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【発明の名称】 アライメント装置
【発明者】 【氏名】小宮 剛彦

【氏名】大須賀 俊之

【要約】 【課題】電動機1による並進駆動によりテーブル4を回転動作するアライメント装置において、テーブル4を精度良くθ動作できるようにする。

【構成】動作指令演算装置31と、記憶手段32と、第1の演算部33と、第2の演算部34とを備え、テーブル4の機械的な基準形態と、現在のテーブル4の回転量と、現在の電動機1の位置とを記憶し、基準形態から次の回転による最終的なテーブル4の回転位置になるまでに必要な電動機1の位置を計算し、現在の電動機1の位置と最終的な電動機1の位置の差から次に必要な電動機1の移動量を算出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機台部に配置された駆動機構を介して対象物を搭載するテーブルをXYθ、Yθ、もしくはθ動作させて所定の位置に位置決めし、
前記駆動機構は、並進自由度を持つ2つの並進自由度部と、回転自由度を持つ1つの回転自由度部とよりなる機構部と、
前記2つの並進自由度部と1つ回転自由度部の該自由度部を駆動するための電動機と、被検出体となる該機構部の動作量を検出する検出装置と、
動作指令を受けて前記電動機を制御する制御器とよりなる電動機制御装置と、
から構成される駆動機構ユニットを、前記テーブルのXYθ、Yθ、もしくはθ動作の自由度の数と少なくとも同じ数の前記電動機となるよう複数備えたものであり、
前記駆動機構ユニットは、前記制御器に前記動作指令を与える指令装置を備えると共に、
前記電動機を各々動作させることにより、前記テーブルをXYθ動作の2方向の並進移動と回転移動、Yθ動作の1方向の並進移動と回転移動、もしくはθ動作の回転移動させるように動作するアライメント装置において、
前記指令装置は、前記テーブルの移動のための並進と回転の動作指令を算出する動作指令演算装置と、を備え、
前記動作指令演算装置は、予め決められた前記テーブルの機械的な基準形態と現在の前記テーブルの回転量と、現在のそれぞれの前記電動機位置とを記憶する記憶手段と、を備え、
回転の動作指令を演算する場合には、前記動作指令演算装置は、前記基準形態から次の回転による最終的な前記テーブルの回転位置になるまでに必要な前記電動機の位置を計算する第1の演算部と、前記記憶手段に記憶している現在の前記電動機のそれぞれの移動量と最終的な前記電動機の位置の差から次に必要なそれぞれの前記電動機の移動量を算出する第2の演算部とを有することを特徴とするアライメント装置。
【請求項2】
機台部に配置された駆動機構を介して対象物を搭載するテーブルをXYθもしくはYθ動作させて所定の位置に位置決めし、
前記駆動機構は、並進自由度を持つ2つの並進自由度部と、回転自由度を持つ1つの回転自由度部とよりなる機構部と、
前記2つの並進自由度部と1つ回転自由度部の該自由度部を駆動するための電動機と、被検出体となる該機構部の動作量を検出する検出装置と、
動作指令を受けて前記電動機を制御する制御器とよりなる電動機制御装置と、
から構成される駆動機構ユニットを複数備えたものであり、
前記駆動機構ユニットは、前記制御器に前記動作指令を与える指令装置を備えると共に、
前記電動機を各々並進方向もしくは回転方向に動作させることにより、前記テーブルをXYθ動作の2方向の並進移動と回転移動、もしくはYθ動作の1方向の並進移動と回転移動させるように動作するアライメント装置において、
前記指令装置は、前記テーブルの移動のための並進と回転の動作指令を算出する動作指令演算装置と、
前記テーブルの重心もしくは回転中心に配置された前記駆動機構ユニットと、前記重心もしくは前記回転中心から離れた位置に配置される前記駆動機構ユニットとを対とする少なくとも1つの組み合わせと、を備えたことを特徴とするアライメント装置。
【請求項3】
前記動作指令演算装置は、予め決められた前記テーブルの機械的な基準形態と現在の前記テーブルの回転量と、現在のそれぞれの前記電動機位置とを記憶する記憶手段と、を備え、
回転の動作指令を演算する場合には、前記動作指令演算装置は、前記基準形態から次の回転による最終的な前記テーブルの回転位置になるまでに必要な前記電動機の位置を計算する第1の演算部と、前記記憶手段に記憶している現在の前記電動機のそれぞれの移動量と最終的な前記電動機の位置の差から次に必要なそれぞれの前記電動機の移動量を算出する第2の演算部とを有することを特徴とする請求項2記載のアライメント装置。
【請求項4】
前記駆動機構は、並進自由度を2つ持つ前記並進自由度部と、回転自由度を1つ持つ前記回転自由度部とよりなり、前記電動機を含まない3自由度機構をさらに有することを特徴とする請求項1または2記載のアライメント装置。
【請求項5】
Yθ動作する少なくとも2自由度を持つ前記テーブルにおいて、
並進自由度を1つ持つ前記並進自由度部と、回転自由度を1つ持つ前記回転自由度部とよりなる2自由度機構を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のアライメント装置。
【請求項6】
前記2自由度機構に少なくとも1つの前記電動機を有する2自由度駆動機構ユニットを備えたことを特徴とする請求項5記載のアライメント装置。
【請求項7】
θ動作する少なくとも1自由度を有する前記テーブルにおいて、
1つの回転自由度を有し前記テーブルを支持する回転1自由度機構を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のアライメント装置。
【請求項8】
前記駆動機構ユニット、前記3自由度機構、前記2自由度機構のいずれかの並進自由度もしくは回転自由度の動作、もしくは前記回転1自由度機構の回転自由度の動作を保持するブレーキ機構を有することを特徴とする請求項1、2、4、5、7のいずれか1項記載のアライメント装置。
【請求項9】
前記駆動機構ユニット、前記3自由度機構、前記2自由度機構、2自由度駆動機構ユニットのいずれかは、前記並進自由度部もしくは前記並進駆動部を直線案内と直線案内ブロックから構成しており、前記直線案内の直線精度を保つように補助する直線案内補助板を供えたことを特徴とする請求項1、2、4、5、7のいずれか1項記載のアライメント装置。
【請求項10】
前記駆動機構ユニット、前記3自由度機構、前記2自由度機構、2自由度駆動機構ユニット、前記回転1自由度機構のいずれかは、前記回転自由度部を曲線案内と曲線案内ブロックから構成しており、前記曲線案内の曲線精度を保つように補助する曲線案内補助板を供えたことを特徴とする請求項1、2、4、5、7のいずれか1項記載のアライメント装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置やプリント基板、液晶表示素子等の露光装置などで、テーブルを並進もしくは回転移動して、テーブル上の対象を所定の位置に位置決めするための動作量を演算する動作指令演算装置を備えたアライメント装置に関し、特に、テーブルを回転移動する際の演算を精度良く行うためのアライメント装置の回転動作指令演算に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のXY−θ軸の微調整機構では、小型でも大きな荷重に耐えられ、制御が簡単で、しかも調整後の固定が安定するよう、被調整物支持体110を仮想される四辺形の頂点の位置に配置したXY軸調整用の4個のステージ121,122,123,124で動かし、支持体110をX軸またはY軸方向に動かすときは、四辺形の対角上にある一対の駆動点111、113または駆動点112、114を同方向に移動させることにより調整し、θ軸方向に動かすときは、長方形の対角上にある一対の駆動点同士をそれぞれ逆方向に移動させることにより調整している。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
また、従来の縦横移動旋回テーブル機構では、テーブルの縦横移動と旋回を可能とする機構を、各機能を有するステージの積み重ね方式でなく実現することにより、機構の簡素化を図るために、案内部材201と移動部材202とから成る一対の直動案内軸受の夫々の移動部材を回動自在に結合して支持ユニットUを構成し、少なくとも203つの支持ユニットを基台205とテーブル206間に配置し、夫々の支持ユニットの移動部材を直交させた状態において、案内部材を夫々基台とテーブルに固定し、この際、少なくとも2つの支持ユニットの基台側案内部材を対向させて平行に配置すると共に、他の少なくとも1つの支持ユニットの基台側案内部材を上記基台側案内部材と直角の方向に配置し、平行に配置した少なくとも2つの基台側案内部材の移動部材と基台間、及びこれらと直角に配置した少なくとも1つの基台側案内部材の移動部材と基台間に直線送り機構を構成しているものもある。(例えば、特許文献2参照)
【0004】
また、従来のアライメントステージには、回転モータをボールネジ駆動してテーブルを3軸駆動してXYθできるように構成し、現在位置を元に幾何学的関係から次のテーブル回転のための駆動量を算出しているものもある。(例えば非特許文献1参照)
【0005】
【特許文献1】特開平5−162035号公報、図3、図5)
【特許文献2】特許2700050 号公報(図3、図5)
【非特許文献1】THK株式会社 カタログ「アライメントステージ CMX」、2004年12月5日、資料番号238−4,http://www.thk.co.jp/archive_file/technical_dl/pdf_jp/CMX238-4.pdf
【0006】
従来の第1例である特許文献1のXY−θ軸の微調整機構を説明する。
図30は、従来の第1例である特許文献1のXY−θ軸の微調整機構を示す斜視図である。枠110は、調整されるべきワークを支持する支持体である。第1、第2、第3、第4の駆動点111,112,113,114は、それぞれ枠110を駆動する点であり、仮想の四辺形の各頂点に配置されている。ステージ121,122,123,124は、各駆動点111〜114において枠110を支持して駆動する駆動体である。ステージ121とステージ123は、枠110をX軸方向に駆動し、Y軸方向へは自由にスライドすることができる。ステージ122とステージ124は、枠110をY軸方向に駆動し、X軸方向へは自由にスライドすることができる。そして、各ステージ121〜124は、それぞれモータ131,132,133,134によって駆動される。また、XY−θ軸の微調整機構のステージ121,122,123,124は、前後左右方向と回転方向に自由度を持つ構造である。
図31は従来の第1例である特許文献1の図30に係るモータを制御する系統例を示す構成図である。CCDカメラ151,152は、図示しないプリント基板などのワークのパターンに設けられている基準マークの位置を検出し、その出力は、中央処理装置130に接続されている。中央処理装置130は、CCDカメラ151,152からの入力にもとづき、その基準マークを所定の位置に調整するための演算を行い、ドライバ回路141,142,143,144に信号を送る。ドライバ回路141〜144は、モータ131〜134を駆動して、ステージ121〜124を移動させる。
X軸の調整を行うには、モータ131、133を同じ方向に回転させ、Y軸の調整を行うには、モータ132、134を同じ方向に回転させる。θ軸を調整するときは、モータ131、133の回転が逆方向に、モータ132、134の回転が逆方向になるように、同時に駆動する。
図32は従来の第1例である特許文献1の別形態のXY−θ軸の微調整機構を示す平面図である。ステージ21の配置が図1−1のモータの駆動方向と異なっている。さらに、ステージ122’、123’はモータ132、133を取り除いた構造であり、ステージ124’は、X方向に駆動するモータ134と、Y方向に駆動するモータ134’を取り付けた構造である。X軸の調整を行うときに、モータ131、134’の双方または一方を回転させ、Y軸の調整を行うときは、モータ134を回転させる。また、θ軸の調整を行うときは、モータ131、134’を逆方向に回転させるとともに、モータ134をいずれか一方向に回転させる。
【0007】
従来の第2例である特許文献2の縦横移動旋回テーブル機構を説明する。
図33は従来の第2例による特許文献2の縦横移動旋回テーブル機構を構成するための支持ユニットの配置の実施例を示す説明的平面図である。夫々の直動案内軸受a,bは、案内部材201と、この案内部材201に沿って軸受により移動自在に支持した移動部材202とから構成している。移動部材202は案内部材1を跨いで軸受により移動自在に支持した構成である。支持ユニットUは、一対の直動案内軸受a,bの移動部材202a,202bを、夫々案内部材1a,1bとは逆側において回動自在に結合して構成している。移動部材202a側から移動部材202b側に段付きボルト203を締付ると共に、この段付きボルト203と移動部材202a間に軸受204を装着することにより、移動部材202a,202bを回動自在に結合している。このような支持ユニットUの、少なくとも3つを基台205とテーブル206間に配置することにより、基台205に対するテーブル206の縦横移動旋回機構を構成し、移動部材202a,202b相互を直交させた状態において、図中下側の直動案内軸受aの案内部材201aを基台205に固定すると共に、上側の直動案内軸受bの案内部材201bをテーブル206に固定する。従って、以降、符号aは基台側、bはテーブル側を示す。符号Uは支持ユニットを示すもので、この支持ユニットUは一対の直動案内軸受a,bから構成している。3つの支持ユニットUc,Ud,Ueを配置してテーブル機構を構成している。即ち、この実施例では、2つの支持ユニットUc,Udは夫々の基台側案内部材201aを所定距離をおいて対向させて平行に配置すると共に、他の1つの支持ユニットUeの基台側案内部材201aは、上記支持ユニットUc,Udの基台側案内部材1aと直角の方向になるように配置され、概ね正方形の三辺上に位置するように配置されている。支持ユニットUeのテーブル側案内部材201bは、他の支持ユニットUc,Udの基台側案内部材201aと平行な方向に配置され、同様に、支持ユニットUc,Udのテーブル側案内部材201bは支持ユニットUeの基台側案内部材201aと平行な方向に配置される。基台側案内部材201aを基台205に固定すると共に、テーブル側案内部材201bをテーブル206に固定する。支持ユニットUc,Udのテーブル側案内部材201bは一体に構成している。基台205には夫々の支持ユニットUc,Ud,Ueの基台側案内部材1aに並べてボールねじ207を設置し、更にこのボールねじ207を回転駆動するモータ208を設置すると共に、このボールねじ207に螺合したナット209を接続部材210により基台側移動部材202aに接続しており、これらが基台側移動部材202aと基台205間の直線送り機構を構成している。
【0008】
図33はテーブル206の初期状態を示すものであり、図34は従来の第2例による特許文献2のテーブルを運動させた状態を示す説明的平面図である。
支持ユニットUc,Udの基台側移動部材202aを直線送り機構により等距離送ることにより、テーブル206を前進方向に円滑に移動させることができる。ナット209を等距離Aだけ前進させると基台側移動部材202aが基台側案内部材201aに沿って前進し、同時にテーブル側移動部材202bも前進する。テーブル側案内部材201bは、テーブル側移動部材202bと共に前進し、従ってテーブル206も前進する。テーブル206が前進すると、支持ユニットUeのテーブル側案内部材201bもこれと共に前進する。また、支持ユニットUeの基台側移動部材202aを直線送り機構により距離Bだけ左方向に送ることにより、テーブル206を円滑に左方向に移動させることができる。
支持ユニットUc,Udの上述した直線送り機構により、図中右側の基台側移動部材202aを距離Aだけ前進させると共に、左側の基台側移動部材202aは距離Aだけ後退させる。このような動作により、支持ユニットUc,Udのテーブル側案内部材201bは図34に示すように当初の状態から角度aだけ反時計回りに回動し、これと共にテーブル206が旋回する。
3つの支持ユニットにより、テーブルを縦横方向、即ちXY方向と、旋回方向、即ちθ方向に運動することができる。
【0009】
従来の第3例である非特許文献1のアライメントステージを説明する。
図35は従来の第3例である非特許文献1のアライメントステージの基本構成を示す斜視図、図36は従来の第3例である非特許文献1のアライメントステージに搭載されたアライメントモジュールの基本構成を示す斜視図である。
図のように、3つのアライメントモジュール306と、1つの3自由度機構316を、ベース307に配置し、ステージ304をXYθ移動できるようにしている。アライメントモジュール306および3自由度機構316は、直動案内321と直動案内ブロック322から成る並進部と、回転軸受(クロスローラベアリング)313から成る回転部を持ち、アライメントモジュール306は、モータ1を回転することで、並進部を移動させるボールねじ305を有している。
図37は従来の第3例である非特許文献1のアライメントステージの平面図および計算式に用いる記号の説明図、図38は従来の第3例である非特許文献1のアライメントステージのθ回転を示す図である。
任意のテーブル回転角δθを得るための各軸の相対送り量を求める式は以下になる。
X1軸:δX1=Rcos(δθ+θX1+θ0)−Rcos(θX1+θ0)
X2軸:δX2=Rcos(δθ+θX2+θ0)−Rcos(θX2+θ0)
Y軸 :δY=Rcos(δθ+θY+θ0)−Rcos(θY+θ0)
ここで、
δX1;X1軸の相対送り量(ボールねじの送り量)
δX2:X2軸の相対送り量(ボールねじの送り量)
δY:Y軸の相対送り量(ボールねじの送り量)
θX1:X1軸に連結されたクロスローラーリング中心の角度位置
θX2:X2軸に連結されたクロスローラーリング中心の角度位置
θY:Y軸に連結されたクロスローラーリング中心の角度位置
θ0:計算動作前のテーブル角度
δθ:テーブル回転角
R:角軸に連結されたクロスローラリング中心を通る仮想円の半径
上記のように、現在のテーブル回転量(θi+θ0)と次の回転量δθを元に電動機の移動量δiを求め、テーブルをθ動作する。ここで、iはX1,X2もしくはYの意である。
ステージ304をX方向に移動するには、X1とX2軸を同量駆動し、Y方向に移動するにはY軸を駆動する。
このように、ステージ304をXYθ動作できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の第1例である特許文献1のXY−θ軸の微調整機構、従来の第2例である特許文献2の縦横移動旋回テーブル機構、従来の第3例である非特許文献1のアライメントステージは、並進移動を利用してテーブル等を回転・旋回移動する装置となっていて、電動機の並進移動量とテーブルの回転移動量の間には非線形性の問題がある。テーブルの正回転と逆回転、テーブルの等間隔の角度移動といった動作において、並進移動量はそれぞれ異なる値となる課題がある。これにより、テーブルを回転・旋回するために必要な電動機の並進移動量は精密に計算する必要があるという問題があった。
【0011】
また、従来の第3例である非特許文献1のアライメントステージに示された演算方法の場合は、動作指令作成時において、電動機の並進移動量とテーブルの回転移動量の間には非線形性の問題と、演算上に生じる桁落ち等が誤差要因となるので、テーブルを繰り返して回転動作させると、誤差が蓄積して本来位置決めされるべき位置からずれるというような問題もあった。
特に、電動機をリニアモータにすると、機構的に並進駆動を行う機構的な誤差要因が減少し、位置決め精度が向上するものの、動作指令作成時の誤差が顕著に表れる問題もあった。
【0012】
また、第1例である特許文献1のXY−θ軸の微調整機構、従来の第2例である特許文献2の縦横移動旋回テーブル機構、従来の第3例である非特許文献1のアライメントステージでは、装置の設置状態が変わった場合に生じるテーブルに掛かる重力や、テーブル動作方向へ荷重、加速度が掛かる場合について、考慮されておらず、アライメント装置が使用される条件によっては、テーブルの自重、掛かる荷重もしくは加速度による動作方向へのズレが生じる問題もあった。
さらに、第1例である特許文献1のXY−θ軸の微調整機構、従来の第2例である特許文献2の縦横移動旋回テーブル機構、従来の第3例である非特許文献1のアライメントステージでは、上記の動作指令作成時の誤差や、テーブルに掛かる自重、荷重、加速度による動作方向へのズレを含む要因により、テーブル回転時に回転中心が移動して、回転精度が低下する問題もあった。
【0013】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、テーブルが大型化しても、テーブルや対象物による荷重を駆動機構ユニットがバランス良く分散して支持し、かつ精度良くテーブルを動作させるために、動作指令演算装置と、記憶手段と、第1の演算部と、第2の演算部とを備え、テーブルの機械的な基準形態と、現在のテーブルの回転量と、現在の電動機の位置とを記憶し、基準形態から次の回転による最終的なテーブルの回転位置になるまでに必要な電動機の位置を計算し、現在の電動機の位置と最終的な電動機の位置の差から次に必要な電動機の移動量を算出することができるアライメント装置、このアライメント装置を実現できる回転動作指令演算方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、機台部に配置された駆動機構を介して対象物を搭載するテーブルをXYθ、Yθ、もしくはθ動作させて所定の位置に位置決めし、
前記駆動機構は、並進自由度を持つ2つの並進自由度部と、回転自由度を持つ1つの回転自由度部とよりなる機構部と、
前記2つの並進自由度部と1つ回転自由度部の該自由度部を駆動するための電動機と、被検出体となる該機構部の動作量を検出する検出装置と、
動作指令を受けて前記電動機を制御する制御器とよりなる電動機制御装置と、
から構成される駆動機構ユニットを、前記テーブルのXYθ、Yθ、もしくはθ動作の自由度の数と少なくとも同じ数の前記電動機となるよう複数備えたものであり、
前記駆動機構ユニットは、前記制御器に前記動作指令を与える指令装置を備えると共に、
前記電動機を各々動作させることにより、前記テーブルをXYθ動作の2方向の並進移動と回転移動、Yθ動作の1方向の並進移動と回転移動、もしくはθ動作の回転移動させるように動作するアライメント装置において、
前記指令装置は、前記テーブルの移動のための並進と回転の動作指令を算出する動作指令演算装置と、を備え、
前記動作指令演算装置は、予め決められた前記テーブルの機械的な基準形態と現在の前記テーブルの回転量と、現在のそれぞれの前記電動機位置とを記憶する記憶手段と、を備え、
回転の動作指令を演算する場合には、前記動作指令演算装置は、前記基準形態から次の回転による最終的な前記テーブルの回転位置になるまでに必要な前記電動機の位置を計算する第1の演算部と、前記記憶手段に記憶している現在の前記電動機のそれぞれの移動量と最終的な前記電動機の位置の差から次に必要なそれぞれの前記電動機の移動量を算出する第2の演算部とを有することを特徴とするアライメント装置とするものである。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、機台部に配置された駆動機構を介して対象物を搭載するテーブルをXYθもしくはYθ動作させて所定の位置に位置決めし、
前記駆動機構は、並進自由度を持つ2つの並進自由度部と、回転自由度を持つ1つの回転自由度部とよりなる機構部と、
前記2つの並進自由度部と1つ回転自由度部の該自由度部を駆動するための電動機と、被検出体となる該機構部の動作量を検出する検出装置と、
動作指令を受けて前記電動機を制御する制御器とよりなる電動機制御装置と、
から構成される駆動機構ユニットを複数備えたものであり、
前記駆動機構ユニットは、前記制御器に前記動作指令を与える指令装置を備えると共に、
前記電動機を各々並進方向もしくは回転方向に動作させることにより、前記テーブルをXYθ動作の2方向の並進移動と回転移動、もしくはYθ動作の1方向の並進移動と回転移動させるように動作するアライメント装置において、
前記指令装置は、前記テーブルの移動のための並進と回転の動作指令を算出する動作指令演算装置と、
前記テーブルの重心もしくは回転中心に配置された前記駆動機構ユニットと、前記重心もしくは前記回転中心から離れた位置に配置される前記駆動機構ユニットとを対とする少なくとも1つの組み合わせと、を備えたことを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のアライメント装置において、前記動作指令演算装置が、予め決められた前記テーブルの機械的な基準形態と現在の前記テーブルの回転量と、現在のそれぞれの前記電動機位置とを記憶する記憶手段と、を備え、
回転の動作指令を演算する場合には、前記動作指令演算装置は、前記基準形態から次の回転による最終的な前記テーブルの回転位置になるまでに必要な前記電動機の位置を計算する第1の演算部と、前記記憶手段に記憶している現在の前記電動機のそれぞれの移動量と最終的な前記電動機の位置の差から次に必要なそれぞれの前記電動機の移動量を算出する第2の演算部とを有することを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1もしくは4に記載のアライメント装置において、前記駆動機構が、並進自由度を2つ持つ前記並進自由度部と、回転自由度を1つ持つ前記回転自由度部とよりなり、前記電動機を含まない3自由度機構をさらに有することを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1もしくは4に記載のアライメント装置の少なくともYθ動作する少なくとも2自由度を持つ前記テーブルにおいて、
並進自由度を1つ持つ前記並進自由度部と、回転自由度を1つ持つ前記回転自由度部とよりなる2自由度機構を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のアライメント装置において、前記2自由度機構に少なくとも1つの前記電動機を有する2自由度駆動機構ユニットを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載のアライメント装置のθ動作する自由度を有する前記テーブルにおいて、
1つの回転自由度を有し前記テーブルを支持する回転1自由度機構を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1、2、4、5、7のいずれか1項記載のアライメント装置において、前記駆動機構ユニット、前記3自由度機構、前記2自由度機構のいずれかの並進自由度もしくは回転自由度の動作、もしくは前記回転1自由度機構の回転自由度の動作を保持するブレーキ機構を有することを特徴とするものである。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1、2、4、5、7のいずれか1項記載のアライメント装置において、前記駆動機構ユニット、前記3自由度機構、前記2自由度機構、2自由度駆動機構ユニットのいずれかが、前記並進自由度部もしくは前記並進駆動部を直線案内と直線案内ブロックから構成しており、前記直線案内の直線精度を保つように補助する直線案内補助板を供えたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1、請求項2、4、5、7のいずれか1項記載のアライメント装置において、前記駆動機構ユニット、前記3自由度機構、前記2自由度機構、2自由度駆動機構ユニット、前記回転1自由度機構のいずれかが、前記回転自由度部を曲線案内と曲線案内ブロックから構成しており、前記曲線案内の曲線精度を保つように補助する曲線案内補助板を供えたことを特徴とするとするものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によると、XYθ、Yθ、もしくはθに動作するテーブルを、演算上の誤差を少なくして、精度良くθ動作できる。
また、請求項2に記載の発明によると、効率良く電動機を配置して、XYθ、Yθ、もしくはθに動作するテーブルにすることができ、テーブルをθ動作する際に、回転中心に備えられた電動機を用いて、回転中心を保持したり、補正することができ、テーブルを精度良くθ動作できる。さらに、テーブルを並進動作する際に、テーブル重心を駆動しつつ、テーブルのブレが無いように、テーブル端側の電動機で補正しながら駆動できる。
また、請求項3に記載の発明によると、XYθ、Yθ、もしくはθに動作するテーブルを、演算上の誤差を少なくして、テーブルを精度良くθ動作できる。
また、請求項4に記載の発明によると、3自由度を持つ機構でテーブルを支持できるので、XYθ、Yθもしくはθ動作するテーブルに支障なく、テーブルを複数で支持することができ、テーブルの撓みを抑制することができる。
また、請求項5に記載の発明によると、2自由度を持つ機構でテーブルを支持できるので、Yθもしくはθ動作するテーブルに支障なく、テーブルを複数で支持することができ、テーブルの撓みを抑制することができる。
また、請求項6に記載の発明によると、テーブルをθ動作する際に、回転中心のある並進自由度に備えられた電動機を用いて、回転中心を保持したり、補正することができ、テーブルを精度良くθ動作できる。
また、請求項7に記載の発明によると、1自由度を持つ機構でテーブルを支持できるので、θ動作するテーブルに支障なく、テーブルを複数で支持することができ、テーブルの撓みを抑制することができる。
【0019】
また、請求項8に記載の発明によると、アライメント装置のテーブルに重力や外力が付加される状況において、電動機の保持が効かない場合にも、テーブルを保持することや、アライメント装置や該テーブルに加速度が掛かる状況において、テーブルが振られることなく保持することができる。また、少なくともθ動作するテーブルにおいて、回転中心の位置にある並進自由度に備えられたブレーキ機構により回転中心を保持することで、テーブルを精度良くθ動作できる。
また、請求項9および10に記載の発明によると、直線案内や曲線案内をテーブルの裏側に組み付ける際、テーブルの下での作業やテーブルを裏返す工程を省略して、直線案内補助板や曲線案内補助板と直線案内や曲線案内による作業をすることができ、直線案内や曲線案内の精度を出し、作業効率を上げ、かつ安全に組み付け作業することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の第1実施例を示すアライメント装置の上面図および駆動機構ユニットの配置図である。図2は、本発明の第1実施例を示すアライメント装置の模擬図および制御ブロック図である。図3は、本発明の第1実施例を示すアライメント装置の駆動機構ユニットの側面図である。
図において、1は電動機(リニアモータ1L)、2は検出装置、3は制御器、4はテーブル、5は対象物、6は駆動機構ユニット、7は機台部、8は指令装置、11は並進自由度部、12は並進駆動部、13は回転自由度部、21は直線案内、22は直線案内ブロック、26は直線案内補助板、31は動作指令演算装置、32は記憶手段、33は第1の演算部、34は第2の演算部となっている。
アライメント装置は機台部7とテーブル4の間において、図1および図2に示すように駆動機構ユニット6が4つ固定されている。
駆動機構ユニット6は2つの並進自由度と1つの回転自由度を持つ機構であり、1つの並進自由度には電動機1を有する並進駆動部12を有する。電動機1にはリニアモータ1Lを用いている。リニアモータの無い並進自由度を持つ並進自由度部11は、回転自由度を持つ回転自由度部13を挟んで並進駆動部12の上に装着されて駆動機構ユニット6を構成している。つまり、駆動機構ユニット6は、並進自由度、回転自由度、並進自由度、の構成となっている。並進駆動部12と並進自由度部11は直線案内21と直線案内ブロック22により並進自由度を構成している。また、直線案内補助板26が駆動機構ユニット6の上につけられており、図3のように、下から機台部7、駆動機構ユニット6、直線案内補助板26、テーブル4の順に構成されている。
駆動機構ユニット6は2つを並進駆動部12がX方向に動作できるように機台部7に配され、残り2つの駆動機構ユニット6は2つを並進駆動部12がY方向に動作できるように、機台部7、テーブル4の角に配置されている。
また、並進駆動部11を構成するリニアモータ1Lには、それぞれ制御器3が接続されている。各制御器3にリニアモータ1Lを動作させるための動作指令信号を送出する指令装置8を備え、電動機制御装置となっている。指令装置8が動作指令を作成し、制御器3が動作指令に従って電動機1を動作させる。検出装置2は、並進駆動部12の可動部の位置を読み取り、制御器3は動作指令との誤差を0にするように電動機1を制御する。
ここで、指令装置8は動作指令演算装置31を有し、記憶手段32、第1の演算部33、第2の演算部34を用いて動作指令を作成する。
【0022】
本発明が特許文献1、特許文献2および非特許文献1と構成上異なる部分は、電動機1にリニアモータ1Lを用いた点と、直線案内補助板26を有する点と、指令装置8は動作指令演算装置31を有し、記憶手段32、第1の演算部33、第2の演算部34を用いて動作指令を作成する部分である。
電動機1をリニアモータ1Lとしたことで、回転型モータを並進駆動にするためのボールねじ等の機械的な回転・並進の変換機構を使わないので、バックラッシュなどメカロスを生じない精度良い動作を実現できる。また、機械的な回転・並進の変換機構の保守が不要になる。
【0023】
本発明の実施例では、図3のように、駆動機構ユニット6が、並進自由度、回転自由度、並進自由度、の構成となっており、並進自由度は直線案内21と直線案内ブロック22から構成されているために、直線案内21をテーブル4側に精度良く組み付ける必要がある。
テーブル4が巨大化した場合、テーブル4を吊り上げたまま直線案内21を精度良く組み付けるには危険である。また、テーブル4を裏返して直線案内21を精度良く組み付けるには、テーブル4の表裏を変える作業が煩雑である。そこで、直線案内21を直線案内補助板26に精度よく組み付ければ、テーブル4と直線案内補助板26を組み付ければよい。
直線案内21の直線性を保つ組み付けが容易になる。
動作指令演算装置31が記憶手段32、第1の演算部33、第2の演算部34を用いて動作指令を作成する点については、後述するが、これにより、テーブル4のθ動作に必要なリニアモータ1Lの移動量を精度よく算出できる。
【0024】
次に、アライメント装置の動作について説明する。
図4は本発明の第1実施例を示すアライメント装置のテーブルの並進移動を示す図、図5は本発明の第1実施例を示すアライメント装置のテーブルの回転移動を示す図である。
アライメント装置は図4、図5に示すようにテーブル4をXYθ方向へ移動できる。
テーブル4を並進方向に移動するためには、XYの向きにリニアモータ1が配置された駆動機構ユニット6を用いて、リニアモータ1Lを2つ同方向に移動することで実現できる。X方向へのテーブル4の移動は、図4に示すように、X方向の向きにリニアモータ1が配置された駆動機構ユニット6b、6dを同方向に動作させる。Y方向の場合には、Y方向の向きにリニアモータ1Lが配置された駆動機構ユニット6a,6cを同方向に動作させる。XとYの方向に同時にリニアモータ1Lを移動すれは、テーブル4は斜めに移動する。XYの移動量を調整すれば、斜めに並進移動する角度を決定できる。
これにより、テーブル4を並進方向に移動できる。
また、テーブル4を回転移動するには、XYの向きに2つずつ配置された駆動機構ユニット6のリニアモータ1Lをそれぞれ反対方向に動作させ、図5のようにテーブル4を回転できる。
図5において、Ooはテーブルの中心および回転中心、Rは回転半径、δθはテーブルの回転角度、δZiは駆動機構ユニット6のリニアモータ1の動作量である。
実線で示したテーブル4をOo中心に回転するには、駆動機構ユニット6aのリニアモータ1をδZay,駆動機構ユニット6bのリニアモータ1をδZbx,駆動機構ユニット6cのリニアモータ1をδZcy,駆動機構ユニット6dのリニアモータ1をδZdx,動作させれば良い。リニアモータ1が図5のように動作すれば、駆動機構ユニット6のリニアモータ1の無い並進自由度部11、回転自由度部13が作用するので、テーブル4がδθ回転する。
このδθ回転とそれぞれのリニアモータ1Lの移動量は、幾何学的に決定できる。
以上のように、テーブル4を回転方向に移動できる。
【0025】
本実施例の図4、図5に示したテーブル4の移動に必要な動作指令を正確に指令装置8が、記憶手段32、第1の演算部33、第2の演算部34を用いて動作指令演算装置31にて作成し、4つの制御器3に与え、4つの電動機1(リニアモータ1L)を正確に制御することで実現できる。
しかしながら、本発明の形態のようなアライメント装置では、テーブル4の回転に必要なリニアモータ1の移動量は幾何学的に算出する必要があるが、テーブル4の回転とリニアモータ1の並進移動には非線形的な関係があるので、テーブル4の動作制御には注意しなければならない課題がある。
【0026】
図6は本発明の第1実施例を示すアライメント装置の課題であるテーブルの回転移動を示す図、図7は本発明の第1実施例を示すアライメント装置の課題であるテーブルの回転移動と電動機の並進移動の関係を示す図である。
図6はテーブル4をOoを中心に、初期位置Aから2θ移動して位置Bへ、位置Bからー3θ移動して位置Cへ、位置Cからθ移動して位置Aへ動作した例である。いずれもθに整数倍の正もしくは負のテーブル4の回転移動であるが、テーブル4とリニアモータ1Lの移動量は非線形な関係がある。また、テーブル4の正負回転によってリニアモータ1Lの並進移動量は非対称である。これらの関係をグラフにすると図7になる。
つまり、テーブル4の回転移動に必要なリニアモータ1Lの移動量を求める演算は複雑になり、微小な移動量の算出時に桁落ちが発生するなどによる演算誤差を引き起こす可能性がある。図6のようなテーブル4の回転移動を繰り返すと、誤差が蓄積して指令した位置にテーブル4が位置決めできなくなる問題がある。
【0027】
以上のような課題を解決するために、以下のような処理を行って精度良いテーブル4の回転が行えるように演算を行う。
なお、図6、図7に示した課題は、他の実施例においても共通の課題である。
図8は本発明の第1実施例を示すアライメント装置の演算処理方法を示す第1のフローチャートである。この図を用いて本発明の方法を順を追って説明する。
はじめに、テーブルの機械的な基準形態と、現在のテーブルの回転量と、現在のそれぞれの電動機位置とを記憶し、基準形態から次の回転による最終的な前記テーブルの回転位置になるまでに必要な電動機の位置を計算する。次に、現在のそれぞれの前記電動機位置と最終的な電動機の位置の差から次に必要なそれぞれの電動機の移動量を算出する。
このように、テーブルの機械的な基準形態を元に最終的なテーブルの移動場所を算出するので、演算上の桁落ちのような誤差を避けて、テーブルを動作することができ、高精度化できるのである。
【0028】
図9は本発明の第1実施例を示すアライメント装置の演算処理方法を示す第2のフローチャートである。
この図を用いて図9の本発明の方法を具体的に説明する。図8の最初のステップは具体的にはSTP1とSTP2の2つの手順となる。STP1ではテーブルの機械的な基準形態を記憶手段32に記憶する。STP2では現在のテーブルの回転量と、現在のそれぞれの電動機位置とを記憶手段32に記憶する。STP3では第1の演算部33にて、基準形態から次の回転による最終的な前記テーブルの回転位置になるまでに必要な電動機の位置を計算する。計算結果は記憶手段32に記憶する。STP4では第2の演算部にて、記憶手段32に記憶している現在のそれぞれの前記電動機位置と最終的な電動機の位置を使って差から次に必要なそれぞれの電動機の移動量を算出する。
このように、基準形態を元に最終位置を把握した上で、現在の位置からの電動器1の移動量を算出するので、演算上の桁落ちのような誤差を避けて、テーブルを動作することができ、高精度化できるのである。
つまり、本発明が非特許文献1と異なる回転動作指令演算方法の手順は、テーブルの機械的な基準形態を元に最終的なテーブルの移動場所を算出し、現在のそれぞれの前記電動機位置と最終的な電動機の位置の差から次に必要なそれぞれの電動機の移動量を算出する点である。
以上のように、テーブル4を回転方向に精度よく継続して移動できる。
【実施例2】
【0029】
図10は本発明の第2実施例を示すアライメント装置の上面図、駆動機構ユニットの配置図とテーブルの並進移動およびテーブルの並進移動後の回転移動を示す図である。
アライメント装置の構成は第1実施例と同じのため省略する。
本実施例が第1実施例と異なる部分は、テーブル4が並進移動した後に、テーブル4を回転移動する点である。
この場合には、テーブル4が並進移動した後の形態を、テーブルの機械的な基準形態とし、記憶手段32に記憶すれば、第1実施例と同様に精度よく、継続してテーブル4を回転移動できる。
【実施例3】
【0030】
図11は本発明の第3実施例を示すアライメント装置の使用形態を示す図である。アライメント装置は、第1実施例と同じ構成であるが、アライメント装置の使用形態が異なる。
図10に示すようにアライメント装置60(図11)のY方向が重力方向になるように機械80に設置されている。なお、図11には省略したが、駆動機構ユニット6(図2)を制御器3が、指令装置8からの動作指令と検出装置2の差を無くすように制御する点と、指令装置8は、動作指令演算装置31を有し、記憶手段32、第1の演算部33、第2の演算部34を用いて動作指令を作成する点は第1実施例と同様である。
本実施例では、第1実施例とは異なり、使用形態が異なるために、駆動機構ユニット6の電動機1を設置した並進自由度部12(図3)の部分にブレーキ機構41を付加したアライメント装置となっている。駆動機構ユニット6は、第1実施例と同様に4つ配置され、4つの駆動機構ユニット6すべてにブレーキ機構41を有している。
このため、駆動機構ユニット6の電動機1を制御する制御器3の電源を切り、電動機1が保持力を失う場合には、ブレーキ機構41を動作させ駆動機構ユニット6の電動機1を設置した並進自由度の部分を保持するので、最終的にはテーブル4を保持することができる。
よって、テーブル4が重力Gの影響を受ける形態であっても、第1実施例と同様にテーブル4の回転に必要なリニアモータ1Lの移動量を算出すれば、第1実施例と同様にテーブル4をXYθ動作でき、精度よく、継続してテーブル4を回転移動できる。
【実施例4】
【0031】
図12は本発明の第4実施例を示すアライメント装置の上面図および駆動機構ユニットの配置図、図13は本発明の第4実施例を示すアライメント装置の模擬図および制御ブロック図である。
図において、1は電動機(リニアモータ1L)、2は検出装置、3は制御器、4はテーブル、5は対象物、6は駆動機構ユニット、7は機台部、8は指令装置、11は並進自由度部、12は並進駆動部、13は回転自由度部、16は3自由度機構、31は動作指令演算装置、32は記憶手段、33は第1の演算部、34は第2の演算部、となっている。
【0032】
本実施例が第1実施例と異なる点は、駆動機構ユニット6を3つ配置された点と、駆動機構ユニット6の1つが2つの電動機1を有する点と、電動機1を持たない3自由度機構16を有する点と、駆動機構ユニット6と3自由度機構16の並進と回転自由度の構成順序である。
電動機1は、駆動機構ユニット6aのリニアモータ1a,1bと1c,1dが対になるように、駆動機構ユニット6b、6cのリニアモータ1c,1dを重心かつ回転中心となる位置から離して配置されている。
アライメント装置は機台部7とテーブル4の間において、図11に示すように3つの駆動機構ユニット6と2つの3自由度機構16が固定されている。
テーブル4の重心かつ回転中心とする位置に2つのリニアモータ1a,1bを備えた駆動機構ユニット6aを配置している。つまり、駆動機構ユニット6aは、2つの並進駆動部12と回転自由度を持つ回転自由度部13を持つ。駆動ユニット6b,6cは1つのリニアモータ1Lを有する並進駆動部12とリニアモータの無い並進自由度を持つ並進自由度部11と回転自由度部13を持つ。また、3自由度機構16はリニアモータ1Lの無い2つの並進自由度13と回転自由度部13を持つ。駆動機構ユニット6と3自由度機構16は、機台部7から並進自由度、並進自由度、回転自由度の機構を順に配置し、2つの並進自由度が直交する構成となっている。
駆動機構ユニット6aの2つのリニアモータ1L(1a,1b)は、駆動ユニット6b,6cのそれぞれの1つのリニアモータ1L(1d,1e)と対となり、XとY方向へ2つのリニアモータ1Lが駆動する構成になっている。
また、指令装置8は、動作指令演算装置31、記憶手段32、第1の演算部33、第2の演算部34を有し、リニアモータ1Lには、それぞれ制御器3が接続され、指令装置8が制御器3に指令し、リニアモータ1Lを動作させる点は第1実施例と同じである。
アライメント装置の動作は第1実施例と同様であり、リニアモータ1の動作量が幾何学的に決定できる点も同じであるが、テーブル4の中心を回転中心として回転動作を行う場合は、駆動機構ユニット6bのリニアモータ1cと駆動機構ユニット6cのリニアモータ1dを回転する円周方向に駆動し、駆動機構ユニット6aのリニアモータ1aとリニアモータ1bは、駆動機構ユニット6aの回転自由度部12aがテーブル4の回転中心として、ズレを生じないように位置を保持すればよい。また、回転移動のためのリニアモータ1cとリニアモータ1dの稼動によりテーブル4の回転中心が移動した場合には、元の回転中心位置に補正しても良い。
よって、第1実施例と同様にテーブル4の回転に必要なリニアモータ1Lの移動量を算出すれば、第1実施例と同様にテーブル4をXYθ動作でき、精度よく、継続してテーブル4を回転移動できる。
さらに、テーブルを並進動作する際に、テーブル4の重心をリニアモータ1aもしくは1bが駆動しつつ、テーブルのブレが無いように、テーブル端側をリニアモータ1cもしくは1dが補正しながら駆動できる。
【実施例5】
【0033】
図14は本発明の第5実施例を示すアライメント装置の上面図および駆動機構ユニットの配置図である。図15は本発明の第5実施例を示すアライメント装置の模擬図および制御ブロック図である。本実施例はYθ動作するテーブルの例である。
図において、1は電動機(リニアモータ1L)、2は検出装置、3は制御器、4はテーブル、5は対象物、6は駆動機構ユニット、7は機台部、8は指令装置、11は並進自由自由度部、12は並進駆動部、13は回転自由度部、17は2自由度機構、21は直動案内、22は直動案内ブロック、23は回転用軸受、である。
本実施例が第1実施例と第2実施例と異なる点は、テーブル4をYθ動作するために、2つの駆動機構ユニット6を、1方向の並進のみ駆動するように配置した点である。
また、2自由度機構17を利用している点も第1実施例と異なる。
Yθ動作するアライメント装置であり、X動作ができない点以外は第1実施例と同様である。
なお、駆動機構ユニット6a,6bが、テーブル4の回転中心の横に設置されているので、テーブル4を回転時の正負のリニアモータ1Lの移動量が対称にはなるが、テーブル4の回転量とリニアモータ1Lの移動量が非線形関係である点は第1実施例と同様である。
よって、第1実施例と同様にテーブル4の回転に必要なリニアモータ1Lの移動量を算出すれば、第1実施例と同様にして、テーブル4をYθ動作でき、精度よく、継続してテーブル4を回転移動できる。
【実施例6】
【0034】
図16は本発明の第6実施例を示すアライメント装置の上面図および駆動機構ユニットの配置図である。図17は本発明の第6実施例を示すアライメント装置の模擬図および制御ブロック図である。
図において、18は2自由度駆動機構ユニットであり、第5実施例の構成に対して、2自由度機構17を2自由度駆動機構ユニット18に変更した構成になっている。
テーブル4は第5実施例と同様にYθ動作が可能であり、さらに、θ動作のためにリニアモータ1a,1bが動作した際に、回転中心が移動しないように2自由度駆動機構ユニット18のリニアモータ1cで保持することができる。もし、θ動作のためにリニアモータ1a,1bが動作した場合にも、回転中心が移動しても、2自由度駆動機構ユニット18を動作させ補正することもできる。
なお、テーブル4の回転量とリニアモータ1Lの移動量が非線形関係である点は第5実施例と同様である。
よって、第1実施例と同様にテーブル4の回転に必要なリニアモータ1Lの移動量を算出すれば、第1実施例と同様にして、テーブル4をYθ動作でき、精度よく、継続してテーブル4を回転移動できる。
【実施例7】
【0035】
図18は本発明の第7実施例を示すアライメント装置の上面図および駆動機構ユニットの配置図である。図19は本発明の第7実施例を示すアライメント装置の模擬図および制御ブロック図である。
図において、16は3自由度機構であり、本実施例は、第6実施例の駆動機構ユニット6bを3自由度機構16に取り替えた構成になっている。第6実施例と同様に、テーブル4をθ動作する場合には、回転中心が移動しないように2自由度駆動機構ユニット18のリニアモータ1bで保持することができる。リニアモータ1bを保持し、駆動機構ユニット6のリニアモータ1aを稼動すれば、テーブル4をθ動作できる。
なお、テーブル4の回転量とリニアモータ1Lの移動量が非線形関係である点は第5実施例と同様である。
よって、第1実施例と同様にテーブル4の回転に必要なリニアモータ1Lの移動量を算出すれば、第1実施例と同様にして、テーブル4をYθ動作でき、精度よく、継続してテーブル4を回転移動できる。
【実施例8】
【0036】
図20は本発明の第8実施例を示すアライメント装置の上面図および駆動機構ユニットの配置図である。図21は本発明の第8実施例を示すアライメント装置の模擬図および制御ブロック図である。
図において、19は回転1自由度機構である。
本実施例は、テーブル4がθ動作のみ行う形態となった点が、第1実施例や第5実施例と異なり、テーブル4と機台部7を回転1自由度機構19にて結合している。2つの駆動機構ユニット6a,6bのリニアモータ1a,1bを反対に稼動することで、テーブル4をθ動作させる構成になっている。テーブル4をθ動作するので、XY動作できない以外のθ動作については第1実施例と同様である。
なお、第5実施例と同様に、駆動機構ユニット6a,6bが、テーブル4の回転中心の横に設置されているので、テーブル4回転時の正負のリニアモータ1Lの移動量が対称にはなるが、テーブル4の回転量とリニアモータ1Lの移動量が非線形関係である点は第1実施例と同様である。
よって、第1実施例と同様にテーブル4の回転に必要なリニアモータ1Lの移動量を算出すれば、第1実施例と同様にして、テーブル4をθ動作でき、精度よく、継続してテーブル4を回転移動できる。
【実施例9】
【0037】
図22は本発明の第9実施例を示すアライメント装置の上面図および駆動機構ユニットの配置図、図23は本発明の第9実施例を示すアライメント装置の模擬図および制御ブロック図、図24は本発明の第9実施例を示すアライメント装置の回転1自由度機構の概略側面図である。本実施例は第8実施例から駆動機構ユニット6を1つ取り除いた構成になっている。また、本実施例で用いた1つの駆動機構ユニット6には、第1実施例と同様に、直線案内補助板26を有している。なお、回転1自由度機構18が円弧型の曲線案内24と曲線案内ブロック25を組み合わせることで実現している点が第8実施例と異なる。
この回転1自由度機構18は、曲線案内24がテーブル4側に、曲線案内ブロック25が機台部7側に取り付けられているので、第1実施例の直線案内補助板26と同じ理由から、曲線案内24とテーブル4の間に曲線案内補助板27を有する構造となっている。
テーブル4の動作に関しては、第8実施例と同様にテーブル4回転時の正負のリニアモータ1Lの移動量が対称にはなるが、テーブル4の回転量とリニアモータ1Lの移動量が非線形関係である点は第1実施例と同様である。
よって、第1実施例と同様にテーブル4の回転に必要なリニアモータ1Lの移動量を算出すれば、第1実施例と同様にして、テーブル4をθ動作でき、精度よく、継続してテーブル4を回転移動できる。
なお、曲線案内補助板27は、曲線案内27の精度を保つように加工組み立てするものであり、曲線案内24と曲線案内ブロック25から回転自由度を構成するものであれば、本実施例の回転1自由度機構19に限らず、これまでの実施例で述べた駆動機構ユニット6、3自由度機構16、2自由度機構17、2自由度駆動機構ユニット18に用いても良い。
【実施例10】
【0038】
図25は本発明の第10実施例を示すアライメント装置の上面図および駆動機構ユニットの配置図である。テーブル4は第1実施例と同様にXYθ動作が可能となっている。本実施例は、第1実施例の構成に加えた、第2実施例と同様の2つの電動機(リニアモータ1L)を持つ駆動機構ユニット6Bと、4つの駆動機構ユニット6Aと、4つの3自由度機構16が含まれ、4つの駆動機構ユニット6A、1つの駆動機構ユニット6B、4つの3自由度機構16が、図中のA〜Mの位置でテーブル4を支持しているため、テーブル4の撓みを小さく抑える構成になっている。なお、図25には省略したが、駆動機構ユニット6を制御器3が、指令装置8からの動作指令と検出装置2の差を無くすように制御する点と、指令装置8は、動作指令演算装置31を有し、記憶手段32、第1の演算部33、第2の演算部34を用いて動作指令を作成する点は第1実施例と同様である。
本実施例が、テーブル4のXYθ動作に必要なリニアモータ1Lの動作量が幾何学的に決定できる点は第1実施例と同じである。
また、例えば、XY動作時には、F,G、H,Iの位置にある駆動機構ユニット6Aのリニアモータ1Lを機能させず、3自由度機構16と同じ機能として用いても良い。
テーブル4をθ動作させる場合、B,C,D,Eの位置にある駆動機構ユニット6Aでは、テーブル4の正負でリニアモータ1Lの移動量が異なる。F,G、H,Iの位置にある駆動機構ユニット6Aでは、テーブル4の正負回転でリニアモータ1Lの移動量が対称になる。Aの位置にある駆動機構ユニット6Bはテーブル4の回転中心がずれないように、XY方向に対して保持したり補正することが可能となっている。
また、テーブル4の回転量とリニアモータ1Lの移動量が非線形関係である点は第1実施例と同様である。
よって、第1実施例と同様にテーブル4の回転に必要なリニアモータ1Lの移動量を算出すれば、第1実施例と同様にして、テーブル4をθ動作でき、精度よく、継続してテーブル4を回転移動できる。
【実施例11】
【0039】
図26は本発明の第11実施例を示すアライメント装置を備えた旋回テーブルである機械制御システムの上面図と正面図である。本実施例の機械制御システムは2層構造になっており、60はアライメント装置、61は旋回テーブルである。アライメント装置60は第1実施例に示したアライメント装置60に、3自由度機構16を加えた構成であり、旋回テーブル61は回転型の電動機1Rと、曲線案内24と曲線案内ブロック25からなる回転1自由度機構19と、から構成されている。なお、図26には省略したが、駆動機構ユニット6を制御器3が、指令装置8からの動作指令と検出装置2の差を無くすように制御する点と、指令装置8は、動作指令演算装置31を有し、記憶手段32、第1の演算部33、第2の演算部34を用いて動作指令を作成する点は第1実施例と同様である。さらに、図26には省略したが、旋回テーブル61の駆動機構部59を電動機1によって動作させるための制御器3や指令装置8を備えている。
アライメント装置60にはθ動作範囲に制限があるので、旋回テーブル61によりθ動作範囲を広げ、粗・蜜のθ動作を使い分ける構成になっている点が第1実施例とは異なる。
アライメント装置60はXYθ動作する点は、第1実施例と同じであり、テーブル4の正負のθ動作で駆動機構ユニット6のリニアモータ1Lの動作量が異なる点と、テーブル4の回転量とリニアモータ1Lの移動量が非線形関係である点は第1実施例と同様である。
よって、アライメント装置60については、第1実施例と同様にテーブル4の回転に必要なリニアモータ1Lの移動量を算出すれば、第1実施例と同様にして、テーブル4をθ動作でき、精度よく、継続してテーブル4を回転移動できる。
【実施例12】
【0040】
図27は本発明の第12実施例を示すアライメント装置を備えた並進テーブルである機械制御システムの上面図と正面図である。本実施例の機械制御システムは2層構造になっており、60はアライメント装置、62は並進テーブルである。アライメント装置60は第9実施例に示したテーブル4をθ動作のみする構成であり、1つの駆動機構ユニット6と回転1自由度機構19を有する。回転1自由度機構19は曲線案内24と曲線案内ブロック25の組み合わせて構成している。並進テーブル62は駆動機構部59によって、上層のアライメント装置60を並進移動する。並進テーブル62はリニアモータ1Lとリニアスケール2と、直線案内21と直線案内ブロック22によって構成されている。
なお、図27には省略したが、駆動機構ユニット6を制御器3が、指令装置8からの動作指令と検出装置2の差を無くすように制御する点と、指令装置8は、動作指令演算装置31を有し、記憶手段32、第1の演算部33、第2の演算部34を用いて動作指令を作成する点は第1実施例と同様である。さらに、図27には省略したが、並進テーブル62の駆動機構部59を電動機1によって動作させるための制御器3や指令装置8を備えている。
本実施例のアライメント装置60が第9実施例と異なるのは、回転1自由度機構19にブレーキ機構41を備えた点である。曲線案内ブロック25近くにブレーキ機構41を備え、曲線案内24を掴むことでテーブル4のθ動作を保持する。アライメント装置60のテーブル4が重力によって動作することは無いが、駆動機構部59によって、アライメント装置60が駆動されるために、駆動機構ユニット6の電動機1(リニアモータ1L)の保持力だけでは、テーブル4が振られることがある。これを防止するために、ブレーキ機構41を備えている。
アライメント装置60に関しては、第9実施例に示したように、テーブル4の回転時の正負のリニアモータ1Lの移動量が対称にはなるが、テーブル4の回転量とリニアモータ1Lの移動量が非線形関係である点は第1実施例と同様である。
よって、第1実施例と同様にテーブル4の回転に必要なリニアモータ1Lの移動量を算出すれば、第1実施例と同様にして、テーブル4をθ動作でき、精度よく、継続してテーブル4を回転移動できる。
【実施例13】
【0041】
図28は本発明の第13実施例を示すアライメント装置を備えた機械である機械制御システムの上面図と正面図である。本実施例の機械制御システムは2層構造の部分と門型固定機構から成っている。
2層構造の部分には、上層のYθ動作できるアライメント装置60と駆動機構部59を有する並進テーブル62である。アライメント装置60は並進テーブル62を機台部7とする第5・第6実施例に示した形態の変形型であり、Yθ動作できるアライメント装置60を90°回転して配したXθ動作できるアライメント装置60となっている。アライメント装置60には、2つの駆動機構ユニット6a,6bと、2つの3自由度機構16a,16bと、1つの2自由度機構17を備え、駆動機構ユニット6a,6bと3自由度機構16a,16bと2自由度機構17にはXY方向を保持するブレーキ機構41を有している。
Xθ動作できるアライメント装置60の機台部7を並進移動するように、リニアモータ1Lと直線案内21と直線案内ブロック22から構成された駆動機構部59が並進テーブル62をY方向へ動作させ、アライメント装置60全体をY方向へ移動することができる。
なお、図28には省略したが、駆動機構ユニット6を制御器3が、指令装置8からの動作指令と検出装置2の差を無くすように制御する点と、指令装置8は、動作指令演算装置31を有し、記憶手段32、第1の演算部33、第2の演算部34を用いて動作指令を作成する点は第1実施例と同様である。さらに、図28には省略したが、並進テーブル62の駆動機構部59を電動機1によって動作させるための制御器3や指令装置8を備えている。
【0042】
本実施例のアライメント装置60が第5・第6実施例と異なるのは、駆動機構ユニット6a,6bと3自由度機構16a,16bと2自由度機構17にはXY方向を保持するブレーキ機構41を有している点である。
アライメント装置60において、駆動機構ユニット6a,6bのリニアモータ1Lを同方向に駆動することによって、テーブル4をX方向へ並進移動することができる。また、駆動機構ユニット6a,6bのリニアモータ1Lをそれぞれ反対方向に駆動すれば、テーブル4をθ回転できる。テーブル4をθ回転する際、2自由度機構17に搭載したブレーキ機構41を作用させれば、テーブル4の回転中心が移動することなく、θ回転できる。
また、並進テーブル62をY方向へ動作させる際、アライメント装置60のテーブル4が駆動機構部59の動作に伴い、振られないように、駆動機構ユニット6a,6bと3自由度機構16a,16bと2自由度機構17に搭載したブレーキ機構41を作用させることができる。
アライメント装置60のθ動作においては、第1実施例と同様に、テーブル4の回転時の正負のリニアモータ1Lの移動量が非対称となる。さらに、テーブル4の回転量とリニアモータ1Lの移動量が非線形関係である点も第1実施例と同様である。
よって、第1実施例と同様にテーブル4の回転に必要なリニアモータ1Lの移動量を算出すれば、第1実施例と同様にして、テーブル4をθ動作でき、精度よく、継続してテーブル4を回転移動できる。
【実施例14】
【0043】
図29は本発明の第14実施例を示すアライメント装置を備えた機械であるガントリ機構である機械制御システムの上面図と正面図である。
ガントリ機構64とアライメント装置60から構成されている。アライメント装置60は第1実施例に示したXYθ動作する構成である。なお、アライメント装置60の駆動機構ユニット6はテーブル4とガントリ機構64の間に配置され、機台部7はガントリ機構64が兼ねている。
ガントリ機構64は、2つの駆動機構部59によってガントリ可動部63をY方向に駆動可能な機構であり、ガントリ可動部63にはさらに駆動機構部59を有しており、X方向にX軸テーブル65を駆動する。ガントリ機構64の駆動機構部59は、リニアモータ1Lと直線案内21と直線案内ブロック22から構成されている。
なお、図29には省略したが、駆動機構ユニット6を制御器3が、指令装置8からの動作指令と検出装置2の差を無くすように制御する点と、指令装置8は、動作指令演算装置31を有し、記憶手段32、第1の演算部33、第2の演算部34を用いて動作指令を作成する点は第1実施例と同様である。さらに、図29には省略したが、ガントリ可動部63の駆動機構部59を電動機1によって動作させるための制御器3や指令装置8を備えている。
本実施例のアライメント装置60は、機台部7がガントリ機構64と兼ねている以外は、第1実施例に示したアライメント装置と同一のため、第1実施例と同様にテーブル4の回転に必要なリニアモータ1Lの移動量を算出すれば、第1実施例と同様にして、テーブル4をθ動作でき、精度よく、継続してテーブル4を回転移動できる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
駆動機構ユニットを機台部の1平面に配しているのでテーブルを薄型にできる。
テーブルが大型化しても、荷重が分散されて支持される工作機械のアライメント装置などにも適用できる。
また、薄型のアライメント装置となるため、その他の作業を行う機械および機械制御システム全体の機械の高さを低く作成できる。このため、重心が低い安定した装置が実現でき、剛性を向上できるので、振動が発生しにくくなり、駆動機構部の動作性能を向上できる。つまり、機械制御システム全体の性能を向上できる効果がある。
また、駆動機構ユニットに搭載した検出装置を用いて位置制御するので、テーブルが大型化しても、テーブルの外周近くに駆動機構ユニットを配置すれば、テーブル回転動作はテーブル中心で位置検出を行うよりも分解能が上がり、性能が向上する効果もある。
さらに、アライメント装置の上から作業させる部分の機械の高さを低く作成できるので、その材料を抑えて低コスト化できる。また、上記部位は軽量化できるので、機械および機械制御システムの製造・組み立て作業も簡単になる。
加えて、本構造では駆動機構ユニットの配置により、回転型モータを用いては実現できないテーブルの中央を抜いた中抜き構造化も可能であり、使用用途を広げることができる。
さらに、装置が大型化しても、特殊な大型電動機を使用せず、標準的な電動機を複数利用して、駆動力を分散するように構成できるので、装置部品の納期やコストの面で、大型の特殊品に比べて安易に調達できるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施例を示すアライメント装置の上面図および駆動機構ユニットの配置図である。
【図2】本発明の第1実施例を示すアライメント装置の模擬図および制御ブロック図である。
【図3】本発明の第1実施例を示すアライメント装置の駆動機構ユニットの概略側面図である。
【図4】本発明の第1実施例を示すアライメント装置のテーブルの並進移動を示す図である。
【図5】本発明の第1実施例を示すアライメント装置のテーブルの回転移動を示す図である。
【図6】本発明の第1実施例を示すアライメント装置の課題であるテーブルの回転移動を示す図である。
【図7】本発明の第1実施例を示すアライメント装置の課題であるテーブルの回転移動と電動機の並進移動の関係を示す図である。
【図8】本発明の第1実施例を示すアライメント装置の演算処理方法を示す第1のフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施例を示すアライメント装置の演算処理方法を示す第2のフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施例を示すアライメント装置の上面図、駆動機構ユニットの配置図とテーブルの並進移動およびテーブルの並進移動後の回転移動を示す図である。
【図11】本発明の第3実施例を示すアライメント装置の使用形態を示す図である。
【図12】本発明の第4実施例を示すアライメント装置の上面図および駆動機構ユニットの配置図である。
【図13】本発明の第4実施例を示すアライメント装置の模擬図および制御ブロック図である。
【図14】本発明の第5実施例を示すアライメント装置の上面図および駆動機構ユニットの配置図である。
【図15】本発明の第5実施例を示すアライメント装置の模擬図および制御ブロック図である。
【図16】本発明の第6実施例を示すアライメント装置の上面図および駆動機構ユニットの配置図である。
【図17】本発明の第6実施例を示すアライメント装置の模擬図および制御ブロック図である。
【図18】本発明の第7実施例を示すアライメント装置の上面図および駆動機構ユニットの配置図である。
【図19】本発明の第7実施例を示すアライメント装置の模擬図および制御ブロック図である。
【図20】本発明の第8実施例を示すアライメント装置の上面図および駆動機構ユニットの配置図である。
【図21】本発明の第8実施例を示すアライメント装置の模擬図および制御ブロック図である。
【図22】本発明の第9実施例を示すアライメント装置を示すアライメント装置の上面図および駆動機構ユニットの配置図である。
【図23】本発明の第9実施例を示すアライメント装置の模擬図および制御ブロック図である。
【図24】本発明の第9実施例を示すアライメント装置の回転1自由度機構の概略側面図である。
【図25】本発明の第10実施例を示すアライメント装置を示すアライメント装置の上面図および駆動機構ユニットの配置図である。
【図26】本発明の第11実施例を示すアライメント装置を備えた旋回テーブルである機械制御システムの上面図と正面図である。
【図27】本発明の第12実施例を示すアライメント装置を備えた並進テーブルである機械制御システムの上面図と側面図、正面図である。
【図28】本発明の第13実施例を示すアライメント装置を備えた並進テーブルである機械制御システムの上面図と正面図である。
【図29】本発明の第14実施例を示すアライメント装置を備えた機械であるガントリ機構である機械制御システムの上面図と正面図である。
【図30】従来の第1例である特許文献1のXY−θ軸の微調整機構を示す斜視図である。
【図31】従来の第1例である特許文献1の図30に係るモータを制御する系統例である。
【図32】従来の第1例である特許文献1の別形態のXY−θ軸の微調整機構を示す平面図である。
【図33】従来の第2例による特許文献2の縦横移動旋回テーブル機構を構成するための支持ユニットの配置の実施例を示す説明的平面図である。
【図34】従来の第2例による特許文献2のテーブルを運動させた状態を示す説明的平面図である。
【図35】従来の第3例である非特許文献1のアライメントステージの基本構成を示す斜視図である。
【図36】従来の第3例である非特許文献1のアライメントステージに搭載されたアライメントモジュールの基本構成を示す斜視図である。
【図37】従来の第3例である非特許文献1のアライメントステージの平面図および計算式に用いる記号の説明図である。
【図38】従来の第3例である非特許文献1のアライメントステージのθ回転を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 電動機 1L リニアモータ 1R 回転型モータ
2 検出装置
3 制御器
4 テーブル
5 対象物
6 駆動機構ユニット
7 機台部
8 指令装置
11 並進自由度部
12 並進駆動部
13 回転自由度部
16 3自由度機構
17 2自由度機構
18 2自由度駆動機構ユニット
19 回転1自由度機構
21 直線案内
22 直線案内ブロック
24 曲線案内
25 曲線案内ブロック
26 直線案内補助板
27 曲線案内補助板
31 動作指令演算装置
32 記憶手段
33 第1の演算部
34 第2の演算部
41 ブレーキ機構
46 駆動機構
59 駆動機構部
60 アライメント装置
61 旋回テーブル
62 並進テーブル
63 ガントリ可動部
64 ガントリ機構
65 X軸テーブル
79 門型固定機構
80 機械
【出願人】 【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
【出願日】 平成18年7月12日(2006.7.12)
【代理人】 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平

【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳

【識別番号】100108589
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 利光

【識別番号】100115107
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 猛


【公開番号】 特開2008−21098(P2008−21098A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−191786(P2006−191786)