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【発明の名称】 受信回路および時計
【発明者】 【氏名】染谷 薫

【要約】 【課題】回路構成が簡単でかつ信号を精度良く取得することができる。

【構成】受信回路44は、アンテナ回路42により得られた受信信号を増幅する増幅回路80、増幅回路80から出力された信号を周波数変換して中間周波数信号を取得し、中間周波数信号を検波して、復調信号を出力する周波数変換・検波手段100、および、復調信号を受け入れて、中間周波数の成分を除去するフィルタ回路146と、を備える。周波数変換・検波回路100は、局部発振器131と、増幅回路80から出力された信号を受け入れ、局部発振器131からの信号に基づいて、それぞれが位相の異なる中間周波数信号を出力する複数のミクサ133、134と、複数の混合器からの出力信号をそれぞれ検波する複数の検波器141〜144と、検波器141〜144からの信号を加算する加算器145とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間中の電磁波を電気信号として受信するアンテナ回路と、
前記アンテナ回路により得られた受信信号を増幅する増幅手段と、
前記増幅手段から出力された信号を周波数変換して中間周波数信号を取得し、得られた中間周波数信号を検波して、復調された信号を出力する周波数変換・検波手段と、
復調された信号を受け入れて、中間周波数の成分を除去するフィルタ手段と、を備えた受信回路において、
前記周波数変換・検波手段が、
局部発振器と、
前記増幅手段から出力された信号を受け入れ、前記局部発振器からの信号に基づいて、それぞれが位相の異なる中間周波数信号を出力する複数の混合器と、
前記複数の混合器からの出力信号をそれぞれ検波する複数の検波器と、
前記検波器からの信号を加算する加算器と、を有することを特徴とする受信回路。
【請求項2】
前記周波数変換・検波手段が、
前記混合器からの出力をそれぞれ反転する複数の反転器を有し、前記複数の混合器の出力信号、および、その反転出力信号が、それぞれ、複数の検波器に与えられ、当該複数の検波器により検波されることを特徴とする請求項1に記載の受信回路。
【請求項3】
前記周波数変換・検波手段の検波器が、ピークホールド回路から構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の受信回路。
【請求項4】
前記周波数変換・検波手段が、前記複数の混合器の出力信号、または、前記複数の混合器の出力信号および反転器からの出力信号のうちの、何れか1つを順次選択して出力するスイッチ回路を有し、前記スイッチ回路が、前記出力信号が、少なくとも最大振幅を示すときに、その出力信号を選択するように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の受信回路。
【請求項5】
前記周波数変換・検波手段が、前記局部発振器の信号およびその位相がずらされた信号に基づいて、前記スイッチ回路を制御するように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の受信回路。
【請求項6】
前記アンテナ回路が、磁界の変化に応じて電気的な特性が変化する磁界検出手段、前記磁界検出手段に高周波信号を印加する高周波信号発生手段、並びに、前記磁界検出手段および高周波信号発生手段により得られた受信信号を検波する検波手段を有することを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項に記載の受信回路。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項に記載の受信回路と、
前記受信回路により受信および復調された、時刻情報を含む標準電波の信号から、時刻情報を抽出する時刻情報抽出手段と、
時刻を計時する計時手段と、
当該計時手段により計時された時刻を表示する時刻表示手段と、
前記時刻情報抽出手段により抽出された時刻情報に基づいて、前記計時手段により計時された時刻を修正する時刻修正手段と、を備えたことを特徴とする時計。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、受信回路および当該受信回路を備えた時計に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、一部の国において、タイムコードを含む長波標準電波が送信所から送信されている。この標準電波を受信することで、タイムコードを取り出して、時刻を修正可能な電波時計が実現されている。日本では、2つの送信所から、それぞれ、40kHzおよび60kHzの長波標準電波が送出されている。タイムコードは、1周期60秒のフレームである。
【0003】
このような長波標準電波を受信する受信回路においては、たとえば、スーパーヘテロダイン方式を利用して、40kHzの標準電波の信号から、いったん所定の周波数(たとえば、30Hz)の中間周波数信号を取り出し、さらに、これをフィルタを通過させて、中間周波数の成分を除去している。
【0004】
図11は、従来の周波数変換回路および検波回路の例を示す図である。たとえば、40KHzの標準電波の信号は、増幅器180にて増幅されてミクサ(混合器)182に印加される。ミクサ182には、局部発振器181からの信号も与えられる。この局部発振器181から、たとえば、39.97KHzの信号が与えられる結果、ミクサ182からは、30Hzの中間周波数信号が取り出される。ミクサ182の出力は、30Hz周辺の帯域を通過させるバンドパスフィルタ(BPF)183および増幅器184を経て、検波器185に印加される。検波器185の出力は、最終的に、ローパスフィルタ(LPF)186で帯域制限される。つまり、検波器185の出力を受けるLPF186が、中間周波数の成分を十分に除去し、変調波形のみを取り出す役割をもつことになる。
【0005】
たとえば、長波標準電波を受信するために、特許文献1には、周波数変換回路に与える局部発振信号を逓倍回路により切り替え可能にして、40kHzおよび60kHzの双方の信号から中間周波数信号を取り出す技術が開示されている。また、特許文献2には、局部発振信号の周波数を、二つの周波数の中間とするような技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−80073号公報
【特許文献2】特開2004−88341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図11に示す例を参照して説明したように、中間周波数が、たとえば、30Hz程度と低いときに、30Hzの中間周波数の成分をLPFで十分に落とすことは、カットオフ周波数をさらに低くするか、或いは、LPFを高次のフィルタとするなどの対応が必要であった。30Hzの中間周波数信号を十分に積分するためにはその時定数を相当に大きくする必要がある。たとえば、5Hzの信号を通過させるため、カットオフ周波数fを5Hzとすると、30Hz成分は7dB程度の減衰にすぎず、相当部分が残ることがわかる。
【0007】
カットオフ周波数を低くすることは、変調信号自体も劣化させるという問題点があり、また、高次のフィルタとすると、回路が複雑でその規模も大きくなるという問題点があった。
【0008】
本発明は、回路構成が簡単でかつ変調信号が精度良く取得可能な周波数変換・検波回路を有する受信回路、並びに、この受信回路を備えた電波時計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、空間中の電磁波を電気信号として受信するアンテナ回路と、前記アンテナ回路により得られた受信信号を増幅する増幅手段と、前記増幅手段から出力された信号を周波数変換して中間周波数信号を取得し、得られた中間周波数信号を検波して、復調された信号を出力する周波数変換・検波手段と、復調された信号を受け入れて、中間周波数の成分を除去するフィルタ手段と、を備えた受信回路において、
前記周波数変換・検波手段が、局部発振器と、前記増幅手段から出力された信号を受け入れ、前記局部発振器からの信号に基づいて、それぞれが位相の異なる中間周波数信号を出力する複数の混合器と、前記複数の混合器からの出力信号をそれぞれ検波する複数の検波器と、前記検波器からの信号を加算する加算器と、を有することを特徴とする受信回路により達成される。
【0010】
本発明によれば、位相の異なる(たとえば、90°位相がずれた)出力信号を検波して、検波出力を合成する。これにより、後段のフィルタ手段の時定数を比較的小さくすることが可能であり、簡単な構成のフィルタ手段で、十分な検波出力の積分効果を上げることができ、しかも、取り出したい変調波形を乱すおそれを小さくすることができる。
【0011】
好ましい実施態様においては、前記周波数変換・検波手段が、前記混合器からの出力をそれぞれ反転する複数の反転器を有し、前記複数の混合器の出力信号、および、その反転出力信号が、それぞれ、複数の検波器に与えられ、当該複数の検波器により検波される。
【0012】
また、別の好ましい実施態様においては、前記周波数変換・検波手段の検波器が、ピークホールド回路から構成される。
【0013】
さらに別の好ましい実施態様において、前記周波数変換・検波手段が、前記複数の混合器の出力信号、または、前記複数の混合器の出力信号および反転器からの出力信号のうちの、何れか1つを順次選択して出力するスイッチ回路を有し、前記スイッチ回路が、前記出力信号が、少なくとも最大振幅を示すときに、その出力信号を選択するように構成されている。
【0014】
より好ましくは、周波数変換・検波手段は、前記局部発振器の信号およびその位相がずらされた信号に基づいて、前記スイッチ回路を制御する。
【0015】
また、本発明の好ましい実施態様においては、アンテナ回路が、磁界の変化に応じて電気的な特性が変化する磁界検出手段、前記磁界検出手段に高周波信号を印加する高周波信号発生手段、並びに、前記磁界検出手段および高周波信号発生手段により得られた受信信号を検波する検波手段を有する。
【0016】
また、本発明の目的は、上述した受信回路と、前記受信回路により受信および復調された、時刻情報を含む標準電波の信号から、時刻情報を抽出する時刻情報抽出手段と、時刻を計時する計時手段と、当該計時手段により計時された時刻を表示する時刻表示手段と、前記時刻情報抽出手段により抽出された時刻情報に基づいて、前記計時手段により計時された時刻を修正する時刻修正手段と、を備えたことを特徴とする時計により達成される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、回路構成が簡単でかつ変調信号が精度良く取得可能な周波数変換・検波回路を有する受信回路、並びに、これら回路を備えた電波時計を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[回路構成]
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる時計の回路の内部構成を示すブロックダイヤグラムである。図1に示すように、時計は、CPU50、入力部51、表示部52、ROM53、RAM54、受信回路44、計時回路部55および発振回路部56を備える。
【0019】
CPU50は、所定のタイミングで、或いは、入力部51から入力された操作信号に応じてROM53に格納されたプログラムを読み出して、RAM54に展開し、当該プログラムに基づいて、時計を構成する各部への指示やデータの転送などを実行する。具体的には、たとえば所定時間毎に受信回路44を制御して標準電波を受信させて、受信回路44からのタイムコードの信号に基づいて計時回路部55で計時される現在時刻データを修正する処理や、計時回路部55によって計時された現在時刻を表示部52に転送する処理などを実行する。
【0020】
入力部51は、時計の各種機能の実行を指示するためのスイッチ(図示せず)を含み、スイッチが操作されると、対応する操作信号をCPU50に出力する。表示部52は、時計の文字盤(図示せず)、CPU50によって制御されたアナログ指針機構(図示せず)、液晶パネル(図示せず)などを含み、計時回路部55によって計時された現在時刻を表示する。ROM53は、時計を動作させ、また、所定の機能を実現するためのシステムプログラムやアプリケーションプロググラム、データなどを記憶する。RAM54は、CPU50の作業領域として用いられ、ROM53から読み出されたプログラムやデータ、CPU50にて処理されたデータなどを一時的に記憶する。
【0021】
受信回路44は、アンテナ回路42を含み、アンテナ回路42にて受信された信号から所定の周波数の信号を取り出して、取り出された信号をCPU50に出力する。計時回路部55は、発振回路部56から入力される信号を計数して現在時刻を計時し、現在時刻データをCPU50に出力する。発振回路部56は、常時一定周波数のクロック信号を出力する。
【0022】
図2は、受信回路44の概略を示すブロックダイヤグラムである。図2に示すように、受信回路44は、アンテナ回路42、フィルタ回路70、増幅回路80、バンドパスフィルタ(BPF)90、および、周波数変換・検波回路100を有する。フィルタ回路70は、例示的にローパスフィルタとしているが、これに限定されるものではなく、バンドパスフィルタ(BPF)を利用しても良い。
【0023】
アンテナ回路42は、図3に示すように、磁性体175に導線176を巻きつけたコイルLおよびコンデンサCを有する。アンテナ回路42からは標準電波の相当する信号が出力され、フィルタ回路70および増幅回路80およびBPF90を経て、周波数変換・検波回路100に与えられる。
【0024】
周波数変換・検波回路100は、受け入れた信号を周波数変換して、中間周波数信号を取り出し、さらに、中間周波数信号を検波することで、最終的に標準電波の信号を復調する。復調された信号は、CPU50に与えられ、CPU50においてデコードされ、時間情報が抽出される。
[周波数変換・検波回路]
以下、本発明の実施の形態にかかる周波数変換・検波回路100についてより詳細に説明する。
【0025】
図4は、本実施の形態にかかる周波数変換・検波回路100の例を示す図である。図4に示すように、周波数変換回路100は、増幅器130、局部発振器131、90°シフト回路132、ミクサ(混合器)133、134、バンドパスフィルタ(BPF)135、136、増幅器137、138、反転器139、140、検波器141〜144、加算器145、および、ローパスフィルタ146を有する。
【0026】
局部発振器131は、たとえば、39.97KHzの信号を出力する(受信電波が40KHzである場合)。局部発振器131の出力は、ミクサ133に印加される一方、90°シフト回路にも与えられ、90°シフト回路により90°だけ位相がずらされた状態で、ミクサ134に与えられる。
【0027】
また、BPF135、136は、それぞれ、ミクサ133、134から出力された信号を受け入れて、30Hzの中間周波数信号を取り出す。これら中間周波数信号は、90°位相がずれており、直交検波によるI信号、Q信号に相当する。その後、BPF135からの出力は、増幅器137を経て、第1の検波器(DET1)141に与えられるとともに、さらに反転器139を経て、第2の検波器(DET2)142に与えられる。同様に、BPF136からの出力は、増幅器138を経て、第3の検波器(DET3)143に与えられるとともに、さらに反転器140を経て、第4の検波器(DET4)144に与えられる。
【0028】
第1ないし第4の検波器141〜144の出力は、加算器145により加算され、加算された信号がLPF146に与えられる。
【0029】
電波時計の標準電波は、特に、データ伝送が遅い(1bps)。したがって、検波器の出力を受け入れるLPFにおいては積分時定数を上げることが容易ではない。そこで、本実施の形態においては、直交検波により90°位相がずれた中間周波数信号を作り、さらに、それぞれの信号およびその反転信号をそれぞれ検波して合成することにより、積分効果を向上させている。
【0030】
たとえば、図5に示すように、a点の信号を直交検波することにより、b点、c点では90°位相がずれた信号を得ることができる(図5で、それぞれ、曲線b、cで示す)。b点の信号を、sinωtと考えると、c点の信号は、その位相が90°だけずれているので、cosωtとなる。d点の信号およびe点の信号の和を、|d|+|e|,f点の信号およびg点の信号の和を、|f|+|g|と表すと、
|d|+|e|=|sinωt|=1/2*√(1+cos2ωt) ・・・(1)
|f|+|g|=|cosωt|=1/2*√(1−cos2ωt) ・・・(2)
加算器145の出力であるh点の信号の大きさは、|d|+|e|+|f|+|g|であり、したがって、これを|h|と表すと、|h|は、以下の式で表すことができる。
【0031】
|h|=1/2*(√(1+cos2ωt)+√(1−cos2ωt))
・・・(3)
なお、なお、d点〜g点の信号および合成した後のh点での信号を図6に示す。図6において、d点〜g点の信号を、それぞれ、d、e、f、gで示し、h点での信号をhで示している。上記(3)式において、ルートの中は「0」以上であるため、(3)式は以下のように変形することができる。
【0032】
|h|=√(h)=√((1/4)*(2+2*√(1−(cos2ωt))))
=√((1/4)*(2+2*√(1−1/2*√(1−cos4ωt))))
・・・(4)
(4)式に示すように、|h|においては、単なる検波信号(sinωt、以下、「原信号」ともいう)と比較して、4倍の周波数の信号が生成されていることになる。また、|h|の最大値は、cos4ωt=1のときで、|h|=1となる。また、最小値は、cos4ωt=−1のときで、
|h|=√(1/4*2+√(4−2√2))となる。
【0033】
最大振幅に対するリップルは、(最大値−最小値)であり、この場合、(1−√(1/4*2+√(4−2√2))≒0.122となる。このような結果から、本実施の形態のように、各検波器からの出力d、e、f、gを合成したことにより、18.2dBのフィルタ効果を持たせることが可能となる。また、(4)式から、本実施の形態においては、原信号に対して4倍の周波数の信号が発生するとみなすことができるため、CR1段の構成によるLPFによるフィルタ効果は、図7に示すようなものとなる。周波数f、カットオフ周波数をf、減衰特性を2/√(1+f/f)としている。
【0034】
(1)従来の検波により原信号に5Hzのフィルタを適用すると、−15.7dBの減衰特性であるのに対して、(2)本実施の形態により合成された信号に5Hzのフィルタを適用すると、−45dBの減衰特定となる。
【0035】
本実施の形態によれば、18.2dBのフィルタ効果、および、図7に示すような改善されたフィルタ特性から、単純な5Hzのフィルタを入れることで、−45dBの減衰特性を得ることができる。仮に、(1)のような従来の検波による場合に、(2)と同様に−45dBの減衰特性を持たせるためには、1次のLPFであれば、f=0.3Hzとしなければならないが、この場合には、LPFを経た後の信号の劣化が大きいことが予想される。これを避けるためには、高次のLPFを適用する必要がある。
【0036】
これに対して、本実施の形態によれば、直交検波と同様に2つの90°位相がずれた2つの中間周波数信号(I信号およびQ信号に相当する)を取得し、かつ、I信号およびその反転信号、Q信号およびその反転信号を検波し、検波された信号を合成している。合成された信号のリップルは非常に小さく、かつ、原信号に対して4倍の周波数の信号が発生しているとみなすことができるため、簡単なLPFにより十分に不要な成分が除去され、かつ、必要な信号の劣化も防止することが可能となる。
[周波数変換・検波回路の他の例]
図8は、周波数変換・検波回路の他の例を示す図である。図4の例と同様に、この周波数変換・検波回路も、増幅器130、局部発振器131、90°シフト回路132、ミクサ(混合器)133、134、バンドパスフィルタ(BPF)135、136、増幅器137、138、反転器139、140、加算器145、および、ローパスフィルタ146を有する。また、この例では、検波器141〜144の代わりに、ピークホールド回路151〜154が用いられる。このように、ピークホールド回路151〜154を利用して検波した場合にも同様の効果を得ることができる。
[さらに他の実施の形態]
図9は、周波数変換・検波回路のさらに他の例を示す図である。図4の例では、I信号、その反転信号、Q信号およびその反転信号をそれぞれ検波する検波器141から144が設けられていた。図9の例では、I信号、その反転信号、Q信号およびその反転信号のうちの何れかを選択するスイッチ回路160が設けられている。スイッチ回路160には、局部発振器131および90°シフト回路132からの信号が入力される。
【0037】
図10はスイッチ回路160をより詳細に示す図である。図10に示すように、スイッチ回路160は、比較器161〜164、反転器165、直流電源166、アンド回路167〜170およびスイッチ171〜174を有する。
【0038】
比較器161、162においては、+側の入力として局部発振器131からの信号が与えられ、−側の入力として直流電源166からの一定の電圧(基準電圧)が与えられる。したがって、比較器161、162からは、局部発振器131からの出力が基準電圧より大きいときに、ハイレベルの出力がある。その一方、比較器163、164においては、+側の入力として直流電源166からの基準電圧が与えられ、−側の入力として局部発振器131からの出力が与えられる。したがって、比較器163、164からは、局部発振器131からの出力が基準電圧より小さいときに、ハイレベルの出力がある。
【0039】
アンド回路167〜170の一方の入力には、それぞれ、比較器161〜164の出力が与えられる。また、アンド回路167、170の他方の入力には、反転器165の出力、つまり、90°位相がずらされた局部発振信号の反転信号が与えられる。その一方、アンド回路168、169の他方の入力には、90°シフト回路132の出力、つまり、90°位相がずらされた局部発振信号が与えられる。
【0040】
アンド回路167〜170は、それぞれ、スイッチ171〜174の開閉を制御し、アンド回路167〜170のそれぞれがハイレベルの信号を出力したときに、対応するスイッチ171〜174の何れかが閉じるようになっている。
【0041】
スイッチ171は、信号b(I信号)、スイッチ172は、信号c(Q信号)、スイッチ173は、信号b’(I信号の反転信号)、スイッチ174は、信号c’(Q信号の反転信号)の通過を制御する。
【0042】
このようにスイッチ回路160を構成することにより、たとえば、基準電圧を0ボルトと設定すると、90°ごとに、信号b(I信号)の立ち上がり部分、信号c(Q信号)の立ち上がり部分、信号b’(I信号の反転信号)の立ち上がり部分、および、信号c’の立ち上がり部分が、それぞれ、スイッチ171〜174により順次選択され、スイッチ回路160から出力される。なお、ここで、立ち上がり部分とは、sinωtを考えた場合の、0≦ωt≦90°における波形の部分をいう。
【0043】
たとえば、信号bをsinωtと考えれば、スイッチ回路160からは、90°ごとにsinωtの立ち上がり部分が繰り返し出力されるため、スイッチ回路160の出力信号は、信号bの4倍の周波数であると考えることができる。したがって、本実施の形態においても、図4や図9に示す例と同様の効果を得ることができる。
【0044】
なお、上記スイッチ回路160において、基準電圧は0ボルトに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、スイッチ回路160においては、I信号、I信号の反転信号、Q信号、および、Q信号の反転信号において、少なくともそれぞれの信号が最大振幅を示すときに、それぞれの信号を選択するようにスイッチが制御されれば良く、図10に記載したものに限定されるものではない。
【0045】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、時計の回路の内部構成を示すブロックダイヤグラムである。
【図2】図2は、本実施の形態にかかる受信回路44の概略を示すブロックダイヤグラムである。
【図3】図3は、本発明の実施の形態にかかるアンテナ回路42の例を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態にかかる周波数変換・検波回路100の例を示す図である。
【図5】図5は、図4の各点における信号の例を示す図である。
【図6】図6は、図4の各点における信号の例を示す図である。
【図7】図7は、本実施の形態にかかるフィルタ特性を示す図である。
【図8】図8は、本発明の他の実施の形態にかかる周波数変換・検波回路の例を示す図である。
【図9】図9は、本発明のさらに他の実施の形態にかかる周波数変換・検波回路の例を示す図である。
【図10】図10は、本実施の形態にかかるスイッチ回路の一例を示す図である。
【図11】図11は、従来の周波数変換回路および検波回路の例を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
42 アンテナ回路
44 受信回路
50 CPU
51 入力部
52 表示部
55 計時回路部
56 発振回路部
70 フィルタ回路
80 増幅回路
90 BPF
100 周波数変換・検波回路
131 局部発振器
143 90°シフト回路
133、134 ミクサ
135、136 BPF
137、138 増幅器
139、140 反転器
141〜144 検波器
145 加算器
146 LPF
【出願人】 【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
【出願日】 平成18年7月26日(2006.7.26)
【代理人】 【識別番号】100099715
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 聡


【公開番号】 特開2008−32404(P2008−32404A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−202944(P2006−202944)