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【発明の名称】 無線機能付き時計
【発明者】 【氏名】楠 浩一

【要約】 【課題】美観が良好で、高級感を有し、強度的にも優れ、内部に収容したアンテナが確実に電波を受信することが可能な無線機能付き時計を提供する。

【構成】無線機能付き時計であって、ハウジングと、前記ハウジング内に収容され、外部からの電波を受信するためのアンテナと、前記ハウジング上に回転可能に配置される導電性の回転ベゼルと、前記回転ベゼルを周方向に分断する少なくとも1つのスリットと、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線機能付き時計であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に収容され、外部からの電波を受信するためのアンテナと、
前記ハウジング上に回転可能に配置される導電性の回転ベゼルと、
前記回転ベゼルを周方向に分断する少なくとも1つのスリットと、
を備えることを特徴とする無線機能付き時計。
【請求項2】
前記回転ベゼルのスリット内に、絶縁部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の無線機能付き時計。
【請求項3】
前記絶縁部材が、非導電性の合成樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の無線機能付き時計。
【請求項4】
前記絶縁部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と同色色調であることを特徴とする請求項2または3に記載の無線機能付き時計。
【請求項5】
前記絶縁部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調である金属外観と同色色調である金属外観を呈することを特徴とする請求項4に記載の無線機能付き時計。
【請求項6】
前記絶縁部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と異色色調であることを特徴とする請求項2または3に記載の無線機能付き時計。
【請求項7】
前記絶縁部材が、時計の機能表示を示す指標であることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の無線機能付き時計。
【請求項8】
前記絶縁部材が、導電性の付加部材を保持し、
前記付加部材が、外方から視認され得るように、かつ前記回転ベゼルと接触しないように前記絶縁部材に保持されていることを特徴とする請求項2から7のいずれかに記載の無線機能付き時計。
【請求項9】
前記付加部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と同色色調であることを特徴とする請求項8に記載の無線機能付き時計。
【請求項10】
前記付加部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と異色色調であることを特徴とする請求項8に記載の無線機能付き時計。
【請求項11】
前記付加部材が、時計の機能表示を示す指標であることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の無線機能付き時計。
【請求項12】
前記回転ベゼルと前記絶縁部材と前記付加部材の視認面が、略同一平面を形成していることを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の無線機能付き時計。
【請求項13】
前記付加部材が、前記回転ベゼルと前記絶縁部材との境界の少なくとも一部を覆う覆い部を備えることを特徴とする請求項8から12のいずれかに記載の無線機能付き時計。
【請求項14】
前記付加部材の覆い部と前記回転ベゼルとの間に、前記絶縁部材より延出する延出部が形成されていることを特徴とする請求項13に記載の無線機能付き時計。
【請求項15】
前記付加部材が、前記絶縁部材に形成された凹部内に配置されていることを特徴とする請求項8から14のいずれかに記載の無線機能付き時計。
【請求項16】
前記スリット内に一定間隔離間して配置された2つの前記絶縁部材の間に、前記付加部材が配置されていることを特徴とする請求項8から15のいずれかに記載の無線機能付き時計。
【請求項17】
前記絶縁部材と前記付加部材のいずれか一方に突設された係合凸部と、他方に形成された係合孔部とを備え、
前記係合凸部と前記係合孔部との係合によって、前記付加部材が前記絶縁部材に取り付けられていることを特徴とする請求項8から16のいずれかに記載の無線機能付き時計。
【請求項18】
前記絶縁部材が、前記回転ベゼルの前記スリットの開放端を越えて、前記回転ベゼルの上面まで延出する指標部を備えることを特徴とする請求項2から17のいずれかに記載の無線機能付き時計。
【請求項19】
前記指標部が、導電性の材質からなることを特徴とする請求項18に記載の無線機能付き時計。
【請求項20】
前記絶縁部材が、装飾部材を備えることを特徴とする請求項2から19のいずれかに記載の無線機能付き時計。
【請求項21】
前記回転ベゼルの上面における内周縁に、
前記回転ベゼルの上面より下方に凹設された環状の段部が形成され、
前記段部に、少なくとも前記ベゼルに設けられている前記スリットを覆うように、補強部材が固定されていることを特徴とする請求項1から20のいずれかに記載の無線機能付き時計。
【請求項22】
前記補強部材が、環状に構成されていることを特徴とする請求項21に記載の無線機能付き時計。
【請求項23】
前記補強部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と同色色調であることを特徴とする請求項21または22のいずれかに記載の無線機能付き時計。
【請求項24】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記絶縁部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調である金属外観と同色色調である金属外観を呈することを特徴とする請求項23に記載の無線機能付き時計。
【請求項25】
前記補強部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と異色色調であることを特徴とする請求項21または22のいずれかに記載の無線機能付き時計。
【請求項26】
前記補強部材上に、時計の機能表示を示す指標で形成されていることを特徴とする請求項21から25のいずれかに記載の無線機能付き時計。
【請求項27】
前記回転ベゼルと前記補強部材の視認面が、略同一平面を形成していることを特徴とする請求項21から26のいずれかに記載の無線機能付き時計。
【請求項28】
前記回転ベゼルが導電性の材質であって、
前記回転ベゼルの上面より下方に凹設された環状の段部と、前記補強部材の裏面との間に、絶縁領域を備えることを特徴とする請求項21から27のいずれかに記載の無線機能
付き時計。
【請求項29】
前記絶縁領域が、
前記回転ベゼルの上面より下方に凹設された環状の段部と、前記補強部材の裏面の少なくともいずれか一方に形成された絶縁被膜から構成されていることを特徴とする請求項28に記載の無線機能付き時計。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の電波を受信するアンテナと、アンテナを収容するための導電性のハウジングとを備えた無線機能付き時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パソコン通信機能、携帯電話機能や非接触式ICカード機能などの無線機能付き時計が知られており、中でも、時刻情報を含む長波標準電波(搬送波)を受信し、その時刻情報に基づいて時刻を修正する無線機能を備えた電波時計が、良く知られている。
【0003】
ところで、このような無線機能付き時計は、他の通信機器と同様に、所定の電波を受信するためのアンテナを備えている。
このため、無線機能付き時計は、アンテナを収納する筐体であるハウジングを、合成樹脂などの非導電性の素材から構成することで、電波の受信感度を良好とすることが考えられる。
【0004】
しかしながら、これら無線機能付き時計は、他の通信機器と異なり、時計であるがために、装飾品または装身具としての美観や高級観が求められる。
このため、アンテナを収納する筐体であるハウジングを、合成樹脂などの非導電性の素材ではなく、導電性の素材、すなわち金属製の素材を採用することが求められる。
【0005】
これは、合成樹脂などのハウジングが、その質感、色調、または軽量さから、安価な外観と装着感とを使用者に与えるものであり、これに対して、金属製のハウジングが、高級感のある外観と装着感とを使用者に与えるためである。
【0006】
この金属製のハウジングに対する要求は、ユーザーに携帯される装身具としての腕時計において、特に著しいものである。
しかしながら、アンテナを、導電性のハウジング、すなわち、金属製のハウジング内に収納した場合には、アンテナ近傍に発生する磁束が導電材料である金属製のハウジングに吸収され、共振現象が妨げられるため、アンテナが標準電波を受信する受信機能が著しく低下してしまうことになる。
【0007】
このため、従来より受信感度向上のための様々な提案がなされている。
例えば特許文献1では、金属製筐体である金属製のハウジングを備える電波時計、特に電波腕時計が開示されている。
【0008】
すなわち、図21に示したように、この電波時計100は、ハウジング102を備えている。
なお、本明細書中で「上下方向」とは、図21または図1において、上下方向を意味する。従って上面とは、腕時計を手首に装着した状態において外方に露出する面であり、下面とは同状態において手首と相対する面である。
【0009】
また「平面方向」とは、上下方向に直交する方向であって、図21において左右方向を意味するものであり、平面方向がバンドの長手方向またはバンドの幅方向と重複する場合もある。
【0010】
このハウジング102は、金属製の枠体を構成する時計ケース104と、時計ケース104の下面開口部を覆うように密封状態で装着される金属製の裏蓋106と、この時計ケ
ースの上面開口部を覆うように、密封状態で装着される風防(ガラス)108とを備えている。
【0011】
このハウジング102内には、時計駆動部を構成するムーブメント110と、このムーブメント110の上面に配置され、ムーブメントを光の起電力によって駆動するためのソーラーセル112を備えている。このソーラーセル112の上面には、ソーラーセル112の発電に寄与する波長の外光を、少なくともムーブメント110の駆動に足るだけ透過させる透光機能を有する文字板114を備えている。
【0012】
さらに、このムーブメント110の側部下方には、標準電波を受信するためのアンテナ116が付設されている。
なお、図示しないが、ムーブメント110より突出して、ソーラーセル112と文字板114とを貫通する針軸に、分針と時針とが配置される。これら分針と時針とは、文字板114と風防108との間に位置して時刻を表示するようになっている。
【0013】
さらに、時計ケース104は、外方に突出する2組のバンド取り付け部118を備えており、これらのバンド取り付け部118にはそれぞれ、互いに対向するように、一定間隔離間して配置され、時計ケース104より延設された脚部120を備えている。
【0014】
そして、これら脚部120のそれぞれの間に、図示しない腕時計のバンドそれぞれが連結されるようになっている。
ところで、このような金属製外装が採用された電波時計100においては、アンテナ116が電波を受信する際に、金属製の時計ケース104において、その環状壁の周方向に沿った渦電流が誘導電流として流れることになる。
【0015】
この渦電流が、ハウジング102の外部からの電波を相殺してしまい、アンテナ116の受信感度が極めて低下してしまうことになる。
このような現象を回避するために、この特許文献1の電波時計100においては、時計ケース104の環状壁には、時計ケース104を周方向に分断するスリット122を備えている。
【0016】
すなわち、図21に示したように、時計ケース104は、スリット122によって、上下方向に沿って完全に分断され、結果として、このスリット122によって、時計ケース104は、略C型の枠体の形状となっている。
【0017】
なお、図21においては、このスリット122を明確にするために省略して、図示はされていないが、このスリット122には、非導電性の合成樹脂から成る絶縁部材が埋め込まれた状態となっている。
【0018】
すなわち、この絶縁部材によって、時計ケース104の防水性と強度が維持されるように構成されている。
従って、このスリット122を備える電波時計100では、アンテナ116が電波を受信する際に、時計ケース104の環状壁の周方向に沿った渦電流が流れないので、導電性である金属製の時計ケース104を採用した場合にも、アンテナ116の受信が確保されるようになっている。
【特許文献1】特開2002−341057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、特許文献1の電波時計100では、時計ケース104の一部に、スリッ
ト122を形成して、このスリット122に合成樹脂からなる絶縁部材を埋め込んだ状態であるので、美観が良好ではなく、高級感に欠けることになり、また、全てを金属で構成した時計ケースに比較して、絶縁部材の部分で強度がどうしても弱くなり、防水性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐薬品性にも劣ることになる。
【0020】
本発明は、このような現状に鑑み、美観が良好で、高級感を有し、強度的にも優れ、内部に収容したアンテナが確実に電波を受信することが可能な無線機能付き時計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、
本発明の無線機能付き時計は、
無線機能付き時計であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に収容され、外部からの電波を受信するためのアンテナと、
前記ハウジング上に回転可能に配置される導電性の回転ベゼルと、
前記回転ベゼルを周方向に分断する少なくとも1つのスリットと、
を備えることを特徴とする。
【0022】
このように構成することによって、ハウジング上に回転可能に配置される導電性の回転ベゼルに、回転ベゼルを周方向に分断するスリットが形成されているので、このスリットによって、回転ベゼルに沿って渦電流が流れるのが分断され、渦電流の発生が阻止されることになる。
【0023】
これにより、回転ベゼルに流れる渦電流に起因するアンテナの受信感度の低下が阻止されることになり、アンテナの受信感度が向上することになる。
また回転ベゼルは、ハウジング上に配置されているため、ハウジングとは別体であり、回転ベゼルにスリットが形成されても、ハウジング自体の防水性は低下しない。
【0024】
本発明における時計ケースを含むハウジングは、金属のような導電性であっても、合成樹脂のような非導電性であってもかまわない。または、ハウジングを構成する部品に、導電性の部品と、非導電性の部品が混在してもかまわない。
【0025】
ハウジングは、少なくとも一部が導電性、または少なくとも一部が非導電性の部材と理解される。導電性、非導電性に係わらず、ハウジング上に配置された導電性の回転ベゼルにスリットが設けられれば、回転ベゼルの渦電流に起因するアンテナの受信感度の低下が回避される。
【0026】
なお、本発明において導電性の部材とは、「その部材の素材自体が導電性の部材であるもの」、または「その部材に導電性の被膜が被覆されたもの」を言う。後者の場合、部材の素材自体は、非導電性の素材であっても、導電性の素材であっても、または非導電性の素材と導電性の素材の組み合わせであってもよい。
【0027】
逆に非導電性の部材とは、「その部材の素材自体が非電性の部材であるもの」、または「その部材に非電性の被膜が被覆されたもの」を言う。後者の場合、部材の素材自体は、非導電性の素材であっても、導電性の素材であっても、または非導電性の素材と導電性の素材の組み合わせであってもよい。
【0028】
回転ベゼルを構成する導電性の材料としては、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグ
ネシウム、亜鉛、チタン、またはこれらの合金などが採用される。また、例えば、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイドなどが採用されてもよい。
【0029】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記回転ベゼルのスリット内に、絶縁部材が配置されていることを特徴とする。
このように構成することによって、時計ケース上に配置した導電性の回転ベゼルに、回転ベゼルを周方向に分断するスリットが形成され、このスリット内に絶縁部材が配置されているので、この絶縁部材によって、回転ベゼルに沿って渦電流が流れるのが分断され、渦電流の発生が阻止されることになる。
【0030】
これにより、回転ベゼルに流れる渦電流に起因するアンテナの受信感度の低下が阻止されることになり、アンテナの受信感度が向上することになる。
また、絶縁部材は、非導電性の素材から成る部材であっても、導電性の素材に非導電性の被膜が被覆された部材であってもよい。非導電性の素材としては、合成樹脂、ゴム、またはセラミックなどが採用される。導電性の素材としては、上述した回転ベゼルの素材が採用される。
【0031】
導電性材料の上に被覆される非導電性被膜、すなわち絶縁被膜としては、アクリル系材料、ウレタン系材料、またはセルロース系材料などの有機材料の絶縁被膜が採用される。また、この絶縁被膜として、例えばクロム化合物を含むクロム化合物系被膜、または酸化アルミ化合物を含む酸化アルミ系被膜が採用される。
【0032】
クロム化合物系被膜としては、酸化クロム化合物を含む酸化クロム系被膜、窒化クロム化合物を含む窒化クロム系被膜、炭化クロム化合物を含む炭化クロム系被膜が採用される。
【0033】
また、絶縁被膜としては、DLC(Diamond Like Carbon)などのように、後述する回転ベゼルと時計ケースとの間に配置される絶縁領域としている絶縁被膜が採用されても良い。
【0034】
また、絶縁被膜の代わりに、合成樹脂やゴムなどから成る絶縁シートが貼着されてもかまわない。
絶縁部材は、不用意に抜脱しないように回転ベゼルに固定されることが好ましい。この固定手段としては、嵌合、圧入、接合、インサート成形など、機械的な係合手段が採用される。絶縁部材と回転ベゼルとを接合する接合層としては、接着剤、粘着剤、または両面テープなどが用いられる。これら接合層は、非導電性の絶縁層であることが好ましい。
【0035】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記絶縁部材が、非導電性の合成樹脂であることを特徴とする。
このように絶縁部材を、非導電性の合成樹脂から構成することによって、回転ベゼルをスリットの部分で確実に絶縁することができ、スリットの大きさや形状に合わせた絶縁部材を、例えば、一体成形などで容易に製造することができる。
【0036】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記絶縁部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と同色色調であることを特徴とする。
【0037】
このように、絶縁部材の視認面の色調を、回転ベゼルの視認面と同色色調となるように構成することによって、絶縁部材が視認され難くなり、回転ベゼルの美観、時計自体の美観が向上することになる。
【0038】
ここで「視認面」とは、外面のうち、観察者に視認される領域を言う。
また「同色色調」とは、回転ベゼルと絶縁部材との色調が、共に同じ色調と認識され得る範囲内にあることを意味し、その色調の濃淡や明暗など、色調の外観上の風合いが完全に一致することに限定されない。例えば、濃い金色、薄い金色、明るい金色、または暗い金色は、ここではすべて金色の同色色調とされる。
【0039】
例えば、回転ベゼルが明るい金色色調であり、絶縁部材が暗い金色色調であろうとも、回転ベゼルと絶縁部材の視認面が金色の同色色調を呈すれば、絶縁部材が視認され難くなり、回転ベゼルの美観、時計自体の美観が向上する。
【0040】
また、絶縁部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と同色色調である場合に、回転ベゼルと絶縁部材の視認面の色調とは、回転ベゼルと絶縁部材の素材そのものの色調であっても、回転ベゼルと絶縁部材に被覆された被膜の色調であってもよい。
【0041】
このような被膜としては、塗装被膜、印刷被膜、または乾式めっき被膜などが挙げられる。
なお、回転ベゼルと絶縁部材における視認面以外の外面が、同色色調であって、回転ベゼルと絶縁部材における外面すべてが、同色色調であってもよい。
【0042】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記絶縁部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調である金属外観と同色色調である金属外観を呈することを特徴とする。
【0043】
このように、特に、絶縁部材が、導電性素材より成る回転ベゼルと同じような金属外観を呈すれば、絶縁部材が視認され難くなるばかりか、回転ベゼルに高級観が与えられる。
導電性素材より成る回転ベゼルと同じような金属外観を得るために、絶縁部材は、回転ベゼルと同色色調のメタリック塗装による塗装被膜に被覆されてもよい。このメタリック塗装被膜として、例えばメタリック顔料が混入された塗装被膜が採用される。
【0044】
例えば、ステンレス色を得るためには、鉄、クロム、ニッケル、モリブデンなどを成分とするステンレス顔料が含有された塗装被膜が被覆される。
また、金色を得るためには、銅、亜鉛、鉄などを成分とするブロンズ顔料が含有された塗装被膜が被覆される。
【0045】
さらに、銀色を得るためには、アルミニウムを成分とするアルミニウム顔料、またはニッケルを成分とするニッケル顔料が含有された塗装被膜が被覆される。
これら以外にも、パール顔料、グラファイト顔料、フタロシャニンフレークなどの様々な顔料が採用されても良い。
【0046】
なお、絶縁部材が塗装される工程は以下の通りである。
先ず、絶縁部材の外表面上に下地塗装被膜が被覆される。
次いで、この下地塗装被膜の上にメタリック塗装被膜が被覆される。
【0047】
さらに、このメタリック塗装被膜の上に、透明、または半透明な合成樹脂層であるクリアコートが被覆される。このクリアコートにより、メタリック塗装被膜に金属が含有された場合にも、塗装された絶縁部材の最外表面は、非導電性を維持する。
【0048】
メタリック塗装被膜に限らず、このような塗装被膜の単層、または積層の非導電性を確保するためには、クリアコートのような、絶縁性の上塗り塗装被膜が最外層として採用さ
れることが好ましい。
【0049】
このような絶縁塗装被膜としては、ポリウレタン樹脂塗料、樹脂を形成するポリマー分子中にフッ素が混入されたフッ素樹脂塗料、ポリ塩化ビニル樹脂を可塑剤に分散させた塩ビゾル塗料、オイルフリーポリエステル樹脂をシリコーン中間体により変性させたシリコーンポリエステル樹脂からなるシリコーンポリエステル樹脂塗料、または、オイルフリーポリエステル樹脂、アクリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、シリコーンアクリル樹脂塗料、塩化ビニル樹脂塗料、ラッカー、フェノール樹脂塗料、塩化ゴム系塗料などが採用される。
【0050】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記絶縁部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と異色色調であることを特徴とする。
【0051】
このように、絶縁部材の視認面の色調を、回転ベゼルの視認面の色調と異色色調となるように構成すれば、この絶縁部材の部分を、美観上または何らかの情報を、時計の携帯者などの観察者に視認し易くさせることができる。
【0052】
ここで、絶縁部材と回転ベゼルとが異色色調であるとは、上記の同色色調と認められない色調の組み合わせのことを言う。
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記絶縁部材が、時計の機能表示を示す指標であることを特徴とする。
【0053】
このように絶縁部材が、時刻表示、日付表示、曜日表示、月表示、年表示、電池の残量表示、圧力や温度などの外環境測定値の表示、アンテナの受信感度表示、アンテナにおける受信成否の表示など、時計の機能表示を示す指標であれば、時計の機能表示を、時計の携帯者などの観察者に示すことができる。
【0054】
特に、回転ベゼルの視認面の色調と異色色調の絶縁部材を指標にした場合には、時計の機能表示を観察者により視認し易くすることができる。
回転ベゼルが金属色調を呈するのであれば、絶縁部材は、赤、オレンジ、黄色などの目立つ色調を呈することができる。絶縁部材の視認面の色調とは、絶縁部材の素材そのものの色調であっても、絶縁部材に被覆された被膜の色調であってもよい。この被膜としては、塗装被膜、印刷被膜、または乾式めっき被膜などが挙げられる。
【0055】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記絶縁部材が、導電性の付加部材を保持し、
前記付加部材が、外方から視認され得るように、かつ前記回転ベゼルと接触しないように前記絶縁部材に保持されていることを特徴とする。
【0056】
このように構成することによって、絶縁部材に保持された導電性の付加部材により、絶縁部材に金属外観が付与されることになるので、回転ベゼルの美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
【0057】
また付加部材が、回転ベゼルと接触しないように絶縁部材に保持されているので、回転ベゼルに渦電流が発生せず、アンテナの受信感度が向上する。
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記付加部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と同色色調であることを特徴とする。
【0058】
このように付加部材の視認面の色調を、回転ベゼルの視認面の色調と同色色調となるように構成すれば、付加部材が視認され難くなり、回転ベゼルの美観、時計自体の美観を向上させることができる。
【0059】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記付加部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と異色色調であることを特徴とする。
【0060】
このように、付加部材の視認面の色調を、回転ベゼルの視認面の色調と異色色調となるように構成することによって、この付加部材の部分を、美観上または何らかの情報を、時計の携帯者などの観察者に視認し易くすることができる。
【0061】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記付加部材が、時計の機能表示を示す指標であることを特徴とする。
このように付加部材を、時刻表示、日付表示、曜日表示、月表示、年表示、電池の残量表示、圧力や温度などの外環境測定値の表示、アンテナの受信感度表示、アンテナにおける受信成否の表示など、時計の機能表示を示す指標とすることによって、時計の機能表示を、時計の携帯者などの観察者に示すことができる。
【0062】
特に、回転ベゼルの視認面の色調と異色色調の付加部材を指標にした場合には、時計の機能表示を観察者により視認し易くすることができる。
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記回転ベゼルと前記絶縁部材と前記付加部材の視認面が、略同一平面を形成していることを特徴とする。
【0063】
このように構成することによって、回転ベゼルと絶縁部材と付加部材とが一体的に視認されるので、回転ベゼルの美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
【0064】
また、回転ベゼルと絶縁部材と付加部材のそれぞれ傾斜面が略同一平面を形成していれば、見返しリングに平滑な指標面が形成されるので、指標を読み取りやすくなる。
さらに、指標面に指標を印刷して形成する場合、平滑な指標面に極めて容易に指標を印刷することができる。
【0065】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記付加部材が、前記回転ベゼルと前記絶縁部材との境界の少なくとも一部を覆う覆い部を備えることを特徴とする。
【0066】
このように構成することによって、回転ベゼルと絶縁部材との境界が、付加部材の覆い部で隠されて視認されなくなるので、回転ベゼルの美観と高級観がさらに向上する。
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記付加部材の覆い部と前記回転ベゼルとの間に、前記絶縁部材より延出する延出部が形成されていることを特徴とする。
【0067】
このように構成することによって、回転ベゼルと絶縁部材との境界を越えて延びた、導電性の付加部材の覆い部が、絶縁部材の延出部に妨げられて、導電性の回転ベゼルに接触しないことになる。
【0068】
その結果、導電性である付加部材と回転ベゼルとが確実に絶縁されるので、回転ベゼルに渦電流が生じるのが回避され、アンテナの受信感度が向上することになる。
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記付加部材が、前記絶縁部材に形成された凹部内に配置されていることを特徴とする。
【0069】
このように構成することによって、絶縁部材に形成された凹部内に、付加部材を確実に固定することができる。
また、付加部材と絶縁部材の視認面とが略同一平面を形成するように、絶縁部材の凹部内に付加部材を配置することができ、回転ベゼルと絶縁部材と付加部材とが一体的に視認されるので、回転ベゼルの美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
【0070】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記スリット内に一定間隔離間して配置された2つの前記絶縁部材の間に、前記付加部材が配置されていることを特徴とする。
【0071】
このように構成することによって、2つの絶縁部材の間に、付加部材を確実に固定することができる。
また、付加部材と絶縁部材の視認面とが略同一平面を形成するように、2つの絶縁部材の間に付加部材を配置することができ、回転ベゼルと絶縁部材と付加部材とが一体的に視認されるので、回転ベゼルの美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
【0072】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記絶縁部材と前記付加部材のいずれか一方に突設された係合凸部と、他方に形成された係合孔部とを備え、
前記係合凸部と前記係合孔部との係合によって、前記付加部材が前記絶縁部材に取り付けられていることを特徴とする。
【0073】
このように構成することによって、係合凸部と係合孔部との係合によって、付加部材を絶縁部材にさらに確実に固定することができる。
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記絶縁部材が、前記回転ベゼルの前記スリットの開放端を越えて、前記回転ベゼルの上面まで延出する指標部を備えることを特徴とする。
【0074】
このように構成することによって、指標部が時計の機能表示を明確に指示することになり、時計の携帯者などの観察者が、時計の機能表示を視認しやすくなる。
さらに、回転ベゼルのスリットが、時計の携帯者などに視認されにくくなるため、回転ベゼルの美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
【0075】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記指標部が、導電性の材質からなることを特徴とする。
このように、指標部が導電性材質からなれば、回転ベゼルの外観に、さらに金属調の高級感と美観が付与されることとなる。
【0076】
なお、指標部を導電性の部材とした場合には、絶縁部材を、回転ベゼルのスリットの開放端を越えて回転ベゼルの上面まで延出した形状とし、このような絶縁部材の上に導電性の指標部を設けることが好ましい。
【0077】
このように構成することで、指標部をバイパスにしてスリットで分断された回転ベゼルの両開放端が電気的に導通することが回避される。
なお、導電性の材料としては、回転ベゼルと同じように、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタン、またはこれらの合金などが採用される。また、例えば、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイドなどが採用されてもよい。
【0078】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記絶縁部材が、装飾部材を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、絶縁部材に、例えば宝石や貴石などの輝石からなる装飾部材を備えることによって、回転ベゼルの美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
【0079】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記回転ベゼルの上面における内周縁に、
前記回転ベゼルの上面より下方に凹設された環状の段部が形成され、
前記段部に、少なくとも前記ベゼルに設けられている前記スリットを覆うように、補強部材が固定されていることを特徴とする。
【0080】
このように構成することによって、スリットが形成された回転ベゼルの強度を補うことができる。また、補強部材によって、スリットを視認者に見え難くすることができるため、回転ベゼルの美観、時計自体の美観を向上させることができる。
【0081】
また、補強部材は、非導電性の素材から成る部材であっても、導電性の素材に非導電性の被膜が被覆された部材であってもよい。非導電性の素材としては、合成樹脂、ゴム、またはセラミックなどが採用される。導電性の素材としては、上述した回転ベゼルの素材が採用される。補強部材が導電性の材質からなる場合には、後述するように回転ベゼルの上面より下方に凹設された環状の段部と、補強部材の裏面との間に、絶縁領域を備えることで、導電性の回転ベゼルと時計ケースとの間で、誘導電流が生じないようにすることができる。これによって、回転ベゼルと時計ケースとの間に流れる渦電流に起因するアンテナの受信感度の低下が阻止されることになり、アンテナの受信感度が向上することになる。
【0082】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記補強部材が、環状に構成されていることを特徴とする。
このように補強部材が環状であれば、回転ベゼルの周方向全体にわたって補強することができる。
【0083】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記補強部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と同色色調であることを特徴とする。
【0084】
このように、補強部材の視認面の色調を、回転ベゼルの視認面と同色色調となるように構成することによって、補強部材が視認され難くなり、回転ベゼルの美観、時計自体の美観が向上することになる。
【0085】
ここで「視認面」とは、外面のうち、観察者に視認される領域を言う。
また「同色色調」とは、回転ベゼルと補強部材との色調が、共に同じ色調と認識され得る範囲内にあることを意味し、その色調の濃淡や明暗など、色調の外観上の風合いが完全に一致することに限定されない。例えば、濃い金色、薄い金色、明るい金色、または暗い金色は、ここではすべて金色の同色色調とされる。
【0086】
例えば、回転ベゼルが明るい金色色調であり、補強部材が暗い金色色調であろうとも、回転ベゼルと補強部材の視認面が金色の同色色調を呈すれば、補強部材が視認され難くな
り、回転ベゼルの美観、時計自体の美観が向上する。
【0087】
また、補強部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と同色色調である場合に、回転ベゼルと補強部材の視認面の色調とは、回転ベゼルと補強部材の素材そのものの色調であっても、回転ベゼルと補強部材に被覆された被膜の色調であってもよい。
【0088】
このような被膜としては、塗装被膜、印刷被膜、または乾式めっき被膜などが挙げられる。
なお、回転ベゼルと補強部材における視認面以外の外面が、同色色調であって、回転ベゼルと補強部材における外面すべてが、同色色調であってもよい。
【0089】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記絶縁部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調である金属外観と同色色調である金属外観を呈することを特徴とする。
【0090】
このように、特に、補強部材が、導電性素材より成る回転ベゼルと同じような金属外観を呈すれば、補強部材が視認され難くなるばかりか、回転ベゼルに高級観が与えられる。
導電性素材より成る回転ベゼルと同じような金属外観を得るために、補強部材は、回転ベゼルと同色色調のメタリック塗装による塗装被膜に被覆されてもよい。このメタリック塗装被膜として、例えばメタリック顔料が混入された塗装被膜が採用される。
【0091】
例えば、ステンレス色を得るためには、鉄、クロム、ニッケル、モリブデンなどを成分とするステンレス顔料が含有された塗装被膜が被覆される。
また、金色を得るためには、銅、亜鉛、鉄などを成分とするブロンズ顔料が含有された塗装被膜が被覆される。
【0092】
さらに、銀色を得るためには、アルミニウムを成分とするアルミニウム顔料、またはニッケルを成分とするニッケル顔料が含有された塗装被膜が被覆される。
これら以外にも、パール顔料、グラファイト顔料、フタロシャニンフレークなどの様々な顔料が採用されても良い。
【0093】
なお、補強部材が塗装される工程は以下の通りである。
先ず、補強部材の外表面上に下地塗装被膜が被覆される。
次いで、この下地塗装被膜の上にメタリック塗装被膜が被覆される。
【0094】
さらに、このメタリック塗装被膜の上に、透明、または半透明な合成樹脂層であるクリアコートが被覆される。このクリアコートにより、メタリック塗装被膜に金属が含有された場合にも、塗装された補強部材の最外表面は、非導電性を維持する。
【0095】
メタリック塗装被膜に限らず、このような塗装被膜の単層、または積層の非導電性を確保するためには、クリアコートのような、絶縁性の上塗り塗装被膜が最外層として採用されることが好ましい。
【0096】
このような絶縁塗装被膜としては、ポリウレタン樹脂塗料、樹脂を形成するポリマー分子中にフッ素が混入されたフッ素樹脂塗料、ポリ塩化ビニル樹脂を可塑剤に分散させた塩ビゾル塗料、オイルフリーポリエステル樹脂をシリコーン中間体により変性させたシリコーンポリエステル樹脂からなるシリコーンポリエステル樹脂塗料、または、オイルフリーポリエステル樹脂、アクリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、シリコーンアクリル樹脂塗料、塩化ビニル樹脂塗料、ラッカー、フェノール樹脂塗料、塩化ゴム系塗料などが採用される。
【0097】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記補強部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と異色色調であることを特徴とする。
【0098】
このように、補強部材の視認面の色調を、回転ベゼルの視認面の色調と異色色調となるように構成すれば、この補強部材の部分を、美観上または何らかの情報を、時計の携帯者などの観察者に視認し易くさせることができる。
【0099】
ここで、補強部材と回転ベゼルとが異色色調であるとは、上記の同色色調と認められない色調の組み合わせのことを言う。
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記補強部材上に、時計の機能表示を示す指標で形成されていることを特徴とする。
【0100】
このように補強部材上に、時刻表示、日付表示、曜日表示、月表示、年表示、電池の残量表示、圧力や温度などの外環境測定値の表示、アンテナの受信感度表示、アンテナにおける受信成否の表示など、時計の機能表示を示す指標を形成することによって、時計の機能表示を、時計の携帯者などの観察者に示すことができる。
【0101】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記回転ベゼルと前記補強部材の視認面が、略同一平面を形成していることを特徴とする。
【0102】
このように構成することによって、回転ベゼルと補強部材とが一体的に視認されるので、回転ベゼルの美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記回転ベゼルが導電性の材質であって、
前記回転ベゼルの上面より下方に凹設された環状の段部と、前記補強部材の裏面との間に、絶縁領域を備えることを特徴とする。
【0103】
このように回転ベゼルと時計ケースとの間に、絶縁領域を備えることによって、導電性の回転ベゼルと時計ケースとの間で、誘導電流が発生しないので、回転ベゼルと時計ケースとの間に流れる渦電流に起因するアンテナの受信感度の低下が阻止されることになり、アンテナの受信感度が向上することになる。
【0104】
なお、この絶縁領域は、少なくとも時計ケースの導電性部分と回転ベゼルとの間に配置される。
また、回転ベゼルと時計ケースとの間に絶縁領域を備えることによって、上記のように回転ベゼルに形成したスリット、またはスリット内に配置された絶縁部材のアンテナ受信感度の向上性との相乗効果によって、さらにアンテナの受信感度が向上することになる。
【0105】
このような絶縁領域を構成する絶縁部材としては、特に限定されるものではないが、合成樹脂、ゴム、セラミックなどの非導電性の絶縁部材を採用することができる。
また導電性の素材に、非導電性の被膜が被覆された部材とすることも可能である。
【0106】
この場合、絶縁部材を構成する導電性材料としては、回転ベゼルを構成する導電性の材料と同様に、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタン、または、これらの合金などを採用することができる。また、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイドなどを採用することもできる。
【0107】
そして、この絶縁部材を構成する導電性材料に被覆される非導電性の被膜、すなわち絶縁被膜としては、例えば非導電性の塗装被膜、非導電性の印刷被膜、非導電性の乾式メッキ被膜が挙げられる。
【0108】
また、このような絶縁被膜としては、
・DLC(Diamond Like Carbon)などのCVD被膜、
・アクリル系材料、ウレタン系材料、または、セルロース系材料などの有機材料の絶縁被膜、
・クロム化合物を含むクロム化合物系被膜、または、酸化アルミ化合物を含む酸化アルミ系被膜、
などを採用することができる。
【0109】
なお、クロム化合物系被膜としては、例えば、酸化クロム化合物を含む酸化クロム系被膜、窒化クロム化合物を含む窒化クロム系被膜、炭化クロム化合物を含む炭化クロム系被膜を採用することができる。
【0110】
また、このような絶縁被膜の代わりに、合成樹脂やゴムなどから成る絶縁シートが絶縁部材を構成する導電性材料に貼着された絶縁部材であってもかまわない。
さらに、前述の絶縁部材に採用された絶縁被膜が用いられても良い。
【0111】
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記絶縁領域が、
前記回転ベゼルの上面より下方に凹設された環状の段部と、前記補強部材の裏面の少なくともいずれか一方に形成された絶縁被膜から構成されていることを特徴とする。
【0112】
このように構成することによって、例えば絶縁材料を塗装することによって、回転ベゼルと時計ケースとの間の境界面の少なくともいずれか一方に、絶縁被膜からなる絶縁領域を形成することができ、作業能率が向上し、製造コストを低減させることができる。
【発明の効果】
【0113】
本発明によれば、ハウジング上に配置した導電性の回転ベゼルに、回転ベゼルを周方向に分断するスリットが形成されているので、このスリットによって、回転ベゼルに沿って渦電流が流れるのが分断され、渦電流の発生が阻止されることになる。
【0114】
これにより、回転ベゼルに流れる渦電流に起因するアンテナの受信感度の低下が阻止されることになり、アンテナの受信感度が向上することになる。
また、本発明によれば、回転ベゼルを周方向に分断するスリット内に、絶縁部材が配置されているので、この絶縁部材によって、回転ベゼルに沿って渦電流が流れるのが分断され、渦電流の発生が阻止されることになる。
【0115】
これにより、回転ベゼルに流れる渦電流に起因するアンテナの受信感度の低下が阻止されることになり、アンテナの受信感度が向上することになる。
また、スリット内に絶縁部材が配置されているので、回転ベゼルの強度を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0116】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例における無線機能付き時計の斜視図、図2は、図1の第1の実施例における無線機能付き時計の断面図、図3は、図2の第1の実施例における無
線機能付き時計のクリックばね部材を説明する斜視図である。
【0117】
図1〜図3において、符号10は、全体で本発明の無線機能付き時計を示している。
なお、本発明で言う「無線機能付き時計」とは、パソコン通信機能、携帯電話機能や非接触式ICカード機能などの無線機能を備える時計、時刻情報を含む長波標準電波(搬送波)を受信し、その時刻情報に基づいて時刻を修正する無線機能を備えた電波時計、これらの無線機能のいずれかを組み合わせて構成した時計を含むものであり、その他の無線機能を含んでも良いものである。
【0118】
図1または図2に示したように、本発明の無線機能付き時計10は、ハウジング12を備えている。
このハウジング12は、金属製の略円筒形状の枠体を構成する時計ケース14と、時計ケース14の下面開口部を覆うように密封状態で装着される金属製の裏蓋16と、この時計ケースの上面開口部を覆うように、密封状態で装着される風防(ガラス)18とを備えている。
【0119】
なお、ハウジング12は、このように裏蓋16を有する場合の他、裏蓋16と時計ケース14とが一体になった時計ケース14である場合、裏蓋16もガラスである場合など、様々な場合を含むものである。
【0120】
このようなハウジング12内には、時計駆動部を構成するムーブメント20と、ムーブメント20の上面に配置され、ムーブメント20を光の起電力によって駆動するためのソーラーセル22が備えられている。
【0121】
また、このソーラーセル22の上面には、ソーラーセル22の発電に寄与する波長の外光を、少なくともムーブメント20の駆動に足るだけ透過させる透光機能を有する文字板24を備えている。
【0122】
さらに、このムーブメント20の側部下方の小径部20aには、標準電波を受信するためのアンテナ26が付設されている。
なお図2では、アンテナ26はコアとなる棒状の磁芯部材と、磁芯部材の外周に巻かれたコイルとから成るバーアンテナとして図示しているが、その他の構成のアンテナとすることも可能である。
【0123】
なお、文字板24は、ソーラーセル22の発電に寄与する波長の外光を透過する透光機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、合成樹脂、セラミック、ガラス、木材、貝などの非導電性材料で構成することによって、外部からの電波がさらにアンテナ26に到達しやすくなり、アンテナ26の受信感度を向上させることができる。
【0124】
さらに、時計ケース14は、外方に突出する2組のバンド取り付け部28を備えており、これらのバンド取り付け部28にはそれぞれ、互いに対向するように、一定間隔離間して配置され、時計ケース14より延設された脚部30を備えている。
【0125】
そして、これら脚部30のそれぞれの間に、無線機能付き時計10のバンド(図示せず)がそれぞれに連結されるようになっている。
また、ムーブメント20より突出して、ソーラーセル22と文字板24とを貫通する針軸31には、分針27と時針29とが配置される。これら分針27と時針29とは、文字板24と風防18との間に位置して時刻を表示するようになっている。
【0126】
なお、本明細書中においては、文字板24と分針27と時針29とで、時刻を表示する
いわゆるアナログ時計を例に挙げて説明しているが、他にも文字板24の替わりに液晶表示装置を配設して、時刻をデジタル表示するデジタル時計であっても良く、さらにはアナログとデジタルとを併用することのできる時計であっても良いものである。
【0127】
デジタル時計の場合には、文字板24、針軸31、分針27、時針29は不要であり、替わりに液晶表示装置が配設されることとなる。
また、時計ケース14の上面には、上方に向けて立設された環状壁45と、環状壁45に隣接し、環状壁45に対して平面方向に沿った外側に下方方向に環状に形成された環状溝43と、が設けられている。そしてこの環状溝43内に、導電性の回転ベゼル36が回転可能に装着されている。
【0128】
なお回転ベゼル36は、環状壁45の外周面に設けられた環状凸部37に、回転ベゼル36の内周面に設けられた環状凹部39が機械的に係合することで、回転ベゼル36が環状溝43から抜脱することを抑止するとともに、回転ベゼル36が環状溝43内で回転できるようになっている。
【0129】
このような回転ベゼル36は、その上面に機能表示が付されていない装飾用の回転ベゼルと、機能表示が付された回転ベゼル(レジスターリング)とに大別される。
なお回転ベゼルに機能表示がなされている場合の表示内容としては、時刻表示、日付表示、曜日表示、月表示、年表示、電池残量表示、圧力や温度などの外環境測定値の表示、アンテナの受信感度表示、アンテナにおける受信の成否の表示などの時計の機能表示などが挙げられる。
【0130】
このように回転ベゼル36上に、これらの機能表示がなされている場合には、時計の機能表示を時計の携帯者などの観察者に示すことができる。
本実施例においては、このような環状溝43の底面に、図3に示したような環状のクリックばね部材47が載置されている。
【0131】
クリックばね部材47には、上方に突設された弾性爪49と、下方に突設された固定爪51とが設けられており、環状溝43の底面に環状のクリックばね部材47を載置した状態で、クリックばね部材47の固定爪51で環状溝43の底面に設けられた係合部(図示せず)と固定されるようになっている。
【0132】
また、回転ベゼル36の下方には、連続する凹凸であるクリック溝41が形成されており、このような回転ベゼル36を、クリックばね部材47が載置された環状溝43に装着すると、クリックばね部材47の弾性爪49と、回転ベゼル36のクリック溝41とが弾性的に係合することとなる。
【0133】
これによって、使用者が回転ベゼル36を回転させると、クリックばね部材47と回転ベゼル36とが機械的に係合し、回転ベゼル36のクリック感として感じられるようになっている。
【0134】
このような回転ベゼル36とクリックばね部材47とによるクリック機構は、回転ベゼル36の不用意な回転を抑止するとともに、回転ベゼル36を適宜な角度位置で停止させるための位置決め手段として機能する。
【0135】
しかしながら、このようなクリック機構は、必ずしも必要なものではなく、時計によってはクリック機構がなく、回転ベゼル36がクリック感なしで回転するものであってもよく、使用される状況にあわせて、設けるか否かを決定することが好ましい。
【0136】
また時計ケース14の、環状壁45に隣接して環状壁45に対して平面方向に沿った内側は、下方に向かって径が小さくなるテーパー面42が形成された見返し部32となっており、この見返し部32のテーパー面42上に、時字などの指標(図示せず)が形成されている。
【0137】
さらに、この見返し部32の上端と、時計ケース14の環状壁45の内周側には、風防18を密封状態で固定するための固定(防水)パッキン46が介装されている。
一方、裏蓋16には、内側に突設する中子部材48が形成されており、この中子部材48の外周側には、離間して形成された複数の係合突設部50が突設されている。そして、時計ケース14の下端近傍の内周側には、この裏蓋16の中子部材48の係合突設部50が嵌合する係合用凹部52が形成されている。
【0138】
また、ムーブメント20の側部上方の大径部20bと、中子部材48の上端部との間には、支持枠54が介装されている。
このように構成することによって、裏蓋16の中子部材48の係合突設部50を、時計ケース14の下端近傍の内周側に設けられた係合用凹部52に係合することによって、時計ケース14の内周側に形成されたフランジ形状の見返し部32と、裏蓋16の中子部材48の上端部との間で、支持枠54を介して、ムーブメント20、ソーラーセル22、文字板24が、時計ケース14の内部に固定され、収容されるようになっている。
【0139】
なお支持枠54は、合成樹脂などの非導電性材料から成ることが好ましい。このような支持枠54は、ハウジングの一部を構成する時計ケース14がステンレスのような導電性材料からなる場合、導電性の時計ケース14とアンテナ26との平面方向に沿った隙間を確保し、アンテナ26の受信性能を高く維持する。
【0140】
なお図2において、符号51は、裏蓋16と時計ケース14との間を密封状態で封止するための防水パッキンである。
また、回転ベゼル36を構成する導電性の材料としては、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタン、または、これらの合金などを採用することができる。
【0141】
また、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイドなどを採用することもできる。
ところで、このような無線機能付き時計10においては、アンテナ26が電波を受信する際に、導電性の回転ベゼル36には、周方向に沿った渦電流が誘導電流として流れることになる。
【0142】
この渦電流が、ハウジング12の外部からの電波を相殺してしまい、アンテナ26の受信感度が極めて低下してしまうことになる。
このような現象を回避するために、本発明の無線機能付き時計10においては、回転ベゼル36を周方向に分断するスリット56が形成されている。
【0143】
このようにスリット56を設けることによって、環状の回転ベゼル36に沿って渦電流が流れるのが分断され、渦電流の発生が阻止されることになる。
これにより、回転ベゼル36に流れる渦電流に起因するアンテナ26の受信感度の低下が阻止されることになり、アンテナ26の受信感度が向上することになる。
(実施例2)
図4は、本発明の第2の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着する状態を説明する斜視図、図5は、本発明の第2の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着した状態を説明する斜視図である。
【0144】
この実施例の無線機能付き時計10は、図1〜図3に示した無線機能付き時計10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0145】
この実施例の無線機能付き時計10では、図4または図5に示したように、環状部材である回転ベゼル36のスリット56内に、絶縁部材78を備えている。なお、図4または図5において、絶縁部材78は、回転ベゼル36との素材の際を明示させるために、あえてハッチングが書き込まれた部品として図示される。
【0146】
すなわち絶縁部材78は、その断面が回転ベゼル36の断面と略同一形状となっており、スリット56内に装着することができるようになっている。
このように構成することによって、時計ケース14上に配置した導電性の回転ベゼル36に、回転ベゼル36を周方向に分断するスリット56が形成され、このスリット56内に絶縁部材78が配置されているので、この絶縁部材78によって、回転ベゼル36に沿って渦電流が流れるのが分断され、渦電流の発生が阻止されることになる。
【0147】
これにより、回転ベゼル36に流れる渦電流に起因するアンテナ26の受信感度の低下が阻止されることになり、アンテナ26の受信感度が向上することになる。
また、このようにスリット56内に絶縁部材78が配置されているので、回転ベゼル36の強度が維持されることにもなる。
【0148】
また、絶縁部材78の断面が、回転ベゼル36の断面と略同一形状となっているので、絶縁部材78の視認面が、回転ベゼル36の視認面と略同一平面を形成していることになる。
【0149】
従って、絶縁部材78の視認面が、回転ベゼル36とが一体的に視認されるので、回転ベゼル36の美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
なお絶縁部材78は、回転ベゼル36に設けられたスリット56と同数設ければよく、スリット56が一箇所に設けられている場合には絶縁部材78を一つ設け、スリット56が複数箇所に設けられている場合には絶縁部材78をスリット56の数と同じだけ設けるようにすれば良い。
【0150】
また、絶縁部材78を構成する絶縁材料としては、特に限定されるものではないが、合成樹脂、ゴム、セラミックなどの非導電性の絶縁材料を採用することができる。
また導電性の素材に、非導電性の被膜が被覆された部材とすることも可能である。
【0151】
この場合、絶縁部材78を構成する導電性材料としては、回転ベゼル36を構成する導電性の材料と同様に、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタン、または、これらの合金などを採用することができる。また、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイドなどを採用することもできる。
【0152】
そして、この絶縁部材78を構成する導電性材料に被覆される非導電性の被膜、すなわち絶縁被膜としては、非導電性の塗装被膜、非導電性の印刷被膜、非導電性の乾式メッキ被膜が挙げられる。
【0153】
また、このような絶縁被膜としては、
・DLC(DIAMOND Like Carbon)などのCVD被膜、
・アクリル系材料、ウレタン系材料、または、セルロース系材料などの有機材料の絶縁被膜、
・クロム化合物を含むクロム化合物系被膜、または酸化アルミ化合物を含む酸化アルミ系被膜、
などを採用することができる。
【0154】
なお、クロム化合物系被膜としては、酸化クロム化合物を含む酸化クロム系被膜、窒化クロム化合物を含む窒化クロム系被膜、炭化クロム化合物を含む炭化クロム系被膜を採用することができる。
【0155】
また、このような絶縁被膜の代わりに、合成樹脂やゴムなどから成る絶縁シートが絶縁部材78を構成する導電性材料に貼着された絶縁部材78であってもかまわない。
この場合、絶縁部材78が非導電性の合成樹脂であれば、回転ベゼル36をスリット56の部分で確実に絶縁することができ、スリット56の大きさや形状に合わせた絶縁部材78を、一体成形などで容易に製造することができる。
【0156】
また絶縁部材78は、不用意に回転ベゼル36のスリット56から脱落しないように、回転ベゼル36に固定されることが好ましい。固定手段としては、嵌合、圧入、接合、インサート成形など、機械的な係合手段を採用することができるが、回転ベゼル36は、時計ケース14に対して回転するようになっているため、ある程度の強度を維持するためにもインサート成形が好ましい。
【0157】
また、絶縁部材78の視認面の色調が、回転ベゼル36の視認面の色調と同色色調とすることもできる。
このように、絶縁部材78の視認面の色調を、回転ベゼル36の視認面の色調と同色色調となるように構成すれば、絶縁部材78が視認され難くなり、回転ベゼル36の美観、時計自体の美観が向上することになる。なお「視認面」とは、外面のうち観察者に視認される領域を言う。
【0158】
また、絶縁部材78の視認面の色調が、回転ベゼル36の視認面の色調と異色色調とすることもできる。
このように、絶縁部材78の視認面の色調を、回転ベゼル36の視認面の色調と異色色調となるように構成すれば、例えばこの絶縁部材78の部分を、美観上または何らかの情報を、時計の携帯者などの観察者に視認し易くすることができる。
【0159】
この場合「同色色調」とは、環状部材と絶縁部材との色調とが、共に同じ色調と認識され得る範囲内にあることを意味し、その色調の濃淡や明暗など、色調の外観上の風合いが完全に一致することに限定されない。
【0160】
なお、回転ベゼル36と絶縁部材78の視認面の色調とは、回転ベゼル36と絶縁部材78の素材そのものの色調であっても、回転ベゼル36と絶縁部材78に被覆された被膜の色調であってもよい。
【0161】
従って「異色色調」とは、このような回転ベゼル36と絶縁部材78の視認面の色調が、上記の同色色調と認められない色調の組み合わせを言う。
さらに、絶縁部材78を、時計の機能表示を示す指標とすることもできる。
【0162】
このように絶縁部材78を、時刻表示、日付表示、曜日表示、月表示、年表示、電池の残量表示、圧力や温度などの外環境測定値の表示、アンテナの受信感度表示、アンテナにおける受信の成否表示など時計の機能表示を示す指標とすることによって、時計の機能表示を、時計の携帯者などの観察者に示すことができる。
【0163】
特に、回転ベゼル36の視認面の色調と異色色調の絶縁部材78を指標にした場合には、このような時計の機能表示を観察者により視認し易くすることができる。この場合、絶縁部材78の数、形成位置としては、実施例1と同様に採用することができる。
(実施例3)
図6は、本発明の第3の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着する状態を説明する斜視図、図7は、本発明の第3の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着した状態を説明する斜視図、図8は、絶縁部材の指標部が、回転ベゼルのスリットの開放端を越えて、回転ベゼルの上方まで延出した場合の状態を説明する斜視図、図9は、絶縁部材の指標部が、回転ベゼルのスリットの開放端を越えて、回転ベゼルの上方まで延出した場合の他の状態を説明する斜視図、図10は、絶縁部材の指標部を、導電性の材質とした場合の状態を説明する斜視図である。
【0164】
この実施例の無線機能付き時計10は、図1〜図3に示した無線機能付き時計10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0165】
この実施例の無線機能付き時計10では、図6から図10に示したように、絶縁部材78上に指標部88を備えている。
このように構成することによって、絶縁部材78を、時計の機能表示を示す指標として用いられる場合、指標部88が時計の機能表示を明確に指示することになり、時計の携帯者などの観察者が、時計の機能表示を視認しやすくなる。
【0166】
この指標部88は、図示されるように、回転ベゼル36の上面より上方に延出することが好ましい。すると、時計の携帯者が、指標部88を視認しやすくなるばかりか、指標部88を指に引っかけることができるので、回転ベゼルを回転させやすくなる。
【0167】
また、図6または図7に示した絶縁部材78においては、回転ベゼル36における、スリット56を挟んで対向する両開放端と、導電性の指標部88とが接触しないように、指標部88は絶縁部材78の幅内に配置されることが好ましい。
【0168】
このように構成することで、指標部88をバイパスにしてスリット56で分断された回転ベゼル36の両開放端が電気的に導通することが回避される。
なお、導電性の材料としては、回転ベゼル36と同じように、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタン、またはこれらの合金などが採用される。また、例えば、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイドなどが採用されてもよい。
【0169】
このように、指標部88が金属のような導電性材料からなれば、回転ベゼル36の外観に、さらに金属調の高級感と美観が付与されることとなる。
また、指標部88として合成樹脂のような非導電性材料が採用される場合、指標部88は絶縁部材78とは異なる色調の合成樹脂で成形されてもよい。すると、指標部88が視認されやすくなるので、時計の携帯者などの観察者が、さらに時計の機能表示を視認しやすくなる。
【0170】
さらに、図8から図10に示したように、指標部88が回転ベゼル36のスリット56の開放端を越えて、回転ベゼル36の上面まで延出するように構成しても良い。このように構成すれば、回転ベゼル36のスリット56が、時計の携帯者などに視認されにくくなるため、回転ベゼル36の美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
【0171】
さらに本実施例においては、指標部88は、絶縁部材78と一体であっても、別体であってもよい。
例えば、指標部88が回転ベゼル36のスリット56の開放端を越えて、回転ベゼル36の上面まで延出した構成であって、絶縁部材78と指標部88とが一体である場合には、図8に示した無線機能付き時計10のような構成となる。
【0172】
さらに、絶縁部材78と指標部88とが別体である場合には、図9に示した無線機能付き時計10のような構成となる。
なお、指標部88と絶縁部材78とが、共に合成樹脂のような射出成形可能な非導電性材料から成る場合は、指標部88と絶縁部材78とが一体的に成形されてもよい。
【0173】
絶縁部材78に、別体の指標部88が固定される場合は、指標部88は、導電性の部材であっても非導電性の部材であってもかまわない。絶縁部材78と指標部とを固定する場合には、接合層に接着剤、粘着材、または両面テープなどを用いると良い。
【0174】
なお、絶縁部材78と指標部88とが、絶縁性の部材からなる場合には、その材質としては、特に限定されるものではないが、合成樹脂、ゴム、セラミックなどの非導電性の絶縁材料を採用することができる。
【0175】
また導電性の素材に、非導電性の被膜が被覆された部材とすることも可能である。
この場合、絶縁部材78を構成する導電性材料としては、実施例2で説明したものと同様のものを使用することができる。
【0176】
指標部88を、導電性の部材とした場合には、図10に示したように、絶縁部材78を、回転ベゼル36のスリット56の開放端を越えて回転ベゼルの上面まで延出した形状とし、このような絶縁部材78の上に導電性の指標部88を設けることが好ましい。このように構成することで、指標部88をバイパスにしてスリット56で分断された回転ベゼル36の両開放端が電気的に導通することが回避される。
【0177】
なお、導電性の材料としては、回転ベゼル36と同じように、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタン、またはこれらの合金などが採用される。また、例えば、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイドなどが採用されてもよい。
【0178】
このように、指標部88が金属のような導電性材料からなれば、回転ベゼル36の外観に、さらに金属調の高級感と美観が付与されることとなる。
(実施例4)
図11は、本発明の第4の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着した状態を説明する斜視図である。
【0179】
この実施例の無線機能付き時計10は、図1〜図3に示した無線機能付き時計10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0180】
この実施例の無線機能付き時計10では、図11に示したように絶縁部材78に、観る者に美感を起こさせる装飾部材84が形成されている。
このように絶縁部材78に宝石や貴石などの輝石からなる装飾部材84を備えることによって、回転ベゼル36の美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
(実施例5)
図12は、本発明の第5の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着する状態を説明する斜視図、図13は、本発明の第5の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着した状態を説明する斜視図、図14は、本発明の第5の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着した状態を説明する部分断面図である。
【0181】
この実施例の無線機能付き時計10は、図1〜図3に示した無線機能付き時計10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0182】
この実施例の無線機能付き時計10では、図12〜図14に示したように、絶縁部材78が、導電性の付加部材80を保持しており、この付加部材80が、外方から視認され得るように、かつ回転ベゼル36と接触しないように絶縁部材78に保持されている。
【0183】
具体的には、付加部材80が絶縁部材78に形成された凹部78c内に配置されることで、付加部材80が絶縁部材78に形成された凹部78c内に、確実に固定することができるようになっている。
【0184】
なお付加部材80は、不用意に絶縁部材78の凹部78cから脱落しないように絶縁部材78に固定されることが好ましい。
固定手段としては、嵌合、圧入、接合、インサート成形など、機械的な係合手段が採用される。また、絶縁部材78と付加部材80とを接合する場合には、接合層に接着剤、粘着材、または両面テープなどが用いられる。
【0185】
このように構成すれば、絶縁部材78に保持された導電性の付加部材80により、絶縁部材78に金属外観が付与されることになるので、回転ベゼル36の美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
【0186】
また付加部材80が、回転ベゼル36と接触しないように絶縁部材78に保持されているので、回転ベゼル36に渦電流が発生せず、アンテナ26の受信感度が向上する。
この場合、付加部材80の視認面の色調が、回転ベゼル36の視認面の色調と同色色調とすることができる。
【0187】
このように、付加部材80の視認面の色調が回転ベゼル36の視認面の色調と同色色調となるように構成することによって、付加部材80が視認され難くなり、回転ベゼル36の美観、時計自体の美観が向上することになる。
【0188】
また、付加部材80の視認面の色調が、回転ベゼル36の視認面の色調と異色色調とすることもできる。
このように、付加部材80の視認面の色調が、回転ベゼル36の視認面の色調と異色色調となるように構成することによって、この付加部材80の部分を、美観上または何らかの情報を、時計の携帯者などの観察者に視認し易くすることができる。
【0189】
さらに付加部材80を、時計の機能表示を示す指標とすることもできる。
すなわち、付加部材80を、時刻表示、日付表示、曜日表示、月表示、年表示、電池の残量表示、圧力や温度などの外環境測定値の表示、アンテナの受信感度表示、アンテナにおける受信成否の表示など、時計の機能表示を示す指標とすることによって、時計の機能表示を、時計の携帯者などの観察者に示すことができる。
【0190】
この場合、付加部材80自体を時計の機能表示を示す指標82として用いてもよい。さ
らにブランド名、メーカー名、商品名などを表すマークやエンブレムなどの商品表示部材であってもよい。
【0191】
なお、付加部材80を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、回転ベゼル36と同様な導電性の材料や、絶縁部材78と同様な絶縁材料などを用いることができる。
(実施例6)
図15は、本発明の第6の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材と付加部材とを装着した状態を説明する部分断面図である。
【0192】
この実施例の無線機能付き時計10は、図1〜図3に示した無線機能付き時計10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0193】
この実施例の無線機能付き時計10では、図15に示したように、回転ベゼル36に設けられたスリット56内に、一定間隔離間して配置された2つの絶縁部材78、78の間に、付加部材80が配置されている。
【0194】
このように構成することによって、付加部材80が2つの絶縁部材78、78の間に確実に固定することができる。
また、付加部材80と絶縁部材78の視認面とが略同一平面を形成するように、2つの絶縁部材78、78の間に付加部材を配置することができ、回転ベゼル36と絶縁部材78と付加部材80とが一体的に視認されるので、回転ベゼル36の美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
【0195】
この付加部材80として、金属のような導電性の部材が採用される場合、回転ベゼル36に外観に、さらに金属調の高級感と美観が付与される。特に、回転ベゼル36と付加部材80とが同じ金属で構成されると、回転ベゼル36と付加部材80とが一体的に視認されるので好ましい。
【0196】
この絶縁部材78は、回転ベゼル36と付加部材80とを接合するための非導電性の接合層に代換され得る。この接合層としては、非導電性の粘着層や非導電性の接着層、たとえば、合成樹脂などの非導電性材料を含む粘着層や接着層が採用され得る。非導電性の粘着層としては、たとえば両面粘着テープが採用される。
(実施例7)
図16は、本発明の第7の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材と付加部材とを装着する状態を説明する斜視図、図17は、本発明の第7の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材と付加部材とを装着した状態を説明する斜視図である。
【0197】
この実施例の無線機能付き時計10は、図1〜図3に示した無線機能付き時計10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0198】
この実施例の無線機能付き時計10では、図16または図17に示したように、付加部材80が、回転ベゼル36と絶縁部材78との境界の少なくとも一部を覆う覆い部80cを備えている。
【0199】
このように構成することによって、回転ベゼル36と絶縁部材78との境界が、付加部材80の覆い部80cで隠されて視認されなくなるので、回転ベゼル36の美観と高級観
がさらに向上する。
【0200】
またこの場合、付加部材80を絶縁部材78に装着するために、付加部材80の背面に係合凸部80dが形成され、これに対応して絶縁部材78に係合孔部78dが形成されており、係合凸部80dと係合孔部78dとの係合によって、付加部材80が絶縁部材78に取り付けられるようになっている。
【0201】
このように構成することによって、係合凸部80dと係合孔部78dとの係合によって、付加部材80を絶縁部材78にさらに確実に固定することができる。
なおこの場合、絶縁部材78と付加部材80のいずれか一方に突設された係合凸部と、他方に形成された係合孔部とを係合することによって、付加部材80を絶縁部材78に取り付ければよく、付加部材に80に係合孔部を設け、絶縁部材78に係合凸部を設けることも可能である。
【0202】
さらに、付加部材80の覆い部80cと回転ベゼル36との間に、絶縁部材78より延出する延出部78eを形成することが望ましい。
このように構成することによって、回転ベゼル36と絶縁部材78との境界を越えて延びた導電性の付加部材80の覆い部80cが、絶縁部材78の延出部78eによって妨げられ、導電性の回転ベゼル36に接触しないことになる。
【0203】
その結果、導電性である付加部材80と回転ベゼル36とが確実に絶縁されるので、回転ベゼル36に渦電流が生じるのが回避され、アンテナ26の受信感度が向上することになる。
【0204】
この場合、本実施例では、絶縁部材78より延出する延出部78eを、付加部材80の覆い部80cよりも短く設定しているが、延出部78eを覆い部80cと略同一とすることによって、導電性の付加部材80の覆い部80cが、完全に絶縁部材78の延出部78eに妨げられて、導電性の回転ベゼル36に接触しないことになり、回転ベゼル36に渦電流が生じるのが回避され、アンテナ26の受信感度が向上することになる。
【0205】
なお、このような付加部材80上に、実施例4と同様に、観る者に美感を起こさせる宝石や貴石などの輝石からなる装飾部材84を形成することによって、回転ベゼル36の美観と高級観がさらに向上し、時計自体の美観もさらに向上することになる。
(実施例8)
図18は、本発明の第8の実施例における無線機能付き時計であって、回転ベゼル上に設けられた凹部に、補強部材を固定する状態を説明する斜視図、図19は、本発明の第8の実施例における無線機能付き時計であって、回転ベゼル上に設けられた凹部に、補強部材を固定した状態を説明する斜視図、図20は、本発明の第8の実施例における無線機能付き時計であって、回転ベゼル上に設けられた凹部に、補強部材を固定した状態を説明する部分断面図である。
【0206】
この実施例の無線機能付き時計10は、図1〜図3に示した無線機能付き時計10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0207】
この実施例の無線機能付き時計10では、図18〜図20に示したように、回転ベゼル36の上端内側に段部57が形成されており、この段部57に補強部材53が固定されるようになっている。固定手段としては、嵌合、圧入、接合、インサート成形、ねじ止めなど、機械的な係合手段が採用される。また、補強部材53と回転ベゼル36とを接合する場合には、接合層に接着剤、粘着材、または両面テープなどが用いられる。なお、補強部
材53が金属のような導電性の材料からなる場合には、ロー付け、溶接、レーザー溶接などで固定することができる。
【0208】
このような補強部材53が本実施例のように環状形状であれば、回転ベゼル36に設けられた段部57の周方向全体にわたって回転ベゼル36を補強することができる。
なお補強部材53は、回転ベゼル36のスリット56にまたがって配置されていれば良く、これによって、回転ベゼル36のスリット56を視認され難くさせ、腕時計の美観が損なわれないようになっている。
【0209】
補強部材53を構成する絶縁材料としては、特に限定されるものではないが、合成樹脂、ゴム、セラミックなどの非導電性の絶縁材料を採用することができる。
また導電性の素材に、非導電性の被膜が被覆された部材とすることも可能である。
【0210】
この場合、補強部材53を構成する導電性材料としては、回転ベゼル36を構成する導電性の材料と同様に、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタン、または、これらの合金などを採用することができる。また、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイドなどを採用することもできる。
【0211】
そして、この補強部材53を構成する導電性材料に被覆される非導電性の被膜、すなわち絶縁被膜としては、非導電性の塗装被膜、非導電性の印刷被膜、非導電性の乾式メッキ被膜が挙げられる。
【0212】
また、このような絶縁被膜としては、
・DLC(DIAMOND Like Carbon)などのCVD被膜、
・アクリル系材料、ウレタン系材料、または、セルロース系材料などの有機材料の絶縁被膜、
・クロム化合物を含むクロム化合物系被膜、または酸化アルミ化合物を含む酸化アルミ系被膜、
などを採用することができる。
【0213】
なお、クロム化合物系被膜としては、酸化クロム化合物を含む酸化クロム系被膜、窒化クロム化合物を含む窒化クロム系被膜、炭化クロム化合物を含む炭化クロム系被膜を採用することができる。
【0214】
また、このような絶縁被膜の代わりに、合成樹脂やゴムなどから成る絶縁シートが補強部材53を構成する導電性材料に貼着された補強部材53であってもかまわない。
さらに、補強部材53の視認面の色調が、回転ベゼル36の視認面の色調と同色色調とすることもできる。
【0215】
このように、補強部材53の視認面の色調を、回転ベゼル36の視認面の色調と同色色調となるように構成すれば、補強部材53が視認され難くなり、回転ベゼル36の美観、時計自体の美観が向上することになる。なお「視認面」とは、外面のうち観察者に視認される領域を言う。
【0216】
また、補強部材53の視認面の色調が、回転ベゼル36の視認面の色調と異色色調とすることもできる。
このようにすることによって、補強部材53の部分を、美観上または何らかの情報を、時計の携帯者などの観察者に視認し易くすることができる。
【0217】
この場合「同色色調」とは、回転ベゼル36と補強部材53との色調とが、共に同じ色
調と認識され得る範囲内にあることを意味し、その色調の濃淡や明暗など、色調の外観上の風合いが完全に一致することに限定されない。
【0218】
なお、回転ベゼル36と補強部材53の視認面の色調とは、回転ベゼル36と補強部材53の素材そのものの色調であっても、回転ベゼル36と補強部材53に被覆された被膜の色調であってもよい。
【0219】
従って「異色色調」とは、このような回転ベゼル36と補強部材53の視認面の色調が、上記の同色色調と認められない色調の組み合わせを言う。
さらに、補強部材53上に、時計の機能表示を示す指標を形成することもできる。
【0220】
このように補強部材53に、時刻表示、日付表示、曜日表示、月表示、年表示、電池の残量表示、圧力や温度などの外環境測定値の表示、アンテナの受信感度表示、アンテナにおける受信の成否表示など時計の機能表示を示す指標を形成することによって、時計の機能表示を、時計の携帯者などの観察者に示すことができる。
【0221】
特に、回転ベゼル36の視認面の色調と異色色調の補強部材53に指標を形成した場合には、このような時計の機能表示を観察者により視認し易くすることができる。
このように回転ベゼル36と補強部材53との間に、絶縁領域59を備えることによって、回転ベゼル36と補強部材53との間で、誘導電流が発生しないので、これらの回転ベゼル36と補強部材53との間に流れる渦電流に起因するアンテナ26の受信感度の低下が阻止されることになり、アンテナ26の受信感度が向上することになる。
【0222】
この場合、絶縁領域59が、回転ベゼル36と補強部材53との間に配置された絶縁部材から構成することができる。
このような絶縁領域59を構成する絶縁部材としては、合成樹脂、ゴム、または、セラミックなどの非導電性の絶縁部材を採用することができる。
【0223】
また、導電性の素材に、非導電性の被膜が被覆された部材とすることも可能である。この場合、絶縁部材を構成する導電性材料としては、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタン、または、これらの合金などを採用することができる。また、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイドなどを採用することもできる。
【0224】
そして、この絶縁部材を構成する導電性材料に被覆される非導電性の被膜、すなわち絶縁被膜としては、非導電性の塗装被膜、非導電性の印刷被膜、非導電性の乾式メッキ被膜が挙げられる。
【0225】
また、このような絶縁被膜としては、
・DLC(DIAMOND Like Carbon)などのCVD被膜、
・アクリル系材料、ウレタン系材料、またはセルロース系材料などの有機材料の絶縁被膜、
・クロム化合物を含むクロム化合物系被膜、または酸化アルミ化合物を含む酸化アルミ系被膜、
などを採用することができる。
【0226】
なお、クロム化合物系被膜としては、例えば酸化クロム化合物を含む酸化クロム系被膜、窒化クロム化合物を含む窒化クロム系被膜、炭化クロム化合物を含む炭化クロム系被膜を採用することができる。
【0227】
また、このような絶縁被膜の代わりに、合成樹脂やゴムなどから成る絶縁シートが絶縁
部材を構成する導電性材料に貼着された絶縁部材であってもかまわない。
またこの場合、絶縁部材を回転ベゼル36側に貼着することもできる。
【0228】
このように構成することによって、例えば、シート状の絶縁部材を回転ベゼル36側に貼着するだけで良いので、回転ベゼル36上に補強部材53を組み込み易くなり、作業能率が向上し、製造コストを低減することができる。
【0229】
また、絶縁部材を、補強部材53側に貼着することもできる。
このように構成することによって、例えば、シート状の絶縁部材を補強部材53の下面に貼着するだけで良いので、補強部材53を回転ベゼル36の段部57に組み込み易くなり、作業能率が向上し、製造コストを低減することができる。
【0230】
また、絶縁領域59を、回転ベゼル36と補強部材53との間の少なくともいずれか一方に形成された絶縁被膜から構成することもできる。
このように絶縁被膜を塗装、蒸着などによって形成することによって、回転ベゼル36と補強部材53との間の境界面の少なくともいずれか一方に、絶縁被膜からなる絶縁領域59を形成することができ、作業能率が向上し、製造コストを低減することができる。
【0231】
回転ベゼル36に絶縁被膜を形成する場合には、回転ベゼル36の全面に形成することができる。
回転ベゼル36の全面に絶縁被膜を形成する方法としては、回転ベゼル36を絶縁材料液に浸漬することによって、絶縁被膜を形成することができる。この方法を用いれば、作業能率が向上し、製造コストを低減することができる。
【0232】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、ハウジング12を構成する時計ケース14、裏蓋16を導電性の金属製としたが、導電性の部品と非導電性の部品が混在してもかまわないものである。
【0233】
また、ハウジング12は、少なくとも一部が導電性、または、少なくとも一部が非導電性の部材であってもよいものであり、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0234】
【図1】図1は、本発明の第1の実施例における無線機能付き時計の斜視図である。
【図2】図2は、図1の第1の実施例における無線機能付き時計の断面図である。
【図3】図3は、図2の第1の実施例における無線機能付き時計のクリックばね部材を説明する斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第2の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着する状態を説明する斜視図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着した状態を説明する斜視図である。
【図6】図6は、本発明の第3の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着する状態を説明する斜視図である。
【図7】図7は、本発明の第3の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着した状態を説明する斜視図である。
【図8】図8は、本発明の第3の実施例における無線機能付き時計であって、絶縁部材の指標部が、回転ベゼルのスリットの開放端を越えて、回転ベゼルの上方まで延出した場合の状態を説明する斜視図である。
【図9】図9は、本発明の第3の実施例における無線機能付き時計であって、絶縁部材の指標部が、回転ベゼルのスリットの開放端を越えて、回転ベゼルの上方まで延出した場合の他の状態を説明する斜視図である。
【図10】図10は、本発明の第3の実施例における無線機能付き時計であって、絶縁部材の指標部を、導電性の材質とした場合の状態を説明する斜視図である。
【図11】図11は、本発明の第4の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着した状態を説明する斜視図である。
【図12】図12は、本発明の第5の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着する状態を説明する斜視図である。
【図13】図13は、本発明の第5の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着した状態を説明する斜視図である。
【図14】図14は、本発明の第5の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着した状態を説明する部分断面図である。
【図15】図15は、本発明の第6の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材と付加部材とを装着した状態を説明する部分断面図である。
【図16】図16は、本発明の第7の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材と付加部材とを装着する状態を説明する斜視図である。
【図17】図17は、本発明の第7の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材と付加部材とを装着した状態を説明する斜視図である。
【図18】図18は、本発明の第8の実施例における無線機能付き時計であって、回転ベゼル上に設けられた凹部に、補強部材を固定する状態を説明する斜視図である。
【図19】図19は、本発明の第8の実施例における無線機能付き時計であって、回転ベゼル上に設けられた凹部に、補強部材を固定した状態を説明する斜視図である。
【図20】図20は、本発明の第8の実施例における無線機能付き時計であって、回転ベゼル上に設けられた凹部に、補強部材を固定した状態を説明する部分断面図である。
【図21】図21は、従来の無線機能付き時計の実施例の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0235】
10・・・無線機能付き時計
12・・・ハウジング
14・・・時計ケース
16・・・裏蓋
18・・・風防
20・・・ムーブメント
20a・・小径部
20b・・大径部
22・・・ソーラーセル
24・・・文字板
26・・・アンテナ
27・・・分針
28・・・バンド取り付け部
29・・・時針
30・・・脚部
31・・・針軸
32・・・見返し部
36・・・回転ベゼル
37・・・環状凸部
39・・・環状凹部
41・・・クリック溝
42・・・テーパー面
43・・・環状溝
45・・・環状壁
46・・・固定(防水)パッキン
47・・・クリックばね部材
48・・・中子部材
49・・・弾性爪
50・・・係合突設部
51・・・固定爪
52・・・係合用凹部
53・・・補強部材
54・・・支持枠
56・・・スリット
57・・・段部
59・・・絶縁領域
78・・・絶縁部材
78c・・凹部
78d・・係合孔部
78e・・延出部
80・・・付加部材
80c・・覆い部
80d・・係合凸部
82・・・指標
84・・・装飾部材
88・・・指標部
100・・・電波時計
102・・・ハウジング
104・・・時計ケース
106・・・裏蓋
108・・・風防
110・・・ムーブメント
112・・・ソーラーセル
114・・・文字板
116・・・アンテナ
118・・・バンド取り付け部
120・・・脚部
122・・・スリット
【出願人】 【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズンホールディングス株式会社
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】 【識別番号】100081994
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 俊一郎

【識別番号】100103218
【弁理士】
【氏名又は名称】牧村 浩次

【識別番号】100110917
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 亨

【識別番号】100115392
【弁理士】
【氏名又は名称】八本 佳子


【公開番号】 特開2008−32567(P2008−32567A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−207043(P2006−207043)