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【発明の名称】 機器ケース、腕時計ケースおよび電波時計
【発明者】 【氏名】矢野 純朗

【氏名】金刺 隆伸

【要約】 【課題】ケース本体および裏蓋を金属で形成しても、内部に収容されるアンテナの受信感度を低下させることのない機器ケース、腕時計ケースおよび電波時計を提供する。

【構成】内部にアンテナ9が収容される金属製のケース本体3の内周面にリング部材7を螺合させることにより、金属製の裏蓋6を金属製のケース本体3に押し付けて固定する際に、ケース本体3と裏蓋6との間にスペーサ部材8を設けてケース本体3と裏蓋6との間の絶縁を図った。従って、ケース本体3内のアンテナ9が電波を受信して磁界を発生するときに、アンテナ9で発生した磁界がケース本体3と裏蓋6とを通過することによって発生する渦電流、つまりケース本体3と裏蓋6とを還流する渦電流を抑制することができる。これにより、ケース本体3および裏蓋6を金属で形成しても、内部に収容されるアンテナ9の受信感度の低下を防ぐことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にアンテナが収容される金属製のケース本体と、
このケース本体の裏側に取り付けられる金属製の裏蓋と、
前記ケース本体の内周面に螺合して前記裏蓋を前記ケース本体に押え付けて固定するリング部材と、
前記ケース本体と前記裏蓋との間に介在されてその間の絶縁もしくは電気抵抗を大きくするためのスペーサ部材と
を備えたことを特徴とする機器ケース。
【請求項2】
前記スペーサ部材は前記裏蓋の外周に沿って連続して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項3】
前記スペーサ部材は前記ケース本体と前記裏蓋との間を防水するための防水パッキンであることを特徴とする請求項2に記載の機器ケース。
【請求項4】
前記スペーサ部材は前記裏蓋の外周に沿って部分的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項5】
前記リング部材は非金属で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の機器ケース。
【請求項6】
前記裏蓋と前記リング部材との間には絶縁性の補助スペーサ部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の機器ケース。
【請求項7】
前記スペーサ部材は、前記ケース本体と前記裏蓋との間、および前記裏蓋と前記リング部材との間の両方に跨って設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の機器ケース。
【請求項8】
前記裏蓋の外周部には鍔部が設けられ、前記リング部材には前記鍔部が挿入する段差凹部が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の機器ケース。
【請求項9】
内部に標準時刻電波を受信するアンテナ、およびこのアンテナで受信した標準時刻電波に基づいて時刻修正をする時計モジュールが収容される金属製のケース本体と、
このケース本体の裏面側に取り付けられる金属製の裏蓋と、
前記ケース本体の内周面に螺合して前記裏蓋を前記ケース本体に押え付けて固定するリング部材と、
前記ケース本体と前記裏蓋との間に介在されてその間の絶縁もしくは電気抵抗を大きくするためのスペーサ部材と
を備えたことを特徴とする腕時計ケース。
【請求項10】
前記裏蓋と前記リング部材との間には絶縁性の補助スペーサ部材が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の腕時計ケース。
【請求項11】
金属製のケース本体の内周面に螺合するリング部材によって金属製の裏蓋を前記ケース本体に押え付けて固定する際に、前記ケース本体と前記裏蓋との間にその間の絶縁もしくは電気抵抗を大きくするためのスペーサ部材を設けた時計ケースと、
この時計ケースの内部に収容された標準時刻電波を受信するためのアンテナと、
前記時計ケースの内部に収容され、前記アンテナで受信した標準時刻電波に基づいて時刻を修正する時計モジュールと
を備えたことを特徴とする電波時計。
【請求項12】
前記裏蓋と前記リング部材との間には絶縁性の補助スペーサ部材が設けられていることを特徴とする請求項11に記載の電波時計。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、機器ケース、腕時計ケースおよび電波時計に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、時計においては、標準時刻電波を受信するアンテナを備え、このアンテナで受信した標準時刻電波に基づいて時刻を修正する電波時計が知られている。
このような電波時計では、アンテナの近傍に金属部材があると、このアンテナで発生した磁界が金属部材を通過することで、金属部材に渦電流が流れ、これによりアンテナの受信感度が低下するという問題がある。このため、腕時計型の電波時計では、ケース本体である腕時計ケース内にアンテナを収容した場合、腕時計ケースおよびその裏側に取り付けられる裏蓋が金属製であると、上述した理由により十分な受信感度が得られない。
【0003】
そこで、従来の電波時計においては、特許文献1に記載されているように、腕時計ケースおよび裏蓋のうち、少なくとも裏蓋を合成樹脂などの非金属で形成することで、腕時計ケース内に収容されたアンテナの受信感度の低下を防いでいる。
【特許文献1】特開2001−33571号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の電波時計では、裏蓋を合成樹脂などの非金属で形成しているため、腕時計ケースおよび裏蓋の双方を金属で形成した場合と比較して、外観や質感、重量感が低下し、高級感に劣るという問題がある。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、ケース本体および裏蓋を金属で形成しても、内部に収容されるアンテナの受信感度を低下させることのない機器ケース、腕時計ケースおよび電波時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
なお、各構成要素には、後述する各実施形態の項で説明される各要素に付されている図面の参照番号などを括弧と共に付す。
【0007】
請求項1に記載の発明は、図1〜図11に示すように、内部にアンテナ(9)が収容される金属製のケース本体(3)と、このケース本体の裏側に取り付けられる金属製の裏蓋(6)と、前記ケース本体の内周面に螺合して前記裏蓋を前記ケース本体に押え付けて固定するリング部材(7、21、31)と、前記ケース本体と前記裏蓋との間に介在されてその間の絶縁もしくは電気抵抗を大きくするためのスペーサ部材(8、41、51、61)とを備えたことを特徴とする機器ケースである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、図1〜図10に示すように、前記スペーサ部材(7、21、31)が前記裏蓋(6)の外周に沿って連続して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の機器ケースである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、図4、図6、図7に示すように、前記スペーサ部材(7、21)が前記ケース本体(3)と前記裏蓋(6)との間を防水するための防水パッキン(5、24)であることを特徴とする請求項2に記載の機器ケースである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、図11に示すように、前記スペーサ部材(61)が前記裏蓋(6)の外周に沿って部分的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の機器ケースである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、図1〜図4に示すように、前記リング部材(7)が非金属で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の機器ケースである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、図5〜図8に示すように、前記裏蓋(6)と前記リング部材(21、31)との間に、絶縁性の補助スペーサ部材(22)が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の機器ケースである。
【0013】
請求項7に記載の発明は、図9〜図11に示すように、前記スペーサ部材(41、51、61)が、前記ケース本体(3)と前記裏蓋(6)との間、および前記裏蓋と前記リング部材(21)との間の両方に跨って設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の機器ケースである。
【0014】
請求項8に記載の発明は、図8に示すように、前記裏蓋(6)の外周部に鍔部(14)が設けられ、前記リング部材(31)に前記鍔部が挿入する段差凹部(32)が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の機器ケースである。
【0015】
請求項9に記載の発明は、図1〜図11に示すように、内部に標準時刻電波を受信するアンテナ(9)、およびこのアンテナで受信した標準時刻電波に基づいて時刻修正をする時計モジュール(2)が収容される金属製のケース本体(3)と、このケース本体の裏面側に取り付けられる金属製の裏蓋(6)と、前記ケース本体の内周面に螺合して前記裏蓋を前記ケース本体に押え付けて固定するリング部材(7、21、31)と、前記ケース本体と前記裏蓋との間に介在されてその間の絶縁もしくは電気抵抗を大きくするためのスペーサ部材(8、41、51、61)とを備えたことを特徴とする腕時計ケースである。
【0016】
請求項10に記載の発明は、図5〜図8に示すように、前記裏蓋(6)と前記リング部材(21、31)との間に、絶縁性の補助スペーサ部材(22)が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の腕時計ケースである。
【0017】
請求項11に記載の発明は、図1〜図11に示すように、金属製のケース本体(3)の内周面に螺合するリング部材(7、21、31)によって金属製の裏蓋を前記ケース本体に押え付けて固定する際に、前記ケース本体と前記裏蓋との間にその間の絶縁もしくは電気抵抗を大きくするためのスペーサ部材(8、41、51、61)を設けた時計ケース(腕時計ケース1、20、30、40、40、50、60)と、この時計ケースの内部に収容された標準時刻電波を受信するためのアンテナ(9)と、前記時計ケースの内部に収容され、前記アンテナで受信した標準時刻電波に基づいて時刻を修正する時計モジュール(2)とを備えたことを特徴とする電波時計である。
【0018】
請求項12に記載の発明は、図5〜図8に示すように、前記裏蓋(6)と前記リング部材(21、31)との間に、絶縁性の補助スペーサ部材(22)が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の電波時計である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、内部にアンテナが収容される金属製のケース本体の内周面にリング部材を螺合させることにより、金属製の裏蓋を金属製のケース本体の裏側に押え付けて固定する際に、ケース本体と裏蓋との間にスペーサ部材を設けてケース本体と裏蓋との間の絶縁もしくは電気抵抗を大きくしているので、ケース本体内のアンテナが電波を受信して磁界を発生するときに、アンテナで発生した磁界がケース本体および裏蓋を通過することによって発生する渦電流、つまりケース本体と裏蓋とを還流する渦電流を抑制することができ、これによりケース本体および裏蓋を金属で形成しても、内部に収容されるアンテナの受信感度の低下を防ぐことができる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、スペーサ部材が裏蓋の外周に沿って連続して設けられていることにより、ケース本体と裏蓋とが相互に接触するのを確実に防ぐことができ、これによりケース本体と裏蓋との間の絶縁もしくは電気抵抗を大きくすることができるので、より一層、アンテナで発生した磁界によってケース本体と裏蓋とを還流する渦電流を抑制することができる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、スペーサ部材がケース本体と裏蓋との間を防水するための防水パッキンであることにより、別部品としてのスペーサ部材が不要になり、このため部品点数を削減することができると共に、組立て作業の簡素化を図ることができ、これにより低コスト化を図ることができる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、スペーサ部材が裏蓋の外周に沿って部分的に設けられていることにより、請求項2に記載の発明のように、スペーサ部材を裏蓋の全周に沿って連続して設けなくても、部分的に設けられたスペーサ部材によってケース本体と裏蓋とが相互に接触するのを確実に防ぐことができると共に、ケース本体と裏蓋との間に隙間を部分的に設けることができ、これによってもケース本体と裏蓋との間の絶縁もしくは電気抵抗を大きくすることができるので、アンテナで発生した磁界によってケース本体と裏蓋とを還流する渦電流を抑制することができる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、リング部材が非金属で形成されていることにより、ケース本体と裏蓋とがリング部材を介して導通するのを防ぐことができ、これによってもケース本体と裏蓋との間の絶縁もしくは電気抵抗を大きくすることができるので、アンテナで発生した磁界によってケース本体と裏蓋とを還流する渦電流を抑制することができる。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、裏蓋とリング部材との間に絶縁性の補助スペーサ部材が設けられていることにより、リング部材を金属で形成しても、絶縁性の補助スペーサ部材によってケース本体と裏蓋とがリング部材を介して導通するのを防ぐことができ、これによりケース本体と裏蓋との間の絶縁もしくは電気抵抗を大きくすることができるので、これによってもアンテナで発生した磁界によってケース本体と裏蓋とを還流する渦電流を抑制することができる。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、スペーサ部材が、ケース本体と裏蓋との間、および裏蓋とリング部材との間の両方に跨って設けられていることにより、リング部材を金属で形成しても、スペーサ部材によってケース本体と裏蓋との接触、および裏蓋とリング部材との接触を防ぐことができ、これによりケース本体と裏蓋との間、および裏蓋とリング部材との間の絶縁もしくは電気抵抗を大きくすることができるので、これによってもアンテナで発生した磁界によってケース本体と裏蓋とを還流する渦電流を抑制することができるほか、スペーサ部材がケース本体と裏蓋との間、および裏蓋とリング部材との間の両方に跨って設けられるので、スペーサ部材としての部品点数を最小限に抑えることができ、これにより低コスト化を図ることができる。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、裏蓋の外周部に鍔部が設けられ、リング部材に鍔部が挿入する段差凹部が設けられていることにより、ケース本体に対するリング部材の螺合面積を大きくすることができ、これによりリング部材によって裏蓋をケース本体に確実に且つ強固に固定することができる共に、裏蓋をケース本体にコンパクトに取り付けることができ、これによりケース全体の小型化をも図ることができる。
【0027】
請求項9に記載の発明によれば、内部に標準時刻電波を受信するアンテナ、およびこのアンテナで受信した標準時刻電波に基づいて時刻修正をする時計モジュールが収容される金属製のケース本体と、このケース本体の裏面側に取り付けられる金属製の裏蓋と、前記ケース本体の内周面に螺合して前記裏蓋を前記ケース本体に押し付けて固定するリング部材と、前記ケース本体と前記裏蓋との間に介在されてその間の絶縁もしくは電気抵抗を大きくするためのスペーサ部材とを備えているので、請求項1に記載の発明と同様、ケース本体および裏蓋を金属で形成しても、内部に収容されるアンテナの受信感度の低下を防ぐことができる。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、裏蓋とリング部材との間に絶縁性の補助スペーサ部材が設けられていることにより、請求項6に記載の発明と同様、リング部材を金属で形成しても、絶縁性の補助スペーサ部材によってケース本体と裏蓋とがリング部材を介して導通するのを防ぐことができ、これによりケース本体と裏蓋との間の絶縁もしくは電気抵抗を大きくすることができるので、これによってもアンテナで発生した磁界によってケース本体と裏蓋とを還流する渦電流を抑制することができる。
【0029】
請求項11に記載の発明によれば、金属製のケース本体の内周面に螺合するリング部材によって金属製の裏蓋を前記ケース本体に押え付けて固定する際に、前記ケース本体と前記裏蓋との間にその間の絶縁もしくは電気抵抗を大きくするためのスペーサ部材を設けた時計ケースと、この時計ケースの内部に収容された標準時刻電波を受信するためのアンテナと、前記時計ケースの内部に収容され、前記アンテナで受信した標準時刻電波に基づいて時刻を修正する時計モジュールとを備えた電波時計であることにより、時計ケースが金属製であっても、請求項1または9に記載の発明と同様、内部に収容されたアンテナの受信感度の低下を防ぐことができ、これによりアンテナで受信した標準時刻電波に基づいて時計モジュールの時刻を正確に且つ確実に修正することができる。
【0030】
請求項12に記載の発明によれば、裏蓋とリング部材との間に絶縁性の補助スペーサ部材が設けられていることにより、請求項6または10に記載の発明と同様、リング部材を金属で形成しても、絶縁性の補助スペーサ部材によってケース本体と裏蓋とがリング部材を介して導通するのを防ぐことができ、これによりケース本体と裏蓋との間の絶縁もしくは電気抵抗を大きくすることができるので、これによってもアンテナで発生した磁界によってケース本体と裏蓋とを還流する渦電流を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
(実施形態1)
以下、図1〜図3を参照して、この発明を電波腕時計に適用した実施形態1について説明する。
図1はこの発明の電波腕時計の要部を示した拡大断面図、図2は図1のリング部材を示した平面図、図3は図1の要部を示した拡大断面図である。
この電波時計は、図1に示すように、腕時計ケース1を備えている。
【0032】
この腕時計ケース1は、図1に示すように、上下に開口されて内部に時計モジュール2を収容するケース本体3と、このケース本体3の上部中央部にパッキン4aを介して装着された時計ガラス4と、ケース本体3の下部に防水パッキン5を介して取り付けられる裏蓋6と、この裏蓋6をケース本体3に固定するためのリング部材7と、ケース本体3と裏蓋6との間を絶縁するためのスペーサ部材8とを備えている。この場合、ケース本体3には、腕時計ケース1を腕に装着するための時計バンド(図示せず)が取り付けられている。
【0033】
時計モジュール2は、時刻表示部やLSIなどの時計機能に必要な各種の電子部品を備えているほか、標準時刻電波を受信するアンテナ9を備え、このアンテナ9で受信した標準時刻電波に基づいて時刻を修正するように構成されている。この場合、時刻表示部は、指針を運針させて時刻を指示するアナログムーブメント、または時刻などの情報を電気光学的に表示する平面型の表示素子、あるいはアナログムーブメントと表示素子との双方を備えたものである。
【0034】
アンテナ9は、バーアンテナであり、アモルファスやフェライトなどの比透磁率が高く、導電率が小さい磁性部材で形成された棒状のコアと、このコアの周囲に銅などの導線を巻き付けたコイルとを備え、電波による磁界中に置かれると、その磁界による磁束が周囲空間よりも比透磁率が高いコアに集中してコイルに鎖交し、このコイルに磁束変化を妨げる向きに磁界を発生させるように誘導起電力が生じる構成になっている。
【0035】
また、時計モジュール2の回路構成は、回路全般を制御する制御部と、アンテナ9のコイルに発生した誘導起電力を検出して標準時刻のデータを取り出す受信回路と、発信器に基づいて現在時刻を計時する計時回路とを有し、受信回路で取り出された標準時刻データに基づいて制御部が計時回路による計時時刻を修正すると共に、時刻表示部を制御して修正された現在時刻を指示表示するように構成されている。
【0036】
ところで、ケース本体3は、ステンレスやチタンなどの強度の高い金属で形成されており、このケース本体3の上部外周面には、図1に示すように、装飾用のベゼル10が取り付けられている。また、このケース本体3の内部における時計ガラス4の下側には、見切り部材11がケース本体3の内周面に沿って配置されている。また、このケース本体3の下部内周面には、図1に示すように、切欠凹部12がケース本体3の内周面に沿って連続して設けられており、この切欠凹部12の内周面には、雌ねじ13が設けられている。
【0037】
一方、裏蓋6は、ケース本体3と同様、ステンレスやチタンなどの強度の高い金属でほぼ円板状に形成されている。この場合、裏蓋6は、図1および図3に示すように、その外周部がケース本体3の内周面に沿って設けられた切欠凹部12に挿入すると共に、この外周部の上部に鍔部14が外周側に突出して設けられ、この鍔部14の下側における裏蓋6の外周面とケース本体3の切欠凹部12の内周面との間にリング形状の隙間が設けられるように構成されている。
【0038】
リング部材7は、合成樹脂やセラミックなどの非金属からなり、図1〜図3に示すように、全体がリング形状に形成され、その外周面に雄ねじ15が設けられ、この雄ねじ15がケース本体3の切欠凹部12の内周面に設けられた雌ねじ13に螺合することにより、裏蓋6の外周面とケース本体3の切欠凹部12の内周面との間に設けられたリング形状の隙間に挿入して、裏蓋6の鍔部14をケース本体3の切欠凹部12の下面に押し付けて固定するように構成されている。
【0039】
この場合、裏蓋6の鍔部14の上面とケース本体3の切欠凹部12の下面との間には、図1および図3に示すように、スペーサ部材8と防水パッキン5とが設けられている。スペーサ部材8は、絶縁性を有する平板状のリングであり、裏蓋6の鍔部14における外周側の上面とケース本体3の切欠凹部12における外周側の下面との間に配置され、金属製のケース本体3と金属製の裏蓋6との電気的な絶縁を図るように構成されている。
【0040】
防水パッキン5は、ゴムなどの絶縁性材料からなり、全体がリング形状に形成され、図1および図3に示すように、ケース本体3の切欠凹部12の下面にリング状に連続して形成された凹溝16内に配置され、その下端面が裏蓋6の鍔部14の上面に圧接し、これによりケース本体3と裏蓋6との間の防水を図るように構成されている。この場合、裏蓋6の鍔部14の上面とケース本体3の切欠凹部12の下面とは、防水リング5およびスペーサ部材8によって、相互に接触しないようになっている。
【0041】
このような腕時計ケース1によれば、内部にアンテナ9が収容される金属製のケース本体3の内周面にリング部材7を螺合させることにより、金属製の裏蓋6の鍔部14を金属製のケース本体3における切欠凹部12の下面に押し付けて固定する際に、ケース本体3の切欠凹部12の下面と裏蓋6の鍔部14の上面との間にスペーサ部材8を設けてケース本体3と裏蓋3との間の絶縁を図っているので、ケース本体3内のアンテナ9が電波を受信して磁界を発生するときに、アンテナ9で発生した磁界がケース本体3および裏蓋6を通過することによって発生する渦電流、つまりケース本体3と裏蓋6とを還流する渦電流を抑制することができ、これによりケース本体3および裏蓋6を金属で形成しても、内部に収容されるアンテナ9の受信感度の低下を防ぐことができる。
【0042】
この場合、リング部材7は合成樹脂やセラミックなどの非金属で形成されていることにより、金属製のケース本体3と金属製の裏蓋6とがリング部材7を介して導通するのを防ぐことができ、これによりケース本体3と裏蓋6との間を確実に絶縁することができるので、これによってもアンテナ9に発生した磁界によってケース本体3と裏蓋6とを還流する渦電流を抑制することができる。また、裏蓋6の外周部に鍔部14が設けられ、ケース本体3に鍔部14を含む裏蓋6の外周部分が挿入する切欠凹部12が設けられていることにより、リング部材7によって裏蓋6の鍔部14をケース本体3の切欠凹部12の下面に確実に押し付けて固定することができる共に、裏蓋6をケース本体3にコンパクトに取り付けることができ、これによりケース全体の小型化をも図ることができる。
【0043】
なお、上記実施形態1では、裏蓋6とケース本体3との間にスペーサ部材8を設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば図4に示す変形例のように、防水パッキン5によって裏蓋6の鍔部14の上面とケース本体3の切欠凹部12の下面とが相互に接触しないように、裏蓋6の鍔部14の上面とケース本体3の切欠凹部12の下面との間に隙間を設けて絶縁を図るように構成しても良い。このように構成すれば、防水パッキン5がスペーサ部材8としての絶縁機能をも兼ね備えることができるので、別部品としてのスペーサ部材8が不要になり、部品点数を削減することができると共に、組立て作業の簡素化を図ることができ、これにより低コスト化を図ることができる。
【0044】
(実施形態2)
次に、図5を参照して、この発明を適用した電波腕時計の実施形態2について説明する。なお、図1〜図3に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この電波腕時計の腕時計ケース20は、リング部材21を金属で形成し、このリング部材21と裏蓋6との間に絶縁性を有する補助スペーサ部材22を設けた構成で、これ以外は実施形態1と同じ構成なっている。
【0045】
すなわち、リング部材21は、ケース本体3および裏蓋6と同様、ステンレスやチタンなどの強度の高い金属からなり、全体がリング形状に形成され、その外周面に雄ねじ15が設けられ、この雄ねじ15がケース本体3の切欠凹部12の内周面に設けられた雌ねじ13に螺合することにより、図5に示すように、リング部材21の内周面が裏蓋6の外周面に接触することがなく、裏蓋6の外周面とケース本体3の切欠凹部12の内周面との間に設けられたリング形状の隙間に挿入し、これにより裏蓋6の鍔部14をケース本体3の切欠凹部12の下面に押し付けて固定するように構成されている。
【0046】
補助スペーサ部材22は、図5に示すように、絶縁性を有する平板状のリングであり、リング部材21の上面と裏蓋6の鍔部14の下面との間に配置され、金属製のリング部材21と金属製の裏蓋6との電気的な絶縁を図るように構成されている。なお、この場合にも、裏蓋6の鍔部14の上面とケース本体3の切欠凹部12の下面との間には、図5に示すように、スペーサ部材8と防水パッキン5とが設けられている。スペーサ部材8は、金属製のケース本体3と金属製の裏蓋6との電気的な絶縁を図り、また防水パッキン5は、ケース本体3と裏蓋6との間の防水を図っている。
【0047】
このような腕時計ケース20においても、実施形態1と同様、ケース本体3の切欠凹部12の下面と裏蓋6の鍔部14の上面との間にスペーサ部材8が設けられているほか、特に裏蓋6の鍔部14の下面とリング部材21の上面との間に絶縁性の補助スペーサ部材22が設けられているので、リング部材21を金属で形成しても、絶縁性の補助スペーサ部材22によってケース本体3と裏蓋6とがリング部材21を介して導通するのを防ぐことができ、これによってもアンテナ9に発生した磁界によってケース本体3と裏蓋6とを還流する渦電流を抑制することができるので、ケース本体3、裏蓋6、およびリング部材21を全て金属で形成しても、内部に収容されるアンテナ9の受信感度の低下を防ぐことができる。
【0048】
なお、上記実施形態2では、裏蓋6とケース本体3との間にスペーサ部材8を設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば図6に示す第1変形例のように、防水パッキン5によって裏蓋6の鍔部14の上面とケース本体3の切欠凹部12の下面とが相互に接触しないように、裏蓋6の鍔部14の上面とケース本体3の切欠凹部12の下面との間に隙間を設けて絶縁を図るようにしても良い。
【0049】
また、図7に示す第2変形例のように、防水パッキン24を平板状のリング形状に形成して裏蓋6とケース本体3との間に配置することにより、裏蓋6の鍔部14の上面とケース本体3の切欠凹部12の下面とが相互に接触しないように、裏蓋6の鍔部14の上面とケース本体3の切欠凹部12の下面との間に隙間を設けて絶縁を図るようにしても良い。
【0050】
このような第1、第2変形例においても、実施形態2と同様の作用効果があるほか、特に図4に示した実施形態1の変形例と同様、防水パッキン5または24がスペーサ部材8としての絶縁機能をも兼ね備えることができるので、別部品としてのスペーサ部材8が不要になり、部品点数を削減することができると共に、組立て作業の簡素化を図ることができ、これにより低コスト化を図ることができる。
【0051】
(実施形態3)
次に、図8を参照して、この発明を適用した電波腕時計の実施形態3について説明する。この場合には、図5に示された実施形態2と同一部分に同一符号を付して説明する。
この電波腕時計の腕時計ケース30は、リング部材31を金属で形成し、このリング部材31に裏蓋6の鍔部14が挿入する段差凹部32を設けた構成で、これ以外は実施形態2とほぼ同じ構成なっている。
【0052】
すなわち、このリング部材31は、実施形態2と同様、ステンレスやチタンなどの強度の高い金属からなり、全体がリング形状に形成されている。この場合、リング部材31は、その高さがケース本体3の切欠凹部12の深さ、つまり裏蓋6の下面から鍔部14の上面までの高さと同じ大きさに形成されている。このリング部材31の外周面には、雄ねじ15が設けられていると共に、リング部材31の内周面には、図8に示すように、裏蓋6の鍔部14が挿入する段差凹部32がリング部材31の全周に沿って設けられている。
【0053】
これにより、リング部材31は、雄ねじ15がケース本体3の切欠凹部12の内周面に設けられた雌ねじ13に螺合することにより、図8に示すように、リング部材31の内周面が裏蓋6の外周面に接触することがなく、しかもリング部材31の段差凹部32の内周面が裏蓋6の鍔部14の外周面にも接触することがなく、この状態で裏蓋6の外周面とケース本体3の切欠凹部12の内周面との間に設けられたリング形状の隙間に挿入し、これによりリング部材31の段差凹部32の上面が裏蓋6の鍔部14をケース本体3の切欠凹部12の下面に押し付けて固定するように構成されている。
【0054】
この場合にも、リング部材31の段差凹部32の上面と裏蓋6の鍔部14の下面との間には、絶縁性を有する補助スペーサ部材22が配置されており、裏蓋6の鍔部14の上面とケース本体3の切欠凹部12の下面との間には、スペーサ部材8と防水パッキン5とが設けられている。補助スペーサ部材22は、リング部材31と裏蓋6との電気的な絶縁を図り、またスペーサ部材8は、金属製のケース本体3と金属製の裏蓋6との電気的な絶縁を図り、さらに防水パッキン5は、ケース本体3と裏蓋6との間の防水を図っている。
【0055】
このような腕時計ケース30においても、実施形態2と同様、ケース本体3と裏蓋6との間にスペーサ部材8が設けられているほか、裏蓋6とリング部材21との間に絶縁性の補助スペーサ部材22が設けられているので、実施形態2と同様、アンテナ9で発生した磁界がケース本体3および裏蓋6を通過することによって発生する渦電流、つまりケース本体3と裏蓋6とを還流する渦電流を抑制することができ、これによりケース本体3、裏蓋6、およびリング部材31を全て金属で形成しても、内部に収容されるアンテナ9の受信感度の低下を防ぐことができる。
【0056】
特に、この腕時計ケース30では、リング部材31がケース本体3の切欠凹部12の深さと同じ高さで形成され、このリング部材31に裏蓋6の鍔部14が挿入する段差凹部32を設けているので、リング部材31の外周面に雄ねじ15を十分に長く形成することができ、これによりケース本体3に対するリング部材31の螺合面積を大きくすることができるので、リング部材31によって裏蓋6をケース本体3に確実に且つ強固に固定することができると共に、裏蓋6をケース本体3にコンパクトに取り付けることができ、これによりケース全体の小型化をも図ることができる。
【0057】
なお、上記実施形態1〜3およびその各変形例では、スペーサ部材8および補助スペーサ部材22が裏蓋6の外周に沿って連続するリング形状に形成されている場合について述べたが、これに限らず、例えばスペーサ部材8および補助スペーサ部材22を裏蓋6の外周に沿って部分的に設けた構成でも良い。このようにスペーサ部材8および補助スペーサ部材22を部分的に設けた構成であっても、ケース本体3と裏蓋6との相互の接触、および裏蓋6とリング部材21、31との相互の接触を防いで、ケース本体3と裏蓋6との間、および裏蓋6とリング部材21、31との間に隙間を部分的に設けることができ、これによりケース本体3と裏蓋6との間、および裏蓋6とリング部材21、31との間の絶縁を図ることができる。
【0058】
(実施形態4)
次に、図9を参照して、この発明を適用した電波腕時計の実施形態4について説明する。この場合にも、図5に示された実施形態2と同一部分に同一符号を付して説明する。
この電波腕時計の腕時計ケース40は、裏蓋6の鍔部14の先端外周部に絶縁性を有するスペーサ部材41を設けた構成で、これ以外は実施形態2とほぼ同じ構成なっている。
【0059】
すなわち、このスペーサ部材41は、絶縁性材料からなり、図9に示すように、全体がリング形状に形成されていると共に、断面形状がほぼコ字状に形成されている。この場合、スペーサ部材41は、その内周面に取付凹部42が設けられ、この取付凹部42に裏蓋6の鍔部14の先端外周面に設けられた嵌合突起43が嵌合し、これにより裏蓋6の鍔部14の先端外周部に取り付けられている。また、このスペーサ部材41は、その上下方向の厚みが裏蓋6の鍔部14の厚みとほぼ同じに形成されていると共に、その上下面に突起部44がそれぞれ設けられている。
【0060】
これにより、スペーサ部材41は、リング部材21の雄ねじ15がケース本体3の切欠凹部12の内周面に設けられた雌ねじ13に螺合すると、図9に示すように、リング部材21の内周面が裏蓋6の外周面に接触することがなく、裏蓋6の外周面とケース本体3の切欠凹部12の内周面との間に設けられたリング形状の隙間に挿入し、これによりリング部材21の上面がスペーサ部材41を介して裏蓋6の鍔部14をケース本体3の切欠凹部12の下面に押し付けて固定するように構成されている。
【0061】
このときには、スペーサ部材41の上面に設けられた突起部44によって裏蓋6の鍔部14の上面とケース本体3の切欠凹部12の下面とが接触しないように、その両者の間に隙間が設けられると共に、スペーサ部材41の下面に設けられた突起部44によって裏蓋6の鍔部14の下面とリング部材21の上面とが接触しないように、その両者の間に隙間が設けられる。この場合にも、裏蓋6の鍔部14の上面とケース本体3の切欠凹部12の下面との間には、ケース本体3と裏蓋6との間の防水を図る防水パッキン5が設けられている。
【0062】
このような腕時計ケース40においても、ケース本体3と裏蓋6との間、および裏蓋6とリング部材21との間の両方に跨って絶縁性のスペーサ部材41が設けられているので、実施形態2と同様、ケース本体3と裏蓋6との間、および裏蓋6とリング部材21との間の両方の絶縁を図ることができ、これによりアンテナ9で発生した磁界がケース本体3および裏蓋6を通過することによって発生する渦電流、つまりケース本体3と裏蓋6とを還流する渦電流を抑制することができるので、ケース本体3、裏蓋6、およびリング部材21を金属で形成しても、内部に収容されるアンテナ9の受信感度の低下を防ぐことができる。
【0063】
特に、この腕時計ケース40では、裏蓋6の鍔部14の外周に取り付けられたスペーサ部材41が、ケース本体3と裏蓋6との間、および裏蓋6とリング部材21との間の両方に跨って設けられているので、リング部材21を金属で形成しても、スペーサ部材41によってケース本体3と裏蓋6とがリング部材21を介して導通するのを防ぐことができ、これによってもアンテナ9に発生した磁界によってケース本体3と裏蓋6とを還流する渦電流を抑制することができるほか、スペーサ部材としての部品点数を最小限に抑えることができ、これにより低コスト化を図ることができる。
【0064】
(実施形態5)
次に、図10を参照して、この発明を適用した電波腕時計の実施形態5について説明する。この場合にも、図5に示された実施形態2と同一部分に同一符号を付して説明する。
この電波腕時計の腕時計ケース50は、ケース本体3の切欠凹部12の下面にスペーサ部材51を設け、このスペーサ部材51が裏蓋6の鍔部14に設けられた貫通孔52を通して鍔部14の下側に突出し、この突出した先端部がリング部材21の上面に当接する構成で、これ以外は実施形態2とほぼ同じ構成なっている。
【0065】
すなわち、ケース本体3の切欠凹部12の内面には、図10に示すように、スペーサ部材51が装着する装着溝53がケース本体3の内周面に沿って連続して設けられている。スペーサ部材51は、ケース本体3の装着溝53に装着するリング形状に形成されており、その下面には、複数の突起部54が下方に突出して設けられている。この場合、裏蓋6の鍔部14には、図10に示すように、スペーサ部材51の複数の突起部54がそれぞれ挿入する複数の貫通孔52が設けられている。
【0066】
これにより、スペーサ部材51は、リング部材21の雄ねじ15がケース本体3の切欠凹部12の内周面に設けられた雌ねじ13に螺合すると、図10に示すように、リング部材21の内周面が裏蓋6の外周面に接触することがなく、裏蓋6の外周面とケース本体3の切欠凹部12の内周面との間に設けられたリング形状の隙間に挿入し、これによりリング部材21の上面がスペーサ部材51の複数の突起部54をケース本体3の装着溝53内に押し付けることにより、裏蓋6の鍔部14をケース本体3の切欠凹部12の下面に固定するように構成されている。
【0067】
このときには、スペーサ部材51によって裏蓋6の鍔部14の上面とケース本体3の切欠凹部12の下面との接触を防ぐと共に、スペーサ部材51の下面に設けられた突起部54が裏蓋6の鍔部14に設けられた貫通孔52に挿入して下面側に突出し、この突出した突起部54の下端部によって裏蓋6の鍔部14の下面とリング部材21の上面とが接触しないように、その両者の間に隙間が設けられる。この場合にも、裏蓋6の鍔部14の上面とケース本体3の切欠凹部12の下面との間には、ケース本体3と裏蓋6との間の防水を図る防水パッキン5が設けられている。
【0068】
このような腕時計ケース50においても、ケース本体3と裏蓋6との間に絶縁性のスペーサ部材51が設けられ、裏蓋6とリング部材21との間にスペーサ部材51の複数の突起部54が設けられているので、実施形態2と同様、ケース本体3と裏蓋6との間を絶縁することができ、これによりアンテナ9で発生した磁界がケース本体3および裏蓋6を通過することによって発生する渦電流、つまりケース本体3と裏蓋6とを還流する渦電流を抑制することができるので、ケース本体3、裏蓋6、およびリング部材21を金属で形成しても、内部に収容されるアンテナ9の受信感度の低下を防ぐことができる。
【0069】
特に、この腕時計ケース50では、ケース本体3の切欠凹部12の内面に取り付けられたスペーサ部材51が、ケース本体3と裏蓋6との間に設けられていると共に、このスペーサ部材51の複数の突起部54が裏蓋6の鍔部14の貫通孔52に挿入して下方に突出し、この突出した突起部54の下端部によって裏蓋6とリング部材21との間に設けられているので、スペーサ部材51をケース本体3と裏蓋6との間、および裏蓋6とリング部材21との間の両方に跨って設けることができ、これによりリング部材21を金属で形成しても、スペーサ部材51によってケース本体3と裏蓋6とがリング部材21を介して導通するのを防ぐことができると共に、実施形態4と同様、スペーサ部材としての部品点数を最小限に抑えることができ、低コスト化を図ることができる。
【0070】
(実施形態6)
次に、図11を参照して、この発明を適用した電波腕時計の実施形態6について説明する。この場合にも、図5に示された実施形態2と同一部分に同一符号を付して説明する。
この電波腕時計の腕時計ケース60は、裏蓋6の鍔部14の複数個所にスペーサ部材61をそれぞれ上下に突出させて設け、このスペーサ部材61の上端部をケース本体3の切欠凹部12の下面に当接させ、スペーサ部材61の下端部をリング部材21の上面に当接させた構成で、これ以外は実施形態2とほぼ同じ構成なっている。
【0071】
この場合、裏蓋6の鍔部14における複数箇所には、上下に貫通する貫通孔62がそれぞれ設けられている。スペーサ部材61は、絶縁性材料からなり、図11に示すように、それぞれビス形状に形成され、裏蓋6の鍔部14の複数個所に設けられた貫通孔62に挿入されて上下に突出して設けられ、これにより上端部がケース本体3の切欠凹部12の下面に当接して、ケース本体3の切欠凹部12の下面と裏蓋6の鍔部14の上面との間に隙間を形成し、下端部がリング部材21の上面に当接して、リング部材21の上面と裏蓋6の鍔部14の下面との間に隙間を形成するように構成されている。
【0072】
このような腕時計ケース60においても、ケース本体3と裏蓋6との間、および裏蓋6とリング部材21との間の両方に絶縁性のスペーサ部材61が設けられているので、実施形態2と同様、スペーサ部材61によってケース本体3と裏蓋6との間、および裏蓋6とリング部材21との間の両方の絶縁を図ることができる。このため、アンテナ9で発生した磁界がケース本体3および裏蓋6を通過することによって発生する渦電流、つまりケース本体3と裏蓋6とを還流する渦電流を抑制することができ、これによりケース本体3、裏蓋6、およびリング部材31を全て金属で形成しても、内部に収容されるアンテナ9の受信感度の低下を防ぐことができる。
【0073】
特に、この腕時計ケース60では、裏蓋6の鍔部14の複数個所にスペーサ部材61をそれぞれ上下に突出させて設け、このスペーサ部材61の上端部をケース本体3の切欠凹部12の下面に当接させ、スペーサ部材61の下端部をリング部材21の上面に当接させたので、リング部材21を金属で形成しても、スペーサ部材61によってケース本体3と裏蓋6とがリング部材21を介して導通するのを防ぐことができ、これによってもアンテナ9に発生した磁界によってケース本体3と裏蓋6とを還流する渦電流を確実に抑制することができる。
【0074】
なお、上記実施形態1〜6およびその各変形例では、スペーサ部材8、41、51、61を絶縁性材料で形成した場合について述べたが、必ずしも絶縁性材料で形成する必要はなく、例えば電気抵抗の大きい材料で形成すると共に、ケース本体3と裏蓋6とに接触する面積を小さくすることにより、ケース本体3と裏蓋6との間の電気抵抗を大きくし、これによりアンテナ9で発生した磁界がケース本体3および裏蓋6を通過することによって発生する渦電流、つまりケース本体3と裏蓋6とを還流する渦電流を抑制するように構成しても良い。
【0075】
また、上記実施形態1〜6およびその各変形例では、腕時計に適用した場合について述べたが、必ずしも腕時計である必要はなく、トラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の時計に適用することができるほか、これに限らず、携帯電話機、携帯情報端末機などの電子機器にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】この発明を適用した電波腕時計の要部を示した拡大断面図である。(実施形態1)
【図2】図1のリング部材を示した平面図である。
【図3】図1の要部を示した拡大断面図である。
【図4】この発明の実施形態1の変形例を示した要部の拡大断面図である。
【図5】この発明を適用した電波腕時計における要部の拡大断面図である。(実施形態2)
【図6】この発明の実施形態2の第1変形例を示した要部の拡大断面図である。
【図7】この発明の実施形態2の第2変形例を示した要部の拡大断面図である。
【図8】この発明を適用した電波腕時計における要部の拡大断面図である。(実施形態3)
【図9】この発明を適用した電波腕時計における要部の拡大断面図である。(実施形態4)
【図10】この発明を適用した電波腕時計における要部の拡大断面図である。(実施形態5)
【図11】この発明を適用した電波腕時計における要部の拡大断面図である。(実施形態6)
【符号の説明】
【0077】
1、20、30、40、50、60 腕時計ケース
2 時計モジュール
3 ケース本体
4 時計ガラス
5、24 防水パッキン
6 裏蓋
7、21、31 リング部材
8、41、51、61 スペーサ部材
9 アンテナ
12 切欠凹部
13 雌ねじ
14 鍔部
15 雄ねじ
22 補助スペーサ部材
32 段差凹部
44、54 突起部
【出願人】 【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
【出願日】 平成18年7月27日(2006.7.27)
【代理人】 【識別番号】100090619
【弁理士】
【氏名又は名称】長南 満輝男


【公開番号】 特開2008−32446(P2008−32446A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−204120(P2006−204120)