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【発明の名称】 電源回路内蔵集積回路、及び、電源回路内蔵集積回路を搭載したオーディオ装置、並びに、電子機器
【発明者】 【氏名】室田 和明

【要約】 【課題】単一または複数の電圧レギュレータに対する過熱保護を目的としたオーディオ機器や電子装置の停止時と復帰時において、ノイズ発生や誤動作を防止することのできる電源回路内蔵集積回路、オーディオ機器、及び電子装置を提供する。

【構成】入力電圧を所定の出力電圧に調整する単一または複数の電圧レギュレータ41と、前記電圧レギュレータ41の近傍温度が第一過熱検知温度を超えると前記電圧レギュレータ41を停止させ、前記第一過熱検知温度もしくは前記第一過熱検知温度より低い第二過熱検知温度を下回ると前記電圧レギュレータ41を作動させる過熱検知信号を出力する過熱検知回路42と、前記過熱検知信号をモニタするモニタ信号生成回路43とが基板上に集積配置され、前記モニタ信号が外部出力端子TSDに接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧を所定の出力電圧に調整する単一または複数の電圧レギュレータと、前記電圧レギュレータの近傍温度が第一過熱検知温度を超えると前記電圧レギュレータを停止させ、前記第一過熱検知温度もしくは前記第一過熱検知温度より低い第二過熱検知温度を下回ると前記電圧レギュレータを作動させる過熱検知信号を出力する過熱検知回路と、前記過熱検知信号をモニタするモニタ信号生成回路とが基板上に集積配置され、前記モニタ信号が外部出力端子に接続されている電源回路内蔵集積回路。
【請求項2】
前記モニタ信号生成回路は、前記モニタ信号を前記過熱検知信号のオンタイミングでオン出力するとともに、前記過熱検知信号のオフタイミングから所定時間遅延してオフ出力するタイミング制御回路で構成されている請求項1記載の電源回路内蔵集積回路。
【請求項3】
前記モニタ信号生成回路は、前記電圧レギュレータの近傍温度が前記第一過熱検知温度を超えるとオン出力し、前記モニタ信号生成回路のオン出力から所定時間遅延後、前記電圧レギュレータの出力をオンするとともに、前記過熱検知信号のオフタイミングから所定時間遅延してオフ出力するタイミング制御回路で構成されている請求項1記載の電源回路内蔵集積回路。
【請求項4】
前記モニタ信号生成回路は、前記電圧レギュレータの近傍温度が前記第一過熱検知温度より低い第三過熱検知温度を超えるとオン出力するとともに、前記第二過熱検知温度より低い第四過熱検知温度を下回るとオフ出力するタイミング制御回路で構成されている請求項1記載の電源回路内蔵集積回路。
【請求項5】
前記モニタ信号生成回路は、前記過熱検知回路により検出される前記電圧レギュレータの近傍温度に対応する電圧を前記モニタ信号として出力する温度電圧変換回路で構成されている請求項1記載の電源回路内蔵集積回路。
【請求項6】
前記モニタ信号生成回路は、前記過熱検知回路により検出される前記電圧レギュレータの近傍温度に対応する電流を前記モニタ信号として出力する温度電流変換回路で構成されている請求項1記載の電源回路内蔵集積回路。
【請求項7】
外部入力端子から入力される駆動制御信号に基づいて前記電圧レギュレータをオンオフ制御するスイッチ回路を備え、前記温度電流変換回路は前記スイッチ回路を構成する抵抗で構成されるとともに前記外部出力端子が前記外部入力端子と兼用されている請求項1記載の電源回路内蔵集積回路。
【請求項8】
前記電圧レギュレータの出力が音声信号処理回路に供給され、前記モニタ信号生成回路により生成されたモニタ信号が前記音声信号処理回路の出力信号を増幅するパワーアンプのミュート信号に用いられる請求項1から7の何れかに記載の電源回路内蔵集積回路。
【請求項9】
請求項1から7の何れかに記載の電源回路内蔵集積回路が搭載され、前記モニタ信号生成回路により生成されたモニタ信号がパワーアンプのミュート信号に用いられるオーディオ装置。
【請求項10】
請求項1から7の何れかに記載の電源回路内蔵集積回路が搭載され、前記過熱検知回路による前記電圧レギュレータの停止時に、前記モニタ信号生成回路により生成されたモニタ信号に基づいて異常動作を回避する異常動作防止手段を備えた電子装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、入力電圧を所定の出力電圧に調整する単一または複数の電圧レギュレータと、前記電圧レギュレータの近傍温度が第一過熱検知温度を超えると前記電圧レギュレータを停止させ、前記第一過熱検知温度もしくは前記第一過熱検知温度より低い第二過熱検知温度を下回ると前記電圧レギュレータを作動させる過熱検知信号を出力する過熱検知回路を備えた電源回路内蔵集積回路、及び、電源回路内蔵集積回路を搭載したオーディオ装置、並びに、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
オーディオ装置や電子機器等の負荷回路の夫々に所定の電力を供給するために、バッテリ等の電源からの入力電圧を所定の出力電圧に調整する電圧レギュレータが、前記電源と前記負荷回路の間に接続されるが、近年、電源回路として複数の電圧レギュレータが基板上に集積配置された電源回路内蔵集積回路(IC)として構成される場合が多くなっている。
【0003】
しかし、前記電圧レギュレータは、前記負荷回路の短絡等の異常に伴う出力電流の増加による過熱で熱破壊される虞があるため、特許文献1には、入力電圧を所定の出力電圧に調整する電圧レギュレータが基板上に集積配置されている電源回路内蔵集積回路において、過熱検知回路が設けられ、異常温度が検出されると、負荷回路をリセットすることによって、電圧レギュレータの出力電流を抑制または停止するように構成されたものが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−227372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の従来の技術では、過熱検知回路により前記電圧レギュレータの出力が停止するときや、温度低下により前記電圧レギュレータが再起動するときに、過渡的な電圧変動に起因する影響が後段の回路に表れ、異常な動作が生じる虞があった。
【0006】
例えば、オーディオ機器が、前記電圧レギュレータから給電される微小信号処理回路である音声信号処理回路と、前記音声信号処理回路の後段に接続され、電圧レベルの高い他の電圧レギュレータから給電されるパワーアンプとを備えて構成されている場合において、前記音声信号処理回路への給電が停止する瞬間や復帰する瞬間に、前記音声信号処理回路から前記パワーアンプへの出力信号に急激な変動が生じて、前記パワーアンプからスピーカへ「プツ」というノイズ、所謂ポップノイズが生じるという問題等があった。
【0007】
また、前記電圧レギュレータから給電される微小信号処理回路が映像信号処理回路である場合には、上述の急激な出力変動が生じると、映像機器においては映像の乱れとして現われる。
【0008】
さらには、このような電圧レギュレータに組み込まれた過熱検知回路の作動により後段の回路等が誤作動する等の異常な事態に到る虞もあった。
【0009】
本発明の目的は、上述した従来の問題点に鑑み、単一または複数の電圧レギュレータに対する過熱保護を目的としたオーディオ機器や電子装置の停止時および復帰時において、ノイズ発生や誤動作を防止することのできる電源回路内蔵集積回路、及び、オーディオ機器、並びに、電子装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するため、本発明による電源回路内蔵集積回路の特徴構成は、入力電圧を所定の出力電圧に調整する単一または複数の電圧レギュレータと、前記電圧レギュレータの近傍温度が第一過熱検知温度を超えると前記電圧レギュレータを停止させ、前記第一過熱検知温度もしくは前記第一過熱検知温度より低い第二過熱検知温度を下回ると前記電圧レギュレータを作動させる過熱検知信号を出力する過熱検知回路と、前記過熱検知信号をモニタするモニタ信号生成回路とが基板上に集積配置され、前記モニタ信号が外部出力端子に接続されている点にある。
【0011】
上述の構成によれば、過熱検知信号をモニタするモニタ信号を監視することによって、前記電源回路内蔵集積回路の過熱状態を適切に把握することができるので、前記電圧レギュレータに過熱保護がかかる前後において発生する虞のある負荷回路の出力レベルの変動等の影響を未然に回避する対応をとることができるようになるのである。
【発明の効果】
【0012】
以上説明した通り、本発明によれば、単一または複数の電圧レギュレータに対する過熱保護を目的としたオーディオ機器や電子装置の停止時および復帰時において、ノイズ発生や誤動作を防止することのできる電源回路内蔵集積回路、及び、オーディオ機器、並びに、電子装置を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明による電源回路内蔵集積回路4をオーディオ装置に適用した実施形態について説明する。
【0014】
図1に示すように、オーディオ装置は、チューナ回路、CDデッキ、MDデッキ等に内蔵され音声信号をアンテナや音声データ記録媒体等より入力して所定の電気信号を生成する音声信号処理回路1と、前記電気信号を増幅するパワーアンプ2と、前記パワーアンプ2で増幅された電気信号を可聴音として出力するスピーカ3と、本発明による電源回路内蔵集積回路4とを備えて構成されている。
【0015】
前記電源回路内蔵集積回路4は、入力電圧を所定の出力電圧に調整する単一または複数の電圧レギュレータ41と、前記電圧レギュレータ41の近傍温度が第一過熱検知温度を超えると前記電圧レギュレータを停止させ、前記第一過熱検知温度もしくは前記第一過熱検知温度より低い第二過熱検知温度を下回ると前記電圧レギュレータを作動させる過熱検知信号を出力する過熱検知回路42と、前記過熱検知信号をモニタするモニタ信号生成回路43とが半導体基板上に集積配置されて構成されており、前記電圧レギュレータ41の出力が前記音声信号処理回路1に供給され、前記モニタ信号生成回路43により生成されたモニタ信号が外部出力端子TSD(thermal shutdown signal)を介して前記パワーアンプ2へ出力されている。
【0016】
出力されたモニタ信号は前記音声信号処理回路1の出力信号を増幅する前記パワーアンプ2のミュート信号に用いられており、前記ミュート信号がオンとなると前記パワーアンプ2にミュートがかけられる。
【0017】
上述の構成によれば、過熱検知回路42による電圧レギュレータ41の停止時や復帰時に、前記パワーアンプ2にミュートをかけることで、前記パワーアンプ2から発するポップノイズを防止することができる。
【0018】
前記電圧レギュレータ41は、例えば、図2に示すように、バッテリ等の電源(図示せず)からの入力Vinと音声信号処理回路1との間に直列接続されるブーストトランジスタTr1と、前記過熱検知回路42からの過熱検知信号に基づいて後述する制御トランジスタTr2の制御状態と停止状態を切り替えることで前記入力Vinと前記音声信号処理回路1との導通と遮断を切り替えるスイッチ回路SWと、前記ブーストトランジスタTr1の出力電圧を分圧して帰還電圧Vfbを生成する抵抗R1,R2と、前記ブーストトランジスタTr1の出力電圧を設定するための基準電圧Vrefを生成する基準電圧電源E1と、前記帰還電圧Vfbと前記基準電圧Vrefを比較する誤差増幅器AMP1と、前記ブーストトランジスタTr1のベース電流を制限する抵抗R3と、前記ブーストトランジスタTr1のベース電流を制御する制御トランジスタTr2とを備えて構成されており、前記制御トランジスタTr2のコレクタは前記ブーストトランジスタTr1のベースに前記抵抗R3を介して接続され、エミッタは前記スイッチ回路SWを介してグランドに接続され、ベースは前記誤差増幅器AMP1の出力に接続されている。
【0019】
そして、前記帰還電圧Vfbを前記誤差増幅器AMP1の反転入力端子に入力するとともに、前記基準電圧Vrefを前記誤差増幅器AMP1の非反転入力端子に入力してあり、前記電圧レギュレータ41は、前記帰還電圧Vfbが前記基準電圧Vrefより小さいときには、前記制御トランジスタTr2を流れる電流を増加させることによって、前記ブーストトランジスタTr1の出力電流を増加させて前記出力電圧が高くなるように制御して、一方、前記帰還電圧Vfbが前記基準電圧Vrefより大きいときには、前記ブーストトランジスタTr1の出力電流を抑制して前記出力電圧が低くなるように制御するように構成されている。
【0020】
前記過熱検知回路42は、半導体基板上に集積配置されている前記電圧レギュレータ41の近傍のチップ温度(ここでは、「近傍温度」と記す。)を検出するダイオードや抵抗等の温度特性を利用した温度検出手段421と、温度検出手段421による検出電圧を第一過熱検知温度に対応する基準電圧と比較するヒステリシスコンパレータを備えて構成され、ヒステリシス幅を第一過熱検知温度と第二過熱検知温度の温度幅に相当する電圧に設定することにより、近傍温度が第一過熱検知温度を超えると前記電圧レギュレータを停止させ、前記第一過熱検知温度より低い第二過熱検知温度を下回ると前記電圧レギュレータを作動させる過熱検知信号を出力するように構成できる。
【0021】
前記過熱検知回路42の出力は、前記電圧レギュレータ41の出力を停止するスイッチ回路SWを制御するように構成され、検出された温度が第一過熱検知温度を超えた場合に、前記過熱検知信号をオンからオフに切り替えることで前記スイッチ回路SWをオフさせ、第二過熱検知温度を下回った場合に、前記過熱検知信号をオフからオンに切り替えることで前記スイッチ回路SWをオンさせるように構成されている。なお、図2ではスイッチ回路SWを制御トランジスタのエミッタとグランド間に設けて、前記スイッチ回路SWによって、ブーストトランジスタTr1のベース電圧を制御トランジスタTr2による制御状態と、制御トランジスタTr2にかかわらずブーストトランジスタTr1をオフ状態にする停止状態とを切り替えるものについて説明したが、前記スイッチ回路SWはブーストトランジスタTr1の下流側または上流側に設けるものであってもよい。
【0022】
前記モニタ信号生成回路43は、タイミング制御回路44、温度電圧変換回路45、または温度電流変換回路46の何れかにより構成することができ、以下に説明する。
【0023】
前記タイミング制御回路44は、前記モニタ信号を前記電圧レギュレータ41のオンとオフを切り替えるレギュレータスイッチ信号(前記過熱検知信号)のオンタイミングでオン出力するとともに、前記レギュレータスイッチ信号(前記過熱検知信号)のオフタイミングから所定時間遅延してオフ出力するように構成されている。
【0024】
詳述すると、前記タイミング制御回路44は、図3(a)に示すような遅延回路44aを備えて構成されており、図3(b)のタイミングチャートに示すように、前記電圧レギュレータ41の近傍温度が前記第一過熱検知温度TH1を超えて前記レギュレータスイッチ信号がオフからオンに切り替わった場合は、前記モニタ信号も同時にオフからオンに切り替える(T1)。
【0025】
そして、前記電圧レギュレータ41の近傍温度が前記第二過熱検知温度TH2を下回って前記レギュレータスイッチ信号がオンからオフに切り替わった場合は(T2)、前記遅延回路44aによって所定時間遅延させてから、前記モニタ信号をオンからオフに切り替えるように構成されている(T3)。
【0026】
前記遅延回路44aは、例えば、入力信号を所定時間遅延させる遅延回路44bと、OR回路44cとを備えて構成されており、前記過熱検知信号がオフからオンに切り替わる場合は、前記遅延回路44bの状態に係わらずモニタ信号を出力するが、前記過熱検知信号がオンからオフに切り替わる場合は、オフに切り替わった前記過熱検知信号が前記遅延回路44bを経由して出力されてこない限り、前記OR回路44cによって前記モニタ信号はオンを維持する。
【0027】
前記電圧レギュレータ41が停止から作動する瞬間に、前記パワーアンプ2にミュートをかけた場合、僅かな時間でも前記パワーアンプ2へのミュートが遅れた場合は、前記パワーアンプ2からポップノイズを発してしまうが、前記タイミング制御回路44によって、前記モニタ信号(ミュート信号)を前記過熱検知信号のオフタイミングから所定時間遅延してオフ出力することで、前記ポップノイズの発生を確実に防止することができる。
【0028】
また、前記タイミング制御回路44は、前記電圧レギュレータ41の近傍温度が前記第一過熱検知温度TH1を超えるとオン出力し、前記モニタ信号生成回路43のオン出力から所定時間遅延後、前記電圧レギュレータ41の出力をオンするとともに、前記過熱検知信号のオフタイミングから所定時間遅延してオフ出力するように構成することができる。
【0029】
詳述すると、前記タイミング制御回路44は、前記温度センサ421による検出電圧と、第一過熱検知温度TH1に対応する基準電圧が入力されるコンパレータと、さらに図4(c)に示すような遅延回路44dを備えて構成されている。
【0030】
前記遅延回路44dは、例えば、入力信号を所定時間遅延させる遅延回路44eと、OR回路44fと、AND回路44gとを備えて構成されており、前記過熱検知信号がオフからオンに切り替わる場合は、前記モニタ信号は前記遅延回路44eの状態に係わらずオン出力し、前記レギュレータスイッチ信号は前記過熱検知信号が前記遅延回路44eを経由してくるまでオン出力しない。一方、前記過熱検知信号がオンからオフに切り替わる場合は、前記モニタ信号は前記過熱検知信号が前記遅延回路44eを経由してくるまでオフ出力せず、前記レギュレータスイッチ信号は前記遅延回路44eの状態に係わらずオフ出力する。
【0031】
動作としては、図4(a)のタイミングチャートに示すように、前記電圧レギュレータ41の近傍温度が前記第一過熱検知温度TH1を超えると前記過熱検知信号と前記モニタ信号をオフからオンに切り替える(T1)。
【0032】
その後、遅延回路44eによって決まる所定時間td1を経過すると、前記レギュレータスイッチ信号がオフからオンに切り替わる(T2)。
【0033】
そして、前記電圧レギュレータ41の近傍温度が前記第一過熱検知温度TH1を下回って前記過熱検知信号と前記レギュレータスイッチ信号がオンからオフに切り替わった場合は(T3)、前記所定時間td1遅延してから、前記モニタ信号をオンからオフに切り替えるように構成されている(T4)。
【0034】
上述の構成によれば、前記電圧レギュレータ41の作動時に、前記モニタ信号(ミュート信号)を前記過熱検知信号のオフタイミングから所定時間遅延してオフ出力することに加えて、前記電圧レギュレータ41の停止時においては、前記モニタ信号を前記電圧レギュレータ41の停止タイミングより所定時間早期にオン出力することで、停止時においても前記ポップノイズの発生を確実に防止することができる。
【0035】
さらに、前記タイミング制御回路44は、前記電圧レギュレータの近傍温度が前記第一過熱検知温度TH1より低い第三過熱検知温度TH3を超えるとオン出力するとともに、前記第二過熱検知温度TH2より低い第四過熱検知温度TH4を下回るとオフ出力するように構成することができる。
【0036】
具体的には、温度検出手段421と、温度検出手段421による検出電圧を第三過熱検知温度に対応する基準電圧と比較するヒステリシスコンパレータを備えて構成することができ、ヒステリシス幅を第三過熱検知温度TH3と第四過熱検知温度TH4の温度幅に設定することにより実現できる。
【0037】
詳述すると、前記タイミング制御回路44は、図4(b)のタイミングチャートに示すように、前記電圧レギュレータ41の近傍温度が前記第三過熱検知温度TH3を超えると前記モニタ信号をオフからオンに切り替える(T1)。さらに温度が上昇して、前記電圧レギュレータ41の近傍温度が前記第一過熱検知温度TH1を超えると前記レギュレータスイッチ信号(前記過熱検知信号)がオフからオンに切り替わる(T2)。
【0038】
そして、前記電圧レギュレータ41の近傍温度が前記第二過熱検知温度TH2を下回ると前記レギュレータスイッチ信号(前記過熱検知信号)がオンからオフに切り替わり(T3)、前記電圧レギュレータ41の近傍温度が前記第四過熱検知温度TH4を下回ると前記モニタ信号をオンからオフに切り替える(T4)。
【0039】
上述の構成によれば、上述の遅延回路44aを用いることなく前記ポップノイズの発生を防止することができるので、前記モニタ信号生成回路43の回路構成を簡素にすることができる。
【0040】
次に、前記温度電圧変換回路45は、前記過熱検知回路42により検出される前記電圧レギュレータ41の近傍温度に対応する電圧を前記モニタ信号として出力するように構成することができる。
【0041】
詳述すると、図5に示すように、前記過熱検知回路42は前記近傍温度に対応する電圧を検出する過熱検知コンパレータ422を備えて構成されており、前記温度電圧変換回路45は検出した電圧を増幅して前記モニタ信号として出力するオペアンプ451cを備えて構成されている。
【0042】
また、前記モニタ信号TSDは前記電源回路内蔵集積回路4の外部に備えられたマイコン49に出力されており、前記マイコン49は、前記モニタ信号をAD変換して電圧値が所定値、つまり、前記近傍温度が過熱であると判断されるような電圧値を超えると、前記パワーアンプ2に対して前記モニタ信号(ミュート信号)を出力するように構成されている。
【0043】
前記過熱検知回路42は、カレントミラー回路等で構成される定電流源420と、アノードが前記定電流源に接続され、カソードがグランドに接続された温度検出手段421としてのダイオードと、反転端子が前記ダイオード421のアノードに接続され、非反転端子が過熱検知温度に基づいた電圧に設定された定電圧源423に接続されたコンパレータ422とを備えて構成されている。
【0044】
温度が高くなるに伴って小さくなる前記ダイオード421bの電圧(接続点V1の電圧)を、前記コンパレータ422において前記定電圧源423の電圧と比較して、接続点V1の電圧が前記定電圧源421cの電圧よりも小さい場合に、両電圧の差分値を増幅した過熱検知信号を前記電圧レギュレータ41に出力する。
【0045】
尚、本実施形態における前記コンパレータ422も、オンタイミングにおける過熱検知温度をオフタイミングにおける過熱検知温度よりも高くするためにヒステリシス回路を構成している。
【0046】
前記温度電圧変換回路45は、2個の抵抗451a、451bと、モニタ信号を出力するオペアンプ451cとを備えて構成されており、前記オペアンプ451cは、反転端子に前記抵抗451aと前記抵抗451bが接続され、非反転端子に前記ダイオード421bのアノードが接続され、出力側に前記抵抗451bとマイコン49が接続されている。
【0047】
前記オペアンプ451cは、ダイオード421の両端電圧を抵抗451a、451bの抵抗比で決まるゲインで増幅したモニタ信号を前記マイコン49に出力する。
【0048】
上述の構成によれば、前記マイコン49が、前記温度電圧変換回路45からの入力である温度に基づいて変化する電圧値を参照して過熱状態か否かを判断することから、前記マイコン49の内部で過熱状態であると判断する電圧値を適宜設定するだけで、前記パワーアンプ2にミュートをかける温度を自由に設定することができるので、基板上の各素子の耐圧等の様々な状況によってミュートをかける温度を柔軟に変化させることが可能となる。
【0049】
前記温度電流変換回路46は、前記過熱検知回路42により検出される前記電圧レギュレータ41の近傍温度に対応する電流を前記モニタ信号として出力する。詳述すると、図6に示すように、前記温度電流変換回路46は前記近傍温度に対応する電流を検出するための温度検出手段42としての抵抗461を前記過熱検知回路42の温度検出手段421の近傍に配置して、外部から電流を供給するように構成されている。
【0050】
前記電源回路内蔵集積回路4の外部に備えられたマイコン49は、外部電源E2から外部抵抗5を介して供給され、温度によって変化する前記抵抗461に流れる電流を電圧値として入力したモニタ信号をAD変換する。
【0051】
そして、前記マイコン49は、前記モニタ信号の電流値が所定値、つまり、前記近傍温度が過熱であると判断されるような電流値を超えると、前記パワーアンプ2に対して前記モニタ信号(ミュート信号)を出力するように構成されている。
【0052】
上述の構成によれば、前記温度電圧変換回路45を用いた構成における電圧値の代わりに電流値を適宜設定するだけで、前記パワーアンプ2にミュートをかける温度を自由に設定することができるので、基板上の各素子の耐圧等の様々な状況によってミュートをかける温度を柔軟に変化させることが可能となる。
【0053】
さらに、前記電源回路内蔵集積回路4は、外部入力端子Sinから入力される駆動制御信号に基づいて前記電圧レギュレータ41をオンオフ制御するスイッチ回路47を備え、前記温度電流変換回路46を、前記スイッチ回路47を構成する抵抗472で構成するとともに前記外部出力端子TSDを前記外部入力端子Sinと兼用するように構成することができる。
【0054】
詳述すると、図7に示すように、前記スイッチ回路47は、前記駆動制御信号による電流に基づいて前記電圧レギュレータ41のオンとオフを切り替えるためのオンオフ制御用のスイッチングトランジスタ471と、前記外部入力端子Sinとグランドとの間に設けられた分圧抵抗472、473とを備えて構成されており、前記スイッチングトランジスタ471により前記電圧レギュレータ41のオンとオフを切り替えられるように構成されている。
【0055】
前記抵抗472を前記過熱検知回路42の温度検出手段421の近傍に配置して温度センサとして用いれば、前記マイコン49より前記電源回路内蔵集積回路4へ入力される電流値をモニタ信号として外部抵抗6を介して検出することにより前記電源回路内蔵集積回路4の発熱状態をモニタできる。
【0056】
前記マイコン49は、前記モニタ信号の電流値が所定値、つまり、前記近傍温度が過熱であると判断されるような電流値を超えると、前記パワーアンプ2に対して前記モニタ信号(ミュート信号)を出力するように構成されている。
【0057】
また、図8に示すように、前記スイッチングトランジスタ471に代えて、前記駆動制御信号による電圧に基づいて前記電圧レギュレータ41のオンとオフを切り替えるコンパレータ474と、前記電圧レギュレータ41のオンとオフを切り替える閾値となる電圧を生成するオンオフ制御基準電源475とを備えて構成することも可能である。この場合にも、抵抗472を前記過熱検知回路42の温度検出手段421の近傍に配置して温度センサとして用いることにより同様の機能が実現できる。
【0058】
以上、図7および図8で説明した構成によれば、スイッチングレギュレータとしての前記電圧レギュレータ41のオンオフを切り替えるための回路である前記スイッチ回路47を、前記温度電流変換回路46として使用するので、前記温度電流変換回路46を新たに追加する必要がなく、回路規模を小さくすることができる。
【0059】
以下、別実施形態について説明する。
【0060】
上述の実施形態では、電源回路内蔵集積回路4は一個の電圧レギュレータ41を備えて構成されており、パワーアンプ2は前記電源回路内蔵集積回路4の外部に接続されている構成について説明したが、前記電源回路内蔵集積回路4は、図9に示すように、複数の電圧レギュレータ41(図9では4個)と、複数のパワーアンプ2(図9では4個)とを備えるように構成されるものであってもよい。
【0061】
詳述すると、前記電圧レギュレータ41aは音声信号処理回路1に所定の電圧を出力し、前記電圧レギュレータ41b、41c、41dはオーディオ装置の他の回路、例えば、映像を表示するモニタ等へ所定の電圧を出力するように構成されており、また、前記パワーアンプ2は、増幅させた電気信号を左側へ配置されるスピーカ3a、右側へ配置されるスピーカ3b、中央へ配置されるスピーカ3c、そして低音用のスピーカ4dといった多チャンネルのスピーカ3aから3dの各々へ出力し、モニタ信号生成回路43からのモニタ信号によって同時にミュートがかけられるように構成されている。
【0062】
上述の構成によれば、前記パワーアンプ2aから2dを前記電源回路内蔵集積回路4と同一の半導体基板上で一体化することによって、前記モニタ信号生成回路43からのモニタ信号出力と前記パワーアンプ2aから2d間のケーブルによる配線を、半導体基板に描かれるパターン配線とすることができるので、ケーブルによる配線をなくすことができ、オーディオ装置の小型化が可能となる。
【0063】
上述の実施形態では、本発明による電源回路内蔵集積回路4をオーディオ装置に適用した構成について説明したが、前記オーディオ装置以外、例えば、カーナビゲーションシステム、コンピュータシステム等の電子装置に適用した構成であってもよく、電源回路内蔵集積回路4が搭載され、過熱検知回路42による電圧レギュレータ41の停止時に、モニタ信号生成回路43により生成されたモニタ信号に基づいて異常動作を回避する異常動作防止手段48を備えて構成されている。
【0064】
例えば、前記異常動作防止手段48は、図10(a)に示すような構成で用いられ、前記電圧レギュレータ41が停止する前に、前記モニタ信号生成回路43は前記モニタ信号を前記異常検出手段48へ出力し、前記モニタ信号を受け取った前記異常検出手段48は、マイコン49に対して処理中のプログラムやデータを外部メモリ5へ転送させるように促す構成であってもよい。
【0065】
逆に、前記電圧レギュレータ41が作動する前に、前記モニタ信号生成回路43は前記モニタ信号を前記異常検出手段48へ出力し、前記モニタ信号を受け取った前記異常検出手段48は、前記マイコン49に対して前記外部メモリ5に格納されているプログラムやデータを前記マイコン49の内部メモリ等へ転送させるように促す構成であってもよい。
【0066】
また、前記異常検出手段48は、前記外部メモリ5との間における転送を促す構成以外であってもよい。例えば、図10(b)に示すように、過熱検知信号によって前記電圧レギュレータ41が停止させられた場合に、前記電圧レギュレータ41によって電力供給されていた負荷回路6が停止することを防止するため、前記過熱検知信号に起因するモニタ信号を受け取った前記異常検出手段48が、前記電圧レギュレータ41の代わりに負荷回路6に電力を供給する外部電圧レギュレータ7を作動させる構成であってもよい。
【0067】
上述の構成を用いることによって、前記ナビゲーションシステムの目的地情報や前記コンピュータシステムのプログラムやデータ等が、不測の電源停止によって消失する事態を防止することができるといったノイズ(ポップノイズ)の発生防止以外の用途にも前記電源回路内蔵集積回路4を用いることができる。
【0068】
上述の実施形態では、電源回路内蔵集積回路4は半導体基板で構成されており、各回路が前記半導体基板上に集積配置されている構成について説明したが、前記電源回路内蔵集積回路4は複数の半導体基板を内蔵したハイブリッド集積回路で構成されていてもよい。
【0069】
上述の実施形態では、電源回路と他の回路を内蔵した集積回路としての電源回路内蔵集積回路について説明したが、本発明は、他の回路を含まず、入力電圧を所定の出力電圧に調整する単一または複数の電圧レギュレータと、前記電圧レギュレータの近傍温度が第一過熱検知温度を超えると前記電圧レギュレータを停止させ、前記第一過熱検知温度もしくは前記第一過熱検知温度より低い第二過熱検知温度を下回ると前記電圧レギュレータを作動させる過熱検知信号を出力する過熱検知回路と、前記過熱検知信号をモニタするモニタ信号生成回路とが基板上に集積配置され、前記モニタ信号が外部出力端子に接続されている電源集積回路として構成されるものであってもよい。
【0070】
上述した何れかの実施形態を、本発明による作用効果が奏される範囲において適宜組合せて構成してもよい。
【0071】
尚、上述した実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において各ブロックの具体的構成等を適宜変更設計できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明による電源回路内蔵集積回路をオーディオ装置に適用した場合の機能ブロック構成図
【図2】電圧レギュレータの回路説明図
【図3】(a)は、遅延回路を備えたタイミング制御回路を示し、(b)は、遅延回路を備えたタイミング制御回路のタイミングチャートを示す説明図
【図4】(a)は、第三過熱検知温度に基づいてオン出力するタイミング制御回路のタイミングチャートを示し、(b)は、第三過熱検知温度に基づいてオン出力し第四過熱検知温度に基づいてオフ出力するタイミング制御回路のタイミングチャートを示す説明図
【図5】過熱検知コンパレータと温度センサアンプを備えている電源回路内蔵集積回路の回路説明図
【図6】温度検出手段としての抵抗を備えた電源回路内蔵集積回路の回路説明図
【図7】トランジスタを用いたスイッチ回路を備えている電源回路内蔵集積回路の回路説明図
【図8】オペアンプを用いたスイッチ回路を備えている電源回路内蔵集積回路の回路説明図
【図9】複数の電圧レギュレータと複数のパワーアンプを備えた電源回路内蔵集積回路の機能ブロック構成図
【図10】(a)は、外部メモリにデータ等を転送する電源回路内蔵集積回路の別実施形態を示し、(b)は、外部電圧レギュレータを制御する電源回路内蔵集積回路の別実施形態を示す機能ブロック構成図
【符号の説明】
【0073】
1:音声信号処理回路
2:パワーアンプ
4:電源回路内蔵集積回路
41:電圧レギュレータ
42:過熱検知回路
43:モニタ信号生成回路
44:タイミング制御回路
45:温度電圧変換回路
46:温度電流変換回路
47:スイッチ回路
48:異常動作防止手段
TSD:外部出力端子
Sin:外部入力端子
【出願人】 【識別番号】000237592
【氏名又は名称】富士通テン株式会社
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】 【識別番号】100107478
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 薫


【公開番号】 特開2008−46720(P2008−46720A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−219458(P2006−219458)