トップ :: G 物理学 :: G05 制御;調整

【発明の名称】 ボルテージレギュレータ
【発明者】 【氏名】上里 英樹

【要約】 【課題】入力電圧の変動に応答して出力電圧を所定の電圧で一定にすることができるボルテージレギュレータを提供する。

【構成】本実施形態に係るボルテージレギュレータによれば、入力端子INから入力された入力電圧VDD、又は昇圧回路200において昇圧された電圧VINを所定の出力電圧VDCに調整して出力端子OUTに出力する電圧出力回路100、監視回路300による出力電圧の監視結果に基づいて電圧VDDを昇圧して電圧出力回路100に入力する昇圧回路200、及びボルテージレギュレータに入力される入力電圧VDDを監視する監視回路300を有して構成することにより、入力電圧VDDが低い場合であっても一定の出力電圧VDCを維持することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源からの電圧を所定電圧に変換して出力する電圧出力手段を有するボルテージレギュレータにおいて、
前記電源からの入力電圧が基準電圧以上であるか否かを監視する監視手段と、
前記監視手段によって前記入力電圧が前記基準電圧より低いことが検出されたとき、
前記電源からの入力電圧を昇圧する昇圧手段と、
前記電圧出力手段は、前記昇圧手段によって昇圧された電圧を前記所定電圧に変換する変換手段とを有することを特徴とするボルテージレギュレータ。
【請求項2】
前記監視手段は、
前記基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、
前記電源からの入力電圧と前記基準電圧とを比較し、該入力電圧が前記基準電圧よりも低いとき、前記昇圧手段をONする信号を発信する比較手段とを有することを特徴とする請求項1記載のボルテージレギュレータ。
【請求項3】
電源からの電圧を所定電圧に変換して出力する電圧出力手段を有するボルテージレギュレータにおいて、
前記電源からの入力電圧が出力電圧を基準にして設定した電圧以上であるか否かを監視する監視手段と、
前記監視手段によって前記入力電圧が前記出力電圧を基準に設定した電圧より低いことが検出されたとき、
前記電源からの入力電圧を昇圧する昇圧手段と、
前記電圧出力手段は、前記昇圧手段によって昇圧された電圧を前記所定電圧に変換する変換手段とを有することを特徴とするボルテージレギュレータ。
【請求項4】
前記監視手段は、
前記電源からの入力電圧と前記出力電圧を基準に設定した電圧とを比較し、該入力電圧が該電圧よりも低いとき、前記昇圧手段をONする信号を発信する比較手段とを有することを特徴とする請求項3記載のボルテージレギュレータ。
【請求項5】
前記監視手段は、前記電源から前記比較手段に入力する入力電圧を分圧する分圧手段を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のボルテージレギュレータ。
【請求項6】
前記分圧手段は、前記比較手段の−端子と出力端子間に抵抗を設け、該比較手段にヒステリシスを持たせていることを特徴とする請求項5記載のボルテージレギュレータ。
【請求項7】
前記分圧手段は、
前記比較手段の−端子と出力端子間に複数の抵抗と、
前記比較手段から前記昇圧手段をONする信号が発信されたとき、前記抵抗のいずれかをOFFして前記分圧手段の抵抗比を変更する抵抗比制御手段とを有することを特徴とする請求項6記載のボルテージレギュレータ。
【請求項8】
前記昇圧手段は、前記比較手段からONする信号が入力されたとき、前記電源から前記電圧出力手段への前記入力電圧の入力を切断する切断手段を有することを特徴とする請求項2、及び4から7のいずれか1項記載のボルテージレギュレータ。
【請求項9】
前記切断手段は、
前記比較手段から入力された前記昇圧手段をONする信号を前記ボルテージレギュレータがOFFされるまで記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に前記昇圧手段をONする信号が記憶されている間、前記電源から前記電圧出力手段への前記入力電圧の入力を切断する電圧制御手段とを有することを特徴とする請求項8記載のボルテージレギュレータ。
【請求項10】
前記電圧出力手段は、前記電源からの入力電圧又は前記昇圧手段によって昇圧された入力電圧を所定電圧に降下させる制御手段を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載のボルテージレギュレータ。
【請求項11】
前記昇圧手段は、
前記比較手段からONする信号が入力されたとき、ON/OFF信号を周期的に発信する発信手段と、
前記電源からの入力電圧を昇圧するコイルと、
前記発信手段からのON/OFF信号に応じて前記コイルとGNDを接続/切断する第1のスイッチと、
前記発信手段からのON/OFF信号を反転させる反転手段と、
前記反転手段によって反転されたON/OFF信号に応じて前記コイルと前記電圧出力手段を接続/切断する第2のスイッチとを有し、
前記発信手段から発信される周期的なON/OFF信号に応じて前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを開閉し、前記コイルへの電力の蓄積及び前記コイルから前記電圧出力手段への前記電力の放出を繰り返すことにより、前記電源から入力された入力電圧を昇圧することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載のボルテージレギュレータ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ボルテージレギュレータに関し、特に、入力電圧の変動に応答して出力電圧を所定の電圧に維持することができるボルテージレギュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題に対する配慮から、電気機器の省電力化が求められている。特に電池駆動による機器においてその傾向が顕著である。ノートパソコンや携帯電話、PDA(携帯情報端末)などの電気機器においては、一般的にリチウム・イオン電池が使用されている。
【0003】
具体的には、携帯電話などの携帯機器に多く使われるリチウム・イオン電池の放電終止電圧は、これまで3V程度までであったが、携帯機器を長時間動作させるために、改良により2.5V以下にすることが可能になってきた。
【0004】
特許文献1では、同一半導体基板上にMOSFET回路で構成される差動増幅回路部と出力回路部からなる2段型演算増幅回路、及び、基準電圧発生回路を備えてなるレギュレータ回路であって、基準電圧発生回路の出力する基準電圧を差動増幅回路部の一方入力に接続し、出力回路部の出力電圧を帰還抵抗による分圧して差動増幅回路部の他方入力に接続し、差動増幅回路部の出力を出力回路部の入力に接続して構成するとともに、差動増幅回路部の電源電圧として、出力回路部の電源電圧より低い電圧を供給し、出力回路部の電源電圧として、差動増幅回路部に供給される電源電圧と同電圧レベルの電圧を昇圧回路で昇圧して供給するレギュレータ回路が提案されている。
【0005】
特許文献2では、バッテリーからの出力電圧が所定電圧であるか否かを検出し、所定電圧以上であれば、バッテリーからの出力電圧を出力制御手段によって第2の電圧にし、所定電圧以下であれば、バッテリーからの出力電圧を一度昇圧手段によって第1の電圧に昇圧してから、出力制御手段によって第2の電圧にするので、電池の電源効果を良くすることができ、省電力効果が得られる電子機器が提案されている。
【特許文献1】特開2005−339467号公報
【特許文献2】特開2006−081369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の発明は以下の問題を有している。
【0007】
特許文献1記載のレギュレータ回路は、出力回路部の電源電圧として、差動増幅回路部に供給される電源電圧と同電圧レベルの電圧を昇圧回路で昇圧して供給しているが、昇圧回路のON/OFFを切り換えることができない。
【0008】
また、上述したように、携帯機器に使用されるリチウム・イオン電池は、改良によりその放電終止電圧が3V以下にまで下げられた。しかし、携帯機器が3V以上の電圧により動作する場合、携帯機器に電源を供給する際、リチウム・イオン電池から出力される電圧を昇圧して該携帯機器に供給する必要がある。特許文献2記載の電子機器においては、バッテリーからの出力電圧が所定電圧であるか否かを検出し、所定電圧以上であれば、バッテリーからの出力電圧を出力制御手段によって第2の電圧にし、所定電圧以下であれば、バッテリーからの出力電圧を一度昇圧手段によって第1の電圧に昇圧してから、出力制御手段によって第2の電圧にすることにより、一定の電圧を携帯機器等に供給しているが、ボルテージレギュレータとは別のIC基板上に昇圧回路が設けられているため、回路規模が大きく全体の回路構成も複雑になり、携帯機器が大型化する。また、該昇圧回路によって電圧を昇圧して携帯機器等に電源を供給した場合、昇圧回路における電力の消費が大きくなり、結果的に電池の電源効果を低下させることになる。さらに、特許文献2に示すように、ある一定の電圧に昇圧して出力するDCDCコンバータを昇圧手段として用いた場合、その値段も高くなり、DCDCコンバータで消費される電力も大きい。
【0009】
そこで、本発明は、入力電圧の変動に応答して出力電圧を所定の電圧で一定にすることができるボルテージレギュレータであって、監視回路によって電源から入力される電圧を監視し、入力電圧が予め設定された電圧まで低下したとき、昇圧回路からのエネルギーの放出により該出力電圧を昇圧させることにより、入力電圧が低い場合であっても出力電圧を維持することができるボルテージレギュレータを提案することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、電源からの電圧を所定電圧に変換して出力する電圧出力手段を有するボルテージレギュレータにおいて、前記電源からの入力電圧が基準電圧以上であるか否かを監視する監視手段と、前記監視手段によって前記入力電圧が前記基準電圧より低いことが検出されたとき、前記電源からの入力電圧を昇圧する昇圧手段と、前記電圧出力手段は、前記昇圧手段によって昇圧された電圧を前記所定電圧に変換する変換手段とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のボルテージレギュレータにおいて、前記監視手段は、前記基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、前記電源からの入力電圧と前記基準電圧とを比較し、該入力電圧が前記基準電圧よりも低いとき、前記昇圧手段をONする信号を発信する比較手段とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、電源からの電圧を所定電圧に変換して出力する電圧出力手段を有するボルテージレギュレータにおいて、前記電源からの入力電圧が出力電圧を基準にして設定した電圧以上であるか否かを監視する監視手段と、前記監視手段によって前記入力電圧が前記出力電圧を基準に設定した電圧より低いことが検出されたとき、前記電源からの入力電圧を昇圧する昇圧手段と、前記電圧出力手段は、前記昇圧手段によって昇圧された電圧を前記所定電圧に変換する変換手段とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のボルテージレギュレータにおいて、前記監視手段は、前記電源からの入力電圧と前記出力電圧を基準に設定した電圧とを比較し、該入力電圧が該電圧よりも低いとき、前記昇圧手段をONする信号を発信する比較手段とを有することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載のボルテージレギュレータにおいて、前記監視手段は、前記電源から前記比較手段に入力する入力電圧を分圧する分圧手段を有することを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のボルテージレギュレータにおいて、前記分圧手段は、前記比較手段の−端子と出力端子間に抵抗を設け、該比較手段にヒステリシスを持たせていることを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項6記載のボルテージレギュレータにおいて、前記分圧手段は、前記比較手段の−端子と出力端子間に複数の抵抗と、前記比較手段から前記昇圧手段をONする信号が発信されたとき、前記抵抗のいずれかをOFFして前記分圧手段の抵抗比を変更する抵抗比制御手段とを有することを特徴とする。
【0017】
請求項8記載の発明は、請求項2、及び4から7のいずれか1項記載のボルテージレギュレータにおいて、前記昇圧手段は、前記比較手段からONする信号が入力されたとき、前記電源から前記電圧出力手段への前記入力電圧の入力を切断する切断手段を有することを特徴とする。
【0018】
請求項9記載の発明は、請求項8記載のボルテージレギュレータにおいて、前記切断手段は、前記比較手段から入力された前記昇圧手段をONする信号を前記ボルテージレギュレータがOFFされるまで記憶する記憶手段と、前記記憶手段に前記昇圧手段をONする信号が記憶されている間、前記電源から前記電圧出力手段への前記入力電圧の入力を切断する電圧制御手段とを有することを特徴とする。
【0019】
請求項10記載の発明は、請求項1から9のいずれか1項記載のボルテージレギュレータにおいて、前記電圧出力手段は、前記電源からの入力電圧又は前記昇圧手段によって昇圧された入力電圧を所定電圧に降下させる制御手段を有することを特徴とする。
【0020】
請求項11記載の発明は、請求項1から10のいずれか1項記載のボルテージレギュレータにおいて、前記昇圧手段は、前記比較手段からONする信号が入力されたとき、ON/OFF信号を周期的に発信する発信手段と、前記電源からの入力電圧を昇圧するコイルと、前記発信手段からのON/OFF信号に応じて前記コイルとGNDを接続/切断する第1のスイッチと、前記発信手段からのON/OFF信号を反転させる反転手段と、前記反転手段によって反転されたON/OFF信号に応じて前記コイルと前記電圧出力手段を接続/切断する第2のスイッチとを有し、前記発信手段から発信される周期的なON/OFF信号に応じて前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを開閉し、前記コイルへの電力の蓄積及び前記コイルから前記電圧出力手段への前記電力の放出を繰り返すことにより、前記電源から入力された入力電圧を昇圧することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
そこで、本発明は、入力電圧の変動に応答して出力電圧を所定の電圧で一定にすることができるボルテージレギュレータであって、監視回路によって電源から入力される電圧を監視し、入力電圧が予め設定された電圧まで低下したとき、昇圧回路からのエネルギーの放出により該出力電圧を昇圧させることにより、入力電圧が低い場合であっても出力電圧を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態に係るボルテージレギュレータの構成及び動作について説明する。
【0023】
まず、図1を用いて本実施形態に係るボルテージレギュレータの構成について説明する。
【0024】
本実施形態に係るボルテージレギュレータは、入力端子INから入力された入力電圧VDD又は昇圧回路200において昇圧された電圧VINを出力端子OUTに出力する電圧出力回路100、監視回路300による入力電圧VDDの監視結果に基づいて入力電圧VDDを昇圧した電圧VINを電圧出力回路100に入力する昇圧回路200、及び入力端子INから入力された入力電圧VDDを監視する監視回路300を有して構成される。なお、電圧出力回路100の出力端子OUTと接地電圧との間にコンデンサ500が接続されている。コンデンサ500は、電圧出力回路100からの出力電圧のリプル除去や、負荷400への出力電流の変動に対する電圧出力回路100の応答の遅れによる出力電圧VDCの変動を抑える働きを有する。さらに、コンデンサ500は、入力電圧VDDが低下して、昇圧回路200から電圧VINが出力されるまでの間に、出力電圧VDCにアンダーシュートが発生しないように出力電圧VDCを保持する機能を併せ持っている。
【0025】
図1において、昇圧回路200の入力端子INには電池等の電源からの入力電圧VDDが入力されており、昇圧回路20の出力端子OUTには電圧出力回路100が接続されている。電圧出力回路100は、入力された入力電圧VDDから所定の定電圧を生成して負荷400に出力する。監視回路300は、電源からの入力電圧VDDを監視し、該入力電圧VDDと所定の基準電圧VrefAとを比較し、比較結果を昇圧回路200に入力して昇圧回路200の動作を制御する。
【0026】
次に、図2を用いて本実施形態に係るボルテージレギュレータが有する電圧出力回路100、昇圧回路200、及び監視回路300の具体的な回路例について説明する。
【0027】
電圧出力回路100は、基準電圧VrefAを生成して出力する基準電圧発生回路部101、出力電圧VDCを抵抗R102及び103によって分圧して出力する分圧回路部104、ゲートに入力される電圧に応じた電流を出力端子OUTに出力するPチャネル型MOSトランジスタ(以下、PMOSトランジスタとする)からなる出力制御用トランジスタ105、及び分圧回路部104で生成された分圧電圧Vdが基準電圧VrefAになるように該出力制御用トランジスタ105の動作制御を行う演算増幅器106を有して構成される。
【0028】
出力電圧Voutは、分圧回路部104で分圧され、該分圧電圧Vdと基準電圧VrefAとの差電圧を演算増幅器106で増幅して出力制御用トランジスタ105のゲートに出力される。このように、演算増幅器106は、出力制御用トランジスタ105の動作制御を行って、出力電圧VDCが所望の電圧で一定になるようにしている。
【0029】
監視回路300は、所定の基準電圧VrefBを生成して出力する基準電圧発生回路307と、入力電圧VDDを抵抗302、303、及び304によって分圧して分圧電圧Vdetを出力する分圧回路部305と、基準電圧VrefBと分圧回路部305から出力される分圧電圧Vdetとを比較した比較結果(L:Low又はH:Hight)を出力するコンパレータ301とを有して構成される。コンパレータ301は、基準電圧VrefBに対して非常に敏感に反応し、その結果を出力する。そこで、出力端子と−端子との間に抵抗302、303、及び304を設けることにより、コンパレータ301にヒステリシスを持たせている。なお、分圧回路部305の抵抗比は、コンパレータ301から出力される比較結果に基づいて、NMOSトランジスタからなる抵抗比制御用トランジスタ306のゲートがON/OFFして切り換えられる。
【0030】
具体的には、例えば、入力電圧VDD、分圧電圧Vdetが基準電圧VrefB以上のとき、コンパレータ301からは比較結果(L:Low)が出力され、抵抗比制御用トランジスタ306のゲートはOFFされ、分圧回路部305の抵抗比は抵抗302、303、及び304によって決定される。一方、分圧電圧Vdetが基準電圧VrefBよりも低くなったとき、コンパレータ301からは比較結果(H:High)が出力され、抵抗比制御用トランジスタ306のゲートはONされ、分圧回路部305の抵抗比は抵抗302及び303によって決定される。
【0031】
昇圧回路200は、コンパレータ301における比較結果(L又はH)に基づいて制御信号を発生させる発信回路201、発信回路201から周期的に発信される制御信号(ON/OFF)、Nチャネル型MOSトランジスタ(以下、NMOSトランジスタとする)からなる第1の電圧制御用トランジスタ203及び第2の電圧制御用トランジスタ205を制御するON/OFF信号を、発信回路201からの制御信号に基づいて出力するロジック回路202、ロジック回路202から出力されたON/OFF信号に基づいてゲートを開閉してGNDとコイル206とを接続するNMOSトランジスタからなる第1の電圧制御用トランジスタ203、ロジック回路202から出力されたON/OFF信号を反転させて第2の電圧制御用トランジスタ205に出力する反転回路204、反転回路204から入力されたON/OFF信号に基づいてゲートを開閉して出力端子OUTとコイル206とを接続するPMOSトランジスタからなる第2の電圧制御用トランジスタ205、第1の電圧制御用トランジスタ203のONによりエネルギーの蓄積、及び第2の電圧制御用トランジスタ205のONによるエネルギーの放出を周期的に繰り返すことにより入力電圧VDDを昇圧するコイル206、監視回路300によって監視される入力電圧VDDが設定された電圧以下になったことをボルテージレギュレータの電源がOFFされるまで記憶するラッチ回路207、及びラッチ回路207に入力電圧VDDが基準電圧以下になったことが記憶されたとき、ゲートを閉じて出力端子OUTと入力端子INとの直接の接続を切断して、出力端子OUTから入力端子INへの電流の逆流を防止する第3の電圧制御用トランジスタ208を有して構成される。
【0032】
次に、入力電圧VDDが負荷400の動作を確保可能な電位以下になったとき、入力電圧VDDを昇圧するボルテージレギュレータの具体的な動作について詳細に説明する。ここでは、基準電圧VrefA=1V、抵抗102=2MΩ、抵抗103=1MΩ、出力電圧VDC=3V、コンパレータ301の基準電圧VrefB=3.1Vであるボルテージレギュレータの動作について説明する。
【0033】
ボルテージレギュレータから負荷400へ電源の供給が開始されると、演算増幅器106は分圧回路部104で分圧された該分圧電圧Vd(=1V)と基準電圧VrefA(=1V)との差電圧を演算増幅器106で増幅して出力制御用トランジスタ105のゲートに出力して、出力電圧VDCが所望の電圧で一定になるようにしている。
【0034】
コンパレータ301は、電圧出力回路100から出力される入力電圧VDDを監視する。そして、入力電圧VDDが基準電圧VrefBまで低下したとき、コンパレータ301は比較結果(H)を出力して、発信回路201から周期的に制御信号(ON/OFF)を発信する。それと同時に、ラッチ回路207は入力電圧VDDが基準電圧VrefBまで低下したことを記憶し、第3の電圧制御用トランジスタ208はゲートを閉じて入力端子INから出力端子OUTへの直接の接続を切断して、出力端子OUTから入力端子INへの電流の逆流を防止する。ラッチ回路207は、ボルテージレギュレータの電源が一旦OFFされて電源がONされるまで又は回路全体のイネーブル機能がOFFされるまで、入力電圧VDDが基準電圧VrefBまで低下したことを記憶し、第3の電圧制御用トランジスタ208はゲートを閉じる。
【0035】
コンパレータ301からの比較結果(H)に基づいて発信回路201から制御信号(ON/OFF)が周期的に発信されると、ロジック回路202は制御信号に応じて、第1の電圧制御用トランジスタ203及び第2の電圧制御用トランジスタ205にゲートのON/OFFを制御する信号を周期的に出力する。
【0036】
発信回路201からの制御信号がONの場合には、ロジック回路202からはON信号が発信され、第1の電圧制御用トランジスタ203はゲートを開いてコイル206とGNDとを接続する。一方、ロジック回路202から反転回路204に入力されたON信号は反転し、OFF信号となって第2の電圧制御用トランジスタ205に入力される。OFF信号が入力された第2の電圧制御用トランジスタ205は、ゲートを閉じてコイル206と出力制御用トランジスタ105の接続を切断する。すると、コイル206に電流が流れて電力が蓄えられる。発信回路201からの制御信号がHの場合には、ロジック回路202からはOFF信号が発信され、第1の電圧制御用トランジスタ203はゲートを閉じてコイル206とGNDとの接続を切断する。一方、ロジック回路202から反転回路204に入力されたOFF信号は反転し、ON信号となって第2の電圧制御用トランジスタ205に入力される。ON信号が入力された第2の電圧制御用トランジスタ205は、ゲートを開いてコイル206と出力制御用トランジスタ105とを接続する。すると、出力制御用トランジスタ105にコイル206に蓄積されたエネルギー放出され、昇圧回路で昇圧された電圧VINが出力制御用トランジスタ105へ出力される。出力制御用トランジスタ105は、電圧VINを所定の出力電圧VDCに調整し、出力端子OUTに出力する。この動作を発信回路201の発信周波数に合わせて繰り返すことにより、コンパレータ301に基準電圧VrefBまで入力電圧VDDを昇圧し、出力電圧VDCを一定の電圧に保持する。
【0037】
抵抗比制御用トランジスタ306は、分圧電圧Vdetが基準電圧VrefBより低下してコンパレータ301から比較結果(H)が出力されると、比較結果(H)に基づいて、ゲートをONする。すると、分圧回路部305の抵抗比が抵抗302及び303によって決定され、設定電圧が上昇する。すると、入力電圧VDDが上昇した設定電圧に達するまで、コンパレータ301からは比較結果(H)が出力され、昇圧回路200による昇圧が設定電圧に達するまで継続される。そして、入力電圧VDDが設定電圧に達すると、コンパレータ301からは比較結果(L)が出力されると、抵抗比制御用トランジスタ306は、比較結果(L)に基づいてゲートをOFFする。すると、分圧回路部305の抵抗比が抵抗302、303、及び304によって決定され、設定電圧が降下する。
【0038】
図4は、入力端子INから入力されるVDD、及び昇圧回路200で昇圧されて電圧出力回路100へ出力される電圧VINの変化を示す図である。縦軸は入力電圧VDD及び電圧VINであり、横軸は時間tである。図中、実線が入力電圧VDDを表し、破線が電圧VINを表している。なお、アプリケーションへは電圧出力回路100によって3.0Vに調整されて出力されるものとする。
【0039】
電池からの入力電圧VDDは4.2Vからアプリケーションへの電源の供給に伴い、徐々に電圧が降下する。そして、入力電圧VDDが基準電圧VrefB(=3.1V)よりも降下すると、コンパレータ301から比較結果(H)が出力され、昇圧回路200による昇圧が開始される。同時に、抵抗比制御用トランジスタ306は比較結果(H)に基づいてゲートをONして、分圧回路部305の抵抗比を変更する。すると、設定電圧が3.1Vから3.5Vまで上昇する。そして、入力電圧VDDが昇圧されたVINが3.5Vまで上昇すると、コンパレータ301から比較結果(L)が出力され、昇圧回路200による昇圧が終了する。同時に、抵抗比制御用トランジスタ306は比較結果(L)に基づいてゲートをOFFして、分圧回路部305の抵抗比を変更する。すると、設定電圧が3.5Vから3.1Vまで降下する。本実施形態に係るボルテージレギュレータにおいては、本動作を繰り返し行うことにより入力電圧VDDの降下を防止している。
【0040】
上述の構成によれば、入力電圧の変動に応答して出力電圧を所定の電圧で一定にすることができるボルテージレギュレータであって、監視回路によって入力電圧を監視し、入力電圧が予め設定した電圧まで低下したとき、昇圧回路からの電圧の放出により該出力電圧を昇圧させることにより、電池の消耗により入力電圧が下がった場合であっても出力電圧を維持することができる。
【0041】
次に、他の実施形態に係るボルテージレギュレータの構成及び動作について説明する。
【0042】
図3に示すように、本実施形態に係るボルテージレギュレータは、コンパレータ301において基準電圧VrefBの代わりに出力電圧VDCを基準に入力電圧VDDとの比較を実行する点において上述の実施形態と異なる。基準電圧発生回路307において生成する基準電圧を絶対値で設定した場合、設定精度を考慮して高い基準電圧VrefBを設定する必要がある。しかし、本実施形態においては、出力電圧VDCを基準に入力電圧VDDとの比較を実行することにより、昇圧回路200のON/OFFを制御する電圧を適宜切り換えることができる。なお、他の構成については、上述の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施形態に係るボルテージレギュレータの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係るボルテージレギュレータの具体的な回路例である。
【図3】他の実施形態に係るボルテージレギュレータの具体的な回路例である。
【図4】本実施形態に係るボルテージレギュレータにおける入力電圧の変化を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
100 電圧出力回路
101 基準電圧発生回路部
104 分圧回路部
105 出力制御用トランジスタ
106 演算増幅器
200 昇圧回路
201 発信回路
202 ロジック回路
203 第1の電圧制御用トランジスタ
204 反転回路
205 第2の電圧制御用トランジスタ
206 コイル
207 ラッチ回路
208 第3の電圧制御用トランジスタ
300 監視回路
301 コンパレータ
305 分圧回路部
306 抵抗比制御用トランジスタ
307 基準電圧発生回路
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫


【公開番号】 特開2008−4038(P2008−4038A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−175624(P2006−175624)