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【発明の名称】 操作レバー装置
【発明者】 【氏名】太田 能司

【氏名】飯野 啓司

【要約】 【課題】本発明は、操作性が向上し、手が疲れ難く、握ったときの感触がよい操作レバー装置を提供する。

【構成】操作レバー装置19は、手Hhの幅に対応する長さの指掛け握り部67の中心線Cfが操作ハンドル18の左グリップ37の中心線Cgに対して、機体幅方向(Y軸方向)の外方(矢印a2の方向)にオフセット量Kだけオフセットしている。指掛け握り部67は、樋形状に形成され、底部の一方に連なる第1側部82と、他方に連なる第2側部83と、を備え、第2側部83が歩行型管理機の中心線Cmに向けて配置されている。第2アールr2は、第1アールr1より小さい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作ハンドルにブラケットを介して揺動自在に配置され、握り操作される操作レバーを備えた操作レバー装置において、
前記操作レバーは、手の幅に対応する長さの指掛け握り部の長手方向の中心線が前記操作ハンドルのグリップの長手方向の中心線に対して、機体幅方向外方にオフセットしていることを特徴とする操作レバー装置。
【請求項2】
前記ブラケットは、その長手方向の中心線が前記グリップの長手方向の中心線に対して、機体幅方向外方にオフセットされ、該ブラケットに前記操作レバーが取付けられていることを特徴とする請求項1記載の操作レバー装置。
【請求項3】
前記指掛け握り部は、樋形状に形成され、底部と、底部の一方に連なる第1側部と、底部の他方に連なる第2側部と、からなり、前記第2側部が機体の中心に向けて配置され、第1側部の第1アールと第2側部の第2アールが異なっていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の操作レバー装置。
【請求項4】
前記第2アールは、前記第1アールより小さいことを特徴とする請求項3記載の操作レバー装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、耕耘機や二輪車のクラッチを作動させるために握る操作レバー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
耕耘機の操作ハンドルとともに握ることで、クラッチを作動させる操作レバー装置では、握りレバーとの間に手を挟まないようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、操作レバーを斜め下から斜めに握るように構成したものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平9−288524号公報(図4)
【特許文献2】特開平6−344957号公報(図5)
【0003】
次に、特許文献1を簡単に説明する。
図8は、従来の技術である特許文献1の説明図であり、従来の握りレバー201は、ハンドル202の握り部203の上方に握り操作可能に配置され、握り勝手側において押圧部204と対向する下縁の曲り部に沿って外向きに突出する挟込防止用のリブ205を形成したので、手の挟込みを防止することができる。
【0004】
しかし、握りレバー201を握ったときに、下縁の曲り部及び外向きに突出する挟込防止用のリブ205が気になるという問題がある。
ここで、握り部203の下方に握りレバー201を配置する構成も可能であり、下方に握りレバー201を配置した場合、握りレバー201を下から上に鉛直方向に握ると、一般的な男性に比べて手の小さい人では、握り操作し難く、手が疲れやすくなるという問題がある。
【0005】
次に、特許文献2を簡単に説明する。
特許文献2の歩行型移動農機の操作構造は、ハンドル9の左右両端に形成された支持ブラケット18に左右操向クラッチレバー16が外上がり傾斜軸芯Pを有する支持ピン19で支持されているので、操作性の向上を図ることができるというものである。
【0006】
しかし、特許文献2の歩行型移動農機の操作構造では、左右操向クラッチレバー16を握ったときに、左右操向クラッチレバー16が水平でなく傾斜しているので、人によっては、指に違和感を感じ、気になるという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、操作性が向上し、手が疲れ難く、握ったときの感触がよい操作レバー装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、操作ハンドルにブラケットを介して揺動自在に配置され、握り操作される操作レバーを備えた操作レバー装置において、操作レバーは、手の幅に対応する長さの指掛け握り部の長手方向の中心線が操作ハンドルのグリップの長手方向の中心線に対して、機体幅方向外方にオフセットしていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明では、ブラケットは、その長手方向の中心線がグリップの長手方向の中心線に対して、機体幅方向外方にオフセットされ、ブラケットに操作レバーが取付けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明では、指掛け握り部は、樋形状に形成され、底部と、底部の一方に連なる第1側部と、底部の他方に連なる第2側部と、からなり、第2側部が機体の中心に向けて配置され、第1側部の第1アールと第2側部の第2アールが異なっていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明では、第2アールは、第1アールより小さいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、操作レバーは、手の幅に対応する長さの指掛け握り部の長手方向の中心線が操作ハンドルのグリップの長手方向の中心線に対して、機体幅方向外方にオフセットしているので、外方から内方に指を回し込む必要がなく、男性に比べ手が小さい人でも手首を標準位置に配置することができる。その結果、操作レバーの操作性が向上するとともに、手が疲れ難くなるという利点がある。
【0013】
請求項2に係る発明では、ブラケットは、その長手方向の中心線がグリップの長手方向の中心線に対して、機体幅方向外方にオフセットされ、ブラケットに操作レバーが取付けられているので、外方から内方に指を回し込む必要がなく、手が小さい人でも手首を標準位置に配置することができる。従って、操作レバーの操作性が向上するとともに、手が疲れ難くなるという利点がある。
【0014】
請求項3に係る発明では、指掛け握り部は、樋形状に形成され、底部と、底部の一方に連なる第1側部と、底部の他方に連なる第2側部と、からなり、第2側部が機体の中心に向けて配置され、第1側部の第1アールと第2側部の第2アールが異なっているので、底部から第1・第2側部までの形状を、握ったときの手の形状に合わせることができ、指掛け握り部を握ったときの感触をよくすることができるという利点がある。
【0015】
請求項4に係る発明では、第2アールは、第1アールより小さいので、第2アールによって、第2側部が指に食い込まず気にならない。また、第1アールによって、第1側部が手の平に食い込まず気にならない。従って、指掛け握り部を握ったときの感触をよりよくすることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明の操作レバー装置を備えた歩行型管理機の側面図である。
図2は、図1の2矢視図であり、歩行型管理機の操作ハンドルの平面図である。
【0017】
歩行型管理機10は、基台11の上部11aに搭載されたエンジン12と、基台11の後部11bに設けられたトランスミッションケース13と、トランスミッションケース13内に設けられた変速機構(図示せず)と、この変速機構にエンジン12の駆動力を伝えるベルト伝達機構15と、トランスミッションケース13の下端部13aに設けられたロータリ作業部16と、トランスミッションケース13の後端部に設けられた抵抗棒17と、トランスミッションケース13の上端部に設けられた操作ハンドル18と、操作ハンドル18に配置された操作レバー装置19と、を備える。
【0018】
エンジン12は、エンジン本体21の上部に燃料タンク22、エアクリーナ23及び排気マフラー24を備える。
基台11は、前端部11cにフロントカウンタウエイト25が設けられている。フロントカウンタウエイト25を設けることで、歩行型管理機10のバランスを良好に確保する。
【0019】
ベルト伝達機構15は、エンジン12の出力軸27に駆動プーリ28が設けられ、変速機構の入力軸31に従動プーリ32が設けられ、駆動プーリ28及び従動プーリ32に伝動ベルト33が巻回されたものである。
よって、出力軸27の回転をベルト伝達機構15を介して入力軸31に伝えることができる。
【0020】
入力軸31が回転することで、入力軸31の回転が変速機構を介してロータリ作業部16に伝わる。
ロータリ作業部16が回転することで、耕耘爪35が回転して土壌を耕耘する。耕耘爪35による耕深量は、抵抗棒17を土中に差し込むことで調整する。
【0021】
操作ハンドル18は、左グリップ37の近傍に操作レバー装置19の操作レバーであるところのクラッチ操作レバー38が設けられている。
クラッチ操作レバー38は、クラッチ操作ケーブル41及びスプリング42を介してベルト伝達機構15のクラッチアーム43に連結されている。47はクラッチ手段、42は緩衝用のスプリングである。
【0022】
クラッチ操作レバー38に操作力Ff(図6参照)をかけて、クラッチ操作レバー38をクラッチオフ位置Cs(図3参照)からクラッチオン位置Cd(図3参照)まで引き上げることで、ベルト伝達機構15がクラッチオフ状態からクラッチオン状態に切り替わる。
一方、クラッチ操作レバー38から操作力を除くことで、クラッチ操作レバー38がクラッチオフ位置に戻り、ベルト伝達機構15がクラッチオン状態からクラッチオフ状態に切り替わる。
【0023】
図3は、図1の3部詳細図であり、操作レバー装置19を示している。
図4は、図3の4−4線断面図である。
操作レバー装置19は、操作ハンドル18の管本体51に固定されたブラケット52と、ブラケット52の上部中央に支点軸53で揺動自在に取付けられたクラッチ操作レバー38と、からなる。
【0024】
ブラケット52は、上端に操作ハンドル18の管本体51に溶接で固定している固定部61が形成され、前端にクラッチ操作ケーブル41の端部62を締結しているケーブル取付け部63が形成され、下部中央にクラッチ操作レバー38をクラッチオフ位置(待機位置)Csで保持するストッパ部65が形成されている。
【0025】
また、ブラケット52は、ブラケット52の中心線Cbがグリップ(左グリップ)37の中心線Cgに対して、機体幅方向(Y軸方向)の外方(矢印a2の方向)にオフセット量Kだけオフセットしている。
【0026】
クラッチ操作レバー38は、ブラケット52に支持している支持部66と、支持部66に連ねて形成され、指をかける指掛け握り部67とからなる。
具体的には、支持部66の上部先端に支点軸53が嵌合している支点部71が形成され、支持部66の前端にブラケット52のストッパ部65に当接する当接部72が形成され、当接部72の後方(矢印a3の方向)にクラッチ操作ケーブル41のケーブル端部を掛止しているケーブル掛止部73が形成され、指掛け握り部67の後部に握り規制部77が形成されている。Cdはクラッチ操作レバー38が左グリップ37に当接するクラッチオン位置(操作限界位置)である。
【0027】
また、クラッチ操作レバー(操作レバー)38は、手(図6の左手Hh)の幅Wに対応する長さLの指掛け握り部67の中心線Cfが操作ハンドル18のグリップ(左グリップ)37の中心線Cgに対して、機体幅方向(Y軸方向)の外方(矢印a2の方向)にオフセット量Kだけオフセットしている。
【0028】
指掛け握り部67の中心線Cfは、ブラケット52の中心線Cbと一致している。その結果、クラッチ操作レバー(操作レバー)38やブラケット52の構成は簡単になる。なお、指掛け握り部67の中心線Cfは、ブラケット52の中心線Cbに一致しているが、一致の有無は任意である。つまり、指掛け握り部67の中心線Cfのみが、グリップ(左グリップ)37の中心線Cgに対して、機体幅方向(Y軸方向)の外方(矢印a2の方向)にオフセット量Kだけオフセットしてもよい。
【0029】
図5は、図3の5−5線断面図である。図3、図4を併用して説明する。
指掛け握り部67は、樋形状に形成され、底部81と、底部81の一方に連なる第1側部82と、底部81の他方に連なる第2側部83と、からなり、第2側部83が機体(歩行型管理機)10の中心線Cmに向けて配置され、第1側部82の第1アールr1と第2側部83の第2アールr2が異なっている。
【0030】
第2アールr2は、第1アールr1より小さい。
指掛け握り部67の中心線Cfは、ブラケット52の中心線Cbに一致している。
図右に示している中心線Cmの位置は、図面の枠内に入るように記載されたもので、距離は不正確である。
【0031】
図6は、本発明の操作レバー装置を操作した状態を示す側面図である。
図7は、図6の7−7線断面図であり、操作レバー装置を操作した状態を示す断面図である。
操作者Mが左手Hhで操作レバー装置19を操作すると、クラッチ操作レバー38が左グリップ37の中心線Cgより外方(矢印a2の方向)にオフセット量Kだけ偏心しているので、左グリップ37の中心線Cgより内方(矢印a4の方向)に指を回し込む(矢印a5の方向)必要がなく、手が小さい人でも手首を実線で示す標準位置Sbに配置することができる。例えば、手が男性のサイズより小さい人が指を回し込んだ(矢印a5の方向)ときの二点鎖線で示す手首の位置Bsに比べ、手首を標準位置Sbに配置することができる。その結果、クラッチ操作レバー38を握る際の操作が容易で、手が疲れ難い。
【0032】
このように、手Hの幅W(図6参照)に対応する長さLの指掛け握り部67の中心線Cfが操作ハンドル18のグリップ(左グリップ)37の中心線Cgに対して、機体幅方向(Y軸方向)の外方(矢印a2の方向)にオフセット量Kだけオフセットしているので、クラッチ操作レバー38の操作性が向上するとともに、手が疲れ難くなる。
【0033】
また、操作者Mが左手Hhで操作レバー装置19を操作すると、指掛け握り部67の第2側部83の第2アールr2によって、第2側部83が指に食い込まず気にならない。また、第1側部82の第1アールr1によって、第1側部82が手の平に食い込まず気にならない。従って、指掛け握り部67を握ったときの感触をよくすることができる。
【0034】
尚、本発明の操作レバー装置は、実施の形態では歩行型管理機に用いられたが、自動二輪車などケーブルを引く形態を備えた装置に採用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の操作レバー装置は、歩行型管理機のクラッチレバーに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の操作レバー装置を備えた歩行型管理機の側面図
【図2】図1の2矢視図
【図3】図1の3部詳細図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】本発明の操作レバー装置を操作した状態を示す側面図
【図7】図6の7−7線断面図
【図8】従来の技術である特許文献1の説明図
【符号の説明】
【0037】
10…歩行型管理機、18…操作ハンドル、19…操作レバー装置、38…操作レバー(クラッチ操作レバー)、52…ブラケット、67…指掛け握り部、81…底部、82…第1側部、83…第2側部、r1…第1アール、r2…第2アール、Cf…操作レバーの中心線、Cg…グリップの中心線、Cb…ブラケットの中心線、K…オフセット量。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成18年8月17日(2006.8.17)
【代理人】 【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎

【識別番号】100094020
【弁理士】
【氏名又は名称】田宮 寛祉


【公開番号】 特開2008−46930(P2008−46930A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−222737(P2006−222737)