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【発明の名称】 ジョイスティック型操作装置
【発明者】 【氏名】白井 貴博

【要約】 【課題】十字方向に移動可能な操作レバーを備えたものでありながら、旋回するような操作を実行可能にする。

【解決手段】本発明のジョイスティック型操作装置1は、中立位置に対して十字方向に移動可能に設けられた操作レバー3を備えたものにおいて、操作レバー3におけるユーザーがつかむ操作部15を、操作レバー3の軸心を中心として回動操作可能に設けると共に、操作部15の回動量及び回動方向に応じた信号を発生する信号発生手段を設けたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中立位置に対して十字方向に移動可能に設けられた操作レバーを備えたジョイスティック型操作装置において、
前記操作レバーにおけるユーザーがつかむ操作部を、前記操作レバーの軸心を中心として回動操作可能に設けると共に、
前記操作部の回動量及び回動方向に応じた信号を発生する信号発生手段を設けたことを特徴とするジョイスティック型操作装置。
【請求項2】
前記操作部の回動量を規制する回動規制部を備えたことを特徴とする請求項1記載のジョイスティック型操作装置。
【請求項3】
前記操作部を原点に復帰させる原点復帰手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のジョイスティック型操作装置。
【請求項4】
前記操作部に、手指等を掛ける手掛け部を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のジョイスティック型操作装置。
【請求項5】
前記信号発生手段は、回転型の可変抵抗器で構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のジョイスティック型操作装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、中立位置に対して十字方向に移動可能に設けられた操作レバーを備えたジョイスティック型操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばカーナビゲーション装置の操作装置の1つとして、ジョイスティックを備えた構成が知られている。ジョイスティックは、特許文献1に記載されているように、中立位置に対して十字方向(上下左右方向)に移動(傾動)可能に設けられた操作レバーを有している。例えば、カーナビゲーション装置の表示装置に地図を表示しているときに、表示装置の画面をスクロールさせたいような場合、上記ジョイスティックの操作レバーを上下左右方向に移動させることにより、スクロールを容易に行なうことができる。
【特許文献1】特開平5−276579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、カーナビゲーション装置においては、地図を3D的に表示することが可能なってきており、このような3D的表示において、実際に車が走行するように、曲がった道路に沿って3D的表示の地図をスクロールさせたいような場合、上記従来構成のジョイスティックでは、操作レバーを上下左右方向にしか操作できず、旋回するような操作を直感的に実行することができないため、操作感があまり良くなかった。
【0004】
これに対して、操作レバーを上下左右方向に加えて、上下左右方向の各中間の4つの方向(右斜め上、右斜め下、左斜め上、左斜め下)に移動可能なように構成したものが考えられている。しかし、この8方向に移動可能なジョイスティックの操作レバーであっても、旋回するような操作を実行することができないため、操作感は、やはりあまり良いとはいえなかった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、十字方向に移動可能な操作レバーを備えたものでありながら、旋回するような操作を実行することができるジョイスティック型操作装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のジョイスティック型操作装置は、中立位置に対して十字方向に移動可能に設けられた操作レバーを備えたものにおいて、前記操作レバーにおけるユーザーがつかむ操作部を、前記操作レバーの軸心を中心として回動操作可能に設けると共に、前記操作部の回動量及び回動方向に応じた信号を発生する信号発生手段を設けたところに特徴を有する。
【0007】
上記構成の場合、前記操作部の回動量を規制する回動規制部を備えることが好ましい。また、前記操作部を原点に復帰させる原点復帰手段を備えることがより一層好ましい。更に、前記操作部に、手指等を掛ける手掛け部を設けることが良い構成である。更にまた、前記信号発生手段を、回転型の可変抵抗器で構成することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明のジョイスティック型操作装置によれば、十字方向に移動可能に設けられた操作レバーにおけるユーザーがつかむ操作部を、前記操作レバーの軸心を中心として回動操作可能に設けると共に、前記操作部の回動量及び回動方向に応じた信号を発生する信号発生手段を設ける構成としたので、十字方向に移動可能な操作レバーを備えたものでありながら、操作レバーの操作部を回動操作することにより、旋回するような操作を実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。まず、図1は、本実施例のジョイスティック型操作装置の全体構成を示す斜視図である。ジョイスティック型操作装置1は、操作装置本体2と、この操作装置本体2に中立位置に対して十字方向に移動可能に設けられた操作レバー3とから構成されている。尚、操作レバー3の図1に示す位置が、中立位置である。
【0010】
操作装置本体2は、上面が開口した矩形箱状のケース4(図5参照)と、このケース4の上面開口部を塞ぐカバー5(図4参照)と有している。カバー5には、ケース4の内面部に設けられた係合凹部(図示しない)と係合する係合爪5bが形成されている。ケース4内には、図5に示すように、節度山ブロック6と、プリント配線基板7とが配設されている。節度山ブロック6には、操作レバー3を十字方向に移動可能にすると共に操作レバー3に節度感を与える十字状の溝8が形成されている。
【0011】
この十字状の溝8の十字方向の枝溝部8a、8b、8c、8dの各先端部の内面部には、図6に示すような検出スイッチ9が配設されている。各検出スイッチ9は、操作レバー3の十字方向(左右上下方向)の移動を検出するスイッチである。各検出スイッチ9のリード端子(リード線)は、上記プリント配線基板7に接続されている。プリント配線基板7には、コネクタ10が配設されている。このコネクタ10は、ケース4の底部に形成された開口部4aに臨むようになっており、該コネクタ10には外部から導かれたケーブルのコネクタ(いずれも図示しない)が開口部4aを介して接続される。
【0012】
一方、操作レバー3は、図1及び図4に示すように、下部レバー部11と、この下部レバー部11に連結された上部レバー部12とから構成されている。下部レバー部11は、図4に示すように、内部が中空状に形成されており、プッシャ部11aと、鍔部11bと、連結部11cとを有している。この場合、連結部11cにコイル状の復元力ばね13を装着すると共に、該連結部11cをカバー5に形成された貫通孔5aに挿通させた後、連結部11cの上端部に上部レバー部12の中空状の下端部を嵌合させて連結している。復元力ばね13は、鍔部11bとカバー5との間に介装されている。
【0013】
尚、下部レバー部11の中空部内には、上部レバー部12から導かれたケーブル(図示しない)が挿通され、このケーブルはプッシャ部11aの上部外周部に形成された開口11dから外部へ導出されるように構成されている。この導出されたケーブルは、図5に示すように、節度山ブロック6に形成された貫通孔8eを通ってプリント配線基板7に接続されている。
【0014】
さて、上部レバー部12は、図1ないし図3に示すように、レバー本体14と、このレバー本体14の上部に回動操作可能に設けられた操作部である回転ノブ15とを有している。レバー本体14は、図2及び図3に示すように、ユーザーが手指で握る(把持)する径大部14aと、この径大部14aに連続して下方へ伸びる径小なレバー部14bとを有している。径大部14aはカップ状に形成されている、即ち、径大部14aには凹部が形成されている。レバー部14bは中空状に形成されており、径大部14aの凹部と連通している。
【0015】
径大部14aの上面開口部は、円形の板部材16で閉塞されている。この板部材16の上面には、細長板状の回転部材17が板部材16の中心を回転中心として回転可能に設けられている。回転部材17の両端部には、突片部17a、17bが下方へ向けて突設されており、回転部材17の中央部には、円柱部17cが形成されている。回転部材17は、円柱部17cの外周に装着されたコイル状の復元力ばね18により、原点位置(図1、図2、図7に示す位置)に復帰するように構成されている。この場合、復元力ばね18が原点復帰手段を構成している。
【0016】
板部材16の上面の周縁部には、回転部材17の突片部17a、17bに当接することにより、回転部材17の回転を規制する回転規制凸部16a、16b、16c、16dが形成されている。回転規制凸部16a、16cが、回転部材17の図3中矢印A方向の回転量を規制し、回転規制凸部16b、16dが、回転部材17の図3中反矢印A方向の回転量を規制する。本実施例の場合、図7に示すように、回転部材17は、矢印A方向及び反矢印A方向にそれぞれ例えば40度回転(回動)可能なように規制されている。この場合、回転規制凸部16a、16b、16c、16dが回動規制部を構成している。
【0017】
板部材16の下方には、回転型の可変抵抗器19が配設されており、この可変抵抗器19の回転軸19aは、板部材16の中心に形成された貫通孔を挿通して回転部材17の円柱部17cの下部に連結されている。これにより、回転部材17を回転操作すると、可変抵抗器19の回転軸19aが回転操作される構成となっている。この場合、可変抵抗器19が信号発生手段を構成している。
【0018】
上記可変抵抗器19は、径大部14aの凹部内に配設されたプリント配線基板20上に実装されている。プリント配線基板20から導出されたケーブル(リード線)21は、レバー部14bの中空部内を通って下方へ導かれ、図4にも示すように、下部レバー部11の中空部内を通り、プッシャ部11aの開口11dから外部へ導出される構成となっている。
【0019】
また、図2に示すように、回転部材17には、上方から回転ノブ15と環状部材22が一体に回転するように連結されている。環状部材22の内周部には、回転部材17の両端部と嵌合する嵌合凹部22a、22bが形成されている。また、回転ノブ15には凹部が形成されていると共に、該回転ノブ15の内周部には回転部材17の両端部と嵌合する嵌合凹部15a、15bが形成されている。
【0020】
この場合、環状部材22の嵌合凹部22a、22bを回転部材17の両端部に嵌合させると共に、回転ノブ15の嵌合凹部15a、15bを回転部材17の両端部に嵌合させることにより、回転ノブ15と環状部材22を回転部材17に一体に回転するように固定している。これにより、回転ノブ15は、操作レバー3の軸心(回転部材17の回転中心)を中心として回動操作可能な構成となっている。
【0021】
また、環状部材22の外周部には、ユーザーの手指等を掛ける手掛け部22c、22cが形成されている。図1に示すように、ユーザーは、手指等で回転ノブ15を握る(把持する)と共に、手指等を環状部材22の手掛け部22c、22cに掛けることにより、回転ノブ15(及び環状部材22)ひいては回転部材17を容易に回動操作することが可能なように構成されている。
【0022】
尚、レバー本体14の径大部14aの外周部には、図2に示すようにノブカバー23、24が取り付けられている。
また、上記構成の場合、操作レバー3を十字方向に移動させると、例えば図1中矢印P方向に移動させると、操作レバー3のプッシャ部11aが節度山ブロック66の溝8の枝溝部8a(図5参照)の先端部へ移動して検出スイッチ9をオンするようになっている。同様にして、操作レバー3を図1中反矢印P方向に移動させると、操作レバー3のプッシャ部11aが節度山ブロック66の溝8の枝溝部8cの先端部へ移動して検出スイッチ9をオンする。
【0023】
更に、操作レバー3を図1中矢印Q方向に移動させると、操作レバー3のプッシャ部11aが節度山ブロック66の溝8の枝溝部8bの先端部へ移動して検出スイッチ9をオンし、操作レバー3を図1中反矢印Q方向に移動させると、操作レバー3のプッシャ部11aが節度山ブロック66の溝8の枝溝部8dの先端部へ移動して検出スイッチ9をオンするようになっている。
【0024】
また、ユーザーが手指等で操作レバー3の回転ノブ15をつかむと共に、手指等を環状部材22の手掛け部22cに掛け、手指等で回転ノブ15及び環状部材22を回動操作すると、回転部材17ひいては可変抵抗器19の回転軸19aが回転される。これにより、可変抵抗器19から回転ノブ15の回動量及び回動方向に応じた信号が出力(発生)されるようになっている。
【0025】
尚、操作レバー3は、押し込み操作可能な構成となっており、この操作レバー3を押し込み操作すると、プッシャ部11aが、該プッシャ部11aの下方に設けられたマイクロスイッチ(図示しない)をオンするように構成されている。
【0026】
このような構成の本実施例によれば、中立位置に対して十字方向に移動可能に設けられた操作レバー3の回転ノブ15(操作部)を、操作レバー3の軸心を中心として回動操作可能に設けると共に、回転ノブ15の回動量及び回動方向に応じた信号を発生する可変抵抗器19(信号発生手段)を設ける構成としたので、3D的表示の地図をスクロールさせたいような場合に、十字方向に移動可能な操作レバー3を備えたジョイスティック型操作装置1でありながら、回転ノブ15を回動操作することにより、旋回するような操作を直感的に実行することができる。
【0027】
また、上記実施例では、図7に示すように、回転規制凸部16a〜16dにより回転ノブ15(回転部材17)の回動量を例えばほぼ40度となるように規制したので、ユーザーが回転ノブ15を回動操作しすぎたりすることを防止できる。
【0028】
更に、上記実施例では、回転ノブ15(回転部材17)を復元力ばね18により、原点位置(図1、図2、図7に示す位置)に復帰させるように構成したので、ユーザーは回転ノブ15を回動操作した後、回転ノブ15から手指等を離せば、回転ノブ15は原点位置に復帰する。更にまた、回転ノブ15の下部の環状部材22に手指等を掛ける手掛け部22c、22cを設けたので、ユーザーは、回転ノブ15及び環状部材22を回動操作し易い。
【0029】
尚、上記実施例においては、信号発生手段を回転型の可変抵抗器19で構成したが、これに代えて、ロータリエンコーダ等で構成しても良い。また、上記実施例においては、操作レバー3を十字方向に移動可能なように構成したが、これに限られるものではなく、十字方向に加えて斜め方向の4方向にも(合わせて8方向に)移動可能なように構成しても良い。
【0030】
更に、上記実施例においては、操作レバー3を十字方向に移動可能なように構成すると共に節動感を与えるのに際して、節度山ブロック6と復元力ばね13を用いるように構成したが、これに代えて、他の周知の構成(特許文献1や特開2000−339051号や特開2004−110251号等)を適宜用いるように構成しても良い。
【0031】
また、上記実施例では、回転規制凸部16a〜16dにより回転ノブ15(回転部材17)の回動量を例えばほぼ40度となるように規制したが、これに限られるものではなく、規制する回動量の値は適宜設定すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施例を示すジョイスティック型操作装置の斜視図
【図2】操作レバーの上部側の分解斜視図
【図3】レバー本体の上部側の分解斜視図
【図4】カバーと操作レバーの下部側の分解斜視図
【図5】操作レバーの下部側と操作装置本体の分解斜視図
【図6】検出スイッチの斜視図
【図7】回転ノブの回動量を説明するための図であって、ジョイスティック型操作装置の上面図
【符号の説明】
【0033】
図面中、1はジョイスティック型操作装置、2は操作装置本体、3は操作レバー、4はケース、5はカバー、6は節度山ブロック、7はプリント配線基板、8は溝、9は検出スイッチ、13は復元力ばね、14はレバー本体、15は回転ノブ(操作部)、16a、16b、16c、16dは回転規制凸部(回動規制部)、17は回転部材、18は復元力ばね(原点復帰手段)、19は回転型の可変抵抗器(信号発生手段)、20はプリント配線基板、22は環状部材、22cは手掛け部を示す。
【出願人】 【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
【出願日】 平成18年11月21日(2006.11.21)
【代理人】 【識別番号】100071135
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 強


【公開番号】 特開2008−129859(P2008−129859A)
【公開日】 平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願番号】 特願2006−314333(P2006−314333)