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【発明の名称】 電波修正時計
【発明者】 【氏名】岩間 祐一

【要約】 【課題】標準電波信号の受信成功率を向上させ、かつ、効率のよい時刻修正が可能な電波修正時計を提供する。

【構成】内部時計1の周辺の温度を温度センサ6を用いて測定し、水晶発振子5の測定温度と標準温度での周波数誤差を算出し、前記周波数誤差を所定時間累積する。また、標準電波信号に含まれる包絡線検波出力信号S23が所定時間内に内部カウンタ32〜34に何クロック入力されるかをカウントする。前記累積周波数誤差とカウント値より、時刻修正に必要な情報を取捨選択して受信し、効率のよい時刻修正を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標準時刻信号を含む電波信号を受信して、内部時計の時刻修正を行う電波修正時計であって、
上記電波信号を受信する受信手段と、
上記受信手段において、受信した上記電波信号を所定時間監視し、当該監視時間に上記時刻修正に必要な少なくとも一つの時刻情報を取得すると、当該取得した時刻情報により、上記内部時計の時刻修正をする制御手段と
を有する電波修正時計。
【請求項2】
上記受信手段は、上記電波信号の包絡線検波信号を出力し、
上記制御手段は所定時間上記包絡線検波信号をカウントし、当該カウント値に応じて、上記時刻情報を取得する
請求項1記載の電波修正時計。
【請求項3】
上記制御手段は、秒情報と分情報と時情報としてカウント値を得、それぞれ設定カウント値が、異なる三つのカウンタを有し、上記所定時間内にいずれのカウンタが上記カウント値に達したか否かによって、時刻修正のための時刻情報を取得する
請求項2の電波修正時計。
【請求項4】
所定周波数で発振する発振手段と、
上記発振手段の周囲温度を検出する検出手段と、
上記制御手段は、上記発振手段の温度特性に関する情報と上記検出手段の検出結果に基づいて、上記発振手段の周波数と標準温度での上記発振手段の周波数との誤差を検出し、算出した誤差情報により、修正すべき時刻を補正する
請求項1から3のいずれか一に記載の電波修正時計。
【請求項5】
上記検出手段は、上記発振手段の温度特性に関する情報に基づいて上記発振手段の周波数と標準温度での上記発振手段の周波数との誤差を検出する
請求項1から4のいずれか一に記載の電波修正時計。
【請求項6】
上記検出手段は、上記発振手段の温度特性に関する情報に基づいて上記発振手段の周波数と標準温度での上記発振手段の周波数との誤差を検出し、当該誤差を所定時間累積する
請求項1から5記載のいずれか一に記載の電波修正時計。
【請求項7】
上記制御手段は、上記所定時間内に取得可能な情報を報知する少なくとも一つの報知手段を有する
請求項1から4のいずれか一に記載の電波修正時計。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、標準時刻信号を含む電波信号を受信して、時刻修正を行う電波修正時計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば佐賀県に設置された標準電波放送局から周波数60kHzで送信された標準時刻電波信号や、福島県に設置された標準電波放送局から周波数40kHzで送信された標準時刻電波信号を受信し、その標準時刻電波信号に基づいて時刻修正を行う電波修正時計が知られている。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開2004−340749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電波修正時計は、所定の時刻になると電波信号を受信し、受信した電波信号に含まれる時刻情報に基づいて表示する時刻を修正し、常に正確な時刻を表示するように構成されている。
【0004】
従来の電波修正時計では、電波信号から時刻修正に必要な情報を連続して受信し、時刻修正を行っているため、信号の一部にノイズが混入すると電波信号から正確な情報の取得が困難になり、時刻修正に支障をきたすことがある。
【0005】
また、所定時刻毎に電波信号から秒情報、分情報、時情報などすべての情報を受信して時刻修正を行うため、標準時刻から秒単位でしか時刻がずれていなくても、秒、分、時単位で時刻修正するため、時刻修正に時間がかかるという問題点がある。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノイズによる時刻修正への影響を低減し、かつ時刻修正にかかる時間を短縮する、効率のよい時刻修正を行うことができる電波修正時計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の電波修正時計は、標準時刻信号を含む電波信号を受信して、内部時計の時刻修正を行う電波修正時計であって、上記電波信号を受信する受信手段と、上記受信手段において、受信した上記電波信号を所定時間監視し、当該監視時間に上記時刻修正に必要な少なくとも一つの時刻情報を取得すると、当該取得した時刻情報により、上記内部時計の時刻修正をする制御手段とを有する。
【0008】
本発明は、上記受信手段は、上記電波信号の包絡線検波信号を出力し、上記制御手段は所定時間上記包絡線検波信号をカウントし、当該カウント値に応じて、上記時刻情報を取得する。
【0009】
本発明は、上記制御手段は、秒情報と分情報と時情報としてカウント値を得、それぞれ設定カウント値が、異なる三つのカウンタを有し、上記所定時間内にいずれのカウンタが上記カウント値に達したか否かによって、時刻修正のための時刻情報を取得する。
【0010】
本発明は、所定周波数で発振する発振手段と、上記発振手段の周囲温度を検出する検出手段と、上記制御手段は、上記発振手段の温度特性に関する情報と上記検出手段の検出結果に基づいて、上記発振手段の周波数と標準温度での上記発振手段の周波数との誤差を検出し、算出した誤差情報により、修正すべき時刻を補正する。
【0011】
本発明は、上記検出手段は、上記発振手段の温度特性に関する情報に基づいて上記発振手段の周波数と標準温度での上記発振手段の周波数との誤差を検出し、当該誤差を所定時間累積する。
【0012】
また、本発明は、上記所定時間内に取得可能な情報を報知する少なくとも一つの報知手段を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ノイズによる時刻修正への影響を低減することができる。
【0014】
また、本発明によれば、時刻修正にかかる時間を最小限に抑えることができ、効率のよい時刻修正を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に関連付けて説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る電波修正時計の信号処理系の一実施形態を示すブロック図である。
本実施形態に係る電波修正時計1は、標準電波放送局から送信される標準時刻信号を含む標準電波信号を受信し、受信結果に基づいて内部で計時される時刻を修正する。
【0017】
本実施の形態に係る電波修正時計1の信号処理系回路は、受信手段としての標準電波信号受信系2、制御回路3、包絡線検波信号S23を条件に応じて取捨選択するゲート群4、水晶発振子5、温度センサ部6、時刻修正の実行を報知する報知回路7を有する。
【0018】
標準電波信号受信系2は、受信アンテナ21と受信装置22とを有する。
受信アンテナ21は、標準電波放送局から送信された標準時刻信号を受信する。
受信装置22は、受信アンテナより受信した標準時刻信号が入力され、包絡線検波信号S23を出力する。
【0019】
図2は、図1に示した電波修正時計で受信される標準電波信号に含まれる時刻信号の一具体例を示すものである。
図2(a)は標準電波信号の一具体例を示す図、図2(b)は受信装置からの出力波形の一具体例を示す図である。図2(c)は電波が非常に弱い場合の出力波形の一具体例を示す図、図2(d)はノイズが多い場合の出力波形の一具体例を示す図である。
【0020】
たとえば、日本標準時を高精度で伝える長波の標準電波JJYは、図2(a)に示すような形態で送られてくる。
具体的には、JJYの標準時刻信号(タイムコードとも言う)は、「1」信号、「0」信号、「P」信号の3種類の信号パターンから構成され、それぞれの信号パターンは、1秒(s)の中の100%振幅期間幅によって区別されている。「1」信号を表す場合には、1秒(s)の間に500ms(0.5s)だけ所定の周波数の所定の100%振幅期間の信号が送信され、「0」信号を表す場合には、1秒の間に、800ms(0.8s)だけ所定の周波数の信号が送信され、「P」信号を表す場合には、1秒(s)の間に200ms(0.2s)だけ所定の周波数が送信されてくる。
【0021】
標準電波放送局からの検波信号受信が成功した場合には、図2(b)に示すように標準電波信号の波形に応じたパルス信号が受信装置22より出力される。
この場合には、制御回路3は受信した標準電波の受信状態が予め規定された正常な基準電範囲内にあるものとみなす。
【0022】
一方、受信状態が基準範囲外にあるとみなす場合は、電波が弱い場合や、ノイズが多い場合である。
電波が非常に弱い場合には、図2(c)に示すように、数個の信号分、パルス信号がローレベル(L)またはハイレベル(H)のままになる。
また、ノイズが多い場合には、図2(b)に示すように、電波の波形と無関係にパルス信号のレベルが変化する。
【0023】
なお、日本の標準電波JJYは、独立行政法人通信総合研究所(CRL)のもとで運用されている。また、変調波であるパルス信号PLの振幅は最大100%、最小10%である。
【0024】
次に、長波標準電波の送信データについて説明する。
図3(a),(b)は、標準電波信号のタイムコードの一部である。
タイムコードは、図3(a),(b)に示すように、1分1周期(1フレーム)としてこれを、60分割し、1秒ごとに1ビットの情報を割り当てて送信している。
【0025】
タイムコードが送信する情報は、時、分、1月1日からの通算日、年(西暦下2桁)、曜日に関しては、2進数(BCD(Binary coded decimal notation 2進化10進法)正論理)として表し送信する。
従って、時には24時間制JSTの時を表すために6ビット、分には7ビット、通算日には10ビット、年には8ビット、曜日には3ビットが必要となる。
【0026】
なお、秒信号については、秒は電波のパルス信号の立ち上がりとし、パルスの立ち上がりの55%(10%値と100%値の中央)が標準時の1秒信号に同期する。
【0027】
P信号は1フレームに7回送信され、正分(0秒)に対応するものがマーカMと呼ばれ、9秒、19秒、29秒、39秒、49秒に対応するものが、それぞれポジションマーカP1〜P5と呼ばれる。
なお、もう一つのポジションマーカP0は、通常(非うるう秒時)は59秒の立ち上がりに対応する。
【0028】
このP信号が続けて現れるのは1フレーム中1回で、59秒、0秒のとき、つまりポジションマーカP0、マーカMと続くときだけ、この続けて現れる位置が正分位置となる。つまり分・時データ等の時刻データは、この正分位置を基準としてフレーム中の位置が決まっているため、この正分位置の検出を正確に行い、時刻データを取り出す。
【0029】
ただし、標準電波のフレームのフォーマットは毎分同じではなく、図3(a)に示すように、毎時15分および45分時以外のフォーマットと、図3(b)に示すように、それ毎時15分および45分の時刻のフォーマットは、異なっている。SU1、SU2と名付けられた予備ビットと、LS1、LS2と名付けられたうるう秒情報は、呼び出し符号と停波情報が、年情報と曜日情報の代わりに15分、45分のフォーマットにのみ現れる。
【0030】
このように、タイムコードを含む標準電波を受信し、そこから得られるパルス信号をデコードすることにより、標準時刻を入手することができる。
電波修正時計は得られた標準時刻に基づいて、計時される計時時刻を修正する。
【0031】
図1に記載の制御回路3は、例えば、演算器31、30進カウンタ32、20進カウンタ33と10進カウンタ34を有し、各カウンタ32〜34は包絡線検波信号S23、内部タイマ信号S31、30進カウントアップ信号S32、20進カウントアップ信号S33と10進カウントアップ信号S34によって制御されるゲート群4に接続されている。
包絡線検波信号S23もしくは内部タイマ信号S31のいづれか一方がオフの場合にはゲート群4はオフになり、各カウンタ32−34は包絡線検波信号S23をカウントしない。
時刻修正時には、演算器より出力される内部タイマ信号S31と包絡線検波信号S23がゲート群4に入力される。また、30進カウントアップ信号S32、20進カウントアップ信号S33、10進カウントアップ信号S34のいずれかが、ゲート群4のいずれかに入力されると、各カウントアップ信号に対応したカウンタ32〜34のいずれかが所定時間カウントを開始する。カウンタ32〜34のいずれかが、それぞれの所定カウント数に達すると、カウンタ32〜34から各カウンタに対応したカウントアップ信号S32〜34のいづれかに出力され、ゲート群4はオフに切り替わり、包絡線検波信号S23の制御回路3への入力が遮断され、演算器31により時刻修正が行われる。
【0032】
また制御回路3は、例えば、水晶発振子5(周波数:32.768kHz)、内部時計周囲の温度を検知する温度センサ部6、および時刻修正の実行を報知する報知部7がそれぞれ接続されている。
【0033】
本実施形態に係る電波修正時計1は、温度センサ部6により、内部時計周辺部の温度を一定時間間隔で検出し、水晶発振子5の標準温度での周波数と時刻修正時における内部時計周辺部の温度での周波数との誤差を所定時間累積することにより、内部時計の時刻が標準時刻に対してどの程度誤差が生じているかを算出する。時刻修正の実行前に、あらかじめ時刻誤差を算出することで、標準電波信号に含まれる時刻修正に必要な情報を取捨選択し、受信する。
例えば、標準時刻より数秒間のずれがある場合は、時刻修正に必要な最小の時間単位、この場合は秒情報を標準時刻信号から受信して時刻を修正する。
【0034】
水晶発振子5には2次温度係数が存在し、前記2次温度係数により音叉型水晶発振子の周波数の標準温度からのずれから、およその時間誤差を算出できる。
【0035】
図4は、音叉型水晶発振子5の温度(℃)と日差(秒/日)の関係を表す温度特性の典型的な一例である。
また、標準温度は(+25℃±5℃)を基準にしており、測定温度が標準温度から離れるに従い、日差の絶対値は増加する。
【0036】
次に、音叉型水晶発振子5の温度特性による周波数誤差の算出方法を説明する。
【0037】
一般的には、周期32.768kHzの音叉型水晶発振子5は標準温度(+25℃±5℃)を基準にして、前記標準温度と内部時計1の周辺部の温度測定時との温度差を<℃>とすると、周波数偏差ΔF(ppm)は、
【0038】
(数1)ΔF=−0.035×<℃>×<℃>ppm
である。
なお、標準温度点を0ppmとする。
【0039】
例えば、0〜50℃の温度範囲の場合は、(+25℃±25℃)であるので、周波数偏差ΔF(ppm)は、
【0040】
(数2)
ΔF=−0.035×|±25|×|±25|=−21.875ppm
となる。
【0041】
ここで、上記周波数偏差ΔF(ppm)は標準値である。公差は最大で、±20%以下である。上式[数1]に常温偏差の値を加えたものが、最大偏差となる。
また、測定温度が標準温度から離れるほど、高温低温に係らず周波数は低下する。
【0042】
本実施形態に係る制御回路3は、上記に述べた温度特性によって、内部時計の標準時刻からの誤差を算出し、所定時間累積する。
前記累積誤差に対し、基準マーカとポジション、または、基準マーカと分情報、または、基準マーカと分情報と時情報、の3通りに分類し、時刻修正に必要な最小時間単位を求める。
【0043】
温度センサ部6は、たとえば、サーミスタ62に電源(VDD)61が印加され、サーミスタ62での温度測定結果を演算器31に入力する。
【0044】
ゲート群4は、複数のAND素子で構成される。
本発明の実施形態では、例えば、AND素子41、42と43の各入力端子に包絡線検波信号S23と演算器31から所定時間出力される内部タイマ信号S31がそれぞれ入力される。
AND素子41の出力はAND素子44の入力端子へ、AND素子42の出力はAND素子45の入力端子へ、AND素子43の出力はAND素子46の入力端子へ接続されている。
【0045】
AND素子41、42と43は、それぞれ包絡線検波信号S32と内部タイマ信号S31の有無を判断し、包絡線検波信号S32と内部タイマ信号S31が各AND素子41〜43に入力されている場合には、AND素子41、42と43は信号を出力し、包絡線検波信号S32もしくは内部タイマ信号S31のどちらか一方しかAND素子41〜43に入力されていなければ、AND素子41、42と43は上記信号を遮断する。
【0046】
AND素子44の入力端子には、AND素子41の出力と、30進カウントアップ信号S32が入力され、AND素子44の出力端子は30進カウンタ32の入力に接続されている。
AND素子45の入力端子には、AND素子42の出力と、20進カウントアップ信号S33が入力され、AND素子45の出力端子は20進カウンタ33の入力に接続されている。
AND素子46の入力端子には、AND素子43の出力と、10進カウントアップ信号S34が入力され、AND素子46の出力端子は10進カウンタ34の入力に接続されている。
【0047】
いま、包絡線検波信号S32と内部タイマ信号S31が各AND素子41、42と43に入力され、各AND素子41、42と43がオンの状態を仮定する。
この時、AND素子44は30進カウントアップ信号S32がローレベルに切り替わると、包絡線検波信号S32を30進カウンタ32に入力させる。
また、AND素子45は20進カウントアップ信号S33がローレベルに切り替わると、包絡線検波信号S32を20進カウンタ32に入力させる。
また、AND素子46は10進カウントアップ信号S34がローレベルに切り替わると、包絡線検波信号S32を10進カウンタ34に入力させる。
上記例とは逆に、AND素子44は30進カウントアップ信号S32がハイレベルに切り替わると、包絡線検波信号S32の30進カウンタ32への入力を遮断する。
また、AND素子45は20進カウントアップ信号S33がハイレベルに切り替わると、包絡線検波信号S32の20進カウンタ32への入力を遮断する。
また、AND素子46は10進カウントアップ信号S34がハイレベルに切り替わると、包絡線検波信号S32の10進カウンタ34への入力を遮断する。
【0048】
標準電波信号を受信する際、時刻修正に必要な情報を取捨選択するため、本実施形態に係る電波修正時計1では、所定時間包絡線検波信号S23を各カウンタ32、33と34に入力し、包絡線検波信号S23をカウントし、各カウンタのカウント値に応じて場合分けを行う。
【0049】
本発明の実施形態では、30進カウンタ32が30秒間で30クロックカウントした場合、包絡線検波信号S23にノイズはないと判断し、秒・分・時情報を取得し、時刻修正を行う。30進カウンタ32が30秒間で30クロック以下または、30クロック以上カウントした場合、すべての時刻情報取得を中止し、20進カウンタ33の状態を参照する。
【0050】
上記実施形態で、20進カウンタ33が30秒間で20カウントに要した時間と10秒を合計した時間が30秒である場合は、包絡線検波信号23に弱いノイズが含まれると判断し、基準マーカと分情報の取得を行い、時刻修正を行う。
20進カウンタ33が30秒間で20カウントに要した時間と10秒を合計した時間が30秒以上あるいは30秒未満である場合は、すべての情報の取得を中止し、10進カウンタ34の状態を参照する。
【0051】
上記実施形態で、10進カウンタ34が30秒間で10カウントに要した時間と20秒を合計した時間が30秒である場合は、包絡線検波信号23に中程度のノイズが含まれると判断し、基準マーカとポジションの取得を行い、時刻修正を行う。
10進カウンタ34が30秒間で10カウントに要した時間と20秒を合計した時間が30秒以上あるいは30秒未満である場合は、すべての情報取得を中断し、通常動作に戻る。
【0052】
報知回路7は、時刻修正が行われる場合に、秒情報、分情報、時情報ごとに時刻修正の実行を例えば、少なくとも一つ以上の発光素子を用いて報知する。
【0053】
報知回路7は本発明の実施形態の一つで、3つのLED72、73と74を有し、一つのLEDが秒、分もしくは時のいづれか一つを表す。本発明の実施形態では、LED72が秒、LED73が分、LED74が時を表す。
また、各LEDのアノードには電源(VDD)71が接続されている。さらに、報知回路7はトランジスタ75,76と77を有し、各トランジスタ75〜77のコレクタ端子は、各LED72〜74のカソードに接続され、各トランジスタ75〜77の各エミッタ端子は接地され、各トランジスタ75〜77の各ベース端子は、制御回路3に接続されている。
【0054】
報知回路7は時刻修正が行われる際に、制御回路3から秒、分、時の少なくともいづれか一つの信号が報知回路7に送られ、各トランジスタ72〜74はオンとなり、時刻修正が実行される秒、分、時のいづれか少なくとも一つ以上のLEDが点滅する。
たとえば、秒情報のみ時刻修正が行われる場合は、秒情報用のLED72が点滅し、秒、分、時すべての時刻修正が行われる場合は、すべてのLED72〜74が点滅する。
【0055】
図5に本発明の電波修正時計1の実施形態を示す。
【0056】
次に、本発明の実施形態による時刻修正の処理手順を図6と図7に示す。
【0057】
図6および図7はある任意の時刻を起点に、時刻修正工程の開始(START)から、時刻修正の必要がある場合には、秒、分、時の何れか一つ以上の時刻修正が完了するまでの過程を示す。
なお、図6に記載のA,B,Cは、図7に記載のA,B,Cとそれぞれ連結している。
【0058】
本実施形態の電波修正時計1では、温度センサ6によって60秒ごと(ST1)に内部時計周辺の温度測定を行う(ST2)。当該温度測定結果をデータ表と参照して2次温度係数により周波数誤差を算出し(ST3)、周波数誤差を60分間累積する(ST4)。
【0059】
ステップST5で、累積周波数誤差が1秒以上60秒未満である場合、内部時計が標準時刻より秒単位でずれていると判断し、秒を表すLED72が点滅する(ST6)。
上記ステップST5で、累積周波数誤差が1秒以上60秒未満でない場合、ステップST7で、累積周波数誤差が60分未満か否かの判定が行われ、累積周波数誤差が60分未満である場合、分を表すLED73が点滅し(ST8)、ステップST7で、累積周波数誤差が60分未満でない場合、時を表すLED74が点滅する(ST9)。
【0060】
上記時刻修正工程の開始点(START)から60分経過した時点で、標準電波信号の受信を行うか否かの判定を行う(ST10)。
【0061】
ステップST10で経過時刻が60分未満と判断された場合、初期動作(START)に戻り、ステップST10で経過時刻が60分以上であれば、累積周波数誤差による場合わけを行う。
この時点で、リセット信号S35がハイレベルになり、すべてのカウンタ32〜34はリセットされ、各カウントアップ信号S32〜S34はローレベルに維持される。
【0062】
ステップST11で、累積周波数誤差が1秒未満と判断された場合、内部タイマ出力信号S31はハイレベルに切り替わり、30秒間ハイレベルに維持され(ST12)、ゲート群4のAND素子41〜43はオンとなり、10進カウンタ用信号S34はローレベルとなり、AND素子46がオンとなり、10進カウンタ34のカウントが開始される(ST13)。
なお、この時点では、カウントアップ信号S32、S33はハイレベルに維持され、AND素子44,45はオフを維持している。
【0063】
30秒間10進カウンタ34で包絡線検波信号S23を10カウントした後、カウントアップ信号S34はハイレベルに切り替わり、ステップST14で、10進カウンタ34に入力された包絡線検波信号S23が、30秒間で10カウントに要する時間と20秒の合計が30秒と判断された場合、標準電波信号にノイズが含まれると判断し、基準マーカと3回のポジション受信を行い(ST15)受信完了後(ST16)、秒の時刻修正を行い(ST17)、リセット信号Rがハイレベルに切り替わり秒累積誤差をリセットして(ST16)初期動作(START)にもどる。
【0064】
上記ステップST14で、10クロックカウントに要する時間と20秒の合計が30秒以上もしくは30秒未満と判断された場合、標準電波信号の取得を中止し、初期動作(START)にもどる。
【0065】
ステップ11で累積周波数誤差が1秒以上と判断され、ステップ19で累積周波数誤差が60分未満と判断された場合(ST19)、内部タイマ出力信号S31はハイレベルに切り替わり、30秒間ハイレベルに維持され(ST20)、ゲート群4のAND素子41〜43はオンとなり、10進カウンタ用信号S34と、20進カウンタ用信号S33はローレベルとなり、AND素子45と46がオンとなり、10進カウンタ34と20進カウンタ33のカウントが開始される(ST21)。
なお、この時点では、カウントアップ信号S32はハイレベルに維持され、AND素子44はオフを維持している。
【0066】
30秒間10進カウンタ34で包絡線検波信号S23を10カウントし、20進カウンタ33で包絡線検波信号S23を20カウントした後、カウントアップ信号S33〜S34はそれぞれハイレベルに切り替わり、ステップST22で、20進カウンタ33に入力された包絡線検波信号S23が、30秒間で20カウントに要する時間と10秒の合計が30秒である場合、標準電波信号に弱いノイズが含まれると判断し、基準マーカと分情報の受信を行い(ST23)、受信完了後(ST24)、分と秒の時刻修正を行う(ST25)。
【0067】
ステップST25で時刻修正を行った後、累積周波数誤差が60分以下であると判断された場合(ST26)、リセット信号Rがハイレベルに切り替わり、秒、分、時累積誤差をリセットして(ST27)初期動作(START)にもどる。
ステップST25で時刻修正を行った後、累積周波数誤差が60分以下でない場合、リセット信号Rがハイレベルに切り替わり、秒、分、累積誤差をリセットして(ST28)初期動作(START)にもどる。
【0068】
ステップST22で、20進カウンタ33に入力された包絡線検波信号S23が、30秒間で20カウントに要する時間と10秒の合計が30秒以上あるいは30秒未満である場合、ステップST14へ進み10進カウンタ34の状態を確認する。
【0069】
ステップST11で累積周波数誤差が1秒以上と判断され、ステップST19で累積周波数誤差が60分以上と判断された場合、内部タイマ出力信号S31はハイレベルに切り替わり、30秒間ハイレベルに維持され(ST29)、ゲート群4のAND素子41〜43はオンとなり、10進カウンタ用信号S34と、20進カウンタ用信号S33と、30進カウンタ用信号S32はローレベルとなり、AND素子44〜46がオンとなり、10進カウンタ34と20進カウンタ33と30進カウンタ32のカウントが開始される(ST30)。
【0070】
30秒間10進カウンタ34で包絡線検波信号S23を10カウントし、20進カウンタ33で包絡線検波信号S23を20カウントし、30進カウンタ32で包絡線検波信号S23を30カウントした後、カウントアップ信号S32〜S34はそれぞれハイレベルに切り替わり、ステップST31で、30進カウンタ32に入力された包絡線検波信号S23が、30秒間で30クロックである場合、標準電波信号にノイズがないと判断し、60秒間タイムコードを受信し(ST32)、受信完了後(ST33)、秒、分、時の時刻修正を行い(ST34)、リセット信号Rがハイレベルに切り替わり秒、分、時累積誤差をリセットして(ST35)初期動作(START)にもどる。
【0071】
ステップST31で、30クロックカウントに要する時間が30秒以上もしくは30秒未満と判断された場合、ステップST22へ進み20進カウンタ33の状態を確認する。
【0072】
上記いづれの場合も、標準電波受信が完了しなかった場合は(ST16、ST24、ST33)、初期動作(START)に戻る。
【0073】
図8に本発明の実施形態によるタイムチャートの一実施例を示す。
ただし、図8は図7記載のステップST17で累積周波数誤差が60分以上の場合について示したものであり、本タイムチャートの説明も図7記載のステップ29からステップ35までの動作について述べる。
なお、図8に記載の数字1〜31は包絡線検波信号S23のクロックの番号を示し、クロック番号1が包絡線検波信号S23のカウント開始時とする。
【0074】
包絡線検波信号S23のクロックをカウントする直前に、リセット信号S35がハイレベルになり、すべてのカウンタ32〜34はリセットされ、各カウントアップ信号S32〜S34はローレベルに維持される。
累積周波数誤差が60分以上の場合、内部タイマ出力信号S31はハイレベルに切り替わり、30秒間ハイレベルに維持され、ゲート群4のAND素子41〜43はオンとなり、10進カウンタ用信号S34と、20進カウンタ用信号S33と、30進カウンタ用信号S32はローレベルとなり、AND素子44〜46がオンとなり、包絡線検波信号S23が各カウンタへ入力され、10進カウンタ34と20進カウンタ33と30進カウンタ32のカウントが開始される。
【0075】
30秒間10進カウンタ34で包絡線検波信号S23を10カウントした後、カウントアップ信号S34はハイレベルに切り替わり、20進カウンタ33で包絡線検波信号S23を20カウントした後、カウントアップ信号S33はハイレベルに切り替わり、30進カウンタ32で包絡線検波信号S23を30カウントした後、カウントアップ信号S32はハイレベルに切り替わる。
【0076】
30進カウンタ32に入力された包絡線検波信号S23が、30秒間で30クロックである場合、標準電波信号にノイズがないと判断し、60秒間タイムコードを受信し、受信完了後、秒、分、時の時刻修正を行い、リセット信号Rがハイレベルに切り替わり秒、分、時累積誤差をリセットして初期動作にもどる。
【0077】
30進カウンタ32に入力された包絡線検波信号S23において、30クロックカウントに要する時間が30秒以上もしくは30秒未満と判断された場合、20進カウンタ33の状態を確認する。
20進カウンタ33で、30秒間で20カウントに要する時間と10秒の合計が30秒である場合、標準電波信号に弱いノイズが含まれると判断し、基準マーカと分情報の受信を行い、受信完了後、分と秒の時刻修正を行う。
上記時刻修正を行った後、累積周波数誤差が60分以下であると判断された場合、リセット信号Rがハイレベルに切り替わり、秒、分、時累積誤差をリセットして初期動作にもどる。
上記時刻修正を行った後、累積周波数誤差が60分以下でない場合、リセット信号Rがハイレベルに切り替わり、秒、分、累積誤差をリセットして初期動作にもどる。
【0078】
30進カウンタ32に入力された包絡線検波信号S23において、30クロックカウントに要する時間が30秒以上もしくは30秒未満と判断され、かつ、20進カウンタ33で、30秒間で20カウントに要する時間と10秒の合計が30秒以上あるいは30秒未満と判断された場合、10進カウンタ34の状態を確認する。
カウンタ34が30秒間で10カウントに要する時間と20秒の合計が30秒と判断された場合、標準電波信号にノイズが含まれると判断し、基準マーカと3回のポジション受信を行い、受信完了後、秒の時刻修正を行い、リセット信号Rがハイレベルに切り替わり秒累積誤差をリセットして、初期動作にもどる。
カウンタ34が30秒間で10クロックカウントに要する時間と20秒の合計が30秒以上もしくは30秒未満と判断された場合、標準電波信号の取得を中止し、初期動作にもどる。
【0079】
以上説明したように、本発明は、内部時計周辺の温度を測定し、水晶発振子の測定温度と標準温度との累積周波数誤差を所定時間求める。また、標準電波信号に含まれる包絡線検波出力波形が所定時間内に内部カウンタに入力されるクロックをカウントし、前記累積周波数誤差とカウント値より、時刻修正に必要な情報を取捨選択して受信する。そのため、本発明はノイズによる時刻修正への影響を低減することができ、また、時刻修正にかかる時間を最小限に抑えることができ、効率のよい時刻修正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係る電波修正時計の制御回路の一実施例を示す回路構成図である。
【図2】本発明に係る制御回路における電波受信状態を説明するための図である。(a)は標準電波信号の一具体例、(b)は受信状態のよい場合の出力波形の一具体例、(c)は電波が非常に弱い場合の出力波形の一具体例、(d)はノイズが多い場合の出力波形の一具体例を示す。
【図3】標準時刻電波信号の時刻コードの一例である。
【図4】図1に示した水晶発振子の温度特性の一例を示す。
【図5】本発明の電波修正時計の概観の一具体例で、図中のLEDは図1記載の報知回路による一表示例である。
【図6】図1に示した電波修正時計の動作の一具体例を示すフローチャートである。
【図7】図1に示した電波修正時計の動作の一具体例を示すフローチャートである。
【図8】図1に示した電波修正時計の動作の一具体例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0081】
1…電波修正時計、2…標準電波信号受信系、3…制御回路、4…ゲート群、5…水晶発振子、6…温度センサ、7…報知回路
【出願人】 【識別番号】000115773
【氏名又は名称】リズム時計工業株式会社
【出願日】 平成18年7月31日(2006.7.31)
【代理人】 【識別番号】100094053
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 隆久


【公開番号】 特開2008−32583(P2008−32583A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−207402(P2006−207402)