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【発明の名称】 操作レバー保持装置及び操作レバー保持装置の位置調整方法
【発明者】 【氏名】津田 佳寿

【要約】 【課題】操作レバーの保持装置において保持部材の吸着面の角度が調整できず、吸着力が弱くなることがあった。

【構成】保持装置31は自重により回転体38に付勢力を与える磁石44と磁石44を保持する回転体38を備えており、操作レバー30をストロークエンドまで移動させた状態で磁石44と操作レバー30に連動する接触部33aを吸着させて回転体38の回転位置を調整する。回転体38は回転位置の調整後、ネジ46とネジ座42により付勢方向への回転が規制されるとともに、ネジ47によりさらに付勢方向とは逆方向への回転が規制され、固定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾動可能に設けられた操作レバーを所定の傾動位置にて保持する操作レバー保持装置において、
前記操作レバーとともに傾動する第一吸着部と、
吸着力により前記第一吸着部と吸着する第二吸着部と、
前記第二吸着部を回転可能に支持する回転体と、
前記回転体を一の回転方向に付勢する付勢手段と、
前記回転体を前記第二吸着部が前記第一吸着部と対向する位置で固定する固定手段とを備えたことを特徴とする操作レバー保持装置。
【請求項2】
前記第一吸着部は磁性体であり、
前記第二吸着部は磁石であるとともに、前記付勢手段を兼用する請求項1に記載の操作レバー保持装置。
【請求項3】
前記回転体を固定するための第一固定部を備え、
前記回転体には、ネジとネジ座からなる第一ネジ部がネジの突出量を調整可能に設けられ、
前記固定手段は、前記第一固定部に前記第一ネジ部を当接させることにより、前記付勢手段が前記回転体に与える付勢力の付与方向への前記回転体の回転を規制し、前記回転体の位置を固定する請求項1又は請求項2に記載の操作レバー保持装置。
【請求項4】
前記回転体を固定するための第二固定部を備え、
前記回転体には、ネジとネジ座からなる第二ネジ部がネジの突出量を調整可能に設けられ、
前記固定手段は、前記第二固定部に前記第二ネジ部を当接させることにより、前記付勢手段が前記回転体に与える付勢力の付与方向とは逆方向への前記回転体の回転を規制し、前記回転体の位置を固定する請求項3に記載の操作レバー保持装置。
【請求項5】
傾動可能に設けられた操作レバーを所定の傾動位置にて保持する操作レバー保持装置の位置調整方法であって、
前記操作レバー保持装置は、前記操作レバーとともに傾動する第一吸着部と、
吸着力により前記第一吸着部と吸着する第二吸着部と、
前記第二吸着部を回転可能に支持する回転体と、
前記回転体を一の回転方向に付勢する付勢手段と、
前記回転体を前記第二吸着部が前記第一吸着部と対向する回転位置にて固定する固定手段とを備えており、
前記操作レバーを所定の傾動位置まで移動させ、
次に前記第一吸着部と前記第二吸着部を吸着させて前記回転体の位置を調整し、
その後、前記回転体の位置を前記固定手段により固定する操作レバー保持装置の位置調整方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば産業車両に装備される操作レバーを所定位置に保持させるための操作レバー保持装置及び該操作レバー保持装置の位置調整方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、フォークリフト等の産業車両は、荷の搬送及び荷役作業に用いられており、フォークリフトには荷役作業用の操作レバーとしてリフトレバーやチルトレバーが備えられている。運転者はリフトレバーをその中立位置から車両の前方若しくは後方などに操作し、フォークリフトの荷役具であるフォークを昇降させて荷役作業を行う。ところで、荷の段積みや高所への荷積み込みなど高揚高の荷役作業では、低揚高から高揚高までのフォークの移動距離が長くなる。フォークの移動距離が長くなるにともない、荷役レバーを操作する時間は長くなり、運転者は荷役レバーをしばらく操作し続けなければならなかった。つまり、低揚高から高揚高まで荷を昇降させる際に運転者は荷役レバーを中立位置から車両の前後方向に操作し、その状態を保持していなければならなかった。そこで、操作レバーの保持装置が考案されている(特許文献1参照)。
【0003】
図5(a),(b)に示す操作レバー(「30」を付すリフトレバー)の保持装置は、操作レバーの下部に磁性体(「33a」を付す接触部)を備えるとともに、保持部材としての磁石(「44」を付す)が設けられており、操作レバーの車両後方側のストロークエンドの位置で磁石と磁性体が当接するように設けられている。
【特許文献1】実開平5−36518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、操作レバーの保持装置は、フォークリフトの組立て時に磁石の接触面と磁性体の接触面が当接するように保持装置の位置を調整し、固定している。保持装置が取り付けられるL字パネル(「34」を付す)は、ネジ孔が車両前後方向に長孔形状となっており、保持装置の位置調整方法として、車両の前後方向に保持装置を若干移動させて位置調整が行えるようになっている。しかし、ネジ孔による位置調整方法では、保持装置の車両前後方向の位置は調整できても保持装置に設けられた磁石の接触面の角度を調整することはできなかった。そのため磁石及び磁性体の接触面は、保持装置等の各部材が製造誤差や組立て誤差により必ずしも平行に対向する場合ばかりでなく、接触面の一部のみが接触する状態があった。磁石及び磁性体の接触面が一部のみ接触する場合は磁石及び磁性体間の吸着力が弱く、荷役等のわずかな振動が加わっただけでも磁石及び磁性体が離れてしまうことがあり、操作レバーは保持装置に保持されている状態から外れて保持されなくなることがあった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、その目的は、操作レバーを確実に保持することができる操作レバー保持装置及び操作レバーの保持装置の位置調整方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、傾動可能に設けられた操作レバーを所定の傾動位置にて保持する操作レバー保持装置において、前記操作レバーとともに傾動する第一吸着部と、吸着力により前記第一吸着部と吸着する第二吸着部と、前記第二吸着部を回転可能に支持する回転体と、前記回転体を一の回転方向に付勢する付勢手段と、前記回転体を前記第二吸着部が前記第一吸着部と対向する位置で固定する固定手段とを備えたことを要旨とする。
【0007】
これによると、第二吸着部は回転体に支持されることで回転可能とされているとともに、回転体は固定手段により第二吸着部が第一吸着部に対向する位置で固定される。したがって、回転体に設けられた第二吸着部の位置を自在に変更でき、第一吸着部に対向する位置で固定することができるので、操作レバーを確実に保持することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の操作レバー保持装置において、前記第一吸着部は磁性体であり、前記第二吸着部は磁石であるとともに、前記付勢手段を兼用することを要旨とする。
【0009】
これによると、吸着部は磁性体であり、保持部は磁石であるため、簡単で確実に吸着することができる。また、磁石を付勢手段として兼用しているので部品点数の増加を抑制できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の操作レバー保持装置おいて、前記回転体を固定するための第一固定部を備え、前記回転体には、ネジとネジ座からなる第一ネジ部がネジの突出量を調整可能に設けられ、前記固定手段は、前記第一固定部に前記第一ネジ部を当接させることにより、前記付勢手段が前記回転体に与える付勢力の付与方向への前記回転体の回転を規制し、前記回転体の位置を固定することを要旨とする。
【0011】
これによると、回転体に備えられた突出量調整可能な第一ネジ部が第一固定部に当接するため、回転体の付勢力の付与方向への回転を規制することができる。したがって、一度第一ネジ部の突出量を調整するだけで回転体の位置を調整して配置できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の操作レバー保持装置おいて、前記回転体を固定するための第二固定部を備え、前記回転体には、ネジとネジ座からなる第二ネジ部がネジの突出量を調整可能に設けられ、前記固定手段は、前記第二固定部に前記第二ネジ部を当接させることにより、前記付勢手段が前記回転体に与える付勢力の付与方向とは逆方向への前記回転体の回転を規制し、前記回転体の位置を固定することを要旨とする。
【0013】
これによると、回転体に備えられた突出量調整可能な第二ネジ部が第二固定部に当接するため、回転体の付勢力の付与方向とは逆方向への回転を規制して固定することができる。したがって、一度第二ネジ部の突出量を調整するだけで回転体の位置を固定できる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、傾動可能に設けられた操作レバーを所定の傾動位置にて保持する操作レバー保持装置の位置調整方法であって、前記操作レバー保持装置は、前記操作レバーとともに傾動する第一吸着部と、吸着力により前記第一吸着部と吸着する第二吸着部と、前記第二吸着部を回転可能に支持する回転体と、前記回転体を一の回転方向に付勢する付勢手段と、前記回転体を前記第二吸着部が前記第一吸着部と対向する回転位置にて固定する固定手段とを備えており、前記操作レバーを所定の傾動位置まで傾動させ、次に前記第一吸着部と前記第二吸着部を吸着させて前記回転体の回転位置を調整し、その後、前記回転体の回転位置を前記固定手段により固定することを要旨とする。
【0015】
これによると、操作レバーを所定の傾動位置まで傾動させ、第一吸着部と第二吸着部を吸着させた後、回転体の位置を調整し固定手段により固定する。したがって、回転体に設けられた第二吸着部の位置を自在に変更でき、第一吸着部に対向する位置で固定することができるので、操作レバーを確実に保持することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、操作レバーを確実に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下に本発明をフォークリフトに具体化した一実施形態を図1から図4に基づき説明する。以下に説明する「前」「後」「左」「右」「上」「下」は、フォークリフトの運転者が運転座席22に着席し、フォークリフトの前方(前進方向)を向いた状態を基準とした場合の「前」「後」「左」「右」「上」「下」を示すものとする。
【0018】
図1に示すように、フォークリフトの車体10の下部前方には一対の走行輪11が配置されるとともに、下部後方には一対の操舵輪12が配置されている。車体10の中央には、図示しないエンジンが搭載され、そのエンジンの上部を覆うようにエンジンフード13が設置されている。そして、このエンジンの駆動力により走行輪11が回転されて、車体10が前進走行又は後進走行されるとともに、荷役装置14が昇降または傾動されて、荷役作業が行われる。
【0019】
ここで、荷役装置14について説明する。荷役装置14は車体の前部にマスト15が立設されており、マスト15は左右一対のアウタマスト16とインナマスト17からなる多段式(本実施形態では2段式)とされている。アウタマスト16には、マスト15を車体10の前後に傾動(前傾又は後傾)させる油圧式のチルトシリンダ18が連結され、インナマスト17には、フォーク19を車体の上下に昇降(上昇又は下降)させる油圧式のリフトシリンダ20が連結されている。チルトシリンダ18及びリフトシリンダ20は車体内部の油圧装置に繋がっており、作動油の供給を受け伸縮自在となっている。また、左右一対のフォーク19はリフトブラケット21を介しマスト15に備えられ、荷役作業は、このフォーク19に図示しないパレット等を介して荷を載せて昇降させることにより行われる。
【0020】
エンジンフード13の上部には運転座席22が設けられている。運転者が運転座席22に着座した状態で運転者の足元であるフロア23にはアクセルペダル24とブレーキペダル25が配置されている。運転座席22の前方には、ダッシュパネル26が配置され、ダッシュパネル26の中央上方にはステアリング27が装備されている。また、ステアリング27の右側にはチルト操作を行うチルトレバー29とリフト操作を行うためのリフトレバー30とが配置されている。
【0021】
以下、図2から図4を基にリフトレバー30とその保持装置31について説明する。
図2(a)においてリフトレバー30は、運転者が操作する操作部30aと操作部30aを支持するレバー部30bからなる。操作部30aは運転者が握りやすいように略円柱形状をしており、その中央よりやや上側で円柱半径が大きくなるように膨らみを持たせている。レバー部30bは、円柱形状の棒であり、レバー部30bの中央より多少上側で運転者側に近くなるよう車両の後方(図2において右方向)に向けて傾けられている。また、レバー部30bはその下方部側面で油圧装置のパイロットバルブ32に接続される操作板33に固定されている。操作板33は、鋼材でできた薄板状であり、下方では車両の後方に向けて曲げられた第一吸着部(磁性体)としての接触部33aを形成している。本実施形態では、接触部33aは操作板33に対し略10度の角度で曲げられている。
【0022】
操作板33に接続されるパイロットバルブ32の基端部32aは、樹脂カバーで覆われており、回転中心Cを中心として基端部32aの操作板33側が傾動可能となっている。本実施形態では、リフトレバー30の傾動角は、略10度に設定してあり、車両後方側にリフトレバー30を傾動させると接触部33aは車体に対し鉛直状態となる(図2(b)参照)。操作板33に接続されるパイロットバルブ32は、ブラケット部32bを有しており、車体10に設けられたL字パネル34に図示しない締結具(例えばボルトとナット)を用いて固定されている。パイロットバルブ32は、L字パネル34を貫通し車両後方側に油圧回路部32cを有しており、荷役装置14を動作させる油圧装置を構成している。
【0023】
L字パネル34には、図4に示すように、下部前方に保持装置31がボルト35aとナット35bにより固定されている。L字パネル34の保持装置31を取り付ける孔36は楕円形形状をしており、前後方向に固定位置を若干調節できるようになっている。
【0024】
保持装置31は、コ字ブラケット37によりL字パネル34に固定されている。コ字ブラケット37は、金属の薄板であり、平らな底部と、該底部の左右両端から垂直方向に立設し、対向する左右一対の側壁から構成される。コ字ブラケット37の側壁の中央にはピン39を嵌合するための図示しない孔が設けられており、さらに、ピン39を固定するための図示しないボルト孔が設けられている。図3に示すようにコ字ブラケット37の車両左側(図面手前側)の側壁にはピン39がボルト40により回転しないように固定されており、対向する他方の側壁には第一固定部(固定手段)としての基準部41が、側壁の上部の車両後方側の端部から対向する側壁に向かって突設されている。
【0025】
ピン39の直径よりわずかに大きい内径である円筒形状をした回転体38は、その外周面に第一ネジ部(固定手段)としてのネジ座42と第二ネジ部(固定手段)としてのネジ座43を備えるとともに、さらに、第二吸着部としての磁石44を保持するL字ブラケット45を支える支持部38aを備えている(図3参照)。第一ネジ部(固定手段)としてのネジ46がネジ座42に螺合され、ネジ座42は、ネジ46がネジ座42より突出して基準部41に当接するように回転体38の車両右側方向(図3において奥行き方向)の端部付近に鉛直上方に突設されている。第二ネジ部(固定手段)としてのネジ47がネジ座43に螺合され、ネジ座43は、回転体38の長さ方向中央付近の外周面上に車両前方に向いてネジ座42と角度がほぼ90度ずれるように設けられている。なお、ネジ47はネジ座43から下方向に突出するように螺合し、第二固定部(固定手段)としてのコ字ブラケット37に当接する。L字ブラケット45を支える支持部38aは、回転体38の長さより基準部41の突出長さだけ短い平板形状であり、回転体38に一体成形されている。支持部38aには、取り付け用のネジ穴48が両端に二つずつ、計4つ設けられており、L字ブラケット45はネジ49によって回転体38の支持部38aに固定されている。L字ブラケット45には磁石44が接着固定されている。なお、磁石44は回転体38にピン39を回転中心にして回転力を与える付勢手段としての錘を兼ねている。磁石44には、回転体38と反対側に操作板33の接触部33aとの接触を容易にするための接触面44aを突設している。
【0026】
次に、保持装置31の位置調整方法について説明する。
保持装置31の位置を調整するには、まず、ネジ46及びネジ47を緩める。ネジ46とネジ47を緩めると回転体38は回転自在となり、回転体38に一体に固定されている磁石44の重さが付勢力となり磁石44を下方に下げる方向に回転体38を回転させる。このとき、L字ブラケット45を支持する支持部38aは回転体38の外周面から上方よりも下方が長めに設けてあるので、回転体38の回転にともないコ字ブラケット37やナット35bに当接する位置で回転体38は静止する状態となる。
【0027】
次に、リフトレバー30をリフトレバー30の最大傾斜角度まで車両後方側に引いて傾ける。すると、リフトレバー30とともに傾動する操作板33の接触部33aが磁石44の接触面44aに接近し、吸着力により接触部33aと接触面44aが吸着する。ここで、接触面44aの角度、つまり、磁石44の角度を調整し、接触部33aに接触面44aが全面で接触するように回転体38の位置を調整する。このとき、ネジ46を回してネジ座42と基準部41との間の距離を調整することで、回転体38(接触面44a)の角度の調整及び固定を行う。回転体38(接触面44a)は、例えば、ネジ座42と基準部41の距離を広げるようにネジ46を締め込むと左方向(付勢方向とは逆方向)へ回転するため、この回転体38の動きを利用して角度を調整する。
【0028】
このように接触面積を十分に確保した後、その状態を維持しながら、ネジ47をネジ座43に締め込み作業を行い、ネジ47の先端をコ字ブラケット37の底部に当接させる。そして、ネジ47を締め込み、コ字ブラケット37に圧接させることにより、回転体38が付勢力の付勢方向とは逆方向に回転することを規制しつつ、保持装置31の位置を調整し固定する。また、回転体38は、ネジ46が基準部41に圧接されるので、付勢力の付与方向への回転も規制される。
【0029】
次に、以上のように構成された前記リフトレバー30の保持装置31の作用について説明する。
運転者はフォークを上昇させるためリフトレバー30の操作部30aを車両後方に引く操作を行う。リフトレバー30は操作部30aが車両後方に引かれることで、レバー部30bとレバー部30bに繋がっている操作板33がともにパイロットバルブ32の回転中心Cを中心にして傾動される。パイロットバルブ32は基端部32aの内部に設けられた操作板33の変移を検出する部材により、検出量に応じ油圧装置を駆動させ、リフトシリンダ20を伸縮させる。これによりフォークを上昇させ荷役を行う。
【0030】
フォークを低揚高から高揚高まで昇降させる場合、運転者はリフトレバー30をストロークエンドまで傾動させる。このとき、前記方法により固定された保持装置31の磁石44に操作板33の接触部33aが吸着力により吸着し、運転者が手をリフトレバー30から離しても、リフトレバー30はストロークエンドに保持される。これにより、パイロットバルブ32は、リフトレバー30とともに傾動する操作板33の変移を検出し、油圧装置を駆動させるので、フォークが上昇を続けることができる。なお、フォーク19の上昇を止めるには、運転者がリフトレバー30を磁石44の吸着力に抗し、車両前方に操作することで操作板33の接触部33aは磁石44から離れるとともに、リフトレバー30も中立位置に戻すことができる。
【0031】
以上のように、本実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)リフトレバー30の保持装置31において磁石44を有した回転体38と回転体38を固定するためのネジ46とネジ47を設けたことにより、磁石44の接触面44aの角度を自由に設定することでき、磁石44と接触面44aを十分に吸着させリフトレバー30を確実に保持できる。
【0032】
(2)本実施形態では、鋼材の操作板33と磁石44を用いるため、簡単な構成で吸着力を発揮することができる。
(3)磁石44はその自重により回転体38に一方向に回転させる付勢力を与える付勢手段を兼ねており、新たに付勢手段を設ける必要が無く、部品点数の増加を抑制できる。
【0033】
(4)ネジ46とネジ47のネジ締め込み量を調整し、ネジの当接だけで、回転体38の回転位置調整や回転体38の固定を行うことができ、構成が簡単である。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
【0034】
○ 磁石44は回転体38の支持部38aではなく、操作板33の接触部33aに設けても良い。接触部33aに磁石を設けた場合、支持部38aは被磁性体であれば吸着力によりリフトレバーを保持することができる。また、支持部38aと接触部33aの両側に磁石を設けても良い。ともに磁石とすることで、より強く吸着することができる。
【0035】
○ 付勢手段としてバネを用いても良い。この場合、ネジ座43のような回転体38の外周面に突起部を設け、該突起部とコ字ブラケット37の底部によりバネを挟め込むように設ければ良い。これにより、付勢力が常に付与方向に加わる。したがってネジ47を締め込み回転体38の回転を規制する手間が省ける。
【0036】
○ 基準部41にネジ座を設けるとともに車両後方側よりネジ46を嵌合し、ネジ座42はネジ穴を設けず基準部41の代わりに用いても良い。これにより、ネジ座は回転することのないコ字ブラケット37に設けられるため、ネジ46を締め込む作業が安定し、容易となる。
【0037】
○ 本願発明はリフトレバー30に適用したが、チルトレバー29に適用しても良い。チルトレバー29を保持する保持装置31に適用しても、チルトレバー29を確実に保持できる。
【0038】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記回転体の角度を調整する調整手段を備え、前記調整手段は、ネジとネジを螺号させるネジ座と、ネジ座に対向配置されて前記ネジが当接される調整部とからなり、前記回転体には前記ネジ座又は調整部の何れか一方が設けられており、ネジ座と調整部との間の距離を前記ネジの締め込みにより調整することで前記回転体の位置を調整する請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の操作レバー保持装置。
【0039】
(ロ)傾動可能な操作レバーに設けた第1吸着部と車両側に設けるとともに前記第1吸着部に吸着する第2吸着部を有し、前記操作レバーの傾動にともなって前記第1吸着部を前記第2吸着部に吸着させることにより前記操作レバーを所定位置に保持する操作レバー保持装置における前記第2吸着部の設置位置を調整する前記操作レバー保持装置の位置調整方法において、前記第2吸着部は、前記第一吸着部に対向した状態で、かつ前記操作レバーの傾動方向と同一方向に傾動可能な構成とされており、前記第2吸着部を傾動可能に開放した状態で前記操作レバーを最大傾動位置に向けて傾動させて前記第1吸着部を前記第2吸着部に吸着させ、次に前記第1吸着部と前記第2吸着部の吸着状態を維持しながら前記吸着状態を調整するとともに前記操作レバーの最大傾動位置にて前記第2吸着部を傾動不能に固定し、その後に前記操作レバーを逆方向に傾動させて前記第一吸着部と前記第2吸着部の吸着状態を解消させることを特徴とする操作レバー保持装置の位置調整方法。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】フォークリフト側面図。
【図2】(a),(b)は、荷役レバー及び本実施形態の保持装置。
【図3】本実施形態の保持部材斜視図。
【図4】図3の断面図。
【図5】(a),(b)は、荷役レバーと従来の保持装置。
【符号の説明】
【0041】
14…荷役装置、15…マスト、18…チルトシリンダ、30…リフトレバー、30a…操作部、30b…レバー部、31…保持装置、33…操作板、33a…接触部、34…L字パネル、37…コ字ブラケット、38…回転体、38a…支持部、39…ピン、41…基準部、42…ネジ座、42…ネジ座、44…磁石、44a…接触面、45…L字ブラケット、46…ネジ、47…ネジ、48…ネジ穴。
【出願人】 【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
【出願日】 平成18年8月31日(2006.8.31)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣

【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠


【公開番号】 特開2008−59303(P2008−59303A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−235786(P2006−235786)