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【発明の名称】 機械における電気駆動装置の、制御されたエネルギー消費
【発明者】 【氏名】クラウス−ディーター クライバウムヒューター

【氏名】イエーゲン クンツ

【氏名】ヘルムト マイアー

【氏名】ヨゼフ ライター

【氏名】アンドレアス シュルツ

【要約】 【課題】機械における電流供給装置を平均出力需要に応じたサイズにするのを可能にする、機械の電気駆動装置のエネルギー消費を制御する装置を自由に使えるようにする。

【構成】印刷機1における電動機2を制御するエネルギー管理システム7は、電動機2によって必要とされる電気エネルギーを該電電動機2の動作プロファイルにしたがって予め見積もる制御電子装置8を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械(1)における電気駆動装置(2)を制御する装置(7)において、
少なくとも1つの電気駆動装置(2)によって必要とされる電気エネルギーを該電気駆動装置(2)の動作プロファイルにしたがって予め見積もる制御電子装置(8)が設けられていることを特徴とする、電気駆動装置を制御する装置。
【請求項2】
前記制御電子装置(8)は、それが、前記電気駆動装置(2)によって一定の期間(Tn)にわたって要求された平均電気出力を算出するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御電子装置(8)は、それが、前記電気駆動装置(2)の電力需要の算術的平均値を、行なわれるべき周期的な動作プロファイルに応じて算出するように構成されている、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
電圧源(6)と前記の少なくとも1つの電気駆動装置(2)の間にエネルギー貯蔵器(9)が存在し、前記制御電子装置(8)は前記エネルギー貯蔵器(9)と接続されて、前置された電流供給装置(6,12)の十分に一定の電力(PAV)を少なくとも期間(Tn)の間受け取るために設けられているが、前記電気駆動装置(2)が前記期間(Tn)に一定の所要電力を有していない、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記電気駆動装置(2)にインバータまたはDC/ACコンバータ(4)を介して電気エネルギーが供給される、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記インバータまたはDC/ACコンバータ(4)が前記エネルギー貯蔵器(9)と前記電気駆動装置(2)の間に接続されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記制御電子装置(8)が直流電圧中間回路(12)に接続されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記直流電圧中間回路(12)が整流器(5)を介して交流電圧網に接続可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記直流電圧中間回路(12)に少なくとも1つの直流電流消費機器(3)が接続されている、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記電動機(2)の電気エネルギー需要を算出するための、前記制御電子装置(8)の電動機電流および/または電動機電圧を供給する、前記電動機電流(IPWR)および/または前記電動機電圧(UPWR)を検出するセンサー(13)が設けられている、請求項1から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記制御電子装置(8)から前記電気駆動装置(2)への電気エネルギー流が調整可能である、請求項1から10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記電気駆動装置(2)から前記制御電子装置(8)へのエネルギー流が調整可能である、請求項1から10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記制御電子装置(8)から前記電気駆動装置(2)へのエネルギー流およびその逆が調整可能である、請求項1から10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記制御電子装置(8)が、前記電気駆動装置(2)の動作プロファイルを格納する電気記憶装置を有している、請求項1から13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項による装置(7)を有する被印刷体処理機械。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、機械における電気駆動装置を制御する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
100KWの範囲およびそれよりも大きい出力能力のある電気駆動装置を有する生産機械がエネルギー供給企業の交流電流網にかける負荷は小さくなく、特に、大きく変動する負荷を有する機械は、電源供給ラインにとって特に大きな負荷となっている。その際に生じるピーク負荷は電源によって相応に緩和されなければならず、すなわち機械の電源は、ピーク負荷の場合でも電源が保証されるように設計されなければならない。ピーク負荷をいつでも阻止できるようにするためには、ピーク負荷は相応に高価なインフラストラクチャーを必要とするので、ピーク負荷はさらにエネルギー供給企業の電流料金に現れる。その際、特に、大きな機械設備と相応する何回も変動する負荷を有する企業は相応に高い電流料金を支払わなければならない。しかしながら、電力回路や中間電流回路のような全ての部品は短時間に生ずるピーク負荷のみに基づいて設計されなければならないので、大きな機械に生ずるピーク負荷は電流供給網にとって大きな負荷になるだけでなく、機械の電源自体のサイズを然るべき大きさにする必要がある。それだから、たとえば印刷機は、大抵、直流電圧中間回路を経て供給される複数の電気駆動装置を有している。直流電圧中間回路に、大きなピーク負荷を有する電気駆動装置が接続されると、直流電圧中間回路に相応に大きなピーク負荷が生じ、すなわち直流電圧中間回路はこの大きなピーク負荷に合わせてサイズを決めなければならない。このことは、直流電圧中間回路およびそのために必要な、整流器を経る直流電圧供給の大きさを決める際のコストを大きくする。
【0003】
ピーク負荷の問題は基本的に既にずっと以前から知られており、解決策としていわゆるエネルギー管理システムが開発されている。そのようなエネルギー管理システムが特許文献1から公知である。特許文献1で挙げられている解決策は特に、エネルギー供給企業のネットワークに接続されている企業電流網に用いることができる。企業電流網は幾つかの機械、したがって負荷に電気エネルギーを供給し、その際個々の負荷はいわゆる「パワーコンディショナー」を介して制御される。そのような機器は一方で、小さい負荷の時間の間、たとえば夜間の割安の電流料金の時に、電気エネルギーを電流供給企業のネットワークから取り出し、エネルギー蓄積器に送ることによって、出力ピークを回避するために用いられる。エネルギー蓄積器としてたとえばフライホイール蓄積器が用いられる。企業電流網の負荷がエネルギー供給企業の所定の限界を超えると、必要なエネルギーはもはやエネルギー供給企業の電流網ではなく、フライホイールの形態のエネルギー蓄積器に得られる。それでもって、出力ピークによる、エネルギー供給企業の電流網の過大な負荷が避けられる。外からは見えない出力ピークを補償するために、外からは見えない出力ピークを均すコンデンサバンク(Kondensatorenbank)がさらに存在する。しかしながら、特許文献1において提案されている解決策にもかかわらず、企業電流網における負荷1からnまでの電流供給の大きさをピーク負荷に基づいて決めなければならない問題は何も変わっていない。ピーク負荷に基づいたこのような設計は企業電流網および負荷1からnにおける電源を著しく高価なものとする。
【特許文献1】ドイツ特許出願公開明細書DE4421914A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、機械における電源装置を平均電力需要に応じたサイズにするのを可能にする、機械の電気駆動装置のエネルギー消費を制御する装置を自由に使えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、上記の目的は請求項1によって達成される。本発明の有利な実施態様は従属請求項および図面からわかる。
【0006】
本発明は、400Vの三相電源にとって確かに大きな負荷であり、最大生産能力の限界につながる、約100KW以上の範囲の所要電力を有する大きな生産機械において使用されるのにとりわけ適している。このような機械は、印刷機や折り機がこの電力クラスの駆動装置を有するグラヒック産業においても使用される。印刷所に設置された機械は現場で電源を間に合わせばければならないので、設置された機械のできるだけ問題のない負荷挙動を達成することが印刷機を所有する経営者にとって重要である。その理由は、経営者はその印刷所電力供給網ための、然るべき少ない追加の備えを講じなければならず、エネルギー供給企業の高価な特別料金に屈しないためである。さらに、印刷機自体における大きなサイズの電源を避けることによって、機械の製造コストを相応に下げることができる。本発明によれば、電気駆動装置のエネルギー消費を制御する装置は、電気駆動電動機によって必要とされる電気エネルギーを電気駆動装置の動作プロファイルにしたがって予め見積もることを可能にする出力電子装置を有している。電気駆動電動機で生じる負荷ピークは印刷機における運転経過と密室な関連がある。したがって、印刷機において、特に、周期的に作動する調整電動機(Einstellmotoren)の場合に、一定間隔で生じる決まった動作シーケンスがある。他の電気駆動電動機が決められた調整過程においてのみ必要であり、その場合必要な電気エネルギーは調整過程自身の範囲に左右される。本発明によれば、出力電子装置は、必要な電気エネルギーが将来の決められた時間範囲に対して十中八九知られるように、必要な電気エネルギーを印刷機の電気駆動装置の動作プロファイルにしたがって予め見積もることができる。この、時間範囲に対して必要な電気エネルギーは出力電子装置(Leistungselektronik)において許容ピーク負荷限界と比較される。この負荷限界が万一、予め見積もられた時間間隔において超えられると、相応により高い電気エネルギーが電気駆動装置の初期需要を超えて電力供給網から受け取られ、エネルギー貯蔵器に一時的に蓄えられ、その際、初期需要を越えるそのように受け取られた電気エネルギー量はしかしながら許容ピーク負荷限界の下にある。電動機のスイッチを入れる前に、エネルギーを引き取ることも可能であり、したがってエネルギー貯蔵器に負荷をかけてピーク負荷を阻むことができる。蓄えられた電気エネルギーは次に、ピーク負荷限界が超えられたとき、短時間に現れるピーク負荷を隠すために電気駆動装置によってエネルギー貯蔵器から印刷機に呼び出すことができる。
【0007】
機械の全ての、または少なくとも、出力が大きい全ての電動機が本発明の装置を備えているならば、本発明の装置は、各電気駆動装置について必要な電気エネルギーを対応する動作プロファイルに対して予め見積もり、上位の制御電子装置が機械の全ての電気駆動装置の全エネルギー需要を算出することによって、機械全体の電気エネルギー需要を予め見積もることができる。このために、個別の制御電子装置を設けるか、接続されている駆動装置のエネルギー需要に加えて、他の全ての駆動装置のエネルギー需要をも算出するか、少なくとも、他の出力電子装置の算出結果を受け取り、全需要のために考慮する出力電子装置の1つが設けられる。本発明の装置は、負荷ピークは駆動装置自体にのみ生じるが、機械の電源自体にはもはや生じないため、たいてい幾つかの電気駆動装置を有している機械の全電気エネルギー供給を、そのサイズにおいて最大の平均エネルギー需要に応じて設計することができる大きな利点がある。したがって、この最大平均電気エネルギー需要は電力供給網の最大ピーク負荷を表しており、最大ピーク負荷をしばしば著しく下回る。
【0008】
本発明の第1の態様では、出力電子装置を、それが、一定の期間にわたって電気駆動装置によって要求された平均電気出力(durchschnittliche elektrische Leistung)を算出するように構成することが意図されている。この一定期間は、それが電気駆動装置の動作シーケンスの期間と一致するように目的に適って適切に選択される。電気駆動装置の動作プロファイルが、期間Tnにわたって広がっている動作を有しているならば、平均電気エネルギーを算出するための間隔も期間Tnに一致しなければならない。出力電子装置は、期間Tnの動作プロファイルを基にして、全部で必要な電気出力をこのようにして算出し、期間Tnによって割ることによって平均必要電気出力を算出することができる。この平均必要電気出力は次に動作プロファイルの間または少なくとも一部は動作プロファイルの終了の前に電源から取り出され、電気駆動装置によって自由に使われ、その際負荷ピークは相応のエネルギー貯蔵器によって電気駆動装置に対して保護される。このために、電源と電気駆動装置の間に、例えばコンデンサーまたはコンデンサーバンクであってよいエネルギー貯蔵器がある。このエネルギー貯蔵器は、差し当たり必要でない取り出された平均電気出力を吸収し、この平均電気出力はそれから動作プロファイルを開始する際に、電気駆動装置によって再度呼び戻され、負荷ピークを相応に平滑にする。
【0009】
電気駆動装置にインバータ(Umrichter)またはDC/ACコンバータ(Wechselrichter)を介して電気エネルギーを供給するのを意図するのが有利である。印刷機では、インバータまたはDC/ACコンバータを介して制御された電圧が供給される駆動電動機が大抵備えられている。それでもって、電気駆動電動機の非常に正確で十分に無段階の回転数制御が可能である。インバータはその入力にある直流電圧を、電動機電子装置の然るべき制御された交流電圧に変換する。DC/ACコンバータの使用は、直流電圧網から電気駆動装置への電流流れが可能になるだけでなく、発電制動の場合には、電気駆動装置から直流電圧網へのフィードバックも可能になる、と言う利点がある。機械の電力供給網への負荷をできるだけ少なくするために、エネルギー貯蔵器は電気駆動装置のインバータまたはDC/ACコンバータの直前に位置している。このことは、電気駆動装置によって発生した負荷ピークが駆動装置自身において、およびインバータまたはDC/ACコンバータにおいて発生するが、エネルギー貯蔵器の前の電力供給網全体に電気駆動装置の最大平均電気出力によってだけ負荷がかけられる、と言う大きな利点がある。そのように配置されたエネルギー貯蔵器によって、発生した負荷ピークは場所的に狭く限られ、機械の残りの電力供給網を、取り出された平均電気出力に応じてより小さなサイズにすることが可能になる。印刷機では、大抵幾つかの電気駆動電動機に直流電圧中間回路を介して電気エネルギーが供給される。この直流電圧中間回路に、エネルギー貯蔵器を有する出力電子装置、インバータまたはDC/ACコンバータ、および電気駆動装置が接続されている。本発明の装置によって、直流電圧中間回路には、接続されている電気駆動電動機の最大平均出力だけが負荷としてかかる。
【0010】
最大平均電気出力が直流電圧中間回路に発生するのをさらに避けるために、例えば直流電圧中間回路にある全ての電気駆動電動機の運転を同時に開始するのを避けることによって、電気駆動電動機の電力需要を追加的に互いに調整することが上位の出力電子装置によってさらに可能になる。このために、電動機の出力電子装置は、エネルギー需要を互いに調整できるようにするために、互いに、直接またはコンピュータ、例えば機械制御装置を介して互いに通信し、その出力計算を交換することができる。低い優先度を有する電子駆動装置は、直流電圧中間回路において最大ピーク出力に達したときでないと、全くオンされない。さらに、全体需要を減らすために、個々の駆動装置の所要電力も制限することができる。直流電圧中間回路は整流器を介して交流電圧網に接続可能である。この電源は印刷機では印刷機の400Vの三相電源への接続である。本発明の装置を使用することによって、特に負荷ピークを有せず、最大平均出力を超える、比較的一様な電気出力が400V三相電源に受け取られる。
【0011】
電動機の電気エネルギー需要を計算するための電動機電流および/または電動機電圧を供給する、電動機電流および/または電動機電圧を検出するセンサーを備えることをさらに意図することが有利である。このようにして、出力電子装置は電動機電流の実際値と電動機電圧の実際値をも考慮し、場合によっては電動機電流と電動機電圧の予め見積もられた目標値との発生した偏差を制御することができる。それによって、平均電気出力が所定の出力限界を超えて大きくなることに通ずる電動機電流値および電動機電圧値を受け取ることが妨げられる。このことは、駆動電動機の電気所要電力自体が、同一の動作プロファイルの場合、寿命を超えて一定ではない限りにおいて重要である。したがって、電動機は摩耗現象により時間の経過とともに動作が容易になったり困難になったりすることがあり、このことは所要電力をそれに応じて高めまたは低くする。可動部品の封鎖もあり得、これによって同じく電気駆動装置の所要電力が少なくとも短時間高まる。これらは全て出力電子装置によって電動機電流と電動機電圧を検出することによって考慮することができる。所要電力が高くなった際の、手元にあるエネルギー貯蔵器による補償がもはや不可能の場合、出力電子装置はこのようにして電気駆動装置を場合によってはオフしたりあるいはその所要電力を下げたりすることができる。これによっても、電気駆動装置が最大平均所要電力を超えることが避けられる。
【0012】
出力電子装置が、電気駆動装置の動作プロファイルを格納する電気記憶装置を有することが有利である。印刷機における電気駆動装置の目的に応じて、電気駆動装置は典型的な動作プロファイルを有している。特に、印刷機の給紙装置においては、電気駆動装置は周期的間隔で動作し、周期内の所要電力は大きく変動し、このことはしかしながら動作プロファイルをわかっている場合に相応に出力電子装置によって考慮することができる。給紙装置における周期的動作プロファイルは本発明によれば出力電子装置の記憶モジュールに格納される。印刷機が動作に入るや否や、出力電子装置は、操作員によって選択された機械速度と格納されている動作プロファイルによって給紙装置駆動電動機の必要平均電気出力を算出し、エネルギー貯蔵器を相応に充電することができる。給紙装置を運転する際に発生する周期的負荷ピークはエネルギー貯蔵器によって吸収され、印刷機の直流電圧中間回路に負荷をかけることにつながらない。したがって、本発明は、電気駆動装置の周期的動作プロファイルにおいてピーク負荷を均し、取り出された最大のピーク出力を周期の間の平均出力に制限することに特に適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1の印刷機1は、幾つかの電流消費機器を有しており、そのうちの1つを電動機2として詳しく説明する。他の電流消費機器3も電動機であってよい。直流電流消費機器3と電動機2は印刷機1の直流電圧中間回路12に接続されている。この直流電圧中間回路12は印刷機1の最大の電圧供給領域を示している。印刷機1は整流器5を介して400ボルトの三相交流電流網6に接続されている。整流器5は、可能な限り一定の中間回路電圧UZWKを直流電圧中間回路12に供給する。図1の電動機2は、電気的に調整される駆動装置であり、電動機2の電流供給は4象限駆動のためのDC/ACコンバータ4によって行なわれる。DC/ACコンバータ4によって、電動機2の回転数およびトルクを無段階に調整することができる。本発明は、電動機2のDC/ACコンバータ4の前に接続されたエネルギー管理システム7にある。エネルギー管理システム7はDC/ACコンバータ4を直流電圧中間回路12に接続しており、直流電圧中間回路12に最大許容電力だけが電動機2によって取り出される働きをする。このために、エネルギー管理システム7は、出力電子装置と、電動機2の電力需要を前もって算出するコンピュータからなる制御電子装置8を有している。さらに、エネルギー管理システム7は、1つまたは複数のコンデンサからなるエネルギー貯蔵器9を有している。エネルギー貯蔵器9は、電動機2の出力ピークを受け取るために設けられている。制御電子装置8には、たとえば、印刷機1における梁装置(Balkenanlage)または枚葉紙制動装置を駆動する役目をすることができる電動機2の動作プロファイルがさらに記憶されている。梁装置のみならず枚葉紙制動装置も、周期的に大きく変動する運動プロファイルを必要とする。さらに、図1には、DC/ACコンバータ4における電動機電圧UPWRおよび電動機電流IPWRを検出し、電子制御装置8に送るセンサー13が存在する。したがって、電子制御装置8は、電動機電流の実際値IPWRと電動機電圧の実際値UPWRを考慮し、場合によっては目標値−実際値制御を実行することができる。図1には詳しくは示していない直流電流消費機器3は一般に、前置されているDC/ACコンバータ4およびエネルギー管理システム7と一緒に電動機2とちょうど同じように構成することができる。このことは、直流電流消費機器3も直流電圧中間回路12から最大許容入力直流電流IEistを受け取り、したがって最大許容平均出力を超えないことにつながる。本発明の大きな利点は、直流電圧中間回路12を、出力ピークではなく、最大許容平均出力だけに応じて設計すればよいことである。出力最大値は場所的に限られて電動機2に直接発生することができるだけである。というのは、それが、制御電子装置8とエネルギー蓄積器9からなるエネルギー管理システム7によって然るべく受け取られるからである。直流電圧中間回路12のこの小さいサイズは他方で、整流器5も同様に、大きく変動するピーク負荷を処理するのではなく、最大許容平均出力だけを引き渡さなければならいので、整流器5も小さいサイズにすることができる結果となる。他の結果として、相応に400ボルトの三相電源6にも大きく変動する出力、特に大きなピーク負荷が作用しない。
【0015】
図1aは、図1の実際の入力電流IEistに相当する、算出された入力電流IEを例示的に示している。IEとIEistは理想的な場合、一定の時間間隔Tnにわたって一定に保たれ、したがって時間間隔Tnでは直流電圧中間回路12内には電動機2を原因として負荷変動は発生しないことがわかるべきである。これに対して図1bは、電動機2の動作プロファイルに応じて大きな変動を有する、DC/ACコンバータ4における電動機電流IPWRを示している。図1bにおける電流経過はこの場合、発電機としてのみならず電動機として行われる動作を示している。しかしながら、まず一定の周期Tnの間必要な電気エネルギーが算出され、それから周期Tnによって割られて平均の必要な電気出力と、それに伴って平均の必要な入力電流IEが算出されることがエネルギー管理システム7によって達成される。これはそれから時間間隔Tnにわたって一定であることがわかり、平均化された、大きく変動する電動機電流IPWRに相当する。
【0016】
図2は、電動機2の平均の必要電気出力PAVの算出過程を示している。電子制御装置8にはそのために、記憶されている運動プロファイルから、繰り返される運動の周期Tnおよびその際に生じるプロファイルが、DC/ACコンバータ4で使われる目標値である電動機電圧UPWRと電動機電流IPWRとして供給される。これらのデータから制御電子装置8は所定の周期Tnの間必要な平均電気出力PAVを、所定の周期Tnにわたる積分によって算出する。電子制御装置8のモジュール11では電流を算出するために、そのように算出された必要電気出力PAVと直流電圧中間回路12の中間回路電圧UZWKから目標電動機電流IEsollが算出される。この目標値IEsollはレオスタット(Stromregler)10においてエネルギー管理システム7の入力電流の実際値IEistと比較され、生じた偏差IEdiffは差電流として制御される。DC/ACコンバータ4は次に、算出された平均電気出力PAVを、自由に使えるように、このようにして取得し、その際差し当たって必要ない電気エネルギーはエネルギー貯蔵器9に一時的に蓄えられ、ピーク負荷の際にDC/ACコンバータ4で自由に使用される。このようにして出力ピークはエネルギー管理システム7によって阻止され、直流電圧中間回路12には送られない。
【0017】
エネルギー貯蔵器9は以下のように構成される。エネルギー貯蔵器9は、DC/ACコンバータ4の許容入力電圧領域UPWRから始まって、電動機2の運転前または開始時にエネルギー管理システム7によって最大許容電圧に応じて負荷がかけられなければならない。エネルギー貯蔵器9は、周期的な出力ピークが次第に消えた後、エネルギー貯蔵器9の電圧がDC/ACコンバータ4の電圧下限値を下回らないように大きさが決められている。たとえば電動機2の制動時のような負荷解除またはフィードバックの間、エネルギー貯蔵器9はエネルギー管理システム7によって一定の出力で充電される。この再充電電流(Nachladestrom)は、エネルギー貯蔵器9において最大充電電圧に達したときに、電動機2の直ぐ次の加速動作が行われるように、駆動電動機2の周期的に生ずる出力ピークに基づいてできるだけ最適に設計されなければならない。
【0018】
図3aは、電動機2の、発電機動作で発生する出力ピークを均すように設計された、エネルギー貯蔵器9と接続されている制御電子装置8を示している。しかしながら、図3aの回路ではフィードバックは可能ではなく、したがって電動機運転における出力ピークのみ均すことができる。この場合、エネルギー貯蔵器9に、電動機運転のみを可能にするDC/ACコンバータ4が接続されている。これに対して、図3bの回路は、例えば、絶えず印刷機1における制動駆動装置として働く、接続された電動機2の発電運転のみを可能にする。制御電子装置8は、電動機2のできるだけ一定の平均電気出力を、エネルギー貯蔵器9を介して直流電圧中間回路12にフィードバックする働きをする。この場合、制御電子装置8は、フィードバックの際にも、直流電圧中間回路12に入力ピークが現れないようにエネルギー貯蔵器9と協働して備えている。図3cは、図1においてDC/ACコンバータ4と接続されている制御電子装置8がどのように設置されるかを示している。この場合、電動機2の発電機として動作のみならず電動機としての動作も可能であり、エネルギー貯蔵器9に接続されている制御電子装置8は、直流電圧中間回路12に最大許容電気出力だけが受け取られ、最大許容電気出力だけが供給されることを確実にする。図3a、3b、3cの実施形態はそれぞれの用途に合わせて用いられる。四象限運転において動作する電動機2は、電動機としてまたは発電機としてのみ動作する電動機2が図3aまたは図3cの回路に接続されている間、図3cの回路を介して給電される。しかし、3つの回路はすべて、直流電圧中間回路12に最大許容平均電気出力だけが負荷としてかけられ、その結果直流電圧中間回路12のサイズを相応に小さくできる点で共通である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の、電気駆動装置への電流供給装置を備えた、印刷機の直流電圧中間回路を示す図である。
【図1a】直流電圧中間回路内の電流の時間経過を示す図である。
【図1b】電気駆動装置のインバータにおける電流の時間的経過を示す図である。
【図2】平均電気出力の算出過程を示す図である。
【図3a】駆動電動機の純粋の電動動作プロファイルにおける一定所要電力のための本発明によるスイッチ回路を示す図である。
【図3b】駆動電動機の純粋の発電動作プロファイルにおける一定所要電力のための本発明によるスイッチ回路を示す図である。
【図3c】駆動電動機の純粋の電動動作および発電動作プロファイルにおける一定所要電力のための本発明によるスイッチ回路を示す図である。
【符号の説明】
【0020】
1 印刷機
2 電動機
3 直流電流消費機器
4 DC/ACコンバータ
5 整流器
6 電源
7 エネルギー管理システム
8 制御電子装置
9 エネルギー供給源
10 レオスタット
11 電流計算器
12 直流電圧中間回路
13 センサー
PWR 電動機電流
PWR 電動機電圧
Eist 入力直流電流
ZWK 中間回路電圧
E 算出された入力電流
Ediff 差電流
Esoll 目標電動機電流
AV 必要出力
n 周期
【出願人】 【識別番号】390009232
【氏名又は名称】ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Heidelberger Druckmaschinen AG
【住所又は居所原語表記】Kurfuersten−Anlage 52−60, Heidelberg, Germany
【出願日】 平成19年7月9日(2007.7.9)
【代理人】 【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫

【識別番号】100106138
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 政幸

【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭


【公開番号】 特開2008−21311(P2008−21311A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2007−179221(P2007−179221)