29は、中空の円筒状をなしているので、加熱ヘッドが押し付けられた時に均等かつ速やかに軟化する。そのため、溶けた樹脂29aが貫通部45に流れ込み易くなり、溶着時の作業性が良好となる。溶けた樹脂29aが貫通部45で硬化すると、第1のアンテナカバー24が第1の開口22を塞いだ状態でディスプレイカバー14に固定される。
【0062】
ディスプレイマスク15は、第1のアンテナカバー24をディスプレイカバー14に
固定した後、ディスプレイカバー14に取り付けられる。図3および図4に示すように、ディスプレイマスク15をディスプレイカバー14に取り付けた状態では、ディスプレイマスク15のねじ挿通孔41がねじ受け39の通孔40と合致する。
【0063】
ディスプレイマスク15のねじ挿通孔41に固定ねじ59が挿入されている。固定ねじ59は、ねじ受け39の通孔40を貫通してボス部55のねじ孔56にねじ込まれている。このため、固定ねじ59は、第1のアンテナカバー24の幅方向に沿う中央部をディスプレイマスク15と一緒にディスプレイカバー14に固定している。
【0064】
一方、上記第2のアンテナカバー25は、ディスプレイカバー14の高さ(奥行き)方向に延びる細長い板状をなしている。図7および図18に示すように、第2のアンテナカバー25は、第1ないし第4の縁部61a,61b,61c,61dを有している。第2のアンテナカバー25の第1ないし第3の縁部61a,61b,61cは、夫々第2の開口23の第1ないし第3の開口縁部23a,23b,23cに突き合わされる。第2のアンテナカバー25の第4の縁部61dは、ディスプレイマスク15に突き合わされる。
【0065】
図18ないし図20に示すように、第2のアンテナカバー25は、一対の第1の溶着突起62、単一の第2の溶着突起63、複数の第1の係合爪64、第2の係合爪65aおよび第3の係合爪65bを有している。
【0066】
第1の溶着突起62は、第2のアンテナカバー25の長手方向に沿う一端および他端に位置している。一方の第1の溶着突起62は、第2のアンテナカバー25の第2の縁部61bに隣接するとともに、第2のアンテナカバー25の内面から突出する板状をなしている。他方の第1の溶着突起62は、第2のアンテナカバー25の第3の縁部61cに隣接するとともに、第2のアンテナカバー25の内面から突出する板状をなしている。
【0067】
第2の溶着突起63は、第2のアンテナカバー25の長手方向に沿う中央部に位置している。第2の溶着突起63は、第2のアンテナカバー25の内面から突出するとともに、図23および図24に示すようなH形の断面形状を有している。第2の溶着突起63は、第2のアンテナカバー25の第1の縁部61aに隣接している。
【0068】
第1の係合爪64は、第2のアンテナカバー25の第1の縁部61aからディスプレイカバー14の支持壁16に向けて突出している。第1の係合爪64は、第2のアンテナカバー25の長手方向に互いに間隔を存して一列に並んでいる。
【0069】
複数の第1の係合爪64のうち、第2のアンテナカバー25の長手方向に沿う一端に位置する第1の係合爪64aおよび第2のアンテナカバー25の長手方向に沿う他端に位置する第1の係合爪64bは、夫々凹部66を有している。図25に示すように、凹部66は、第1の係合爪64a,64bの外面に形成されているとともに、第1の係合爪64a,64bの突出方向と直交する方向に延びている。
【0070】
第2の係合爪65aは、第2のアンテナカバー25の長手方向に沿う一端に位置している。第2の係合爪65aは、第2のアンテナカバー25の第2の縁部61bから第2のアンテナカバー25の外に突出している。
【0071】
第3の係合爪65bは、第2のアンテナカバー25の長手方向に沿う他端に位置している。第3の係合爪65bは、第2のアンテナカバー25の第3の縁部61cから第2のアンテナカバー25の外に突出している。
【0072】
図18に示すように、ディスプレイカバー14の支持壁16は、第2のカバー受け67を一体に有している。第2のカバー受け67は、第1の開口縁部23aから第2の開口23の内側に向けてフランジ状に張り出している。
【0073】
第2のカバー受け67は、第1ないし第3の舌片68a,68b,68cを有している。図19に示すように、第1の舌片68aは、第1の開口縁部23aの長手方向に沿う一端から第2の開口23に向けて張り出している。図20に示すように、第2の舌片68bは、第1の開口縁部23aの長手方向に沿う他端から第2の開口23に向けて張り出している。第3の舌片68cは、第1の開口縁部23aの長手方向に沿う中間部から第2の開口23に向けて張り出している。
【0074】
そのため、第1ないし第3の舌片68a,68b,68cの先端縁は、第2の開口23aに露出して、ディスプレイカバー14の外形を規定する外周縁を兼ねている。
【0075】
第1および第2の舌片68a,68bは、夫々その先端縁に開口するスリット69を有している。スリット69は、第2のアンテナカバー25の第1の溶着突起62に対応するものであり、第1の溶着突起62が挿入可能な開口幅を有している。
【0076】
第3の舌片68cは、貫通部71を有している。貫通部71は、第2のアンテナカバー25の第2の溶着突起63に対応するものであり、導入口72と終端部73とを有している。
【0077】
導入口72は、第3の舌片68cの先端縁に開口するとともに、第2の溶着突起63が挿入可能な開口幅L4を有している。終端部73は、導入口72に通じている。さらに、終端部73は、第2の開口23の第1の開口縁部23aの方向に延びる長孔状をなしている。終端部73の開口幅L5は、導入口72の開口幅L4を上回っている。
【0078】
言い換えると、貫通部71は、終端部73が導入口72よりも幅広くなるように第3の舌片68cを切り欠いた溝状をなしている。このため、第2のアンテナカバー25の第2の溶着突起63は、貫通部71に対し軸方向およびこの軸方向と交差する方向のいずれの方向からでも挿入が可能となっている。
【0079】
第2のカバー受け67は、複数の切り欠き75を有している。切り欠き75は、第2のアンテナカバー25の第1の係合爪64に対応するようにディスプレイカバー14の高さ方向に間隔を存して一列に並んでいる。切り欠き75は、第1の係合爪64が挿入可能な開口幅を有している。
【0080】
ディスプレイカバー14の支持壁16に一対の係止突起76が形成されている。係止突起76は、ディスプレイカバー14の高さ方向に沿う一端および他端に位置する切り欠き75に対応している。係止突起76は、切り欠き75に臨むように支持壁16の内面から突出するとともに、ディスプレイカバー14の高さ方向に沿って延びている。
【0081】
第2のアンテナカバー25は、ディスプレイカバー14の右側の側壁17bの方向から第2の開口23に差し込まれる。この差し込により、第2のアンテナカバー25の第1の溶着突起62が第1および第2の舌片68a,68bのスリット69に入り込むとともに、第2の溶着突起63が貫通部71の導入口72から終端部73に入り込む。
【0082】
さらに、第2のアンテナカバー25の第1の係合爪64が切り欠き75に入り込む。第1の係合爪64は、第1の開口縁部23aを通り越してディスプレイカバー14の支持壁16の内面に重なり合う。それとともに、ディスプレイカバー14の第2のカバー受け67が第2のアンテナカバー25の内面の上に重なり合う。
【0083】
第2のアンテナカバー25の一端および他端に位置する第1の係合爪64a,64bは、凹部66を有している。凹部66は、第2のアンテナカバー25の差し込み動作に追従して支持壁16の内面から突出する係止突起76に引っ掛かる。
【0084】
第2のアンテナカバー25の第1の縁部61aが第2の開口23の第1の開口縁部23aの直前に達すると、第2のアンテナカバー25の第2および第3の係合爪65a,65bがディスプレイカバー14の第2および第3の開口縁部23b,23cを乗り越して側壁17bに弾性的に引っ掛かる。
【0085】
この結果、第2のアンテナカバー25は、第1ないし第3の係合爪64,65a,65bを介してディスプレイカバー14に仮止めされる。このことにより、第2のアンテナカバー25がディスプレイカバー14の定位置に保持され、ディスプレイカバー14に対する第2のアンテナカバー25のずれが阻止される。
【0086】
さらに、第1の溶着突起62がスリット69に差し込まれた状態に保持され、スリット69に対する第1の溶着突起62の溶着位置が定まる。同様に、第2の溶着突起63が貫通部71内に差し込まれた状態に保持され、貫通部71に対する第2の溶着突起63の溶着位置が定まる。
【0087】
第2のアンテナカバー25をディスプレイカバー14に仮止めした状態で、スリット69から突出する第1の溶着突起62の先端部および貫通部71から突出する第2の溶着突起63の先端部に溶着機の加熱ヘッドを押し付ける。これにより、第1および第2の溶着突起62,63が溶けて熱的に押し潰される。
【0088】
第1の溶着突起62が加熱されると、溶けた樹脂が第1および第2の舌片68a,68bの上に広がるとともに、スリット69に充填される。同様に、第2の溶着突起63が加熱されると、溶けた樹脂63aが第3の舌片68cの上に広がるとともに、図26に示すように貫通部71に充填される。溶けた樹脂が貫通部71で硬化することで、第2のアンテナカバー25が第2の開口23を塞いだ状態でディスプレイカバー14に固定される。
【0089】
本発明の第1の実施の形態によると、第1のアンテナカバー24の第1の溶着突起28が差し込まれるスリット47は、第1の溶着突起28が挿入可能な開口幅を有して舌片44の先端縁に開口している。さらに、第1のアンテナカバー24の第2の溶着突起29が差し込まれる貫通部45は、第1のカバー受け43の先端縁43aに開口する導入口50を含み、この導入口50は第2の溶着突起29が挿入可能な開口幅L1を有している。
【0090】
これにより、第1の溶着突起28をディスプレイカバー14の横からスリット47に差し込むことができるとともに、第2の溶着突起29をディスプレイカバー14の横から貫通部45に差し込むことができる。
【0091】
加えて、スリット47は舌片44を貫通しているので、第1の溶着突起28を軸方向からスリット47に差し込むことができる。それとともに、貫通部45はディスプレイカバー14の第1のカバー受け43を貫通しているので、第2の溶着突起29を軸方向から貫通部45に差し込むことができる。
【0092】
この結果、第1のアンテナカバー24をディスプレイカバー14に対して二方向から組み込むことが可能となる。
【0093】
同様に、第2のアンテナカバー25の第1の溶着突起62が差し込まれるスリット69は、第1の溶着突起62が挿入可能な開口幅を有して第1および第2の舌片68a,68bの先端縁に開口している。さらに、第2のアンテナカバー25の第2の溶着突起63が差し込まれる貫通部71は、第3の舌片68cの先端縁に開口する導入口72を含み、この導入口72は第2の溶着突起63が挿入可能な開口幅L4を有している。
【0094】
これにより、第1の溶着突起62をディスプレイカバー14の横からスリット69に差し込むことができるとともに、第2の溶着突起63をディスプレイカバー14の横から貫通部71に差し込むことができる。
【0095】
加えて、スリット69は第1および第2の舌片68a,68bを貫通しているので、第1の溶着突起62を軸方向からスリット69に差し込むことができる。それとともに、貫通部71は第3の舌片68cを貫通しているので、第2の溶着突起29を軸方向から貫通部71に差し込むことができる。
【0096】
この結果、第2のアンテナカバー25をディスプレイカバー14に対して二方向から組み込むことが可能となる。
【0097】
したがって、第1および第2のアンテナカバー24,25の組み付け方向に関する制限が緩和され、ディスプレイユニット3の組み立て時の作業性が向上する。
【0098】
第1の実施の形態によると、第1のアンテナカバー24の第2の溶着突起29が貫通する貫通部45は、その終端部51に第2の溶着突起29の挿入方向と直交する方向に延びる溝52a,52bを有している。この溝52a,52bの存在により、終端部51の開口幅L2が導入口50の開口幅L1よりも広がっている。
【0099】
このため、加熱ヘッドを第2の溶着突起29に押し付けた時に、図15ないし図17に示すように、溶けた樹脂29aが溝52a,52bおよび導入口50の開口端の双方に流れ込むとともに、ここで凝固する。
【0100】
このため、たとえ第2の溶着突起29を導入口50の方向にずらそうとする力を第1のアンテナカバー24が受けたとしても、溝52a,52bや貫通部45の内部で凝固した樹脂29aが上記力に対向する。
【0101】
したがって、第2の溶着突起29の先端部を熱的に押し潰すことで、第2の溶着突起29の軸方向および径方向への第1のアンテナカバー24の動きを制限することができ、第1のアンテナカバー24をディスプレイカバー14に強固に固定することができる。
【0102】
第2のアンテナカバー25の第2の溶着突起63が貫通する貫通部71は、その終端部73の開口幅L5が導入口72の開口幅L4を上回っており、終端部73に第2の溶着突起63が導かれた時点では、第2の溶着突起63の外周面と終端部73の開口縁との間に隙間が生じている。
【0103】
このため、加熱ヘッドを第2の溶着突起63に押し付けた時に、図26に示すように、溶けた樹脂63aが第2の溶着突起63と終端部73との間や導入口72の開口端に流れ込むとともに、ここで凝固する。
【0104】
このため、たとえ第2の溶着突起63を導入口72の方向にずらそうとする力を第2のアンテナカバー25が受けたとしても、第2の溶着突起63と終端部73との間で凝固した樹脂63aが上記力に対向する。
【0105】
したがって、第2の溶着突起63の先端部を熱的に押し潰すことで、第2の溶着突起63の軸方向およびこの軸方向とは直交する方向への第2のアンテナカバー25の動きを制限することができ、第2のアンテナカバー25をディスプレイカバー14に強固に固定することができる。
【0106】
加えて、第2のアンテナカバー25は、第1および第2の溶着突起62,63を熱的に押し潰す、いわゆる溶着のみでディスプレイカバー14に固定されている。このため、第2のアンテナカバー25をディスプレイカバー14の横から第2の開口23に組み込む構成を採用したにも拘らず、第2のアンテナカバー25の固定部分から金属製のねじを排除することができる。
【0107】
よって、アンテナ素子21d,21eの付近に金属製のねじが位置することはなく、アンテナ特性への悪影響を回避できる。
【0108】
第1の実施の形態によると、第1のアンテナカバー24は、第1ないし第3の係合爪30,31a,31bをディスプレイカバー14に引っ掛けることで、第1の開口22を覆った状態でディスプレイカバー14に仮止めされる。
【0109】
同様に、第2のアンテナカバー25は、第1ないし第3の係合爪64,65a,65bをディスプレイカバー14に引っ掛けることで、第2の開口23を覆った状態でディスプレイカバー14に仮止めされる。
【0110】
このため、第2の溶着突起28,63を熱的に押し潰す際に、第1および第2のアンテナカバー24,25がディスプレイカバー14の定位置からずれるのを防止できる。この結果、ディスプレイカバー14と第1のアンテナカバー24との境界部分、およびディスプレイカバー14と第2のアンテナカバー25との境界部分に段差や隙間が生じ難くなり、ポータブルコンピュータ1の外観が良好となる。
【0111】
さらに、第1のアンテナカバー24の第2の溶着突起29が差し込まれる貫通部45は、第1のカバー受け43の先端縁43aに開口している。これにより、貫通部が単なる孔である場合との比較において、第2の溶着突起29と貫通部45との溶着箇所をディスプレイカバー14の外周部の方向にずらすことができる。
【0112】
言い換えると、第1の開口22の開口形状を極力小さく抑えて、第1のアンテナカバー24をコンパクトに形成することができる。よって、第1のアンテナカバー24が目立ち難くなり、ポータブルコンピュータ1の外観的な面でも好都合となる。
【0113】
本発明は、上記第1の実施の形態に特定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施可能である。
【0114】
例えば、図27は本発明の第2の実施の形態を開示している。
【0115】
この第2の実施の形態では、貫通部45の終端部51に位置する溝52a,52bが、終端部51の互いに対向する位置から導入口50の反対側に向けて延びている。さらに、溝52a,52bは、導入口50から遠ざかるに従い互いに離間する方向に傾斜している。
【0116】
このような構成においても、加熱ヘッドを第2の溶着突起29に押し付けた時に、図27に示すように、溶けた樹脂29aが溝52a,52bおよび導入口50の開口端の双方に流れ込むとともに、ここで凝固する。したがって、第2の溶着突起29が貫通部45の導入口50から抜け出るのを防止することができる。
【0117】
図28は、本発明の第3の実施の形態を開示している。
【0118】
この第3の実施の形態の貫通部45は、導入口50と終端部51とを結ぶ一対の開口側縁81a,81bを有している。さらに、終端部51の開口幅L2は、導入口50の開口幅L1よりも大きくなっている。そのため、開口側縁81a,81bは、終端部51から導入口50の方向に進むに従い互いに近づく方向に傾斜している。この傾斜により、貫通部45は、導入口50から終端部51の方向に進むに従い次第に広く形成されている。
【0119】
このような構成によると、加熱ヘッドを第2の溶着突起29に押し付けた時に、図28に示すように、溶けた樹脂29aが第2の溶着突起29と貫通部45との間の隙間に流れ込むとともに、ここで凝固する。貫通部45の側縁81a,81bは、第2の溶着突起29の挿入方向に対し傾斜しているので、凝固した樹脂が開口側縁81a,81bに引っ掛かる。したがって、第2の溶着突起29が貫通部45の導入口50から抜け出るのを防止することができる。
【0120】
なお、上記第1の実施の形態において、例えば複数の第2の溶着突起のうちのいずれかの直径を、導入口の開口幅よりも僅かに大きく形成してもよい。この構成によれば、第2の溶着突起は、その外周面が貫通部の縁との接触により削られながら貫通部に差し込まれることになる。このため、貫通部と第2の溶着突起との接触部分に生じる摩擦抵抗により第1のアンテナカバーのがたつきが回避され、第1のアンテナカバーの組み込み作業を容易に行なうことができる。
【0121】
加えて、本発明はディスプレイカバーと第1および第2のアンテナカバーとを固定する構造に特定されるものではない。例えば金属製の第1の筐体に、赤外線ポートを有する合成樹脂製のフロントカバーを固定する構造に適用することも可能である。
【0122】
さらに、第1の部品と第2の部品の材質にしても上記第1の実施の形態に限らない。例えば、第1および第2の部品の双方を熱可塑性の合成樹脂材料あるいは金属材料で成形してもよい。溶着突起を有する第1の部品を金属製とする場合、この金属としてはアルミニウム合金を用いたり、あるいは溶着突起の少なくとも先端部を半田で形成することが望ましい。
【0123】
本発明に係る電子機器は、ポータブルコンピュータに特定されるものではない。例えば携帯型情報端末機器のようなその他の電子機器にも同様に実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るポータブルコンピュータの斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態において、ディスプレイユニットを背後から見たポータブルコンピュータの斜視図。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、第2の筐体、液晶表示パネルおよびタブレットの位置関係を示すディスプレイユニットの断面図。
【図4】図3のF4−F4線に沿う断面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態において、ディスプレイカバーに液晶表示パネルおよびタブレットを装着した状態を示す平面図。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るディスプレイカバーの平面図。
【図7】本発明の第1の実施の形態において、ディスプレイカバー、第1のアンテナカバーおよび第2のアンテナカバーの位置関係を示す斜視図。
【図8】本発明の第1の実施の形態において、ディスプレイカバーと第1のアンテカバーと位置関係を示す斜視図。
【図9】図8のF9部を拡大して示す斜視図。
【図10】本発明の第1の実施の形態において、ディスプレイカバーに第1のアンテカバーを組み付けた状態を示す斜視図。
【図11】本発明の第1の実施の形態において、ディスプレイカバーに第1のアンテカバーを組み付けた状態を示す平面図。
【図12】図11のF12−F12線に沿う断面図。
【図13】図11のF13−F13線に沿う断面図。
【図14】図11のF14−F14線に沿う断面図。
【図15】本発明の第1の実施の形態において、第2の溶着突起を熱的に押し潰した状態を示す断面図。
【図16】本発明の第1の実施の形態において、第2の溶着突起を熱的に押し潰した状態を示す断面図。
【図17】本発明の第1の実施の形態において、貫通部に溶けた樹脂が充填された状態を示す断面図。
【図18】本発明の第1の実施の形態において、ディスプレイカバーと第2のアンテナカバーとの位置関係を示す斜視図。
【図19】本発明の第1の実施の形態において、ディスプレイカバー、第1のアンテナカバーおよび第2のアンテナカバーの位置関係を示す斜視図。
【図20】本発明の第1の実施の形態において、ディスプレイカバーと第2のアンテナカバーとの位置関係を示す斜視図。
【図21】本発明の第1の実施の形態において、ディスプレイカバーに第1のアンテナカバーおよび第2のアンテナカバーを仮止めした状態を示す斜視図。
【図22】本発明の第1の実施の形態において、ディスプレイカバーに第2のアンテナカバーを仮止めした状態を示す斜視図。
【図23】本発明の第1の実施の形態において、第2のアンテナカバーの第2の溶着突起をディスプレイカバーの貫通部に差し込んだ状態を示す斜視図。
【図24】本発明の第1の実施の形態において、第2のアンテナカバーの第2の溶着突起をディスプレイカバーの貫通部に差し込んだ状態を示す平面図。
【図25】図22のF25−F25線に沿う断面図。
【図26】本発明の第1の実施の形態において、貫通部に溶けた樹脂が充填された状態を示す断面図。
【図27】本発明の第2の実施の形態に係る貫通部の平面図。
【図28】本発明の第3の実施の形態に係る貫通部の平面図。
【符号の説明】
【0125】
6…筐体(第2の筐体)、14…第2の部品(ディスプレイカバー)、21a,21b,21c,21d,21e…アンテナ素子、22,23…開口(第1の開口、第2の開口)、24,25…第1の部品(第1のアンテナカバー、第2のアンテナカバー)、28,29,62,63…溶着突起(第1の溶着突起、第2の溶着突起)、45,71…貫通部、50,72…導入口、51,73…終端部。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎


【公開番号】 特開2008−3714(P2008−3714A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−170443(P2006−170443)