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【発明の名称】 受信装置、電波時計、受信装置用モジュールおよび受信方法
【発明者】 【氏名】水上 博光

【要約】 【課題】時刻信号を受信して時刻情報を取得し、取得した時刻を表示する消費電力が少ない電波時計を提供する。

【解決手段】電波時計1は、周期的に連続する所定のデータ列が符号化され、所定の通信方式で変調されて送信された通信信号を受信する電波受信部10と、前記受信された通信信号から符号化されたデータを復調する逆拡散部105と、前記符号化されたデータを復号して、前記データ列を復元する復号部150と、前記符号化されたデータは、前記データ列の先頭位置を示唆するか、否かを判定するパディング判定部120と、前記先頭位置を示唆すると判定された場合、前記データ列の先頭位置を基準に当該データ列の復元を指示し、前記先頭位置を示唆しないと判定された場合、前記パディング判定部120が次に判定するまで、前記受信された通信信号から前記データ列を復元する動作を停止させる受信制御部30とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期的に連続する所定のデータ列が符号化され、所定の通信方式で変調されて送信された通信信号を受信する受信手段と、
前記受信された通信信号から符号化されたデータを復調する復調手段と、
前記符号化されたデータを復号して、前記データ列を復元する復元手段と、
前記符号化されたデータは、前記データ列の先頭位置を示唆するか、否かを判定する判定手段と、
前記判定手段において、前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆すると判定された場合、前記復元手段に対して、前記データ列の先頭位置を基準に当該データ列の復元を指示し、
前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆しないと判定された場合、前記判定手段が次に判定するまでの所定の時間に渡り、前記符号化されたデータを復調する動作および前記データ列を復元する動作の少なくとも1つを停止させる制御手段とを備えることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の受信装置において、
前記判定手段は、前記符号化されたデータが、前記データ列に続く次のデータ列の先頭位置を示唆するか、否かを判定すると共に、
前記制御手段は、前記判定手段において、前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆すると判定された場合、前記復元手段に対して、前記次のデータ列の先頭位置を基準に当該データ列の復元を指示することを特徴とする受信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の受信装置において、
前記判定手段は、前記符号化されたデータが、当該データを含むデータ列の先頭位置を示唆するか、否かを判定すると共に、
前記制御手段は、前記判定手段において、前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆すると判定された場合、前記復元手段に対して、前記データを含むデータ列の先頭位置を基準に当該データ列の復元を指示することを特徴とする受信装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の受信装置において、
前記判定手段は、
前記データ列の終端に渡り配置され、所定の長さに渡り一定の値が連続するデータを検出することで判定することを特徴とする受信装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の受信装置において、
前記判定手段は、
前記データ列の先頭に配置され、前記復号により値が変動しないデータを検出することで判定することを特徴とする受信装置。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の受信装置において、
前記判定手段は、
前記符号化されたデータと、
予め記憶された前記データ列の基準データとを比較することで判定することを特徴とする受信装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の受信装置において、
前記制御手段は、所定の頻度で、
前記判定手段による判定に依らず、前記符号化されたデータを順次取得して前記データ列を復元するべく制御することを特徴とする受信装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の受信装置において、
前記制御手段は、
前記判定手段が、所定の回数に渡り、前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆しないと判定した場合、前記符号化されたデータを順次取得して前記データ列を復元するべく制御することを特徴とする受信装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の受信装置において、
前記所定の通信方式は、CDMA通信方式であることを特徴とする受信装置。
【請求項10】
請求項9に記載の受信装置において、
前記データ列は、シンクチャンネル信号のメッセージデータであることを特徴とする受信装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の受信装置において、
前記データ列は、時刻に関する情報を含むことを特徴とする受信装置。
【請求項12】
時刻情報を含む信号を受信する電波時計であって、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の受信装置を備えることを特徴とする電波時計。
【請求項13】
周期的に連続する所定のデータ列が符号化され、所定の通信方式で変調されて送信された通信信号を受信するためのアンテナへの接続端部と、
前記接続端部から供給される通信信号から符号化されたデータを復調する復調手段と、
前記符号化されたデータを復号して、前記データ列を復元する復元手段と、
前記符号化されたデータは、前記データ列の先頭位置を示唆するか、否かを判定する判定手段と、
前記判定手段において、前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆すると判定された場合、前記復元手段に対して、前記データ列の先頭位置を基準に当該データ列の復元を指示し、
前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆しないと判定された場合、前記判定手段が次に判定するまでの所定の時間に渡り、前記符号化されたデータを復調する動作および前記データ列を復元する動作の少なくとも1つを停止させる制御手段とを備えることを特徴とする受信装置用モジュール。
【請求項14】
配置された位置を示唆する特定データを含み、周期的に連続するデータ列の信号を受信して、前記データ列のデータを取得し、前記取得されたデータの中から前記特定データが検出された場合、前記特定データが示唆する前記位置を基準に前記データ列を抽出し、前記特定データが検出されない場合、所定の時間に渡り、前記信号から前記データの取得を中断することを特徴とする受信装置。
【請求項15】
周期的に連続する所定のデータ列が符号化され、所定の通信方式で変調されて送信された通信信号を受信する受信工程と、
前記受信された通信信号から符号化されたデータを復調する復調工程と、
前記符号化されたデータを復号して、前記データ列を復元する復元工程と、
前記符号化されたデータは、前記データ列の先頭位置を示唆するか、否かを判定する判定工程とを備え、
前記判定工程において、前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆すると判定された場合、前記データ列の先頭位置を基準に、当該データ列が復元され、
前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆しないと判定された場合、前記判定工程が次に判定するまでの所定の時間に渡り、前記復調工程および前記復元工程の少なくとも1つが停止されることを特徴とする受信方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、周期的に連続するデータ列の信号を受信する受信装置、電波時計、受信装置用モジュールおよび受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電波により送信される時刻信号を受信して、正確な時刻情報を表示する電波時計は、地上基地局から送信される長波帯域の標準電波や、GPS(Global Positioning System)衛星から送信される極超短波帯域の時刻信号を受信する方法に加え、近年では、下記特許文献1に記載されているように、移動通信を目的として、CDMA(Code Division Multiple Access)変調されて送信される極超短波帯域の電波に含まれる時刻信号を受信して、正確な時刻を取得する時計装置が提案されている。このような極超短波帯域の電波は、種々の中継局から遍く中継されるため、長波帯域の標準電波やGPS衛星からの電波と比較して、建物の中や地下のような様々な移動先においても、良好に受信できることが知られている。また、CDMA方式の電波を受信する時計装置は、受信開始時において、パイロットチャンネルの信号を復調して基地局との間で同期を取った後に、シンクチャンネルの信号を復調して復号することにより、GPS時刻、うるう秒、ローカルオフセットおよびサマータイムの情報等を含む時刻情報を取得できることが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−321383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した時計装置は、CDMA電波を受信して、パイロットチャンネルの信号を復調し、基地局との間で同期を取った後に、シンクチャンネルの信号を復調して復号することで時刻情報を取得した。この場合、シンクチャンネルの信号は、時刻情報を所定位置に含むデータ列が周期的に連続するため、1つのデータ列を先頭から取得し、時刻情報の所定位置を先頭から辿ることで、データ列から時刻情報を取得したが、最初に復号されたデータは、データ列の位置が不明であるため、このデータを含むデータ列は取得せずに見送り、次のデータ列の先頭から取得する必要があった。しかしながら、最初に復号されたデータを取得してから、次のデータ列の先頭のデータを取得するまでの間においても、先頭のデータを判別するために復号動作を継続する必要があることから、復号動作を継続することで相当の電力が消費されるため、このような時計装置の消費電力を低減することは難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を解決するために、本発明の受信装置は、周期的に連続する所定のデータ列が符号化され、所定の通信方式で変調されて送信された通信信号を受信する受信手段と、前記受信された通信信号から符号化されたデータを復調する復調手段と、前記符号化されたデータを復号して、前記データ列を復元する復元手段と、前記符号化されたデータは、前記データ列の先頭位置を示唆するか、否かを判定する判定手段と、前記判定手段において、前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆すると判定された場合、前記復元手段に対して、前記データ列の先頭位置を基準に当該データ列の復元を指示し、前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆しないと判定された場合、前記判定手段が次に判定するまでの所定の時間に渡り、前記符号化されたデータを復調する動作および前記データ列を復元する動作の少なくとも1つを停止させる制御手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、データ列が周期的に連続する通信信号を受信して復調することにより、符号化されたデータを取得し、符号化されたデータが、データ列の先頭位置を示唆するか、否かを判定し、符号化されたデータがデータ列の先頭位置を示唆する場合は、データ列が復元され、符号化されたデータがデータ列の先頭位置を示唆しない場合は、判定手段が次に判定するまでの所定の時間に渡り、受信された通信信号からデータ列を復元する動作が停止される。従って、データ列を先頭から復元できない場合は、符号化されたデータがデータ列の先頭位置を示唆可能になるまで、受信された通信信号の復調や復号が停止されるため、その間に消費される電力は削減されることから、受信装置の消費電力の低減を図ることができる。
【0007】
本発明の受信装置では、前記判定手段は、前記符号化されたデータが、前記データ列に続く次のデータ列の先頭位置を示唆するか、否かを判定すると共に、前記制御手段は、前記判定手段において、前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆すると判定された場合、前記復元手段に対して、前記次のデータ列の先頭位置を基準に当該データ列の復元を指示しても良い。また、本発明の受信装置では、前記判定手段は、前記符号化されたデータが、当該データを含むデータ列の先頭位置を示唆するか、否かを判定すると共に、前記制御手段は、前記判定手段において、前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆すると判定された場合、前記復元手段に対して、前記データを含むデータ列の先頭位置を基準に当該データ列の復元を指示しても良い。
【0008】
本発明の受信装置では、前記判定手段は、前記データ列の終端に渡り配置され、所定の長さに渡り一定の値が連続するデータを検出することで判定しても良く、また、前記データ列の先頭に配置され、前記復号により値が変動しないデータを検出することで判定しても良い。更に、前記符号化されたデータと、予め記憶された前記データ列の基準データとを比較することで判定しても良い。
【0009】
本発明の受信装置では、前記制御手段は、所定の頻度で、前記判定手段による判定に依らず、前記符号化されたデータを順次取得して前記データ列を復元するべく制御しても良い。また、本発明の受信装置では、前記制御手段は、前記判定手段が、所定の回数に渡り、前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆しないと判定した場合、前記符号化されたデータを順次取得して前記データ列を復元するべく制御しても良い。
【0010】
本発明の受信装置では、前記所定の通信方式は、CDMA通信方式であっても良い。また、本発明の受信装置では、前記データ列は、シンクチャンネル信号のメッセージデータであっても良い。更に、本発明の受信装置では、前記データ列は、時刻に関する情報を含んでも良い。
【0011】
そして、前述の受信装置を電波時計に適用することで、低消費電力の電波時計を提供できる。
【0012】
上記した課題を解決するために、本発明の受信装置用モジュールは、周期的に連続する所定のデータ列が符号化され、所定の通信方式で変調されて送信された通信信号を受信するためのアンテナへの接続端部と、前記接続端部から供給される通信信号から符号化されたデータを復調する復調手段と、前記符号化されたデータを復号して、前記データ列を復元する復元手段と、前記符号化されたデータは、前記データ列の先頭位置を示唆するか、否かを判定する判定手段と、前記判定手段において、前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆すると判定された場合、前記復元手段に対して、前記データ列の先頭位置を基準に当該データ列の復元を指示し、前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆しないと判定された場合、前記判定手段が次に判定するまでの所定の時間に渡り、前記符号化されたデータを復調する動作および前記データ列を復元する動作の少なくとも1つを停止させる制御手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、周期的に連続するデータ列の信号からデータ列のデータを取得し、取得したデータの中から、配置された位置を示唆する特定データを検出した場合は、特定データが示唆する位置を基準にデータ列を抽出し、特定データを検出できない場合は、信号からデータの取得を所定の時間に渡り中断する。従って、受信装置用モジュールは、所定の時間に消費される電力の低減を図ることができる。
【0014】
上記した課題を解決するために、本発明の受信装置は、配置された位置を示唆する特定データを含み、周期的に連続するデータ列の信号を受信して、前記データ列のデータを取得し、前記取得されたデータの中から前記特定データが検出された場合、前記特定データが示唆する前記位置を基準に前記データ列を抽出し、前記特定データが検出されない場合、所定の時間に渡り、前記信号から前記データの取得を中断することを特徴とする。
この発明によれば、周期的に連続するデータ列の信号を受信して、データ列のデータを取得し、取得したデータの中から、配置された位置を示唆する特定データを検出した場合は、特定データが示唆する位置を基準にデータ列を抽出し、特定データを検出できない場合は、受信した信号からデータの取得を所定の時間に渡り中断する。従って、受信装置は、所定の時間に消費される電力の低減を図ることができる。
【0015】
上記した課題を解決するために、本発明の受信方法は、周期的に連続する所定のデータ列が符号化され、所定の通信方式で変調されて送信された通信信号を受信する受信工程と、前記受信された通信信号から符号化されたデータを復調する復調工程と、前記符号化されたデータを復号して、前記データ列を復元する復元工程と、前記符号化されたデータは、前記データ列の先頭位置を示唆するか、否かを判定する判定工程とを備え、前記判定工程において、前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆すると判定された場合、前記データ列の先頭位置を基準に、当該データ列が復元され、前記符号化されたデータが前記先頭位置を示唆しないと判定された場合、前記判定工程が次に判定するまでの所定の時間に渡り、前記復調工程および前記復元工程の少なくとも1つが停止されることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、データ列が周期的に連続する通信信号を受信して復調することにより、符号化されたデータを取得し、符号化されたデータが、データ列の先頭位置を示唆するか、否かを判定し、符号化されたデータがデータ列の先頭位置を示唆する場合は、データ列が復元され、符号化されたデータがデータ列の先頭位置を示唆しない場合は、判定手段が次に判定するまでの所定の時間に渡り、受信された通信信号からデータ列を復元する動作が停止される。従って、データ列を先頭から復元できない場合は、符号化されたデータがデータ列の先頭位置を示唆可能になるまで、受信された通信信号の復調や復号が停止されるため、その間に消費される電力は削減されることから、受信装置の消費電力の低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、時刻情報を含む電波を受信して時刻を表示する電波時計を用いて説明する。
【0018】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態として受信装置を適用した電波時計1の構成を示すブロック図である。電波時計1は、CDMA変調されて送信される極超短波帯域の電波に含まれる時刻情報を受信して、時刻情報が有する正確な時刻を表示する。この電波時計1は、時刻情報がCDMA変調されて送信された電波を、アンテナ15を用いて受信し、受信した電波を接続端部を介して外部へ供給可能な電波受信部10と、電波受信部10で受信された電波の高周波信号をベースバンド信号に変換すると共に、AD変換してデジタル信号に変換するRF処理部20と、位相が直交する2つのデジタル信号(I信号、Q信号)に対してCDMAの復調処理を施し、時刻情報を含むデータを復号するベースバンド処理部25と、復号されたデータから時刻に関する情報を抽出する時刻情報抽出部35と、抽出された時刻情報を出力する時刻情報出力部40と、この電波時計1における受信機能を制御する受信制御部30とを備える。
【0019】
ベースバンド処理部25は、同期部100と、逆拡散部105と、データ判定部110と、符号データ取得部115と、パディング判定部120と、復号部150とを備える。
同期部100は、I信号およびQ信号から基地局を識別するために短周期PNコードのタイミング同期を取り、逆拡散部105に通知する。また、タイミング同期に対応して、短周期PNコードの先頭を示す同期タイミング信号(図5)が出力される。逆拡散部105は、通知されたタイミング同期に基づいて、I信号とQ信号に短周期PNコードを乗算すると共に、チャネライゼーション符号であるWalshコードの0番を乗算して積分することでパイロットチャンネル信号を復調し、Walshコードの32番を乗算して積分することでシンクチャンネル信号を復調する。尚、パイロットチャンネル信号は、基地局と受信機の同期を取るために用いられ、シンクチャンネル信号は、基地局から時刻情報やシステム設定情報等を通知するために用いられる。データ判定部110は、パイロットチャンネル信号により位相回転を除外し、シンクチャンネル信号の二位相偏移変調(BPSK)データを判定することで復調する。復調されたデータは、符号化された符号データとして、順次復号部150に送られると共に、符号データ取得部115により取得される。
【0020】
ここで、シンクチャンネル信号のデータ構成について、図2および図3を参照して説明する。図2は、シンクチャンネル信号のメッセージデータのデータ領域を説明する図であり、図3は、シンクチャンネル信号のメッセージデータの分割を説明する図である。シンクチャンネル信号のメッセージデータは、一定の繰り返し周期で連続するデータ列であり、1つのデータ列は、図2に示すように、所定のビット数でそれぞれ定義された複数のフィールドを含む。これらフィールドの中で、MSG_LENGTHとCRCを除いたフィールドは、MessageBodyと呼ばれ、2〜1146ビットの範囲で定義される。このMessageBodyの中で、SYS_TIME、LP_SEC、LTM_OFFおよびDAYLTは、時刻情報を取得するために必要なフィールドである。また、CRCは、MSG_LENGTHとMessageBodyにおいて、ビットデータの誤りをチェックするための符号列である。
【0021】
また、図3に示すように、シンクチャンネル信号のメッセージデータは、MSG_LENGTH、MessageBody、CRCおよびPadding(パディング)で構成される。シンクチャンネル信号のメッセージデータは、93ビットの単位で構成されるため、1つのメッセージデータの長さは、93ビットの整数倍になる。パディングは、このデータ長さを確保するために0ビットで構成されるデータである。また、図3に示すように、シンクチャンネル信号のデータは、32ビット単位の9ブロックで区切られ、それぞれのブロックの先頭には、先頭を示すSOM(Start Of Message)ビットが付加される。このSOMビットには、メッセージデータの先頭を示すビット(SOM1=1)と、それぞれのブロックの先頭を示すビット(SOM0=0)とが定義される。これらのブロックの中で、時刻情報を含むフィールドは、4ブロック、5ブロックおよび6ブロックに含まれる。また、パディングは、本実施形態1では、8ブロックと9ブロックに含まれる。
【0022】
図1に戻り、復号部150は、デインターリーバ155と、デリピータ160と、誤り訂正処理部165とを備え、基地局からのデータ送信時にリピータおよびインターリーバにより施されたデータの順序の並び換えを、デインターリーバおよびデリピータにより元の順序に戻すことで復号する。図4は、復号処理を説明する図であり、復号処理の説明と理解を容易にすべく、この図4も参照して説明する。最初に、デインターリーバ155は、データ判定部110から送られる符号データの順番の並び替えを、ブロック毎に128ビット単位で行う。尚、この処理は、本実施形態1では、26.6ミリ秒程度要する。次に、デリピータ160は、デインターリーバ155で得られた128ビットのデータを、それぞれ1ビット間引くことにより、64ビット単位のデータに変換する。続いて、誤り訂正処理部165は、1/2の畳み込み符号化された64ビットのデータを復号処理することで、32ビットに変換する。本実施形態1では、この処理を行うことにより、数ビット分のデータが遅延する。以上の処理により、メッセージデータの各ブロックに含まれるフィールドの情報が取得可能に、メッセージデータが復元される。
【0023】
時刻情報抽出部35は、復元されたメッセージデータを先頭から所定のビット数オフセットすることで、前記したSYS_TIMEを始めとする時刻情報を含むフィールドに対応するデータを取得して、時刻に関する情報を抽出する。また、時刻情報出力部40は、抽出された時刻に関する情報を、表示体等への表示や、他の機器への送信等により出力する。更に、受信制御部30は、パディング判定部120からの指示や、同期タイミング信号(図5)に従い、受信に関する動作の中断を制御する。本実施形態1では、受信制御部30は、RF処理部20およびベースバンド処理部25の少なくとも1つに対して、動作の断続を制御できるように構成されている。
【0024】
符号データ取得部115は、データ判定部110から出力された符号データを取得し、パディング判定部120に送る。パディング判定部120は、符号データが、次のメッセージデータの先頭位置を示唆するか、否かを判定する。本実施形態1では、メッセージデータの終端に渡り配置され、所定の長さに渡り一定の値が連続するデータを検出することで判定する。より具体的には、このパディング判定部120は、符号データ取得部115から送られた符号データが所定の長さに渡り0が連続することにより、送られた符号データが所定のパディング領域を示すデータであるか、否かを判定する。尚、図5は、復調したメッセージデータのブロックに応じた制御信号を説明する図であり、この図5も参照して説明する。前記したように、本実施形態では、パディングは、8ブロックと9ブロックに含まれるため、9ブロックのデータが、データ判定部110から出力された場合、基地局側で並び換え(インターリーバ)された符号データであっても、すべて0になる。従って、連続する符号データが全て0である場合、これらの符号データは、メッセージデータを構成するブロックの終端である9ブロックのデータの何れかであり、次のメッセージデータの先頭データが近く取得できることを示唆している。パディング判定部120は、この判定をゼロパディング信号として受信制御部30に送る。受信制御部30は、この判定を受け、所定の待機時間を経て、RF処理部20やベースバンド処理部25に対して、受信信号の復調処理および復号処理を指示するべく制御信号を出力する。この結果、復号部150で復号されたデータの中からメッセージデータの先頭を検出できる。
【0025】
また、連続する符号データの全てが0ではない場合、少なくとも9ブロックのデータでは無いと判定する。パディング判定部120は、この判定をゼロパディング信号として受信制御部30に送る。受信制御部30は、この判定を受け、RF処理部20やベースバンド処理部25に対して、受信信号の復調処理および復号処理を所定の時間に渡り中断すべく制御信号を出力する。尚、本実施形態1では、1つのブロックが処理される26.6ミリ秒程度中断するように指示するが、この値には限定されない。また、8ブロックにおいても、パディングが検出されるため、パディングが検出されても検出を継続し、続けてパディングが検出された場合は、復号処理を停止しても良い。
【0026】
上記したこれらの各機能部は、図示は略すが、電気回路で実現させても良く、また、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびメモリカード等で構成され、これらのハードウェアとソフトウェアとを協働させて実現しても良い。
【0027】
図6は、電波時計1により時刻情報が表示される処理の流れを説明するフローチャートである。この処理が開始されると、最初に、ステップS200において、電波時計1は、時刻情報を含むCDMA変調された信号を受信する。次に、ステップS205において、電波時計1は、受信した信号を、I信号とQ信号のデジタル信号に変換する。次に、ステップS210において、電波時計1は、デジタル信号からパイロットチャンネル信号を復調し、同期タイミングを取得する。
【0028】
次に、ステップS215において、電波時計1は、取得した同期タイミングに基づき、シンクチャンネル信号を復調する。続いて、ステップS220において、電波時計1は、復調されたシンクチャンネル信号の1つのデータブロックの先頭から符号データを順次取得する。次に、ステップS230において、電波時計1は、連続する所定の個数の符号データから、これらのデータがパディングデータか、否かを判定する。
【0029】
ここで、取得されたデータがパディングデータであると判定された場合(ステップS230でYes)、ステップS255に進み、電波時計1は、所定の待機時間の後、パディングデータを取得したメッセージデータの次に取得されるメッセージデータの先頭から符号データを復号する。続いて、ステップS260において、電波時計1は、復号したデータからメッセージデータを復元し、SYS_TIMEフィールドが示す時刻情報を抽出する。次に、ステップS265において、電波時計1は、時刻情報を表示し、ステップS270に進む。他方で、取得されたデータがパディングデータではないと判定された場合(ステップS230でNo)、ステップS250に進み、電波時計1は、次のブロックの先頭のデータを取得できるまで、受信動作を所定の時間中断し、ステップS270に進む。尚、図示は、略すが、所定の回数に渡り、取得されたデータがパディングデータであると判定できない場合は、このフローチャートによる処理を終了して、全ての符号データを復号し、メッセージデータを取得して、時刻情報を取得しても良い。
【0030】
ステップS270において、電波時計1は、ユーザ等から終了指示されているか、否かを判定する。ここで、終了指示されている場合(ステップS270でYes)、ステップS275に進み、受信動作を終了して、一連の処理を終了する。他方で、終了指示されていない場合(ステップS270でNo)、ステップS280で信号を受信し、次いで、ステップS285で、受信した信号をI信号とQ信号のデジタル信号に変換した後、ステップS215に戻り、一連の処理を繰返す。尚、図示は略すが、このフローチャートによる処理を繰返す中で、所定の頻度で、パディング判定部120による判定に依らず、符号データを順次復号し、データ列を復元しても良い。
【0031】
以上述べた実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
(1)電源を電池により供給されるような電波時計1は、消費電力の低減が図れることから、電池交換の頻度が減少する。特に、電波時計1を適用した携帯電話や腕時計の場合、消費電力が少ないことから、搭載する電池が低容量でも良いため、携帯電話や腕時計を小型化および軽量化できる。
【0032】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について、図7、図8および図9を参照して説明する。図7は、実施形態2として受信装置を適用した電波時計1の構成を示すブロック図であり、図8は、実施形態2において、復調したメッセージデータのブロックに応じた制御信号を説明する図であり、図9は、実施形態2において、電波時計1により時刻情報が表示される処理の流れを説明するフローチャートである。尚、以下の説明では、既に説明した部分と同じ部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0033】
実施形態1では、パディング判定部120でパディングデータを判定したが、図7に示すように、実施形態2では、パディング判定部120に加えて、メッセージデータの先頭に配置され、復号により値が変動しないデータを検出することで判定するSOM判定部125を更に加える。本実施形態2では、SOM判定部125は、パディング判定部120において、パディングデータであると判定されたのを受けて、メッセージデータの先頭を示すビットを検出し、このビットがSOM1か、またはSOM0かを判定する。ここで、図8に示すように、実施形態1と比較して、受信制御信号は、各ブロックの区切りよりも所定の時間早いタイミングで送られる。尚、本実施形態2では、パディング判定部120に入力されるデータは、復号されていない状態であるため、データ列の先頭を示すビットがSOM1の場合は、メッセージデータの先頭である場合と、SOM0が畳み込み符号化によりSOM1になった場合とが想定される。また、データ列の先頭を示すビットがSOM0の場合は、少なくとも、データ列の先頭ではないと判定できる。従って、最初に、パディング判定部120で判定し、次いで、SOM判定部125で判定することで、メッセージデータを確実に検出できる。
【0034】
また、図9に示すように、ステップS230において、連続する所定の個数の符号データから、これらのデータがパディングデータと判定された場合(ステップS230でYes)、ステップS235において、SOM1であるか、否かを判定する。ここで、先頭を示すビットがSOM1である場合(ステップS235でYes)、メッセージデータの先頭であると判断し、ステップS255を実行する。他方で、先頭を示すビットがSOM0である場合(ステップS235でNo)、パディングデータの判定および先頭を示すビットの判定の何れかが誤った可能性があるため、本実施形態2では、ステップS250に進み、受信動作を所定の時間中断する。この場合、先頭を示すビットが誤っている可能性もあるため、ステップS255に進み、復号処理を行っても良い。
【0035】
以上述べた実施形態2によれば、実施形態1で述べた(1)の効果に加え、以下のような効果を奏する。
(2)メッセージデータのパディングデータ領域に加え、データ列の先頭を示すビットも検出して、メッセージデータの先頭を判定するため、データ列の先頭を判定する精度が向上する。更に、データ列がメッセージデータの先頭と判定した場合、そのデータ列を即座に復元できるため、時刻情報を取得するための処理速度が向上する。
【0036】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について、図10および図11を参照して説明する。図10は、実施形態3として受信装置を適用した電波時計1の構成を示すブロック図であり、図11は、実施形態3において、電波時計1により時刻情報が表示される処理の流れを説明するフローチャートである。
【0037】
実施形態1では、パディング判定部120で判定されたパディングデータにより、次のメッセージデータの先頭データを取得したが、実施形態3では、図10に示すように、パディング判定部120に替えて、ビットパターン比較判定部130と、符号データ記憶部135とを備える。符号データ記憶部135は、以前に受信され復調されたメッセージデータの先頭を起点に、所定の長さに渡る符号化されたデータをビットパターンとして記憶する。また、ビットパターン比較判定部130は、符号データ記憶部135に記憶されたビットパターンと、符号データ取得部115で取得されたデータのビットパターンとを比較することで、符号データ取得部115で取得されたデータがメッセージデータの先頭を含むか、否かを判定する。
【0038】
本実施形態3では、メッセージデータの先頭を示すSOMから、メッセージデータの長さを示すMSG_LENGTH、メッセージデータの種類を示すMSG_TYPE、通信システムのプロトコルに関するバージョンを示すP_REVおよびサポートされる最小のプロトコルに関するバージョンを示すMIN_P_REVまでのフィールドをビットパターンとして採用する。これらのフィールドは、CDMA方式を採用した移動通信システムのバージョンが改定されるまでは変化しない値であり、通常はほとんど変更されない値である。
【0039】
本実施形態3では、図11に示すように、ステップS240において、電波時計1は、取得された連続する所定の個数の符号データと、記憶されたビットパターンとを比較する。この結果、ステップS245において、2つが同一のビットパターンであると判定された場合(ステップS245でYes)、ステップS255に進み、2つが同一のビットパターンでないと判定された場合(ステップS245でNo)、ステップS250に進む。尚、同一ビットパターンの判定は、全て一致する条件であっても良く、また、一致しないビットが所定数以下とする条件であっても良い。
【0040】
以上述べた実施形態3によれば、実施形態1で述べた(1)と同様な効果を奏する。
【0041】
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4について、図12および図13を参照して説明する。図12は、実施形態4として受信装置を適用した電波時計1の構成を示すブロック図であり、図13は、実施形態4において、電波時計1により時刻情報が表示される処理の流れを説明するフローチャートである。
実施形態1では、パディング判定部120でメッセージデータのパディングデータを判定することにより、次のメッセージデータの先頭データを取得したが、実施形態4では、図12に示すように、パディング判定部120と、SOM判定部125と、ビットパターン比較判定部130と、符号データ記憶部135とを備え、パディングデータの判定、メッセージデータの先頭を示すビットの判定およびメッセージデータのビットパターンの判定を多段的に行う。
【0042】
本実施形態4では、図13に示すように、ステップS230において、連続する所定の個数の符号データから、これらのデータがパディングデータと判定された場合(ステップS230でYes)、ステップS235において、SOM1であるか、否かを判定する。ここで、先頭を示すビットがSOM1である場合(ステップS235でYes)、更に、ステップS240において、電波時計1は、取得された連続する所定の個数の符号データと、記憶されたビットパターンとを比較する。この結果、ステップS245において、2つが同一のビットパターンであると判定された場合(ステップS245でYes)、ステップS255に進む。他方で、パディングデータと判定されない場合(ステップS230でNo)、先頭を示すビットがSOM0である場合(ステップS235でNo)および2つが同一のビットパターンでないと判定された場合(ステップS245でNo)、ステップS250に進む。尚、ステップS235において、SOM1であるか、否かの判定は、ステップS240において、ビットパターンの比較処理と合わせて実行しても良い。
【0043】
以上述べた実施形態4によれば、実施形態1で述べた(1)の効果に加え、以下のような効果を奏する。
(3)メッセージデータのパディングデータ領域と、メッセージデータの先頭を示すビットを検出すると共に、メッセージデータの先頭のビットパターンを基準のパターンと比較することでメッセージデータの先頭を判定するため、データ列の先頭を判定する精度がより向上する。
【0044】
以上、本発明を図示した実施形態1〜実施形態4に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、以下に述べるような変形例も想定できる。
(1)上記した各実施形態は、電波時計1への適用を想定したが、本発明の受信装置は、これに限るものではなく、情報を処理するために正確な時刻情報が必要な情報処理装置等に適用できる。
(2)上記した各実施形態は、メッセージデータを構成するデータの内、先頭部や終端部のデータを使って、メッセージデータの区切りを検出したが、先頭部や終端部に配置されるデータに限定されるものでは無く、メッセージデータに配置された位置を特定できるデータであれば、データの配置場所は問わない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態1に係る電波時計の構成を示すブロック図。
【図2】メッセージデータのデータ領域を説明する図。
【図3】メッセージデータの分割を説明する図。
【図4】メッセージデータの復号処理を説明する図。
【図5】復調したメッセージデータのブロックに応じた制御信号を説明する図。
【図6】本発明の実施形態1に係る電波時計により時刻情報が表示される処理の流れを説明するフローチャート。
【図7】本発明の実施形態2に係る電波時計の構成を示すブロック図。
【図8】実施形態2において、復調したメッセージデータのブロックに応じた制御信号を説明する図。
【図9】本発明の実施形態2に係る電波時計により時刻情報が表示される処理の流れを説明するフローチャート。
【図10】本発明の実施形態3に係る電波時計の構成を示すブロック図。
【図11】本発明の実施形態3に係る電波時計により時刻情報が表示される処理の流れを説明するフローチャート。
【図12】本発明の実施形態4に係る電波時計の構成を示すブロック図。
【図13】本発明の実施形態4に係る電波時計により時刻情報が表示される処理の流れを説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0046】
1…電波時計、10…電波受信部、15…アンテナ、20…RF処理部、25…ベースバンド処理部、30…受信制御部、35…時刻情報抽出部、40…時刻情報出力部、100…同期部、105…逆拡散部、110…データ判定部、115…符号データ取得部、120…パディング判定部、125…SOM判定部、130…ビットパターン比較判定部、135…符号データ記憶部、150…復号部、155…デインターリーバ、160…デリピータ、165…訂正処理部。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成19年1月18日(2007.1.18)
【代理人】 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉

【識別番号】100127661
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 一彦


【公開番号】 特開2008−175672(P2008−175672A)
【公開日】 平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願番号】 特願2007−8849(P2007−8849)